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技術 加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法及び加圧流動床燃焼装置の制御方法。

出願人 九州電力株式会社
発明者 中島英作染矢福夫高橋洋一平山士章原田達朗
出願日 2001年11月26日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2001-360031
公開日 2003年6月6日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-161728
状態 特許登録済
技術分野 化学的手段による非生物材料の調査、分析 燃焼システム 流動層燃焼及び共振燃焼 煙突・煙道
主要キーワード 微細固形分 熱交換用配管 燃料スラリー 燃焼試験機 灰輸送管 融成物 加圧流動床燃焼 酸処理前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

試料の溶解に時間を要さず迅速に灰中のCa成分量を取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法を提供すると共に、Ca成分量測定の自動化、高速化が容易であり加圧流動床燃焼装置の稼動状況を迅速に把握してその制御を適正に行うことのできる加圧流動床燃焼装置の制御方法を提供する。

解決手段

石炭及び石灰石を含む燃料スラリー流動床中で燃焼させる加圧流動床燃焼装置から前記燃料スラリーの灰を所定期間毎採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理してCa成分を溶解させる溶解工程と、前記溶解工程で溶解して得られたろ液中のCa成分を定量する定量工程とを有する。

概要

背景

炉内脱硫方式を採用した加圧流動床燃焼装置では、燃料となる石炭脱硫剤となる石灰石とを混合して、これを流動床に供給して燃焼を行っている。このとき発生する燃焼灰中には石炭灰由来する成分(SiO2、Al2O3など)と石灰石に由来する成分(CaCO3など)とが混在しているので、Ca成分を迅速に分析取得して加圧流動床燃焼装置を的確に制御するのを困難にしている。また、加圧流動床燃焼装置の排ガスが導入されるサイクロン回収される灰中のCa成分量が高まると、灰移送配管閉塞させるなどの弊害が生じるという問題がある。従って、加圧流動床燃焼装置を安定運転させるために、適時灰をサンプリングして分析を迅速に行ってCa成分量の変化を監視する必要がある。従来、燃焼炉などから排出される灰中のCa成分は以下のようにして測定されていた。即ち、まず、測定しようとする試料炭酸ナトリウムを混合し、この混合物白金るつぼ中で融解する。その融成物塩酸に溶解し、過塩素酸処理をして得られるろ液及びその洗液を集める。次に、ろ液及び洗液の混合液アンモニア水を加えて液中の鉄、アルミニウムマグネシウムなどを水酸化物として沈殿させてろ別する。これらの金属が除去された溶液シアン化カリウムにより妨害成分マスクしてNN指示薬を用いてEDTA標準溶液滴定し、灰中のCa成分量が測定されていた。

概要

試料の溶解に時間を要さず迅速に灰中のCa成分量を取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法を提供すると共に、Ca成分量測定の自動化、高速化が容易であり加圧流動床燃焼装置の稼動状況を迅速に把握してその制御を適正に行うことのできる加圧流動床燃焼装置の制御方法を提供する。

石炭及び石灰石を含む燃料スラリーを流動床中で燃焼させる加圧流動床燃焼装置から前記燃料スラリーの灰を所定期間毎採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理してCa成分を溶解させる溶解工程と、前記溶解工程で溶解して得られたろ液中のCa成分を定量する定量工程とを有する。

目的

本発明は上記従来の課題を解決するもので、加熱、冷却に時間を要さず迅速に灰中のCa成分量を取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法を提供すると共に、Ca成分量測定の自動化、高速化が容易であり加圧流動床燃焼装置の稼動状況を迅速に把握してその制御を適正に行うことのできる加圧流動床燃焼装置の制御方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

石炭及び石灰石を含む燃料スラリー流動床中で燃焼させる加圧流動床燃焼装置から前記燃料スラリーの灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理してCa成分を溶解させる溶解工程と、前記溶解工程で溶解して得られたろ液中のCa成分を定量する定量工程とを有することを特徴とする加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法

請求項2

前記灰採取工程で採取される灰が、前記流動床から発生する排ガスが導入されるサイクロン捕捉されるサイクロン灰又は電気集塵機集塵されるEP灰であることを特徴とする請求項1に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法。

請求項3

前記定量工程が、NN指示薬及びトリエタノールアミンを前記ろ液に添加し、EDTAを用いて前記ろ液中のCaイオン滴定を行う滴定工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法。

請求項4

請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の加圧流動床燃焼装置の灰中Ca成分量の測定方法で測定されたCa成分量と、前記加圧流動床燃焼装置のCa成分量履歴データとを比較して、前記加圧流動床燃焼装置に供給する前記石炭及び前記石灰石、前記流動床を形成させる高圧空気のそれぞれの供給量を調整することを特徴とする加圧流動床燃焼装置の制御方法

技術分野

(c)加圧流動床燃焼装置の操業において蓄積されたCa成分量の履歴データを有効に反映させることができるので、種々の変動が抑制して操業をより容易に行うことができる。

背景技術

0001

本発明は加圧流動床燃焼装置(PFBC)における灰中Ca成分量の測定方法及びこれを用いた加圧流動床燃焼装置の制御方法に関する。

発明が解決しようとする課題

0002

炉内脱硫方式を採用した加圧流動床燃焼装置では、燃料となる石炭脱硫剤となる石灰石とを混合して、これを流動床に供給して燃焼を行っている。このとき発生する燃焼灰中には石炭灰由来する成分(SiO2、Al2O3など)と石灰石に由来する成分(CaCO3など)とが混在しているので、Ca成分を迅速に分析取得して加圧流動床燃焼装置を的確に制御するのを困難にしている。また、加圧流動床燃焼装置の排ガスが導入されるサイクロン回収される灰中のCa成分量が高まると、灰移送配管閉塞させるなどの弊害が生じるという問題がある。従って、加圧流動床燃焼装置を安定運転させるために、適時灰をサンプリングして分析を迅速に行ってCa成分量の変化を監視する必要がある。従来、燃焼炉などから排出される灰中のCa成分は以下のようにして測定されていた。即ち、まず、測定しようとする試料炭酸ナトリウムを混合し、この混合物白金るつぼ中で融解する。その融成物塩酸に溶解し、過塩素酸処理をして得られるろ液及びその洗液を集める。次に、ろ液及び洗液の混合液アンモニア水を加えて液中の鉄、アルミニウムマグネシウムなどを水酸化物として沈殿させてろ別する。これらの金属が除去された溶液シアン化カリウムにより妨害成分マスクしてNN指示薬を用いてEDTA標準溶液滴定し、灰中のCa成分量が測定されていた。

0003

しかしながら、上記従来の技術では以下の課題を有していた。
(1)炭酸ナトリウムを用いて採取された試料を完全に白金るつぼ中で融解させる必要があるため、この加熱、冷却に多大の時間を要し、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応して灰中のCa成分量を的確、迅速に取得するのが困難であるという課題があった。
(2)Ca成分の分析には、試料の加熱による融解工程が含まれるので、工程を自動化したり、高速化したりするのに適さず、加圧流動床燃焼装置の制御システム構築する場合に支障を生じるという課題があった。

課題を解決するための手段

0004

本発明は上記従来の課題を解決するもので、加熱、冷却に時間を要さず迅速に灰中のCa成分量を取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法を提供すると共に、Ca成分量測定の自動化、高速化が容易であり加圧流動床燃焼装置の稼動状況を迅速に把握してその制御を適正に行うことのできる加圧流動床燃焼装置の制御方法を提供することを目的とする。

0005

上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有している。請求項1に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法は、石炭及び石灰石を含む燃料スラリーを流動床中で燃焼させる加圧流動床燃焼装置から前記燃料スラリーの灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理してCa成分を溶解させる溶解工程と、前記溶解工程で溶解して得られたろ液中のCa成分を定量する定量工程とを有して構成されている。この構成によって以下の作用が得られる。
(a)加圧流動床燃焼装置から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、時々刻々変化する炉内状況を把握するのに必要なCa成分量のデータを取得し、このデータに基づいて加圧流動床燃焼装置の運転を適正に制御できる。
(b)加熱、冷却に時間を要しないので、灰中のCa成分量を迅速に取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる。
(c)Ca成分量測定の自動化を容易にして、異常燃焼灰輸送管などの閉塞を防止して、加圧流動床燃焼装置を適正に制御することができる。
(d)灰中のCa成分のみを測定対象にしているので、加圧流動床燃焼装置を運転するの必要なデータを迅速かつ効率的に取得して、Ca成分の測定によるタイムラグを少なくできる。

0006

ここで、加圧流動床燃焼装置は、石灰石と石炭とを含むスラリー乾燥粒子を燃料として、流動床中で空気を用いて燃焼させる炉内脱硫方式の燃焼装置であり、加圧型の他に非加圧型のものが含まれる。燃料スラリーは、石炭及び石灰石を所定比率粉砕したものに所定量の水を加えて混合したスラリーである。灰採取工程は、加圧流動床燃焼装置の排ガスが導入されるサイクロンや、電気集塵機(EP)などの灰貯留部や、灰が輸送される灰移送管から灰を抜き出す工程であって、この灰貯留部や灰移送管に挿入されたサンプリング管吸引器などを介して、自動的に測定用の試料を所定量づつ採取できる。溶解工程は、塩酸などの所定濃度酸液中に試料灰を入れ、処理液所定温度撹拌しながら試料灰中のカルシウム分をろ液中に溶解させる工程である。定量工程は、EDTAを用いた滴定法や、誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP)法、原子吸光分析法などを適用してろ液中のカルシウム分を定量する工程が含まれる。

0007

請求項2に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法は、請求項1に記載の発明において、前記灰採取工程で採取される灰が、前記流動床から発生する排ガスが導入されるサイクロンで捕捉されるサイクロン灰又は電気集塵機で集塵されるEP灰であるように構成されている。この構成によって、請求項1の作用の他、以下の作用が得られる。
(a)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、流動床の下部から排出される灰に比べて粒度密度が小さく、炉内状況の変動に対して鋭敏に成分が変化する。従ってこれを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、加圧流動床燃焼装置の制御に資することができる。

0008

請求項3に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法は、請求項1又は2に記載の発明において、前記定量工程が、NN指示薬及びトリエタノールアミンを前記ろ液に添加し、EDTAを用いて前記ろ液中のCaイオンの滴定を行う滴定工程であるように構成されている。この構成によって、請求項1又は2の作用の他、以下の作用が得られる。
(a)NN指示薬及びトリエタノールアミンを用いてろ液中のCaイオンの滴定を行うので、滴定操作を標準化された手順で行うことができ、信頼性と精度に優れ、測定作業を効率的に行うことができる。ここでNN試薬は、1−(2−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸の1質量部に対して100質量部の硝酸カリウムを混合して均一になるまですり混ぜ、褐色瓶などに保有したものである。EDTAは、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムの標準溶液(M/100)である。

発明を実施するための最良の形態

0009

請求項4に記載の加圧流動床燃焼装置の制御方法は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の加圧流動床燃焼装置の灰中Ca成分量の測定方法で測定されたCa成分量と、前記加圧流動床燃焼装置のCa成分量履歴データとを比較して、前記加圧流動床燃焼装置に供給する前記石炭及び前記石灰石、前記流動床を形成させる高圧空気のそれぞれの供給量を調整するように構成されている。この構成によって、以下の作用が得られる。
(a)加圧流動床燃焼装置から採取された灰のCa成分量を測定して、その履歴データに基づいて、石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整するので、Ca成分の変動による流動状態燃焼性の変化によって生じる異常燃焼や、灰移送管の閉塞などを防止して、加圧流動床燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。
(b)燃料スラリーの成分などが変動しても加圧流動床燃焼装置の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストなどを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。
(c)加圧流動床燃焼装置の操業において蓄積されたCa成分量の履歴データを有効に反映させることができるので、種々の変動を抑制して操業をより容易に行うことができる。

0010

以下、本発明の一実施の形態に係る加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法及び加圧流動床燃焼装置の制御方法について説明する。図1は本発明の一実施の形態の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法を適用する加圧流動床燃焼装置の構成図である。図1において、10は加圧流動床燃焼装置、11は圧力容器、12は圧力容器11内に収容され燃料スラリーを流動化状態で保持して燃焼させる燃焼室、13は燃焼室12の上部から排出される燃焼ガスが導入される多段構成のサイクロン、14は燃焼室12の下部に石炭、石灰石、水のそれぞれの所定量を混合して燃焼室12内の下部に供給する燃料スラリーポンプ、15はサイクロン13下部から取り出される燃焼ガス中の灰を貯留するための灰貯留タンク、15aは灰貯留タンク15の灰(好ましくは最新の灰)を採取する採取装置、16は燃焼室12内の燃料スラリーを流動化させて流動床を形成させるための高圧空気を供給するコンプレッサ、17はサイクロン13の上部から供給される燃焼ガスで駆動されるガスタービン、18はガスタービン17で回転される発電機、19は燃焼室12内の熱交換用配管を介して加熱された蒸気により駆動される蒸気タービン、20は蒸気タービン19で回転される発電機、21は蒸気タービン19から供給される蒸気を凝縮させる復水器、22は燃焼室12と蒸気タービン19との間に給水を循環供給させるための給水ポンプ、23はガスタービン17から排出されるガス脱硝を行うための排煙脱硝装置、24は排煙脱硝装置23から供給されるガスの熱で燃焼室12に給水ポンプ22を介して送られる給水を予熱するための排熱給水加熱器、25は排熱給水加熱器24の排ガスに含まれる微細固形分を除去するための電気集塵機、25aは電機集塵機25で捕捉された灰のサンプリング装置、26は排ガスを大気中に逃がすための煙突、27は灰貯留タンク15及び電気集塵機25から採取装置15a及びサンプリング装置25aを介してそれぞれ採取されたサイクロン灰、EP灰の分析データが入力され燃料スラリーポンプ14やコンプレッサ16、給水ポンプ22を制御する制御装置である。

0011

制御装置27は必要に応じて設けられ、加圧流動床燃焼装置10の全体を制御する制御システムの一部を構成している。この制御装置27によって、予めメモリに記憶されたプログラムに従って、測定された灰中Ca成分量と、加圧流動床燃焼装置10のCa成分量履歴データとを比較して、加圧流動床燃焼装置10の燃焼室12に供給する石炭及び石灰石、コンプレッサ16によって燃焼室12の下部に供給される高圧空気のそれぞれの供給量を調整することができる。採取装置15a及びサンプリング装置25aは灰貯留タンク15及び電気集塵機25に挿入されたサンプリング管やその底部に開口して設けられた排出管、吸引器などからなり、2段に構成された開閉弁などを備えて加圧流動床燃焼装置10が稼動中でも所定量の灰を採取できるようになっている。

0012

以上のように構成された加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法について説明する。灰採取工程では、灰貯留タンク15及び電気集塵機25から採取装置15a、サンプリング装置25aなどを介してそれぞれ所定量のサイクロン灰、EP灰を所定間隔毎、例えば12時間毎に採取する。溶解工程では、図2に示す溶解工程フロー図のように20%HCl(l8.5ml)と100%HClO(5ml)を前記採取されたサイクロン灰、EP灰の試料(2.0g)に加えて温度90℃〜110℃、時間約30分の加熱条件で酸処理を行って、ろ液を得る。

0013

定量工程では、溶解工程で溶解して得られるろ液を回収し、JISR9101に準ずる以下に示す手順に従って溶液中のCaイオン濃度を測定し、最終的にCaOとして換算されたCa成分量を得る。即ち、この定量工程では試料となるろ液を500mlのメスフラスコに移し、水で標線まで薄めたものを試料溶液として酸化カルシウムの定量に用いた。まず、試料溶液から25mlを正確に分取して、ビーカー(300ml)に入れ、水を加えて約100mlとする。これに、トリエタノールアミン(1+1)2mlを加え、適量の水酸化カリウム溶液(200g/l)を加えてよくかき混ぜ、pHを12.7〜13.2に調節し、2〜3分間静置する。この溶液に.NN指示薬約0.1gを加え、0.01mol/lEDTA標準溶液で滴定し、溶液の色が赤紫から赤みが全く消えて鮮明な青色となった点を終点とした滴定工程を実施した。なお、本実施例においては、この滴定工程をイオン滴定は自動滴定装置APB−410,KYOTOBLCTRONIC)を用いて行った。試料中の酸化カルシウムの含有率は例えば次式によって算出される。
CaO=(v×f×0.0005608/S)×(500/25)×100
ここでCaOは酸化カルシウムの含有率(モル%)、vは0.01mol/lEDTA標準溶液の使用量(ml)、fは0.01mol/lEDTA標準溶液ファクター、Sははかり取った試料の質量(g)である。

0014

表1に加圧流動床燃焼装置10における100%負荷運転時の灰中T−CaOの測定結果を、試料を予め融解処理するJISに準拠した従来のCa分析方法による結果と比較して示している。サイクロン灰、EP灰では従来の分析データに比べてそれぞれ0.6%、3.5%の差があることがわかる。EP灰の場合の差はサイクロン灰の場合の差よりやや大きいが、燃焼室12により近い側で採取されるサイクロン灰のデータの方が加圧流動床燃焼装置10の運転状態をより的確に反映したものとなるので、サイクロン灰のデータを用いれば実運用面では問題ないと考えられる。この結果より加圧流動床燃焼装置10における灰中Ca成分量の測定方法の信頼性が確認された。

0015

0016

(実施例)溶解工程における酸処理前後の構成物質変化を調べるためにX線回折(理学電機株式会社製X線回折装置SAD−RB、Rigakuを使用)を行った。図3(a)は75%負荷運転時において得られたサイクロン灰の酸処理前における粉末X線回折パターンを示すチャート図であり、図3(b)はその酸処理後におけるチャート図である。加圧流動床燃焼装置10の75%負荷運転時に得られたサイクロン灰を用いて酸処理前後の変化を測定した。図3から分かるように75%負荷運転時のサイクロン灰は酸処理によりCaCO3の回折ピーク(○)が完全に消失し、石炭灰に起因すると思われる回折ピーク(△)は保持されていた。また、酸処理により新たな水酸化物と思われる回折ピークが観測された。図4(a)は加圧流動床燃焼装置10とは別の燃焼試験機セラミックチューブフィルタ灰(CTF灰)を用いた場合における酸処理前の粉末X線回折パターンを示し、図4(b)はその酸処理後のパターンを示している。図4においては、CaOの回折ピーク(◎)は酸処理により完全に消失し、CaSO4の回折ピーク(×)は酸処理後にも若干観測された。石炭灰に起因すると思われる回折ピーク(△)は保持されて、加圧流動床燃焼装置10で採取された灰に見られた酸処理により発現する水酸化物と思われる回折ピークは観測されないことが分かった。

0017

表2にサイクロン灰、EP灰の加圧流動床燃焼装置10の100%負荷運転時及び75%負荷運転時におけるCa成分量の割合を示す。T−CaOで比較するとサイクロン灰の方が多い。また、Ca化合物形態で比較するとEP灰はCaSO4(石膏)の比率が高く、CaO、CaCO3の比率が低い。前述のXRD測定で分かるように酸処理前後の酸処理によりCaO、CaCO3の回折ピークが完全に消失するのに比して、CaSO4の回折ピークは若干残留していた。以上から、加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法において、EP灰に比べてサイクロン灰の方が高い精度が得られる原因と考えられた。

0018

0019

加圧流動床燃焼装置の制御方法においては、前記灰中Ca成分量の測定方法で取得されるデータに基づいて、加圧流動床燃焼装置10に供給される石炭、石灰石、水を含む燃料スラリーの構成及び供給量、燃焼室12内に固体粒子の流動床を形成させるのに必要な高圧空気の供給量などを調整する。このような制御は、加圧流動床燃焼装置10のシステムを管理する制御システムや制御装置27により行うことができ、これによってCa成分の変動による異常燃焼や、灰移送管の閉塞などを防止して、加圧流動床燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。また、加圧流動床燃焼装置の操業において蓄積されたCa成分量の履歴データを有効に反映させることが可能になる。

0020

本発明の一実施の形態に係る加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(a)加圧流動床燃焼装置10から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、燃焼室12内の状況を把握するのに必要なCa成分量のデータを効率的かつ迅速に取得でき、これを用いて加圧流動床燃焼装置10を適正に制御することができる。
(b)従来例のように試料を白金るつぼに入れて融解して冷却するような手順を省略できるので、灰中のCa成分量を迅速に取得することができ、加圧流動床燃焼装置10の稼動状況の変化に対応できる。
(c)採取した試料の融解工程がないので、Ca成分量測定の自動化を容易にして、異常燃焼や灰輸送管などの閉塞を防止して、加圧流動床燃焼装置10を適正に制御することができ。
(d)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、流動床の下部から排出される灰に比べて粒度や密度が小さく、燃焼室12内の炉内状況の変動に対して鋭敏に成分が変化する。従ってこれを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、これを制御装置27に入力して加圧流動床燃焼装置10の制御に資することができる。
(e)NN指示薬及びトリエタノールアミンを用いてろ液中のCaイオンの滴定を行うので、滴定操作を標準化された手順で行うことができ、信頼性と精度に優れ、測定作業を効率的に行うことができる。
(f)加圧流動床燃焼装置10から採取された灰のCa成分量を迅速に測定して、履歴データに基づいて石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整することもできるので、Ca成分の変動による異常燃焼や、灰移送管の閉塞などを防止して、加圧流動床燃焼装置10を適正に稼動させることができる。
(g)燃料スラリーの成分などが変動しても加圧流動床燃焼装置10の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストなどを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。

0021

請求項1に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法によれば、以下の効果を有する。
(a)加圧流動床燃焼装置から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、時々刻々変化する炉内状況を把握するのに必要なCa成分量のデータを取得でき、これを用いて加圧流動床燃焼装置を適正に制御することができる。
(b)加熱、冷却に時間を要しないので、灰中のCa成分量を迅速に取得することができ、加圧流動床燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる。
(c)Ca成分量測定の自動化を容易にして、異常燃焼や灰輸送管などの閉塞を防止して、加圧流動床燃焼装置を適正に制御することができる。
(d)灰中のCa成分のみを測定対象にしているので、加圧流動床燃焼装置を運転するの必要なデータを迅速かつ効率的に取得して、Ca成分の測定によるタイムラグを少なくできる。

0022

請求項2に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法によれば、請求項1の効果の他、以下の効果が得られる。
(a)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、流動床の下部から排出される灰に比べて粒度や密度が小さく、炉内状況の変動に対して鋭敏に成分が変化する。従ってこれを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、加圧流動床燃焼装置の制御に資することができる。

0023

請求項3に記載の加圧流動床燃焼装置における灰中Ca成分量の測定方法によれば、請求項1又は2の効果の他、以下の効果が得られる。
(a)NN指示薬及びトリエタノールアミンを用いてろ液中のCaイオンの滴定を行うので、滴定操作を標準化された手順で行うことができ、信頼性と精度に優れ、測定作業を効率的に行うことができる。

図面の簡単な説明

0024

請求項4に記載の加圧流動床燃焼装置の制御方法によれば、以下の効果が得られる。
(a)加圧流動床燃焼装置から採取された灰のCa成分量を測定して、その履歴データに基づいて、石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整するので、Ca成分の変動による異常燃焼や、灰移送管の閉塞などを防止して、加圧流動床燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。
(b)燃料スラリーの成分などが変動しても加圧流動床燃焼装置の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。

--

0025

図1灰中Ca成分量の測定方法を適用する加圧流動床燃焼装置の構成図
図2測定用の灰を酸液に溶解させる溶解工程のフロー
図3(a)サイクロン灰の酸処理前における粉末X線回折パターン
(b)サイクロン灰の酸処理後における粉末X線回折パターン
図4(a)セラミックチューブフィルタ灰の酸処理前の粉末X線回折パターン
(b)セラミックチューブフィルタ灰の酸処理後の粉末X線回折パターン

0026

10加圧流動床燃焼装置
11圧力容器
12燃焼室
13サイクロン
14燃料スラリーポンプ
15灰貯留タンク
15a採取装置
16コンプレッサ
17ガスタービン
18発電機
19蒸気タービン
20 発電機
21復水器
22給水ポンプ
23排煙脱硝装置
24排熱給水加熱器
25電気集塵機
25aサンプリング装置
26煙突
27 制御装置

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