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技術 炭酸銅の製造方法及び酸化銅の製造方法

出願人 鶴見曹達株式会社
発明者 秋山一則
出願日 2001年12月13日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2001-380215
公開日 2003年7月3日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2003-183023
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I)
主要キーワード 増量化 補給材 液量計 中和反応槽 稼働コスト 炭酸イオン源 被メッキ体 メッキ品
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

例えば電解銅メッキ処理するときに銅メッキ浴銅イオン補給剤として供給される炭酸銅酸化銅を製造するにあたり、原料となる塩化第二銅溶液省量化を図ること。

解決手段

反応槽2内にて塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成し、ここに塩素ガスを吹き込むことにより塩化第一銅を塩素化して塩化第二銅溶液を得る。これにより出発原料であるxモルの塩化第二銅より2xモルの塩化第二銅が得られ、塩化第二銅の増量化を図ることができる。こうして得られた塩化第二銅の水溶液の一部と炭酸イオンとを中和反応槽6内にて混合して炭酸銅を生成し、この炭酸銅を熱分解することにより酸化銅を得る。一方反応槽2にて得られた塩化第二銅水溶液の残部を再び反応槽2に戻し、銅との反応により塩化第二銅を生成する。

概要

背景

被メッキ体銅メッキ処理を施す手法の一つとして、電解液である硫酸中に銅メッキ材料を供給し、不溶性陽極陰極をなす被メッキ体との間で通電する電解メッキ法があり、この方法に用いられる銅メッキ材料として、塩基性炭酸銅や、酸化銅を用いることが知られている(特許第2753855号公報)。

前記塩基性炭酸銅は、例えば塩化第二銅エッチング液廃液を利用し、この廃液をソーダ灰溶液により中和することにより製造され、また前記酸化銅は、塩基性炭酸銅を熱分解することにより製造することができる。

概要

例えば電解銅メッキ処理するときに銅メッキ浴銅イオン補給剤として供給される炭酸銅や酸化銅を製造するにあたり、原料となる塩化第二銅溶液の省量化を図ること。

反応槽2内にて塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成し、ここに塩素ガスを吹き込むことにより塩化第一銅を塩素化して塩化第二銅溶液を得る。これにより出発原料であるxモルの塩化第二銅より2xモルの塩化第二銅が得られ、塩化第二銅の増量化を図ることができる。こうして得られた塩化第二銅の水溶液の一部と炭酸イオンとを中和反応槽6内にて混合して炭酸銅を生成し、この炭酸銅を熱分解することにより酸化銅を得る。一方反応槽2にて得られた塩化第二銅水溶液の残部を再び反応槽2に戻し、銅との反応により塩化第二銅を生成する。

目的

本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的はxモルの銅とxモルの塩化第二銅とにより2xモルの塩化第二銅を得、こうして得られた塩化第二銅の水溶液を原料として炭酸銅又は酸化銅を製造することにより、塩化第二銅水溶液の省量化を図る技術を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成する塩化第一銅生成工程と、前記工程にて得られた塩化第一銅を塩素化して塩化第二銅を生成し、塩化第二銅水溶液を得る塩素化工程と、前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液と炭酸イオンを含む水溶液とを混合して、混合液のpHを6.0〜9.0の範囲に維持しながら炭酸銅を生成する工程と、を含むことを特徴とする炭酸銅の製造方法。

請求項2

前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の一部と炭酸イオンとを含む水溶液とを混合して、混合液のpHを6.0〜9.0の範囲に維持しながら炭酸銅を生成する工程と、前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の残部を前記塩化第一銅生成工程に戻し、この塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1記載の炭酸銅の製造方法。

請求項3

前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の液量を検出する工程と、この塩化第二銅水溶液の一部と炭酸イオンとを含む水溶液とを混合して、混合液のpHを6.0〜9.0の範囲に維持しながら炭酸銅を生成する工程と、前記塩化第二銅水溶液が第1の液量より少ないときに、この塩化第二銅水溶液の残部を前記塩化第一銅生成工程に戻し、この塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の炭酸銅の製造方法。

請求項4

前記炭酸銅は被メッキ体電解銅メッキ処理するときに銅メッキ浴銅イオン補給剤として供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の炭酸銅の製造方法。

請求項5

請求項1,2又は3により得られた炭酸銅を還元雰囲気とはならない雰囲気下で230℃〜830℃に加熱して熱分解することにより酸化銅を得ることを特徴とする酸化銅の製造方法。

請求項6

前記酸化銅は被メッキ体を電解銅メッキ処理するときに銅メッキ浴に銅イオンの補給剤として供給されることを特徴とする請求項5に記載の酸化銅の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば電解メッキ処理に用いられる炭酸銅及び酸化銅の製造方法に関する。

背景技術

0002

被メッキ体銅メッキ処理を施す手法の一つとして、電解液である硫酸中に銅メッキ材料を供給し、不溶性陽極陰極をなす被メッキ体との間で通電する電解メッキ法があり、この方法に用いられる銅メッキ材料として、塩基性炭酸銅や、酸化銅を用いることが知られている(特許第2753855号公報)。

0003

前記塩基性炭酸銅は、例えば塩化第二銅エッチング液廃液を利用し、この廃液をソーダ灰溶液により中和することにより製造され、また前記酸化銅は、塩基性炭酸銅を熱分解することにより製造することができる。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら近年エッチング処理が少ない等の事情から塩化第二銅エッチング廃液を利用することが難しくなってきており、この場合には塩化第二銅の新液を用いて塩基性炭酸銅を製造することになるが、塩化第二銅の新液はエッチング廃液に比べてコストが高く、結果として塩基性炭酸銅や酸化銅の製造コストがかなり高くなってしまうという問題がある。

0005

本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的はxモルの銅とxモルの塩化第二銅とにより2xモルの塩化第二銅を得、こうして得られた塩化第二銅の水溶液原料として炭酸銅又は酸化銅を製造することにより、塩化第二銅水溶液の省量化を図る技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明の炭酸銅の製造方法は、塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成する塩化第一銅生成工程と、前記工程にて得られた塩化第一銅を塩素化して塩化第二銅を生成し、塩化第二銅水溶液を得る塩素化工程と、前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液と炭酸イオンを含む水溶液とを混合して、混合液のpHを6.0〜9.0の範囲に維持しながら炭酸銅を生成する工程と、を含むことを特徴とする。このような手法によれば、前記塩化第一銅生成工程と塩素化工程により、xモルの塩化第二銅とxモルの銅とから2xモルの塩化第二銅を得、こうして得られた塩化第二銅の水溶液を原料として炭酸銅を生成しているので、炭酸銅の原料となる塩化第二銅水溶液の省量化を図ることができる。

0007

また本発明では、塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の一部と炭酸イオンとを含む水溶液とを混合して、混合液のpHを6.0〜9.0の範囲に維持しながら炭酸銅を生成する工程と、この塩化第二銅水溶液の残部を前記塩化第一銅生成工程に戻し、この塩化第二銅水溶液と銅とを混合して塩化第一銅を生成する工程と、を含むことが望ましく、さらには前記塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の液量を検出し、この塩化第二銅水溶液の液量が第1の液量より少ないときに、この塩化第二銅水溶液の残部を前記塩化第一銅生成工程に戻して塩化第一銅の生成反応を行うことが望ましい。この場合塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液の残部とは、塩素化工程にて得られた塩化第二銅水溶液のうち、酸化銅の生成に用いられないものをいう。このような手法では、酸化銅の生成原料となる塩化第二銅水溶液が少なくなったときに塩化第二銅生成反応が行われるので、継続的に安定した状態で酸化銅の生成を行うことができ、スループットの向上を図ることができる。

0008

また本発明では、塩化第二銅溶液の中和反応により得られた炭酸銅を230℃〜830℃に加熱して熱分解することにより酸化銅を得ることを特徴とし、このような炭酸銅や酸化銅は被メッキ体を電解銅メッキ処理するときに銅メッキ浴銅イオン補給剤として利用されるものである。

発明を実施するための最良の形態

0009

先ず本発明にかかる炭酸銅及び酸化銅の製造方法を実施するための製造方法の1実施の形態の概略について図1により説明する。この実施の形態は、例えば1号銅線や2号銅線やこれらの、銅ナゲット(銅の塊)、伸銅品廃棄物等のいわゆる故銅と呼ばれる銅(Cu)を含む金属廃棄物(以下「銅含有金属系廃棄物」という)を塩化第二銅(CuCl2)水溶液に混合して溶解させて塩化第一銅(Cu2Cl2)溶液を得る塩化第一銅生成工程11と、前記塩化第一銅生成工程11にて得られた塩化第一銅を塩素化して塩化第二銅水溶液を生成する塩素化工程12と、こうして得られた塩化第二銅水溶液の一部に炭酸イオンを添加して中和反応を進行させて炭酸銅(CuCO3・Cu(OH)2)を得る炭酸銅生成工程13と、前記工程にて得られた炭酸銅を熱分解することにより酸化銅(CuO)を生成する酸化銅生成工程14と、より構成され、塩素化工程12により得られた塩化第二銅水溶液の残部は前記塩化第一銅生成工程に戻され、再び銅含有金属系廃棄物との反応による塩化第二銅水溶液の生成に用いられる。

0010

続いてこの方法を実施するための製造装置の一例の概略について図2及び図3により説明する。図中2は、前記塩化第一銅生成工程と、塩素化工程とが実施される反応槽2であり、ここには例えば銅濃度が3〜12重量%、塩酸(HCl)濃度が0〜10重量%の塩化第二銅の水溶液(以下「塩化第二銅水溶液」という)が貯留される第1のタンク21と、銅含有金属系廃棄物例えば銅ナゲットが貯留される第2のタンク22とから夫々供給ライン23、24を通じて、夫々所定量の銅含有金属系廃棄物と塩化第二銅水溶液が供給されると共に、塩素(Cl2)ガス供給手段25より所定量の塩素ガスが吹き込まれるようになっている。

0011

そしてこの反応槽2の内部において、前記塩化第二銅水溶液と銅含有金属系廃棄物と塩素ガスとを、例えば抵抗発熱体よりなる加熱手段26により例えば底部側から反応槽2内の反応液の温度が所定温度例えば30℃〜100℃の間で選ばれる温度例えば80度に加熱された状態で、撹拌手段27により所定時間撹拌しながら反応させる。

0012

図中31は反応槽2内の溶液の温度を検出するための例えばサーミスターよりなる温度検出部、32は反応槽2内の溶液の酸化還元電位を検出するための酸化還元電位計であり、これらの検出信号は制御部20に取り込まれる。また21a,22a,25aはバルブなどの流量調整部であり、これらは制御部20により制御されて、塩化第二銅水溶液、銅含有金属系廃棄物、塩素ガスの供給量が調整されるようになっていて、例えばxモルの塩化第二銅を含む塩化第二銅水溶液と、xモルの銅を含む銅含有金属系廃棄物とが供給されるようになっている。また流量調整部25aは、酸化還元電位計32の検出値に基づいて制御部20により制御されて、塩素ガスの供給開始や停止のタイミングが制御される。さらに温度検出部31の検出値に基づいて制御部20により加熱手段26の温度が制御される。

0013

上述の反応は次のように進行する。先ず(1)式のようにxモルの塩化第二銅を含む塩化第二銅水溶液にxモルの銅が溶解して塩化第二銅が塩化第一銅に還元する反応が進行してxモルの塩化第一銅が生成され、
CuCl2 +Cu →Cu2Cl2 (1)
続いて(2)式のようにxモルの塩化第一銅がxモルの塩素により塩素化される反応が進行して2xモルの塩化第二銅が生成され、2xモルの塩化第二銅ヲ含む塩化第二銅水溶液が得られる。

0014

CuCl2 +Cl2 →2CuCl2 (2)
従って反応槽2内の反応の終点では、反応槽2内の塩化第二銅溶液の銅濃度は第1のタンク21から反応槽2内に供給された塩化第二銅溶液の銅濃度よりも高くなる。ここで(2)式により得られた塩化第二銅水溶液は、既述のように炭酸銅生成工程13にて炭酸銅を得るために用いられるが、この炭酸銅の生成原料として用いられるためには、銅濃度が5〜16重量%程度であることが望ましく、このためには、銅濃度が3〜12重量%、塩酸濃度が0〜10重量%の塩化第二銅水溶液を用いることが望ましい。ここで塩酸を含む塩化第二銅水溶液を用いると、(1)式の反応で生成する塩化第一銅が析出しないという利点がある。これは塩化第一銅が塩酸に溶解してしまうという理由に基づくものである。なお塩化第二銅水溶液が塩酸を含まない場合には(1)式の反応により塩化第一銅が析出するが、塩素ガスを吹き込むことによりこの塩化第一銅は塩化第二銅となり、溶解度が高くなるので、反応の終点では結果として固体分の塩化第一銅は存在しない状態となる。またこの反応槽2内の反応液の温度は、銅が塩化第二銅に溶解する反応が温度により異なるという理由から60℃〜90℃程度の温度に設定することが望ましい。

0015

前記反応槽2内で行われる反応の終点は、反応液の酸化還元電位により決定される。つまり反応液の酸化還元電位は溶液中の塩化第一銅の量に依存し、(1)式の反応により溶液中の塩化第一銅が増えると溶液の酸化還元電位が次第にマイナス側となり、(2)式の反応により塩化第一銅が塩化第二銅に酸化されて塩化第一銅が無くなると、酸化還元電位は再び元の値に戻る。このため例えば銅含有金属系廃棄物と反応させる前の塩化第二銅水溶液の酸化還元電位を予め測定しておき、その後溶液の酸化還元電位を測定しながら反応槽2内において上述の反応を進行させ、反応槽2内の反応液の酸化還元電位が初めの塩化第二銅水溶液の酸化還元電位と同じ値になったときは、(1)の反応により生成した塩化第一銅が全て塩化第二銅に酸化されたときとなる。そこでこのタイミングで塩素ガスの供給を停止すると共に、供給ライン41の流量調整部41aを開いて濾過装置等の固液分離手段42に反応槽2内の反応液を供給し、反応液中の例えばCu含有廃棄物からくる不溶解残渣例えば有機物無機不溶塩等の固体成分と塩化第二銅水溶液からなる液体成分とを分離し、例えば銅濃度が11〜16重量%である塩化第二銅水溶液は供給ライン43の流量調整部43aを開いて塩化第二銅水溶液タンク5に貯留する。

0016

この塩化第二銅水溶液タンク5では、タンク5内の塩化第二銅水溶液の液量が例えばフロートなしスイッチよりなる液量計33によって検出されて制御部20に取り込まれ、例えばタンク5内の塩化第二銅水溶液が第1の液量例えば図中L1で示す第1の液量ライン以上のときには、流量調整部51aを開いて供給ライン51を介して炭酸銅生成工程を実施する中和反応槽6に供給する。一方タンク5内の塩化第二銅水溶液が第1の液量より少ないとき(第1の液量ラインL1より低いとき)には、循環供給ライン52を介してこのタンク5内の塩化第二銅水溶液を第1のタンク21に供給する。

0017

前記中和反応槽6には予め例えば純水が入っており、ここに、例えば図4に示すように塩化第二銅水溶液タンク5からの塩化第二銅水溶液と炭酸イオンを含む水溶液例えば炭酸濃度が7重量%である炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の水溶液とを、混合液のpHが6.0〜9.0好ましくはpH6.5〜8.0から選ばれる所定の設定値となるように、夫々供給ライン51,61を通じて投入すると共に、撹拌手段62により所定時間撹拌して反応させる。

0018

34は反応槽1内の溶液のpH(水素イオン濃度)を検出するpH検出部、35は反応槽1内の溶液の温度を検出する温度検出部であり、これらの検出信号は制御部20に取り込まれる。前記供給ライン51,61には流量調整部51a,61aが設けられており、pH検出部34のpH検出値が所定の値となるように流量調整部51a,61aを調整して塩化第二銅水溶液と炭酸ナトリウム水溶液との供給量を調整する。

0019

そして中和反応槽6内に設けられた散気管などからなるバブリング手段63により加熱された水蒸気スチ−ム)を混合液にバブリングして混合液を75℃〜90℃から選ばれる設定温度となるように加熱し、こうして例えば2時間反応させる。混合液の加熱制御は、前記温度検出部35の検出信号に基づいて制御部20を介して、例えば蒸気ライン64に設けられたバルブ65の開度を調整することにより行われる。

0020

上述の反応は次のように進行する。先ず(3)式のように炭酸銅が生成され、
Na2 CO3 +CuCl2 →CuCO3 +2NaCl (3)
続いて(4)式のように炭酸銅が水和して塩基性炭酸銅の二水塩が生成され、
CuCO3 +3/2H2 O→1/2{CuCO3 ・Cu(OH)2・2H
2 O}+1/2CO2 (4)
更に(5)式のように上記の二水塩から水が抜け、無水の塩基性炭酸銅が生成される。

0021

CuCO3 ・Cu(OH)2・2H2 O→CuCO3 ・Cu(OH)2+2
H2 O (5)
こうして塩基性炭酸銅が析出生成されて粉体となって沈殿する。そしてバルブ6aを開いて沈殿物であるスラリ−を抜き出して遠心分離機66に送り、ここで遠心分離により固形分を母液から分離し、その固形分を乾燥機67に入れて乾燥し、塩基性炭酸銅の粉体を得る。

0022

中和反応槽6における反応条件のうちpHについては、混合液のpHが6.0よりも低いと、得られた塩基性炭酸銅中の塩素濃度が大きくなり、pHが9.0よりも高いと、一部が酸化銅になってしまい、またアルカリの使用量が多くなってしまうので6.0〜9.0であることが必要である。

0023

また中和反応槽6における反応温度(混合液の温度)については、70℃以下においても、反応時間を長く取ることにより塩基性炭酸銅中の塩素濃度は減少すると考えられるが、本発明者が基準としている濃度よりも小さくするためには8時間反応させても達成できないことが認められており、相当長い時間かかると推測され、工業的な条件ではない。これに対して75℃であれば、例えば1.5時間以上反応させることにより塩素濃度を十分小さくすることができることが確認されている。前記塩素濃度は反応時間が同じであれば、反応温度を高くするにつれて減少する傾向にあるが、95℃を越えるとこの手法では塩素濃度が高くなってしまうことが認められている。反応温度を目標値となるように制御しても実際にはわずかに変動することが避けられないので、反応温度つまり目標値は75℃以上で90℃以下であることが好ましい。

0024

塩基性炭酸銅の原料である炭酸イオン源としては炭酸ナトリウムの他に炭酸水素ナトリウム炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、または炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩あるいは炭酸アンモニウム((NH4)2 CO3 )などを用いることができる。

0025

次いでこうして得られた塩基性炭酸銅を用いてメッキ用酸化銅を製造する場合について説明する。前記粉体である前記塩基性炭酸銅を加熱炉、例えばロ−タリキルン7に供給し、ここで例えば230℃以上で830℃以下の温度好ましくは400℃〜600℃に加熱して熱分解する。この例では加熱炉として、管軸回転軸として回転する例えばステンレス製回転管71を僅かに傾斜して設け、この回転管71の周囲をヒ−タ72により囲み、回転管71を回転させることにより塩基性炭酸銅の粉体を移送するロ−タリキルンを用いている。このようにして塩基性炭酸銅を加熱すれば加熱雰囲気還元雰囲気にならない。塩基性炭酸銅を直接バ−ナで加熱しない理由は、還元雰囲気にすると、炭酸銅そのものや炭酸銅が酸化銅に分解された後、一部が還元されて亜酸化銅(Cu2 O)や金属銅(Cu)を生成してしまうので、これを避けるためである。

0026

金属銅は、酸化銅を銅メッキ材料として使用する場合に電解液である硫酸に溶解しないか溶解し難く、不溶解残渣となり新たなろ過設備が必要となる。また金属銅や亜酸化銅ができると、メッキ浴中への補給銅量が一定とならず、メッキ品品質がばらついてしまう。従って塩基性炭酸銅を加熱するときには還元雰囲気にしないことが必要である。

0027

また加熱温度については、230℃であれば例えば2時間程度加熱することにより酸化銅が得られるが,200℃では熱分解しない。220℃では示差熱分析においても熱分解しきれていないことを把握していることから、230℃以上で加熱することが必要であるが、熱分解の時間を短くして生産効率を高くするためには350℃以上特に400℃以上であることが好ましい。830℃を越えると、得られる酸化銅の酸やアミンに対する易溶解性が小さくなってしまうので830℃以下であることが必要である。更により易溶解性の大きな酸化銅を得ようとすると600℃以下にすることが好ましい。

0028

このようにして酸化銅を得た後、この酸化銅を洗浄液である純水の入った洗浄槽73内に投入し、撹拌手段74により撹拌して水洗する。そしてバルブ73aを開いて水と酸化銅との混合スラリ−を洗浄槽73から抜き出し、遠心分離機75またはろ過機により水分を飛ばしてから乾燥機76で乾燥させ、粉体である酸化銅を得る。洗浄液としては蒸留水イオン交換水などの純水を用いることができるが、その他それより不純分が少ない水、例えば超純水などを用いることもできる。

0029

以上において各反応槽や濾過装置等を結ぶ供給ラインに設けられる流量調整部はバルブやマスフローコントローラ等を備えており、これらは制御部20により制御されて、供給の開始や停止のタイミング、流量などが制御されるようになっている。また図2,3,4中の供給ラインには図示の便宜上前工程の反応槽等から次工程に溶液を供給するためのポンプを省略してあるが、ポンプは適宜設けられている。

0030

続いて本実施の形態の特徴的な部分について説明する。この実施の形態では、塩化第二銅水溶液タンク5の塩化第二銅水溶液の液量を検出し、このタンク内5に貯留されている塩化第二銅水溶液の液量が十分に多い場合には、反応槽2内における塩化第二銅水溶液の生成反応を行わず、タンク5内に貯留されている塩化第二銅水溶液の液量が少ない場合には、反応槽2において塩化第二銅水溶液の生成反応を行うことを特徴の一つとしている。

0031

つまり塩化第二銅水溶液タンク5内の塩化第二銅水溶液の液量が第1の液量よりも少なくなったときには、例えば供給ライン51への塩化第二銅水溶液の供給を続けたまま、循環供給ライン52によりこのタンク5内の塩化第二銅水溶液を第1のタンク21に供給し、この第1のタンク21を介して反応槽2に所定量の塩化第二銅水溶液を供給する。例えばこの例では塩化第二銅水溶液タンク5から戻された塩化第二銅水溶液の量と同量の塩化第二銅水溶液が第1のタンク21から反応槽2に供給されるように流量調整部23aが制御される。

0032

そして反応槽2に所定量の銅含有金属系廃棄物、所定の流量の塩素ガスを供給するように夫々流量調整部22a,25aを制御し、反応槽2内の反応液の温度や塩素ガスの供給停止のタイミングを制御しながら、ここで既述のように塩化第二銅水溶液を生成し、得られた塩化第二銅水溶液を濾過装置42を介して塩化第二銅水溶液タンク5に送液する。

0033

この塩化第二銅水溶液生成反応を例えば塩化第二銅水溶液タンク5内の塩化第二銅水溶液の液量が第1の液量よりも多い第2の液量(第2の液量ラインL2)を越えたときに、循環供給ライン52への塩化第二銅水溶液の供給を停止するように流量調整部52aを制御して、反応槽2内での塩化第二銅水溶液生成反応を停止する。

0034

ここで第1の液量及び第2の液量、供給ライン51や循環供給ライン52への塩化第二銅水溶液の供給流量(供給速度)、反応槽2からの濾過装置42への反応液の供給流量、濾過装置42から塩化第二銅水溶液タンク5への塩化第二銅水溶液の供給流量は例えば実験等により予め適宜決定されるものであり、例えば第1の液量及び第2の液量は、供給ライン51や循環供給ライン52への塩化第二銅水溶液の供給流量(供給速度)や、反応槽2内での反応時間、濾過後の塩化第二銅水溶液の塩化第二銅水溶液タンク5への供給流量等を考慮して決定される。このうち第1の液量は、例えば中和反応槽6での炭酸銅生成反応が原料となる塩化第二銅水溶液を待つ状態がないように、供給ライン51への塩化第二銅水溶液の供給を継続して行うことができる液量に設定され、第2の液量は反応槽2での塩化第二銅水溶液生成反応を行わずに中和反応槽6にて炭酸銅生成反応を所定回数行うことが出来る量に設定される。

0035

この実施の形態では、反応槽2ではxモルの塩化第二銅から2xモルの塩化第二銅を得る反応が行われ、ここで塩化第二銅の増量化が図られる。このため生成した塩化第二銅を含む塩化第二銅水溶液のうちの一部を炭酸銅等の生成に用い、残部を新たな塩化第二銅の生成に用いれば、炭酸銅等の原料となる塩化第二銅水溶液として系外から新たな塩化第二銅水溶液を供給する必要がない。つまり反応槽2内にて塩化第二銅を生成する場合、初回のみ例えばエッチング廃液等の塩化第二銅水溶液を投入すれば、次回からはこのシステムにより生成した塩化第二銅水溶液を用いればよい。このようにこの例では系内で塩化第二銅の増量化を図ることにより系外からの塩化第二銅水溶液の省量化を図ることができるので、製造コストの増大を防ぐことができる。

0036

この際反応槽2では塩化第二銅の増量化が図られるため得られる塩化第二銅水溶液の銅濃度が高くなるが、予め純水と混合することにより炭酸銅の生成に適した銅濃度の塩化第二銅水溶液に調整して中和反応槽6へ供給するようにしてもよいし、中和反応槽6への供給量の制御により銅濃度の調整を行うようにしてもよい。また反応槽2に戻される塩化第二銅水溶液についても、反応槽2へ供給される途中で銅濃度を調整するようにしてもよいし、反応槽2内への供給量の制御により銅濃度の調整を行うようにしてもよい。

0037

また塩化第二銅水溶液タンク5内の液量を検出して、この液量が少なくなったときに、次回の炭酸銅の生成に間に合うように反応槽2内にて塩化第二銅水溶液の生成反応を行うようにしているので、炭酸銅の原料となる塩化第二銅水溶液が足りなくなるという状態がない。このため原料となる塩化第二銅水溶液の生成を待って炭酸銅の生成を行うという状態を回避できるので、炭酸銅生成のスループットが高められる。また塩化第二銅溶液の生成反応は、常に行われるのではなく、必要なときにのみ行われるので、当該反応槽2の反応に要する稼働コストを低下させることができる上、液量のコントロールも容易となる。

0038

またこの例では塩化第二銅水溶液タンク5内の液量に基づいて、循環供給ライン52からの反応槽2への塩化第二銅水溶液の供給流量や第2のタンク22からの銅含有金属系廃棄物の供給量、塩素ガス供給手段25からの塩素ガスの供給流量等を自動的に制御するようになっているので、作業者の手間や時間が短縮され、作業を容易に行うことができる。

0039

以上においてこの例では、塩化第二銅水溶液タンク5内の塩化第二銅水溶液の液量が第1の液量よりも少なくなったときには、例えば供給ライン51への塩化第二銅水溶液の供給を停止した状態で、循環供給ライン52によりこのタンク5内の塩化第二銅水溶液を第1のタンク21に供給し、反応槽2内にて塩化第二銅水溶液の生成反応を行うようにし、塩化第二銅水溶液タンク5内の液量が第1の液量以上になったときに供給ライン51への供給を開始するようにしてもよい。

0040

また予め塩化第二銅水溶液タンク5からの中和反応槽6と、第1のタンク21への塩化第二銅水溶液の供給量を決定しておき、塩化第二銅水溶液タンク5にて塩化第二銅水溶液の液量を検出せずに、当該タンク5内の塩化第二銅水溶液のうちの一部を供給ライン51により中和反応槽6に供給し、当該タンク5内の塩化第二銅水溶液のうちの残部を循環供給ライン52により第1のタンク21に供給するように、流量調整部51a,52aを制御してもよい。

0041

さらに第1のタンク21には例えばエッチング廃液を投入できるようにし、塩化第二銅水溶液タンク5内の塩化第二銅水溶液の量が少なくなった場合には、反応槽2に第1のタンク21を介してエッチング廃液を供給して塩化第二銅水溶液の生成反応を行うようにしてもよいし、第1のタンク21にも液量検出計を設け、必要な量の塩化第二銅水溶液のみを塩化第二銅水溶液タンク5から循環供給するようにしてもよい。さらにまた本発明では、塩化第二銅水溶液タンク5内の塩化第二銅水溶液は炭酸銅生成反応のみに用いるようにしてもよい。

0042

また上述の例では、反応槽2内にて溶解反応塩素化反応とを行うようにしたが、溶解反応を行う反応槽と塩素化反応を行う反応槽とを別々に用意するようにしてもよいし、例えば反応槽2と濾過装置42との間の供給ライン41に塩素ガスを供給できるようにして、塩素化反応は供給ライン41の途中で行うようにしてもよい。さらに塩化第二銅水溶液タンク5からの塩化第二銅水溶液は第1のタンク21ではなく、直接反応槽2内に循環供給されるようにしてもよい。

0043

ここで上述の炭酸銅又は酸化銅を銅メッキ材料の補給材として用いた銅メッキ方法を実施する装置の一例を図5に示しておく。図5中8はメッキ浴槽であり、この中に電解液である硫酸に炭酸銅を溶解したメッキ液又は電解液である硫酸に酸化銅を溶解したメッキ液が満たされていると共に、直流電源Eの正極側に接続された不溶性陽極81例えばチタン板白金属の白金、イリジウムを7:3の割合でコーディングしたものと、直流電源Eの負極側に接続された陰極である被メッキ材82例えば被メッキ用金属板とが浸漬されている。83は溶解槽であり、メッキ浴槽8内の銅イオンが少なくなってきたときに、補給源であるホッパ84から炭酸銅又は酸化銅の粉体を溶解槽83内に所定量補給し、撹拌手段85により撹拌して硫酸に溶解させた後、ポンプP1,P2を作動させてメッキ浴循環させ、その後次の銅メッキ処理を行う。Fはフィルタである。

0044

上述の実施の形態によって生成された炭酸銅は塩素濃度が例えば100ppm以下と低い。また酸化銅の原料となる炭酸銅に含まれるClイオンやNaイオンは、炭酸銅を熱分解して酸化銅に変えた後に洗浄すると低減することが認められており、特にClイオンは10ppm以下まで減少できることが判っている。このため炭酸銅や酸化銅を銅メッキ材料として用いると、メッキ浴中の不純物濃度が管理上の上限に達するまでの時間が長くなるので、建浴に至るまでの時間が長くなり、大幅なコストダウンを図ることができる。

0045

さらに上述の実施の形態によって生成された酸化銅は易溶解性が大きく、また還元雰囲気で熱分解していないため、亜酸銅や金属銅といった不溶解残渣の生成が抑えられ、酸化銅を銅メッキ材料として使用する場合にフィルタにほとんど負荷がかからないと共に、銅メッキ浴中の銅イオン濃度が安定する。

0046

図1に示す反応槽2に対応する実験レベルの反応槽2として2リットルビーカーを用い、このビーカー内に予め酸化還元電位が790mVの銅濃度10.9重量%、塩酸濃度7.9重量%の塩化第二銅廃液1500gを入れておき、液温度を80℃に保持して、ここに銅含有金属系廃棄物90gを添加して撹拌した。そして反応温度を一定に保持するようにヒ−タで加温し、撹拌しながら液の酸化還元電位の値が790mVになるまで液中に塩素ガスを供給し、これを固液分離して塩化第二銅水溶液を得た。

0047

こうして得られた塩化第二銅水溶液の銅濃度及び塩酸濃度を測定したところ、銅濃度は15.0重量%、塩酸濃度は7.0重量%であった。なおこの場合の塩素ガスの供給量は約101gであった。

0048

この実施例より銅濃度が10.9重量%から15.0重量%に高くなることが認められ、新たに塩化第二銅水溶液が生成されていることが認められた。また塩酸濃度が7.9重量%から7.0重量%に低下しているのは、銅の添加と塩素の吹き込みのためである。

発明の効果

0049

以上のように本発明によれば、xモルの塩化第二銅を含む塩化第二銅水溶液とxモルの銅とにより2xモルの塩化第二銅を含む塩化第二銅水溶液を得、この塩化第二銅水溶液を原料として炭酸銅や酸化銅を得ているので、原料となる塩化第二銅水溶液の省量化を図ることができる。また本発明により得られた炭酸銅や酸化銅を銅メッキ材料を用いることにより、建浴に至るまでの時間が長くなり、大幅なコストダウンを図ることができる。

図面の簡単な説明

0050

図1本発明の炭酸銅及び酸化銅の製造方法の実施の形態を示す説明図である。
図2本発明の炭酸銅及び酸化銅の製造方法の実施するための製造装置の一例を示す構成図である。
図3前記炭酸銅及び酸化銅の製造装置の一部分を示す構成図である。
図4前記炭酸銅及び酸化銅の製造装置の他の一部分を示す構成図である。
図5本発明により得られた塩基性炭酸銅を用いてメッキするときに使用されるメッキ処理装置の一例を示す構成図である。

--

0051

2反応槽
20 制御部
21 第1のタンク
22 第2のタンク
23塩化第二銅溶液の供給ライン
24銅含有金属系廃棄物の供給ライン
32酸化還元電位計
33液量計
5 塩化第二銅水溶液タンク
51 供給ライン
52循環供給ライン
6中和反応槽
66,75遠心分離器
67,76乾燥機
7 ロータリーキルン

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