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技術 電極の形成方法

出願人 ジ・エサブ・グループ,インコーポレイテッド
発明者 ウェイン・スタンリー・セヴァランス,ジュニアヴァレリアン・ネムチンスキーグレゴリー・ウィリアム・ディール
出願日 2002年12月13日 (17年11ヶ月経過) 出願番号 2002-361982
公開日 2003年7月22日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2003-205370
状態 特許登録済
技術分野 アーク溶接一般 溶射または鋳込みによる被覆
主要キーワード センタリングスリーブ 同軸孔 外側ハウジング部材 カップ状形状 液体冷却媒体 渦流成分 円形加工 付加的加熱
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年7月22日)のものです。
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図面 (12)

課題

プラズマトーチにおいて放射性エレメントセパレータとの間およびセパレータとホルダとの間の結合を改善できる電極形成方法を提供する。

解決手段

比較的非放射性の材料から成るブランク61をるつぼ60に入れて、ブランク61を実質的に流動可能になるように加熱する。放射性エレメント28をブランク61に接触するようにし、さらに前進させてブランク61に少なくとも部分的に入れる。その後、ブランク61および放射性エレメント28を冷却して組立体88を形成する。その際、両者61、28を強く結合する金属間化合物89が両者間61、28に極短時間で形成される。組立体88をるつぼ60から取り出し、円柱形ブランク94のキャビティ24にプレスばめで挿入する。円柱形ブランク94はホルダ16の形状に機械加工される。

概要

背景

プラズマアークトーチは、通常、切断、溶接表面処理溶融および焼鈍を含む金属加工に用いられる。このようなトーチは、移行式アーク操作モードで電極から加工物へ延びるアークを支持する電極を含む。ガス渦流によりアークを包囲することも通常行われ、いくつかのトーチ設計では、水の渦流噴射によりガスおよびアークを包囲することが通常行われる。

前述のタイプの従来のトーチで用いられる電極は、通常、例えば銅または銅合金などの高い熱伝導率の材料から成る細長管状部材を備えている。管状電極前端すなわち放電端の底部端壁内には、アークを支持する放射性エレメントを有する。放射性エレメントは、比較的低い加工関数(work function)を有する材料から成り、加工関数は、当技術分野において、所要の温度で金属表面から熱イオン放射させ得る電子ボルト(eV)で測定された電位ステップ関数として定義されている。加工関数が低いので、放射性エレメントが電子を容易に放射できる現象が、電気電位が放射性エレメントに加わると得られる。通常用いられる放射性材料は、ハフニウムジルコニウムタングステンおよびこれらの合金を含む。いくつかの電極は、比較的非放射性セパレータを含み、このセパレータは、放射性エレメントの周りに配置され、アークが放射性エレメントから銅製ホルダへ移動するのを防ぐ。

前述のタイプのトーチに生じる1つの問題は電極の寿命が短いことであり、この問題は、トーチが酸化ガス例えば酸素あるいは空気などで用いられる場合に顕著となる。より詳細には、当該ガスは、放射性エレメントを包囲する電極を成す銅を急速に酸化させる傾向を有し、銅が酸化すると、銅はより容易に放射する。その結果、放射性エレメントを包囲する酸化された銅が、放射性エレメントではなくアークを支持し始める点に到達する。この現象が生じると、銅酸化物および支持銅が溶融し、これによって、電極は早期に破壊され故障する。

多数の従来の電極では当該電極を組立てるには、金属製ホルダに放射性インサートを押し込むか、または、放射性がより低いあるいは比較的非放射性のスリーブすなわちセパレータに放射性インサートを押し込み、次いで、当該セパレータを金属製ホルダに押し込む。プレスばめ放射性エレメントとセパレータとホルダとの間の境界面は、比較的はっきり定められており、これによって、組立てられた電極の熱伝導率は悪影響を受ける。特に、電極を通って移動する熱は、当該境界面に出会い、当該境界面は、熱移動に対するバリヤとして機能し、したがって電極の熱移動能力を制限する。さらに、はっきり定められた境界面は応力集中部分として機能し、当該応力集中部分はアークを吸引し、電極の崩壊加速させる。

放射性エレメントとセパレータとホルダとの間の境界面を「滑らかにする(smooth)」のを助けるために、本発明の譲受人は、"Electrode Diffusion Bonding"との名称の米国同時係属出願第09/773847号(以下「847出願」という)に記載された拡散結合技術を開発した。847出願に記載の組立後加熱テップは、セパレータと金属製ホルダとの間に拡散結合を形成する。拡散結合は、2つの材料の間の境界面を柔らかくするかあるいは滑らかにする一方、当該2つの材料の間の結合強度を高くする。その結果、電極の動作寿命が長くなる。

電極を形成する別の方法が、"Electrode Interface Bonding"との名称の別の米国同時係属出願第09/871071号(以下「071出願」という)に記載されている。071出願において、金属間化合物が、放射性エレメントとセパレータとの間に形成され、これにより放射性エレメントとセパレータとの間の結合が改善される。金属間結合は、約1時間約926〜982℃(約1700〜1800#F)まで放射性エレメントおよびセパレータを加熱することにより形成される。第2の製造後加熱ステップを行って、セパレータと金属製ホルダとの間に共晶結合すなわち共晶接合を形成することも可能である。

847出願および071出願に記載の組立後加熱ステップは、従来技術を改善しているが、さらなる改善が望まれる。特に、電極で用いられる材料を調べると、多数の電極が、ハフニウム、ジルコニウムなどを含んで成る放射性エレメントと、銀、金、ニッケルなどを含んで成るセパレータと、銅を含んで成る金属製ホルダとを用いていることが分かる。847出願および071出願に記載の組立後加熱ステップは、放射性エレメントとセパレータとの間の結合および、セパレータとホルダとの間の結合を改善するが、これらの結合をさらに改善するかあるいは1つの好適な代替法を提供することが望ましい。

概要

プラズマトーチにおいて放射性エレメントとセパレータとの間およびセパレータとホルダとの間の結合を改善できる電極の形成方法を提供する。

比較的非放射性の材料から成るブランク61をるつぼ60に入れて、ブランク61を実質的に流動可能になるように加熱する。放射性エレメント28をブランク61に接触するようにし、さらに前進させてブランク61に少なくとも部分的に入れる。その後、ブランク61および放射性エレメント28を冷却して組立体88を形成する。その際、両者61、28を強く結合する金属間化合物89が両者間61、28に極短時間で形成される。組立体88をるつぼ60から取り出し、円柱形ブランク94のキャビティ24にプレスばめで挿入する。円柱形ブランク94はホルダ16の形状に機械加工される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の製造方法であって、キャビティ前端内に形成されている金属製ホルダを設けるステップと、実質的に流動可能になるまで比較的非放射性の部材を加熱するステップと、非放射性部材に放射性エレメントを少なくとも部分的に挿入し、これによって、非放射性部材と放射性エレメントとを結合して一緒にし、組立体を形成するステップと、組立体を金属製ホルダに入れて位置決めするステップと、を含む電極の製造方法。

請求項2

前記放射性エレメントを前記非放射性部材に少なくとも部分的に挿入した後に、所定の時間にわたり前記組立体を加熱することがさらに行われることを含んで成る、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項3

前記挿入ステップの後に、組立体を冷却するステップがさらに行われることを含んで成る、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項4

前記冷却ステップは、前記位置決めステップの前に行われる、請求項3に記載の電極の製造方法。

請求項5

前記位置決めステップは、金属製ホルダのキャビティに組立体を押し込むことを含む、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項6

前記挿入ステップは、ハフニウムジルコニウムタングステンおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した放射性エレメントを挿入することを含む、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項7

前記挿入ステップは、銀、金、白金ロジウムイリジウムパラジウムニッケルモネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した比較的非放射性の部材に放射性エレメントを挿入することを含む、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項8

前記加熱ステップは、るつぼ内で非放射性部材を加熱して、非放射性部材が実質的に溶融するようにすることを含む、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項9

放射性エレメントおよび非放射性部材の周りに比較的低圧の環境を形成するステップをさらに含んで成る、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項10

前記環境形成ステップは、前記挿入ステップの前に行われる、請求項9に記載の電極の製造方法。

請求項11

前記挿入ステップでは、非放射性部材に放射性エレメントを強制的に挿入することが、非放射性部材が実質的に流動可能になると行われることを含む、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項12

金属製ホルダを半径方向内方プレスすることにより組立体および金属製ホルダに襞付けするステップをさらに含んで成る、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項13

前記挿入ステップの後に、金属製ホルダおよび組立体を所定の形状に形成するステップが行われる、請求項1に記載の電極の製造方法。

請求項14

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の製造方法であって、金属製ホルダの前端内にキャビティが形成されている金属製ホルダを設けるステップと、比較的非放射性の部材と接触するように放射性エレメントを位置決めするステップと、非放射性部材がほぼ流動可能になり、放射性エレメントが前進して非放射性部材に少なくとも部分的に入って組立体を形成するまで少なくとも非放射性部材を加熱するステップと、金属製ホルダに組立体を入れて位置決めするステップと、を備えて成る電極の製造方法。

請求項15

前記加熱ステップは、少なくとも非放射性部材を加熱して、放射性エレメントが、少なくとも部分的に重力に起因して前進して非放射性部材に入るようにすることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項16

放射性エレメントが前進して非放射性部材に入った後に、所定の時間にわたり組立体を加熱することが行われることをさらに含んで成る、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項17

前記加熱ステップの後に、組立体を冷却するステップが行われることを含んで成る、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項18

前記冷却ステップは、前記位置決めステップの前に行われる、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項19

前記加熱ステップは、少なくとも非放射性部材を加熱して、放射性エレメントが、実質的に重力に起因して前進して非放射性部材に入るようにすることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項20

前記位置決めステップは、金属製ホルダのキャビティに組立体を押し込むことを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項21

前記位置決めステップは、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した放射性エレメントを位置決めすることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項22

前記位置決めステップは、銀、金、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した比較的非放射性の部材に隣接して位置するように放射性エレメントを位置決めすることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項23

前記加熱ステップは、るつぼ内で非放射性部材を加熱して、非放射性部材が実質的に溶融するようにすることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項24

放射性エレメントおよび非放射性部材の周りに比較的低圧の環境を形成するステップをさらに含んで成る、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項25

前記環境形成ステップは、前記挿入ステップの前に行われる、請求項24に記載の電極の製造方法。

請求項26

前記位置決めステップでは、金属製ホルダに組立体を入れて位置決めすることが、プレスばめろう付け溶接およびこれらに等価の方法から成る群から選択した1つの方法を用いて行われることを含む、請求項14に記載の電極の製造方法。

請求項27

前記溶接は、摩擦溶接抵抗溶接電磁放電溶接および爆発溶接から成る群から選択される、請求項26に記載の電極の製造方法。

請求項28

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の製造方法であって、比較的非放射性の部材に隣接して位置するように放射性エレメントを位置決めするステップと、非放射性部材が実質的に流動可能になり、放射性エレメントが前進して非放射性部材に少なくとも部分的に入って、前端および本体を有する組立体を形成するまで少なくとも非放射性部材を加熱するステップと、組立体を冷却するステップと、非放射性部材が電極の大部分を成すように組立体の形状を形成するステップと、を含んで成る電極の製造方法。

請求項29

前記形状形成ステップは、組立体の前端および本体が電極の前端を形成するように行われることを含む、請求項28に記載の電極の製造方法。

請求項30

組立体の前端および本体は、切削操作の間にトーチの前端で切削ガスに晒される、請求項28に記載の電極の製造方法。

請求項31

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の製造方法であって、金属製ホルダの前端内にキャビティが形成されている金属製ホルダを設けるステップと、比較的非放射性である実質的に流動可能な材料の浴を設けるステップと、放射性エレメントを前進させて浴に少なくとも部分的に入れるステップと、浴を冷却することが、放射性エレメントが少なくとも部分的に浴に入った状態で行われ、これによって、非放射性材料が放射性エレメントの周りで凝固して組立体を形成するようにするステップと、金属製ホルダに組立体を入れて位置決めするステップと、を備えて成る電極の製造方法。

請求項32

所定の形状に金属製ホルダおよび組立体を形成するステップが、前記位置決めステップの後に行われることをさらに含んで成る、請求項31に記載の製造方法。

請求項33

前記浴冷却ステップが、浴を冷却して、金属間化合物が放射性エレメントと非放射性材料との間に生じるようにすることを含む、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項34

所定の時間にわたり、浴に放射性エレメントを少なくとも部分的に入れた状態を維持するステップをさらに含んで成る、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項35

前記所定の時間は約1分以下である、請求項34に記載の電極の製造方法。

請求項36

前記位置決めステップは、金属製ホルダのキャビティに組立体を押し込むことを含む、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項37

前記前進ステップは、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した放射性エレメントを前進させることを含む、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項38

前記浴を設けるステップは、銀、金、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した浴を設けることを含む、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項39

前記浴を設けるステップは、るつぼ内で非放射性材料を加熱して、非放射性材料が実質的に流動可能になるようにすることを含む、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項40

前記前進ステップの前に、放射性エレメントおよび浴の周りに比較的低圧の環境を形成するステップが行われることをさらに含んで成る、請求項31に記載の電極の製造方法。

請求項41

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の金属製ホルダで用いる組立体の製造方法であって、比較的非放射性である実質的に流動可能な材料から成る浴を設けるステップと、放射性エレメントを前進させて浴に少なくとも部分的に入れるステップと、浴内に少なくとも部分的に放射性エレメントに入っている状態で浴を冷却し、これによって、非放射性材料が放射性エレメントの周りに凝固して組立体を形成するステップと、プラズマトーチの金属製ホルダで用いるように組立体の形状を形成するステップと、を含んで成る電極の製造方法。

請求項42

前記浴冷却ステップは、浴を冷却して、金属間化合物が放射性エレメントと非放射性材料との間に生じるようにすることを含む、請求項41に記載の電極の製造方法。

請求項43

前記浴冷却ステップの前に、所定の時間にわたり浴に放射性エレメントを少なくとも部分的に入れた状態を維持するステップが行われることを含んで成る、請求項41に記載の電極の製造方法。

請求項44

前記所定の時間は約1分以下である、請求項43に記載の電極の製造方法。

請求項45

前記前進ステップは、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した放射性エレメントを前進させることを含む、請求項41に記載の電極の製造方法。

請求項46

前記浴を設けるステップは、銀、金、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した浴を設けることを含む、請求項41に記載の電極の製造方法。

請求項47

プラズマトーチ内にアークを支持できる電極の製造方法であって、金属製ホルダの前端内にキャビティが形成されている金属製ホルダを設けるステップと、比較的非放射性の部材を金属製ホルダのキャビティに入れて位置決めするステップと、金属製ホルダおよび非放射性部材を加熱して、非放射性部材が実質的に流動可能になるようにするステップと、実質的に流動可能な非放射性部材に放射性エレメントを少なくとも部分的に挿入して、放射性エレメントと非放射性部材とを互いに結合して一緒にするようにするステップと、を含んで成る電極の製造方法。

請求項48

所定の時間にわたり放射性エレメントと非放射性部材と金属製ホルダとを加熱することが、放射性エレメントを非放射性部材に少なくとも部分的に挿入した後に行われることがさらに含んで成る、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項49

前記挿入ステップの後に、放射性エレメントと非放射性部材と金属製ホルダとを冷却するステップが行われることをさらに含んで成る、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項50

前記冷却ステップは、放射性エレメントと非放射性部材と金属製ホルダとを冷却して、金属間化合物が放射性エレメントと非放射性部材との間に生じるようにすることを含む、請求項49に記載の電極の製造方法。

請求項51

前記冷却ステップは、放射性エレメントと非放射性部材と金属製ホルダとを冷却して、金属間化合物が放射性エレメントと非放射性部材との間に生じ、かつ共晶合金が非放射性部材と金属製ホルダとの間に生じるようにすることを含む、請求項49に記載の電極の製造方法。

請求項52

金属製ホルダを所定の形状に形成するステップをさらに含んで成る、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項53

前記形状形成ステップは、金属製ホルダと放射性エレメントと非放射性部材とが電極の平面状前端を形成するように金属製ホルダの形状を形成する、請求項52に記載の電極の製造方法。

請求項54

前記形成ステップは、非放射性部材の一部分が後部キャビティに晒されて位置するように、後部にキャビティを形成して金属製ホルダの形状を形成する、請求項52に記載の電極の製造方法。

請求項55

放射性エレメントと非放射性部材と金属製ホルダとの周りに比較的低圧の環境を形成するステップをさらに含んで成る、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項56

前記挿入ステップの前に、前記環境形成ステップは行われる、請求項55に記載の電極の製造方法。

請求項57

前記加熱ステップと前記挿入ステップとはほぼ同時に行われる、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項58

前記挿入ステップでは、放射性エレメントを非放射性部材に強制的に挿入することが、非放射性部材が実質的に流動可能になると行われることを含む、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項59

前記挿入ステップは、実質的に重力により放射性エレメントを挿入することを含む、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項60

金属製ホルダを設けるステップが、銅、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した金属製ホルダを設けることを含む、請求項47に記載の電極の製造方法。

請求項61

前記位置決めステップは、銀、金、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから実質的に形成した比較的非放射性の部材を位置決めすることを含む、請求項47に記載の電極の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、プラズマアークトーチに関し、より詳細には、プラズマアークトーチ内に電気アークを支持する電極形成方法に関する。

背景技術

0002

プラズマアークトーチは、通常、切断、溶接表面処理溶融および焼鈍を含む金属加工に用いられる。このようなトーチは、移行式アーク操作モードで電極から加工物へ延びるアークを支持する電極を含む。ガス渦流によりアークを包囲することも通常行われ、いくつかのトーチ設計では、水の渦流噴射によりガスおよびアークを包囲することが通常行われる。

0003

前述のタイプの従来のトーチで用いられる電極は、通常、例えば銅または銅合金などの高い熱伝導率の材料から成る細長管状部材を備えている。管状電極前端すなわち放電端の底部端壁内には、アークを支持する放射性エレメントを有する。放射性エレメントは、比較的低い加工関数(work function)を有する材料から成り、加工関数は、当技術分野において、所要の温度で金属表面から熱イオン放射させ得る電子ボルト(eV)で測定された電位ステップ関数として定義されている。加工関数が低いので、放射性エレメントが電子を容易に放射できる現象が、電気電位が放射性エレメントに加わると得られる。通常用いられる放射性材料は、ハフニウムジルコニウムタングステンおよびこれらの合金を含む。いくつかの電極は、比較的非放射性セパレータを含み、このセパレータは、放射性エレメントの周りに配置され、アークが放射性エレメントから銅製ホルダへ移動するのを防ぐ。

0004

前述のタイプのトーチに生じる1つの問題は電極の寿命が短いことであり、この問題は、トーチが酸化ガス例えば酸素あるいは空気などで用いられる場合に顕著となる。より詳細には、当該ガスは、放射性エレメントを包囲する電極を成す銅を急速に酸化させる傾向を有し、銅が酸化すると、銅はより容易に放射する。その結果、放射性エレメントを包囲する酸化された銅が、放射性エレメントではなくアークを支持し始める点に到達する。この現象が生じると、銅酸化物および支持銅が溶融し、これによって、電極は早期に破壊され故障する。

0005

多数の従来の電極では当該電極を組立てるには、金属製ホルダに放射性インサートを押し込むか、または、放射性がより低いあるいは比較的非放射性のスリーブすなわちセパレータに放射性インサートを押し込み、次いで、当該セパレータを金属製ホルダに押し込む。プレスばめ放射性エレメントとセパレータとホルダとの間の境界面は、比較的はっきり定められており、これによって、組立てられた電極の熱伝導率は悪影響を受ける。特に、電極を通って移動する熱は、当該境界面に出会い、当該境界面は、熱移動に対するバリヤとして機能し、したがって電極の熱移動能力を制限する。さらに、はっきり定められた境界面は応力集中部分として機能し、当該応力集中部分はアークを吸引し、電極の崩壊加速させる。

0006

放射性エレメントとセパレータとホルダとの間の境界面を「滑らかにする(smooth)」のを助けるために、本発明の譲受人は、"Electrode Diffusion Bonding"との名称の米国同時係属出願第09/773847号(以下「847出願」という)に記載された拡散結合技術を開発した。847出願に記載の組立後加熱テップは、セパレータと金属製ホルダとの間に拡散結合を形成する。拡散結合は、2つの材料の間の境界面を柔らかくするかあるいは滑らかにする一方、当該2つの材料の間の結合強度を高くする。その結果、電極の動作寿命が長くなる。

0007

電極を形成する別の方法が、"Electrode Interface Bonding"との名称の別の米国同時係属出願第09/871071号(以下「071出願」という)に記載されている。071出願において、金属間化合物が、放射性エレメントとセパレータとの間に形成され、これにより放射性エレメントとセパレータとの間の結合が改善される。金属間結合は、約1時間約926〜982℃(約1700〜1800#F)まで放射性エレメントおよびセパレータを加熱することにより形成される。第2の製造後加熱ステップを行って、セパレータと金属製ホルダとの間に共晶結合すなわち共晶接合を形成することも可能である。

0008

847出願および071出願に記載の組立後加熱ステップは、従来技術を改善しているが、さらなる改善が望まれる。特に、電極で用いられる材料を調べると、多数の電極が、ハフニウム、ジルコニウムなどを含んで成る放射性エレメントと、銀、金、ニッケルなどを含んで成るセパレータと、銅を含んで成る金属製ホルダとを用いていることが分かる。847出願および071出願に記載の組立後加熱ステップは、放射性エレメントとセパレータとの間の結合および、セパレータとホルダとの間の結合を改善するが、これらの結合をさらに改善するかあるいは1つの好適な代替法を提供することが望ましい。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、電極を形成する従来の方法および最近開発された方法を改善するために開発された。

課題を解決するための手段

0010

プラズマアークトーチの寿命および性能の欠点は、溶融したあるいは実質的に流動可能な非放射性材料に放射性エレメントを挿入し、次いで、この半完成品を冷却して組立体を形成し、この組立体を用いて電極を形成すると改善される。好適には、放射性エレメントおよび非放射性材料との間には強い結合が、比較的迅速に形成され、いくつかの場合、金属間化合物が、放射性エレメントと非放射性材料あるいは部材との間に形成され、当該金属間化合物は、1つの実施形態では、放射性エレメントと金属製ホルダとの間のセパレータとして機能する。したがって、本発明の電極は、従来の電極製造方法に比して、性能がより良好であり、より迅速に製造できる。

0011

特に、本発明による電極の製造方法は、比較的非放射性の材料あるいは部材を加熱して、当該材料が実質的に流動可能になるようにすることを含む。この加熱ステップは、好ましくは、るつぼを用いて行われ、この場合、非放射性材料をるつぼ内で加熱して得られる温度は、少なくともほぼ当該材料の融点まで達する。放射性エレメントは、溶融した非放射性材料の上方に配置され、放射性エレメントは、落下して非放射性材料に入り得るかあるいは前進されて非放射性材料に少なくとも部分的に入り得る。力を用いて、放射性エレメントを前進させて非放射性材料に入れるかまたは放射性エレメントを非放射性材料に挿入するのを助けることも可能である。これにより得られた位置関係の状態は、次いで、所定の時間例えば約1分にわたり保持され、組立体は冷却される。1つの実施形態では、真空環境または減圧環境を放射性エレメントおよび非放射性材料の周りに形成することが、電極の製造の間に行われる。その結果、金属間化合物が、放射性エレメントと非放射性材料との間に形成され、当該金属間化合物により得られる結合は、拡散結合あるいは干渉はまりしまりばめ)に比してより優れている。

0012

1つの実施形態では、放射性エレメントおよび非放射性材料により形成された組立体は、次いで、電極の従来の金属製ホルダ内に位置決めされる。この位置決めステップは、ホルダに組立体を入れてプレスばめ、ろう付けあるいは溶接することを含む場合もある。代替的に、組立体自身が電極の前部を形成するように行われて、金属製ホルダを利用しないようにし得る。このようにして、組立体の非放射性部材の形状を形成するのが、当該非放射性部材が電極の大部分を形成するように行われ得る。これは好適である。何故ならば非放射性部材は、好ましくは、金属製ホルダを形成する従来の材料に比してより大きい熱伝導率を有する材料から形成される。例えば、金属製ホルダの代わりに用いる非放射性材料は、好ましくは、銀、金、白金ロジウムイリジウムパラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金から成る群から選択した材料のうちの少なくとも1つから形成され、一方、金属製ホルダは、通常、銅から形成されるからである。

0013

さらに別の実施形態では、金属製ホルダは、比較的非放射性の材料のための「るつぼ」として用いられ、この場合、非放射性材料のブランクが金属製ホルダすなわちるつぼ内で加熱されることが、当該ブラックが実質的に流動可能になるまで行われる。次いで放射性エレメントを非放射性材料に挿入するかかまたは前進させて非放射性材料に入れることが、好ましくは、加熱ステップの間に行われる。次いで金属製ホルダを所定の形状に形成するのが、電極を切断操作および溶接操作で用い得るように行われる。

0014

好適には、放射性エレメントと非放射性材料との間に形成された金属間化合物の形成速度は、071出願に記載されたものより速い。より詳細には、本発明による金属間化合物形成ステップは、約1分のオーダで行われ、一方、071出願による金属間化合物形成ステップは、約1時間のオーダで行われる。したがって、本発明による電極製造プロセスにより、大幅に時間を節約できる一方、依然として、放射性エレメントと非放射性部材との間の結合を、従来の方法に比して改善することが得られる。

0015

以上、本発明を一般的な用語を用いて説明したが、必ずしも正確な尺度で描かれてはいない添付図面を、以下参照していく。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明を、以下、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照して詳細に説明する。本発明は、しかしながら、多数の異なる形で実施でき、本明細書に記載の実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態は、本明細書の開示が完全完璧となり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるために記載されている。同一の参照番号は同一の要素を全図中示す。

0017

図1図3において、本発明の特徴を実施しているプラズマアークトーチ10が示されている。トーチ10は、ノズルアセンブリ12および管状電極14を含む。電極14は、好ましくは、銅あるいは銅合金から成り、上部管状部材15と下部カップ状部材すなわちホルダ16とから成る。上部管状部材15は、細長で開いている管状構造を有し、トーチ10の長手軸線に沿って位置合せされている。上部管状部材15は、雌ねじ下端部分17を含む。ホルダ16も管状構造を有し、下部前端および上部後端を含む。横断方向端部壁18は、ホルダ16の前端を閉じ、外側前面20を形成する。ホルダ16の後端は雄ねじが形成され、上部管状部材15の下端部分17に螺合されている。

0018

ホルダ16の後端19は開いていて、ホルダがカップ状となり、内側キャビティ22を形成するようになっている。内側キャビティ22の表面31が含む円柱23は、長手軸線に沿って延びて内側キャビティに入っている。略円柱形キャビティ24は、端部壁18の前面20内に形成され、長手軸線に沿って後方へ延びて、ホルダ16の一部分に入っている。キャビティ24は内側面ないしは内壁27を含む。

0019

1つの実施形態では、比較的非放射性の部材すなわちセパレータ32がキャビティ24内に位置決めされ、長手軸線に沿って同軸に配置されている。セパレータ32の外側周辺壁33は、キャビティ24のほぼ全長にわたり延びている。1つの実施形態では(図示せず)、セパレータ32の外側周辺壁33の少なくとも一部分は、ホルダ16により形成されている内側キャビティ22に晒されている。周辺壁33は、セパレータ32の全長にわたりほぼ一定の外径を有するものとして示されているが、その他の幾何学的形態例えば円錐台なども、本発明の範囲に入る。セパレータ32は、表面37を有する内側キャビティ35も形成している。セパレータ32の外側端面36は、ホルダ16の前面20と略面一である。

0020

放射性エレメントすなわちインサート28はセパレータ32内に位置決めされ、長手軸線に沿って同軸に配置されている。より詳細には、放射性エレメント28およびセパレータ32は組立体を形成し、この場合、放射性エレメント28をセパレータ32に固定するのは、後述の独特な方法を用いて行う。金属間化合物の形成は、セパレータを形成する非放射性材料から成る液体浴すなわち溶融浴に放射性エレメントを挿入するかまたは前進させて入れることにより行われ、このようにして形成された金属間化合物は、詳しく後述するように当該放射性エレメントと当該非放射性材料との間に位置する。放射性エレメント28の円形外側端面29は、ホルダ16の前面20とセパレータ32の外側端面36とを含む平面内に位置する。放射性エレメント28の略円形内側端面30は、セパレータ32により形成されているキャビティ35内に配置され、外側端面29に対向して位置する。内側端面30は、しかしながら、その他の形状例えば尖頭状、多角形あるいは球形にして、放射性エレメント28をセパレータ32に固定するのを助けるようにすることも可能である。さらに、放射性エレメント28の直径は、セパレータ32の端面36の外径の約30〜80パーセントであり、セパレータ32は、外側端面36の個所でおよびセパレータ32の全長に沿って少なくとも約0.25ミリメートル(0.01インチ)の半径方向厚を有する。1つの特定の例として、放射性エレメント28は、通常、約2.03ミリメートル(約0.08インチ)の直径と約6.35ミリメートル(約0.25インチ)の長さを有し、セパレータ32の外径は約6.35ミリメートル(約0.25インチ)である。

0021

放射性エレメント28は、例えば約2.7〜4.2eVの範囲内などの比較的低い加工関数を有する金属材料から成り、これによって、電子を容易に放射できる利点が、電気電位を放射性エレメント28に加える際に得られる。このような材料の適切な例は、ハフニウム、ジルコニウム、タングステンおよびこれらの混合物である。

0022

セパレータ32を成す金属材料の加工関数は、ホルダ16の材料の加工関数より大きいことが、Smithells Metal Reference Book, 6th Ed.に記載された値から分かる。より詳細には、好ましくは、セパレータ32を成す金属材料の加工関数は、少なくとも約4.3eVである。1つの好ましい実施形態では、セパレータ32は銀を含んで成るが、その他の材料例えば金、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、モネルおよびこれらの合金も用い得る。セパレータ32に用いる材料は、高い熱伝導率、高い抗酸化性、高い融点、高い加工関数および低いコストを有さなければならない。1つの材料におけるこれらの特性のすべてを最大化するのは困難であるが、銀が、高い熱伝導率を有するので好ましい。

0023

例えば、本発明の1つの特定の実施形態では、セパレータ32を成す銀合金材料は、銀が、銅、アルミニウム、鉄、鉛、亜鉛およびこれらの合金から成る群から選択した1つの付加的な材料約0.25〜10パーセントと合金されたものである。当該付加的材料は、元素あるいは酸化物であり、したがって本明細書において「銅」との用語は、元素および酸化物の両方を意味し、「アルミニウム」などとの用語も同様である。

0024

図1において、電極14は、プラズマトーチ本体38内に取付けられ、プラズマトーチ本体38は、めいめいガス通路40および液体通路42を含む。トーチ本体38は、外側絶縁ハウジング部材44により包囲されている。管46は、電極14の中央孔47内に懸吊され、液体冷却媒体例えば水が電極14を通過して循環するようにする。管46の外径は、孔48の直径より小さく、これによって空間49が管46と孔48との間に存在し、ひいては水が空間49内を流れる現象は、水が管46の開放下端から排出されると生じるようになっている。水はソース(図示せず)から管46を通って流出し、内側キャビティ22およびホルダ16内を流れ、空間49を通って戻って、トーチ本体38内の開口52に達し、ひいては排出ホース(図示せず)に達する。通路42は噴射水をノズルアセンブリ12内に導き、ノズルアセンブリ12内で噴射水は渦流となってプラズマアークを包囲するが、この様子は後述する。ガス通路40はガスを適切なソース(図示せず)から流出させ、適切な高温材料から成るガスバフル54を通過させ、入口穴58を通過させてガスプレナムチャンバ56に流入させる。入口穴58の配置は、ガスがプレナムチャンバ56に流入する際に渦流となるようになっている。ガスは、ノズルアセンブリ12の同軸孔60、62を通ってプレナムチャンバ56から流出する。電極14はガスバフル54を係止している。高温プラスチック絶縁体本体55は、ノズルアセンブリ12を電極14から電気的に絶縁する。

0025

ノズルアセンブリ12は、第1の孔60を形成する上部ノズル部材63と、第2の孔62を形成する下部ノズル部材64とを備えている。上部ノズル部材63は、好ましくは、金属材料であり、下部ノズル部材64は、金属材料またはセラミック材料である。上部ノズル部材63の同軸孔60は、トーチ電極14の長手軸線と軸線方向で位置合せされている。下部ノズル部材64を上部ノズル部材63から分離することが、プラスチックスペーサ要素65および水渦流リング66を用いて行われている。上部ノズル部材63と下部ノズル部材64との間に設けられている空間は、水チャンバ67を形成している。

0026

下部ノズル部材64が備えている円柱形本体部分70は、前端部分すなわち下端部分と、後端部分すなわち上端部分とを形成し、孔62は本体部分70を通って同軸に延びている。環状取付けフランジ71は後端部分に位置決めされ、円錐台形(frustoconical)表面72は、第2の孔62と同軸の前端部分の外面に設けられている。環状フランジ71を下から支持するのが、内方へ向いているフランジ73を用いてカップ74の下端の個所で行われ、この場合、カップ74は、相互接続ねじにより外側ハウジング部材44に取外し可能に取付けられている。ガスケット75が2つのフランジ71、73との間に配置されている。

0027

下部ノズル部材64内の孔62は円柱形であり、孔62を、上部ノズル部材63内の孔60と軸線方向で位置合せした状態を維持するのが、任意の適切なプラスチック材料から成るセンタリングスリーブ78を用いて行われている。水はスリーブ78内の開口85を通って通路42から流出し、渦流リング66の噴射ポート87に達し、噴射ポート87は水を噴射して水チャンバ67に入れる。噴射ポート87は、渦流リング66の周りに接線方向に配置されて、速度の渦流成分を、水チャンバ67内の水流に付与する。水は孔62を通って水チャンバ67から流出する。

0028

電源(図示せず)は、金属加工物直列回路を成すようにトーチ電極14に接続され、金属加工物は通常アースされている。操作中、プラズマアークが、アークのための陰極端末として機能する電極の放射性エレメント28と、電源の陽極に接続されて下部ノズル部材64の下方に位置する加工物との間に形成される。プラズマアークを従来通りの仕方で開始することが、電極14とノズルアセンブリ12との間にパイロットアークを一時的に形成し、次いで、当該アークを孔60、62を通って加工物へ移行させることにより行われる。

0029

[製造方法]本発明は、前述のタイプの電極の簡単な製造方法も提供するものである。図4図6は、本発明による電極の製造方法を示す。図4の(a)に示すように、比較的非放射性の材料から成るブランク61は、るつぼ60あるいはこれと等価のホルダに入れられ、これによって、ブランク61を加熱して、ブランク61が実質的に流動可能になるようにする。ブランク61は、好ましくは、1つの中実の塊としてるつぼに入れられるが、代替的に、より小さいばらばらの小片を用いることも可能である。別の代替法として、ブランク61は最初は粉末または液体の状態で、るつぼ60に入れられることも可能である。

0030

1つの好ましい実施形態では、ブランク61を加熱して溶融させ、これによって、非放射性材料から成る浴が得られる。図4の(a)〜(b)において、放射性エレメント28をブランク61に隣接するように配置して、例えば放射性エレメント28がブランク61に接触または接近するようにし、次いで、放射性エレメント28をブランク61に少なくとも部分的に挿入するかまたは、放射性エレメント28を前進させてブランク61に少なくとも部分的に入れることが、ブランク61が溶融するかまたはほぼ流動可能になると行われる。1つの実施形態では、放射性エレメント28は、重力により落下してブランク61に少なくとも部分的に入るようになっているが、力を用いて放射性エレメント28を前進させてブランク61に入れるかまたは放射性エレメント28をブランク61に強制的に入れることも可能である。1つの実施形態では、放射性エレメント28およびブランク61を加熱するのが、所定の時間例えば約1分まで、より好ましくは約15秒行われ、これによって、放射性エレメント28とブランク61との間の結合を形成するのを助けるようにする。特に、放射性エレメント28を前進させてブランク61に入れた後に行う付加的加熱により、より高い温度が得られるか、または単により長い時間ある特定の温度を維持することが得られ、これによって、金属間化合物を形成できることになり、この様子は後述する。加えて、減圧環境または真空環境を形成するのが、放射性エレメント28をブランク61に挿入する前でも、間でも、後でも可能である。これを行うことにより、溶解ガスを、加熱された材料から取除くことができ、これによって、放射性エレメント28とブランク61との間の結合がより強くなる。

0031

図4の(c)において、放射性エレメント28およびブランク61が、次いで、冷えるようにされて、組立体88が形成され、この場合、ブランク61が放射性エレメント28の周りで凝固し、強い結合がブランク61と放射性エレメント28との間に形成される。放射性エレメント28およびブランク61が冷却されて、組立体88が形成されると、組立体88はるつぼ60から取出されて、組立体88をホルダ16に挿入できるようになり、この様子は後述する。この実施形態では、ブランク61はセパレータ32として機能し、便宜上以後、セパレータ32と呼ぶものとする。放射性エレメント28の小部分28Aがセパレータ32から延びている状態が、放射性エレメント28をセパレータ32に挿入すると得られ、この場合、放射性エレメント28を把持または保持するのを、位置決め装置(図示せず)あるいはその他の工具を用いて行うのが、組立体形成プロセスの間に行われる。小さくて延びている部分28Aは、しかしながら、従来の技術を用いて容易に取除ける。

0032

好適には、金属間化合物89が放射性エレメント28とセパレータ32との間に形成される現象が、前述の組立体形成プロセスの間に生じる。金属間化合物89は、放射性エレメント28およびセパレータ32に比してユニークな特性を有する別個の材料である。金属間化合物89により得られる、放射性エレメント28とセパレータ32との間の結合は、プレスばめあるいは拡散結合に比して優れている。何故ならば金属間化合物89の厚さは、通常、約2.54〜25.4マイクロメートル(約0.0001〜約0.001インチ)であり、例えば約10.16マイクロメートル(約0.0004インチ)である。放射性エレメント28をブランク61に挿入することを、ブランクが溶融されると行うことにより、金属間化合物89を形成する速度が、その他の方法例えば前述の071出願に記載のものなどに比して大幅に速くなる。特に、金属間化合物89を本発明により形成するのは、約1分以下で得られ、一方、金属間化合物を形成するのを、071出願に記載のプロセスを用いて行うと約1時間かかる。このようにして、本発明の方法により、電極製造の速度が大幅に高まり、放射性エレメント28とセパレータ32との間の結合が改善される。

0033

図5において、銅あるいは銅合金から成る円柱形ブランク94が、前面95および、前面95に対向して位置する後面96を有する形で得られる。次いで、略円柱形孔を形成するのを、例えばドリルを用いて前面95内で長手軸線に沿って行い、これによって、キャビティ24が得られ、この様子は前述した。次いで、放射性エレメント28とセパレータ32とから成る組立体をキャビティ24に挿入するのを、例えばプレスばめにより行って、セパレータ32の周辺壁33がキャビティ24の内壁27に係合し、表面と表面との間の摩擦結合により内壁27に固定するようにする。組立体をキャビティ24に挿入するのは、ろう付け、溶接および等価の従来の方法によっても可能である。例えば、組立体をキャビティ24に入れて溶接することは、摩擦溶接抵抗溶接電磁放電溶接(electo-magnetic discharge welding)あるいは爆発溶接により行い得る。

0034

図6の1つの実施形態では、略平面状円形加工表面100を有する工具98の加工表面が、放射性エレメント28の端面29とセパレータ32の端面36とにめいめい接触されている。加工表面100の外径は、円柱形ブランク94内のキャビティ24の直径より僅かに小さい。工具98の加工表面100がトーチ10の長手軸線と略同軸である状態で工具98を保持し、この状態で力を工具98に加え、これによって、軸線方向の圧縮力が、放射性エレメント28およびセパレータ32に長手軸線に沿って加えられるようにする。例えば、工具98を放射性エレメント28およびセパレータ32と接触するように位置決めし、次いで、工具98を適切な装置例えば機械ラムなどにより打撃することも可能である。用いる特定の技術と無関係に、十分な力を加えて、放射性エレメント28およびセパレータ32を半径方向で外方へ変形し、これによって、放射性エレメント28がセパレータ32によりしっかりと把持および係止されるようにし、かつセパレータ32がキャビティ24によりしっかりと把持および係止されるようにする。しかしながら、慎重を期して、放射性エレメント28とセパレータ32との間の金属間化合物89を破壊しないようにしなければならない。

0035

図7図8は、本発明による1つの代替実施形態を示す。図7の(a)において、比較的非放射性の材料から成るブランク61をるつぼ60あるいは類似の装置内で加熱して、ブランク61がほぼ流動可能になるようにし、例えばブランク61が前述のように溶融するようにする。放射性エレメント28を、前述の仕方と類似の仕方で挿入する。好適には、しかしながら、ブランク61のサイズは大幅により大きく定められ、ブランク61の直径が、前述の銅円柱形ブランク94の直径と同じ大きさにする。このようにして、ブランク61が、図7の(b)に示すように加熱され、放射性エレメント28が落下してまたは前進されてブランク61に入った後、放射性エレメント28およびブランク61は、前述のように冷却されてるつぼ60から取出されて、図8の(a)に示すように組立体76が得られる。特に、組立体76は前端91および本体93を有する。

0036

図8の(b)において、次いで、ブランク61を所定の形状に形成して、非放射性ブランク61が電極14の大部分を形成するようにする。実際、非放射性ブランク61の形状を形成する仕方は、銅円柱形ブランク94を、前述の本発明の別の実施形態で形状を形成する仕方と類似であり、組立体76の前端91および本体93が電極14の下部前端を形成するようになっている。このようにして、銅製ホルダ16の代わりに非放射性ブランク61を用いることが本質的に可能である。ブランク61を成す材料(例えば銀)のコストは、金属製ホルダ16に用いられる材料(例えば銅)より高い一方、ブランク61を形成する1つまたは複数の材料の熱伝導率およびその他の特性により電極の性能がより良くなって、電極製造コストを少なくとも部分的に補うものとなる。加えて、外側周辺壁33と、ホルダキャビティ24の内側面27との間に存在する、ホルダを含む実施形態において前述した境界面は、図7図8の実施形態では取除かれており、これにより、熱が電極を通って移動して、内側キャビティ22内を循環する冷却水に達する際の熱伝達がさらに改善される。

0037

図9のさらに別の代替実施形態では、電極を形成するには、まず初めに、キャビティ24を内部に有する金属製の円柱形ブランク94を得、次いで、金属製の円柱形ブランク94自身をるつぼとして用いて、比較的非放射性の材料から成るブランク61を溶融させて、ブランク61が、前述のようにそして図4図6に示すように十分に流動可能になるようにする。より詳細には、金属製の円柱形ブランク94の融点は、ブランク61の融点より高く、これによって、十分な熱を円柱形ブランク94およびブランク61に加えると、ブランク61が溶融するかまたは十分に流動可能になるようになっており、これによって、ブランク61に隣接して位置する放射性エレメント28が、前述しかつ図9破線により示すように、落下または前進して少なくとも部分的にブランク61に入るようになっている。1つの実施形態では、当該コンポーネントを所定の時間例えば約1分、より好ましくは約15秒さらに加熱し続けるが、このステップは必ずしも必要ではない。好適には、金属間化合物89を、放射性エレメント28と、ブランク61を成す比較的非放射性の材料との間に形成する。加えて、共晶合金102も、ブランク61と金属製の円柱形ブランク94との間に形成される。いったん放射性エレメント28が、ブランク61内に適宜位置決めされると、放射性エレメント28とブランク61と円柱形ブランク94とは冷却されて、当該コンポーネントが互いにしっかりと結合されることになり、この場合、金属間化合物89が、放射性エレメント28と、ブランク61から形成されたセパレータ32との間に位置し、共晶合金102が、セパレータ32と円柱形ブランク94との間に位置する。次いで、円柱形ブランク94の形状を形成して、前述しかつ図9に破線により示したホルダ16を得る。図9の実施形態は好適である。何故ならば、別個のるつぼを用いて、ブランク61を成す比較的非放射性材料を加熱して、ブランク61が流動可能になるようにする必要がないからである。したがって、放射性エレメント28とセパレータ32とホルダ16との間の結合を、非常に僅かな数のステップ好ましくはただ1つのステップで得られる。

0038

図10の別のプロセスも、電極の強度を高くし、したがって、電極の動作寿命を延ばす。特に、図10は、プレス工具97を用いて電極の前端で行う襞付けプロセスを示す。プレス工具97は金属製の円柱形ブランク94の外面に当って、半径方向内方へ向かって当該外面を押圧して、円柱形ブランク94とセパレータ32と放射性エレメント28をプレスして一緒にし、これにより当該複数の材料がさらに互いに結合して一緒になる。1つの実施形態では、金属製の円柱形ブランク94の半径を長さdだけ短くし、長さdは、1つの実施形態では約1.27〜2.54ミリメートル(約0.050〜0.100インチ)である。外側形状も、襞付けの間に変化させ得、例えば円柱形ブランクを、図示のように六角形形状に変化させ得る。襞付けプロセスを行うのは、円柱形ブランク94を機械加工してほぼ仕上り形状を得てからでもよい。

0039

襞付けプロセスは少なくとも2つの利点をもたらす。1つの利点は、プレス作用により放射性エレメント28とセパレータ32と金属製の円柱形ブランク94との間のいかなる空隙もほぼ除去されることである。これは重要である。何故ならば空隙は応力集中部分となり、応力集中部分により電極が早期に故障することもあるからである。襞付けを用いない(ひいては空隙を閉じない)場合、電極の寿命は短く、例えば約0〜20分である。襞付けを行うと、しかしながら、電極の寿命はより大きいオーダとなり、例えば300〜400分以上となる。しかしながら、慎重を期することが、プレス作用の間、必要である。何故ならば電極を過度に襞付けすると、電極のコンポーネント間に形成された結合および/または放射性エレメント28とブランク61との間に形成された金属間化合物89を破壊あるいは損傷することがあるからである。加えて、襞付けプロセスは、セパレータ32および金属製の円柱形ブランク94を含んで成るものとして説明されたが、襞付けプロセスは、前述されかつ図7図8に示す実施形態で行うことも可能であり、この場合、非放射性ブランク61を適宜サイズ決めして、金属製の円柱形ブランク94の代わりに用い得るようにする。

0040

図3および図8の(b)において、本発明による完成された電極の横断面図が示されている。図3に示すように、ホルダ16の製造を完成するには、円柱形ブランク94の後面96を機械加工して、内側キャビティ22を内部に有する開いたカップ状形状を成すようにする。好適には、内側キャビティ22は、内側環状凹部82を含み、凹部82は円柱23を形成し、セパレータ32および放射性エレメント28の一部分を同軸に包囲している。加えて、内側環状凹部82は内面83を含む。換言すると、内側環状凹部82を形成するのは、例えばトレパンニング心残し削り)あるいはその他の機械加工を用いて行い、これによって円柱23を形成する。円柱形ブランク94の外側周辺も、所望のように形状を形成され、この場合、ホルダ16の後端19の個所に雄ねじ102が形成される。最後に、円柱形ブランク94の前面95と、放射性エレメント28の端面29と、セパレータ32の端面36とをめいめい機械加工して、前面95と端面29と端面36とを互いに面一にする。同様のプロセスを、図8の(b)に示す電極にも適用できるが、図8の(b)の実施形態では、ブランク61を機械加工して、内側キャビティ22および前述の類似のエレメントを形成するようにしている。

0041

図11は、ホルダ16の端部正面図を示す。図から分かるように、セパレータ32の端面36は、放射性エレメント28の端面29を、ホルダ16の前面20から分離している。端面36は環状であり、内側104および外周106を有する。セパレータ32は、アークが放射性エレメントから離れて、ホルダ16に付着するのを防ぐように機能する。

0042

このようにして、本発明は、プラズマアークトーチで用いる電極14と、電極の製造方法とを提供するものであり、この場合、金属間化合物89が、放射性エレメント28とセパレータ32あるいは非放射性材料すなわち非放射性ブランク61との間に形成されることが、ブランクを溶融させて、放射性エレメントを溶融ブランクに挿入することにより行われる。非放射性材料が冷却され、放射性エレメントの周りで凝固すると、得られた金属間化合物89が、非放射性材料と放射性エレメントとの間に強い結合を形成する。好適には、本発明の電極は、迅速かつ容易に製造できる。より詳細には、本発明の金属間化合物89が形成される速度は、従来の技術に比して50倍以上速い。このようにして、本発明による電極の製造のコストは小さく時間は短くなる一方、強くて寿命が長い電極が得られる。

0043

本発明の多数の変更およびその他の実施形態が、前述の説明および関連図面に記載の教示の利益を受けた当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、変更およびその他の実施形態は、請求の範囲に含まれるものとする。特定の用語を本明細書で用いたが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味でのみ用いられ、限定を目的としていない。

図面の簡単な説明

0044

図1本発明を実施するプラズマアークトーチの縦断面図である。
図2本発明による電極の拡大斜視図である。
図3図2の縦断面図である。
図4本発明による第1の電極製造方法を成すステップを順に概略的に示す図であり、(a)および(b)は断面図、(c)は側面図である。
図5本発明による第1の電極製造方法を成すステップを概略的に示す断面図である。
図6本発明による第1の電極製造方法を成すステップを概略的に示す断面図である。
図7(a)および(b)は、本発明による第2の電極製造方法を成すステップを概略的に示す図である。
図8(a)および(b)は、本発明による第2の電極製造方法を成すステップを概略的に示す断面図である。
図9本発明による第3の電極製造方法を概略的に示す断面図である。
図10本発明の一実施形態による襞付け操作を示す、電極を大幅に拡大して示す断面図である。
図11本発明による仕上り電極の端部の正面図である。

--

0045

10プラズマアークトーチ
14電極
16金属製ホルダ
24キャビティ
28放射性エレメント
60るつぼ
61 比較的非放射性の材料から成るブランク
76、88組立体
89金属間化合物
91前端
93 本体
97 プレス工具

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