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技術 研磨用織物及び磁気記録ディスク基盤研磨用テープ

出願人 ユニチカファイバー株式会社
発明者 藤井実山名道則
出願日 2002年2月1日 (18年10ヶ月経過) 出願番号 2002-025496
公開日 2003年8月12日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2003-225856
状態 未査定
技術分野 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削
主要キーワード 押さえゴム ヘリンボン 易溶性成分 回転棒 ハードウェアー 研磨用砥粒 筋状溝 基盤表面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年8月12日)のものです。
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図面 (2)

課題

表面に均一に砥粒を分散させることのできる研磨用織物を提供し、特に磁気記録ディスク基盤テクスチャー加工用の研磨テープとして使用でき、Ra値が10オングストローム以下さらには3オングストローム未満研磨精度を実現すると共に、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生を抑制し、研磨速度や耐久性に関しても十分に満足できる研磨用織物を提供することを課題とする。

解決手段

研磨砥粒を用いた表面研磨に用いられる織物であって、繊維表面に繊維軸方向に沿って研磨砥粒を保持可能な連続筋状溝を有する合成繊維経糸もしくは緯糸の少なくとも一方に用いて構成されることを特徴とする研磨用織物。

概要

背景

各種天然及び人造鉱物微粒子研磨用砥粒として用いた表面研磨は、レンズ反射鏡などの光学製品分野や記録用媒体などの電子・情報技術分野をはじめ、各種産業分野で広く行なわれている。特に近年、磁気記録ディスクコンピューター情報記録媒体としては最もポピュラーなものであり、昨今はコンピューター以外のハードウェアー、例えばテレビ映像録画機にも使用されるようになり、静止画はもとより動画は従来の文章中心の情報に比べ情報量が多く、より大容量の記録が可能な磁気記録ディスクの必要性が高まり、開発が加速されている。このような状況下で、大容量の磁気記録ディスクの製造に欠くことのできない性能として、磁気異方性に優れたテキスチャー痕や一層の表面平滑性が必要とされ、磁気記録ディスク基盤の表面を研磨する研磨技術の精度向上、そのために使用される研磨用テープについても改良が求められている。

一般に磁気記録ディスク基盤の研磨は、ポリッシング加工と呼ばれる前研磨とテクスチャー加工と呼ばれる後研磨がある。ポリッシング加工はいわゆる表面のうねりを改善し、かつ平滑にする工程である。またテクスチャー加工は平坦にした表面に、同心円状に近いオングストローム単位の細かい溝(以下テキスチャー痕)を形成する工程であり、磁気異方性に優れたテキスチャー痕を作り、かつ均一な表面を形成し磁気ヘッドが磁気記録ディスクに接触させないかが焦点となる。

これらの加工のうち、テクスチャー加工においては、磁気記録ディスク基盤を回転させながら、1μm以下のセラミックス系もしくは合成ダイヤモンドの微粒子を含む砥粒液(以下スラリー)を、研磨用織物テープ状にカットした研磨テープと磁気記録ディスク基盤の間に流し込み、研磨テープ上に分散した上記微粒子で研磨する遊離砥粒法が一般的である。このとき、オングストローム単位のテキスチャー痕が磁気記録ディスク基盤上に付与されるが、いかに均一で細かいテキスチャー痕であるかが、磁気異方性に優れたテキスチャー痕、かつ磁気ヘッドが磁気記録ディスクに接触しない表面形態につながる。具体的にテキスチャー痕を評価する指標として算術平均表面粗さ(Ra値)やスクラッチ(大きな傷の数)などがあり、これらの値を低くすることが、記録容量を高めるために重要な要素となる。なお、上記テキスチャー加工法以外に、ポリエステル(PET)フィルム上に酸化アルミニウムなどの研磨剤ウレタン樹脂などのバインダーとを混練したものを塗布した研磨シートを用いた固定砥粒法も提案されているが、研磨シートの柔軟性を調整することが難しいことから、うねりが解消しない。また研磨屑残留による目詰まりや、砥粒が固定されていて流動性ないためスクラッチが発生するなどの問題があった。

上記の遊離砥粒法において使用される研磨テープとしては、フィルム上にレーヨンやポリエステル等の短繊維植毛したものが使用されてきたが、Raの限界値は20オングストローム程度にとどまるため、さらに研磨精度を向上させるために、最近では合成繊維極細糸で構成された布帛からなるものが使用されるようになっている。例えば、特開平6−295432号公報には、0.11デシテックス以下の極細糸で構成された磁気記録ディスク用研磨テープに関しての提案がなされており、0.11デシテックス以下の極細繊維を採用することにより、テープ表面に研磨砥粒が均一に付着し、研磨テープをディスク基盤押し付けた際に押し付け圧が均一に分散され、基盤表面粗さの向上が可能とされているが、その詳細に関する記載はなく、Ra値が10オングストローム以下の研磨精度を実現できるかについては定かではない。また、糸を細くすればするほど、その耐久性に乏しくダストなどの問題となり、研磨精度の向上を阻害する懸念もある。

概要

表面に均一に砥粒を分散させることのできる研磨用織物を提供し、特に磁気記録ディスク基盤のテクスチャー加工用の研磨テープとして使用でき、Ra値が10オングストローム以下さらには3オングストローム未満の研磨精度を実現すると共に、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生を抑制し、研磨速度や耐久性に関しても十分に満足できる研磨用織物を提供することを課題とする。

研磨砥粒を用いた表面研磨に用いられる織物であって、繊維表面に繊維軸方向に沿って研磨砥粒を保持可能な連続筋状溝を有する合成繊維を経糸もしくは緯糸の少なくとも一方に用いて構成されることを特徴とする研磨用織物。

目的

そこで本発明の課題は、表面に均一に砥粒を分散させることのできる研磨用織物を提供し、特に磁気記録ディスク基盤のテクスチャー加工用の研磨テープとして使用でき、Ra値が10オングストローム以下さらには3オングストローム未満の研磨精度を実現すると共に、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生を抑制し、研磨速度や耐久性に関しても十分に満足できる研磨用織物を提供することを課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

研磨砥粒を用いた表面研磨に用いられる織物であって、繊維表面に繊維軸方向に沿って研磨砥粒を保持可能な連続筋状溝を有する合成繊維経糸もしくは緯糸の少なくとも一方に用いて構成されることを特徴とする研磨用織物

請求項2

請求項1記載の研磨用織物を用いてなる磁気記録ディスク基盤研磨用テープ

技術分野

0001

本発明は、研磨砥粒を用いた表面研磨に用いる研磨用織物に関するものであり、さらには、アルミニウムならびにガラス基盤などの磁気記録ディスクの製造工程において、磁気記録ディスク基盤の表面を研磨する際に用いる研磨用テープに関するものである。

背景技術

0002

各種天然及び人造鉱物微粒子研磨用砥粒として用いた表面研磨は、レンズ反射鏡などの光学製品分野や記録用媒体などの電子・情報技術分野をはじめ、各種産業分野で広く行なわれている。特に近年、磁気記録ディスクはコンピューター情報記録媒体としては最もポピュラーなものであり、昨今はコンピューター以外のハードウェアー、例えばテレビ映像録画機にも使用されるようになり、静止画はもとより動画は従来の文章中心の情報に比べ情報量が多く、より大容量の記録が可能な磁気記録ディスクの必要性が高まり、開発が加速されている。このような状況下で、大容量の磁気記録ディスクの製造に欠くことのできない性能として、磁気異方性に優れたテキスチャー痕や一層の表面平滑性が必要とされ、磁気記録ディスク基盤の表面を研磨する研磨技術の精度向上、そのために使用される研磨用テープについても改良が求められている。

0003

一般に磁気記録ディスク基盤の研磨は、ポリッシング加工と呼ばれる前研磨とテクスチャー加工と呼ばれる後研磨がある。ポリッシング加工はいわゆる表面のうねりを改善し、かつ平滑にする工程である。またテクスチャー加工は平坦にした表面に、同心円状に近いオングストローム単位の細かい溝(以下テキスチャー痕)を形成する工程であり、磁気異方性に優れたテキスチャー痕を作り、かつ均一な表面を形成し磁気ヘッドが磁気記録ディスクに接触させないかが焦点となる。

0004

これらの加工のうち、テクスチャー加工においては、磁気記録ディスク基盤を回転させながら、1μm以下のセラミックス系もしくは合成ダイヤモンドの微粒子を含む砥粒液(以下スラリー)を、研磨用織物をテープ状にカットした研磨テープと磁気記録ディスク基盤の間に流し込み、研磨テープ上に分散した上記微粒子で研磨する遊離砥粒法が一般的である。このとき、オングストローム単位のテキスチャー痕が磁気記録ディスク基盤上に付与されるが、いかに均一で細かいテキスチャー痕であるかが、磁気異方性に優れたテキスチャー痕、かつ磁気ヘッドが磁気記録ディスクに接触しない表面形態につながる。具体的にテキスチャー痕を評価する指標として算術平均表面粗さ(Ra値)やスクラッチ(大きな傷の数)などがあり、これらの値を低くすることが、記録容量を高めるために重要な要素となる。なお、上記テキスチャー加工法以外に、ポリエステル(PET)フィルム上に酸化アルミニウムなどの研磨剤ウレタン樹脂などのバインダーとを混練したものを塗布した研磨シートを用いた固定砥粒法も提案されているが、研磨シートの柔軟性を調整することが難しいことから、うねりが解消しない。また研磨屑残留による目詰まりや、砥粒が固定されていて流動性ないためスクラッチが発生するなどの問題があった。

0005

上記の遊離砥粒法において使用される研磨テープとしては、フィルム上にレーヨンやポリエステル等の短繊維植毛したものが使用されてきたが、Raの限界値は20オングストローム程度にとどまるため、さらに研磨精度を向上させるために、最近では合成繊維極細糸で構成された布帛からなるものが使用されるようになっている。例えば、特開平6−295432号公報には、0.11デシテックス以下の極細糸で構成された磁気記録ディスク用研磨テープに関しての提案がなされており、0.11デシテックス以下の極細繊維を採用することにより、テープ表面に研磨砥粒が均一に付着し、研磨テープをディスク基盤押し付けた際に押し付け圧が均一に分散され、基盤表面粗さの向上が可能とされているが、その詳細に関する記載はなく、Ra値が10オングストローム以下の研磨精度を実現できるかについては定かではない。また、糸を細くすればするほど、その耐久性に乏しくダストなどの問題となり、研磨精度の向上を阻害する懸念もある。

発明が解決しようとする課題

0006

研磨精度をさらに向上させるには、研磨スラリーに含まれる砥粒を研磨テープ表面に均一に分散させることが重要であると考えられるが、上記した極細繊維を用いた研磨テープにおいては、極細繊維の断面形状により異なる研磨テープ表面のスラリー拡散性には触れられていない。極細繊維の採用だけでは、砥粒を均一に分散させる効果は幾分か期待できるかも知れないが、満足できるほどの効果は得られず、また、上記したように耐久性の問題がある。

0007

そこで本発明の課題は、表面に均一に砥粒を分散させることのできる研磨用織物を提供し、特に磁気記録ディスク基盤のテクスチャー加工用の研磨テープとして使用でき、Ra値が10オングストローム以下さらには3オングストローム未満の研磨精度を実現すると共に、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生を抑制し、研磨速度や耐久性に関しても十分に満足できる研磨用織物を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、砥粒の織物表面における分散を制御することについて鋭意検討を重ねた結果、織物を構成する繊維の表面に繊維軸方向に沿った連続筋状溝を設けることによりスラリーの拡散性を向上させ、かつその筋状溝の開口幅や深さを砥粒の粒子径に応じて適時設定することにより、筋状溝方向に砥粒が均一に配列され、上記の課題を解決できる研磨用織物が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。

0009

すなわち本発明は、研磨砥粒を用いた表面研磨に用いられる織物であって、繊維表面に繊維軸方向に沿って研磨砥粒を保持可能な連続筋状溝を有する合成繊維を経糸もしくは緯糸の少なくとも一方に用いて構成されることを特徴とする研磨用織物、並びにその研磨用織物を用いてなる磁気記録ディスク基盤研磨用テープを要旨とするものである。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明について詳細に説明する。本発明の研磨用織物は、光学製品、宝飾品、その他表面研磨を必要とする各種用途に使用できるものであるが、特に磁気記録ディスク基盤研磨用として好適であるので、以下では主に磁気記録ディスク基盤研磨用に焦点を当てて説明する。

0011

本発明の研磨用織物は、繊維表面に繊維軸方向に沿って連続筋状溝を有する合成繊維(以下、溝付き繊維と略記することがある)を経糸もしくは緯糸の少なくとも一方に用いて構成される。溝付き繊維の単糸繊度としては、0.3〜2.0デシテックスが好ましく、0.5〜1.0デシテックスがより好ましい。単糸繊度が0.3デシテックス未満の場合、磁気記録ディスク基盤研磨時の摩擦耐久性に劣り、発塵などの問題が発生する傾向にある。一方、2.0、デシテックスを超えると、磁気記録ディスク基盤研磨用テープとして用いたときのクッション性が損なわれ、スクラッチの原因となる傾向にある。溝付き繊維を用いてなる経糸もしくは緯糸の全繊度としては、特に限定されるものではないが、製織性、織物としての加工性、磁気記録ディスク基盤研磨時のテープ形状の安定性などを考慮すれば、30〜150デシテックスが好ましい。

0012

織物の組織も特に限定されるものではないが、溝付き繊維ができるだけ研磨対象面と接触するように組織されていることが本発明の効果を得る点で好ましい。少なくとも経糸もしくは緯糸の一方に溝付き繊維が配されていれば、本発明の効果を得られるが、より好ましくは、経糸にのみ溝付き繊維が用いられる場合には朱子織の5枚サテン、8枚サテンや12枚サテンなどが好ましい。また緯糸にのみ溝付き繊維が用いられる場合は、同じく5枚サテン、8枚サテンや12枚サテンなどの裏使いが好ましく用いられる。経糸及び緯糸の両方に溝付き繊維を使用する場合には、上記の組織以外に平織り2重織やヘリンボンなども好ましく採用される。

0013

研磨用織物の厚みとしては、特に制限されるものではなく、用途や使用条件により適宜設定すればよい。磁気記録ディスク基盤研磨用テープに用いる場合においても、研磨加工条件、つまり加工機械の特性、ディスクの厚さや研磨時のディスクと研磨用テープの押し付け圧などに応じて適時決定すればよいが、研磨用テープに用いる織物の厚みとしては0.1〜0.7mmが作業性の面から好ましい。0.1mm未満では織物自体の引っ張り強力が不足する傾向にあり、一方、0.7mmを超えるとテープ表面に研磨に十分なスラリーを確保するために、スラリー塗布量を増加させねばならず、コストアップにつながる。さらに好ましくは0.12〜0.25mmである。

0014

溝付き繊維における連続筋状溝(以下、筋状溝と略記する)の形状としては、研磨砥粒を保持可能な範囲で適宜選択すればよいが、磁気記録ディスク基盤研磨に用いる場合、本発明者らの知見によれば、筋状溝の繊維表面における開口幅としては、0.3〜3.0μmが好ましい。0.3μm未満では、研磨砥粒の粒径にもよるが、研磨砥粒が筋状溝によって保持され難くなる傾向にある。一方、3.0μmを超えると、スラリーを毛細管現象によって拡散させる効果が損なわれる傾向にある。なお、研磨砥粒を保持可能とは、研磨砥粒が筋状溝に沿って配列されることをいうものであって、必ずしも筋状溝に固着されることを要しない。

0015

筋状溝の深さとしては、特に限定されるものではないが、本発明者らの知見によれば、使用される研磨砥粒の一次平均粒径に対し2〜10倍の深さとするのが好ましい。そのようにすることで、筋状溝の深さ方向に砥粒粒子を2〜10個程度保持することが可能となり、これにより繊維表面上の砥粒の均一分散が具現される。深さが研磨砥粒の一次平均粒径に対し2倍未満であると、2次凝集した砥粒粒子が溝入りきれずスクラッチの原因となる傾向にあり、一方、10倍を超えると溝が大きな池のようになり、砥粒が研磨に寄与する確率が減少して効率が悪い傾向にある。なお、磁気記録ディスク基盤研磨用において、10オングストロームさらには3オングストローム未満の研磨精度を要する場合、一時平均粒子径が0.07〜0.3μm程度の砥粒を用いることを考慮して、筋状溝の深さは0.14〜3μmが好ましい。

0016

溝付き繊維表面における筋状溝の本数としては、溝付き繊維の繊維径と筋状溝の開口幅などを考慮して適宜定めればよいが、通常5〜25本が好ましい。5本未満では繊維表面(周方向)において、砥粒が保持されている箇所とそうでない箇所が偏在する傾向にあり、一方、25本を超える筋状溝を設けるのは繊維製造上困難を伴う。より好ましくは15〜23本である。

0017

溝付き繊維を形成するポリマーとしては、特に限定されるものではないが、直紡式で溝付き繊維を得る場合、例えばナイロン4ナイロン6ナイロン66、ナイロン6,10等のポリアミド系ポリマーや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、あるいはポリアミドとポリエステルのブレンド系や脂肪族ポリエステルなどが挙げられる。また、筋状溝の部分を後加工溶出によって形成させる場合には、例えば非溶出成分芯成分)にPETを用い、溶出成分にカチオン可染ポリエステルを用いる組合わせや、芯成分にポリアミド系ポリマー、溶出成分にカチオン可染ポリエステルを用いる組み合わせなどが採用できる。

0018

以上のようにして構成される本発明の研磨用織物は、所望の形状、サイズに切断して、磁気記録ディスク基盤研磨用テープとして供することができる。その際の好ましい態様としては、緯糸に溝付き繊維を用いて構成して本発明の織物を構成し、緯糸方向すなわち筋状溝の方向と、研磨対象物たる磁気記録ディスク基盤の回転の接線方向とが直角をなすように使用し、かつ織物の緯糸の浮き本数が多い側の面を研磨用の面とする。そのようにすることが、本発明の織物が有する性能を効果的に発揮させる点で有利である。

0019

本発明の研磨用織物は、上記のように筋状溝を有する繊維を用いて構成されているので、スラリーが織物の表面に滴下されると、筋状溝による毛細管現象で筋状溝に沿ってスラリーが速やかに拡散し、筋状溝に沿ってスラリー中の砥粒が均一に並んで保持される。これにより、研磨効率及び均一性が向上し、磁気記録ディスク基盤研磨用テープとして用いた場合、好ましい態様においてはRaが3オングストローム未満、スクラッチが片面2個以下という従来にない精密さで、研磨速度も従来の研磨テープより優れたテキスチャー加工を行なうことができる。

0020

次に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中におけるディスク基盤研磨試験については以下の方法で行った。
(ディスク基盤研磨試験)研磨用織物を幅40mmに裁断(織物の緯糸方向を幅方向とする)したものを研磨用テープとして用いて、図2に示すような磁気記録ディスク基盤研磨機により、外形95mm、穴径25mm、厚さ1mmの磁気記録ディスク基盤5枚の両面を研磨した。このときの研磨液としては、研磨砥粒としての平均粒径0.15μmのダイヤモンド微粒子を0.4質量%含むスラリーを研磨テープと磁気記録ディスク基盤との間に3ミリリットル/分で注入して用いた。また、研磨条件としては、磁気記録ディスク基盤の回転速度を400rpm、研磨テープの移動を磁気記録ディスク基盤の回転方向と逆方向に10cm/分として、一枚あたり20秒間研磨した。なお、研磨試験の際には、織物において緯糸の浮き本数が多い側の面を研磨用の面とした。上記のようにして研磨を行った場合において、研磨前後の磁気記録ディスク基盤の質量差より、1秒間の平均研磨量を算出した値を研磨速度(mg/秒)とした。0.2mg/秒以上が特に優良である。研磨精度の指標としては、研磨後の表面についての算術平均表面粗さRaを触針式TENCOR−P2表面粗さ計により測定した。3オングストローム未満が特に優良である。また、研磨後のディスク表面全体顕微鏡で観察し、異常に深い研磨キズ(スクラッチ)の数を計数した。2.0個/面以下が特に優良である。なお、上記の研磨速度、表面粗さ及びスクラッチ数としては、5枚のディスク基盤の両面(計10面)についての平均値で評価した。

0021

実施例1
織物の緯糸としては、ポリエチレンテレフタレートを難溶性ポリマーとし、ポリエチレンテレフタレートにスルホイソフタル酸成分を2モル%共重合したカチオン可染ポリエステルを易溶性ポリマーとして、易溶性ポリマーが除去することにより開口幅0.6μm、深さ0.6μmの筋状溝を20本形成するために図1に示すような断面形状とした繊維からなる仮撚加工糸(176デシテックス/192フィラメント)を用いた。一方、経糸としては、ポリエチレテレフタレートの仮撚加工糸(33デシテックス/36フィラメント)を用いた。そして8枚サテン組織で織物を製織し、拡布状で公知の方法を用いて精練したあと、苛性ソーダ20g/L水溶液浴比1:20、処理温度98℃、処理時間30分間の条件で易溶性成分を溶出し、テンションレスドライヤーを用いて150℃の条件で乾燥した後、同じくピンテンターを用いて190℃条件で仕上げセットを行うことにより、本発明の研磨用織物を得た。また、この織物を幅40mmに裁断して研磨用テープを得た。

0022

実施例2
筋状溝の深さが1.0μmとなるよう、緯糸に用いる繊維の断面形状を変更する以外は、実施例1と同様にして、研磨用織物及び研磨用テープを得た。

0023

実施例3
開口幅が0.6μm、深さが2.0μmの筋状溝が20本形成されるように、緯糸に用いる繊維の断面形状を変更する以外は、実施例1と同様にして、研磨用織物及び研磨用テープを得た。

0024

実施例4
開口幅が3.5μm、深さが0.7μmの筋状溝が20本形成されるように、緯糸に用いる繊維の断面形状を変更する以外は、実施例1と同様にして、研磨用織物及び研磨用テープを得た。

0025

実施例5
開口幅が3.7μm、深さが2.2μmの筋状溝が20本形成されるように、緯糸に用いる繊維の断面形状を変更する以外は、実施例1と同様にして、研磨用織物及び研磨用テープを得た。

0026

実施例6
開口幅が0.1μm、深さが0.5μmの筋状溝が20本形成されるように、緯糸に用いる繊維の断面形状を変更する以外は、仮撚加工糸を用いる以外は、実施例1と同様にして、研磨用織物及び研磨用テープを得た。

0027

なお、実施例において得られた研磨用織物の性状を下記表1に示すが、表1中の値は、製織時のものではなく、製織後の処理を経て最終的に得られた織物についての値である。また、それらの織物を用いてディスク基盤研磨試験を行なった結果について、下記表2に示す。

0028

0029

0030

上記表1及び2に示された内容から明らかなように、実施例1、2で得られた研磨用織物は、磁気記録ディスク基盤研磨用としての好ましい条件を満たすよう構成したため、表面粗さ3オングストローム未満の精密な研磨ができ、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生が極めて少なく、研磨速度の速さも兼ね備えた特に優良な性質を示すものであった。これに対して、実施例3〜6で得られた研磨用織物は、その構成において本発明における磁気記録ディスク研磨用としての好ましい条件を全て備えたものではなかったため、従来のものに比して遜色はなくむしろ優れたものではあったが、実施例1、2のものに比した場合にはいずれかの性能において及ばないものであった。なお、耐久性については、実施例1〜6のいずれも満足すべきものであった。

発明の効果

0031

本発明の研磨用織物は、本発明固有の構成により優れた研磨性能を有しているので、特に磁気記録ディスク基盤のテクスチャー加工時に使用される研磨用テープとして好適であり、その好ましい態様により3オングストローム以下の研磨精度が実現でき、スクラッチと呼ばれる深いキズの発生が抑制され、かつ研磨速度についても十分に満足な研磨を行なうことができる。

図面の簡単な説明

0032

図1本発明における筋状溝を有する繊維として使用できる繊維の一例を示す断面図である。
図2本発明の研磨用織物を研磨用テープとして使用できる磁気記録ディスク基盤研磨機の機構を例示するモデル図である。

--

0033

1難溶性ポリマー
2易溶性ポリマー
3磁気記録ディスク基盤
4研磨用テープ
ダイヤモンドスラリー
ディスク押さえ回転棒
押さえゴムロール
8 ダイヤモンドスラリー供給装置

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