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技術 振動アクチュエータ

出願人 有限会社アイカエンジニアリング東レ株式会社
発明者 山口透田邉充
出願日 2001年11月26日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2001-359626
公開日 2003年6月6日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-163990
状態 未査定
技術分野 可聴帯域動電型変換器(除くピックアップ) 電気機械変換器用振動板
主要キーワード 過渡的振動 振動周波数範囲 振動ダンピング 振動放射 計測音 振動条件下 材料工学 変位領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

振動板の静的かつある程度以上大きな応力下における剛性を上げるだけでなく、複雑に変化する動的振動下にあっても微少振幅領域から剛性を高めて幅広振動条件下過渡特性も含め精密な動作を実現する振動アクチュエータを提供する。

解決手段

動力伝達部に取り付けられた振動板を有する振動アクチュエータにおいて、厚さ60ミクロンメートル以上5ミリメートル以下で縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性の材料からなり、振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動板に対して、振動伝搬方向に延びる振動板補強リブを3個以上設けたことを特徴とする振動アクチュエータ。

概要

背景

従来、振動板から振動放射する形式振動アクチュエータは、紙の振動板を持つダイナミックコーン型スピーカに代表されるように、振動部の重量を少しでも軽くして変換効率重視しようとした古くからの設計思想のもとで、これを踏襲した範囲で開発されている。従って、微小振動領域における特性や過渡特性に対する配慮は全くなされていないか、はなはだ不完全なものであった。

例えば、音波放射スピーカを例にとれば、一時期、民生品分野からアラミド繊維カーボン繊維からなるクロスを使用したFRP繊維強化プラスチック)製やハニカム構造の振動板が多く発表されたが、今ではごく一部を除き利用されていない。

これは、一見、重量増加の割に高剛性が得られたようでも、材料工学上、当然、これらは微小振動領域において剛性は非線形であり、さらには非定常である。このことを感覚的に表現するなら、ガサガサするのである。これでは旧来の紙製の振動板の方が、剛性の絶対値は高くないとはいえ、まだしも、線形もしくは線形近似可能な剛性を示すので、好ましいといえるのである。

また、振動板として金属振動板を用いたドーム型のものがあるが、これは前述したように重量を軽くするというこれまでの設計思想にとらわれ、非常に薄い振動板とされており、その結果、素材共振鋭度に制限されて、使用可能な振動周波数範囲が限定されてしまうという不都合があった。

かかる振動板の欠点を解消しようと、振動板に、応力歪特性に大きなヒステリシスをもってエネルギーを吸収するゴム状材料ダンピング材などを、塗布、含浸または貼り付けなどをすることも行なわれているが、これらは共振鋭度をダンピングはするが、剛性の向上などの本質的問題点の解決には、なんら寄与しないものである。

このようなことから、振動板から振動を放射する方式のアクチュエータにあって最も重要な振動板については、以上の例でみたように、今まで、微小振動領域や過渡挙動については言うに及ばず、総じて、望ましい振動放射に対して本質的な配慮、的確な配慮がなされなかった。また、ゴム状材料などは、その材料に二次的に誘発された振動が生じるなど、かえって悪影響を及ぼすことが多い。

概要

振動板の静的かつある程度以上大きな応力下における剛性を上げるだけでなく、複雑に変化する動的振動下にあっても微少振幅領域から剛性を高めて幅広振動条件下で過渡特性も含め精密な動作を実現する振動アクチュエータを提供する。

動力伝達部に取り付けられた振動板を有する振動アクチュエータにおいて、厚さ60ミクロンメートル以上5ミリメートル以下で縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性の材料からなり、振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動板に対して、振動伝搬方向に延びる振動板補強リブを3個以上設けたことを特徴とする振動アクチュエータ。

目的

そこで本発明の課題は、振動板の静的な、かつ、ある程度以上大きな応力下における剛性を上げるだけでなく、複雑に変化する動的振動下にあっても非常に微小な振幅領域から剛性を高めることができ、幅広い振動条件下で過渡特性も含めて精密な動作を実現することが可能な振動アクチュエータを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

動力伝達部に取り付けられた振動板を有する振動アクチュエータにおいて、厚さ60ミクロンメートル以上5ミリメートル以下で縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性の材料からなり、振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動板に対して、振動伝搬方向に延びる振動板補強リブを3個以上設けたことを特徴とする振動アクチュエータ。

請求項2

振動板が、それぞれの縦弾性係数が互いに0.025倍以上40倍以下の関係にある複数枚の材料を一体化して構成した振動板である、請求項1記載の振動アクチュエータ。

請求項3

縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性で応力歪特性ヒステリシスのない材料からなる振動板補強リブが動力伝達部と一体化されている、請求項1または2記載の振動アクチュエータ。

請求項4

振動板が、応力が残留した状態に組み立てられている、請求項1〜3のいずれかに記載の振動アクチュエータ。

請求項5

動力伝達部に、該動力伝達部による振動板の支持を補助する振動板支持部が取り付けられており、該振動板支持部の少なくとも一部に、単繊維繊度が0.0001dtex以上5dtex以下の極細繊維からなる材料が複合されている、請求項1〜4のいずれかに記載の振動アクチュエータ。

請求項6

振動アクチュエータを構造する部材の少なくとも一部の構造部材の表面に、単繊維繊度が0.0001dtex以上5dtex以下の極細繊維からなる材料が複合されている、請求項1〜4のいずれかに記載の振動アクチュエータ。

技術分野

0001

本発明は、産業機器分野、民生品分野を問わず、液体気体ゲル状物体ゴム状物体などに位相ずれの少ない精密な振動を伝達することのできる装置、具体的には、振動伝搬方向に延びる振動板補強リブを持つ振動アクチュエータに関するものである。この振動アクチュエータの代表的利用例として具体的には、流体精密加振装置、精密計測音源用もしくは高忠実音楽再生用などの機器類が挙げられる。

背景技術

0002

従来、振動板から振動を放射する形式の振動アクチュエータは、紙の振動板を持つダイナミックコーン型スピーカに代表されるように、振動部の重量を少しでも軽くして変換効率重視しようとした古くからの設計思想のもとで、これを踏襲した範囲で開発されている。従って、微小振動領域における特性や過渡特性に対する配慮は全くなされていないか、はなはだ不完全なものであった。

0003

例えば、音波放射スピーカを例にとれば、一時期、民生品分野からアラミド繊維カーボン繊維からなるクロスを使用したFRP繊維強化プラスチック)製やハニカム構造の振動板が多く発表されたが、今ではごく一部を除き利用されていない。

0004

これは、一見、重量増加の割に高剛性が得られたようでも、材料工学上、当然、これらは微小振動領域において剛性は非線形であり、さらには非定常である。このことを感覚的に表現するなら、ガサガサするのである。これでは旧来の紙製の振動板の方が、剛性の絶対値は高くないとはいえ、まだしも、線形もしくは線形近似可能な剛性を示すので、好ましいといえるのである。

0005

また、振動板として金属振動板を用いたドーム型のものがあるが、これは前述したように重量を軽くするというこれまでの設計思想にとらわれ、非常に薄い振動板とされており、その結果、素材共振鋭度に制限されて、使用可能な振動周波数範囲が限定されてしまうという不都合があった。

0006

かかる振動板の欠点を解消しようと、振動板に、応力歪特性に大きなヒステリシスをもってエネルギーを吸収するゴム状材料ダンピング材などを、塗布、含浸または貼り付けなどをすることも行なわれているが、これらは共振鋭度をダンピングはするが、剛性の向上などの本質的問題点の解決には、なんら寄与しないものである。

0007

このようなことから、振動板から振動を放射する方式のアクチュエータにあって最も重要な振動板については、以上の例でみたように、今まで、微小振動領域や過渡挙動については言うに及ばず、総じて、望ましい振動放射に対して本質的な配慮、的確な配慮がなされなかった。また、ゴム状材料などは、その材料に二次的に誘発された振動が生じるなど、かえって悪影響を及ぼすことが多い。

発明が解決しようとする課題

0008

そこで本発明の課題は、振動板の静的な、かつ、ある程度以上大きな応力下における剛性を上げるだけでなく、複雑に変化する動的振動下にあっても非常に微小振幅領域から剛性を高めることができ、幅広振動条件下で過渡特性も含めて精密な動作を実現することが可能な振動アクチュエータを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明に係る振動アクチュエータは、動力伝達部に取り付けられた振動板を有する振動アクチュエータにおいて、厚さ60ミクロンメートル以上5ミリメートル以下で縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性の材料からなり、振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動板に対して、振動伝搬方向に延びる振動板補強リブを3個以上設けたことを特徴とするものからなる。

0010

この振動アクチュエータにおいては、振動板が、それぞれの縦弾性係数が互いに0.025倍以上40倍以下の関係にある複数枚の材料を一体化して構成した振動板からなることが好ましい。

0011

また、振動板補強リブは、振動板や動力伝達部と完全に別部材として構成することも可能であり、いずれかの部材と一体化された部材に構成することも可能である。たとえば、縦弾性係数が68GPa以上の、高剛性で応力−歪特性にヒステリシスのない材料からなる振動板補強リブが動力伝達部と一体化されている構成とすることができる。

0012

また、振動板については、単板構成とすることもでき、複数枚の板状体が積層された構成とすることもできる。とくに後者の構成においては、後述の実施態様に示すように、容易に、振動板が、応力が残留した状態に組み立てられている構成(つまり、プレストレスが付与された構成)とすることができる。

0013

また、本発明に係る振動アクチュエータにおいては、動力伝達部に、該動力伝達部による振動板の支持を補助する振動板支持部が取り付けられており、該振動板支持部の少なくとも一部に、単繊維繊度が0.0001dtex以上5dtex以下の極細繊維からなる材料が複合されている構造を採用できる。

0014

さらに、上記振動板支持部以外に関しても、振動アクチュエータを構造する部材の少なくとも一部の構造部材の表面に、単繊維繊度が0.0001dtex以上5dtex以下の極細繊維からなる材料が複合されている構造を採用できる。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明に係る振動アクチュエータについて、望ましい実施の形態とともに、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の振動アクチュエータは、動力伝達部に取り付けられた振動板と、その振動板に対して設けられた、振動伝搬方向に延びる3個以上の振動板補強リブを基本的部材として有している。

0016

具体的には、まず、振動板を、ステンレスサファイアモリブデンなど弾性係数が高く、高剛性で、応力−歪特性における直線性の良い材料を用いて構成した上、振動が伝搬していく方向に、すなわち動力伝達部から見て振動板に沿って放射状に延びる方向に、3個以上の振動板補強リブを設けて振動板の曲げ剛性を高める。

0017

本発明で用いられる振動板は、縦弾性係数が68GPa以上、より好ましくは70GPa以上の高剛性の材料からなる。この縦弾性係数は、JIS−K7113に準じて測定される。更に、応力−歪特性における直線性の良い材料が好適である。例えば、ステンレス、クロムジュラルミンチタン炭化珪素、サファイア、ダイヤモンド等が用いられ、ゴム、皮などは不適である。

0018

本発明では、振動板を、縦弾性係数が互いに好ましくは0.025倍以上40倍以下、より好ましくは0.05倍以上20倍以下の関係にある2枚以上の材料を積層一体化して構成することができる。

0019

振動板は、また、振動板ベースに、それとは異なる材料からなるがやはり剛性の高い材料からなる振動補強板を一層または多層密着して貼り付けることによる複合構造の振動板とすることが好ましい。振動板ベースや振動補強板は、分割するのであれば振動伝搬方向が横切らないようにするため、一般に放射状とすることが望ましい。動力伝達部からみて振動伝搬方向を横切るように分割ラインや節を設けたり分割したりしてはならない。これは、振動伝達阻害しないためである。

0020

振動板ベースと振動補強板の材料の剛性は、少なくとも振動板ベースは動力伝達部に取り付けたときその形状が自立できる以上のもの、また振動補強板は弾性係数が高いほど望ましい。ただし、本発明では、組み合わせた材料の両方を有効に働かせるため、弾性係数の差は大きくても40倍以内とするべきで、より好適には20倍以内、更に好適には10倍以内である。振動ダンピング効果を主目的とするものではないので、ゴム状材料、すなわち柔軟性のある材料は一方たりとも用いることなく構成することが望ましい。

0021

振動板ベースと振動補強板の厚みは、振動板ベースは50ミクロンメートル以上、振動補強板は40ミクロンメートル以上とし、重量その他の条件が許せばある程度厚い方が望ましい。振動板全体としての厚みは、60ミクロンメートル以上とするが、厚み方向への振動伝搬成分を抑制するため、5ミリメートル以下、好ましくは3ミリメートルは超えないようにする。また、外周部に行くに従って薄くしてもよい。

0022

振動板補強リブは、3本(個)以上なるべく多めに取り付け、取付け位置は、一般に振動板の裏側とするが、組立上の問題があれば表側にしたり、より剛性を重視して両側としてもよい。

0023

動力伝達部にも伝達補強リブを取り付けることができ、これにより、より剛性を上げることができる。本発明では、振動板補強リブと伝達補強リブを一体化して構成してもよい。

0024

また、振動板補強リブは、振動板ベースや振動補強板とあらかじめ一体に成形してもよく、伝達補強リブも動力伝達部と一体に構成してもよい。

0025

さらに、振動板ベースと振動補強板のどちらか一方または両方を反らせておき、これを押さえつけて密着させ貼り合わせるなどの手段により、力を加えた状態にしておき、複合構造の振動板に応力が残留するようにして組み立て、材料の結晶粒界にプレストレスをかけることができる。これにより、極めて微小な振動領域に対しても、応力−歪特性における直線性の向上が可能となる。

0026

なお、振動板ベースと振動補強板の大きさや厚さ、形状等は任意に設定することができる。具体的には、大きさは同一でも同一でなくともよい。また、形状を多角形型にしたり、平板でなくコーン型あるいはドーム型などにすることも可能である。また、厚さも動力伝達部に近い部分を厚くするなどしてもよい。

0027

振動板を保持する、たとえば振動板を動力伝達部を介して保持する振動板支持部の少なくとも一部には、表面波等不要振動を抑制するため、単繊維繊度が、通常0.0001dtex以上5dtex以下、好ましくは0.001dtex以上1dtex以下、より好ましくは0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維からなる不織布や織編物等の材料を採用し、また、振動アクチュエータを構成する他の構成部材内外表面にも極細繊維からなる材料を構成して、表面波の部材内部への再反射を防止することが好ましい。その部位は、振動板以外のあらゆる部位で適用可能であるので、放熱コスト等の問題が許す限りなるべく多くの面に実施するのが望ましい。

0028

上記のように用いられる極細繊維からなる材料は、0.0001dtex以上5dtex以下の繊維が最低でも50重量パーセントは含まれていないと効果が著しく減じてしまう。この極細繊維は、縦弾性係数が130GPa以下であることが好ましく、より好ましくは100GPa以下であり、更に好ましくは4〜40GPaの範囲内である。縦弾性係数が130GPaを上回ると、柔軟性がなくなって効果が減少するという問題がある。

0029

また、この極細繊維の比重は、好ましくは0.5〜12であり、より好ましくは1.0〜2.5である。この内、1.1〜1.4が特に好ましい効果を示す。

0030

極細繊維は、長繊維でも短繊維でもよいが、短繊維の場合は通常1mm以上であり、好ましくは30〜70mmである。かかる極細繊維としては、ガラスアルミニウムスチール、ステンレスなどの無機繊維や、や、ポリアミドポリエステルポリオレフィンポリエーテルポリウレタンポリアクリロニトリルポリスルホンなどに代表される極細繊維化可能な有機繊維を挙げることができるが、本発明では、ポリエステル等からなる極細繊維が好適である。

0031

本発明における極細繊維からなる材料は、長繊維の場合は通常のごとく織編手段によりシート化するか、短繊維の場合は例えば、上記極細繊維を抄紙法、カード法エアーレイ法など既知の方法でシート化し、そのままで、あるいは必要に応じ繊維相互ニードルパンチや、ウォータージェットパンチなどの物理的手段により絡合させたりバインダー結束させて用いる。

0032

以下に極細合成繊維の場合の好ましい具体例をもって詳細に説明する。極細繊維からなる不織布を形成刷る手段として、メルトブロースパンボンドなど直接製糸法がある。また間接的な方法としては2以上の成分からなる分割型複合繊維もしくは海島型複合繊維をニードルパンチもしくはウォータージェットパンチで絡合せしめてフェルを形成し、分割型複合繊維を分割し、または海島型複合繊維を脱海処理して極細繊維化せしめ極細繊維不織布を形成する。これら方法により得た不織布はそのまま本発明に適用可能であるが、場合によってはバインダーにより繊維を部分的に結束したものとして用いることも有効である。これは、不織布を極細繊維化後もしくは前にバインダーを付与し、バインダーを固化して得られるものであるが、更に好ましくは、かくして得られたシートサンドペーパーによるバフ処理等を行ない、必要に応じ少なくとも表面を起毛させたものである。この極細繊維の起毛により表面波の不要振動が抑制されるためである。

0033

この際バインダーとして用いられる樹脂としては、低モジュラスの樹脂が好ましく用いられ、ポリウレタン樹脂アクリル樹脂酢酸ビニル樹脂ニトリル樹脂などの他、一般的にバインダーとして用いられるものであれば公知のバインダーが使用可能である。また、本発明における極細繊維の特性を有効とするために、バインダー付量は、繊維重量に対し90重量%を超えないようにするが、より好適には50重量%以下である。

0034

更に、本発明においては、同じ極細繊維からなる材料であっても、バインダーを含浸させないものでも特に好ましい場合がある。特に、ウオーターパンチ処理を施したバインダーレスタイプのシートは、極細繊維がより安定して絡み、それでいて繊維間の摩擦を阻害する要因がないので、かえって分散して微少摩擦が生じやすく、通常の極細繊維不織布より好ましい。

0035

本発明において用いられる上記シートの厚さは、好ましくは、0.1mm以上5mm以下であり、より好ましくは1mm以上5mm以下である。薄すぎると、本発明による効果が乏しくなる。

0036

本発明において極細繊維を用いることは、振動、音響エネルギーを受けて自らが振動するとき、他の部材と異なって、その固有振動は超高域ホワイトノイズ様にブロード分布しており、小さなピークも持たないなどの特徴があるためである。

0037

振動板ベースおよび振動補強板は、どちらもダンピングを主目的とした低剛性の材料ではないため、構成される複合構造の振動板は高剛性とすることができる。低次共振モードは、単一の材料を厚く用いたものに対して別段有利となるわけではないが、高い周波数の共振に対してはこれを抑制する作用が生ずる。しかもダンピング材のように低剛性でヒステリシスが大きいわけではないので、表面微小変形や、横弾性係数に従い生じる横振動(この場合材料厚さ方向に発生するもの)が元となり二次的に発生する表面波が問題となることがない。わざわざ剛性差を40倍以内と規定し一方だけを著しく高剛性にするのではないことも、この効果をより有効にするためである。

0038

振動板ベースや振動補強板を分割する場合は、方射状配置か、材料結晶方向、剛性の方向性が放射状になるようにして、動力伝達部から伝達される振動が放射状に進行するよう考慮することが望ましい。旧来見受けられた同心円状コルゲーションは、逆に振動伝搬方向の剛性を低くしてしまうので、本発明では振動伝搬方向を横切る節や分割構成禁止を、敢えて規定している。

0039

さらに、複合構造の振動板に放射状に振動板補強リブを取り付け、剛性を高めるとよい。一般に裏側に設けることが望ましいが、組立上の問題があれば表側にしたり、より剛性を重視して両側とすることもできる。動力伝達部にも伝達補強リブを取り付ければより剛性を上げることができる。

0040

また、振動板ベースと振動補強板のいずれか一方または両方を、反らせておき、これを押さえつけて密着させ貼り合わせるなどの手段により、複合構造の振動板に応力が残留するようにし、結晶粒界にプレストレスをかければ、微少変位領域での剛性および剛性の直線性が向上し、非常に微小な振動に対しても精密な動作が得られる。これは、既述した従来のFRPやハニカム製の欠点と正反対である。

0041

次に、本発明に係る振動アクチュエータを図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る振動アクチュエータの一実施態様を示す概略縦断面図である。図1において、振動アクチュエータは、動力伝達部1に取り付けられた振動板2に、振動伝搬方向(図示例では紙面の左右の広がる方向)に延びる振動板補強リブ3を3つ以上設けてなるもので、振動板2は、振動板ベース2bと振動補強板2aが積層一体化された構造で構成されている。動力伝達部1の形状は特に限定されず、円筒状に形成されたものでも、棒状に形成されたものでもよい。また、振動板2の形状も特に限定されず、円板状のもの等には限定されない。

0042

具体的には、たとえば、動力伝達部1に取り付けられた厚さ50ミクロンメートル以上9ミリメートル以下で自立性の保てる剛性を有しゴム状でない材料からなり、振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動板ベース2bに、該振動板ベース2bとは異なる材料でありゴム状でなくかつ弾性係数がエレクトロン以上であり振動板ベース2bの縦弾性係数の0.025倍以上40倍以下であって、厚さが40ミクロンメートル以上9ミリメートル以下の材料からなる振動伝搬方向を横切る形では分割ラインおよび節のない振動補強板2aを密着させた複合構造の振動板2を持つ振動アクチュエータである。

0043

この振動アクチュエータでは、動力伝達部1には部分安定化ジルコニアを用い、また振動板補強リブ3にはサファイヤを用いている。振動板ベース2bは、部分安定化ジルコニアのブロックから動力伝達部1と一体に削り出しているので、ここでは構造上つなぎ目はない。振動補強板2aはサファイア製である。また、振動板補強リブ3も動力伝達部1と一体化して構成することもできる。

0044

なお、図1における6は、動力伝達部1に接続され、動力伝達部1を介して振動板2の支持を補助する振動板支持部を示しており、9は、振動板2の周囲に接続された、振動板2の振動特性には全く影響を及ぼさない、保護またはシール部材としてのエッジである。

0045

図1は、アクチュエータ作動原理として動電型の振動アクチュエータを例示しているが、本発明の振動アクチュエータは、静電型および圧電型の振動アクチュエータなどに幅広く適用でき、いずれの場合も、振動力発生基部8を強固に固定し、振動力発生部位7から振動板2まで正確に力を伝達するものである。前述の極細繊維は、表面波の抑制が効果的に行なわれるよう、振動力発生基部8の内外表面にも設けることが好ましい。

0046

また図2は、本発明の他の実施態様に係る振動アクチュエータにおける、振動板作成途中の様子を示している。図2に示すように、振動板ベース2bと振動補強板2aを密着させるとき、予め僅かに湾曲した形状に製作しておき、すなわち、振動補強板と振動板ベースにクラウン4をつけておき、これを強力な組立圧着力5(振動補強板と振動板ベース組立圧着力)をもって一体化せしめれば、振動板全体にプレストレスがかけることができる。

発明の効果

0047

本発明の振動アクチュエータによれば、非常に微小な振幅領域から複雑に変化する動的振動、過渡的振動まで、幅広い振動条件下で精密な動作を実現することができる。従って、従来の機器の改良にとどまらず、例えば、マイクロマシン微生物に対する精密加振試験、微少な非定常成分に対し極めて敏感な人の聴覚パターン認識の研究用など、産業機器分野は言うにおよばず、民生品分野、学術研究分野まで、今までにはない新たな応用をも期待できる、画期的な振動アクチュエータを初めて提供するものである。

図面の簡単な説明

0048

図1本発明の一実施態様に係る振動アクチュエータの概略縦断面図である。
図2別の実施態様に係る振動アクチュエータにおける、振動板組み立ての様子を示す断面図である。

--

0049

1動力伝達部
2振動板
2a振動補強板
2b 振動板ベース
3 振動板補強リブ
4 振動補強板と振動板ベースのクラウン
5 振動補強板と振動板ベース組立圧着力
6 振動板支持部
7振動力発生部位
8 振動力発生基部
9 エッジ

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