図面 (/)

技術 硬化塗膜形成方法

出願人 株式会社玄技術研究所
発明者 田所榮一富永洋二山村信雄
出願日 2001年12月12日 (18年4ヶ月経過) 出願番号 2001-379217
公開日 2003年6月24日 (16年10ヶ月経過) 公開番号 2003-176454
状態 拒絶査定
技術分野 重合方法(一般) マクロモノマー系付加重合体 塗料、除去剤 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード 滑り止め剤 スペクトラム帯域 ムートン 紫外線硬化型コーティング剤 太陽紫外線 日中屋外 紫外線耐性 自動酸化反応
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年6月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能な硬化塗膜形成方法を提供する。

解決手段

光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティング剤基材に塗布後、290nm未満の波長紫外線照射して、硬化塗膜を形成する方法。

概要

背景

これまで、基材紫外線硬化型コーティング剤を塗布した後の塗膜硬化は、高圧水銀灯光源として、360nm〜370nmの波長紫外線照射する紫外線照射装置を用いるのが主流であった。しかしながら、高圧水銀灯を使用するには大きな電気容量が必要とされ、汎用的な100V電源を使用すると小面積の照射しかできず、作業時間が長くなってしまうという問題がある。したがって従来、塗膜の硬化速度を向上するためには、高圧水銀灯のランプ出力を上げるという方法をとっていたが、この方法では照射エネルギーの大部分が熱および可視光となってしまい、照射を所定の時間よりも長く行うと基材や塗膜が焦げたり、変形して品質が低下し易く、またまぶし作業者が誤って火傷を負ってしまう危険があった。

一方、本出願人は、ウレタンメタアクリレート樹脂を含有する光重合性樹脂および光重合開始剤を含む紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布後、光源が低圧水銀灯である紫外線照射装置を用いて254nmの波長の紫外線を照射して、塗膜を硬化させる方法を提案している。この方法によれば、高圧水銀灯が光源である紫外線照射装置を用いた場合に生じる問題(例えば、高電圧の必要性、基材品質の低下、作業者への危険性など)を解決できるだけでなく、高圧水銀灯を用いた場合と同様な性能(例えば、耐汚染性、基材との密着性など)を有する硬化塗膜を形成でき、さらに、単位面積あたりの塗膜硬化時間が高圧水銀灯(100V使用)を用いた場合と比べて短い、という利点がある。しかし施工現場においては、硬化塗膜の形成時間は早ければ早いほどよく、さらなる塗膜の硬化速度の向上が望まれている。

また、上記の高圧水銀灯を用いた方法、低圧水銀灯およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂の組合せによる方法のいずれを用いた場合であれ、屋外への適用が困難であった。まず、従来の紫外線硬化型コーティング剤は、照射する紫外線以外の意図しない紫外線によって影響を受けやすく、たとえば、屋外にて日中、紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布すると、該紫外線硬化型コーティング剤は太陽光に含まれる紫外線領域(波長:290nm〜400nm)によっても硬化するため、未乾のままで硬化し塗膜強度劣化したり、またこの時、水系紫外線硬化型コーティング剤の場合には塗膜が白化することがあった。さらにまた、太陽光により劣化を受けて黄変したり、得られた硬化塗膜表面にクラックが生じたり基材から塗膜が剥離したりすることがあった。このため、従来の硬化塗膜の形成方法においては、コーティング剤が乾燥するまで(コーティング剤の貯蔵時、塗布時を含む)は、コーティング剤が太陽光に暴露しないようにしなければならず、屋外では夜間以外の施工がきわめて困難であった。また上記のいずれの方法で得られた硬化塗膜も、得られた硬化塗膜が屋外環境に曝されると、硬化直後の光沢(初期光沢)が400時間〜700時間程度で20以下低下するように、耐候性に劣る傾向にあった。

このように従来の方法では、実際上、日中屋外での塗工作業が困難であったり、また屋外で硬化塗膜を形成したとしても劣化が早かったりしたため、その用途がきわめて限定されていた。しかし、屋外壁、屋根塗装などに使用できるような、屋外での適用可能な硬化塗膜の形成方法が求められている。

概要

従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供する。

光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布後、290nm未満の波長の紫外線を照射して、硬化塗膜を形成する方法。

目的

本発明の目的は、従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティング剤基材に塗布後、290nm未満の波長紫外線照射して、硬化塗膜を形成する方法。

請求項2

光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤である請求項1に記載の方法。

請求項3

光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である請求項1に記載の方法。

請求項4

光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との混合物である、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物である、請求項2または4に記載の方法。

請求項6

光重合性樹脂が、ウレタンメタアクリレート樹脂を含有するものである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、光重合性樹脂を用いた硬化塗膜形成方法に関する。

背景技術

0002

これまで、基材紫外線硬化型コーティング剤を塗布した後の塗膜硬化は、高圧水銀灯光源として、360nm〜370nmの波長紫外線照射する紫外線照射装置を用いるのが主流であった。しかしながら、高圧水銀灯を使用するには大きな電気容量が必要とされ、汎用的な100V電源を使用すると小面積の照射しかできず、作業時間が長くなってしまうという問題がある。したがって従来、塗膜の硬化速度を向上するためには、高圧水銀灯のランプ出力を上げるという方法をとっていたが、この方法では照射エネルギーの大部分が熱および可視光となってしまい、照射を所定の時間よりも長く行うと基材や塗膜が焦げたり、変形して品質が低下し易く、またまぶし作業者が誤って火傷を負ってしまう危険があった。

0003

一方、本出願人は、ウレタンメタアクリレート樹脂を含有する光重合性樹脂および光重合開始剤を含む紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布後、光源が低圧水銀灯である紫外線照射装置を用いて254nmの波長の紫外線を照射して、塗膜を硬化させる方法を提案している。この方法によれば、高圧水銀灯が光源である紫外線照射装置を用いた場合に生じる問題(例えば、高電圧の必要性、基材品質の低下、作業者への危険性など)を解決できるだけでなく、高圧水銀灯を用いた場合と同様な性能(例えば、耐汚染性、基材との密着性など)を有する硬化塗膜を形成でき、さらに、単位面積あたりの塗膜硬化時間が高圧水銀灯(100V使用)を用いた場合と比べて短い、という利点がある。しかし施工現場においては、硬化塗膜の形成時間は早ければ早いほどよく、さらなる塗膜の硬化速度の向上が望まれている。

0004

また、上記の高圧水銀灯を用いた方法、低圧水銀灯およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂の組合せによる方法のいずれを用いた場合であれ、屋外への適用が困難であった。まず、従来の紫外線硬化型コーティング剤は、照射する紫外線以外の意図しない紫外線によって影響を受けやすく、たとえば、屋外にて日中、紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布すると、該紫外線硬化型コーティング剤は太陽光に含まれる紫外線領域(波長:290nm〜400nm)によっても硬化するため、未乾のままで硬化し塗膜強度劣化したり、またこの時、水系紫外線硬化型コーティング剤の場合には塗膜が白化することがあった。さらにまた、太陽光により劣化を受けて黄変したり、得られた硬化塗膜表面にクラックが生じたり基材から塗膜が剥離したりすることがあった。このため、従来の硬化塗膜の形成方法においては、コーティング剤が乾燥するまで(コーティング剤の貯蔵時、塗布時を含む)は、コーティング剤が太陽光に暴露しないようにしなければならず、屋外では夜間以外の施工がきわめて困難であった。また上記のいずれの方法で得られた硬化塗膜も、得られた硬化塗膜が屋外環境に曝されると、硬化直後の光沢(初期光沢)が400時間〜700時間程度で20以下低下するように、耐候性に劣る傾向にあった。

0005

このように従来の方法では、実際上、日中屋外での塗工作業が困難であったり、また屋外で硬化塗膜を形成したとしても劣化が早かったりしたため、その用途がきわめて限定されていた。しかし、屋外壁、屋根塗装などに使用できるような、屋外での適用可能な硬化塗膜の形成方法が求められている。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布後、290nm未満の波長の紫外線を照射して、硬化塗膜を形成する方法。
(2)光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤である上記(1)に記載の方法。
(3)光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である上記(1)に記載の方法。
(4)光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との混合物である、上記(1)に記載の方法。
(5)前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物である、上記(2)または(4)に記載の方法。
(6)光重合性樹脂が、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有するものである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。

0008

本発明では、まず、光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティング剤を使用する。これにより、本発明で得られた硬化塗膜は、耐候性および/または塗工時の紫外線耐性が大幅に改良できて、広く屋外においても好適に硬化塗膜を形成することができ、たとえば屋外壁、屋根など、従来適用が困難であった用途においても、好適に硬化塗膜を形成することができる。光安定剤は、具体的には、290nm以上の吸収スペクトルを有する紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤から選ばれる少なくともいずれかであり、特には、光安定剤が上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との混合物であると、これらにより耐候性が相乗的に向上されるため、好ましい。また本発明においては、紫外線硬化型コーティング剤を硬化させて硬化塗膜を形成するために、290nm未満の波長の紫外線を照射する。このような波長の紫外線は、従来の高圧水銀灯を光源として用いた場合における360nm〜370nmの波長を有する紫外線を照射していた場合とは異なり、発熱が少なく、エネルギーを光重合性樹脂の硬化に効率よく使用することができる。これにより光重合性樹脂の硬化速度が従来よりも向上され効率的に硬化塗膜の形成を行うことができる。また作業に伴う発熱量が少ないので、従来の高圧水銀灯を光源として使用していた場合に起きていた問題(得られた硬化塗膜の品質の低下、作業者への危険性など)が起こらない。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明の硬化塗膜の形成方法において重要なことは、〔1〕光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティング剤を使用すること、ならびに〔2〕コーティング剤に290nm未満の波長の紫外線を照射して硬化塗膜を形成すること、である。以下、本発明について詳述する。

0010

〔1〕光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティング剤を使用すること
(1)光重合性樹脂
本発明に使用する光重合性樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の様々な光重合性樹脂が挙げられる。このような光重合性樹脂としては、290nm未満の紫外線を照射して硬化可能なものであれば特に制限はなく、たとえば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂エポキシアクリレート樹脂などを主成分とするものなどが例示できる。上記中でも、光沢保持特性、耐汚染性、耐すべり性の観点からは、特には、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を主成分とする光重合性樹脂が好ましい。

0011

具体的なウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、たとえば、エチレングリコールジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールポリカーボネートジオールポリカプロラクトンポリオールポリテトラメチレングリコール等のポリオール成分にアジピン酸等のカルボン酸エステル化させてポリエステルポリオールとしたものと、ヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートトリレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等の有機ポリイソシアネート類と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物ペンタエストールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和化合物類を反応させたポリエステルウレタン(メタ)アクリレートや、前記ジオール成分に前記イソシアネートを反応させポリエーテルイソシアネートとし、これに前記のような水酸基含有エチレン性不飽和化合物類を反応させたポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。

0012

また具体的なエポキシアクリレート樹脂としては、フェノールノボラックエポキシ樹脂のアクリレート、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂のアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルのアクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルのヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルのトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルのペンタアクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルのテトラアクリレート、フェノールノボラックエポキシ樹脂とアジピン酸とアクリル酸との反応物、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂とテレフタル酸とアクリル酸との反応物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメリット酸とアクリル酸との反応物、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルとハイドロキノンとアクリル酸との反応物、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルとp−ノニルフェノールとアクリル酸との反応物が挙げられる。

0013

本発明における光重合性樹脂としては、市販のものを使用してもよい。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、ウィナップトップコートT((株)玄技術研究所製、ウレタンアクリレート樹脂分:80%)、EM−92(荒川化学工業株式会社製)、ユニディック17−806(大日本インキ化学工業株式会社製)、U−15HA(新中化学工業株式会社製)などが例示される。不飽和ポリエステル樹脂としては、PAR−500(日本化薬株式会社製)などが例示される。またエポキシアクリレート樹脂としては、EB−3404(ダイセル・ユーシービー株式会社製)などが例示される。

0014

(2)光重合開始剤
光重合開始剤は光重合性樹脂の硬化を開始させるために添加され、光を吸収してラジカル又はカチオンを生じる物質であれば特に限定はなく、290nm未満の波長の紫外線を強く吸収するものが好ましい。最適な光重合開始剤の選択は、当業者にとっては自明であり、容易に選択することが可能である。

0015

光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル系(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオフェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなど)、ホスフィンオキサイド系(例えば、ビスアシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドなど)、ベンゾイン系(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテルなど)、アセトフェノン系(例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系(例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなど)、チオキサントン類(例えば、2−クロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアトラキノン、2−tert−ブチルアントラキノンなど)、ベンジル系(例えば、ベンジル、4,4'−ジメトキシベンジル、4,4'−ジクロロベンジルなど)、安息香酸エステル系(例えば、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチルなど)、ジケトン系(例えば、ビアセチル、フェニルグリオキシル酸メチルメチルベンゾイルホルメートなど)、ケタール系(例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタールなど)、ジベンゾシクロアルカノン系(例えば、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ジベンゾスベロンなど)、アシロキシエステルカンファーキノン、3−ケトクマリンテトラメチルチウラムジスルフィド、α,α'−アゾビスイソブチロニトリルベンゾイルパーオキサイド、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、アセナフセンベンザルアセトンなどが挙げられる。上記中でも、反応開始のための量子化効率硬化反応速度、経時安定性の観点からは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび/または2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを使用するのが好ましい。

0016

本発明における光重合開始剤としては、たとえば、ルシリンTPO(BASF社製)、ESACUREKIP150(Lamberti社製)、ESACURE TZT(Lamberti社製)、イルガキュア184(チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)、イルガキュア651(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、イルガキュア2959(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、イルガキュア819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)など、市販のものを使用してもよい。

0017

本発明に用いる紫外線硬化型コーティング剤において、光重合開始剤は、光重合性樹脂の1重量%〜20重量%配合されるが好ましく、2重量%〜10重量%配合されるのがより好ましい。光重合開始剤が光重合性樹脂の1重量%未満であると、光重合開始剤による硬化反応が進みにくい傾向にあるため好ましくない。また光重合開始剤が光重合性樹脂の20重量%を超えると、塗膜の塗布適性不良や塗膜の耐久性が劣化してしまう傾向にあるため好ましくない。

0018

(3)光安定剤
樹脂光劣化太陽光中の主として紫外線、すなわち290nm〜400nmの波長の紫外線により惹起される。この領域の光を吸収する樹脂は光酸化劣化を受けるが、本来太陽光を吸収する官能基をもたない樹脂であっても、樹脂中に存在する光劣化を誘発促進する物質(光劣化開始種)により自動酸化反応が始まり、カルボニル基の生成、架橋分子の切断が起こり、硬化塗膜の光沢の低下、ひび割れ、色調の変化などの劣化現象を起こす。本発明においては、この光開始自動酸化反応の連鎖を止めるために、紫外線の遮断吸収作用励起化合物消光作用、ラジカルの捕捉作用、ハイドロパーオキサイドの非ラジカル的分解作用および微量金属の捕捉作用、の少なくともいずれかの作用を有する光安定剤を、紫外線硬化型コーティング剤に配合する。このような光安定剤としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS:Hindered Amine Light Stabilizer)が挙げられる。

0019

本発明においては、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤およびHALSのうち少なくともいずれかを紫外線硬化型コーティング剤に配合することによって、該コーティング剤の塗工時の耐紫外線性および/または得られた硬化塗膜の耐候性を向上し得、屋外にて適用しても良好な品質を有する硬化塗膜を形成し得る方法を実現し得る。中でも、耐候性と耐紫外線性が相乗的に向上され、きわめて優れた品質の硬化塗膜を形成し得る点から、本発明にて使用する光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤とHALSとの混合物であるのが特に好ましい。

0020

(3−1)290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤
本発明において光安定剤として紫外線吸収剤を使用する場合、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤、換言すれば、太陽光の紫外線スペクトラム帯域短波長下限値以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤を用いる。このような紫外線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤を配合してなる紫外線硬化型コーティング剤は、290nm以上の波長の紫外線を吸収し、生じた励起一重項状態エネルギー変換して、無害熱エネルギーリン光蛍光放射し、コーティング剤中の不純物光励起光化学反応が抑制され、劣化が防止される。このように本発明に使用する紫外線硬化型コーティング剤は、上述のような紫外線吸収剤を含有することにより、塗膜に有害な紫外線を吸収し、表面光沢の低下、クラックの発生などを防止し、塗膜の未乾燥時の紫外線に対する耐性が改良される。本発明において、光安定剤としてこのような紫外線吸収剤を使用すると、塗膜の未乾燥時の太陽紫外線に対する耐性が改良され、塗膜強度が大幅に改良でき、かつ日中屋外での照射作業がきわめて容易となり、かつ硬化塗膜の耐候性が向上される。特に、水系の紫外線硬化型コーティング剤においては白化欠陥が大幅に改良でき、日中屋外での照射作業がきわめて容易となる。

0021

本発明における紫外線吸収剤としては、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつならば特に制限はなく、従来公知の種々の紫外線吸収剤を使用すればよい。このような紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤トリアジン系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤サリシレート系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、中でも、紫外線の吸収領域が太陽光の紫外線領域とほぼ一致すること、耐汚染性、樹脂に対する相溶性、塗膜の光沢を高くできること、さらに経時安定性、耐候性がよい、という理由から、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を使用するのが好ましい。

0022

ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]などが例示される。

0023

トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。

0024

ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンなどが例示される。

0025

サリシレート系紫外線吸収剤としては、具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレートなどが例示される。

0026

本発明において紫外線吸収剤を使用する場合、市販のものを使用してもよい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、たとえば、チヌビン928(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン328(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン384−2(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン900(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン1130(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、Sanduvor PT21 Disp.(クラリアントジャパン(株)製)、SEESORB704(シプロ化成(株)製)、Sumisorb130(住友化学工業(株)製)などが挙げられる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、たとえば、チヌビン400(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、たとえばMARK1413(アデカアーガス化学(株)製)、SEESORB102(シプロ化成(株)製)、SEESORB103(シプロ化成(株)製)、Sanduvor3041 Disp.(クラリアントジャパン(株)製)などが挙げられる。蓚酸アニリド系紫外線吸収剤としては、たとえば、Sanduvor VSU pdr(クラリアントジャパン(株)製)、Sanduvor3206(クラリアントジャパン(株)製)などが挙げられる。

0027

紫外線吸収剤を使用する場合、その種類および添加量は、光重合性樹脂の種類、量、光重合開始剤の種類および添加量、さらには所望するコーティング剤の塗布厚などに応じて、適宜選択すればよく、特に制限はない。紫外線吸収による効果的な白化防止、耐候性の向上、基材の変色防止の観点からは、上記紫外線吸収剤の添加量(複数種使用する場合には、その総量)は、コーティング剤中、固形分として0.01重量%〜5重量%であるのが好ましく、0.05重量%〜4.5重量%であるのがより好ましい。紫外線吸収剤がコーティング剤中、固形分として0.01重量%未満であると、紫外線の吸収効果が少なく基材の変色を防止できず、白化しやすくなる傾向にあるためであり、またコーティング剤中、固形分として5重量%を超えると、塗膜の光沢の低下、耐汚染性の低下、塗膜の硬化性の低下、塗膜の耐磨耗性の低下などがみられる傾向にあるためである。

0028

(3−2)ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)
本発明において光安定剤としてHALSを添加する場合、従来公知の種々のHALSを特に制限なく使用することができる。具体的には、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどが例示される。HALSは、1種類単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。HALSは、それ自体紫外線を吸収しないが、これが添加された紫外線硬化型コーティング剤において、自動酸化反応に関わる有害なラジカルを触媒的に捕捉することにより、結果的に、得られた硬化塗膜の耐候性を向上させる。

0029

本発明においてHALSを使用する場合、たとえば、チヌビン111FD(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン123(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン144(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン292(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などの市販のものを使用してもよい。

0030

HALSを使用する場合、その種類および添加量も、光重合性樹脂の種類、量、光重合開始剤の種類および添加量、さらには所望するコーティング剤の塗布厚などに応じて、適宜選択すればよく、特に制限はない。得られた硬化塗膜に耐候性を効果的に付与し得、基材の変色を防止し、かつ良好な塗布性を得る観点からは、上記HALSの添加量(複数種使用する場合には、その総量)は、コーティング剤中、固形分として0.01重量%〜5重量%であるのが好ましく、0.05重量%〜4.5重量%であるのがより好ましい。HALSがコーティング剤中、固形分として0.01重量%未満であると、耐候性の改良効果が少ない、基材が変色する、クラックが発生するなどの傾向があるためであり、またコーティング剤中、固形分として5重量%を超えると、塗布性に劣る(発泡スクラッチの発生)、耐磨耗性が低下する、また硬化塗膜の光沢が低下する傾向にあるためである。

0031

上述したように本発明に使用する光安定剤は、上記290nm以上に紫外線吸収スペクトルを有する紫外線吸収剤と、HALSとの混合物であるのが好ましい。紫外線吸収剤とHALSとでは安定化機構が異なるため、併用によって耐候性が相乗的に付与される。このように光安定剤が290nm以上に紫外線吸収スペクトルを有する紫外線吸収剤とHALSとの混合物である場合、その添加量としては、混合物の総量がコーティング剤中固形分で0.02重量%〜10重量%であって、そのうち紫外線吸収剤とHALSとの混合比(重量比)が1.0:0.25〜1.0:1.5であるのが好ましい。

0032

本発明に使用する紫外線硬化型コーティング剤は、上述した光重合性樹脂、光重合開始剤および光安定剤に加えて、従来公知の反応性希釈剤やその他の添加物(たとえば、着色剤顔料艶消し剤消泡剤脱泡剤湿潤剤レベリング剤帯電防止剤粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤防腐剤滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤密着促進剤分散剤界面活性剤体質顔料離型剤シランカップリング剤、安定剤、難燃剤など)が配合されていてもよい。

0033

本発明に使用する紫外線硬化型コーティング剤は、基材へ塗布する際、無溶剤でもよいが、塗布適正を与えるために、有機溶剤や水などを加えたものを用いても良い。有機溶剤の例としては、例えば、キシレントルエンのような芳香族系、酢酸エチル酢酸ブチルのようなエステル系メタノールエタノールのようなアルコール系等が挙げられる。水を溶剤として用いた場合、その形態には限定はなく、例えば、エマルション分子分散ディスパーション等が挙げられる。作業者の健康と環境への負荷を考慮して、溶剤を用いる場合は水を溶剤としたこれらの形態とするのが好ましい。

0034

〔2〕コーティング剤に290nm未満の波長の紫外線を照射して硬化塗膜を形成すること
本発明において上述したような紫外線硬化型コーティング剤の硬化には、その波長が290nm未満の紫外線を使用する。本発明の硬化塗膜の形成方法では、上記のように紫外線硬化型コーティング剤に光安定剤が配合されているので、290nm未満の紫外線を塗膜の硬化に使用しても紫外線硬化型コーティング剤中の光重合性樹脂が不所望に劣化してしまうことが防止され、上記波長の紫外線を使用した硬化塗膜の形成が可能となる。これによって、従来の高圧水銀灯を光源とする紫外線の場合とは異なり、照射エネルギーが熱や可視光になりにくく該エネルギーを効率的に塗膜の硬化に利用し得るため、塗膜の硬化速度を向上させることができ、かつ被照射基材加熱昇温や作業中の作業者の火傷を抑制することができる。中でも、さらなる塗膜の硬化速度の向上の観点からは、さらに短波長の紫外線を使用するのがより好ましい。光重合性樹脂の硬化は、樹脂の種類、光重合開始剤の種類、量、その塗布厚などによって大きく変化するが、一般的な硬化に必要な照射量は、0.1mJ/cm2〜5000mJ/cm2程度である。

0035

本発明の硬化塗膜の形成方法の手順としては、たとえば、次のとおりである。まず上述の紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布する。必要に応じて、基材に紫外線硬化型コーティング剤を塗布する前に、プライマーアンダーコート剤)を基材に塗布してもよい。アンダーコート剤には、必要に応じて光安定剤や紫外線吸収剤を添加して使用してもよい。プライマーとしては、特に制限はなく、従来公知のものを適宜使用することができる。コーティング剤の塗布方法としては、公知の方法に従って行えば良く、例えば、エアスプレーエアレススプレームートン刷毛ローラーモップ静電電着塗装等により塗布すればよい。コーティング剤を乾燥させた後、290nm未満の波長を有する紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、硬化塗膜を形成する。乾燥は、自然乾燥によってもまた適宜の乾燥用器具を使用してもよい。なお塗膜は、基材上に複数層形成してもよい(たとえば、塗膜を乾燥した上から、コーティング剤を塗布し、乾燥後、紫外線を照射して、複数層の塗膜を硬化させる。)。なお、本発明で使用する290nm未満の波長を有する紫外線にて略均一に塗膜の硬化を行える観点からは、形成する硬化塗膜の厚み(複数層の塗膜を一度に硬化させる場合においては、各層の厚みの合計)は、1μm〜100μmであるのが好ましい。

0036

本発明の硬化塗膜の形成方法における基材としては、壁、階段、床、家具などの屋内にあるものは勿論のこと、従来適用が困難であった、屋外壁、屋根、自動車など屋外もしくは屋外で使用される構造体であってもよい。本発明によれば、上記の一連の作業を、使用する紫外線以外の太陽光などの紫外線による悪影響に留意する必要なく、たとえば日中、屋外であっても好適に施工することができる。さらに、得られた塗膜が高い耐候性を有するため、壁、屋根、自動車などのためのコーティング剤として、極めて好ましい。

0037

以下に本発明における実施例を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜60、比較例1〜26
下記の中から選ばれる光重合性樹脂、光重合開始剤、光安定剤および希釈剤を適宜組み合わせて配合して撹拌機で混合し、均一にして紫外線硬化型コーティング剤を調製した。各紫外線硬化型コーティング剤を硬化後の膜厚が20μmとなるように、日中、屋外にて塩ビホモニアスタイル(基材)上に塗布し、25℃、90分間塗膜を乾燥させた後、下記中から選ばれる照射装置を用いて紫外線を照射し、硬化塗膜を得た。
光重合製樹脂〕<ウレタンアクリレート樹脂>
A:EM−92(荒川化学工業株式会社製)
B:ユニディック17−806(大日本インキ化学工業株式会社製)
C:U−15HA(新中村化学工業株式会社製)
D:ウィナップトップコートT((株)玄技術研究所製、ウレタンアクリレート樹脂分:80%)
<不飽和ポリエステル樹脂>
E:PAR−500(日本化薬株式会社製)
<エポキシアクリレート樹脂>
F:EB−3404(ダイセル・ユーシービー株式会社製)
〔光重合開始剤〕
A:ルシリンTPO(BASF社製)
B:ダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
〔光安定剤〕
<紫外線吸収剤>
A:チヌビン928(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
B:チヌビン400(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、トリアジン系紫外線吸収剤)
<HALS>
C:チヌビン111FD(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
D:チヌビン123(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
〔希釈剤〕
A:酢酸エチル
B:水
〔照射装置〕
A:主として高圧水銀灯より発生する紫外線を利用した照射装置(アイグラフィックス(株)製、L100相当)(照射能力:40〜50m2/時間)
B:主とし低高圧水銀灯より発生する紫外線(254nm)を利用した照射装置(アイグラフィックス(株)製、W100相当)(照射能力:250〜300m2/時間)
C:主としてエキシマレーザより発生する紫外線(193nm)を利用した照射装置(スキャニング機能付き)(照射能力:1000〜1200m2/時間)
D:主としてNdYAGレーザ波長変換素子ボレート系結晶)を利用し、それにより変換された紫外線(266nm)を利用した照射装置(スキャニング機能付き)(照射能力:1000〜1200m2/時間)
以下、各組み合わせおよび配合量を表に示す。なお表中、光重合性樹脂、光重合開始剤、光安定剤、希釈剤の配合の単位は、「重量部」である。

0038

0039

0040

0041

0042

0043

0044

0045

0046

0047

評価試験
(1)耐候性
DPWL−5(スガ試験機(株)製)を使用して、実施例1〜60および比較例1〜26で得られた各硬化塗膜の光沢の変化を測定し、耐候性の評価を行った。初期光沢より20低下するまでの時間〔時間〕を測定した。

0048

(2)耐紫外線性(太陽光による白化)
実施例1〜60および比較例1〜26の各コーティング剤を基材に塗布後、太陽光により白化しなくなるまでに要した太陽光紫外線に暴露しない環境下での乾燥時間を測定し、下記のように耐紫外線性の評価を行った。
◎:0分
○:5分以下
△:5分を超えて10分以下
×:10分以上

0049

(3)耐汚染性
実施例1〜60および比較例1〜26で得られた硬化塗膜にPILOT INK(RED)を滴下後、3時間放置して、59%メタノールで拭き取って、残ったインク目視にて観察して、下記のように評価した。
◎:全く残らない
○:少し残る
×:大部分残る

0050

(4)硬化速度
上記(3)の試験において、耐汚染性がその配合において最良となるまでの最短の照射時間を測定した。

0051

以下、評価試験の結果を、表に示す。

0052

0053

0054

発明の効果

0055

以上の説明で明らかなように、本発明によれば、従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日東電工株式会社の「 光学フィルムおよびその製造方法、偏光板、ならびに画像表示装置」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】ブロッキングが生じ難く、かつ均一性および耐久性に優れる光学フィルムを提供する。【解決手段】光学フィルム(1)は、透明フィルム基材(11)の表面に易滑層(15)を備える。易滑層(15)は、バイン... 詳細

  • 株式会社スリーボンドの「 光硬化性組成物」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】平らではない基材に噴霧やコーティングなどの塗布方法で使用する際に、光硬化性を有すると共に、水接触角や水滑落角などの撥水性において摩擦などの物理的な耐久性を発現する、光硬化性組成物の提供。【解決... 詳細

  • 関西ペイント株式会社の「 プラスチック成形品の塗装方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】水性塗料を用いて低VOC化を図りつつ、3コート1ベークによる塗装方法を採用しても、プラスチック成形品上に高明度であり、かつ、優れた仕上がり外観、耐タレ性、耐ワキ性および耐水性を兼ね備えた複層塗... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ