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技術 圧縮成形用金型及びこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーター

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 三井正宏
出願日 2001年12月6日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2001-372435
公開日 2003年6月17日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-170459
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の注型成形、圧縮成形 燃料電池(本体)
主要キーワード クリアランス空間 厚み方向位置 キャビティ加工 フローアウト 作用圧力 フェノール換算 真空脱水装置 炭素系基材
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図面 (4)

課題

従来では成形が難しかった流動性の小さい成形材料を高精度に成形する圧縮成形用金型およびこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターを提供する。

解決手段

圧縮成形用金型であって、キャビティに連通した材料流動部と、材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする圧縮成形用金型。前記材料流動部は、キャビティの全外周の外側に隣接し、内寸法が材料の流動方向の長さ30mm以下、高さ0.1〜1.0mmであることが好ましい。

概要

背景

一般に熱硬化性樹脂成形品を得ようとする場合、破砕状あるいは顆粒状である成形材料を用いて、圧縮成形移送成形、または射出成形をするか、破砕状あるいは顆粒状である成形材料を一旦直径5cm以下の円柱状タブレット成形して予備成形品とし、これを用いて圧縮成形または移送成形が行われることが多い。これらのうち、圧縮成形は加熱した上下の金型の中に成形材料を投入し、加圧することによって金型間賦形するもので、主にブレーカー、ブレーカーカバートレー重箱漆器等の成形に使用される。

従来の圧縮成形用金型を図1に示す。金型は上型1、下型2とからなる。3は成形品が賦形されるキャビティである。上型と下型の間には、金型内の空気や成形時に発生するガスを金型外へ排出するために金型クリアランス4が設けられる。なお、図示していないが、上型、下型は電熱ヒーターなどの温調装置を有する。圧縮成形装置の作動について一例を挙げると、下型は成形機圧縮テーブルに取り付けられていて、上型は昇降するプレス装置の圧力ラムに取り付けられている。使用する場合は、上型を上方に待機させた状態で、キャビティに成形材料または予備成形品を充填した後、上型を下降させ、所定の圧力と温度で成形を行う。

図1で示したような従来構造の金型の場合、金型内の空気や成形時に発生するガスを金型外へ排出するために、成形品が成形されるキャビティに連通させて0.05〜0.10mmの金型クリアランスを設けるのが一般的である。このような金型を用いて、一定の流動性を有した成形材料を成形する場合は、キャビティ内部で溶融した成形材料は作用圧力によって成形されるとともに、余剰分の成形材料はフローアウトしてこのクリアランス空間を移動し、最終的にはバリとなって残る。しかし、このような金型を用いて成形時の流動性が小さい成形材料を成形すると、キャビティからフローアウトした余剰分の材料は、金型クリアランス部を通過する際に金型壁面との強い摩擦力により大きな流動抵抗を受け、流動することがさらに困難になる。この結果、流動抵抗による力が圧縮成形の作用圧力を上回ることになり、本来キャビティ外に排出すべき成形材料がキャビティ内に残存し、設計された形状通りの成形品を得ることができず、厚み精度においても不十分になるという問題点があった。

圧縮成形法を適用できる熱硬化性樹脂成形材料のひとつとして、燃料電池セパレーター用成形材料がある。この成形材料は、成形品に高い導電性が要求されるため、黒鉛基材が高い比率で配合されており、成形時の材料流動性は極めて小さいものである。このような成形材料を前記のような通常の圧縮成形用金型を用いて成形すると、特に成形品の周辺部において充填不足が発生しやすく、成形品の厚み精度においても不十分なものになることが多い。この結果、設計されたキャビティ形状通りの成形品を得ることができなくなるという問題点があった。

また、このような充填不足を補うために成形品とほぼ同じサイズの予備成形品を用いる方法も提唱されているが、流動性が小さい成形材料ではこの方法を用いても成形性や厚み精度において十分な成形品が得られていないのが実状である。

概要

従来では成形が難しかった流動性の小さい成形材料を高精度に成形する圧縮成形用金型およびこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターを提供する。

圧縮成形用金型であって、キャビティに連通した材料流動部と、材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする圧縮成形用金型。前記材料流動部は、キャビティの全外周の外側に隣接し、内寸法が材料の流動方向の長さ30mm以下、高さ0.1〜1.0mmであることが好ましい。

目的

本発明の金型はこの問題を解決すべく種々検討の上、発明されたものである。本発明の金型を用いて圧縮成形を行った場合では、余剰分の成形材料はキャビティから材料流動部を経て、材料滞留部に連続的に排出される。ここで、キャビティからフローアウトした成形材料には材料流動部において適度な流動抵抗を与えることによりフローアウト量を制御することができ、圧縮成形時の圧力が適正に成形材料に作用し、成形性や厚み精度に優れた成形品を得ることができる。即ち、本発明は、従来では成形が難しかった流動性の小さい成形材料を高精度に成形する圧縮成形用金型およびこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターを提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

圧縮成形用金型であって、キャビティに連通した材料流動部と、材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする圧縮成形用金型。

請求項2

前記材料流動部は、キャビティの全外周の外側に隣接している請求項1に記載の圧縮成形用金型。

請求項3

前記材料流動部は、材料の流動方向の長さが30mm以下、高さが0.1〜1.0mmである請求項1または2に記載の圧縮成形用金型。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮成形用金型を用いて成形してなる燃料電池セパレーター

技術分野

0001

本発明は、圧縮成形用金型及びこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターに関するものである。

背景技術

0002

一般に熱硬化性樹脂成形品を得ようとする場合、破砕状あるいは顆粒状である成形材料を用いて、圧縮成形移送成形、または射出成形をするか、破砕状あるいは顆粒状である成形材料を一旦直径5cm以下の円柱状タブレットに成形して予備成形品とし、これを用いて圧縮成形または移送成形が行われることが多い。これらのうち、圧縮成形は加熱した上下の金型の中に成形材料を投入し、加圧することによって金型間賦形するもので、主にブレーカー、ブレーカーカバートレー重箱漆器等の成形に使用される。

0003

従来の圧縮成形用金型を図1に示す。金型は上型1、下型2とからなる。3は成形品が賦形されるキャビティである。上型と下型の間には、金型内の空気や成形時に発生するガスを金型外へ排出するために金型クリアランス4が設けられる。なお、図示していないが、上型、下型は電熱ヒーターなどの温調装置を有する。圧縮成形装置の作動について一例を挙げると、下型は成形機圧縮テーブルに取り付けられていて、上型は昇降するプレス装置の圧力ラムに取り付けられている。使用する場合は、上型を上方に待機させた状態で、キャビティに成形材料または予備成形品を充填した後、上型を下降させ、所定の圧力と温度で成形を行う。

0004

図1で示したような従来構造の金型の場合、金型内の空気や成形時に発生するガスを金型外へ排出するために、成形品が成形されるキャビティに連通させて0.05〜0.10mmの金型クリアランスを設けるのが一般的である。このような金型を用いて、一定の流動性を有した成形材料を成形する場合は、キャビティ内部で溶融した成形材料は作用圧力によって成形されるとともに、余剰分の成形材料はフローアウトしてこのクリアランス空間を移動し、最終的にはバリとなって残る。しかし、このような金型を用いて成形時の流動性が小さい成形材料を成形すると、キャビティからフローアウトした余剰分の材料は、金型クリアランス部を通過する際に金型壁面との強い摩擦力により大きな流動抵抗を受け、流動することがさらに困難になる。この結果、流動抵抗による力が圧縮成形の作用圧力を上回ることになり、本来キャビティ外に排出すべき成形材料がキャビティ内に残存し、設計された形状通りの成形品を得ることができず、厚み精度においても不十分になるという問題点があった。

0005

圧縮成形法を適用できる熱硬化性樹脂成形材料のひとつとして、燃料電池セパレーター用成形材料がある。この成形材料は、成形品に高い導電性が要求されるため、黒鉛基材が高い比率で配合されており、成形時の材料流動性は極めて小さいものである。このような成形材料を前記のような通常の圧縮成形用金型を用いて成形すると、特に成形品の周辺部において充填不足が発生しやすく、成形品の厚み精度においても不十分なものになることが多い。この結果、設計されたキャビティ形状通りの成形品を得ることができなくなるという問題点があった。

0006

また、このような充填不足を補うために成形品とほぼ同じサイズの予備成形品を用いる方法も提唱されているが、流動性が小さい成形材料ではこの方法を用いても成形性や厚み精度において十分な成形品が得られていないのが実状である。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の金型はこの問題を解決すべく種々検討の上、発明されたものである。本発明の金型を用いて圧縮成形を行った場合では、余剰分の成形材料はキャビティから材料流動部を経て、材料滞留部に連続的に排出される。ここで、キャビティからフローアウトした成形材料には材料流動部において適度な流動抵抗を与えることによりフローアウト量を制御することができ、圧縮成形時の圧力が適正に成形材料に作用し、成形性や厚み精度に優れた成形品を得ることができる。即ち、本発明は、従来では成形が難しかった流動性の小さい成形材料を高精度に成形する圧縮成形用金型およびこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターを提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

このような目的は、下記の本発明(1)〜(4)によって達成される。
(1)圧縮成形用金型であって、キャビティに連通した材料流動部と、材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする圧縮成形用金型。
(2)前記材料流動部は、キャビティの全外周の外側に隣接している上記(1)に記載の圧縮成形用金型。
(3)前記材料流動部は、材料の流動方向の長さが30mm以下、高さが0.1〜1.0mmである上記(1)または(2)に記載の圧縮成形用金型。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の圧縮成形用金型を用いて成形してなる燃料電池セパレーター。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明は、圧縮成形用の金型およびこれを用いて成形してなる燃料電池セパレーターに関するものである。まず、本発明の圧縮成形用の金型について詳細に説明する。本発明の圧縮成形用金型(以下、「金型」という)は、キャビティに連通した材料流動部と、この材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とするものである。

0010

図2は本発明の金型の一例を示すものであり、(a)は側断面図、(b)は(a)の材料流動部と材料滞留部の部分拡大図である。金型は上型5、下型6とからなり、7はキャビティである。8は材料流動部、9は材料滞留部であり、いずれもキャビティ7と連通している。

0011

図2の金型を用いた場合の圧縮成形について説明する。図2において、上型と下型は図示していない電熱式温調装置により成形に適した温度に加温されている。まず、最終成形品よりも若干多い量の成形材料またはこれを予備成形した予備成形品をキャビティに投入し、上型と下型との間で所定圧力により加圧する。これにより、成形材料は温度と圧力により溶融、流動することにより、設計されたキャビティの大きさに等しい成形品を賦形するために余剰分の材料がフローアウトする。図2の金型の場合、フローアウトした材料はキャビティ空間に連通した材料流動部5に排出される。材料流動部5で適度な流動抵抗を与えられることにより、必要量のフローアウトが行われる。材料流動部を通った成形材料はそのまま材料滞留部6に送られる。材料滞留部では実質的に流動抵抗はなく、連続して排出されてくる成形材料をその場に滞留させることができる。

0012

本発明の金型においては、キャビティに連通した材料流動部を有することを特徴とする。これにより、キャビティ内からフローアウトした余剰分の成形材料を効率よく排出することができる。また、この材料流動部は特に限定されないが、キャビティ空間の全外周の外側に隣接したものであることが好ましい。これにより、キャビティ内からフローアウトした余剰分の成形材料に作用する流動抵抗を均一にすることができ、流動抵抗差によりフローアウトが部分的に阻害されたり、過剰になったりするのを防ぐことができる。

0013

材料流動部の内寸法については、特に限定されないが、材料の流動方向の長さが30mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。また、高さは0.1〜1.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.5mmである。これにより、キャビティからフローアウトしてくる材料が通過する際の流動抵抗を好ましい水準にし、必要量の成形材料をフローアウトさせることができる。この結果、成形品の厚み精度と周辺部の充填性を向上させることができる。材料流動部の流動方向の長さが前記上限値よりも大きかったり、高さ方向の寸法が前記下限値未満であったりすると、キャビティからフローアウトしてくる成形材料に作用する流動抵抗が大きくなり、これがキャビティ内の成形材料に作用している成形圧力を上回ってしまうと、賦形のために必要とする量のフローアウトができなくなり、成形品の厚み精度が低下することがある。また、高さ方向寸法が前記上限値よりも大きいと、成形材料の流動性によっては過剰にフローアウトし、成形品の充填性や厚み精度が低下することがある。これらの寸法設定は用いる材料組成粘度特性成形条件によって異なるため、各々最適な寸法設定とすることが好ましい。

0014

また、この材料流動部の断面形状は特に限定されないが、成形後の製品と余剰部との分離が容易にできるものであることが好ましい。この目的のみを考えれば、できるだけキャビティに近い部位において、材料流動部の高さ寸法を小さくした形状を用いることで達成できるが、流動抵抗の増加による影響を考慮し、両者のバランス案して設計すればよい。

0015

本発明の金型においては、前記材料流動部によりキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする。これにより、材料流動部を通過した後の材料を実質的に抵抗なく溜めることができる。そして、材料流動部の内寸法や形状を設定するだけで、材料流動部を通過する成形材料の流動抵抗を調節し、キャビティからのフローアウト量を制御することができる。

0016

材料滞留部は、特に限定されないが、材料流動部がキャビティの全外周の外側に隣接しており、さらにその全外周の外側に隣接していることが好ましい。これにより、材料流動部から排出される成形材料を全流動方向において実質的に抵抗なく溜めることができる。材料滞留部の内寸法については特に限定されず、フローアウトすると予測される量の材料を溜めることができる容積を備えていればよい。また、形状についても特に限定されないが、フローアウトしてきた材料の流れを阻害することなく、かつ成形終了後の成形品の金型離型性が良好である形状が適している。このためには、材料滞留部空間の端部は曲面加工を施したものであることが好ましく、そのような形状は金型製造時の加工性にも優れる。

0017

圧縮成形用金型においては、成形品を賦型するキャビティ部の空間は、上型、下型のいずれか、あるいはこの両方にまたがるように加工することができる。本発明における金型に加工される材料流動部と材料滞留部については、特に限定されないが、キャビティ空間が一方の金型に加工されているものを用いる場合は、キャビティ加工されている側の金型に加工するのが好ましい。これにより、加工する金型をどちらか一方にすることができる。また、材料流動部の下側面は、成形材料またはこの予備成形品などが投入される面(以下、「材料投入面」という)と同一面上であることが好ましい。投入された成形材料などは、上型との密着により加圧されるまでの間に材料投入面上で若干溶融するので、加圧によるフローアウトは材料投入面から順次起こることが多く、このとき同一面上に材料流動部を設けておくことにより、フローアウトをよりスムーズに行うことができる。また、溶融した成形材料またはこの予備成形品から発生するガスを効率よく逃がすことができ、成形品の膨れ防止にも有効である。

0018

以下、材料流動部と材料滞留部の加工形状についていくつか例示して説明する。図3(a)〜(d)はいずれも、本発明の金型における、材料流動部と材料滞留部を加工した部分の拡大図を示した例であり、この他の部分については図2(a)と同様の構造である。図3(a)は図2(a)と比較し、材料滞留部を上型に設けたことが異なり、キャビティ部を含め、上型のみを加工すればよい形態である。また、図3(b)は材料滞留部にテーパを設けた構造を有する。材料の流動性が特に小さい場合に好適である。図3(c)は図2(a)と主たる部分の構造は同じであるが、キャビティと材料流動部との境界を部分的に狭くしたものである。これも図(3)(b)と同様に、材料の流動性が特に小さい場合に好適であり、かつ、成形後の成形品と成形品以外の部分との分離が効率よく行えるものである。図3(d)はキャビティ、材料流動部、材料滞留部のいずれも上型、下型に対してほぼ均等に加工したものである。この場合、キャビティからのフローアウトは成形品の厚み方向のほぼ中心部位より起こるため、厚み方向位置による材料流動差の影響を小さくすることができる。

0019

次に、本発明の金型を用いて成形してなる燃料電池セパレーターについて説明する。燃料電池セパレーターの製造には種々の方法があるが、最近は、低コスト大量生産を目的とし、黒鉛カーボンブラック等の導電性を有する炭素系基材に、フェノール樹脂エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂バインダー成分として配合した成形材料での試みがなされている。本発明の金型はこのような燃料電池セパレーター用成形材料を成形する際に好適に用いることができるものである。まず、燃料電池セパレーター用成形材料について述べる。

0020

燃料電池セパレーター用成形材料は、導電性を有する炭素系基材と熱硬化性樹脂とを主たる成分とする。導電性を有する炭素系基材としては特に限定されないが、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラックなどが挙げられる。黒鉛の種類は特に限定されないが、天然黒鉛人造黒鉛膨張黒鉛土壌黒鉛等が挙げられ、燃料電池用セパレーター材料としては、取り扱いの容易さ等の点から天然黒鉛及び/又は人造黒鉛が好ましい。一方、バインダーとして用いられる熱硬化性樹脂についても特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂ジアリルフタレート樹脂等が使用できる。これらの中でも、成形品を燃料電池セパレーターとして用いる場合は、コスト、成形品の機械的強度の点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。

0021

導電性を有する炭素系基材と熱硬化性樹脂との配合割合については特に限定されないが、成形材料全体に対して、導電性を有する炭素系基材80〜95重量%、熱硬化性樹脂3〜18重量%とすることが好ましい。さらに、前記材料の他にも必要に応じて硬化剤硬化助剤顔料離型剤添加剤等を配合することができる。

0022

燃料電池セパレーター用成形材料は、通常の方法により製造することができる。すなわち、前記原材料を配合し、リボンブレンダープラネタリミキサーなどを用いて予備混合した後、加熱ロール二軸混練機を用いて溶融混練し、これをさらに造粒化するか、冷却後粉砕分級などの操作を経て成形材料とすることができる。

0023

そして、この成形材料を前記金型を用いて所定の条件で成形することにより、燃料電池セパレーターが得られる。本発明の燃料電池セパレーターを成形する場合は、前記方法で得られた成形材料をそのままキャビティに充填してもよいし、成形性をより向上させるためには、成形品の形状に合わせた予備成形品を作製し、これを成形することもできる。圧縮成形条件の一例を挙げると、圧力30〜200MPa、温度150〜200℃、時間0.5〜30分で成形することができる。成形後には、成形品以外の部分を治具などにより除去して、燃料電池セパレーターを得ることができる。

0024

以下、本発明を実施例により詳細に説明する。

0025

<実施例1>
(1)フェノール樹脂の製造
フェノール(P)100kg、87%パラホルムアルデヒド(F)62kg(F/Pモル比1.70)、酢酸亜鉛0.5kgを還流コンデンサー攪拌機加熱装置真空脱水装置スタティックミキサー付きレジン循環装置を備えた300リッター反応釜内に入れ、還流反応を3時間行った。この時点のフェノール反応率は92%であった。その後、脱水を行いながら115℃迄加熱し、更に115℃、真空度100Torrを1時間維持して反応を進めた後、冷却パット上に取り出し、GPC測定によるフェノール換算での数平均分子量が700のレゾール型フェノール樹脂固形)105kgを得た。
(2)成形材料の製造
人造黒鉛85重量%、前記(1)で得られたフェノール樹脂13重量%、離型剤2重量%を配合し、ヘンシェルミキサーで混合して原料混合物を得た。これを80℃の加熱ニーダーで10分間溶融混練した後取り出し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
(3)予備成形品の製造
予備成形品は、成形品に対して少し大きい105%の面積を有し、最終成形品用の金型に投入した際に材料流動部分に一部重なる大きさとなるようにした。成形圧力10MPa、金型温度65℃、硬化時間90秒で成形を実施した。
(4)燃料電池セパレーターの製造
圧縮成形用金型として、図2に示した形状のものを使用した。材料流動部の長さ10mm、高さ0.5mmとした。この金型に(3)で得た予備成形品を充填し、金型温度185℃、成形圧力64MPa、硬化時間5分の圧縮成形で、220×140×2mmの大きさの燃料電池セパレーター成形品を得た。成形品は、表面に長さ160mm、幅1.0mm、深さ0.5mmの溝を2mmピッチで49本、裏面に長さ100mm、幅1.0mm、深さ0.5mmの溝を2mmピッチでS字型に2箇所12本有し、さらにφ10mmの穴4箇所と9×30の長穴4箇所、12×40の長穴2箇所を有するものである。

0026

<実施例2>圧縮成形用金型として、図3(a)に示した形状のものを使用した以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池セパレーター成形品を得た。

0027

<実施例3>圧縮成形用金型として、図3(b)に示した形状のものを使用した以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池セパレーター成形品を得た。

0028

<比較例1>圧縮成形用金型として、図1に示したものを使用した以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池セパレーター成形品を得た。

0029

原材料の配合、成形条件、および得られた成形品の特性を表1に示す。

0030

<表の注>
(原材料)
(1)人造黒鉛:日本黒鉛社製PAG120平均粒径120μm、比表面積0.6m2/g
(2)離型剤:ステアリン酸
成形品特性測定方法
(1)充填性:周辺部分以外の充填性を目視により観察し、完全に充填したものを○、一部でも未充填があるものを×とした。
(2)周辺部分の充填性:周辺部分についての充填性を目視により確認し、完全に充填したものを○、一部でも未充填があるものを×とした。
(3)厚み精度:成形品の中央部1点と四隅の厚み(いずれも同じ深さの溝加工を施している部分)をマイクロメーターで測定し、その最大値最小値との差を厚み精度とした。
(4)外観ガス欠け、フクレ等がなく、曇りのないものを良とし、それ以外のものを不良とした。

0031

表1の結果より、実施例1、2、3ではいずれも、キャビティに隣接かつ連通した材料流動部と、この材料流動部に隣接し連通した材料滞留部を有する金型を用いているので、成形時のフローアウトを最適なものとすることができ、この結果、充填性、厚み精度、外観に優れた成形品が得られた。一方、比較例1では従来構造の金型を用いたが、充填性、厚さ精度、外観に劣るものとなった。

発明の効果

0032

本発明は、キャビティに連通した材料流動部と、この材料流動部にキャビティと連通した材料滞留部を有することを特徴とする圧縮成形用金型であり、本発明の金型を用いることにより、成形時の流動性が小さい成形材料を適度にフローアウトさせて成形でき、充填性や厚み精度に優れた成形品を得ることができる。従って本発明の金型は、燃料電池用セパレーターを成形する金型として好適である。

図面の簡単な説明

0033

図1従来の圧縮成形用金型の側断面図である。
図2本発明の圧縮成形用金型の一例であり、(a)は側断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
図3本発明の圧縮成形用金型の他の例を示すもので、(a)ないし(d)は、それぞれ金型の側断面の部分拡大図である。

--

0034

1,5上型
2,6下型
3,7キャビティ
クリアランス
8材料流動部
9 材料滞留部

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