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課題

車両衝突回避効果又は車両衝突被害軽減効果を従来より顕著に向上可能な車両用衝突被害軽減装置を提供する。

解決手段

自車および対象(衝突予想対象)の運動性能限界に基づいて両者の衝突確率値(総合衝突確率値)Prを求め(S106)、求めた総合衝突確率値Prの大きさに基づいて衝突被害軽減動作を決定する。これにより、衝突確率精度を向上することができる。

概要

背景

概要

車両衝突回避効果又は車両衝突被害軽減効果を従来より顕著に向上可能な車両用衝突被害軽減装置を提供する。

自車および対象(衝突予想対象)の運動性能限界に基づいて両者の衝突確率値(総合衝突確率値)Prを求め(S106)、求めた総合衝突確率値Prの大きさに基づいて衝突被害軽減動作を決定する。これにより、衝突確率精度を向上することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
9件
牽制数
8件

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請求項1

自車および対象間の相対位置に相当するデータを定期的に検出する検出要素と、前記データおよび前記両者の運動性能限界に基づいて前記両者が衝突する確率である総合衝突確率値を求める演算要素と、前記総合衝突確率値に基づいて衝突回避又は衝突被害軽減のための制御動作指令する衝突被害軽減要素と、を備えることを特徴とする車両用衝突被害軽減装置

請求項2

請求項1記載の車両用衝突被害軽減装置において、前記演算要素は、前記データに基づいて前記両者間の相対速度を演算し、前記衝突被害軽減要素は、前記総合衝突確率値と前記相対速度とに基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のための動作を行うことを特徴とする車両用衝突被害軽減装置。

請求項3

請求項2記載の車両用衝突被害軽減装置において、前記演算要素は、前記データおよび前記相対速度に基づいて衝突までの残り時間を演算し、前記衝突被害軽減要素は、前記総合衝突確率値と前記残り時間とに基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のための動作を行うことを特徴とする車両用衝突被害軽減装置。

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変形態様4)上記実施例では、旋回性能範囲内でどの操舵角をとるかの確率はそれぞれ等しいと仮定したが、実際に人間がどの操舵角をとるのか調査し、この調査結果に基づいた操舵角に基づいて制御を行ってもよい。

0001

本発明は、車両用衝突被害軽減装置に関する。

0002

特開平2000−276696号公報は、自車の略進行方向における時空間各部における自車存在確率分布情報を演算して他車に送信し、他車が上記と同様に演算した上記時空間内での他車存在確率分布情報を他車から受信し、両存在確率分布情報に基づいて衝突が生じる時空間位置および衝突確率を演算し、求めた時空間位置および衝突確率に基づいて、自車の回避動作指令する衝突回避技術を提案している。具体的には、この技術では、自車および衝突予想対象それぞれの略進行方向すなわち現在の進行方向に所定の誤差(左右への進路のばらつき)を含む予想走行軌跡を決定し、両者の予想走行軌跡が重なる時空間領域における両者の存在確率から衝突確率を演算する。

0003

しかしながら、この公報の衝突確率演算技術では、自車や他車を運転するドライバーが衝突危険の発生に驚いて急なハンドル操作急ブレーキ掛けたりすることにより、いままでの走行履歴に基づいて推定したところの衝突確率時空間領域(衝突が発生する可能性がある時空間領域)の形状が突然、変化してしまい、衝突を予測しないにも関わらず衝突可能性あるいは実際の衝突を生じてしまう不具合があった。

0004

また、この公報の衝突確率演算技術では、他車が計算した他車の予想走行軌跡に関するデータの通信を必要とするので、他車が同様の装置を搭載していなければ性能を発揮できず、かつ、常時、直近の他車との交信を必要とし、混雑する道路上では、受信する多数のデータのどれがどの他車のものであるのかの特定が容易ではないという問題も生じた。

0005

更に、これらの衝突予測技術をエアバッグのような乗員保護装置に利用することにより実際に衝突が生じる場合に好適な乗員保護を行うことについても何ら言及していなかった。

0006

その他、上記公報と類似する先行技術として、特開平7−57182号公報は、自車および衝突予想対象それぞれの予想軌跡を時空間中で推定し、この推定結果に基づいて衝突回避又は衝突衝撃緩和させる制御を行う装置を提案し、特開平10−283593号公報は、自車の予想走行ライン上に自車の幅とその左右に設定された所定のマージン幅との和を求めて走行領域と仮定し、車両前方各立体物の位置とこの走行領域との関係に基づいて衝突可能性を演算し、この衝突可能性に基づいて警報を発生する衝突警報技術を提案している。これらの従来公報技術においても、上記通信上の問題を除いて上述の問題があった。

課題を解決するための手段

0007

本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、車両衝突回避効果又は車両衝突被害軽減効果を従来より顕著に向上可能な車両用衝突被害軽減装置を提供することをその目的としている。

0008

本発明の車両用衝突被害軽減装置は、自車および対象間の相対位置に相当するデータを定期的に検出する検出要素と、前記データおよび前記両者の運動性能限界に基づいて前記データおよび前記両者の運動性能限界に基づいて前記両者が衝突する確率である総合衝突確率値を求める演算要素と、前記総合衝突確率値に基づいて衝突回避又は衝突被害軽減のための制御動作を指令する衝突被害軽減要素とを備えることを特徴としている。

0009

すなわち、本発明は、自車および対象(衝突予想対象)の運動性能限界に基づいて走行可能な空間又は時空間を意味する走行可能平面又は走行可能時空間領域を定め、この走行可能平面領域にわたって局所的な衝突確率値の分布を演算し、各局所衝突確率値を積分することにより総合衝突確率値を求める。

0010

これにより、車両衝突回避効果又は車両衝突被害軽減効果を従来より向上することができる。たとえば、上記局所衝突確率値が小さくなる方向へ旋回操作制動操作衝突被害軽減動作を高精度に行うことができる。

0011

たとえば、本発明では、自車の走行可能空間又は走行可能時空間(自車が走行可能な空間又は時空間)各部における局所衝突確率値の分布を演算し、あるいは更にこの局所衝突確率値の分布に基づいて総合衝突確率値(全体としての両者の衝突確率値を意味する)を算出し、算出したこの局所衝突確率値の分布又は総合衝突確率値に基づいて衝突回避動作又は衝突被害軽減動作を制御する。

0012

更に説明すると、既述したように従来の衝突予測技術では、自車および衝突予想対象の走行履歴に基づいて推定したところの予想軌跡に自車の幅および対象の幅および多少のばらつきマージンを加えてそれぞれの予想軌跡領域を求め、両予想軌跡領域の空間的、時間的な交差に基づいて衝突確率を演算するものの、ドライバーの突然の操縦操作、たとえば急ハンドルや急ブレーキなどによる突然の大きな軌跡変化の影響が全く考慮されていなかったため、車両衝突回避動作や車両衝突被害軽減動作を決定する基礎となる衝突確率の精度が低下するという実用化上の問題点を含んでいた。

0013

これを解決する本発明では、自車および対象の運動性能限界(機械的な性能限界)を上記予想軌跡変化の限界として衝突確率(総合衝突確率値)として求める。

0014

たとえば、上記性能限界に基づいて自車および対象の予想軌跡範囲を設定し、これら各予想軌跡範囲内にて両者が空間的かつ時間的に交差する(重なる)領域を衝突可能領域(衝突が発生する可能性がある領域)として定め、この衝突可能領域各部又は予想軌跡存在可能領域各部における局所衝突確率の分布を求めて衝突確率の空間的分布又は時空間的分布を決定し、この局所衝突確率の分布又はこの局所衝突確率値の分布から演算した総合衝突確率値に基づいて衝突被害軽減動作を行うので、上述した突然の急ハンドルや急ブレーキをも考慮した高精度の局所衝突確率値の分布又は衝突確率値を得ることができ、従来より実状に合った車両衝突回避動作や車両衝突被害軽減動作を決定することができる。

0015

ここでいう制御動作とは、衝突回避動作又は衝突被害軽減動作の開始タイミングの決定又はこれらの動作の選択又は選択した動作の動作レベルの設定を行うことを意味している。

0016

ここでいう走行可能空間とは、自車又は対象が走行可能な空間(好適には自車又は対象が走行可能な水平な二次元投影空間(以下、走行可能平面領域とも言う)を言い、更に簡単には自車又は対象が走行可能な多数の予想軌跡領域の集合を言う。ここで、各予想軌跡領域は、進行方向と直角な水平方向に所定の占有幅をもつ。

0017

上記でいう走行可能時空間とは、上記走行平面と時間軸とからなる三次元時空間(走行可能時空間領域ともいう)を言い、更に簡単には自車又は対象が走行可能な上記空間内の立体軌跡の集合を言う。

0018

上記でいう局所衝突確率値とは、上記自車又は対象が上記走行可能平面領域又は走行可能時空間領域中の所定の大きさの単位領域(局所)に存在する確率を意味し、この局所衝突確率値を上記走行可能平面領域又は走行可能時空間領域全部にわたって積分すれば上記でいう総合衝突確率値を得ることができる。上記走行可能平面領域上の局所衝突確率値は、上記走行可能時空間領域各部の局所衝突確率値を時間軸方向に畳み込む(累算する)ことにより求めることができる。

0019

また、演算を簡単化するために、現時点の進行方向を中心としてそれと直角な左右方向の各位置における衝突確率値(左右方向局所衝突確率値ともいう)を求め、この左右方向局所衝突確率値を自車が存在可能な左右方向の所定線分全部にわたって積分してもよい。この左右方向局所衝突確率値は、上記二次元投影空間(走行可能平面領域)を、現時点の車両進行方向をY方向、それと直角な左右方向をX方向として規定し、この走行平面各部の局所衝突確率値をY方向に畳み込む(累算)することにより求めることができる。これにより、現在の進行方向と直角な方向における一次元空間(走行可能線分領域)における左右方向局所衝突確率値の分布が得られる。更に、この一次元空間各部の左右方向局所衝突確率値をX方向に畳み込む(累算)することにより、この発明で言う総合衝突確率値が得られる。

0020

ここでいう運動性能限界は、その時点において進行方向へ単位距離移動する間における又は所定単位時間後におけるその時点の進行方向と直角な方向への最大変位量(すなわち、旋回限界)と、現在の進行方向への最大速度変化率(通常最大減速率)とを含むことができる。

0021

演算を簡単とするために、速度変化率を0と仮定してもよく、速度変化率を現在値と仮定してもよい。又は、速度変化率を0から現在値のいづれかとしてもよく、速度変化率を0から運動性能限界により決定される所定値のいずれかとしてもよい。通常、衝突の危険に気がつけば、車両衝突時に運転者はその最大限制動を行うので、自車又は対象の速度急減を検出するまでは現在の速度変化率を採用し、この速度急減検出後は、自車又は対象の最大速度低下量を、進行方向への今後の最大速度変化率と仮定することもできる。

0022

速度変化率を0から運動性能限界により決定される所定値のいずれかと広く設定する場合、運転者の制動の程度操作の変化量と操作タイミングにより自車又は対象の速度は種々のバリエーションをもつ。しかし、運転者がどのような制動操作を行うかという確率は、運転者共通の操縦性向によりある確率分布をもち、その結果、所定時間後の速度は、上記性能限界を最低速度とし、なにも制動しない場合を最高速度とする速度範囲内にあり、各速度値個々にそれぞれ所定の確率値をもつ。当然、この各速度値ごとの実現確率値を上記速度範囲全体にわたって積分すれば1となる。

0023

同様に、上記旋回限界に関しては、運転者は旋回性能範囲内においていずれの旋回角度を取ることもできるが、通常、衝突危険を予想する以前には、通常の走行経路すなわち道路上の現在の道路の幅方向位置を保つ旋回動作をすると仮定して大きな問題はなく、また、衝突危険に気がついた場合には、通常、対象から離れる方向への旋回性能範囲内での大きな旋回操作の発生をも想定する必要がある。したがって、所定時点又は所定軌跡上の種々の位置における旋回角度の発生確率は、現在の走行状況から運転者の操縦パターン(危険反応パターン)に従って推定することができる。

0024

ここでいう衝突回避のための動作としては、旋回、制動、エンジン停止警報発報などの動作があり、衝突被害軽減のための動作としては、エアバッグ展開安全ベルトテンション増大、制動力の増大、警報発報などがある。また、特別の衝突対策装置があればその準備や起動がある。

0025

ここでいう衝突回避又は衝突被害軽減のための動作としては、複数の衝突回避又は衝突被害軽減のための動作のうちの最適な一つ又は組み合わせを衝突確率値に基づいて選択する動作や、衝突回避又は衝突被害軽減のための動作の作動レベルを衝突確率値に基づいて選択する動作や、衝突回避又は衝突被害軽減のための動作の開始タイミングを設定する動作などを含む。

0026

好適な態様において、前記演算要素は、前記データに基づいて前記両者間の相対速度を演算し、前記衝突被害軽減要素は、前記総合衝突確率値と前記相対速度とに基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のための動作を行うので、一層良好な衝突被害軽減効果を奏することができる。

0027

更に説明すれば、衝突確率だけでは衝突の被害を精度よく推定することができず衝突確率値に加えて更に相対速度という入力パラメータを用いることにより、衝突が生じた場合の被害の大きさをより正確に推定することができる。衝突被害の大小により当然、衝突回避又は衝突被害軽減のための動作は当然同じではない。たとえば、衝突確率値が小さくても相対速度が大きく衝突被害が大きい場合には、高レベルの対応(衝突回避動作衝突被害軽減のための動作)を選択するべきである。逆に、現時点の衝突確率は大きくても自車は徐行しており、対象はたとえば停止している場合、衝突回避動作又は衝突被害軽減動作を急ぐべきでなく、たとえば周囲の状況を確認やたとえばエアバッグの展開開始や展開内圧もあまり大きくないほうがよい。つまり、この態様では相対速度に相関を有する衝突被害確率に応じた衝突回避又は衝突被害軽減のための動作を取ることができるので、衝突被害軽減効果を一層向上することができる。

0028

好適な態様において、前記演算要素は、前記データおよび前記相対速度に基づいて衝突までの残り時間を演算し、前記演算要素は残り時間を演算し、前記衝突被害軽減要素は、前記総合衝突確率値と前記残り時間とに基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のための動作を行うので、衝突被害軽減効果を一層向上することができる。残り時間は、たとえば所定の走行軌跡および現在の相対速度に基づいて計算することができるが、上述した種々の制動操作を仮定して行ってもよい。

0029

更に説明すると、衝突確率だけでは衝突回避又は衝突被害軽減のための最善の動作の選択には不十分である。そこで、この態様では、衝突回避又は衝突被害軽減のための動作の選択のために、衝突確率値だけでなく衝突までの残り時間も入力パラメータとして採用する。

0030

つまり、衝突確率値が大きくても小さくても残り時間が十分ある場合とない場合とでは、当然、衝突回避又は衝突被害軽減のための動作の選択は異なる。たとえば、衝突確率値が大きくても残り時間が十分にある場合は、保護効果を維持できる時間が短いエアバッグなどは乗員保護が可能な範囲で展開始動をなるべく遅延させることは好ましく、又は、エアバッグ展開すなわち乗員保護動作ではなくブレーキ操作のような操作を試みほうがよい場合もある。これに対して、衝突確率があまり大きくなくても残り時間があまりない場合には、たとえばエアバッグを早急に展開しなければ乗員保護を十分に行うことができないので、早急なエアバッグ展開を図るべきである。つまり、この態様では衝突確率値だけでなく残り時間に応じて衝突回避又は衝突被害軽減のための動作選択(動作の程度選択を含む)の優先順位を決定することができるので、衝突被害軽減効果を一層向上することができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

好適な態様において、前記衝突被害軽減要素は、前記総合衝突確率値に基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のためのエアバッグの展開タイミングの決定又は展開制御モード変更指令を発する。好適な態様において、前記衝突被害軽減要素は、前記前記総合衝突確率値に基づいて前記衝突回避又は衝突被害軽減のための車両操縦指令たとえば操舵指令制動指令を発する。好適な態様において、前記衝突被害軽減要素は、前記前記総合衝突確率値に基づいて種々のレベルの警報を選択して好適なタイミングで発する。

0032

本発明の車両用衝突被害軽減装置の好適実施例を以下に説明する。

0033

装置構成図1は、この実施例の車両用衝突被害軽減装置を構成する各機能要素間の関係を示す機能ブロック図である。

0034

この装置は、自車および対象間の相対位置を定期的に検出して出力する検出要素の一部としてのレーダー装置1と、レーダー装置1の出力信号を処理して両者の相対位置を演算するデジタルシグナルプロセッサ2と、両者の運動性能限界に基づいて自車の走行可能時空間各部における局所確率値の分布を演算し、更にこの分布に基づいて作成されて総合衝突確率値を求め、求めた総合衝突確率値に基づいて衝突被害軽減のための制御動作を指令するる演算要素および衝突被害軽減要素としてのマイクロコンピュータ装置3とを有し、マイクロコンピュータ装置3は、エアバッグ装置4、シートベルト巻上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7に上記制御指令を出力する。また、自車には、その車速を検出する車速センサ8と、その旋回角を検出する操舵角センサ9とが装備されている。

0035

レーダー装置1は、自車の前面中央に装備されて地上よりほぼ水平に所定高さで左右所定角度範囲内を電磁波放射部から放射する電磁波ビームで定期的に走査する。この種類のレーダー装置1は航空機搭載レーダー装置や定置レーダー装置として知られているものと本質的に同じである。

0036

デジタルシグナルプロセッサ2は、レーダー装置1から入力される電磁波ビームのスキャン角情報、反射電磁波受信タイミング受信角度情報から、自車を基準とした場合の対象までの相対距離L1と自車の進行方向と直角な方向に対する角度θ1とを決定する。更に具体的に説明すると、レーダー装置1の電磁波放射部が所定方向θ1へ電磁波ビームを放射してから同方向から返ってくる反射波をレーダー装置1の電磁波受信部が受信するまでの時間T1に電磁波進行速度/2を掛けて両者間の相対距離L1を算出する。なお、電磁波進行速度に比較して車両速度は格段に遅いので相対距離算出の際に車両速度の影響は無視される。デジタルシグナルプロセッサ2は、算出した対象までの相対距離L1およびその時の電磁波ビーム受信角度θ1をマイクロコンピュータ装置3に出力する。なお、具体的な相対位置検出方式自体は本発明の要旨ではなく、レーダー装置1の代わりに公知のレーザー測距装置を用いてもよく、一対のエリアイメージセンサが出力する画像間の左右方向変位量三角測距法により測距してもよい。測距出力としての相対距離L1と自車の進行方向と直角な方向に対する角度θ1の代わりに、自車の左右方向(X方向)の距離、進行方向(Y方向)の距離に換算して出力することも当然可能である。

0037

マイクロコンピュータ装置3は、デジタルシグナルプロセッサ2が検出した相対距離L1と角度θ1をデジタルシグナルプロセッサ2から定期的に受け取り、これらのデータに基づいて、両者間の総合衝突確率値、相対速度、衝突までの残り時間を演算し、これらの情報に基づいて、エアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7の作動の是非の決定と、動作量の決定を行い、これらの演算結果にもとづいてエアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7を制御する。

0038

以下、マイクロコンピュータ装置3により実施される制御動作を以下に説明する。
(総合衝突確率値の算出)ただし、総合衝突確率値の算出にあたって演算を簡素化するためにこの実施例では次の仮定を採用するものとする。走行可能平面領域における走行軌跡範囲の予想において自車および対象の運動性能限界の設定は、タイヤと路面間の摩擦係数により決定されるその旋回性能限界(たとえば最大発生横GであるGxmax)を常に一定値と仮定する。なお、Gxmaxを一定値と仮定した場合、自車および対象の最小旋回半径は、レーダー装置1と車速センサ8により検出したそれぞれの車速を用いると、次式で求めることができる。

0039

Rmin=V×V/Gxmax (式1)
運転者がこの最小旋回半径Rminを実現する左右最大操舵角の範囲でどの操舵角値を採用するかの確率はそれぞれ等しいと仮定する。この操舵角の変更は現時点の直後に実施されてその後、衝突に至るまでこの操舵角値の変更はないものと仮定する。運動性能限界としては、操舵限界に起因する旋回性能限界だけを用い、制動性能限界としての速度性能限界は用いず、最新検出速度がその後も継続すると仮定する。

0040

自車100の現在の速度値は車速センサ8により検出でき、自車100の現在の旋回半径は操舵角センサ9により検出することができるので、以下、対象200の速度値と旋回半径を図2に示す関係を用いて検出する。

0041

P1は自車100の前回位置、P2は自車100の今回位置、P1’は対象200の前回位置、P2’は対象200の今回位置、V1は自車100の速度ベクトル、V2は対象200の速度ベクトル、L1は相対距離の前回値、θ1は自車100の前回位置における進行方向と直角の水平方向(X方向)を基準とする相対角度の前回値、L2は相対距離の今回値、θ2はX方向を基準とする相対角度の今回値とする。V1は自車100の前回値サンプリング時点から今回値サンプリング時点までの経過時間の間に車速センサ8が検出した自車100の速度値の平均値(以下、自車速ともいう)、θ100は自車100の前回値サンプリング時点から今回値サンプリング時点までの経過時間tの間における自車100の角度であり、操舵角センサ9の出力信号に基づいて算出する。tは自車100の前回値サンプリング時点から今回値サンプリング時点までの経過時間である。

0042

ただし、この走行可能平面は、自車100の前回位置における車両進行方向と直角方向をX方向、進行方向をY方向として定義されている。したがって、θ2は、レーダー装置1が検出した角度θ1(地点P2における自車100の進行方向と直角方向を基準として決定されている)の今回値を自車100の角度θ100に基づいてこのX方向(自車100の前回位置における車両進行方向と直角方向)を基準とする角度に変換した角度である。

0043

これらの検出値L1、θ1、L2、θ2、V1、θ100、t、に基づいて、図2の関係を用いて時間tの間における対象200の走行距離V2tと、X方向を基準とする対象200の進行角度θ200を計算し、更に、対象200の走行距離V2tを時間tで割ることにより対象200の速度値V2を計算する。これにより、対象200の前回値サンプリング時点から今回値サンプリング時点までの経過時間tの間における対象200の速度値V2と角度θ200とが決定される。これを地点P1’とP2’との中点における速度値V2と進行方向θ200として決定する。

0044

対象の速度値V2が決定されたので、旋回性能限界Gxmaxによる最小旋回半径を式1から計算し、対象200が直後に左右最大操舵角を選択した場合の走行軌跡(旋回半径)r2l、r2rを決定する。自車100の場合は既に説明したように、すでに現在の車速がわかっているので、対象200の場合と同様に、自車100が直後に左右最大操舵角を選択した場合の走行軌跡(旋回半径)r1l、r1rを決定する。これら走行軌跡(旋回半径)r2l、r2r、r1l、r1rは、対象200および自車100が今後可能な最大の走行範囲限界線を意味するので、走行可能平面(X−Y平面)に走行軌跡(旋回半径)r2l、r2r、r1l、r1rを描くと、図3のようになる。

0045

次に、自車100および対象200の衝突予想時刻とその前後の一定短時間を含む衝突予想時間帯を決定し、更に、この衝突予想時間帯における自車100および対象200がX方向座標位置を占有する占有確率(存在確率)を計算する。

0046

ここでいう衝突予想時間帯は、次のように定義される。図3の走行可能平面において、現時点において自車100がある旋回半径(直進の場合は旋回半径は無限大)を取ったと仮定し、対象200が現時点において自車と衝突するような旋回半径を取ると仮定する。現在からの衝突までの時間は、両者の軌跡上の走行距離を両者の速度で割ることにより、今後の両者の走行軌跡上の位置を予想することができ、この予想位置が重なる時点が衝突時点となる。この衝突時点を含む前後の所定時間の幅を衝突予想時間帯として、上記のように計算する。つまり、自車の旋回半径を仮定すると、両者が衝突する時刻衝突直前に急ハンドル操作を行っても大きく変わらない。この衝突予想時間帯は、自車の旋回半径ごとに決定される。

0047

更に、運転者が旋回性能限界範囲内でどの操舵角を採用するかの確率分布を仮定したので、自車がある旋回半径r1に相当する操舵角θ1を取る確率Pr1(θ1)を算出し、自車の衝突予想時間帯Tもすでに計算しているので、自車の衝突予想時間帯におけるX、Y座標を算出する。

0048

次に、対象200の衝突予想時間帯における旋回性能限界範囲内での各操舵角におけるX、Y座標を算出する。次に、自車と対象の幅を考慮して、自車のX、Y座標と対象のX、Y座標から自車が旋回半径r1を取った場合に衝突が発生する対象の旋回半径の範囲(r2a〜r2b)を算出する。対象200についても、運転者が旋回性能限界範囲内でどの操舵角を採用するかの確率分布を仮定したので、衝突が達成する対象200の上記旋回半径の範囲(r2a〜r2b)に相当する操舵角範囲を取る確率Pr2(θ1)を算出する。

0049

次に、確率Pr1(θ1)と確率Pr2(θ1)との積を求めて、確率Pr(θ1)とする。この確率Pr(θ1)は、自車が旋回半径r1に相当する操舵角θ1を取る場合に衝突する確率を示す。

0050

次に、自車の旋回半径r1lに相当する操舵角をθmin、旋回半径r1rに相当する操舵角をθmaxとして、上記衝突確率Pr(θ1)を自車の旋回性能限界範囲内のθminからθmaxまで積分し、この積分値を総合衝突確率値Prとする。この総合衝突確率値Prが両者の衝突確率を示す。

0051

総合衝突確率値Prを計算する式を以下に示す。
ID=000003HE=020 WI=080 LX=1100 LY=1550

0052

(残り時間の演算)次に、両者が最短に衝突する経路(旋回半径)を選択した場合における衝突までの残り時間ΔTを演算する。これは、各走行軌跡(旋回半径)ごとに衝突までの時間を演算し、それらの中で最小値を選択すればよいが、通常は、最短に衝突する経路は、X方向相手側に最も近づく経路であるので、両者がこの経路を取った場合に衝突するまでの時間としてもよい。
(相対速度Vの演算)次に、両者の現時点の相対速度Vを求める。この相対速度Vは、自車100の上記速度ベクトル(速度値V1と方向θ100))、と対象200の速度ベクトル(速度値V2と方向θ200)との合成速度ベクトルの絶対値として算出される。
(衝突被害軽減制御)次に、上記のように演算して求めた総合衝突確率値Pr、残り時間ΔT、相対速度Vに基づいて、エアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7の作動の是非の決定と、動作量の決定を行い、これらの演算結果にもとづいてエアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7を制御する。

0053

なお、マイクロコンピュータ装置3は、あらかじめ総合衝突確率値Pr、残り時間ΔT、相対速度Vからなる制御動作決定用パラメータと、衝突被害軽減要素をなすエアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7の作動の是非の決定と動作量(動作レベル)とからなる制御パラメータとの関係をマップとして記憶しており、このマップに上記制御動作決定用パラメータを代入して上記制御パラメータの組み合わせと動作レベルとを求め、求めた結果にもとづいてエアバッグ装置4、シートベルト巻き上げ装置5、制動嵩上げ装置6、警報装置7を制御する。

0054

マップの一例を説明すると、総合衝突確率値Prが所定しきい値Prth1を超える場合に、エアバッグ装置4の展開を指令し、制動嵩上げ装置6による制動操作の効果が最大限となるように制動力の嵩上げを行い、警報装置7を起動する。総合衝突確率値Prが所定しきい値範囲Prth2〜Prth1の範囲にある場合に、エアバッグ装置4の展開を指令せず、シートベルト巻き上げ装置5を起動し、制動嵩上げ装置6による制動操作の効果を総合衝突確率値Prの大きさに応じてが最大限となるように制動力の嵩上げを行い、警報装置7を起動しない。総合衝突確率値Prが所定しきい値範囲値Prth2より小さい場合に、衝突被害軽減の動作はいっさいおこなわない。

0055

また、総合衝突確率値Prが上記のようなパターンで決定されても、残り時間ΔTが所定値以上長い場合は上記衝突被害軽減動作の発動を遅らせ、残り時間ΔTが上記所定値より短い場合には上記衝突被害軽減動作の発動を直ちに行う。

0056

更に、相対速度Vが大きい場合は衝突被害が重大となり、相対速度Vが小さい場合は衝突被害が軽微となることが予想されるので、上記総合衝突確率値Prのしきい値Prth2、Prth1を相対速度に応じて変更する。すなわち、総合衝突確率値Prのしきい値Prth2、Prth1は、相対速度が大きい場合に小さくなるように、相対速度に応じて調整する。

図面の簡単な説明

0057

上記したマイクロコンピュータ装置3により実行される衝突被害軽減制御動作の手順を図4図5に図示する。図4図5において、100〜118はステップ番号である。
(変形態様1)上記実施例では、衝突被害軽減要素として操舵装置の制御を行わなかったが、操舵角制御を行ってもよい。具体的に説明すれば、各操舵角における衝突確率値(局所衝突確率値)Pr1(θ1)の分布に基づいて、この衝突確率値が小さくなる方向に自車100を強制的に誘導操舵)したり、制動したりすることもできる。
(変形態様2)上記実施例では、車両旋回性能限界を想定した総合衝突確率値Prを用いて衝突被害軽減動作を制御したが、更に、車両旋回性能限界を想定したX方向における衝突確率値(局所衝突確率値)の分布に基づいて衝突被害軽減要素の制御を行ってもよい。たとえば、この衝突確率値(局所衝突確率値)が小さくなる方向又は相対速度の絶対値が小さくなる方向へ車両を強制的に操舵制御してもよい。
(変形態様3)上記実施例では、現在以降の両者の速度を現在速度が維持されると仮定したが、現在の速度変化率が維持されるとしてもよく、あるいは、車両性能により決定される最大減速率の範囲の各速度を取り得るものとしてもよい。更に、両者の速度をモニタして、速度が急変する時点までは両者の現在速度が維持されると仮定し、この速度急変時点以降は、車両性能により決定され自車100又は対象200の速度は最大減速率で減速すると仮定してもよい。更にこの最大減速率の演算において、ブレーキやタイヤの摩耗の程度や路面状況気象条件)を考慮して最大減速率を変更することも可能である。

--

0058

図1本発明の衝突被害軽減装置を示す機能ブロック回路図である。
図2対象の速度と進行方向とを求めるための解析図である。
図3自車および対象の走行可能平面領域(走行可能軌跡)を示す図である。
図4衝突被害軽減制御の一例を示すフローチャートである。
図5衝突被害軽減制御の一例を示すフローチャートである。

0059

1レーダー装置(検出要素)
2デジタルシグナルプロセッサ(検出要素)
3マイクロコンピュータ装置(演算要素、衝突被害軽減要素)
4エアバッグ装置
5シートベルト巻き上げ装置
6制動嵩上げ装置
7警報装置
8車速センサ(検出要素)
9操舵角センサ(検出要素)

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