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技術 Mg合金製品の表面処理方法および高耐食性被膜を形成したMg合金製品

出願人 公益財団法人新産業創造研究機構
発明者 椿野晴繁山本厚之
出願日 2001年12月25日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-392916
公開日 2003年7月9日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-193259
状態 特許登録済
技術分野 金属の化成処理
主要キーワード Mg合金製 自然腐食 腐食処理 水素気泡 Mg金属 表面処理材 含有質量 化成処理膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年7月9日)のものです。
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図面 (4)

課題

表面処理により、Mg合金耐食性を改善するとともにリサイクル性を向上させる。

解決手段

合金元素としてAl:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上を含有し残部Mgおよび不可避不純物からなるMg合金を、化学成分として、水1L中の質量に換算して、塩化ナトリウム:1〜300g、塩化マグネシウム:1〜400g、水酸化マグネシウム:0.00001〜0.1g、水酸化ナトリウム:0.001〜500gの各物質を含有し、残部水および不可避不純物からなる水溶液に、10sから36ksの間、浸漬し、その後乾燥し、大気中で、加熱して573〜873Kで、10sから36ks保持することを特徴とする。

概要

背景

従来、Mg合金製品の耐食性改善のために、陽極酸化処理化成処理塗装Cuめっき、Niめっきなどが行われてきた。しかしながら、これらの手法による耐食性改善効果は十分で無い上に、製品リサイクルを考慮するならば、リサイクル時に陽極酸化膜化成処理膜塗膜、めっき膜などの被膜を除去しなければならないという欠点があった。すなわち、リサイクルの際には、まず、Mg合金製品スクラップ再溶解するが、その時に、陽極酸化膜中の異種金属元素酸化物、化成処理膜中に含まれるクロム酸化物、塗膜顔料中のTiなどの酸化物あるいはめっき膜を構成するCu、Niなどの重金属などがMg合金溶湯中混入してリサイクルされたMg合金の不純物となり、その耐食性を著しく劣化させる。さらに、塗膜に含まれる有機物は、燃焼して有害なガスとなる。それゆえ、再溶解に先立って、これら被膜を除去する必要が生じるが、機械的または化学的いずれの手段によって除去するにしてもリサイクルに関しては余分なエネルギーが必要であり、また、有害ガスの処理に対しても余分なエネルギーを消費しなければならない。これら余分なエネルギーはリサイクルに要する費用を上昇させることになり、Mg合金のリサイクル性阻害する。

概要

表面処理により、Mg合金の耐食性を改善するとともにリサイクル性を向上させる。

合金元素としてAl:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上を含有し残部Mgおよび不可避不純物からなるMg合金を、化学成分として、水1L中の質量に換算して、塩化ナトリウム:1〜300g、塩化マグネシウム:1〜400g、水酸化マグネシウム:0.00001〜0.1g、水酸化ナトリウム:0.001〜500gの各物質を含有し、残部水および不可避不純物からなる水溶液に、10sから36ksの間、浸漬し、その後乾燥し、大気中で、加熱して573〜873Kで、10sから36ks保持することを特徴とする。

目的

本発明は、Mg合金製品の耐食性を改善するとともに、リサイクル性を向上させることができるMg合金の表面処理方法並びに高耐食性のMg合金製品を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

化学成分として、Al、Zn、Mn、Siから選択したいずれか1種または2種以上の合金元素を含有し、残部がMgおよび不可避不純物からなるMg合金素材とする製品塩化ナトリウム塩化マグネシウム水酸化マグネシウム水酸化ナトリウムから選択した1種または2種以上の化合物を含有する水溶液に浸漬処理し、その後乾燥し、大気中で加熱してMg合金製品の表面に耐食性被膜を形成することを特徴とするMg合金製品の表面処理方法

請求項2

Mg合金の化学成分として含有される合金元素は、質量%で、Al:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上の合金元素からなることを特徴とする請求項1記載のMg合金製品の表面処理方法。

請求項3

水溶液は、水1Lに対し、塩化ナトリウム:1〜300g、塩化マグネシウム:1〜400g、水酸化マグネシウム:0.00001〜0.1g、水酸化ナトリウム:0.001〜500gから選択した1種または2種以上を含有する水溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のMg合金製品の表面処理方法。

請求項4

Mg合金製品を水溶液に浸漬する時間は、10〜36000秒間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のMg合金製品の表面処理方法。

請求項5

大気中における加熱は、加熱温度が573〜873Kで、かつ、加熱時間が10〜36000秒間であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のMg合金製品の表面処理方法。

請求項6

化学成分として、Al、Zn、Mn、Siから選択した1種または2種以上の合金元素を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなるMg合金を素地とする製品表面に人工的な腐食および酸化による素地構成元素酸化物および水酸化物の混合物からなる被膜を有することを特徴とする高耐食性被膜を有するMg合金製品。

請求項7

Mg合金の化学成分として含有の合金元素は、質量%で、Al:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上からなることを特徴とする請求項6に記載の高耐食性被膜を有するMg合金製品。

技術分野

0001

Mg合金製品の耐食性改善方法および高耐食性被膜を有するMg合金製品に関する。

背景技術

0002

従来、Mg合金製品の耐食性改善のために、陽極酸化処理化成処理塗装Cuめっき、Niめっきなどが行われてきた。しかしながら、これらの手法による耐食性の改善効果は十分で無い上に、製品リサイクルを考慮するならば、リサイクル時に陽極酸化膜化成処理膜塗膜、めっき膜などの被膜を除去しなければならないという欠点があった。すなわち、リサイクルの際には、まず、Mg合金製品スクラップ再溶解するが、その時に、陽極酸化膜中の異種金属元素酸化物、化成処理膜中に含まれるクロム酸化物、塗膜顔料中のTiなどの酸化物あるいはめっき膜を構成するCu、Niなどの重金属などがMg合金溶湯中混入してリサイクルされたMg合金の不純物となり、その耐食性を著しく劣化させる。さらに、塗膜に含まれる有機物は、燃焼して有害なガスとなる。それゆえ、再溶解に先立って、これら被膜を除去する必要が生じるが、機械的または化学的いずれの手段によって除去するにしてもリサイクルに関しては余分なエネルギーが必要であり、また、有害ガスの処理に対しても余分なエネルギーを消費しなければならない。これら余分なエネルギーはリサイクルに要する費用を上昇させることになり、Mg合金のリサイクル性阻害する。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、Mg合金製品の耐食性を改善するとともに、リサイクル性を向上させることができるMg合金の表面処理方法並びに高耐食性のMg合金製品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0004

上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、化学成分として、Al、Zn、Mn、Siから選択したいずれか1種または2種以上の合金元素を含有し、残部がMgおよび不可避不純物からなるMg合金を素地とする製品を塩化ナトリウム塩化マグネシウム水酸化マグネシウム水酸化ナトリウムから選択した1種または2種以上の化合物を含有する水溶液に浸漬処理し、その後乾燥し、大気中で加熱して製品表面に耐食性被膜を形成することを特徴とするMg合金製品の表面処理方法である。

0005

請求項2の発明では、Mg合金の化学成分として含有される合金元素は、質量%で、Al:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上の合金元素からなることを特徴とする請求項1の手段のMg合金製品の表面処理方法。

0006

請求項3の発明では、水溶液は、水1Lに対し、塩化ナトリウム:1〜300g、塩化マグネシウム:1〜400g、水酸化マグネシウム:0.00001〜0.1g、水酸化ナトリウム:0.001〜500gから選択した1種または2種以上を含有する水溶液であることを特徴とする請求項1または2の手段のMg合金製品の表面処理方法である。

0007

請求項4の発明では、Mg合金製品を水溶液に浸漬する時間は、10〜36000秒間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段のMg合金製品の表面処理方法である。

0008

請求項5の発明では、大気中における加熱は、加熱温度が573〜873Kで、かつ、加熱時間が10〜36000秒間であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の手段ののMg合金製品の表面処理方法である。

0009

請求項6の発明では、化学成分として、Al、Zn、Mn、Siから選択した1種または2種以上の合金元素を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなるMg合金を素地とする製品表面に人工的な腐食および酸化による素地構成元素の酸化物および水酸化物の混合物からなる被膜を有することを特徴とする高耐食性被膜を有するMg合金製品である。

0010

請求項7の発明では、Mg合金の化学成分として含有の合金元素は、質量%で、Al:0.0001〜10%、Zn:0.0001〜10%、Mn:0.0001〜1%以下、Si:0.0001〜1%から選択した1種または2種以上からなることを特徴とする請求項6の手段の高耐食性被膜を有するMg合金製品である。

0011

本発明の作用について説明すると、Mg合金は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムの水溶液中に浸漬すると腐食され、Mg合金の表面には、腐食生成物が形成される。一方、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムの水溶液中での腐食は軽度であるが、やはり腐食生成物がMg合金の表面に形成される。また、これら化学物質を実質的に含有せず、不可避不純物のみを含有する水の中でもMg合金の腐食は生じるが、不均一に腐食生成物が形成される上、素地との密着性が悪い被膜となり、利用価値の無いものである。

0012

本発明において、上記の化学物質の含有量を上記の範囲としたのは、いずれの化学物質も飽和濃度付近まで含有することにより、Mg合金の素地からなる製品表面に均一な上に緻密で、素地との密着性の良好な腐食生成物を形成することができるためであり、これらは浸漬時間と関連する。

0013

浸漬時間の下限を10sとしたのは、上記の4種類の化学物質の含有量が多い場合であっても10sに満たない浸漬時間では、十分な腐食生成物が形成されないためであり、従って、加熱処理後の耐食性が改善されないからである。一方、上限を36ksとしたのは、36ksを超えて浸漬すると、腐食が進行して素地の形状が変化するためである。

0014

加熱時間の下限を10sとしたのは、10sに満たない加熱では、水酸化物を主とする腐食生成物の、酸化物を主とする酸化生成物への変化が不充分となり、耐食性が改善されないからである。加熱時間の上限を36ksとしたのは、これを超えて加熱した場合でも加熱処理後の耐食性は向上するが、高温で長時間保持するために余分なエネルギーを必要とするため、好ましくないからである。

0015

Al、Zn、Mn、Siは、素地としてのMg合金の合金元素であると同時に、上記の本発明における化学物質の水溶液に浸漬することによる人工的な腐食および、その後の加熱による酸化処理によってMgおよび不可避不純物とともに素地の構成元素として被膜に含まれる元素である。これらの各元素の含有量を質量%で、上限をAl:10%、Zn:10%、Mn:1%、Si:1%としたのは、いずれの元素においても、この範囲を超えて含有する場合には、被膜の耐食性が悪くなるからである。これらの元素の下限は、市販で得られるMg合金に基づくものである。人工的な腐食および人工的な酸化処理とは上記したとおりであり、大気中、室温での腐食および酸化処理とは異なる。これに対し、自然腐食においても腐食されるが、腐食の進行が不均一である上に、素地との密着性の悪い腐食生成物(水酸化物)が形成されるため、それらが自然に酸化して形成される酸化物も不均一であり、素地との密着性が良くない。本発明における化学物質を溶解した水溶液により腐食される人工的な腐食によって、まず腐食生成物のMg水酸化物を、均一に、緻密に、素地との密着性を良好に形成した上で、人工的に加熱により酸化することで自然腐食、自然酸化では得られない被膜をMg合金製品に形成することができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明のMg合金製品の表面処理方法についての実施の形態について述べる。化学組成がAl:3%、Zn:1%、Mn:0.4%を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなる市販のAZ31Mg合金製品あるいは純Mg製品を、水1L中に、質量%で、塩化ナトリウム:300g以下、塩化マグネシウム:400g以下、水酸化マグネシウム:0.1g以下、水酸化ナトリウム:500g以下から選択した1種または2種以上の化学物質を含有する水溶液に3.6ks間浸漬し、その後乾燥し、大気中で加熱して温度573K〜873Kで、3.6ks間保持して表面処理を施した。

0017

上記について、表1ないし表4に実施例1ないし実施例8として実施条件および耐食性評価を示す。実施例1ないし5および実施例7、8のMg合金はAZ31であり、実施例6は純Mg地金である。さらに比較例としてMg合金にAZ31を用いて本発明の条件から外れ処理方法および従来の表面処理方法により実施して本発明と対比した。

0018

本発明の実施の形態である実施例1の試料番号1から実施例8の試料番号8、および浸漬のみで大気中での加熱を施さなかった比較例1の試料番号1、浸漬無しで大気中で加熱した試料番号2、および従来法によりAZ31Mg合金に表面処理を施した比較例2の試料番号1から比較例2の試料番号2のそれぞれの耐食性を調べるためにそれぞれの試料塩水浸漬して浸漬中の光学顕微鏡観察を行った。その結果を各表に示す。すなわち、各実施例の化学組成に記載している化学物質含有質量%は、水1L中の質量に換算した値であり、残部は水と不可避不純物である。

0019

耐食性の評価としては、試料を3%NaCl溶液に浸漬し、3時間の間、光学顕微鏡観察を行って試料から発生する水素気泡の数を測定した。これには試料5mm×5mmの面積当たりおよび一分間当たりで平均した値を用いた。それぞれの表中の「耐食性」欄の記号は、耐食性を4段階評価したものであり、5mm×5mmの面積中、1分間に発生した水素気泡の数が、◎は6〜10個、○は11〜100個、△は、101〜500個、×は△の500個を超える測定不能なほど発生したものを表わし、評価◎をもって高耐食性とした。

0020

0021

0022

0023

0024

0025

実施例1の試料番号1〜22は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムをそれぞれ単独で含有量を変化させた水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後、733Kで3.6ks加熱したものである。耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0026

実施例2の1〜14は、NaClの含有量を水1L中の質量に換算しておよそ10g含有する水溶液に、さらに塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムをそれぞれ含有する水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性は同様にいずれも◎で高耐食性であった。

0027

実施例3の1〜15は、NaClの含有量を水1L中の質量に換算しておよそ30g含有する水溶液に、さらに塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムをそれぞれ含有する水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、同じく耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0028

実施例4の1〜3は、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、塩化マグネシウムの含有量を変化させて含有した水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0029

実施例4の4〜6は、水1L中の質量に換算しておよそ30gの塩化ナトリウム、0.001gの水酸化マグネシウム、0.0001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、塩化マグネシウムの含有量を変化させて含有した水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0030

実施例4の7〜10は、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、水酸化マグネシウムの含有量を変化させて含有した水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0031

実施例4の11〜14は、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウムを含有する水溶液に、水酸化ナトリウムの含有量を変化させて含有した水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0032

実施例5の1〜3は、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液中にMg合金としてAZ31を3.6ks浸漬し、その後573〜813Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0033

実施例6の1は、純Mg地金を素地とし、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、3.6ks浸漬し、その後873Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性は◎で高耐食性であった。

0034

実施例7の1〜6は、Mg合金としてAZ31とし、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、0.01〜36ks浸潰し、その後773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0035

実施例8の1〜5は、Mg合金としてAZ31とし、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、3.6ks浸漬し、その後773Kで0.01〜36ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0036

実施例8の6〜8は、Mg合金としてAZ31とし、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に、3.6ks浸漬し、その後、673〜813Kで1.8から7.2ks加熱したものであり、耐食性はいずれも◎で高耐食性であった。

0037

比較例1の1は、Mg合金としてAZ31とし、水1L中の質量に換算しておよそ10gの塩化ナトリウム、および1gの塩化マグネシウム、0.0001gの水酸化マグネシウム、0.001gの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に3.6ks浸漬し、その後の加熱処理を施さなかったものであり、耐食性は×で不良であった。

0038

比較例1の2は、浸漬処理を施さない試料を773Kで3.6ks加熱したものであり、耐食性は×で不良であった。

0039

比較例2は従来法による表面処理を施したものであり、1は陽極酸化処理によるもの、2は化成処理によるもので、耐食性はいずれも○で本発明によるものに比して良くなかった。

0040

続いて、Mg合金の合金成分について、その含有量を変化させて人工腐食し、酸化処理した実施の形態について、表6〜表7に示す実施例により説明する。また本発明と対比する被覆無し材の比較例、従来法による表面処理材および自然腐食、自然酸化による表面処理材の比較例を表9および表10に示す。

0041

0042

0043

0044

0045

実施例の被覆は、試料を人工腐食させるため、室温で3.6Ks、3%NaCl水溶液に浸漬して表面を腐食させた後、人工酸化させるため、大気中で673Kに加熱することにより表面酸化させて施した。いずれのMg合金においても、腐食後は1μm以下の寸法の水酸化物を主とする腐食生成物がMg合金表面に緻密に、均一に形成され、その後の加熱による酸化処理においてもこの腐食生成物は、形状などの変化は無く、そのまま酸化物を主とする酸化生成物になり、Mg合金表面は密に被覆された。被膜の厚さは、人工腐食処理、人工酸化処理の条件により変化するが、およそ0.5〜10μm程度の厚さである。

0046

これらの処理した試料は3%のNaCl溶液に浸漬し、3時間の間、光学顕微鏡観察を行って試料から発生する水素気泡の数を測定し、5mm×5mmの面積当たりおよび1分間当たりで平均した値を用いた。上記の表中の「耐食性」欄の記号は、耐食性を4段階評価したものであり、5mm×5mmの面積中、1分間に発生した水素気泡の数が、◎は6〜10個、○は11〜100個、△は101個〜500個、×は500個を超えて測定不能なほど発生したものであり、評価◎をもって高耐食性とした。

0047

実施例9の1〜9は、Alの含有量を単独で変化させ、他の元素含有量を一定にしたものである。Alを10%を超えて含有する実施例9の9では耐食性が○で他のものに劣った。

0048

実施例10の1〜7は、Znの含有量を単独で変化させ、他の元素含有量を一定にしたものである。Znが10%を超えて含有する実施例10の7は耐食性が劣った。

0049

実施例11の1〜5は、Mnの含有量を単独で変化させ、他の元素含有量を一定にしたものである。Mnが1%を超えて含有する実施例11の5は耐食性が劣った。

0050

実施例12の1〜5は、Siの含有量を単独で変化させ、他の元素含有量を一定にしたものである。Siが1%を超えて含有する実施例12の5は耐食性が劣った。

0051

実施例13の1〜5は、Znの含有量をおよそ1%、Mnの含有量をおよそ0.4%、Siの含有量をおよそ0.1%とし、Alの含有量を変化させたものである。いずれも耐食性は良好であった。

0052

実施例14の1〜10は、Alの含有量をおよそ3%、Mnの含有量をおよそ0.4%、Si含有量をおよそ0.1%とし、Znの含有量を変化させたもの、および、Alの含有量をおよそ3%、Znの含有量をおよそ1%、Si含有量をおよそ0.1%とし、Mnの含有量を変化させたもの、さらに、Alの含有量をおよそ3%、Znの含有量をおよそ1%、Mn含有量をおよそ0.4%とし、Siの含有量を変化させたものである。いずれも耐食性は良好であった。

0053

実施例15の1〜7は、Alの含有量をおよそ5%、Mnの含有量をおよそ0.4%、Siの含有量をおよそ0.1%とし、Znの含有量を変化させたもの、Alの含有量をおよそ5%、Znの含有量をおよそ1%、Si含有量をおよそ0.1%とし、Mnの含有量を変化させたもの、およびAlの含有量をおよそ5%、Znの含有量をおよそ1%、Mn含有量をおよそ0.4%とし、Siの含有量を変化させたものである。いずれも耐食性は良好であった。

0054

実施例16の1〜7は、Alの含有量をおよそ9%、Mnの含有量をおよそ0.4%、Siの含有量をおよそ0.1%とし、Znの含有量を変化させたもの、Alの含有量をおよそ9%、Znの含有量をおよそ3%、Si含有量をおよそ0.1%とし、Mnの含有量を変化させたもの、およびAlの含有量をおよそ9%、Znの含有量をおよそ3%、Mn含有量をおよそ0.4%とし、Siの含有量を変化させたものである。いずれも耐食性は良好であった。

0055

実施例17の1は、Alの含有量をおよそ10%、Znの含有量をおよそ10%、Mnの含有量をおよそ1%とし、Siの含有量をおよそ1%としたものである。耐食性は良好であった。

0056

比較例3の1〜38は実施例9〜実施例17で用いたMg合金の一部について、人工的な腐食および酸化処理による被覆を行わず、素地のままの被覆無し材についての顕微鏡観察下の塩水浸漬試験による結果を示すものである。耐食性はいずれも×あるいは△で不良であった。

0057

比較例4の1〜3は、従来の表面処理法である陽極酸化処理、化成処理あるいは塗装を市それぞれ施したAZMg合金についての塩水浸漬試験による結果を示すものである。耐食性はいずれも△で不良であった。

0058

以上の実施例9〜実施例17および比較例3〜比較例4は上記したように、顕微鏡観察下で塩水浸漬試験を行っており、微細組織と関連する腐食の進行を直接観察したものであり、従来法で耐食性が著しく劣る原因は、被膜の局所的な割れ、部分的に被覆されていない部分、あるいは、被膜中に形成された孔などから腐食が進行するためであることが確認された。

0059

比較例5の1は、大気中で自然に腐食し、自然に酸化したAZ31Mg合金についての顕微鏡観察下の塩水浸漬試験による結果を示すものである。耐食性は×で不良であった。

0060

さらに、本発明および比較例の顕微鏡観察下で塩水浸漬試験の顕微鏡写真図1図4に示す。これらの図において、図1は3N(99.9%Mg)−Mg金属材の無処理材を1%NaCl水溶液に浸漬1分後を水溶液越しに撮影した顕微鏡写真で、黒い球状および煙状のものは水素気泡である。

0061

図2図1と同様に3N(99.9%Mg)−Mg金属材を10%NaCl+10%NaOHに3.6ks浸漬して腐食し、その後773Kで大気中で3.6ks加熱して酸化したものを、1%NaCl水溶液に浸漬1分後を水溶液越しに撮影した顕微鏡写真である。この場合は水素気泡は認められなかった。

0062

図3はAZ31Mg合金の無処理材を1%NaCl水溶液に浸漬1分後を水溶液越しに撮影した顕微鏡写真で、黒い球状のものは水素気泡である。

0063

図4図3と同様にAZ31Mg合金を10%NaCl+10%NaOHに3.6ks浸漬して腐食し、その後773Kで大気中で3.6ks加熱して酸化したものを、1%NaCl水溶液に浸漬1分後を水溶液越しに撮影した顕微鏡写真である。この場合は水素気泡は認められなかった。

発明の効果

0064

以上に説明したように、本発明による表面処理を施したMg合金は、耐食性に優れる上に、本質的にMg合金の素材構成元素の腐食生成物および酸化生成物を利用するものであるため、リサイクルの際に被膜を除去する必要はなく、有害物質の生成を伴わず、リサイクルに要するエネルギーを低減できる効果を奏するものである。

図面の簡単な説明

0065

図13N−Mgの無処理材の1%NaCl水溶液中への浸漬1分後の顕微鏡写真である。
図23N−Mgの本発明の処理材の1%NaCl水溶液中への浸漬1分後の顕微鏡写真である。
図3AZ31Mg合金の無処理材の1%NaCl水溶液中への浸漬1分後の顕微鏡写真である。
図4AZ31Mg合金の本発明の処理材の1%NaCl水溶液中への浸漬1分後の顕微鏡写真である。

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