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技術 めっき方法およびめっき製品

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 神戸正小尾慶幸小此木格
出願日 2002年2月1日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-025601
公開日 2003年8月15日 (16年7ヶ月経過) 公開番号 2003-226994
状態 未査定
技術分野 電気メッキ方法,物品
主要キーワード ダイアモンド刃 バレル研磨法 炭化物系セラミックス 純水超音波洗浄 圧環強さ つきまわり 浸漬めっき 断面加工
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年8月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

基材表面付近空孔封孔されためっき製品を提供すること、また前記めっき製品を得ることができるめっき方法を提供すること。

解決手段

本発明のめっき方法は、多数の微小な空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を形成するめっき方法であって、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより、前記めっき層を形成することを特徴とする。基材の空孔率は、0.1〜17%であるのが好ましい。めっき層の平均厚さは、5〜40μmであるのが好ましい。前記湿式めっきは、第1のめっき工程と、該第1のめっき工程とは方法または条件の異なる第2のめっき工程とを有するものであるのが好ましい。前記第1のめっき工程は、無電解めっきであるのが好ましい。前記第2のめっき工程は、電気めっきであるのが好ましい。

概要

背景

ボンド磁石焼結磁石は、一般に、多数の微小空孔を有している。このような空孔が存在すると、表面積が大きくなるため、酸化等の悪影響を受け易く、磁気特性経時劣化が顕著なものになる等の問題点を有していた。

従来、上記のような悪影響を防止する目的で、ボンド磁石や焼結磁石の表面に金属めっきを施す方法等が用いられてきた。

しかしながら、従来のめっき方法では、多数の空孔を有するボンド磁石や焼結磁石に対して、均一なめっき層を形成するのは困難であった。特に、空孔部付近には、めっき層が形成され難く、上記の目的を十分に達成するのが困難であった。

また、ボンド磁石や焼結磁石のコーティング材料として樹脂材料を用いる方法も検討されているが、このような方法を用いても、上記の目的を十分達成するのは困難である。また、ボンド磁石や焼結磁石のコーティング材料として樹脂材料を用いた場合、ボンド磁石や焼結磁石の表面付近の空孔を十分に封孔することができたとしても、樹脂材料が傷が付き易い等の欠点を有しているため、十分な耐久性が得られなかった。

概要

基材の表面付近の空孔が封孔されためっき製品を提供すること、また前記めっき製品を得ることができるめっき方法を提供すること。

本発明のめっき方法は、多数の微小な空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を形成するめっき方法であって、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより、前記めっき層を形成することを特徴とする。基材の空孔率は、0.1〜17%であるのが好ましい。めっき層の平均厚さは、5〜40μmであるのが好ましい。前記湿式めっきは、第1のめっき工程と、該第1のめっき工程とは方法または条件の異なる第2のめっき工程とを有するものであるのが好ましい。前記第1のめっき工程は、無電解めっきであるのが好ましい。前記第2のめっき工程は、電気めっきであるのが好ましい。

目的

本発明の目的は、基材の表面付近の空孔が封孔されためっき製品を提供すること、また前記めっき製品を得ることができるめっき方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

多数の微小空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を形成するめっき方法であって、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより、前記めっき層を形成することを特徴とするめっき方法。

請求項2

前記湿式めっき時における前記雰囲気の圧力は、0.1〜50kPaである請求項1に記載のめっき方法。

請求項3

前記基材の空孔率は、0.1〜17%である請求項1または2に記載のめっき方法。

請求項4

前記基材は、主として金属材料で構成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のめっき方法。

請求項5

前記基材は、ボンド磁石である請求項1ないし4のいずれかに記載のめっき方法。

請求項6

前記基材は、焼結磁石である請求項1ないし4のいずれかに記載のめっき方法。

請求項7

前記めっき層の平均厚さは、4〜50μmである請求項1ないし6のいずれかに記載のめっき方法。

請求項8

前記湿式めっきは、第1のめっき工程と、該第1のめっき工程とは方法または条件の異なる第2のめっき工程とを有する請求項1ないし7のいずれかに記載のめっき方法。

請求項9

前記第1のめっき工程は、電気めっきまたは無電解めっきである請求項8に記載のめっき方法。

請求項10

前記第2のめっき工程は、電気めっきである請求項8または9に記載のめっき方法。

請求項11

前記第1のめっき工程での雰囲気の圧力をP1[Pa]、前記第2のめっき工程での雰囲気の圧力をP2[Pa]としたとき、P1<P2の関係を満足する請求項8ないし10のいずれかに記載のめっき方法。

請求項12

前記湿式めっきに用いるめっき液が入れられためっき液槽をチャンバー内に入れておき、該チャンバー内を減圧にした状態で、前記めっき液に浸漬した前記基材に前記湿式めっきを行う請求項1ないし11のいずれかに記載のめっき方法。

請求項13

請求項1ないし12のいずれかに記載のめっき方法を用いて製造されたことを特徴とするめっき製品

請求項14

多数の微小な空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を有するめっき製品であって、前記めっき層は、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより形成されたものであることを特徴とするめっき製品。

請求項15

前記湿式めっき時における前記雰囲気の圧力は、0.1〜50kPaである請求項14に記載のめっき製品。

請求項16

前記基材は、ボンド磁石である請求項14または15に記載のめっき製品。

請求項17

前記基材がリング形状をなすものであって、JIS Z2507に基づいて測定される、前記基材の圧環強さをSR0[MPa]、前記めっき層が形成されためっき製品の圧環強さをSR1[MPa]としたとき、SR1/SR0>1.2の関係を満足する請求項13ないし16のいずれかに記載のめっき製品。

請求項18

JIS K 7171に基づいて測定される、前記基材の曲げ強さをSB0[MPa]、前記めっき層が形成されためっき製品の曲げ強さをSB1[MPa]としたとき、SB1/SB0>1.2の関係を満足する請求項13ないし17のいずれかに記載のめっき製品。

技術分野

0001

本発明は、めっき方法およびめっき製品に関するものである。

背景技術

0002

ボンド磁石焼結磁石は、一般に、多数の微小空孔を有している。このような空孔が存在すると、表面積が大きくなるため、酸化等の悪影響を受け易く、磁気特性経時劣化が顕著なものになる等の問題点を有していた。

0003

従来、上記のような悪影響を防止する目的で、ボンド磁石や焼結磁石の表面に金属めっきを施す方法等が用いられてきた。

0004

しかしながら、従来のめっき方法では、多数の空孔を有するボンド磁石や焼結磁石に対して、均一なめっき層を形成するのは困難であった。特に、空孔部付近には、めっき層が形成され難く、上記の目的を十分に達成するのが困難であった。

0005

また、ボンド磁石や焼結磁石のコーティング材料として樹脂材料を用いる方法も検討されているが、このような方法を用いても、上記の目的を十分達成するのは困難である。また、ボンド磁石や焼結磁石のコーティング材料として樹脂材料を用いた場合、ボンド磁石や焼結磁石の表面付近の空孔を十分に封孔することができたとしても、樹脂材料が傷が付き易い等の欠点を有しているため、十分な耐久性が得られなかった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、基材の表面付近の空孔が封孔されためっき製品を提供すること、また前記めっき製品を得ることができるめっき方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

このような目的は、下記(1)〜(18)の本発明により達成される。

0008

(1) 多数の微小な空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を形成するめっき方法であって、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより、前記めっき層を形成することを特徴とするめっき方法。

0009

(2) 前記湿式めっき時における前記雰囲気の圧力は、0.1〜50kPaである上記(1)に記載のめっき方法。

0010

(3) 前記基材の空孔率は、0.1〜17%である上記(1)または(2)に記載のめっき方法。

0011

(4) 前記基材は、主として金属材料で構成されたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のめっき方法。

0012

(5) 前記基材は、ボンド磁石である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のめっき方法。

0013

(6) 前記基材は、焼結磁石である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のめっき方法。

0014

(7) 前記めっき層の平均厚さは、4〜50μmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のめっき方法。

0015

(8) 前記湿式めっきは、第1のめっき工程と、該第1のめっき工程とは方法または条件の異なる第2のめっき工程とを有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のめっき方法。

0016

(9) 前記第1のめっき工程は、電気めっきまたは無電解めっきである上記(8)に記載のめっき方法。

0017

(10) 前記第2のめっき工程は、電気めっきである上記(8)または(9)に記載のめっき方法。

0018

(11) 前記第1のめっき工程での雰囲気の圧力をP1[Pa]、前記第2のめっき工程での雰囲気の圧力をP2[Pa]としたとき、P1<P2の関係を満足する上記(8)ないし(10)のいずれかに記載のめっき方法。

0019

(12) 前記湿式めっきに用いるめっき液が入れられためっき液槽をチャンバー内に入れておき、該チャンバー内を減圧にした状態で、前記めっき液に浸漬した前記基材に前記湿式めっきを行う上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のめっき方法。

0020

(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のめっき方法を用いて製造されたことを特徴とするめっき製品。

0021

(14) 多数の微小な空孔を有する基材の表面の少なくとも一部に、めっき層を有するめっき製品であって、前記めっき層は、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより形成されたものであることを特徴とするめっき製品。

0022

(15) 前記湿式めっき時における前記雰囲気の圧力は、0.1〜50kPaである上記(14)に記載のめっき製品。

0023

(16) 前記基材は、ボンド磁石である上記(14)または(15)に記載のめっき製品。

0024

(17) 前記基材がリング形状をなすものであって、JIS Z 2507に基づいて測定される、前記基材の圧環強さをSR0[MPa]、前記めっき層が形成されためっき製品の圧環強さをSR1[MPa]としたとき、SR1/SR0>1.2の関係を満足する上記(13)ないし(16)のいずれかに記載のめっき製品。

0025

(18) JIS K 7171に基づいて測定される、前記基材の曲げ強さをSB0[MPa]、前記めっき層が形成されためっき製品の曲げ強さをSB1[MPa]としたとき、SB1/SB0>1.2の関係を満足する上記(13)ないし(17)のいずれかに記載のめっき製品。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明のめっき方法およびめっき製品の好適な実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。

0027

図1は、本発明のめっき方法の好適な実施形態を示す断面図、図2は、本発明のめっき方法で用いる装置の一例を示す断面図である。

0028

[基材]まず、めっきを施すべき基材2を用意する(1A)。

0029

本発明では、基材2として、多数の微小な空孔を有するものを用いる。基材2の空孔率は、特に限定されないが、0.1〜17%であるのが好ましく、0.3〜10%であるのがより好ましく、0.3〜8%であるのがさらに好ましい。

0030

基材2の空孔率が前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に発揮されない可能性がある。

0031

一方、基材2の空孔率が前記上限値を超えると、1個当たりの空孔の大きさが大きくなる傾向を示し、形成するめっき層3の厚さ等によっては、基材2の表面付近の空孔を完全に封孔するのが困難となる場合がある。

0032

基材2の構成材料は、特に限定されないが、主として金属材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、本発明の効果は、より顕著なものとなる。

0033

すなわち、一般に、金属材料は酸化等の悪影響を受け易いものであるが、本発明によれば、後に詳述するように、基材2の表面に密着性に優れためっき層3を形成することができる。このようなめっき層3が形成されることにより、基材2を外気等から遮断することが可能となり、基材2が金属材料で構成されたものであっても、酸化等の発生を効果的に防止することができる。また、基材2が主として金属材料で構成されたものであると、基材2とめっき層3との密着性がさらに優れたものになる。

0034

なお、基材2は、酸化物系セラミックス窒化物系セラミックス炭化物系セラミックス等のセラミックス、各種プラスチック材料等の非金属材料で構成されたものであってもよい。特に、基材2が主としてセラミックスで構成されたものである場合、以下のような効果が得られる。

0035

すなわち、セラミックスは、一般に脆弱なものであり、比較的弱い衝撃であっても容易に破壊してしまうが、本発明によれば、このようなセラミックスを基材2として用いた場合であっても、その表面にめっき層3を形成することにより、全体としての強度が向上し、外部からの衝撃等により破壊され難いものとすることができる。

0036

基材2としてはいかなるものを用いてもよいが、以下のような理由により、ボンド磁石または焼結磁石を用いるのが好ましい。

0037

ボンド磁石、焼結磁石は、酸化等の悪影響を特に受け易く、これらの悪影響により、磁気特性が経時的に低下する等の問題点を有している。一方、本発明によれば、基材2の表面に密着性に優れためっき層3を形成することができる。このようなめっき層3が形成されることにより、基材2を外気等から遮断することが可能となる。したがって、本来、酸化等の悪影響を受け易いボンド磁石、焼結磁石を基材2として用いた場合であっても、本発明によれば、前記のような悪影響の発生を効果的に防止、抑制することができる。

0038

また、ボンド磁石、焼結磁石は、一般に脆弱なものであり、特に、肉厚の薄い(薄肉)のものでは、比較的弱い衝撃であっても容易に破壊してしまうが、本発明により、その表面にめっき層3を形成することにより、全体としての強度が向上し、外部からの衝撃等により破壊され難いものとなる。

0039

以上説明したように、基材2としてボンド磁石、焼結磁石を用いた場合、本発明の効果は特に顕著なものとなる。

0040

[めっき層の形成]上述したような基材2の表面に、湿式めっきによりめっき層3を形成する(1B)。

0041

本発明では、めっき層3を形成するための湿式めっきを、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で行う点に特徴を有する。

0042

このように、雰囲気の圧力を80kPa以下とした状態で湿式めっきを行うことにより、基材2の表面付近の空孔内に存在する気体を排除することが可能となり、その結果、めっき層3を、前記空孔内に入り込んだ状態のものとして形成することができる。

0043

このように、めっき層3が基材2の表面付近の空孔に入り込むような状態(封孔状態)で形成されると、基材2は、外部から遮断されたような状態となる。その結果、基材2は、外気等による影響を受け難いものとなり、酸化等の発生が効果的に防止、抑制される。

0044

上述したように、本発明では、湿式めっきを行う際の雰囲気の圧力は、80kPa以下とされるが、0.1〜50kPaであるのが好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。

0045

また、本発明では、めっき層3を形成するためのめっき方法として、湿式めっきを用いる。これにより、基材2が複雑な形状を有するものであっても、各部位で厚さのバラツキの小さいめっき層3を容易に形成することができる。

0046

めっき層3を形成するための湿式めっきとしては、例えば、電気めっき(電解めっき)、無電解めっき、浸漬めっき共析めっき等が挙げられる。

0047

上記のような湿式めっきは、例えば、図2に示すような装置を用いて行うことができる。

0048

図2に示す装置では、チャンバー10内に、めっき液4が入れられためっき液槽5が設置されている。めっき液4中には、整流器6に接続された陽極7が浸漬されている。

0049

チャンバー10の内部は、ポンプ8により、排気され、80kPa以下の減圧状態になっている。

0050

このように、チャンバー10内が減圧された状態で、整流器6に接続された基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電する。

0051

このようにして、電気めっきを行うことにより、基材2の表面にめっき層3が形成される。

0052

なお、図2には、電気めっきに用いる装置を示したが、無電解めっきとしては、図2中の整流器6、陽極7が不要となる以外は、同様の装置を用いることができる。

0053

めっき層3の形成を電気めっきにより行う場合、めっき時におけるめっき液の温度は、めっき液の組成等により異なるが、20〜100℃程度であるのが好ましく、40〜95℃程度であるのがより好ましい。めっき液の温度が前記範囲内の値であると、緻密で均質なめっき層3を効率良く形成することができる。

0054

また、電気めっきを行う際の電流密度は、めっき液の組成等により異なるが、0.1〜8A/dm2程度であるのが好ましく、0.3〜5A/dm2程度であるのがより好ましい。電流密度が前記範囲内の値であると、緻密で均質なめっき層3を効率良く形成することができる。

0055

めっき層3の形成を無電解めっきにより行う場合、めっき時におけるめっき液の温度は、めっき液の組成等により異なるが、30〜98℃程度であるのが好ましく、40〜90℃程度であるのがより好ましい。めっき液の温度が前記範囲内の値であると、緻密で均質なめっき層3を効率良く形成することができる。

0056

めっき層3の構成材料としては、例えば、Cu、Co、Pd、Au、Ag、In、Ni、Ti、Zn、Al、Fe、Cr、Pt、Rh、Ru、Ir、B、P、Si、Mn等の金属材料や、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む合金、前記金属材料のうち少なくとも1種による金属化合物、またはこれらを2種以上組み合わせたもの等が挙げられるが、この中でも特に、Ni、Cu、Au、Pd、Pt等の単体金属めっきや、Ni-B、Ni-Si、Ni-P、Ni-Cu、Mn−Ni、Ni−Cr、Ni−Zn等の合金めっきが好ましい。これにより、めっき製品1に要求される特性、品質が特に優れたものとなる。

0057

また、このような湿式めっきは、2段階以上に分けて行ってもよい。例えば、第1のめっき工程と、該第1のめっき工程とは方法または条件の異なる第2のめっき工程とに分けて行ってもよい。この場合、以下の条件を満足するのが好ましい。

0058

第1のめっき工程は、電気めっきまたは無電解めっきにより行うのが好ましい。これにより、形成されるめっき層3の厚み均一性をさらに高めることが可能となり、耐錆性能等を格段に向上させることができるとともに、めっき製品1の量産性を向上させることができ、コスト低減の効果も得られる。

0059

また、第2のめっき工程は、電気めっきにより行うのが好ましい。これにより、孔部のめっきつきまわり効果がさらに向上する。その結果、最終的に得られるめっき製品1は、耐酸化性および機械的強度が特に優れたものになる。また、めっき層3の膜形成速度を高めることができ、量産性も大きく向上する。

0060

また、第1のめっき工程での雰囲気の圧力をP1[Pa]、第2のめっき工程での雰囲気の圧力をP2[Pa]としたとき、P1<P2の関係を満足するのが好ましく、P1<0.9P2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、緻密で均質なめっき層3を、さらに効率良く形成することができる。

0061

また、第1のめっき工程および第2のめっき工程を、いずれも電気めっきにより行う場合、第1のめっき工程における電流密度は、第2のめっき工程における電流密度より低いものであるのが好ましい。すなわち、第1のめっき工程における電流密度をD1[A/dm2]、第2のめっき工程における電流密度をD2[A/dm2]としたとき、D1<D2の関係を満足するのが好ましい。特に、D1<0.9D2の関係を満足するのがより好ましく、D1<0.8D2の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、緻密で均質なめっき層3を、さらに効率良く形成することができる。

0062

また、めっき層を形成するための湿式めっきは、3段階以上の工程に分けて行ってもよい。

0063

めっき層を形成するための湿式めっきを2段階以上の工程に分けて行う場合、これらの工程の間に、中間処理を施してもよい。中間処理としては、例えば、ブラスト処理アルカリ洗浄酸洗浄水洗有機溶剤洗浄ボンバード処理等の清浄化処理エッチング処理等が挙げられる。

0064

また、湿式めっきの条件は、連続的または断続的に変化させてもよい。例えば、湿式めっきは、めっき液の温度や、電流密度が経時的に変化するような条件で行ってもよい。

0065

以上のような湿式めっきにより形成されるめっき層3の平均厚さは、特に限定されないが、4〜50μmであるのが好ましく、5〜40μmであるのがより好ましい。

0066

めっき層3の平均厚さが前記下限値未満であると、基材2の空孔の大きさ、空孔率等によっては、基材2の表面付近の空孔を完全に封孔するのが困難となる場合がある。

0067

一方、めっき層3の平均厚さが前記上限値を超えると、寸法精度が低下し、バリ等の発生も生じ易くなる。また、めっき製品1の製造コストが上昇し、量産が困難となる場合がある。

0068

また、めっき層3の形成に先立ち、基材2に対して、前処理を施してもよい。このような前処理は、例えば、基材2とめっき層3との密着性の向上等を目的として行うことができる。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられるが、この中でも特に、清浄化処理が好ましい。基材2の表面に、清浄化処理を施すことにより、基材2とめっき層3との密着性が特に優れたものとなる。また、基材2の構成材料として導電性のないセラミックスを用いる場合、例えば、前処理として、基材2の表面に導電膜の形成を行ってもよい。この場合、導電膜は、基材2の表面を完全に被覆するものでなくてもよく、例えば、島状に形成されたものであってもよい。

0069

以上のようなめっき方法により得られるめっき製品1は、優れた機械的強度を有するものであるのが好ましい。これにより、めっき製品1を、優れた機械的強度が求められる用途(例えば、モータ等)に好適に用いることができる。

0070

例えば、JIS K 7171に基づいて測定される、基材2そのもの(めっき前のもの)の曲げ強さをSB0[MPa]、めっき層3が形成されためっき製品1の曲げ強さをSB1[MPa]としたとき、SB1/SB0>1.2の関係を満足するのが好ましく、SB1/SB0>2の関係を満足するのがより好ましく、SB1/SB0>3の関係を満足するのがさらに好ましい。

0071

また、基材2がリング形状をなすものである場合、JIS Z 2507に基づいて測定される、基材2そのもの(めっき前のもの)の圧環強さをSR0[MPa]、めっき層3が形成されためっき製品1の圧環強さをSR1[MPa]としたとき、SR1/SR0>1.2の関係を満足するのが好ましく、SR1/SR0>2の関係を満足するのがより好ましく、SR1/SR0>3の関係を満足するのがさらに好ましい。

0072

以上、本発明のめっき方法およびめっき製品の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。

0073

例えば、前述した実施形態では、めっき層は、基材の全表面に形成するものとして説明したが、基材の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。

0074

また、めっき製品の表面の少なくとも一部には、例えば、耐食性耐候性耐水性耐油性耐摩耗性耐変色性防錆性防汚性防曇性、防傷性等の効果のさらなる向上等を目的とする保護層等が形成されていてもよい。

0075

また、本発明のめっき製品は、前述したようなボンド磁石、焼結磁石に限定されるものではない。

0076

次に、本発明の具体的実施例について説明する。

0077

(実施例1)
1.めっき製品の製造
以下に述べるような方法で19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)と、1種のめっき層を有さないボンド磁石(サンプルNo.20)を、それぞれ20個づつ製造した。

0078

[サンプルNo.1]以下に示すようなめっき方法を施すことにより、図1に示すようなめっき製品を製造した。

0079

まず、基材として用いるボンド磁石を、以下のようにして製造した。まず、合金組成がR−TM−B系合金で構成される磁石粉末(MQI社製のMQP−B粉末)と、エポキシ樹脂と、少量のステアリン酸亜鉛滑材)とを混合し、これらを常温で30分間混練して、ボンド磁石用組成物コンパウンド)を作製した。

0080

このとき、磁石粉末、エポキシ樹脂、ステアリン酸亜鉛の配合比率重量比率)は、それぞれ95wt%、4wt%、1wt%であった。

0081

次いで、このコンパウンドを粉砕して粒状とし、この粒状物量してプレス装置金型内充填し、無磁場中にて、圧力120kg/mm2で圧縮成形した後、170℃でエポキシ樹脂を加熱硬化させ、円筒状のボンド磁石を得た。このボンド磁石に対して、その高さ方向の研磨処理を施した。その後、ボンド磁石を、バレル研磨法により各がR0.2になるまで研磨し、これを基材とした。このようにして得られた基材の空孔率は、5.6%であった。

0082

次に、得られた基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、純水超音波洗浄を2分間行い、引き続き、アルカリ洗浄(アルカリ脱脂処理)を60℃で5分間、純水超音波洗浄を2分間行った。

0083

このようにして洗浄を行った基材の表面に、Niで構成されるめっき層を形成することにより、めっき製品を得た。

0084

めっき層は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきを行うことにより形成した。

0085

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を40kPaとした。

0086

チャンバー10内の圧力を40kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0087

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、80℃、1A/dm2、120分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0088

このような電気めっきにより形成されためっき層の平均厚さは、25μmであった。

0089

このようにして得られためっき製品は、外径20.0mm×内径17.8mm×高さ4.0mmの円筒状をなすものであった。

0090

[サンプルNo.2]めっき層の形成を、以下に説明する第1のめっき工程と、第2のめっき工程との2段階に分けて行った以外は、サンプルNo.1のめっき製品と同様にして製造した。

0091

まず、洗浄処理を施した基材の表面に、第1のめっき工程として、無電解めっきを施した。

0092

この無電解めっきには、めっき液としてトップケミアロイ(奥野製薬社製)を用い、めっき液の浴温、浸漬時間は、それぞれ、60℃、120分間とした。

0093

その後、中間処理として、純水超音波洗浄を2分間行い、引き続き、第2のめっき工程を行った。

0094

第2のめっき工程は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきにより行った。

0095

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を30kPaとした。

0096

チャンバー10内の圧力を30kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0097

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、86℃、1.1A/dm2、120分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル、塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0098

以上のような湿式めっき(第1の工程および第2の工程)により形成されためっき層の平均厚さは、26μmであった。

0099

[サンプルNo.3]第1のめっき工程を以下のような電気めっきにより行った以外は、サンプルNo.2のめっき製品と同様にして製造した。

0100

第1のめっき工程は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきにより行った。

0101

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を30kPaとした。

0102

チャンバー10内の圧力を30kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0103

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、80℃、0.8A/dm2、100分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル、塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0104

湿式めっき(第1の工程および第2の工程)により形成されためっき層の平均厚さは、22μmであった。

0105

[サンプルNo.4〜No.13]磁石粉末と、エポキシ樹脂と、ステアリン酸亜鉛との配合比率(重量比率)を変更することにより、ボンド磁石の空孔率を表1に示すように変更した以外は、サンプルNo.3のめっき製品と同様にして、10種のめっき製品(サンプルNo.4〜No.13)を製造した。

0106

[サンプルNo.14〜No.18]第1のめっき工程、第2のめっき工程におけるチャンバー内の圧力を表1に示すように変更した以外は、サンプルNo.3のめっき製品と同様にして、5種のめっき製品(サンプルNo.14〜No.18)を製造した。

0107

[サンプルNo.19]めっき層を形成するための電気めっきを、チャンバー内の圧力を1.0×105Paとした状態で行った以外は、サンプルNo.1のめっき製品と同様にして製造した。

0108

[サンプルNo.20]サンプルNo.1のめっき製品の製造に用いた基材と同様にして、ボンド磁石を製造し、これをサンプルNo.20とした。

0109

2.評価
外観評価]上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:ピンホールの存在が認められず、特に優れた外観を有する。
○:ピンホールの存在はわずかに認められるが、優れた外観を有する。
△:ピンホールの存在がはっきりと認められ、外観にやや劣る。
×:ピンホールの存在が顕著に認められ、外観に劣る。

0110

[基材とめっき層との密着性評価ダイアモンド刃(刃の厚み:0.08mm、外径φ:100mm)を用いたダイシングソ−で、上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)を、それぞれ5個づつ断面加工した。

0111

得られた断面を、SEMにより観察し、基材の表面付近におけるめっき層との密着性について、以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:基材の表面付近の空孔にめっき層が侵入し、基材の表面付近の空孔がほぼ完全に封孔されている。
○:基材の表面付近の空孔のほとんどが、めっき層により封孔されている。
△:基材の表面付近の空孔が、ほとんど封孔されていない。
×:基材の表面付近の空孔が、全く封孔されていない。

0112

耐食性評価]上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)と、めっき層を有さないボンド磁石(サンプルNo.20)とを、それぞれ5個ずつ用いて、耐食性の評価を行った。

0113

耐食性の評価は、JIS K 5400−7−8に基づいて試験を行い、その後の各めっき製品の外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:腐食の発生が全く認められない。
○:腐食の発生がほとんど認められない。
△:腐食の発生がわずかと認められる。
×:腐食の発生がはっきりと認められる。

0114

[曲げ強さ]上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)を、それぞれ5個づつ用いて、曲げ強さを測定し、これらの平均値(SB1[MPa])を求めた。

0115

また、各めっき製品の製造時に用意した基材を、それぞれ5個づつ用いて、圧環強さを測定し、これらの平均値(SB0[MPa])を求めた。

0116

これらの結果から、SB1/SB0の値を求めた。なお、曲げ強さの測定は、JIS K 7171に基づいて行った。

0117

[圧環強さ]上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.1〜No.19)を、それぞれ5個づつ用いて、圧環強さを測定し、これらの平均値(SR1[MPa])を求めた。

0118

また、各めっき製品の製造時に用意した基材を、それぞれ5個づつ用いて、圧環強さを測定し、これらの平均値(SR0[MPa])を求めた。これらの結果から、SR1/SR0の値を求めた。

0119

なお、圧環強さの測定は、JIS Z 2507に基づいて行った。これらの結果を、湿式めっきの条件とともに、表1に示す。

0120

0121

表1から明らかなように、サンプルNo.1〜No.18のめっき製品(いずれも本発明)は、いずれも、ピンホールのない優れた外観を有しており、基材とめっき層との密着性に優れていた。また、サンプルNo.1〜No.18のめっき製品は、いずれも、優れた耐食性、機械的強度を有していた。

0122

これに対し、サンプルNo.19のめっき製品(比較例)は、表面に多くのピンホールが存在し、基材とめっき層との密着性にも劣っていた。また、サンプルNo.19のめっき製品は、耐食性、機械的強度にも劣っていた。

0123

また、めっき層を有さないサンプルNo.20のボンド磁石(比較例)は、耐食性が特に劣っていた。

0124

(実施例2)
1.めっき製品の製造
以下に述べるような方法で19種のめっき製品(サンプルNo.21〜No.39)と、1種のめっき層を有さない焼結磁石(サンプルNo.40)を、それぞれ15個づつ製造した。

0125

[サンプルNo.21]Nd15Fe77B8の組成からなる合金を溶解鋳造法により製造した。

0126

得られた鋳造合金を、窒素ガス雰囲気中、機械式ハンマーミルで粉砕し、さらに、ジェットミルにより微粉砕し、磁石粉末を得た。このようにして得られた磁石粉末の平均粒度は、3.2μmであった。

0127

このようにして得られた磁石粉末をプレス装置の金型内に充填し、圧力60kg/mm2で圧縮し、円柱状に成形した。なお、前記成形は、前記円柱の高さ方向に、10kOeの磁場を与えつつ行った。

0128

離型後、1120℃で1時間焼結し、さらに、600℃×60分の時効処理を施すことにより、円柱状の焼結磁石を得た。この焼結磁石に対して、その高さ方向の研磨処理を施した。その後、焼結磁石を、バレル研磨法により各稜がR0.2になるまで研磨し、これを基材とした。このようにして得られた基材の空孔率は、1.1%であった。

0129

次に、得られた基材(焼結磁石)を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、純水超音波洗浄を2分間行った。

0130

このようにして洗浄を行った基材の表面に、Niで構成されるめっき層を形成することにより、めっき製品を得た。

0131

めっき層は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきを行うことにより形成した。

0132

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を20kPaとした。

0133

チャンバー10内の圧力を20kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0134

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、83℃、1.0A/dm2、100分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル、塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0135

このような電気めっきにより形成されためっき層の平均厚さは、23μmであった。

0136

このようにして得られためっき製品は、直径10.0mm×高さ8.0mmの円柱状をなすものであった。

0137

[サンプルNo.22]めっき層の形成を、以下に説明する第1のめっき工程と、第2のめっき工程との2段階に分けて行った以外は、サンプルNo.21のめっき製品と同様にして製造した。

0138

まず、洗浄処理を施した基材の表面に、第1のめっき工程として、無電解めっきを施した。

0139

この無電解めっきには、めっき液としてトップケミアロイ(奥野製薬社製)を用い、めっき液の浴温、浸漬時間は、それぞれ、60℃、120分間とした。

0140

その後、中間処理として、純水超音波洗浄を2分間行い、引き続き、第2のめっき工程を行った。

0141

第2のめっき工程は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきにより行った。

0142

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を20kPaとした。

0143

チャンバー10内の圧力を20kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0144

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、86℃、1.0A/dm2、60分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル、塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0145

以上のような湿式めっき(第1の工程および第2の工程)により形成されためっき層の平均厚さは、24μmであった。

0146

[サンプルNo.23]第1のめっき工程を以下のような電気めっきにより行った以外は、サンプルNo.22のめっき製品と同様にして製造した。

0147

第1のめっき工程は、図2に示すような装置を用いて、以下のような電気めっきにより行った。

0148

まず、めっき液槽5が設置されたチャンバー10の内部をポンプ8により排気し、チャンバー10内の圧力を15kPaとした。

0149

チャンバー10内の圧力を15kPaに保持しつつ、整流器6に接続された陽極7および基材2(陰極)をめっき液4中に浸漬し、めっき液4に通電することにより、電気めっきを行った。

0150

めっき液の浴温、電流密度、浸漬時間は、それぞれ、86℃、0.8A/dm2、30分間とした。また、めっき液としては、硫酸ニッケル:250g/リットル、塩化ニッケル:45g/リットル、ほう酸:45g/リットルを含む水溶液を用いた。

0151

湿式めっき(第1の工程および第2の工程)により形成されためっき層の平均厚さは22μmであった。

0152

[サンプルNo.24〜No.33]鋳造合金を粉砕して得られる磁石粉末の平均粒度を変更することにより、焼結磁石の空孔率を表2に示すように変更した以外は、サンプルNo.23のめっき製品と同様にして、10種のめっき製品(サンプルNo.24〜No.33)を製造した。

0153

[サンプルNo.34〜No.38]第1のめっき工程、第2のめっき工程におけるチャンバー内の圧力を表2に示すように変更した以外は、サンプルNo.23のめっき製品と同様にして、5種のめっき製品(サンプルNo.34〜No.38)を製造した。

0154

[サンプルNo.39]めっき層を形成するための電気めっきを、チャンバー内の圧力を1.0×105Paとした状態で行った以外は、サンプルNo.21のめっき製品と同様にして製造した。

0155

[サンプルNo.40]サンプルNo.21のめっき製品の製造に用いた基材と同様にして、焼結磁石を製造し、これをサンプルNo.40とした。

0156

2.評価
[外観評価]前記実施例1と同様の基準に従い、評価した。

0157

[基材とめっき層との密着性評価]前記実施例1と同様の基準に従い、評価した。

0158

[耐食性評価]前記実施例1と同様の基準に従い、評価した。

0159

[曲げ強さ]上記のようにして得られた19種のめっき製品(サンプルNo.21〜No.39)を、それぞれ5個づつ用いて、曲げ強さを測定し、これらの平均値(SB1[MPa])を求めた。

0160

また、各めっき製品の製造時に用意した基材を、それぞれ5個づつ用いて、圧環強さを測定し、これらの平均値(SB0[MPa])を求めた。これらの結果から、SB1/SB0の値を求めた。

0161

なお、曲げ強さの測定は、JIS K 7171に基づいて行った。これらの結果を、湿式めっきの条件とともに、表2に示す。

0162

0163

表2から明らかなように、サンプルNo.21〜No.38のめっき製品(いずれも本発明)は、いずれも、ピンホールのない優れた外観を有しており、基材とめっき層との密着性に優れていた。また、サンプルNo.21〜No.38のめっき製品は、いずれも、優れた耐食性、機械的強度を有していた。

0164

これに対し、サンプルNo.39のめっき製品(比較例)は、表面に多くのピンホールが存在し、基材とめっき層との密着性にも劣っていた。また、サンプルNo.39のめっき製品は、耐食性、機械的強度にも劣っていた。

0165

また、めっき層を有さないサンプルNo.40の焼結磁石(比較例)は、耐食性が特に劣っていた。

発明の効果

0166

以上述べたように、本発明によれば、基材の表面付近の空孔が封孔されためっき製品を提供することができる。

0167

また、本発明によれば、基材の酸化等を効果的に防止することができ、耐久性を向上させることができる。

0168

また、基材が比較的脆弱なものであっても、本発明を適用することにより、全体としての機械的強度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0169

図1本発明のめっき方法の好適な実施形態を示す断面図である。
図2本発明のめっき方法で用いる装置の一例を示す断面図である。

--

0170

1……めっき製品2……基材3……めっき層4……めっき液5……めっき液槽 6……整流器7……陽極8……ポンプ10……チャンバー1A、1B……工程

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