図面 (/)

技術 積層ゴム支承

出願人 川口金属工業株式会社
発明者 杉沢充濱田由記
出願日 2001年12月12日 (18年6ヶ月経過) 出願番号 2001-377993
公開日 2003年6月27日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-176851
状態 未査定
技術分野 基礎 建築構造一般 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置
主要キーワード 初期トリガ 調整用ライナー 押え板部材 押えフレーム 変位調整 ジャッキ受け 部材強度 地震時変位
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年6月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

部材形状を小さくして、用途上無駄な空間を減少するとともに、形状を単純化し、部材数および溶接量を低減し、積層ゴム点検および、取替え時の作業が簡単に行えるようにする。

解決手段

上部構造体10に固定される束部材1の下部に周囲に張り出すようにして設けられると共に、下部構造体8に固定した積層ゴムアイソレータ3の上部に固着された引き抜き抵抗板2と、積層ゴムアイソレータ3の周囲に配置し下部構造体に固着した外周リング5と、外周リング5の上端に設けた、引き抜き抵抗板2の上動を阻止する押え板4とにより構成される積層ゴム支承において、外周リング5および押え板4からなる抵抗板押え部材37aが分割線37aを介して平面的に複数分割され、分離・移動が可能に設けられている。

概要

背景

引き抜き防止機構付き積層ゴム支承は、建物の上に架かるトラス束材支点)に使用される。この場合、積層ゴム支承に必要な機能は、トラス自体の地震時の動きと、2つの建物の相対変位を吸収すること(これは、温度変化によるトラスの伸縮を含む。)である。また、積層ゴム支承には、上部構造物吹き上げによる引き抜き荷重がかかるので、これに対する引き抜き防止機構も必要となる。なお、前記において、支点の荷重は250kN/ヶ所位、引き抜き荷重も250kN位である。トラス相互の地震時変位は8cm位、これに積層ゴム支承装置自体の地震時変位10cmが加算される。

従来、引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の場合、建物を支持する鋼管製の束材の下部に積層ゴムを設置すると共に、束材の下部と積層ゴムの上部とを引き抜き抵抗板を介して結合し、さらに、積層ゴムの周辺外周リング又は支持梁を配置し、外周リングの上部に設けた押え板や、支持梁の上端に設けたH型鋼片持ち梁にて前記引き抜き抵抗板を取囲むように配置することで引き抜き防止機構を構成し、地震などで前記引き抜き防止機構に引き抜き力が発生した時に、上部構造体が浮き上がることを抑制している。

図16によって引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の第1従来例を説明すると、支持杭22の上端にフーチング23が構築されると共に、このフーチング23に積層ゴムアイソレータ24が載置され、その積層ゴム24aの下部板25がフーチング23に植設されたアンカー部材26で固着されている。また、積層ゴム24aの上端に固着した引き抜き抵抗板30が、積層ゴム24aの上部支持板30aを兼用している。

引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)には鋼管製の束材21の下端溶接されると共に、この束材21の上端縁にはフランジ状取付け板21aが固着されており、取付け板21aと柱27の下端に設けた柱部ベースプレート35とがボルトナット36で結合されている。このようにしてH形鋼からなる柱27および梁28が組まれてなる鉄骨柱29は、その直下に配置されている積層ゴムアイソレータ24で支持されている。

そして、引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)は、低摩擦摺動部材31の下面に取付けた押え板26の下部に位置して、その上動を拘束している。押え板26は、外周鋼管からなる脚部材34の上端に固着されており、脚部材34の下端に固着されたベースプレート32は、アンカー部材33によってフーチング23の上面に固着されている。

前記構成よると、地震時建造物に上揚力が作用し、それに伴い積層ゴムアイソレータ24に引き抜き力が作用したとき、当該積層ゴムアイソレータ24の引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)の上動が押え板26で拘束されるので、その引抜きが防止される。また、押え板26は、防火カバーを兼用しており、万一火災が発生したとき押え板26が防火カバーとなって、火が積層ゴム24に及び焼損する恐れを防止できる。さらに、積層ゴムアイソレータ24は、地震時に働く水平力に対しても、せん断変形とその復元力により減衰させる機能を有している。

次に、図17〜図19によって引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の第2従来例を説明すると、上部構造体10の下端部に束材1を介して引き抜き抵抗板2が接合されている。引き抜き抵抗板2の下部には、積層ゴムアイソレータ3が設置されていて、積層ゴム3aに一体的に固着した上プレート13と引き抜き抵抗板2とは高さ調整用ライナープレート16を介在させボルト12で結合されている。また、積層ゴムアイソレータ3は、積層ゴム3aに一体に固着の下プレート13を介して、ボルトナット12によりアンカープレート7に固着されており、アンカープレート7は下部構造体8にスタッド9などにより結合される。

アンカープレート7上には、平面90度間隔でベースプレート19が設置され、各ベースプレート19上にはH形鋼製の柱材17が立設されていて、柱材17の上端に押えフレーム梁材18が片持ち状態で固着され、引き抜き抵抗板2の上部を4方から取囲むように設けられている。

この第2従来例においても、地震時建造物に上揚力が作用し、積層ゴム3aに引き抜き力が作用したとき、当該積層ゴム3aの引き抜き抵抗板2(=上部支持板30a)の上動が押えフレームの梁材18で拘束されるので、その引抜きが防止される。また、積層ゴム3aは、地震時に働く水平力に対しても、せん断変形とその復元力により減衰させる機能を有している。

前記引き抜き防止機構付き積層ゴム支承は、つぎの改良すべき点を有している。

すなわち、第1従来例、第2従来例の引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の場合、束材21、1の下部に積層ゴム24a、3aを設置し、積層ゴム24a、3aの上部の引き抜き抵抗板30、2を押え板26又は、H型鋼の片持ち梁からなる押えフレームの梁材18で取囲んで押え、上部構造体10が浮き上がることを抑制している。

しかし、前記の従来の方法は、部材形状が大きくなり、用途上、無駄な空間が増加する。形状が複雑で、デザイン性欠ける。部材数および部材同士の溶接量が増え、高い加工精度が要求される。変位調整用装置が取付け難い。積層ゴムの点検および、取替え時の作業が大掛かりになる等の欠点があった。

概要

部材形状を小さくして、用途上無駄な空間を減少するとともに、形状を単純化し、部材数および溶接量を低減し、積層ゴムの点検および、取替え時の作業が簡単に行えるようにする。

上部構造体10に固定される束部材1の下部に周囲に張り出すようにして設けられると共に、下部構造体8に固定した積層ゴムアイソレータ3の上部に固着された引き抜き抵抗板2と、積層ゴムアイソレータ3の周囲に配置し下部構造体に固着した外周リング5と、外周リング5の上端に設けた、引き抜き抵抗板2の上動を阻止する押え板4とにより構成される積層ゴム支承において、外周リング5および押え板4からなる抵抗板押え部材37aが分割線37aを介して平面的に複数分割され、分離・移動が可能に設けられている。

目的

本発明は、前記の欠点に鑑みて提案するもので、
(1)積層ゴム支承装置の高さを抑え、コンパクトな装置を得る。
(2)積層ゴム支承の体形状シンプルにして、デザイン性を高める。
(3)装置の部材数を減らし、溶接量を最小限にして、溶接歪みの発生を抑えるとともに、工程を簡単にし、経済性を高める。
(4)変位調整用のジャッキの併設を可能にする。
(5)装置の点検が容易に行えるようにする。
(6)水平ジャッキ方向の過大な変位を抑制するストッパーを兼用する。
以上、(1)〜(6)が、本発明の課題である。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

上部構造体に固定される束部材の下部に周囲に張り出すようにして設けられると共に、下部構造体に固定した積層ゴムアイソレータの上部に固着された引き抜き抵抗板と、積層ゴムアイソレータの周囲に配置し下部構造体に固着した外周リングと、外周リングの上端に設けた、前記引き抜き抵抗板の上動を阻止する押え板とにより構成される引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承において、前記外周リングおよび押え板からなる抵抗板押え部材が平面的に複数分割され、分離・移動が可能に設けられていることを特徴とする積層ゴム支承。

請求項2

請求項1記載の構成において、押え板の上部に水平ジャッキを設置したことを特徴とする引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承。

請求項3

請求項1記載の構成において、外周リングの壁面に開口部を形成したことを特徴とする引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承。

請求項4

請求項1記載の構成において、二分割された抵抗板押え部材を、間隔をあけて設置したことを特徴とする引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承。

請求項5

請求項1記載の構成において、外周リングと押え板の接合および、外周リングとベースプレートの接合を、ボルト接合にしたことを特徴とする引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承。

請求項6

請求項1記載の外周リング及び押え板に代えて設けた支持梁及びその上端に接合の押え梁により構成される引き抜き抵抗機構を持つ積層ゴム支承において、前記押え梁に水平ジャッキを設置することを特徴とする引き抜き防止機構を持つ積層ゴム支承。

技術分野

0001

本発明は、土木建築および機械の分野において、地震台風などの動的荷重を受けて振動する構造物振動抑制装置積層ゴム支承)およびその構成部材に関する。

背景技術

0002

引き抜き防止機構付き積層ゴム支承は、建物の上に架かるトラス束材支点)に使用される。この場合、積層ゴム支承に必要な機能は、トラス自体の地震時の動きと、2つの建物の相対変位を吸収すること(これは、温度変化によるトラスの伸縮を含む。)である。また、積層ゴム支承には、上部構造物吹き上げによる引き抜き荷重がかかるので、これに対する引き抜き防止機構も必要となる。なお、前記において、支点の荷重は250kN/ヶ所位、引き抜き荷重も250kN位である。トラス相互の地震時変位は8cm位、これに積層ゴム支承装置自体の地震時変位10cmが加算される。

0003

従来、引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の場合、建物を支持する鋼管製の束材の下部に積層ゴムを設置すると共に、束材の下部と積層ゴムの上部とを引き抜き抵抗板を介して結合し、さらに、積層ゴムの周辺外周リング又は支持梁を配置し、外周リングの上部に設けた押え板や、支持梁の上端に設けたH型鋼片持ち梁にて前記引き抜き抵抗板を取囲むように配置することで引き抜き防止機構を構成し、地震などで前記引き抜き防止機構に引き抜き力が発生した時に、上部構造体が浮き上がることを抑制している。

0004

図16によって引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の第1従来例を説明すると、支持杭22の上端にフーチング23が構築されると共に、このフーチング23に積層ゴムアイソレータ24が載置され、その積層ゴム24aの下部板25がフーチング23に植設されたアンカー部材26で固着されている。また、積層ゴム24aの上端に固着した引き抜き抵抗板30が、積層ゴム24aの上部支持板30aを兼用している。

0005

引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)には鋼管製の束材21の下端溶接されると共に、この束材21の上端縁にはフランジ状取付け板21aが固着されており、取付け板21aと柱27の下端に設けた柱部ベースプレート35とがボルトナット36で結合されている。このようにしてH形鋼からなる柱27および梁28が組まれてなる鉄骨柱29は、その直下に配置されている積層ゴムアイソレータ24で支持されている。

0006

そして、引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)は、低摩擦摺動部材31の下面に取付けた押え板26の下部に位置して、その上動を拘束している。押え板26は、外周鋼管からなる脚部材34の上端に固着されており、脚部材34の下端に固着されたベースプレート32は、アンカー部材33によってフーチング23の上面に固着されている。

0007

前記構成よると、地震時建造物に上揚力が作用し、それに伴い積層ゴムアイソレータ24に引き抜き力が作用したとき、当該積層ゴムアイソレータ24の引き抜き抵抗板30(=上部支持板30a)の上動が押え板26で拘束されるので、その引抜きが防止される。また、押え板26は、防火カバーを兼用しており、万一火災が発生したとき押え板26が防火カバーとなって、火が積層ゴム24に及び焼損する恐れを防止できる。さらに、積層ゴムアイソレータ24は、地震時に働く水平力に対しても、せん断変形とその復元力により減衰させる機能を有している。

0008

次に、図17図19によって引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の第2従来例を説明すると、上部構造体10の下端部に束材1を介して引き抜き抵抗板2が接合されている。引き抜き抵抗板2の下部には、積層ゴムアイソレータ3が設置されていて、積層ゴム3aに一体的に固着した上プレート13と引き抜き抵抗板2とは高さ調整用ライナープレート16を介在させボルト12で結合されている。また、積層ゴムアイソレータ3は、積層ゴム3aに一体に固着の下プレート13を介して、ボルトナット12によりアンカープレート7に固着されており、アンカープレート7は下部構造体8にスタッド9などにより結合される。

0009

アンカープレート7上には、平面90度間隔でベースプレート19が設置され、各ベースプレート19上にはH形鋼製の柱材17が立設されていて、柱材17の上端に押えフレーム梁材18が片持ち状態で固着され、引き抜き抵抗板2の上部を4方から取囲むように設けられている。

0010

この第2従来例においても、地震時建造物に上揚力が作用し、積層ゴム3aに引き抜き力が作用したとき、当該積層ゴム3aの引き抜き抵抗板2(=上部支持板30a)の上動が押えフレームの梁材18で拘束されるので、その引抜きが防止される。また、積層ゴム3aは、地震時に働く水平力に対しても、せん断変形とその復元力により減衰させる機能を有している。

0011

前記引き抜き防止機構付き積層ゴム支承は、つぎの改良すべき点を有している。

0012

すなわち、第1従来例、第2従来例の引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の場合、束材21、1の下部に積層ゴム24a、3aを設置し、積層ゴム24a、3aの上部の引き抜き抵抗板30、2を押え板26又は、H型鋼の片持ち梁からなる押えフレームの梁材18で取囲んで押え、上部構造体10が浮き上がることを抑制している。

0013

しかし、前記の従来の方法は、部材形状が大きくなり、用途上、無駄な空間が増加する。形状が複雑で、デザイン性欠ける。部材数および部材同士の溶接量が増え、高い加工精度が要求される。変位調整用装置が取付け難い。積層ゴムの点検および、取替え時の作業が大掛かりになる等の欠点があった。

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、前記の欠点に鑑みて提案するもので、
(1)積層ゴム支承装置の高さを抑え、コンパクトな装置を得る。
(2)積層ゴム支承の体形状シンプルにして、デザイン性を高める。
(3)装置の部材数を減らし、溶接量を最小限にして、溶接歪みの発生を抑えるとともに、工程を簡単にし、経済性を高める。
(4)変位調整用のジャッキの併設を可能にする。
(5)装置の点検が容易に行えるようにする。
(6)水平ジャッキ方向の過大な変位を抑制するストッパーを兼用する。
以上、(1)〜(6)が、本発明の課題である。

課題を解決するための手段

0015

前記の課題を解決するため、本発明は、次のように構成する。

0016

[請求項1記載の発明]図1図4が請求項1に対応し、上部構造体10の下端部に、束材1を介して引き抜き抵抗板2が接合されている。引き抜き抵抗板2の下部には、積層ゴムアイソレータ3が設置されている。積層ゴムアイソレータ3は、アンカープレート7を介して下部構造体8にスタッド9などにより結合される。引き抜き抵抗板2の上部には、中央部に開口39を持つ押え板4が引き抜き抵抗板2との間に鉛直方向の隙間を持って設置される。

0017

押え板4は、外周リング5に結合され、外周リング5の下部にはベースプレート6が結合され、ベースプレート6はアンカープレート7を介してスタッド9などにより下部構造体8に結合される。

0018

外周リング5、押え板4およびベースプレート6から構成される部材(この3部材を抵抗板押え部材37という)は、平面的に二分割される。そして、二分割された押え板4は、分割線37aを介してそれぞれ二分割された外周リング5に個別に固着され、二分割された外周リング5は、それぞれ二分割されたベースプレート6に固着され、二分割されたベースプレート6は、それぞれアンカープレート7にボルトナット12で固着されている。したがって、ボルトナット12を外すことにより、外周リング5、押え板4およびベースプレート6から構成される抵抗板押え部材37を、分割線37aから左右(水平方向)に分離して取り外すことができ、上部構造体10が邪魔にならないので、積層ゴムアイソレータ3の点検・取替えを容易に行うことがきる。

0019

引き抜き抵抗板2は、外周リング5との間に水平方向の空隙38を持つ。また、押え板4の中央開口部は、束材(支点)1との間に水平方向の空隙39を持つ。これら空隙38、39により、上部構造体10と下部構造体8との間に相対変位が生じた場合に、積層ゴムアイソレータ3がせん断変形することができる余裕が生じ、変位を吸収できる。

0020

外周リング5および押え板4の外形は、円形矩形または正八角形などの対称形である。積層ゴム3は、鉛プラグ入り積層ゴムまたは高減衰ゴムによる積層ゴムを使用することにより、ダンパー機能を兼用できる。ダンパー機能を必要としない場合は、天然ゴム系の積層ゴムを使用できる。外周リング5は、引き抜き抵抗板2の水平方向移動を抑制し、過大な水平変形を生じることを防ぐ。

0021

[請求項2記載の発明]同じく図1図4が請求項2に対応し、請求項1の構成に加えて、押え板4の上部に、水平ジャッキ11を設置する。地震後に、束材(支点)1が残留変位を生じている場合に、この水平ジャッキ11を用いて、束材(支点)1を押して位置の修正を行う。

0022

[請求項3記載の発明]同じく図1図4が請求項3に対応し、請求項1、2の構成に加えて、外周リング5の壁面に開口部14を設置する。この開口部14により、内部の点検および清掃を行うことができる。開口部が壁面であるため、開口部14の位置・形状をバランスよくすることにより、装置として必要な強度を容易に確保できる。

0023

[請求項4記載の発明]図5図8が請求項4に対応し、請求項1〜3の構成に加えて、押え板4、外周リング5およびベースプレート6からなる抵抗板押え部材37の2分割部材を、間隔40を空けて向い合せて設置する。これにより、間隔40の間隙を利用して抵抗板押え部材37の内部の点検および清掃を容易に行うことができる。積層ゴムアイソレータ3の高さが小さい場合などに、効果的である。

0024

[請求項5記載の発明]図9図12が請求項5に対応し、請求項1〜4の構成に加えて、外周リング5と押え板4および外周リング5とベースプレート6との各部材の接合部に溶接を用いず、全てボルト12による接合とする。

0025

ボルト接合とすることで、つぎの、の作用が奏される。
溶接が不要となり、作業工程が簡明になる。溶接歪の発生がなく、寸法精度が向上し、かつ生産性が上昇して、経済効果が高い。建設地で、押え板4のみを外して、点検・清掃を行うことができる。外周リング5の材料としては、厚肉鋼管または、厚板が考えられるが、ボルト接合をするために外周リング5の厚みが増加する。その結果として、装置全体の強度が増加する。

0026

さらに、押え板4の分割方向を、外周リング5の分割方向と直角に交差させることにより、装置全体の剛性を増加させることができる。

0027

[請求項6記載の発明]図9図12が請求項6に対応し、在来工法の、片持ち梁方式の場合において、片持ちの押えフレームの梁材20に水平ジャッキ11を内蔵する。これにより水平ジャッキ11の設置スペースを別に設置する必要が無くなり、経済的である。水平ジャッキ11は、4方向全てに取付ける必要は無く、通常、直交する2方向となる位置に配置すればよい。

発明を実施するための最良の形態

0028

本発明の実施形態を説明する。

0029

図1図4は、請求項1、2および3に対応する、実施形態1を示し、図1は装置の正面外観図、図2図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B矢視図、図4図2のC−C断面図である。

0030

各図の構成を説明すると、上部構造体10(従来例の図19における柱27と梁28を含む鉄骨柱29を略図的に示している)を支持する支点部材の一例としての束材1の下端に、引き抜き抵抗板2が結合されている。引き抜き抵抗板2の下部には、積層ゴム3aによる積層ゴムアイソレータ3が設置される。積層ゴムアイソレータ3は、アンカープレート7を介して、下部構造体8に結合される。引き抜き抵抗板2の上部には、中央部に空隙39を持つ押え板4が、引き抜き抵抗板2との間に上下方向の隙間を持って設置される。

0031

なお、建物相互の地震時変位は8cm程度であり、これに積層ゴム支承装置自体の地震時変位10cmが加算される。積層ゴム3aとしては、主として、鉛プラグ入り積層ゴムを使用し、高減衰ゴムでもよいのだが、鉛を使用したほうが、初期トリガー効果が顕著に得られる。

0032

押え板4は外周リング5に結合し、外周リング5の下端にはベースプレート6を結合し、アンカープレート7を介してスタッド9により下部構造体8に結合する。外周リング5、押え板4およびベースプレート6から構成される部材(これらを抵抗板押え部材37と総称する)は、分割線37aを介して平面的に2分割されている。

0033

引き抜き抵抗板2は、外周リング5との間に空隙38を持つ。また、押え板4の中央開口部は、束材(支点部材)1との間に空隙を持つ。これらの空隙により、上部構造体10と下部構造体8との間に相対変位が生じた場合に対応できる。外周リング5の形状は、円形、矩形または正八角形など自由である。

0034

前記の構成により、次の〜の作用が奏される。

0035

装置全体の高さが抑えられる。すなわち、従来のように、外周リング5、押え板4およびベースプレート6から構成される部品一体構造であると、積層ゴムアイソレータ3を点検又は取替えの際、前記外周リング5等の部品を一旦持ち上げて、その下の空間を利用して、この積層ゴムアイソレータ3を取り替え点検作業をしていたので、上部構造体10と押え板4の間に十分な高さ(図16にSで示す)を確保する必要があったが、本発明では、外周リング5等の抵抗板押え部材37を二分割し、分割線37aを介して水平方向に移動して左右に分離できる構造にしたので、上部構造体10と押え板4の間に十分な高さを確保する必要が無く、その分装置全体の高さが抑えられる。したがって、押え板2の上部の空間を有効に活用でき、後述の水平ジャッキ11の設置も可能となり、さらに、平面的にも概ね必要最小寸法となり、コンパクトな装置が得られる。

0036

装置全体の外観をシンプルにすることができる。部品数を減らし、必要とされる加工精度を低減できる。引き抜き抵抗板の上部空間に変位調整用装置(ジャッキ等)を設置でき、空間を有効に活用できる。外周リング5の壁面に開口部14を形成することにより、部材強度を落とさずに、簡単に内部の点検・清掃ができる。

0037

図5図8は、請求項4に対応する実施形態2を示し、図5は装置の正面外観図、図6は、図5のD−D縦断面図、図7は、図5のE−E矢視図、図8は、図6のF−F断面図である。

0038

図5図8の実施形態2では、二分割される外周リング5、押え板4およびベースプレート6から構成される抵抗板押え部材37の間に所定の間隔40を設けている。他の構成は、前に述べた実施形態2の構成と同じである。

0039

図5図8の実施形態2によると、形成された間隔40を利用して、引き抜き防止機構内部の点検・清掃ができる。外周リング5の壁面に開口が設置できない場合、積層ゴムの高さが、比較的低い場合などには、側面開口より有効である。

0040

図9図12は請求項5に対応する実施形態4を示し、図9は、装置の正面外観図、図10は、図9のG−G縦断面、図11は、図9のH−H矢視図、図12は、図9のI−I断面図である。

0041

図9図12の実施形態3では、外周リング5と押え板4の接合部、および外周リング5とベースプレート6の接合部を全て、ボルト12により接合している。他の構成は先の実施形態1、2と同じである。

0042

実施形態3によると、以下、の作用が奏される。
前記の各部品間の接合を全てボルト接合にしていて、一切溶接を使用していないので、溶接接合とした場合に生じる、歪発生を防ぐことができ、寸法精度の低下を防止できる。押え板4のみを移動することができる。従って、常時は装置内部を密閉しておき、点検時に、押え板を外したり、ずらすことが容易にできる。また、押え板4の分割方向を、外周リング5の分割方向と直交させることにより、全体としての剛性を高めることもできる。

0043

図13図15は請求項6に対応する実施形態4を示し、図13は装置の縦断面図、図14は、図13のJ−J矢視図、図15は、図13のK−K断面図である。

0044

図13図15の実施形態4に係る装置は、実施形態1〜3における外周リング5に代えて、平面90度間隔で押えフレームの柱材17が立設され、その下端の押えフレームのベースプレート19がアンカープレート7上にボルト12で接合されている。押えフレームの柱材17に押え梁20の端部が片持ち梁状態で固着され、この押え梁20で、積層ゴムアイソレータ3の上部を取囲むと共に、この押え梁20には水平ジャッキ11が内蔵され、地震等により、束材(支点)1が残留変形した場合、この水平ジャッキ11を使用して、原位置に復帰させる。通常は、水平ジャッキ付き積層ゴムアイソレータ3は、構造物の4隅の束材(支点)に設置され、それぞれ2基の直交するジャッキが用いられる。

発明の効果

0045

本発明によると、引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の積層ゴムアイソレータの取り替え、点検作業に際し、引き抜き抵抗板の押え板部材を平面的に複数分割して横引き分離できるように構成したので、装置全体の高さを抑えることができ、したがって、押え板の上部の空間を有効に活用でき、平面的にも、概ね必要最小寸法となり、コンパクトな装置が得られる。外周リングの壁面に開口部を形成し、または、平面的に複数分割する引き抜き抵抗板の押え板部材の間に間隔を設けることにより、前記開口部や間隔を利用して、部材強度を落とさずに、簡単に内部の定期的な点検・清掃が容易にできる。

0046

さらに、外周リング、押え板ベースプレート等の引き抜き抵抗板の押え板部材をボルト接合とすることにより、溶接量を最小限にして溶接歪の発生を抑えることができるうえ、経済性が高い加工度を低減できる。さらに、部品数を減らし、装置全体の外観をシンプルにすることができる。またさらに、梁に変位調整用装置(ジャッキ等)を内蔵する方式としたので、引き抜き抵抗板の上部空間を有効に活用できる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明に係る積層ゴム支承の実施形態1の正面外観図である。
図2図1のA−A縦断面図である。
図3図1のB−B矢視図である。
図4図2のC−C断面図である。
図5本発明に係る積層ゴム支承の実施形態2の正面外観図である。
図6図5のD−D縦断面図である。
図7図5のE−E矢視図である。
図8図6のF−F断面図である。
図9本発明に係る積層ゴム支承の実施形態3の正面外観図である。
図10図9のG−G縦断面図である。
図11図9のH−H矢視図である。
図12図10のI−I断面図である。
図13本発明に係る積層ゴム支承の実施形態4の縦断面図である。
図14図13のJ−J矢視図である。
図15図13のK−K断面図である。
図16第1従来例の引き抜き防止機構付き積層ゴム支承の縦断面図である。
図17第2従来例の積層ゴム支承の正面外観図である。
図18図17のL−L矢視図である。
図19図17のM−M断面図である。

--

0048

1束材(支点)
2引き抜き抵抗板
3積層ゴムアイソレータ
3a積層ゴム
4押え板
5外周リング
6ベースプレート
7アンカープレート
8下部構造体
9スタッド
10上部構造体
11ジャッキ
12ボルト
13 積層ゴムアイソレータ
14 開口部
15ジャッキ受け金物
16 高さ調整用ライナープレート
17押えフレームの柱材
18 押えフレームの梁材
19 押えフレームのベースプレート
20 押えフレームの梁材
21 束材
21a取付け板
22 支持板
23フーチング
24 積層ゴムアイソレータ
24a 積層ゴム
25 下部板
26 押え板
27 柱
28 梁
29鉄骨柱
30 抜け止め抵抗板
30a 上部支持板
31低摩擦摺動部材
32 ベースプレート
33アンカー部材
34脚部材
35 柱部ベースプレート
36ボルトナット
37 抵抗板押え部材
38 空隙
39 空隙
40 間隔

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社シェルタージャパンの「 地下シェルター」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】地震火災・津波火災が発生したときに避難が容易であるとともに、内部温度を抑制できる地下シェルターを提供する。【解決手段】シェルター1は、本体2、貯水タンク4、貯水槽40等を有している。貯水タンク... 詳細

  • 株式会社JFDエンジニアリングの「 地盤改良構造」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】隣家に影響を及ぼさない範囲で地盤を掘削しつつも、安定した地盤改良構造を提供することを目的とする。【解決手段】直接基礎の直下に、平面視で建物の外縁となる直接基礎の外周部である外縁Lに沿って点在す... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 車両のカムダンパ構造」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】シャフトドライブ上にコンパクトかつ自由度をもってカムダンパを配置できる車両のカムダンパ構造を提供する。【解決手段】車両のカムダンパ構造において、ドライブシャフト93は、中途部にカムダンパ110... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ