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技術 体液中のコラーゲン断片を測定する方法、該方法を実施するためのテストキット及び手段、並びにコラ−ゲンの代謝に関連する疾患の存在を診断するために該方法を使用する方法・用途

出願人 オステオミーター・ビオテク・エー/エス
発明者 クイスト、ペルボンデ、マルチン
出願日 1994年9月19日 (26年3ヶ月経過) 出願番号 2002-264031
公開日 2003年7月18日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-202338
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 測定された損失 スクリーニングパラメータ 合計コスト 同一手法 繊維状蛋白質 活性グループ 運動競技者 測定構成
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

コラーゲンの代謝に関する疾患を診断するために体液中のコラーゲン断片を測定する方法の提供。

解決手段

体液の試料をコラーゲン断片に対する少なくとも一つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させることから成る体液中のコラーゲン断片を測定する方法において、前記免疫学的結合性パ−トナ−が、実質的にコラーゲンに由来する配列を有する合成ペプチド免疫反応性を示し且つ架橋のための可能な部位を含有するものである前記測定方法。該免疫学的結合性パ−トナ−は、全抗体としてか又はその免疫学的に活性な断片としてのいずれかで、試料中のコラーゲン断片を定量するための測定方法に組み込まれる。免疫学的結合性パ−トナ−の一つ又は複数と接触させること以外に、該試料は対応する合成ペプチドに直接接触させても構わない。更に、該方法を実施するためのテストキットおよび具体的な手段を包含する。また、特異的ペプチドの構造も説明・記載する。

概要

背景

概要

コラーゲンの代謝に関する疾患を診断するために体液中のコラーゲン断片を測定する方法の提供。

体液の試料をコラーゲン断片に対する少なくとも一つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させることから成る体液中のコラーゲン断片を測定する方法において、前記免疫学的結合性パ−トナ−が、実質的にコラーゲンに由来する配列を有する合成ペプチド免疫反応性を示し且つ架橋のための可能な部位を含有するものである前記測定方法。該免疫学的結合性パ−トナ−は、全抗体としてか又はその免疫学的に活性な断片としてのいずれかで、試料中のコラーゲン断片を定量するための測定方法に組み込まれる。免疫学的結合性パ−トナ−の一つ又は複数と接触させること以外に、該試料は対応する合成ペプチドに直接接触させても構わない。更に、該方法を実施するためのテストキットおよび具体的な手段を包含する。また、特異的ペプチドの構造も説明・記載する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

体液中のコラーゲン断片測定方法であって、前記体液の試料をコラーゲン断片に対する少なくとも一つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させること、前記結合性パ−トナ−が、実質的にコラーゲン由来する配列を持つ合成ペプチド免疫反応性を示しかつ架橋のための潜在的部位を含有する抗体であること、及び前記該免疫学的結合性パ−トナ−の一つ又は複数を、全抗体または免疫学的に活性なその断片のいずれかとして、試料中のコラーゲン断片の定量測定法に組み込むこととを特徴とする、前記測定方法。

請求項2

体液中の試料を、免疫学的結合性パ−トナ−の一つまたは複数と接触させることに加えて、架橋出来る潜在的部位を含有する対応した合成ペプチドと直接接触させる、請求項第1項に記載された方法。

請求項3

該免疫学的結合性パ−トナ−が、架橋出来る潜在的部位を含有する対応した合成ペプチドを用いて免疫化することによって生成されたものである、請求項第1項または第2項に記載された方法。

請求項4

架橋出来る潜在的部位が、ペプチド配列一体化されたリシンまたはヒドロキシリシン残基から成る、請求項第1項に記載された方法。

請求項5

該合成ペプチドの配列が、実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトI型コラーゲンの配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項に記載された方法。Asp-Glu-Lys-Ser-Thr-Gly-GlyGlu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-ArgGly-Met-Lys-Gly-His-ArgGly-Ile-Lys-Gly-His-ArgGly-Phe-Lys-Gly-Ile-Arg又は Gly-Leu-Pro-Gly-Leu-Lys-Gly-His-Asn

請求項6

該合成ペプチドの配列が、実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトII型コラーゲンの配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項に記載された方法。Glu-Lys-Gly-Pro-AspGly-Val-LysPro-Gly-Val-Lys-GlyPro-Gly-Pro-Lys-Gly-GluGly-Gln-Lys-Gly-Glu-Pro又は Gly-Asp-Ile-Lys-Asp-Ile-Val

請求項7

該合成ペプチドの配列が、実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトIII 型コラーゲンの配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項に記載された方法。Asp-Val-Lys-Ser-Gly-ValGlu-Lys-Ala-Gly-Gly-Phe-AlaGly-Phe-Pro-Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg又は Gly-Ala-Ala-Gly-Ile-Lys-Gly-His-Arg

請求項8

該体液がヒトの尿、血液、血清または滑液滑膜液である請求項第1項に記載された方法。

請求項9

請求項第1項ないし第8項のうちの何れか一項に記載された方法において使用される該合成ペプチドのいずれかに対して結合するモノクローナル抗体を産生する能力を有する細胞系。

請求項10

請求項第9項に記載された細胞系によって産生されるモノクローナル抗体。

請求項11

実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトI型コラーゲンの配列に由来する配列:Asp-Glu-Lys-Ser-Thr-Gly-GlyGlu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-ArgGly-Met-Lys-Gly-His-ArgGly-Ile-Lys-Gly-His-ArgGly-Phe-Lys-Gly-Ile-Arg又は Gly-Leu-Pro-Gly-Leu-Lys-Gly-His-Asnと実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトII型コラーゲンの配列に由来する配列:Glu-Lys-Gly-Pro-AspGly-Val-LysPro-Gly-Val-Lys-GlyPro-Gly-Pro-Lys-Gly-GluGly-Gln-Lys-Gly-Glu-Pro又は Gly-Asp-Ile-Lys-Asp-Ile-Val 、及び実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトIII 型コラーゲンの配列に由来する配列:Asp-Val-Lys-Ser-Gly-ValGlu-Lys-Ala-Gly-Gly-Phe-AlaGly-Phe-Pro-Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg又は Gly-Ala-Ala-Gly-Ile-Lys-Gly-His-Argから成る群から選択される合成ペプチドを用いて免疫化することによって生成せせめられる免疫学的結合性パ−トナ−。

請求項12

Glu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Argなる配列を有する合成ペプチドを用いて免疫化することによって生成せしめられる請求項第11項に記載された免疫学的結合性パ−トナ−。

請求項13

体液中のコラーゲン断片の量を数量化するためのテストキットであって、前記キットが実質的にコラーゲンに由来し且つ架橋出来る潜在的部位を有する合成ペプチドと免疫反応性を示す少なくとも1つの免疫学的結合性パ−トナ−を包含して成るものである、前記テストキット。

請求項14

請求項第12項に記載された免疫学的結合性パ−トナ−を包含して成る、請求項第13項に記載されたテストキット。

請求項15

コラーゲン代謝に関連した疾患の存在を患者において診断する方法であって、下記する三つの工程から成る前記診断方法:(a)前記患者から採取した試料をコラーゲン断片に対する少なくとも1つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させること。なお、該結合性パ−トナ−は、その配列がコラーゲンに実質的に由来し且つ架橋出来る潜在的部位を含有する合成ペプチドに免疫反応性を示す抗体またはその断片であるとする;(b)該試料中のコラーゲン断片に結合した前記抗体の量を検出すること;及び(c)該量を、コラーゲン代謝に関連した何れの疾患にも罹患していない対照被験者から採取した試料中におぴて測定した前記抗体の結合量に基づいて予め確立・作成しておいた標準に前記量を比較対照すること。

請求項16

該抗体が、架橋出来る潜在的部位を含有する対応した合成ペプチドを用いて免疫化することによって生成せしめたものである、請求項第13項に記載された方法。

請求項17

所定の疾患を診断するため、骨組織結合組織および他の組織の代謝の他のマーカーと組み合わせてコラーゲン断片の測定を行うことから成る、請求項第13項に記載された方法。

請求項18

請求項第11項に記載された合成ペプチドを体液中におケル当該ペプチドの量を数量化するに際しての標準として使用する方法・用途。

請求項19

請求項第11項に記載された合成ペプチドを免疫原剤の調製において使用する方法・用途。

請求項20

診断剤として使用される、請求項第11項に記載された免疫学的結合性パ−トナ−。

請求項21

請求項第11項に記載された合成ペプチドから成る免疫原性組成物

技術分野

全ヒト・アルファ−1(III)コラーゲンヌクレオチドおよび核酸配列

0001

本発明は、体液中のコラーゲン断片を測定する方法に関する。本発明は、さらに、本発明の該方法を実施するのに用いる、合成ペプチドモノクローナルおよびポリクローナル抗体ならびに細胞系を含む手段に関する。なおさらに、本発明は、コラーゲンの代謝に関連する疾患、特に骨粗鬆症診断するために前記方法を使用する方法・用途に関する。

0002

コラーゲンとコラーゲン代謝疾患
骨粗鬆症はヒトにおいて最も広範に認められる骨の疾病である。原発性骨粗鬆症は、高い骨折受傷性を伴うのであるが、骨格骨質量の漸進的減少に起因する疾患であり、アメリカ合衆国だけでも1500万乃至2000万の人々が罹患していると推定されている。この疾患の基礎は、骨の再形成、即ち骨組織の形成および吸収の速度が年齢に依存して不均衡になることである。

0003

アメリカ合衆国においては毎年、骨粗鬆症に関連した骨折が約120万件も老人に起こっており、これには約538000の脊髄圧縮骨折、約227000の股関節骨折および相当数の末梢骨の初期骨折を含む。股関節骨折については、その12乃至20%が致命的である。その理由は、重度外傷および出血を引き起こし、而も助かった患者の半分は家庭での看護を必要とする。骨粗鬆症関連傷害から生じる合計コストは今や、米国で年間少なくとも100億ドルに達する(Riggs, New England Journal of Medicine. 327:620-727(1992))。

0004

骨粗鬆症は、閉経後女性に最も広範に生起するのであるが、それは平均して閉経後10年以内にその骨の質量の15%を失うからである。またこの疾病は、老齢になるに従い男性でもまた若い無月経の女性運動競技者でも起こる。骨粗鬆症が持つ社会的かつ経済的影響の重要性は大きく而も増大しているにも係わらず、患者または健常な被験者において骨吸収速度を測定するための信頼できる測定方法は、その利用可能性は極めて限定されている。コラーゲン代謝の異常を必然的に伴う(およびこれに関連した)他の疾患としては、パジェット病マルファン症候群骨形成不全コラーゲン組織における新生物増殖小人症慢性関節リウマチ変形性関節症および脈管炎症候群などがある。

0005

ヒトコラーゲンには、これまでに三種類のものが公知であり報告されている。クラスIコラーゲンは、I型II型III型V型およびXI型にさらに細分され、フィブリルを形成することが知られている。I型乃至III型のアミノ酸配列を(これまでに解明されたところまで)添付書類Aとして添付する。

0006

I型コラーゲンは、骨の有機マトリックスの90%以上を占めており、従って原理的にはI型コラーゲンの分解を追跡することによって骨吸収速度を推定することが可能でる。同様に、結合組織包含する他の疾病状態は多数あるが、コラーゲンの分解を測定することによって追跡することが出来る。その例としては、慢性関節リウマチおよび変形性関節症に関連するII型コラーゲンの分解および脈管炎症候群におけるIII型コラーゲンの分解が挙げられる。

0007

ヒトIII型コラーゲン、ヒト・プロα1(II)コラーゲン及びヒトIII型コラーゲンの全プレプロα1(III)鎖のアミノ酸配列並びにこれらに対応するcDNAクローンが、いくつかのグループ研究者によって研究されその結果決定されている;即ち、Loil et al., Nucleic AcidsResearch 12:9383-9394(1984);Sangiorgi et al., Nucleic Acids Research, 13:2207-2225(1985); Baldwin et al., Biochem. J., 262:521-528(1989);およびAla-Kokko et al., Biochem. J. 260:509-516(1989)を参照。

0008

I、IIおよびIII型コラーゲンは全て、プロコラーゲン分子として生体内で形成されるのであるが、このプロコラゲン分子は、コアコラーゲン分子に結合したN−末端およびC−末端プロペプチド配列から構成されて成る。コアコラーゲン合成過程で生体内で自然に生成するプロペプチドを除去すると、残るコラーゲン分子のコアは、その大半は非三重ラセンである末端テロペプチド配列を有する三重ラセンから成っている。これらのテロペプチド配列は、細胞外でのコラーゲンフィブリル分子間架橋が起こる部位として重要な機能を有する。またこのアルファラセン領域も架橋可能な部位を含んでいるが、この領域から得られるペプチドは本発明の一部を構成する。

0009

分子間架橋結合は、コラーゲンフィブリルに対して生物力学的安定性を付与する。これらの架橋結合の形成は、リシンおよびヒドロキシリシンの対応するアルデヒドへの修飾によって開始される。コラーゲンの隣接鎖に位置するそれらの残基のうちのいくつかは、自発的に相異なる分子間架橋結合を形成する。コラーゲンテロペプチド上にラセン領域から架橋する部位の正確な位置は、既に以前に報告済である。例えば、Kuehn, K., Immunochemistry of the extracellular matrix, 1:1-29、CRCPress, Inc., Boca Raton, Florida (1982) 、Eyre, D.R.,Ann. Rev. Biochem., 53:717-48(1984)または米国特許第5140103号を参照。さらに、I型、II型およびIII型コラーゲンにおいて架橋するためのいくつかの潜在的可能性のある部位について、アミノ酸配列を後記表1に示す。

0010

繊維状蛋白質であるコラーゲンおよびエラスチンは、リシンまたはヒドロキシリシンの側鎖からのアルデヒド形成に基づくユニークな機構によって架橋される。架橋の4つの相同な座がI型、II型およびIII型コラーゲンの分子で明らかにされている(総説については、Kuehn, K., Immunochemistry of the extra-cellular matrix, 1:1-29 (1982))を参照)。2つはアルデヒド部位であり、それぞれ各テロペプチド領域におけるものである。残りの二つの部位は、分子の各末端から約90残基離れて対称的に位置するヒドロキシリシンである。コラーゲン分子がフィブリルにパックすると、ラセン領域におけるこれらの後者の部位は一列に配列し、隣接分子中のテロペプチドアルデヒドと反応する。かくして、3−ヒドロキシピリジニウム残基がヒドロキシリシン由来アルデヒドからの成熟架橋結合であるという強力な証拠が得られる。しかしながら、別の経路、すなわち、リシン残基のアルデヒド結合からの成熟架橋残基は依然知られていない。

0011

コラーゲン分解に関する先行技術による測定方法
これまでに生体内(in vivo)でのコラーゲンの分解を追跡するため開発されてきた測定方法は、コラーゲンの分解産物を含む種々の生化学的マーカーを測定することによるものであった。しかしながら、これらの方法はいずれも、架橋可能部位を持つコラーゲン断片から本質的に誘導した配列を有する合成ペプチドと免疫反応性を示す抗体の形態をとる免疫学的結合性パ−トナ−を使用するものではなかった。

0012

例えば、ヒドロキプロリンは、その大半がコラーゲンおよび骨や他の全ての結合組織における主要構造タンパク質に限定されているアミノ酸であるが、尿中に排泄される。その排泄速度は、ある種の状態、特に前記したごときパジェット病−骨の代謝回転が大幅に増大する代謝的骨疾患である−において増加することが知られている。

0013

このような理由で、これまで尿中ヒドロキシプロリンがコラーゲン分解についてのアミノ酸マーカーとして広く使用されてきたのである;Singer, F.R. et al., Metabolic Bone Disease, Vol. II (eds. Avioli, L.V., and Kane,S.M.), 489-575(1978), Academic Press, New York を参照。

0014

米国特許第3、600、132号は、コラーゲン代謝における変動を追跡するため血清、尿、腰椎液やその他の細胞間液などの体液中のヒドロキシプロリンの測定方法を開示している。該特許においては、ヒドロキシプロリンは、パジェット病、マルファン症候群、骨形成不全、コラーゲン組織における新生物増殖及び種々の形態の小人症のような病理学的状態に関連して、コラーゲンの同化および異化が増大することと相関関係がある旨述べられている。

0015

パジェット病に関連する骨吸収はまた、骨コラーゲンの分解の後に尿に排泄されるヒドロキシプロリンを含んだ小さいペプチドを測定することによっても追跡されてきた;Russel et al., Metab. Bone Dis. and Rel. Res. 4 and 5, 255-262(1981) 及び前掲Singer, F.R., et al.を参照。

0016

パジェット病の場合は、尿中ヒドロキシプロリンの増加は恐らくは、その大半は骨分解に基くものであろう;しかしながら、ヒドロキシプロリンは一般には、骨分解についての特異的指標としては使用することは出来ない。尿中のヒドロキシプロリンの多くは、新規のコラーゲン合成(新たに産生された蛋白質のうちのかなりの量が組織繊維に一体化させることなく分解され、排泄される)に由来し且つある種の血中タンパク質やヒドロキシプロリンを含有する他のタンパク質の代謝変化に由来する可能性があるからである。

0017

さらには、タンパク質分解に由来する遊離ヒドロキシプロリンの約80%は肝臓で代謝され、決して尿には出現しない。Kiviriko, K.I., Int. Rev. Connect.Tissue Res. 5:93(1970)及びWeiss, P.H. and Klein, L., J. Clin. Invest. 48:1(1969)を参照。ヒドロキシプロリンは骨粗鬆症の良好なマーカーであるが、扱うのが面倒であって、骨に含まれるコラーゲンに特異的である。

0018

ヒドロキシリシンおよびその配糖体誘導体は、共にコラーゲン性タンパク質にとって独特なものであって、コラーゲン分解のマーカーとしてヒドロキシプロリンよりも正確であると考えられてきた。しかしながら、ヒドロキシプロリンについて前記したと同様の理由によって、ヒドロキシリシンおよびその配糖体は、恐らくは骨吸収の非特異的マーカーとしては同等であろう;Krane, S.M. and Simon, L.S., Develop. Biochem. 22:185(1981)を参照。

0019

また別の研究者は、関節疾病におけるコラーゲン分解の指標として架橋性化合物である3−ヒドロキシピリジニウムを測定してきている。その背景および例については、Wu and Eyre, Biochemistry, 23:1850 (1984); Black et al., Annals of the Rhematic Diseases, 48:641-644(1989); Robins et al; Annals ofthe Rhematic Diseases, 45:969-973(1986);およびSeibel et al., The Journalof Dermatology, 16:964 (1989)を参照。本発明とは異なって、これらの先行研究者は体液から得たペプチドを加水分解し、次いで個々の3−ヒドロキシピリジニウム残基の存在を探索していたのである。

0020

I型、II型およびIII型コラーゲンの分解を測定するための測定方法は、米国特許第4、973、666号および米国特許第5、140、103号に開示されている。しかしながら、これらの両特許とも、架橋剤である3−ヒドロキシピリジニウムを含有するコラーゲン断片に限定されており、一方本発明は、この具体的な特別の架橋構造の存在または不存在に依存しないのである。さらに、前記した測定方法は、抗体を産生させるためおよび測定における抗原のために用いる3−ヒドロキシピリジニウムを含有するコラーゲン断片を尿から精製するという退屈で複雑な操作を必要とする。

0021

現在のところ、米国特許第4、973、666号および米国特許第5、149、103号に記載されたアプローチを用いる臨床データはほとんど利用できない。特に、(前記特許に記載された方法によって測定した)I型コラーゲンのテロペプチドを含有する3−ヒドロキシピリジニウムの尿中濃度と(骨デンシトメトリーによって反復測定した数値により測定した)現実骨損失との間の相関関係に関するデータは公表されていない。尿中でのテロペプチドを含有する3−ヒドロキシピリジニウムの存在は、骨再吸収過程前の異なる時点においてこのような特異的架橋構造が骨組織において正当に形成されることを必要とする。これらの過程については情報は、殆ど入手出来ないので、本発明においては、架橋構造の正確な形成という、このような依存性を回避しようと意図したのである。更には予備的データによれば、本発明の一つの実施態様においてはこの測定方法で反応性を有する分子の大部分は分子量が4、000ダルトン以上であることが判っている。これとは逆に、2、000ダルトン未満の分子量を持つ分子のみが本測定方法で用いたモノクローナル抗体によって尿中で同定されるのである;Hanson et al., Journal of Bone and Mineral Research 7: 1251-1258(1992)を参照。このことは、本発明の方法は反応性のプロフィールが極めて多様であること、即ち、この方法は前記米国特許に記載された方法とは違って、極めて異なる分子を検出することを証明するものである。

0022

前記研究者は何れも、本発明に記載するように、コラーゲン分解に際して生体内(in vivo) で自然に生成する線状の架橋可能コラーゲン断片を特異的に測定することを報告していない。

0023

英国特許出願第2、205、643号では、体内でのIII型コラーゲンの分解は、体液中のIII型コラーゲン由来のN−末端テロペプチドの濃度を測定することによって定量的に測定出来ることが報告されている。この方法は、架橋可能構造の周辺における特異的で、低分子量である配列と反応性を有する抗体を使用する方法に関するものではない。つまりこの方法は、III型コラーゲンを細菌性コラゲナーゼで分解することによって放出・遊離されたN−末端テロペプチドに対して生成した抗体を使用するものであって、前記テロペプチドは、この方法においては標識されたうえで使用されるのである。

0024

Schroeter-Kermani らは、Immunol. Invset. 19:475-491(1990) においてI型およびII型コラーゲンのCNBr断片に基づいた免疫学的測定ステムを記載報告している。ペプシン可溶化コラーゲンを用い、かかるテロペプチドは組織に残される(前記英国特許出願第2、205、643号参照)。従って、断片およびそれから生成した抗体の間に一致関係はない。更にはこの文献には、抽出された組織試料についての測定値しか記載されていない。

0025

ペプシン可溶化I型コラーゲンに対して生成させたモノクローナル抗体の開発が、WerkmeisterらによってEur. J. Biochem. 187:439-443(1990)に記載報告されている。この抗体は、組織セグメント免疫組織学的染色を行うためにまた細胞培養液中のコラーゲン含量を測定するために使用される。このような測定は体液について実施されるものではない。

0026

欧州特許出願第0505210号は、I型コラーゲン由来のC−末端テロペプチドに対する抗体試薬の開発について記載している。免疫原は、ヒト骨コラーゲンを細菌性コラゲナーゼで可溶化することによって調製される。このようにして調製された抗体は、架橋および非架橋テロペプチドとも反応する能力があり、ピリジノリン以外の架橋剤を使用することができる。しかしながら、この方法は、本発明の測定方法とは顕著に異なる免疫測定方法が得られることになる。

0027

国際特許出願WO91/09114号によれば、固体基質への細胞接着を促進するのに使用される、幾つかの合成ペプチドが開示されている。免疫学的試薬としての合成ペプチドの使用については、言及されていない。

0028

コラーゲン分解は、ある種のプロコラーゲンペプチドを数量化することによって測定できることを示す多数の報告がある。プロペプチドは、プロコラーゲン分子中の位置および生体内(in vivo) でのその切断のタイミングによってコラーゲンコアのテロペプチドおよびアルファラセン領域から区別される;米国特許第4,504,587号;米国特許第4,312,853号;Pierard et al., Analytical Biochemistry 141:127-136(1984); Niemala, Clin. Chem. 31/8: 1301-1304(1985); およびRohde et al., European Journal of Clinical Investigation, 9:451-459(1979)を参照。

0029

欧州特許出願第0298210号および第0339443号は共に、III型プロコラーゲンペプチドおよびその断片の免疫学的測定を記載している。更には、プロコラーゲンの測定に基づく方法が欧州特許出願0465104号に開示されている。プロコラーゲンペプチドの形成およびコラーゲン断片の形成は異なる時期に起こり、且つこのような断片はコラーゲン分子の異なる部分に由来するので、これらの方法は、本発明の方法とは明らかに異なる。

0030

免疫学的試薬を開発するためにIX型コラーゲンに由来する配列を有する合成ペプチドの使用が、PCT特許出願WO90/08195号に開示されている。また同様に、該出願には、体液中のIX型コラーゲン断片の測定するためにこのようにして産生された抗体を使用する用途が記載されている。IX型コラーゲンは、架橋可能な部位を含有していないので、この特許出願は本発明を予測させるものではない。

0031

米国特許第4、778、768号は、滑液液状試料中プロテオグリカンモノマーまたはその抗原断片の定量を行うことから成る、関節軟骨内部で生起する変化を測定する方法に関するものである。この米国特許は、分解コラーゲンに由来するコラーゲン断片の検出には関するものではない。

0032

Dodge, J. は、Clin. Invest.83:647-661(1981)において、ヒトおよびウシのII型コラーゲンの解かれたアルファ鎖および臭化シアン誘導ペプチドと特異的に反応するポリクローナル抗血清を用いるII型コラーゲンの分解を分析する方法を幾つか開示している。本発明とは異なり、コラーゲンの分解産物は体液中にて検出されるのではなく、細胞培養の染色によって、即ち「in situ」検出によって組織化学的に検出されているのである。Dodgeと本発明の間の主要な差異は、DodgeはII型コラーゲンの分解をin situにて測定する点である。

0033

記文献のいずれも、分解したフィブリルコラーゲンの量をin vivoで測定するために実測可能であるような、具体的なテロペプチドまたはアルファラセンの構造を特定してはいない。

0034

1994年2月17日に公開された国際出願94/03813号は、とりわけすべての締約国についての欧州特許を指定している。従って、それはEPC第54(3)条の規定になる先行技術となる。

課題を解決するための手段

0035

該出願は、試料中のコラーゲンまたはコラーゲン断片を検出するに際して、コラーゲンのC−末端またはN−末端ドメインに対応する合成線状ペプチドを含有する結合性パ−トナ−を線状合成ペプチドに対する抗体および試料と共にインキュベートし、該抗体の該結合性パ−トナ−に対する抗体の結合を測定することから成る競合的免疫測定方法を記載している。この特許出願は、架橋出来る潜在的な部位を含有する合成ペプチドに言及しておらず、従って、本出願の新規性を阻害するものではない。

0036

本発明は、患者および健常なヒト被験者の体液中において特定のコラーゲン断片が存在するという発見に基づく。このコラーゲン断片は、コラーゲン分解と共に生成されるので、架橋出来る潜在的な部位の存在によって、例えば、リシンまたはヒドロキシリシンの存在によって部分的に特徴づけられる(Kuehn, K., Immunochemistry of the extracellular matrix, 1:1-29(1982))。

0037

本発明の方法は、I型、II型及びIII 型のヒト・コラーゲンの分解の測定に使用可能である。

0038

本発明は、コラーゲン分解に際してin vivoで産生される特定種のコラーゲン断片の存在およびその量を測定し;次いで、健常な個人、即ちコラーゲン代謝に影響を及ぼす疾患に罹患していない個人において同一種のコラーゲンを測定することによって作成した所定の標準値と前記コラーゲン断片検出値とを比較してコラーゲンの分解を測定する方法を提供するものである。なお、該個人は試験を受けるべき被験者と性別および年齢は一致させるものとする。

0039

本発明は、これらの架橋構造を有さない合成ペプチドと免疫反応性を示す抗体を用いる。

0040

好ましいある実施態様においては、本方法は、体液中のコラーゲン断片とコラーゲンに実質的に由来する合成ペプチドとが免疫学的結合性パ−トナ−に対して起こる競争的結合に基づく。

0041

本発明は、コラーゲン分解に際して生じるコラーゲン断片の(定性的および定量的)検出を行うたの新規でかつ非常に簡単な方法を提供する。

0042

本明細書において開示し特許請求する本発明の目的のために、下記する用語は以下の通り定義される。

0043

「抗体」:モノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはその免疫反応性断片(即ち、同一の抗原決定基に結合できる能力を持つ)、Fab、Fab’およびF(ab')2 断片を含むがこれらに限定されない。

0044

「架橋可能部位」:in vivoで他のコラーゲン分子のテロペプチドまたはラセンアミノ酸配列とで架橋結合を形成できるリシンまたはヒドロキシリシンを含有するコラーゲンのテロペプチドまたはラセンアミノ酸配列における座。

0045

「架橋可能ペプチド」:少なくとも1つの架橋可能部位を含むコラーゲン配列の断片を含有するペプチド。

0046

テストキット:測定を行うのに用いる試薬指示薬組合せ。

0047

実質的に由来する(構造について):類似の抗原性を持つ構造、すなわち、前記合成ペプチド何れもが該合成ペプチドに対して免疫反応性を持つ免疫学的結合性パ−トナ−に結合するのを、非関連ペプチドのレベルを超えて阻害する能力を持つ構造。

0048

CrossLapsELISA:α1(1)C1アミノ酸配列EKAHDGGRに対する抗血清の反応性に基づく競合免疫測定。この測定は8AA ELISAとも呼ばれる。

0049

この方法は又動物体液中のコラーゲン断片を測定するためにも、例えばコラーゲン代謝を測定するために用いることもできると想定される。また本方法は、新規医薬品のコラーゲン代謝に対する影響を評価するために該医薬品の臨床試験中においても使用することもできる。

0050

より具体的には、本発明は、コラーゲンの前記配列に対応した合成ペプチドを使用することによってコラーゲン断片を測定する方法に関する。一般に、これらの合成ペプチドは全コラーゲン分子よりも少ないアミノ酸残基を有し、10アミノ酸よりも少ない場合が多いであろう。また、体液、例えば尿中に存在する分子に対応する合成ペプチドは架橋出来る潜在的部位、好ましくはリシンまたはヒドロキシリシンを構造中に結合させているであろう。

0051

本発明は、前記合成ペプチドに対して免疫反応性を持つ抗体を使用することによってコラーゲン断片を測定することを包含するが、なお該ペプチドは各々架橋可能部位を有するコラーゲン断片に由来する配列を有する。

0052

また、本発明は、前記合成ペプチドと免疫反応性のモノクローナル抗体を産生する細胞系(例えば、ハイブリドーマ)をも含む。更には本発明は、融合細胞ハイブリッドによって産生されたモノクローナル抗体、および検出可能なマーカーにカップリングしたその抗体(ならびにその結合性断片、例えばFab)を含む。検出可能なマーカーの例としては、以下に限定されるものではないが、酵素発色団発蛍光団補酵素酵素阻害剤化学ルミネッセンス物質常磁性金属スピン標識および放射性同位体が挙げられる。

0053

本発明の方法は、体液中においてコラーゲン分解に由来する特定のコラーゲン断片の濃度を数量化することから成り、代表的な測定法において、患者体液中のコラーゲン断片および固体表面に固定化された合成ペプチドを、合成ペプチドに免疫反応性を持つ免疫学的結合性パ−トナ−と接触させる。適当な体液としては、例えば、ヒト尿、血液、血清、血漿および滑液がある。また本方法は、例えば唾液およびに対しても使用可能であることも想定している。この体液はそのまま使用するか又は接触工程に先立って精製しても構わない。この精製工程は、例えば以下に限定されるものではないが、カートリッジ吸着および溶出分子ふるいクロマトグラフィー透析イオン交換アルミナクロマトグラフィーヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびそれらの組合せを含めた多数の標準的な手法を用いて実施することができる。

0054

本発明は、体液中のコラーゲン断片の定量のための簡便化された方法を実現することにある。ある代表的な方法において、架橋出来る潜在的な部位を含有する合成ペプチドを抗体の産生に使用し、その後にコラーゲン分解によってin vivoで生じたコラーゲン断片の定量のための検定組み込み使用するのである。従って、該合成ペプチドも免疫原性剤として特徴ずけられ、免疫原性組成物で使用できる。

0055

また本発明は、体液中においてコラーゲンの分解に由来するコラーゲン断片の量を定量するのに有用なキットを包含する。本キットは、少なくとも1種の免疫学的結合性パ−トナ−、例えばコラーゲンの分解に由来するペプチドに特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体から成る。所望ならば、テストキットの免疫学的結合性パ−トナ−は前記したもののごとき検出可能なマーカーに結合してもよい。従って一般的に言って、免疫学的結合性パ−トナ−も診断剤としてに有用である。 以下に本発明を詳細に説明する。添付図面を参照されたい。

0056

本発明の方法の好ましい一つの実施態様においては、尿中のI、IIおよびIII型コラーゲン断片は、尿試料を計量して取り、コラーゲンに由来する配列を有する合成ペフチドおよび該合成ペプチドに免疫反応性を示す抗体とこの試料とを接触させることによって行う阻害ELISA(酵素結合イムノソルベント検定法)を用いて測定する。合成ペプチドは固体支持体に固定化し、また抗体は該合成ペプチドに対して生成させる。

0057

これら試薬と試料を合わせてインキュベートし、ペルオキシダーゼ結合(リビーリング)(revealing)抗体を添加する。もう1度インキベーションした後、ペルオキシダーゼ基質溶液を添加する。最終のインキュベーションを短時間で行った後、酵素反応を停止し、吸光度を450nmで測定し、同一手法によって標準溶液で得られた標準曲線と比較する。

0058

合成ペプチドを標準の調製に用いる。関連合成ペプチドのストック溶液中の合成ペプチドの濃度を、アミノ酸定量測定法によって測定する。ストック溶液の3倍希釈物を調製し、引き続いて、阻害ELISAにおける標準曲線の作成で用いる。

0059

合成ペプチドの調製
合成ペプチドの調製は、当該分野でよく知られた手法に準じて、例えば、通常「Merrifield合成」 と表記される固相ペプチド合成技術によって行うことができる。また、古典的液相技術を用いることもできる。対象となる配列は、潜在的架橋可能な部位を含む(例えば、Kuehn, K., Immunochemistry of the extra-cellular matrix, 1:1-29(1982)、Eyre, D.R., Ann, Rev. Biochem. 53:717-48(1984)、または米国特許第5、140、103号参照)。このようなペプチド配列の例を幾つか後記表1に示す。

0060

合成ペプチドに関しては、(a)対応する天然コラーゲン断片を認識する抗体を生起させる、または(b)かかる抗体の天然断片への結合を阻害する、という二つの能力を損失させることなく、架橋可能部位から(またはそれへ)1以上のアミノ酸残基を省略(または付加)することができる。抗体を生成させるためにより長いコラーゲン断片および/またはキメラペプチドを用いることができ、原理的には、本測定法において免疫原および競合体と同一のペプチドを用いる必要はない。

0061

ID=000003HE=205 WI=108 LX=0510 LY=0300
抗体の調製
モノクローナルおよびポリクローナル両抗体の調製方法は当該分野でよく知られている。例えば、Campbell, A.M., Laboratory Techniques in Biochemistryand Molecular Biology, Vol. 13 (1986)を参照。免疫化によって合成ペプチドに対する抗体を産生できる。しかしながら、これらの化合物は分子量が比較的小さいため、ハプテン担体分子に結合させるのが好ましい。適当な担体分子としては、以下に限定されるものではないが、例えばウシ血清アルブミンチログロブリン、オバルミン、破傷風毒素及びキイホールリンペット(keyhole limpet)ヘモシアニンがある。好ましい担体は、ウシ血清アルブミンである。免疫化動物抗体産生細胞に対してその最も免疫原性の高い形態でハプテンを提示するために、多数の代替カップリングプロトコルを使用できる。適当な手法としては、以下に限定されるものではないが、グルタルアルデヒドカルボジイミドおよび過ヨウ素酸塩が挙げられる。好ましい結合剤は、グルタルアルデヒドおよびカルボジイミドである。

0062

抗体の調製は、コラーゲン断片または担体に結合させた合成ペプチドによる免疫化を含む従来公知の技法によって行われる。免疫原性を改善するためには、注射前に免疫原をアジュバントと混合する。アジュバントの例としては、以下に限定されるものではないが、水酸化アルミニウムフロイントのアジュバント、および免疫刺激複合体ISCOM )がある。ISCOM は、Morein, B.ら(Nature 308:457-560(1984))によって記載されている方法に準じて作成できる。

0063

ハプテン担体分子に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体はいずれでも産生させることが出来る。モノクロナル抗体の産生を行うには、マウスを免疫化するのが好ましい。免疫化マウスから紕臓細胞を収集し、ホモジナイズし、その後にポリエチレングリコールの存在下で癌細胞と融合させて、コラーゲンに由来するペプチド断片に特異的なモノクローナル抗体を産生する細胞ハイブリッドを得る。適当な癌細胞としては、以下に限定されるものではないが、骨髄腫肝癌、および肉腫細胞がある。モノクローナル抗体の産生についての詳細な記載は、Goding, J.M.のMonoclonal Antibodies: Principles and Practice(1986)においてなされている。好ましい予備的スクリーニングプロトコルは、担体に結合され且つマイクロタイタープレートの固体表面に被覆された合成ペプチドを使用することから成る。

0064

コラーゲンに由来するペプチド断片と反応性を示すポリクローナル抗体を調製するには、種々の動物種を免疫化させればよい。適当な動物種としては、以下に限定されるものではないが、ニワトリウサギ、およびヤギがある。ニワトリおよびウサギが好ましい。

0065

抗体断片は、当該分野で公知である種々の方法によって調製される(E.Ishikawa, Journal of Immunoassay 3:209-327(1983) 参照)。

0066

免疫学的測定法の実施
従って、前記した方法で調製した抗体を用いた免疫学的測定を利用することによって、事前分別または加水分解することなく生物学的流体試料を測定することができる。生物学的液体中で所望コラーゲンが持つ特異性は、測定構成法において一種の合成ペプチド( 抗体の産生に際して用いたか又は何れにしろ抗体が免疫化学的な反応性を示す)の使用と組み合わせるとかかる抗体によって供されるのである。

0067

この代替法として、かかる免疫学的測定をモノクローナル抗体を用いて実施しても構わない。この測定設計の基礎的考え方は、検定の特異性を抗原(コラーゲンに対する合成ペプチド)から抗体(モノクローナル抗体に対するウサギ抗血清からの)にシフトさせることである。このような構成法を用いると、測定は合成ペプチドを用いる必要がない。このような免疫学的測定の変法は、精製したコラゲナーゼ処理コラーゲンで予め被覆したマイクロタイタープレート中でペルオキシダーゼ結合抗体溶液と共に患者試料または標準溶液をインキュベートすることによって行われる。洗浄した後、プレートウェルを基質溶液と共に暗所でインキュベートする。停止溶液の添加によって発色反応を停止し、最後に吸光度を測定する。

0068

これらの免疫学的測定法それ自体は、当該分野で広く公知となっている種々の標準的な測定プロトコルから選択されるいずれかの手法を用いて行われる。一般に理解されているように、測定法の構成は、特異的免疫学的結合性パ−トナ−と所望の特異性分析物との相互反応に依存し且つ分析物と免疫学的結合性パ−トナ−とによって形成された複合体を検出する何らかの手段を利用するものである。免疫学的結合性パ−トナ−は,固体支持体に複合体化し、分析物に対する捕捉性免疫学的結合性パ−トナ−として使用される。このプロトコルは,直接的形態で実行出来るのであって、この場合は分析物/免疫学的結合性パ−トナ−の複合体の形成は、例えば、蛍光放射性または酵素標識によって検出される。又は競合的形態で実行可能であって、この場合標識化標準は免疫学的結合性パ−トナ−を求めて分析物と競合するのである。このような形態はまた、凝集測定法として構成してもよく又は複合体を適当な沈殿剤反応混合物に添加することによって沈殿させてもよい。この免疫学的測定のプロトコルの具体的設計は、種々幅広い選択が可能であって、当該分野で利用可能な臨床測定装置およびプロトコルの数は膨大である。このような種々のプロトコルについては、米国特許第5、001、225号を参照。

0069

標準的な検出プロトコル、例えば、放射性同位体標識、蛍光標識又はELISAを用いた疫学的測定法を実施するための抗体およびリビーリング試薬は、直接的または競合的形態の何れであっても、測定のために必要な成分および指示を含むキットとして好便に供されてもよい。本発明の一つの具体例においては、かかるキットは、関連合成ペプチドで被覆したマイクロタイタープレート、標準曲線の作成のための標準溶液、分析実行の定性的テストのための尿対照、前記合成ペプチドと反応性のウサギ抗体、基質溶液、停止溶液、洗浄緩衝液および指示マニュアルを含む。

0070

免疫学的測定法の構成は、抗体および特異的合成ペプチドを用いて行うことが出来るので、適宜の生物学的液体中における対応するコラーゲン断片配列の比並びにその個別の含有量とその合計を測定すればよい。即ち、この測定法は、いくつかの天然ペプチド配列を決定できるか又は単一のペプチド配列か若しくはこれらの如何なる所望の組合せをも決定できるような抗体を含むように設計することが可能である。

0071

骨吸収のインジケーターとして本明細書で特定したペプチドを使用するのに加えて、骨代謝バランスの測定も、同一個体から採取した同一または他の適宜の生物学的液体中における骨形成マーカーを実質的に同時に測定することによって有利に行える。「実質的に同時」とは、同一日、好ましくは4時間以内を意味する。例えばかかるマーカーとしては、(BGPの骨GLA蛋白質としても公知の)オステオカルチン、I型プロコラーゲン、骨アルカリ性ホスファターゼおよび合成アルカリ性ホスファターゼがある。これらのマーカーの適当な測定方法は、例えば、Delmase, P.D.らのJ. Bone Min, Res.(1986)1:333-337に見い出すことができる。

0072

本発明の測定方法は、分解が起こった場合コラーゲン誘導ペプチドを生じるような組織の代謝状態を測定するための指標を提供するものであるので、種々の意味で有用である。先ずI型コラーゲンの分解を検討する場合、これら測定法は、例えば過剰骨吸収を明示することによって被験者の異常状態を評価する方法となる。つまりこのことによって、骨粗鬆症症状の存在または悪性疾患転移的進行が判る。過剰骨吸収によって特徴付けられる他の疾患症状としては、パジェット病および上皮小体亢進症がある。同様に、結合組織に関係する多くの他の疾病状態を、コラーゲンの分解の測定によって追跡できる。その例としては、慢性関節リウマチおよび変形性関節症に関連するII型コラーゲン分解および脈管炎症候群におけるIII型コラーゲン分解がある。被験者の状態は連続的に追跡できるので、これらの測定法の適用は、これらのまたは他の症状を治療するために適用した療法の進行状態を追跡するのにも使用できる。さらにこれらの測定法は、毒性物質投与はしばしば組織分解の結果をもたらすので、毒性の尺度としても使用できる。

0073

即ち、これら測定法は、疾患症状、治療または被験者に直接投与された物質または被験者が環境で暴露された物質の効果の指標としてコラーゲン組織の代謝状態を使用することが可能である如何なる状況においても適用して構わない。

0074

以下に記載する実施例は、本発明を具体的に説明するものであって、本発明を限定するものではない。

0075

実施例1:尿中の特異的ペプチド配列の免疫学的測定
固相技術によって調製した3種のペプチド(α1(I)C1、α1(I)N1およびα2(I)N1)(20及び21ペ−ジ、表1参照)を免疫原の調製に用いる。免疫化を行うために、当該分野でよく知られたグルタルアルデヒド試薬および方法を用いて、該ペプチドをウシ血清アルブミンに共有結合させる。モノクローナルおよびポリクローナル両抗体を該ペプチドに対して生成させる。モノクローナル抗体の産生のために、Balb/cマウスをペプチド−BS結合体で免疫化し、紕臓またはリンパ節からの細胞とAg8骨髄腫細胞とを融合させて標準的な技術を用いて、ハイブリドーマ細胞系を調製する。ポリクローナルをウサギおよびニワトリで生起させる。抗血清およびハイブリドーマ細胞培地のスクリーニングは、カルボジイミド試薬および当該分野で公知の方法を用いて調製した適当なペプチド−ゼラチン結合体で被覆したマイクロタイタープレートを用いてELISAによって行った。

0076

尿中における3種のペプチド配列(α1(I)C1、α1(I)N1およびα2(I)N1)の測定は、阻害ELISAによって以下のように行う。

0077

各々、コラーゲン断片を可能性として含有する尿試料(10または25μl)または参照標準として0. 05〜15μgペプチド/mlを含有する溶液を、0. 1%Tween-20界面活性剤PBS−T)を含有し且つ0. 1%(w/v)BSAを含むリン酸緩衝生理食塩水中に1:5, 000〜1:20, 000に希釈したペプチドに対する免疫学的結合性パ−トナ−75μlに添加する。各試料は、適当なペプチドを含有するゼラチン結合体で予め被覆した平底96−ウェルのマイクロタイタープレートにおいて二回繰り返して調製する。60分後、該プレートをPBS−T(3回)で洗浄し、一次抗体の種に対して調製したホースラディッシュペルオキシダーゼ標識抗体を用いる標準的技法によって結合抗体を検出する。ペルオキシダーゼ基質を添加し、1MH3PO4を用いて酵素反応を停止させた後に自動マイクロタイタープレート中で発色を450nmで測定する。分析物を含有する試料は、プレート中の固定化ペプチドに対する一次抗体の結合を減少させ、かくして色濃度が低下する。試料中の分析物の量は、log−linプロットを用いてコンピューター計算した各プレートに含まれる標準からの予め確立した曲線を参照して定量する。図1、2および3は、α1(I)C1(CrossLaps)免疫測定(図1)、α1(I)N1免疫測定(図2)およびα2(I)N1免疫測定(図3)についての典型的な標準曲線を示す。

0078

実施例2:HPLCにてのピリジノリン測定に対する相関関係
多数の非選択尿試料について、全ピリジノリンの濃度(HPLC法、例えば、Uebelhart, D., Bone and Mineral, 8:87-96(1990)参照)を測定した。このHPLCシステムで得られた値は、二回の免疫学的測定で得られた値(CrossLapsおよびα1(I)N1ペプチドに基づく測定)と相関関係にあった。

0079

図4は、全ピリジノリン(HPLC)およびCrossLaps免疫測定(n=59)との相関関係を示す。直線回帰分析で計算した相関はr=0. 80である。

0080

図5は、全ピリジノリン(HPLC)およびα1(I)N1免疫検定(n=36)の間の相関関係を示す。直線回帰分析で計算した相関はr=0. 95である。

0081

実施例3:I型コラーゲンの分解産物の測定のためのモノクローナル抗体を用いる測定
モノクローナル抗体は、適当な担体蛋白質に結合させたα1(I)C1合成ペプチドでのマウスの免疫化によって生じさせた。細胞融合クローニングおよびハイブリドーマ増殖は、標準的操作方法により行った。スクリーニング操作には、マイクロタイタープレート中に固定化したα1(I)C1合成ペプチドに対する反応性に関する試験を含むものであった。

0082

抗体の特異性は、I型コラーゲンのC−テロペプチドに基く異なる重複配列を用いた阻害実験によって試験した。

0083

かかる抗体の一つであるMAbA7の特異性を図6に示す。

0084

抗体MAbA7を用い測定を開発した。略言すれば、グルタルアルデヒドを用いて合成ペプチドα1(I)C1をウシ血清アルブミンに結合させ、該結合体をマイクロタイタープレートの被覆に用いた。また代替の物質を用いることもできるが、必須の要件アルギニンの後で解離切断された配列EKAHDGGR(R)の露呈である。

0085

かかる代替物の一つは、細菌コラゲナーゼで処理したI型コラーゲンである。また別の代替物は、組換えペプチドにおけるEKAHDGGR配列の発現物であってもよく、必須の要件は再度EKAHDGGR配列のカルボキシ末端(すなわち、アルギニン残基)の露呈である。

0086

被覆に続き、マイクロタイタープレートのウェルを、尿15μlおよびホースラディッシュペルオキシダーゼに結合したMAbA7の100μlと共にインキュベートする。

0087

1時間後、該プレートを洗浄し、基質(例えば、TMB)を添加する。

0088

MAbA7のエピトープ特異性は図6から明らかでる。マイクロタイタープレート中での固定化EKAHDGGRに対するMAbA7の反応性は、異なる合成ペプチドでのコインキュベーションによって開始させた。得られた結果から、アルギニンの後の切断はMAbA7ELISAにおける検出に必須であることが判った。

0089

実施例4:他のペプチド断片および抗体に基づくELISA測定結果に対するCrossLaps ELISA の相関関係
20人の閉経後婦人から採取した尿についてのCrossLaps ELISAとMAbA7ELISA との間の相関を図7に示す。MAbA7 ELISA は競合測定であり、ここに、マイクロタイタートレイ中に固定化した合成8AAペプチド(EKAHDGGR)はモノクローナル抗体(MAbA7)への結合について患者試料中のコラーゲン断片と競合する。

0090

結果は高い相関関係を示し、二回の測定結果は同一または関連した代謝過程を反映していることが判る。

0091

同様に、CrossLapsとNα2ELISA間の相関関係を図8に示す。Nα2は競合測定法であり、この場合I型コラーゲンにおけるα2鎖中のN−テロペプチドからのNα2(I)N1ペプチド断片(QYDGKGVG)は、前記と同様に生成させた抗−QYDGKGVG抗血清に対する結合につき、患者試料中のコラーゲン断片と競合する。結果は高い相関関係を示し、これから二回の測定結果は同一または関連する代謝過程を反映することが判る。

0092

実施例5:CrossLapsELISAの検討
現在好ましい合成ペプチドGlu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Arg(またはEKAHDGGR)を、前記したように「CrossLapsTTM」と命名される酵素結合イムノソルベント測定法(ELISA )において一体化させた。CrossLaps ELISA は、フランスの専門家(Garnroら)のグループによって調べられており、結果はJ. Clin.Indocrinol. Metab. 79, No.3(1994)に発表されるであろう。

0093

検討結果の要約を以下に記載する。

0094

CrossLapsELISAは、I型コラーゲンのα1鎖のC−テロペプチドの一部(Glu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Arg, CrossLaps抗原)に特異的な8個のアミノ酸(8AA)のアミノ酸配列を持つ固定化合成ペプチドに基づく。この配列に対して生成させた抗体でのインキュベーションの間に、該固定化ペプチドと尿中のI型コラーゲンのα1鎖の分解産物との間で競合が起こる。

0095

略言すれば、25μL尿試料または標準をCrossLaps抗原−被覆マクイロプレートの各ウェルに添加し、続いて、75μLの抗−CrossLaps抗血清に添加する。該プレートを撹拌下で室温にて1時間インキュベートし、洗浄緩衝液で5回洗浄する。ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンGホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体(100μL)を各ウェルに添加する。室温での1時間のインキュベーションの後に、プレートを前記したごとくに5回洗浄する。酵素基質(100μL/ウェル)を添加し、暗所での15分間のインキュベーションの後に、100μLのリン酸(1モル/L)を添加することによって反応を停止する。450nmにおける光学密度をマクイロプレートリーダーにて測定する。二回の重複測定を各尿試料について行い、データを、標準比色技術によって測定して、尿クレアチニン(Cr)mmol当たりのマイクログラムとして表す。

0096

いくつかの試料においては、PyrおよびD−Pyrの全排出量を、HPLCによって加水分解試料について測定し、尿中ヒドロキシプロリンを分光光度法によって測定した。

0097

CrossLapsELISAを用いて、年齢が31〜89である146人の婦人および60人の男性からなる健康成人標本においてまた代謝的骨疾病に罹患した患者において、骨マトリックス分解の間に放出されたI型コラーゲンペプチド尿中排泄量を測定した。測定内および測定間の変動係数は、各々、10%および13%以下であった。尿試料からのCrossLaps抗原の回収率は92〜115%の範囲であり、該ELISA は連続試料希釈について直線的であった。CrossLaps測定は、遊離ピリジノリン(Pyr)または遊離デオキシピリジノリン(D−Pyr)いずれとも交差反応しない。ELISA によって測定したCrossLapsおよび高速液体クロマトグラフィーによって測定したPyrの全排泄量は、正常婦人において高度に相関していた(n=91;r=0. 73;P<0. 001)。尿中CrossLaps排泄量は婦人の年齢と共に増加したが、男性ではそうはならなかった。婦人においては、閉経は、HPLCによって測定した全D−Pyr(+91%)および全Pyr(+47%)り平均増加よりも高い骨アルカリ性ホスファターゼ(+48%)およびオステオカルチン[+41%;217ないし524μg/mmolクレアチニン(Cr)]のCrossLaps 排泄量が141%増加したことによって反映された。尿中CrossLaps排泄量は、パジェット病において(n=32;平均、1810±2300μg/mmolCr;P<0. 001)、および一次上皮小体亢進症を持つ患者において(n=10;平均、780±380μg/mmol Cr;P<0. 001)、および甲状腺機能亢進症を持つ患者において(n=27;平均、1280±970μg/mmol Cr;P<0. 001)、対照値から増加しており、Z−スコア(性別および年齢が合致した対照の平均からのSD数)は各々4. 4±6. 6、1. 5±1. 2および6. 7±6. 5であった。パジェット病の患者においては、尿中ヒドロキシプロリンのレベルと高度に相関し(r=0. 91;P<0. 001)、3日間のビスホスホネートパミドロネートによる静脈内治療を行った場合、尿中CrossLaps排泄量の減少は尿中ヒドロキシプロリンのそれよりも大きかった(−71%−対−−17%;P<0. 001)。甲状腺機能亢進症の患者においては、CrossLaps排泄量はほとんどの患者において(78%)正常範囲を超えて上昇し、甲状腺機能亢進症の治療1カ月内に正常に戻った。

0098

これらの観察に基づき、Garneroらは、この新しい便利な測定法は、骨吸収速度の指標として感度が優れ且つ特異的でありまた骨粗鬆症や他の代謝的骨疾患の患者の臨床検査および治療的追跡に有用であると結論づけている。

0099

実施例6:MAbA7ELISAの検査
前記したごとく、モノクローナル抗体MAb7Aに基づく測定構成では、合成ペプチドを使用する必要がない。このような種類の測定法は、3段階にて以下のごとくに実施される。

0100

第1の段階において、精製したコラゲナーゼ処理コラーゲン(CTC)で事前被覆したマイクロタイタープレートのウェルを15μlの標準溶液または尿試料および100μlのペルオキシダーゼ結合モノクローナル抗体溶液と共に室温で1時間インキュベートする。

0101

第2の段階で洗浄を行った後、ウェルを100μlの基質溶液と共に室温で15分間暗所でインキュベートする。最後に、第3の段階において、発色反応を100μlの停止溶液の添加によって停止する。450nmにおける吸光度を2時間以内に測定する。

0102

図9は、閉経に伴う骨吸収の増加に関するMAb7AELISAの検出を示す。18人の閉経前および38人の閉経後の婦人からの尿試料をテストした。t−スコア(閉経前婦人の標準偏差数として表した平均値の差)は、二つの母集団間の分離が相対的に微細になることを示す。

0103

図10は、CrossLapsELISAによって行った閉経に伴う骨吸収の増加係わる同様の検定を示す。尿試料は図8のものと同一である。

0104

ホルモン代替療法(HRT)に過程において生化学的マーカーにおける変化が図11から明らかである。エストロゲン塗りつぶした丸)またはプラセボ(塗りつぶさない丸)を服用した婦人から採取した尿試料をベースラインにおいて又12カ月間の治療を行った後で試験した。12カ月後の値をベースライン値の100分率として表す。得られた結果から、CrossLapsELISAおよびMAb7A ELISA(被覆剤としてCTCまたは合成ペプチドEKAHDGGRを使用)は、抗吸収治療に対して同等の感度を有することが判る。

0105

実施例7:臨床結果
実施例1に記載した免疫学的測定方法(α1(I)C1ペプチド、即ちCrossLapsELISAを使用した)を異なる個体からの尿試料に適用し、分析物の量を数量化した。得られた値は、尿検定で通常行われているように、尿試料中の尿クレアチニン含有量と関連づけた。年令マッチングさせた健常婦人(閉経前および閉経後)で得られた値を表2に示す。

0106

ID=000004HE=030 WI=108 LX=0510 LY=0300
個々の値については、図12を参照。閉経前および閉経後の値の間の差は、高度に有意である(P<0. 0001) 。定量的試験方法のZ−スコアは、二つの母集団の間を差別化する当該方法の能力を表わす。

0107

表3は、年令マッチングさせた健常な閉経前(n=140)および閉経後婦人(n=180)から採取した同一セットの尿試料に適用した場合におけるCrossLaps免疫学的測定法とHPLCによるピリジノリンに関する最新技術水準測定法のZ−スコアを示す。

0108

ID=000005HE=035 WI=107 LX=0515 LY=0900
表3から分かるように、2の方法の差別化能力はほぼ同様である。

0109

ある測定法を吸収の指標として使用するためには、ホルモン代替療法(HRT)のインパクトを測定出来ることが非常に重要である。表4は、かかる検討においてCrossLapsELISAで得られた結果を示す。

0110

実施例8:尿中のI型コラーゲン分解産物の定量・数量化に際しての本発明の免疫学的測定法(CrossLapsELISA)の評価
ピリジノリン(Pyr)およびデオキシピリジノリン(D−Pyr)は成熟コラーゲン間の架橋物であり、主として骨および軟骨で見い出されるのであるが、他方では皮膚には存在しない。D−PyrはPyrよりも骨により特異的であるが、いずれも絶対的には骨特異的ではない。しかしながら、PyrおよびD−Pyrの全排泄量の測定は、骨吸収の指標として使用できる。PyrおよびD−Pyrは、通常はHPLCを用いて分離した後加水分解された尿において蛍光分光学的に測定されるのであるが、長時間を要する、複雑な方法で、ルーチンの使用には適さない。

0111

本実施例は、尿中においてPyrおよびD−Pyrの構造とは独立したI型コラーゲン特異的ペプチド配列を測定する測定法、即ちCrossLapsELISAを記載するものである。骨の有機マトリックスは90%以上がI型コラーゲンから成るので、この測定法で測定したペプチド配列は、骨吸収の潜在的なマーカーである。

0112

この測定法について参照値を確立するために、年齢が30〜51歳(平均±1SD;39. 3±5. 56)の102人の健康な閉経前婦人から採取した試料を検査測定した。全ての婦人は正常な出血の経歴を有し、カルシウム代謝に影響することが知られている医薬は一切服用していなかった。同様に、年齢が45〜57歳(平均±1SD;51. 1±2. 38)の初期閉経後婦人から採取した料を測定したが、これらの婦人は全て、自然な閉経の履歴の持主であった(平均閉経年齢20.1±9.90月)。更に年齢が68〜72歳(平均±1SD;70.0±1.19)の後期閉経後婦人から採取した試料(n=165)を測定したが、これらの婦人は全て自然な閉経の経歴の持主であった(平均閉経年齢268±68 2月)。これらの婦人のいずれもカルシウム代謝に影響することが知られている医薬品は一切服用していなかった。

0113

テストした測定法及びD−Pyr(HPLC法)の比較を行うために、年齢30. 0〜65. 0歳の214人の健康な婦人から採取した尿試料を測定した。この測定法およびHprを比較するために、年齢30. 0〜54. 0歳の健康な婦人から成るもう1つの集団から採取した試料を測定した(n=421)。

0114

実験は、8AA特異的合成ペプチドに基づくCrossLapsELISAについては実施例5に概説したのと実質的に同様に行った。略言すれば、25μLの標準または未知試料を予め被覆したELISAプレート中の適当なウェルに二連にてピペットを用いて入れる。次いで、75μLの抗体溶液(8AAに対するウサギ抗体)を各ウェルに添加し、該プレートをシーリングテープで覆い、振とう器具上室温にて60分間インキュベートする。また、下記の操作は全て室温で行った。インキュベーション後に、該プレートを希釈した洗浄緩衝液で3回洗浄した。

0115

ペルオキシダーゼ結合抗体(ウソギIgGに対するHRP−結合ヤギ抗体、100μL/ウェル)を添加し、シールしたウェルを振とう器具上、60分間インキュベートした。もう一度洗浄した後、100μLのTMB基質溶液をすべてのウェルに添加し、これをシールし、15分間インキュベートした。100μLの停止溶液の添加して15分後酵素反応を停止した。光学密度を450nmでELISAレーダーで読み取った。

0116

補正曲線は、五つのの標準液(0. 5〜10. 5μg/ml)の平均吸光度をプロットすることによって対数−直線グラフ紙上で作成した。各患者の試料における8AA相当物の濃度を、補正曲線上で内挿法によって決定した。

0117

その他のマーカー
Pyrの尿中濃度をHPLC法によって測定した。略言すれば、架橋物は、セルロースクロマトグラフィーによって加水分解尿試料から抽出し、逆相HPLCによって分離し、分光蛍光光度法によって同定した。蛍光ピーク面積は、ヒト骨皮質から精製した補正済Pyr外部標準との比較によって数量化した。測定内および全測定変動係数は、標準曲線の範囲内では10%以下であった(14. 4〜216pmol、注入試料容量:130μL)。

0118

Hprの尿中濃度は、分光光度法によって測定した。測定内および全測定変動係数は標準曲線の範囲(38〜305μmpl/L)では13%以下であった。

0119

8AA測定、PyrおよびHprについての値は、正規化のために対応するクレアチニン値で除した。

0120

結果
図14は、本測定法にて用いた抗体を生成させるために選択した8AAペプチドの位置の模式図である。測定で用いた標準液は、0. 5ないし10. 5mg/Lの測定範囲を規定するものである。テストした尿試料の約5%は10. 5mg/Lよりも高い値を有していた。これらの試料を標準液A中で1+3に希釈し、再テストした。検出限界(ゼロ標準マイナス2xSD(ゼロ標準)なる平均吸光度に等しい吸光度に対応する濃度として定義)は0. 2mg/Lである。

0121

技術的なバリデ−ションを行うために、検定の精度を計算した。表5には、内部および全変動係数をまとめて示す。これらのデータは、同一ロットのELISAを用いて三つの尿試料を4日間の毎日6回測定した数値に基づいて計算した。平均の試験内及び全CV値は、各々5. 3および6. 6%であった。分析的回収率は、三つの異なる尿試料に対して合成ペプチドを量を増やしながら添加した後に測定したが、平均して100%であった(表6)。

0122

ELISA法において高濃度の試料を稀釈した場合の効果を表7に示す。試料は、ゼロ標準液で希釈した(500mM TRIS 、0. 1% Tween20 、0. 1%BSA pH=8. 0)。未希釈尿試料中の含有量に対して、100%なる数値を割り当てた。尿試料の種々の希釈液についての全平均は99%であった。

0123

ID=000007HE=035 WI=107 LX=0515 LY=2100
これらのデータは、同一ロットの8AAELISAを用いて三つの尿試料を4日間毎日6回測定した数値に基づいて計算した。

0124

0125

0126

凍結および解凍を5回まで反復した後本測定法で測定を行っても、テストした五つの試料において尿中濃度は有意に変化しなかった(5回の凍結−解凍サイクル後の初期値パーセント:平均±SD、n=5:98. 5±4. 5%)。さらに、別の五つの試料においては、測定した抗原は、20℃において少なくとも7日間、如何なる添加物を加えなくても安定であった(初期値のパーセント:平均±SD、n=5:99. 8±5. 1%)。

0127

図15は、二つの閉経後集団(初期閉経後、n=254、後期閉経後n=165)における8AAELISAの個別値を、ハッチングを施した領域によって示してある健常な閉経前範囲(平均±2SD)と比較して示してある(閉経後範囲250±220mg/mol Cr、n=102)。初期閉経後婦人のうち36. 7%は、閉経前婦人の3SD限界を超える値を有していた。この数字は、後期閉経後群に対しては31. 5%であった。初期閉経後婦人に対して得られた平均値は後期閉経後婦人のそれとは異ならず(419mh/mol対412mg/mol)、閉経年齢の増加に伴って値が変化する傾向はなかった。

0128

図16は、8AAELISAとHPLCで測定したD−Pyrとの間の相関関係を示す。相関関係は高度に有意であり、r−値として0. 83が得られた。

0129

図17は、ELISAとHprの間の相関関係を示す。また、この相関関係も高度に有意であり、r−値は0. 78であった。

0130

上記にて説明した測定法おいては、I型コラーゲンのC−テロペプチドに特異的であって現在のところ好ましいペプチド配列としてGlu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Argを抗体の生成に使用した(図14参照)。このような分子部分を選択する理由はいくつかあって、この配列は分子間架橋物にとって重要な領域を含有しており、さらに架橋残基の近傍部とこれらの分子の持つコンパクトな構造とが、かかるペプチドが更に一層腎臓分解されるのを防御することが以前から示唆されている。従って、成熟I型コラーゲンの部分的分解から生じるかかるペプチド配列が尿中で見い出され得ることが予測される。

0131

この実験の結果から、評価したELISA法は、精度、回収率、および尿試料の希釈の点で良好な性能を有することが判った(表5、6および7)。尿試料の長期取扱いおよび測定に関して、テストした試料は反復して凍結し解凍ことが出来又これらの試料中の抗原は20℃で少なくとも7日間安定であることが判明したのである。図15から判るように、テストした婦人の各々36. 7%および31.5%は数値が高かった(平均+2SD以上)。またこの知見は、全ての婦人の約1/3が閉経後に加速された骨損失を経験するものと推定する従前の知見とよく合致する。

0132

D−Pyrは骨吸収マーカーとして充分に確立されたものである。D−Pyr測定法(HPLC)および8AAELISAにおいて平行試料(n=214)について得られた結果を比較することによって、高度の相関関係が見い出された(r=0.83)。このことは、8AA ELISA が、ピリジノリンによって反映されることと類似または平行した代謝過程を反映するものであることを示唆している。骨吸収のもう1つのよく確立されたマーカーであるHprに対しても相関関係があるので、さらに8AA ELISAがin vivoでの骨吸収を反映するものであることが判る。

0133

実施例9:骨吸収の新しいマーカーとしての本発明の免疫学的検査法(Cross-LapsELISA)の使用
骨吸収NO増大は骨損失が増大したことの直接的な病原性因子であるため、これまでに骨吸収に対して特異的であるマーカーを発見すべく多大な努力傾注されてきた。カルシウムやヒドロキシプロリンの尿中排泄量が、骨吸収の指標として長年使用されてきたが、いずれも骨代謝に対しては特異的ではない。

0134

本実施例は、骨吸収のマーカーとしての本発明に基づく好ましい免疫学的測定法(CrossLapsTMELISA)を評価する。骨代謝回転に対する他のマーカーも比較する目的で評価に含める。

0135

閉経前婦人:血清および尿試料を年齢30〜50歳(平均±1SD;39. 1±5. 5)の104人の健康な閉経前婦人から採取して分析したが、全ての婦人は規則的な膣出血の経歴の持主であり、カルシウム代謝に影響することが知られている医薬品は一切服用していなかった。

0136

閉経後婦人:閉経後婦人は、二つの大規模な、二重盲検プラセボ対照、無作為化試験の一部を構成するものあった。この試験の主要目的は、初期閉経後骨損失についての異なる予防的療法を評価することであった。

0137

ベースライン値は、年齢45〜55歳の180人の無作為に選択した健康な閉経後婦人(平均±1SD;50. 6±2. 36)で測定したが、これら婦人は全て6カ月から3年の自然の閉経の履歴を有し(平均±1SD;20. 0±10.4カ月)また誰もカルシウム代謝に影響することが知られている医薬品を服用していなかった。

0138

更に、長期間に亘る血清及び尿試料について、12カ月間のホルモン代替療法終えて無作為に選択した80人の婦人及び12カ月間のプラセボ治療を終えて無作為選択した35人の婦人から採取して測定した。ホルモン療法は、2mgの経口エストラジオールに1mgのシプロテロンアセテート、0. 75mgのレボノルゲステレル、1mgのデソゲステロル、または10mgのメドロキシプロゲステロンアセテートいずれかを組み合わせて成るものであった。何れのグループもホルモンおよびプラセボ療法内で同様に反応したので、データは一緒に分析した。プラセボ治療を受けたこれらの婦人のうち35人は2年間追跡し、3カ月毎に反復して前腕骨質量測定し、これにより骨損失の速度が計算できた(%/年)。

0139

血液および尿試料
血液試料を採取し、二日目のの尿を少なくとも8時間の絶食の後に午前8と10時の間にて採集した。試料は分析するまで−20℃まで貯蔵した。

0140

測定法は前記したごとくに行った(実施例6)。測定内および測定間変動係数は、各々、6%および8%以下であり、検出限界は0. 2g/mlであった。

0141

ピリジノリン(Pyr)およびデオキシピリジノリン(D−Pyr)の尿中濃度をHPLC法によって、これら試料から無作為に選択したサブセット、即ち合成した81の試料で測定した(29人の閉経前および52人の閉経後試料)。略言すれば、架橋物は、セルロースクロマトグラフィーによって加水分解した尿試料から抽出し、逆相HPLCによって分離し、分光光度法によって同定した。蛍光ピークの領域は、ヒト骨皮質から精製した、補正済のPyrおよびD−Pyr外部標準と比較することによって定量した、測定内および測定間変動はPyrについては10%以下であり、D−Pyrについては15%以下であった。ヒドロキシプロリン(Hpr)の尿中含有量は、分光光度法によって測定し、オステオカルチンの血清中含有量はラジオイムノ測定(RIA)によって測定した。クレアチニンは自動分析器で測定し、得られた値を用いて尿中パラメーターを補正した(CrossLaps, Pyr, D-Pyr, Hpr)。遠位前腕の骨ミネラル含量BMC)は、骨デンシトメーターを用いて単一ホトン吸収法によってベースラインにて3カ月毎に測定した。とう骨尺骨の間の距離が8mmとなったところで走査を開始した。長期in vivo精度は1%未満である。腰椎脊髄の骨ミネラル密度(BMD)は二重エネルギーホトンまたはX−線吸収法いずれかによって測定した。

0142

統計的解析
CrossLapsおよびPyrのベースライン値は直線回帰分析によって補正した。両軸にクレアチニンを導入するのを回避するために、用いた値はクレアチニンについて補正しなかった。閉経前および閉経後グループ間の差異は、対となっていないデータにつき、スチューデントt−検定によって評価した。T−スコアは、閉経前標準偏差における閉経前平均値からの閉経後偏差として計算した。T−スコアは、偏差分析によって比較した。12カ月のホルモン療法の間の異なるマーカーおよび骨におけるベースラインからの減少は、対のデータについて、スチューデントt−検定によって評価した。プラセボおよびホルモングループにおける変化は、パーセント尺度で評価した。個々のベースライン値は100%と定義し、その後の値は全てベースライン値のパーセントとして計算した。各グループの平均値は、対になっていないデータについてスチューデントt−検定によって比較した(損失速度)。CrossLapsのベースライン値は、直線回帰分析によって損失速度に対して相関つけた。

0143

結果
図18において、CrossLapsとPyrとの間の相関関係が可視化されている(n=81)。r−値は0.83である。

0144

図19は、閉経前(n=104)および閉経後(n=180)婦人におけるCrossLaps/Cr、Hpr/Crおよびオステオカルチンの個別の数値を示す。閉経後婦人は、これら3種のマーカーの全ての数値が71%(CrossLaps)、23%(Hpr)および52%(オステオカルチン)となり数値が有意に増加した。閉経に対する応答がT−スコアで表される場合、CrossLapsはT−スコアが1.6であり、Hprは0.7であり、オステオカルチンについては1.0であった(P<0.001)。試料から無作為に選択したサブセットにおいて(閉経前n=29および閉経後n=28)、パーセントでの増加は、Pyrについて31%、D−Pyrについては50%であった。対応するT−スコアは、PyrならびにD−Pyrについては1.3であり、これはCrossLapsのT−スコアと有意に異ならなかった(CrossLapsについてのT−スコアは同一サブグループで1.5であった)。ベースラインで測定した180人の閉経後婦人のうち、41%は閉経前平均値の2倍標準偏差以上のCrossLaps値を有していた。Hprおよびオステオカルチンについて対応する値は、各々12%および23%であった。図20は、ベースライン値のパーセントで表した、12カ月のホルモン代替療法(n=80)またはプラセボ(n=35)療法後のCrossLaps/Cr、オステオカルチンおよび前腕骨質量を示す。すべてのマーカーにおいて、プラセボグループと比較すると、ホルモングループにおいては統計的に有意に減少した。CrossLapsは60.7%減少し、Hprは30.5%減少し、オステオカルチンは55.4%減少した。試料のランダムに選択したサブセットにおいて(ホルモン置換n=12およびプラセボn=12)、パーセント減少はPyrについて22%、D−Pyrについて29%であった。1年につき前腕骨質量は3.1%減少し、脊髄骨質量は3.1%であった、

0145

図21は、24カ月にわたる前腕骨質量測定によって測定したCrossLaps/Crのベースライン値および損失の速度(%/年)の間の相関関係を示す。この相関関係から、t−値として−0.61が得られた(P<0.001)。Hprおよびオステオカルチンについての対応する相関関係から、−0.46および−0.44がr−値として得られた。 前記したことから、CrossLapsは、骨吸収の感受性マーカーであることが示されているピリジノリンに対して高度に有意に相関関係を有することが証明される。このことは、CrossLapsが骨吸収の感受性マーカーであり得ることを示している。本試験における試料は、婦人の均質な群を代表するものであり、従って数値の範囲は比較的狭い。もしパジェット病および極端に高い骨代謝回転を持つ患者が含まれていたならば、相関関係はより高くなったと予測される。CrossLapsにおける閉経時の増加は顕著であり(70%を超える)、このことから、閉経時に起こる代謝変化の感受性マーカーであることが判る。T−値は試験母集団が異なると大幅に異なり得るので、注意深く解釈されるべきである。しかしながら、異なるマーカーを比較する場合には、T−値は、注目するマーカーの感度の指標を与える価値ある手段である。かくして本試験のデータは、CrossLapsがカルシウム代謝に及ぼす閉経の影響に対して感受性であることを示す。閉経前婦人は閉経後婦人と年齢が一致しなかった。しかしながら、彼らは平均して40歳であり、かくして、年齢のインパクトはもしあったとしても、些細のものに違いない。さらにこのような比較試験において、マーカーは同様の方法で影響を最も受け易いであろう。

0146

CrossLaps値は、ホルモン代替療法に応答して実質的に減少し、このことから、治療効果を追跡するための有用なマーカーとなる可能性が開ける。ホルモン代替療法(オステオカルチン、Hpr、PyrおよびD−Pyr)を追跡するのに通常使用されるマーカーと比較して、CrossLapsはテストした他の吸収マーカーよりも良好に機能した。しかしながら、PyrおよびD−Pyr実験で使用した試料は比較的少数であったため、これ以上の確固たる結論を得る可能性が制限されている。また、X−スコアは、標準偏差においてプラセボグループからの活性グループの偏差として算出されるものであるが、他のマーカーについてよりもCrossLapsについて高くなる(CrossLaps TMにつき1.5、Hprにつき0.7、およびオステオカルチンにつき1.1;P<0.001)。

0147

閉経後骨質量損失の速度は、骨代謝回転の生化学的マーカーのパネルによって評価できることが示された。損失速度は、骨粗鬆症の危険の第1の指針となり、骨質量測定に付託する件数を減少できるであろう。CrossLapsと単一ホトン吸収法マーカーによって測定された損失速度との間の相関関係は、−0.61であることが判明したが(図21)、これは、骨代謝回転の他のマーカーを用いて従前に見い出されているものよりも高い。かくして、尿中CrossLaps濃度は、損失速度を予測するのに使用されるであろう。もし3.0%/年を超える骨損失が危険因子であると定義されるならば、この母集団における600μg/mmolCrなるCrossLapsカットオフ限界を使用すると、診断感度は73%となりまた特異性は79%となる。3%/年の骨質量損失のレベルを用いて「速い」および「遅い」骨損失者を区別した。何故ならば、損失のこの速度は2つのモードがある骨損失分布において適当な分離を与えることが以前に見い出されているからである。

0148

本実施例において、脊髄骨損失の速度は必要な精度で測定されなかった。というのも、測定の多くはDPAで行われたからである。従ってベースラインCrossLapsに対する相関関係は算出されない。

0149

健康な閉経後のグループの15年の追跡において、損失の速度は骨折の後期発生に有意に関係し、損失速度はそれ自体危険因子であることが判った。一般に、たとえ同一の結果が得られるとしても、急速な変化は遅い変化よりも身体によって充分に許容されないことが広く受け入れられている。この事実によって、骨代謝回転が大きい人を同定することが一層重要となってくる。この意味で、ほとんど80%の特異性および70%を超える感度であることから、本発明の方法は、閉経後骨粗鬆症の危険評価における潜在的に有用なスクリーニングパラメーターとなる。

0150

すべての引用した特許、特許出願および文献はその全体を出典明示して本明細書の一部とみなす。しかしながら、矛盾する場合は、本開示が優先、支配する。

0151

上記においては、具体的な実施例を述べて本発明を記載してきた。しかしながら、以下にて特許請求する本発明の精神を逸脱することなく、多くの追加、削除および修正が可能であることは当業者に明らかであろう。

0152

附属書類
コラーゲンアルファ1(I)鎖の前駆体−ヒト(断片)ホモサピエンス(人)
残基の数=1341
ID=000010HE=140 WI=109 LX=0505 LY=0800

0153

コラーゲンアルファ1(I)鎖の前駆体の配列は以下から調製:
Chu, M.L., de Wet, W., Bernard, M., Ding, J.F., Morabito, M., Myers, J., Williams, C., and Ramirez, F., Nature 310, 337-340, 1984 (ヒト、残基1-181の配列、DNA配列から翻訳
Click, E.M., and Bornstein, P., Biochemistry 9, 4699-4706, 1970 (ヒト皮膚、 CNBr0-1, CNBr2, CNBr4, CNBr5, 残基162-301 の部分配列
Morgan, P.H., Jacob, H.G., Segrest, J.P., and Cunningham, L.W., J. Biol. Chem. 245, 5042-5048, 1970 (ヒト皮膚残基263-268 の配列)
Bernard, M.P., Chu, M.L., Myers, J.C., Ramirez, F., Eikenberry, E.F.,and Prockop, D.J., Biochemistry 22, 5213-5223, 1983 (mRN配列から翻訳した残基302-1341の配列)

0154

コラーゲンアルファ2(I)鎖の前駆体ホモサピエンス(人)
残基の数=1368
ID=000011HE=140 WI=108 LX=0510 LY=0300

0155

コラーゲンアルファ2(I)鎖の前駆体の配列は以下から調製:
de Wet, W., Bernard, M.,Benson-Chanda, V., Chu, M.L., Dickson, L., Weil, D., and Ramirez, F., J. Biol. Chem. 262, 16032-16036, 1987(mRNA配列から翻訳した配列)
表題:ヒトプロ−アルフア−2(I)コラーゲン遺伝子の構成

0156

コラーゲンアルファ1(II)鎖の前駆体ホモサピエンス(人)
残基の数=1418
ID=000012HE=095 WI=110 LX=0500 LY=0300

0157

コラーゲンアルファ1(II)鎖前駆体の配列は、以下から調製
Su, M.W., Lee, B., Ramirez, F., Manchdo, M. and Horton, W., Nucleic Acids, Res, 17, 9473, 1989
ヒトII型プロコラーゲンをコードする全cDNAのヌクレオチド配列
Baldwin, C.T., Reginato, A.M.,Smith, C., Jimenez, S.A., and Prockop, D.J., Biochem. J. 262, 521-528, 1989
ヒトII型プロコラーゲンをコードするcDNAクローンの構造。アルファ−1(II)鎖はフィブリル状コラーゲンの2つの他のアルファ鎖よりもアルフア−1(I)鎖により類似する。
Ala-Kokko, L., Baldwin, C.T., Moskowitz, R.W., and Prockop, D.J. Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A.87, 6565-6568, 1990
中度軟骨形成不全症に伴う原発性変形性関節症の原因としてのII型プロコラーゲン遺伝子(COL2A1) における単一塩基突然変異
Ramirez, F.
EMBLData Libraryに提出、1988年12月
参照番号:S04892
Vikkula, M. and Peltonen, L.
FEBSLett. 250, 171-174, 1989
II型コラーゲン遺伝子における多形領域の構造分析

0158

コラーゲンアルファ1(III)鎖の前駆体ホモサピエンス(人)
残基の数=1078
ID=000013HE=110 WI=109 LX=0505 LY=0300

図面の簡単な説明

0159

コラーゲンアルフア−1(III)鎖前駆体の配列、以下から調製
Janeczko, R.A., and Ramirez, F., Nucleic AcidsRes. 17, 6742, 1989

0160

図1実施例で詳細に記載するα1(I)C1免疫測定(「CrossLaps」とも称する)についての典型的標準曲線である。
図2実施例で詳細に記載するα1(I)NI免疫測定についての典型的標準曲線である。
図3実施例で詳細に記載するα2(I)N1免疫測定についての典型的標準曲線である。
図4全ピリジノリン(HPLC) とCrossLaps免疫測定との間の相関関係を示す。
図5全ピリジノリン(HPLC) とα1(I)免疫測定との間の相関関係を示す。
図6抗体MAbA7のエピトープ特異性を示す。
図7α1(I)C1ペプチド断片に基づくCrossLapsELISAとMAbA7ELISAとの間の相関相関を示す。
図8CrossLaps ELISAとα2(I)N1ペプチド断片に基づいたNα2EISA との間の相関相関を示す。
図9閉経に関連した骨吸収の増加をMAbA7ELISAによって検出する方法を示す。
図10閉経に関連する骨吸収の増加のCrossLaps ELISAによる検出を示す。
図11CrossLaps ELISAおよびMAbA7 ELISAによって測定した、ホルモン代替療法の間に於ける生物化学的マーカーの変化を示す。
図12健常な年齢適合させた婦人からの採取した尿試料のCrossLapsにおける測定の個々の数値を示す。
図13ホルモン代替療法を受けている婦人およびCrossLaps免疫測定におけるプラセボからの尿試料の測定の個々の値を示す。
図14CrossLaps免疫測定について選択された8AAペプチドの位置の模式的表示である。
図15初期閉経後婦人(n=245)および後記閉経婦人からの個々の8AA値を示す。ハッチングを施した領域は閉経前婦人(n=102)の群からの平均値±2SDを示す。
図16D−Pyrおよび8AA ELISAの間の相関を示す。214人の年齢が30. 0−65. 0歳の健康な婦人について、8AAELISAで得られた値をD−Pyr(HPLC) と比較した。
図17Hprおよび8AA ELISAの間の相関を示す。421人の健康な年令が30. 0−54. 0歳の婦人について、8AAELISA で得られた値をHprと比較した。
図18CrossLapsTM ELISA で得られた値とHPLCでのピリジノリン(n=81)との相関を示す。
図19閉経前(n=104)および閉経後(n=180)の婦人におけるCrossLapTM、Hprおよびオステオカルシン(osteocalcin) を示す。T−スコアはBottom panelで示す。
図20ベースライン値のパーセントとして表した、12カ月のホルモン代替療法(n=80)(.)またはプラセボ(n=35)療法後における生化学的パラメーターならびに前腕(o)および脊髄(.)の骨質量の平均変化を示す。ハッチングを施した領域は閉経前婦人での変動を表す。
図2124カ月の期間におけるCrossLaps TM/Crのベースライン値と9回の前腕骨質量測定値から決定した損失速度(%/年)との間の相関相関を示す。

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