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技術 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

出願人 三菱化学株式会社
発明者 大貫正道町野洋小林高雄
出願日 2002年1月18日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2002-009690
公開日 2003年7月31日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2003-217652
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 初期ガス ベース電解液 固体状残渣 カット電流 電圧プロファイル フッ素置換アルコキシ基 混合体積比 アルキメデス
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

保存特性及び安全性に優れた二次電池を得ることのできる非水系電解液を提供する。

解決手段

リチウム塩非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表されるフッ素含有有機化合物を含有する非水系電解液。

(式中、R1は炭化水素基を表し、R2はフッ素置換された炭化水素基を表す)

概要

背景

リチウム二次電池エネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話ノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用電源として広く利用されている。リチウム二次電池用電解液支持電解質であるリチウム塩非水系の有機溶媒から構成される。非水系の有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度発現させること、電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常はプロピレンカーボネートエチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒ジメチルカーボネートジエチルカーボネート等の低沸点溶媒を組み合わせて使用している。

これらの有機溶媒は通常の使用条件であれば電池中で安定であるが、電池が過充電状態になると分解する。時には急激に反応が進行し、熱暴走を引き起こし、ついには発火に至る場合すらある。従ってリチウム電池には過充電防止対策としてPTCCID、充電保護回路等の安全装置が設けられているのが通例である。しかしながらこれらの安全装置は比較的高コストであり、また作動が不十分である場合があることから、不燃性を有する等の本質的に安全な電解液、及びより早期の段階で安全装置を作動させる電解液が切望されている。

この要求を満たすべく、電解液の中に過充電防止剤を添加する方法がいくつか開示されている。例えば特開平9−50822号公報には、2,4−ジフルオロアニソール等の、分子内に1〜2個のアルコキシ基と1個以上のハロゲン基とが導入されたベンゼン類の使用が提案されており、また特開2001−85055号公報には、1、2−ジ(トリフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼン等の、1個のハロゲン基と2個のフッ素置換アルコキシ基とが導入されたベンゼン類がレドックスシャトルによる過充電電流消費に有効であることが開示されている。

概要

保存特性及び安全性に優れた二次電池を得ることのできる非水系電解液を提供する。

リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表されるフッ素含有有機化合物を含有する非水系電解液。

(式中、R1は炭化水素基を表し、R2はフッ素置換された炭化水素基を表す)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

リチウム塩非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表されるフッ素含有有機化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。

請求項

ID=000003HE=025 WI=039 LX=0405 LY=0600(式中、R1は炭化水素基を表し、R2はフッ素置換された炭化水素基を表す)

請求項2

上記フッ素含有有機化合物の含有量が非水系電解液に対して0.01〜20重量%である、請求項1に記載の非水系電解液。

請求項3

非水系有機溶媒が、不飽和カーボネートを含有する、請求項1又は2に記載の非水系電解液。

請求項4

非水系有機溶媒が、非対称カーボネートを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解液。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池

技術分野

0001

本発明は、非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。

背景技術

0002

リチウム二次電池はエネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話ノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用電源として広く利用されている。リチウム二次電池用電解液支持電解質であるリチウム塩非水系の有機溶媒から構成される。非水系の有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度発現させること、電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常はプロピレンカーボネートエチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒ジメチルカーボネートジエチルカーボネート等の低沸点溶媒を組み合わせて使用している。

0003

これらの有機溶媒は通常の使用条件であれば電池中で安定であるが、電池が過充電状態になると分解する。時には急激に反応が進行し、熱暴走を引き起こし、ついには発火に至る場合すらある。従ってリチウム電池には過充電防止対策としてPTCCID、充電保護回路等の安全装置が設けられているのが通例である。しかしながらこれらの安全装置は比較的高コストであり、また作動が不十分である場合があることから、不燃性を有する等の本質的に安全な電解液、及びより早期の段階で安全装置を作動させる電解液が切望されている。

0004

この要求を満たすべく、電解液の中に過充電防止剤を添加する方法がいくつか開示されている。例えば特開平9−50822号公報には、2,4−ジフルオロアニソール等の、分子内に1〜2個のアルコキシ基と1個以上のハロゲン基とが導入されたベンゼン類の使用が提案されており、また特開2001−85055号公報には、1、2−ジ(トリフルオロメトキシ)−4−ブロモベンゼン等の、1個のハロゲン基と2個のフッ素置換アルコキシ基とが導入されたベンゼン類がレドックスシャトルによる過充電電流消費に有効であることが開示されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、電解液の中に過充電防止剤を添加すると過充電防止特性が向上する反面、保存特性が悪化することがある。例えば特開平9−50822号公報で開示されている2,4−ジフルオロアニソールは高温保存後高レート特性が劣っており、しかも2Cといった高レート下での過充電についてはレドックスシャトルによる電流消費が追いつかず、顕著な添加効果が認められない。また特開2001−85055号公報で開示されている1,2−ジ(トリフルオロメトキシ)—4−ブロモベンゼン等は入手が難しく、またベンゼン環直接結合したハロゲンを有するため、同様に保存安定性が劣っていた。

課題を解決するための手段

0006

本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に特定の化合物を含有させることによって電池の過充電防止特性が大幅に改善されることを見出して、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表されるフッ素含有有機化合物を含有することを特徴とする非水系電解液、に存する。

0007

0008

(式中、R1は炭化水素基を表し、R2はフッ素置換された炭化水素基を表す)
また本発明の他の要旨は、上記非水系電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池、に存する。上記フッ素含有有機化合物を含有する非水系電解液を用いると保存特性を維持しつつ、過充電防止特性が向上する。具体的には過充電の初期の段階でのガス発生量が多いので、電池の内圧感知して電流を遮断する装置が設けられた電池においては過充電の比較的早期に電流を遮断することができ、従って発火等の暴走反応に至ることがなく安全性を向上させることができる。また過充電時にいわゆるレドックスシャトルとしても働き、過充電電流を消費することができるので、電池の内圧を感知して電流を遮断する装置が設けられていない電池においても安全性が向上する。

0009

従って上記フッ素含有有機化合物を含有する非水系電解液を用いると保存特性と安全性との両立が可能となる。こうした効果を発現する要因の詳細は不明であるが、電子供与性であるアルコキシ基と電子吸引性であるフッ素置換アルコキシ基とのバランスがとれているためであろうと推定される。一般的に電子供与性の置換基がベンゼン環に導入されるとHOMO(最高被占分子軌道エネルギー上がり、分子が酸化されやすくなる。過充電防止剤には酸化されやすいことが要求されるが、酸化されやすさが強すぎると保存時の劣化も大きくなる。逆に電子吸引性の置換基を導入すると分子は酸化されにくくなるために安定性が向上する。上記フッ素含有有機化合物はアルコキシ基とフッ素置換アルコキシ基とを1個ずつ有するので酸化されやすさが適度に調整され、保存特性を維持しつつ安全性を向上することができると考えられる。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明の実施の形態について詳述する。本発明の非水系電解液は、非水系有機溶媒にリチウム塩が溶解され、さらに特定のフッ素含有有機化合物が含有されているものである。本発明では下記一般式(1)で表されるフッ素含有有機化合物を添加剤として使用する。

0011

0012

(式中、R1は炭化水素基を表し、R2はフッ素置換された炭化水素基を表す)
上記フッ素含有有機化合物としては、例えば2−モノフルオロメトキシアニソール、3−モノフルオロメトキシアニソール、4−モノフルオロメトキシアニソール、2−ジフルオロメトキシアニソール、3−ジフルオロメトキシアニソール、4−ジフルオロメトキシアニソール、2−トリフルオロメトキシアニソール、3−トリフルオロメトキシアニソール、4−トリフルオロメトキシアニソール、1−エトキシ−2−トリフルオロメトキシベンゼン、1−エトキシ−3−トリフルオロメトキシベンゼン、1−エトキシ−4−トリフルオロメトキシベンゼン、1−エトキシ−2−トリフルオロエトキシベンゼン、1−エトキシ−3−トリフルオロエトキシベンゼン、1−エトキシ−4−トリフルオロエトキシベンゼン、1−エトキシ−2−ペンタフルオロエトキシベンゼン、1−エトキシ−3−ペンタフルオロエトキシベンゼン、1−エトキシ−4−ペンタフルオロエトキシベンゼン等が挙げられる。これらの添加剤は2種類以上を混合して使用してもよい。上記フッ素含有有機化合物の添加量は特に限定されないが、非水系電解液に対して通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。添加量が多すぎるとイオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。また添加量が少な過ぎる場合は、充分な過充電防止効果が発現しない。

0013

本発明で支持電解質として使用されるリチウム塩としては、特に制限はないが、例えばLiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に、溶媒に溶けやすくかつ高い解離度を示すLiPF6、LiBF4、CF3SO3Li及び(CF3SO2)2NLiからなる群から選ばれるリチウム塩は好適に用いられる。また非水系電解液中のリチウム塩の濃度は、非水系電解液に対して通常0.5〜2mol/Lの範囲で使用するのが好ましい。

0014

本発明で用いる非水系有機溶媒としては、リチウム塩を溶解させることができる限り特に限定はされないが、なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネートEMC)、メチルプロピルカーボネートエチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート類ビニレンカーボネートビニルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類、1,2−ジメトキシエタンテトラヒドロフランなどのエーテル類γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類ギ酸メチル酢酸メチルプロピオン酸メチル等の鎖状エステル類が好ましく用いられる。

0015

これらの有機溶媒は、通常、適切な物性を達成するように混合して使用される。例えば一般に上記鎖状カーボネート類と上記環状カーボネート類とを併用するのが好ましい。また上記鎖状カーボネート類の中でも特にエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称カーボネートを混合使用するのは好ましい。そのなかでもエチルメチルカーボネートは粘度が低いためリチウム移動性を高めるだけでなく、沸点が比較的高いため揮散しにくくて取り扱いやすく、またLiとの反応も少ないので好適に用いられる。またビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類を混合使用すると、これらの不飽和カーボネート類は初期充電時に還元されやすく、安定な界面保護皮膜(SEI)を形成するのに寄与するので好ましい。

0016

本発明の非水系電解液を調製するに際し、非水系電解液の各原料は、予め脱水しておくのが好ましい。水分量は通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下がよい。水が多量に存在すると、水の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があり、電池用電解質として不適当な場合がある。脱水の手段としては特に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモレキュラーシーブ等を用いればよい。またリチウム塩などの固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。

0017

本発明における非水系電解液はリチウム二次電池の電解液として有用である。以下、本発明のリチウム二次電池について説明する。本発明の非水系電解液を適用しうるリチウム二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウム二次電池と同様であり、正極と負極とが多孔膜及び本発明の非水系電解液を介してケース収納されて構成される。本発明の二次電池に使用される正極及び負極は、電池の種類に応じて適宜選択すればよいが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含有する。また、活物質を固定するためのバインダーを含有してもよい。

0018

本発明のリチウム二次電池に使用できる正極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、MnO、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物ニッケル酸リチウムコバルト酸リチウムマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。また、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。上記の活物質の複数種を混合して用いてもよい。活物質が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10μm程度である。

0019

本発明のリチウム二次電池に使用できる負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金を使用することもできるが、リチウムイオン吸蔵放出可能な化合物としてコークスアセチレンブラックメゾフェーズマイクロビーズグラファイト等の炭素質物質を使用するのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μm程度である。

0020

また、上記炭素質物質を有機物等と混合・焼成した材料、あるいはCVD法等を用いて、少なくとも表面の一部に上記炭素質物に比べて非晶質の炭素を形成した材料もまた、炭素質物質として好適に使用することができる。上記有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ乾留液化油等の石炭系重質油常圧残油減圧残油等の直留系重質油原油ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチレンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂や、焼成によりフェノール樹脂イミド樹脂となるこれらの樹脂前駆体も使用することができる。

0021

正極又は負極に使用できるバインダーとしては、耐候性耐薬品性耐熱性難燃性等の観点から各種の材料が挙げられる。具体的には、シリケートガラスのような無機化合物や、ポリエチレンポリプロピレンポリ−1,1−ジメチルエレンなどのアルカンポリマーポリブタジエンポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレンポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチルポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチルポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニルポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマーポリ酢酸ビニルポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマーポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物変成体、誘導体ランダム共重合体交互共重合体グラフト共重合体ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂重量平均分子量は、通常1万〜300万、好ましくは10万〜100万程度である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。

0022

バインダーの使用量は、活物質100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。電極中には、電極の導電性機械的強度を向上させるため、導電性材料補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体充填材などを含有させてもよい。導電性材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の無機有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。

0023

電極は、活物質やバインダー等の構成成分と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成することができる。電極の厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎるとレート特性が低下しすぎることがある。

0024

正極及び負極の少なくとも一方の電極は、通常集電体上に形成される。集電体としては、各種のものを使用することができが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体としては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ましくは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極の集電体として銅を使用する。正負極層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙砥石エメリバフ鋼線などを備えたワイヤブラシなどで集電体表面研磨する機械的研磨法、電解研磨法化学研磨法などが挙げられる。

0025

また、電池の重量を低減させる、即ち重量エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場合、この穴を通しての塗膜リベット効果により塗膜の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。

0026

集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。本発明の非水系電解液は、これを高分子によってゲル化して半固体状にしてもよい。半固体状電解質における上記非水系電解液の使用量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。

0027

正極と負極との間には、短絡を防止する上で、多孔性スペーサが設けられているのが好ましい。即ち、この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに含浸されて使用される。スペーサの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することがある。

0028

以下、実施例を挙げて本発明の具体的態様を更に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
[正極の製造]コバルト酸リチウム(LiCoO2)90重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とアセチレンブラック5重量%を混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウムからなる集電体の片面に塗布・乾燥して正極を得た。

0029

[負極の製造]グラファイト粉末87.4重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック2.9重量%を混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを銅からなる集電体の両面に塗布・乾燥して負極を得た。
[電解液の調合]LiPF6を1.25mol/Lの割合で含有するエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒混合体積比2:3:3)100重量%にビニレンカーボネート2重量%を加えたものをベース電解液とし、これに4−トリフルオロメトキシアニソール4重量%を加えて電解液とした。

0030

[リチウム二次電池の製造]上記正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、それぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ後、アルミニウム層の両面を樹脂層被覆したラミネートフィルムに正極負極の端子突設させつつ、真空封止してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電極間密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板シート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加圧した。図1に二次電池の概略断面図を示す。

0031

[電池初期特性評価]コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を138mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.2Cで4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し初期のフォーメーションを行った。ついで0.5Cで4.2Vまで充電した後、2Cで3Vまで再度放電し、初期放電容量を求めた。結果を表−1に示した。なお、充電時のカット電流は何れも0.05Cとした。

0032

[保存特性評価]初期特性評価の終了した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、60℃の恒温槽に7日間保存した。その後、電池を取り出し、0.5Cで4.2Vまで充電した後、2Cで放電し保存後の2C放電容量を求めた。また保存前後の1C放電容量から下記計算式により容量回復率を求めた。結果を表−1に示した。

0033

容量回復率(%)=保存後2C放電容量(mAh/g)/2C放電容量(mAh/g)
過充電特性評価−1(ガス発生量)]初期特性評価の終了した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、2Cの電流値で過充電を開始した。21分後(SOC170%に相当)通電を停止し、ガス発生量エタノール浴に電池を漬け浮力を測定(アルキメデス原理)して求めた。結果を表−1に示した。

0034

[過充電特性評価−2(過充電電流の消費)]初期特性評価の終了した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、2Cの電流値で過充電を開始し、30分(SOC200%に相当)後に通電を停止した。過充電時の最大到達電圧を表−1に示した。また図2には過充電時の電圧プロファイルを示したが、電池電圧が5.3V以下を保っており、過充電電流が消費されていることがわかる。

0035

比較例1
4−トリフルオロメトキシアニソールを添加しない電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表−1及び図2に示した。保存特性は良好であるが、過充電防止特性においては、初期ガスの発生量が少なく、また最大到達電圧も高く、特性が劣っている。

0036

比較例2
添加剤として4−トリフルオロメトキシアニソールの代わりに2,4−ジフルオロアニソールを添加した電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表−1及び図2に示した。保存特性が劣っており、また過充電防止特性においても、初期ガスの発生量が少なく、また最大到達電圧も5.4Vを越えており、高レート過充電下ではレドックスシャトルによる電流消費の効率が悪いといえる。

0037

0038

表−1及び図2の結果から明らかなように、本発明の非水系電解液を用いれば高温保存後の高レート特性を維持しつつ、過充電の初期の段階でガス発生量が多いので、円筒電池などの電池内圧を感知して電流遮断するタイプの電池において過充電防止特性が向上する。また過充電時に過充電電流を消費できるので角型電池などの電池内圧を感知して電流遮断する装置が設けられていないタイプの電池においても過充電防止特性が向上する。

発明の効果

0039

本発明によれば、高い容量、優れたレート特性の二次電池が得られ、また保存特性、安全性に優れた二次電池を得ることができる。

図面の簡単な説明

0040

図1本発明を実施したリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
図2実施例及び比較例における過充電試験時の電圧プロファイルを示すグラフである。

--

0041

1 正極
2 負極
3セパレータ
4PETフィルム
5シリコンゴム
6ガラス板
7ラミネートフィルム
封止材つきリード

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