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技術 発電プラントの診断方法および診断システム

出願人 株式会社日立製作所
発明者 山田昭彦佐藤美雄斎藤忠良
出願日 2001年12月27日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2001-397104
公開日 2003年7月9日 (16年8ヶ月経過) 公開番号 2003-193808
状態 未査定
技術分野 制御系の試験・監視 蒸気機関設備 タービンの細部・装置 タービンの制御
主要キーワード 時間的変化特性 兆候検出 事後調査 特徴量計算ステップ 劣化部位 発電ユニット毎 データ測定装置 既設プラント
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

開度発信機能付きバルブコスト高になり、発信機能自体の診断メンテナンスも必要である。新設バルブの場合は、実開度発信機能付きバルブを設置して診断できるが、既設バルブは診断できなかった。実開度発信装置などを設置せず、アクチュエータの状態を随時診断可能であり、劣化の程度を定量的に評価できる発電プラント診断方法および診断システムを提供する。

解決手段

発電プラントの発電機出力PW,蒸気圧力MSP,蒸気温度MSTのうち少なくとも2つの計測値間の関係を評価指標としてアクチュエータ121,141,142,…の状態を診断する。実開度発信装置などを用いず、蒸気タービン発電プラントなら必ず計測するデータからアクチュエータの状態を判定する。新たなセンサを付加せず、既設プラントも診断できる。劣化程度を定量的に評価でき、必要以上の頻度部品交換するむだがなくなり、適切な時期にメンテナンスできる。

概要

背景

バルブ(弁),ダンパなどの発電プラントアクチュエータは、運転状態を変えたり、プロセス量目標値に制御したりするために重要な機器である。

これらのアクチュエータは、パッキンなどの部品経年劣化により、動作速度が低下したり、最終的には動作しなくなったりする場合がある。アクチュエータの動作性能が低下すると、制御性能が悪くなるばかりか、場合によっては、制御不能となって発電プラントを停止させることもある。

アクチュエータの診断方法としては、例えば、『計装』Vol.38,No.8,1995に記載されている方法がある。第1方法では、バルブ・ステム往復運動回数や移動総距離の積算値グランドパッキン劣化程度の関係を予め求めておき、往復運動の回数や移動総距離の積算値からパッキンの交換時期予測する。第2方法では、バルブに開度情報発信機能を持たせ、その開度情報と制御装置からの開度指令とを比較して診断する。

概要

開度発信機能付きバルブコスト高になり、発信機能自体の診断やメンテナンスも必要である。新設バルブの場合は、実開度発信機能付きバルブを設置して診断できるが、既設バルブは診断できなかった。実開度発信装置などを設置せず、アクチュエータの状態を随時診断可能であり、劣化の程度を定量的に評価できる発電プラントの診断方法および診断システムを提供する。

発電プラントの発電機出力PW,蒸気圧力MSP,蒸気温度MSTのうち少なくとも2つの計測値間の関係を評価指標としてアクチュエータ121,141,142,…の状態を診断する。実開度発信装置などを用いず、蒸気タービン発電プラントなら必ず計測するデータからアクチュエータの状態を判定する。新たなセンサを付加せず、既設プラントも診断できる。劣化程度を定量的に評価でき、必要以上の頻度で部品を交換するむだがなくなり、適切な時期にメンテナンスできる。

目的

本発明の目的は、実開度発信装置などを設置することなく、発電プラントの主要プロセスデータからアクチュエータの状態を随時診断可能であり、劣化の程度を定量的に評価できる発電プラントの診断方法および診断システムを提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

蒸気タービン発電プラント発電機出力蒸気圧力蒸気温度計測値のうち少なくとも2つの計測値間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法

請求項2

蒸気タービン発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値それぞれの時間的変化量を表す特徴量を演算し、前記特徴量間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法。

請求項3

蒸気タービン発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性模擬するノミナルモデル構築し、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応する前記ノミナルモデルの演算値との偏差量または前記偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算し、少なくとも2つの前記特徴量間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法。

請求項4

請求項2または3に記載の発電プラントの診断方法において、前記特徴量の大きさに基づき前記アクチュエータの劣化程度を定量的に評価することを特徴とする発電プラントの診断方法。

請求項5

蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から前記発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データを受け取り、前記請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発電プラントの診断方法を用いて前記発電プラントのアクチュエータの状態を診断し、少なくともアクチュエータの状態診断結果を前記発電事業者に提供し、その代価を前記発電事業者から受け取る発電プラントの監視診断サービス方法。

請求項6

蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から前記発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データと、少なくともアクチュエータ異常時の機器状態,他のプロセス値状態確認方法,運転方法のうち一つの情報とを受け取り、前記請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発電プラントの診断方法を用いて前記発電プラントのアクチュエータの状態を診断し、過去に異常と診断した場合の前記特徴量または実際に異常になった際の前記特徴量とそれらに対応する前記発電事業者からの前記提供情報を記憶しておき、前記特徴量に類似する過去の特徴量を検索し、前記発電事業者に診断結果と診断結果が異常の場合に前記検索機能で特徴量が類似する事象に対応する前記発電事業者からの前記提供情報とを前記発電事業者に提供し、その代価を前記発電事業者から受け取る発電プラントの監視・診断サービス方法。

請求項7

蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、前記蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応する前記ノミナルモデルの演算値との偏差量または前記偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの前記特徴量間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、前記特徴量の大きさに基づき前記アクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段とからなることを特徴とする発電プラントの診断システム。

請求項8

蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、前記蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から前記発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データを受け取り、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応する前記ノミナルモデルの演算値との偏差量または前記偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの前記特徴量間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、前記特徴量の大きさに基づき前記アクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段と、少なくともアクチュエータの状態診断結果を前記発電事業者に提供する送信手段と、その代価を前記発電事業者から受け取る課金手段とからなる発電プラントの監視・診断サービスシステム。

請求項9

蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、前記蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から前記発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データと少なくともアクチュエータ異常時の機器状態,他のプロセス値,状態確認方法,運転方法のうち一つの情報とを受け取り、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応する前記ノミナルモデルの演算値との偏差量または前記偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの前記特徴量間の関係を評価指標として前記発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、前記特徴量の大きさに基づき前記アクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段と、過去に異常と診断した場合の前記特徴量または実際に異常になった際の前記特徴量とそれらに対応する前記発電事業者からの前記提供情報を記憶しておく記憶手段と、前記特徴量に類似する過去の特徴量を検索し前記発電事業者に診断結果と診断結果が異常の場合に前記検索機能で特徴量が類似する事象に対応する前記発電事業者からの前記提供情報とを前記発電事業者に提供する送信手段と、その代価を前記発電事業者から受け取る課金手段とからなる発電プラントの監視・診断サービスシステム。

技術分野

0001

本発明は、蒸気タービン発電プラント診断方法および診断ステム係り、特に、アクチュエータの診断方法およびこの診断方法を用いた発電プラント監視診断サービス方法に関する。

背景技術

0002

バルブ(弁),ダンパなどの発電プラントのアクチュエータは、運転状態を変えたり、プロセス量目標値に制御したりするために重要な機器である。

0003

これらのアクチュエータは、パッキンなどの部品経年劣化により、動作速度が低下したり、最終的には動作しなくなったりする場合がある。アクチュエータの動作性能が低下すると、制御性能が悪くなるばかりか、場合によっては、制御不能となって発電プラントを停止させることもある。

0004

アクチュエータの診断方法としては、例えば、『計装』Vol.38,No.8,1995に記載されている方法がある。第1方法では、バルブ・ステムの往復運動回数や移動総距離の積算値グランドパッキン劣化程度の関係を予め求めておき、往復運動の回数や移動総距離の積算値からパッキンの交換時期予測する。第2方法では、バルブに開度情報発信機能を持たせ、その開度情報と制御装置からの開度指令とを比較して診断する。

発明が解決しようとする課題

0005

上記第1方法では、バルブ・ステムの往復運動の回数や移動総距離の積算値とグランドパッキンの劣化程度の関係を予め求めておく必要がある。その場合に、診断対象とするバルブそのものでは試験できないので、例えば、同型製品の特性で代表させることになる。すなわち、上記第1方法では、運転中のバルブそのものの状態を判断できなかった。

0006

上記バルブまたはバルブに使用されている部品などの個体差により、予め求めた回数や積算値とパッキンなどの劣化程度との関係が異なる場合がある。したがって、予想よりも早くパッキンの交換が必要になったり、逆にパッキンの交換がまだ必要でない時期に交換してしまう場合があった。

0007

上記第2方法では、バルブに対する開度指令と実開度とを比較してバルブの状態を診断するので、運転中のバルブの状態を随時診断できる。

0008

しかし、発電プラントで使用されているバルブは高温雰囲気振動が大きい環境などで使用される場合が多く、バルブに取り付けた実開度の発信機能自体が故障する場合があった。

0009

また、新規設置の場合は、実開度発信機能付きバルブを設置すれば、運転中のバルブの状態を診断できる。しかし、既設のバルブには対応できなかった。

0010

さらに、実開度付きバルブはコスト高になるばかりか、発信機能自体の診断やメンテナンスも必要になるという新たな課題が生ずる。

0011

一方、特開平05−141266号公報は、本発明が対象とする蒸気タービン発電プラントとは異なり、ガスタービン発電装置に関するものであるが、発電機の出力検出器と、出力検出値に基づいて正常運転温度基準値算定する演算器と、タービン出口温度検出器と、タービン軸回転数検出器と、前記基準温度検出温度との偏差および制御目標回転数検出回転数との偏差を突き合わせ小さい方の値を選択する最小値選択器とを備え、選択した最小値に基づいて燃料供給系の故障の有無を診断する方式を示している。

0012

しかし、選択した最小値により燃料供給系の故障の有無を診断することから、1種類のパラメータに基づく診断であり、確実性に問題があるとともに、劣化の程度を定量的に評価できなかった。

0013

本発明の目的は、実開度発信装置などを設置することなく、発電プラントの主要プロセスデータからアクチュエータの状態を随時診断可能であり、劣化の程度を定量的に評価できる発電プラントの診断方法および診断システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、上記目的を達成するために、蒸気タービン発電プラントの発電機出力蒸気圧力蒸気温度計測値のうち少なくとも2つの計測値間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法を提案する。

0015

本発明は、また、蒸気タービン発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値それぞれの時間的変化量を表す特徴量を演算し、特徴量間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法を提案する。

0016

本発明は、さらに、蒸気タービン発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性模擬するノミナルモデル構築し、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応するノミナルモデルの演算値との偏差量または偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算し、少なくとも2つの特徴量間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断方法を提案する。

0017

前記発電プラントの診断方法においては、特徴量の大きさに基づきアクチュエータの劣化程度を定量的に評価する。

0018

本発明は、上記目的を達成するために、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データを受け取り、上記いずれかの発電プラントの診断方法を用いて発電プラントのアクチュエータの状態を診断し、少なくともアクチュエータの状態診断結果を発電事業者に提供し、その代価を発電事業者から受け取る発電プラントの監視・診断サービス方法を提案する。

0019

本発明は、また、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データと、少なくともアクチュエータ異常時の機器状態,他のプロセス値状態確認方法,運転方法のうち一つの情報とを受け取り、上記いずれかの発電プラントの診断方法を用いて発電プラントのアクチュエータの状態を診断し、過去に異常と診断した場合の特徴量または実際に異常になった際の特徴量とそれらに対応する発電事業者からの提供情報を記憶しておき、特徴量に類似する過去の特徴量を検索し、発電事業者に診断結果と診断結果が異常の場合に検索機能で特徴量が類似する事象に対応する発電事業者からの提供情報とを発電事業者に提供し、その代価を発電事業者から受け取る発電プラントの監視・診断サービス方法を提案する。

0020

本発明は、上記目的を達成するために、蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応するノミナルモデルの演算値との偏差量または偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの特徴量間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、特徴量の大きさに基づきアクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段とからなる発電プラントの診断システムを提案する。

0021

本発明は、また、蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データを受け取り、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応するノミナルモデルの演算値との偏差量または偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの特徴量間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、特徴量の大きさに基づきアクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段と、少なくともアクチュエータの状態診断結果を発電事業者に提供する送信手段と、その代価を発電事業者から受け取る課金手段とからなる発電プラントの監視・診断サービスシステムを提案する。

0022

本発明は、さらに、蒸気タービン発電設備とその運転制御装置とを含む発電プラントに設置されているアクチュエータの状態を診断する発電プラントの診断システムにおいて、蒸気タービン発電設備の発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の時間的変化特性を模擬するノミナルモデルと、蒸気タービン発電プラントを所有または運営する発電事業者から発電プラントの発電機出力,蒸気圧力,蒸気温度の計測値のうち少なくとも2つの計測データと少なくともアクチュエータ異常時の機器状態,他のプロセス値,状態確認方法,運転方法のうち一つの情報とを受け取り、各プロセス量の計測値とそれぞれに対応するノミナルモデルの演算値との偏差量または偏差量の時間的変化量を表す特徴量を演算する演算手段と、少なくとも2つの特徴量間の関係を評価指標として発電プラント内のアクチュエータの状態を診断する診断手段と、特徴量の大きさに基づきアクチュエータの劣化の程度を定量的に評価する評価手段と、過去に異常と診断した場合の特徴量または実際に異常になった際の特徴量とそれらに対応する発電事業者からの提供情報を記憶しておく記憶手段と、特徴量に類似する過去の特徴量を検索し発電事業者に診断結果と診断結果が異常の場合に検索機能で特徴量が類似する事象に対応する発電事業者からの提供情報とを発電事業者に提供する送信手段と、その代価を発電事業者から受け取る課金手段とからなる発電プラントの監視・診断サービスシステムを提案する。

発明を実施するための最良の形態

0023

次に、図1ないし図9を参照して、本発明による発電プラントの診断方法および診断システムの実施形態を説明する。

0024

図1は、本発明による発電プラントの診断方法および診断システムを火力発電プラントに適用した実施形態1の系統構成を示す図である。

0025

本実施形態1の発電プラントは、発電設備100と、その運転制御装置300と、本発明による診断システム200とからなる。

0026

発電設備100のボイラ150では、燃料調節弁162を介してバーナ160に燃料を供給し、空気調節弁161を介してバーナ160に空気を供給し、燃焼させる。一方、給水ポンプ140により給水調節弁141を介して供給し、熱交換器152で蒸発させる。さらに、後段の熱交換器153および過熱器154で昇温し、過熱状態となった蒸気タービン加減弁121を介して高圧タービン130に導き、高圧タービン130を回転させる。高圧タービンを通過した蒸気を再熱器156で再び昇温し、低圧タービン120に導き、低圧タービン120を回転させる。高圧タービン130および低圧タービン120により発電機110を回転させ、電力を発生させる。なお、高圧タービン130入口の蒸気を主蒸気といい、低圧タービン120入口の蒸気を再熱蒸気という。

0027

主蒸気温度を制御する目的で、給水ポンプ140から供給された給水の一部をスプレ調節弁142を介して過熱器154の前段に混合する。

0028

火力発電プラント1には、上記機器の他にも、タービン駆動後の蒸気を冷却水126により冷却する復水器125や、燃焼ガス中有害物質を除去する排ガス処理装置170などの機器もある。排ガス処理装置170を通ったガスは、煙突175から大気へ放出される。

0029

発電設備100の運転状態は、発電機出力計測器111,主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定器122,過熱器入口蒸気温度測定器127,主蒸気圧力測定器123,再熱蒸気温度測定器124などのデータ測定装置で計測され、運転制御装置300に伝送される。

0030

発電設備100には、その他にも、タービン回転数などの制御に必要な種々のプロセス量を計測する装置が取り付けられており、それらによる計測値も運転制御装置300に伝送される。ここでは、それらの詳細な説明は省略する。

0031

運転制御装置300は、これらのプロセスデータに基づいて、発電設備の運転状態を把握し、望ましい状態になるように、燃料流量調節弁162,空気流量調節弁161,タービン加減弁121,給水調節弁141,スプレ調節弁142などのアクチュエータを操作している。

0032

ここで、望ましい状態とは、基本的には、中央給電所からの発電量指令値と発電プラントの発電出力値との差ができるだけ小さく、かつ、タービン定格回転数とタービン回転数との差ができるだけ小さい運転状態である。その制約条件として、蒸気温度や圧力に目標値を設定し、それらの制御偏差許容値内にしなければならない。

0033

したがって、発電量指令値(MWD),発電機出力計測器111で計測する発電機出力(GMW),主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定器122で計測する主蒸気温度(MST),主蒸気圧力測定器123で計測する主蒸気圧力(MSP)などは発電プラントを制御する上で必須の計測データであり、発電プラントが変わっても、これらのデータは必ず計測して制御装置に取り込むべきデータである。

0034

本発明は、これらの必ず計測しているデータを用いてアクチュエータの状態を診断することを考えた。

0035

本実施形態1では、図1に示した発電プラントの給水調節弁141の状態とタービン加減弁121の状態とを診断する。

0036

図2は、本実施形態1の発電プラントの診断方法の処理手順を示すフローチャートである。ステップ210では、発電量指令値(MWD),発電機出力(GMW),主蒸気圧力(MSP)のデータおよびその時刻(TIME)を読込む。

0037

ステップ220では、発電プラントのノミナルモデルを用いて、発電機出力(GMW),主蒸気圧力(MSP)に対応するノミナル値GMWnおよびMSPnを計算する。発電プラントのノミナルモデルは例えば、物質収支エネルギー収支などの物理的な関係を模擬して構築する。

0038

この発電プラントのノミナルモデルは、定期点検後などの診断対象機器が正常な状態のデータを用いてその特性に合うように予め調整したモデルである。モデルの調整方法については、例えば特開平10−214112号公報に記載されている方法を用いると、実現できる。

0039

構築したプラントノミナルモデルに、運転条件として発電量指令値(MWD)を設定し、その時のノミナル値GMWnおよびMSPnを計算する。

0040

ステップ230では特徴量を計算する。ステップ230には、特徴量計算ステップ231と特徴量計算ステップ232とがある。

0041

特徴量計算ステップ231では、ステップ210で読込んだGMWおよびMSPとステップ220で計算したノミナル値GMWnおよびMSPnとのそれぞれの偏差の時間微分値AおよびBを算出する。
A=d(GMWn−GMW)/dt …(1)
B=d(MSPn−MSP)/dt …(2)
で算出する。

0042

図3は、発電量指令値(MWD)の変化の例を示すタイムチャートであり、図4は、給水調節弁141およびタービン加減弁121の劣化程度に応じて動作速度が低下する様子を示す図である。すなわち、図4は、給水調節弁141およびタービン加減弁121の劣化程度に応じて動作速度が(a)正常状態,(b)動作速度の低下度小,(c)動作速度の低下度中,(d)動作速度の低下度大の場合を示す図である。

0043

正常時は、計測値GMWとGMWnの間およびMSPとMSPnとの間に偏差がほとんどないので、図4(a)のように、原点付近に集中したグラフとなる。

0044

図4(b)→(c)→(d)のように、劣化程度が大きくなるにつれて、データ点原点から遠くまで概ね直線状に存在するようになる。また、給水調節弁141およびタービン加減弁121の劣化では、データ点の集合が作り出す直線状のデータ群横軸(A軸)となす角度が異なっていることがわかる。

0045

したがって、式(1)および(2)で示した特徴量から、劣化している弁が給水調節弁141かまたはタービン加減弁121かがわかる。また、データ点の原点からの距離を評価すると、劣化の程度も判断できる。

0046

特徴量計算ステップ232は、この判断を定量的化し、自動判定するための処理である。式(3)および(4)で、
α=√(A2+B2) …(3)
β=tan−1(B/A) …(4)
それぞれのデータの原点からの距離αと、A軸となす角度βとを求める。

0047

図5は、所定時間間隔で原点からの距離αが最大となる点を求めてプロットした結果を示す図である。

0048

ステップ240では、状態を次のように判定する。図5に示すように、タービン加減弁121および給水調節弁141のしきい値をそれぞれα1,αa2,αa3およびαb2,αb3として、次式
if(0≦α≦α1)then "正常" …(5)
if(α1<α)then "劣化あり" …(6)
で正常かどうかを判定する。

0049

図6は、A軸となす角度βがX°とX°+180°との2種類があるので、0≦β<180という条件でA軸となす角度βをプロットした結果を示す図である。図5に関連して、劣化ありと判定した場合、どちらの弁が劣化したのかを、図6に示すように、しきい値β1β2,β3,β4を定めておき、次式
if(β<β1)then "特定不可能" …(7)
if(β1≦β≦β2)then "給水調節弁劣化" …(8)
if(β3≦β≦β4)then "タービン加減弁劣化" …(9)
if(β2<β<β3)or(β4<β)then "両弁劣化" …(10)
で劣化の程度を判定する。

0050

タービン加減弁121劣化と判定された場合、次式
if(α1<α≦αa2)then "特定程度(小)" …(11)
if(αa2<α≦αa3)then "特定程度(中)" …(12)
if(αa3<α)then "特定程度(大)" …(13)
で劣化の程度を判定する。

0051

給水調節弁141劣化と判定された場合は、次式
if(α1<α≦αb2)then "特定程度(小)" …(11)
if(αb2<α≦αb3)then "特定程度(中)" …(12)
if(αb3<α)then "特定程度(大)" …(13)
で劣化の程度を判定する。

0052

ステップ245では、以上の診断結果を表示画面に表示する。

0053

本実施形態1の診断方法によれば、発電プラントの主要プロセスデータである発電量指令値(MWD)と発電機出力(GMW)と主蒸気圧力(MSP)とから給水調節弁141およびタービン加減弁121の劣化状態を診断できる。

0054

図7は、本実施形態1における診断システム200の内部構成の一例を示すブロック図である。本実施形態1の診断システム200は、キーボードマウスなどの入力手段250と、入出力I/F252と、出力/表示手段251と、データ記憶手段253と、演算手段254とを備えている。

0055

診断システム200は、発電設備100から発電設備内通信ネットワーク101を介して運転制御装置300に取り込まれたプロセスデータを、入出力I/F252を介して取り込む。データ記憶手段253は、プロセスデータなどを記憶し、演算手段254は、ノミナル値の計算,特徴量の計算,状態判定などを実行し、その結果を出力/表示手段251に出力する。

0056

本実施形態1によれば、弁の実開度発信装置などを必要とせず、蒸気タービンを備える発電プラントならば必ず計測しているデータからアクチュエータの状態を判定できる。したがって、既設の発電プラントについても、新たに特殊なセンサなどを付加することなく、診断可能である。

0057

本実施形態1によってアクチュエータの状態を診断すれば、劣化の程度を定量的に評価できるので、必要以上の頻度部品交換をする必要がなくなり、適切な時期にメンテナンスできる。

0058

なお、本発明の特徴は、アクチュエータの性能劣化をアクチュエータの応答特性と発電プラントの主要プロセスデータとの関係に着目して診断することにあるので、本実施形態1の特徴量の算出方法,発電プラントのモデル化方法,劣化程度の判定方法としては、アクチュエータの応答特性と発電プラントの主要プロセスデータとの関係に基づくのであれば、上記と異なる方法を採用してもよい。

0059

一方、スプレ調節弁142を診断する際には、特徴量を計算するプロセス量として蒸気温度を使用する。その場合も、特徴量の計算方法や状態の判定方法は、上記発電機出力,主蒸気圧力の場合と同様である。

0060

また、判断の材料となる計測値の種類は、2種類に限らず、3種類以上の計測値の相互関係に基づいて、アクチュエータの性能劣化の程度を判断してもよい。

0061

図8は、本発明による発電プラントの診断方法および診断システムを火力発電プラントに適用した実施形態2の系統構成を示す図である。

0062

本実施形態2が上記実施形態1と異なる点は、運転支援会社500が本発明による診断方法および診断システムを備え、複数の発電プラント410,420,430のアクチュエータを診断し、診断結果および運転支援情報などを発電事業者400に提供し、発電事業者400から代価を受け取る方式になっていることである。

0063

本実施形態2において、運転支援会社500と発電事業者400が所有する発電プラント410,420,430とは、通信ネットワーク440を介してデータや情報を授受できるようになっている。そのために、発電プラント側には入出力装置310を設け、運転支援会社500側には入出力I/F252に外部との通信機能を持たせてある。通信ネットワーク440は、電話回線などの公衆回線でも、光ケーブルなどの専用回線でもよい。すなわち、本発明は、通信手段や方法により限定されない。

0064

また、診断システム200の診断方法は、実施形態1に示した診断方法と同じである。

0065

運転支援会社500が発電事業者400から受け取る情報は、少なくとも発電プラントまたは発電ユニット毎のプロセスデータ計測値,発電量指令値,事後調査結果を含めてアクチュエータ異常時の情報などである。運転支援会社500には、監視員510がおり、実施形態1に示した診断方法による結果に基づいて、発電設備100の状態を監視している。

0066

運転支援会社500内の診断システム200による診断結果は、監視員510に表示されるとともに、発電プラント側でも要求に応じて見られるようになっている。また、診断結果が正常でない場合、結果は発電プラント側に自動表示される。

0067

診断の結果、異常(劣化)が発生した場合、または、発電プラントの運転員から異常兆候検出などの連絡があった場合、監視員510の判断で、該当する発電プラントに調査員520を派遣する。調査員520は、現場対象機器の状態を調査し、その結果を発電プラントの運転員および運転支援会社500の監視員510に連絡する。調査員520は、調査結果を入力手段250から診断システムに入力し、その内容を記憶手段253に記録する。

0068

図9は、調査結果に基づく入力データの内容および記憶手段253に記録される情報の内容の一例を示す図である。診断システム200でアクチュエータの異常(劣化)が検出された場合、記憶手段253に記録された過去の事例情報から、実施形態1の式(3),(4)で表される特徴量と類似した事例を検索し、その時の事後調査結果を運転ガイダンス(参考事例)として、発電プラントの運転員に提示する。

0069

運転ガイダンスの内容は、劣化部位,劣化程度,劣化原因発見状況,他プロセスデータへの影響,確認方法対処方法(運転方法),復旧時間復旧対策である。

0070

本発明においては、式(3),(4)のように異常事象の特徴量を定量化しているので、類似事例の迅速な検索が可能になる。したがって、運転員は、アクチュエータの異常を早期発見できるのみならず、過去の事例に基づいて対処方法などのガイダンスを受けられるので、適切かつ迅速な処置が可能となる。

0071

過去の類似事例は、類似度が高い順に複数個提示してもよい。発電事業者400は、運転支援会社500からこれらの情報提供サービスを受けて、その代価を運転支援会社500に支払う。

0072

本実施形態2においては、運転支援会社500が、発電プラントの監視業務のみを実行する場合を説明したが、運転員に代わり、発電プラントの運転そのものを実行してもよい。

発明の効果

0073

本発明によれば、弁の実開度発信装置などを必要とせず、蒸気タービンを備える発電プラントならば必ず計測しているデータからアクチュエータの状態を判定できる。したがって、既設の発電プラントについても、新たに特殊なセンサなどを付加することなく、診断可能である。

0074

また、本発明によりアクチュエータの状態を診断すると、劣化程度を定量的に評価できるので、必要以上の頻度で部品交換をする必要がなくなり、適切な時期にメンテナンスできる。

図面の簡単な説明

0075

図1本発明による発電プラントの診断方法および診断システムを火力発電プラントに適用した実施形態1の系統構成を示す図である。
図2本実施形態1の発電プラントの診断方法の処理手順を示すフローチャートである。
図3発電量指令値(MWD)の変化の例を示すタイムチャートである。
図4給水調節弁141およびタービン加減弁121の劣化程度に応じて動作速度が(a)正常状態,(b)動作速度の低下度小,(c)動作速度の低下度中,(d)動作速度の低下度大の場合を示す図である。
図5所定時間間隔で原点からの距離αが最大となる点を求めてプロットした結果を示す図である。
図6A軸となす角度βがX°とX°+180°との2種類あるので、0≦β<180という条件でA軸となす角度βをプロットした結果を示す図である。
図7本実施形態1における診断システム200の内部構成の一例を示すブロック図である。
図8本発明による発電プラントの診断方法および診断システムを火力発電プラントに適用した実施形態2の系統構成を示す図である。
図9調査結果に基づく入力データの内容および記憶手段253に記録される情報の内容の一例を示す図である。

--

0076

100発電設備
101発電設備内通信ネットワーク
110発電機
111発電機出力計測器
120低圧タービン
121タービン加減弁
122主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定器
123主蒸気圧力測定器
124再熱蒸気温度測定器
125復水器
126冷却水
127過熱器入口蒸気温度測定器
130高圧タービン
140給水ポンプ
141給水調節弁
142スプレ調節弁
150ボイラ
152熱交換器
153 熱交換器
154 過熱器
160バーナ
161空気調節弁
162燃料調節弁
170排ガス処理装置
200診断システム
210データ読込みステップ
220ノミナル値計算ステップ
230特徴量計算ステップ
240状態判定ステップ
245 診断結果提示ステップ
250入力手段
251 出力/表示手段
252入出力I/F
253データ記憶手段
254演算手段
300運転制御装置
310入出力装置
400発電事業者
410発電プラント
420 発電プラント
430 発電プラント
440 通信ネットワーク
500運転支援会社
510監視員
520 調査員

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