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課題

石炭脱硫反応によって生成した硫酸カルシウムによる誤差を除くことができ、高精度で未燃分を測定できる燃焼装置における灰中未燃分測定方法を提供し、この未燃分のデータを用いて、加圧流動床燃焼装置などの制御システム構築することのできる燃焼装置の制御方法を提供する。

解決手段

石炭及び石灰石を含む燃料燃焼させる燃焼装置から前記燃料の灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理して不溶解分を抽出する酸処理工程と、前記酸処理工程で抽出された前記不溶解分を空気中で灼熱温度に保持して灼熱処理前後の質量差から未燃分を測定する定量工程とを有して構成された燃焼装置における灰中未燃分測定方法である。

概要

背景

炉内脱硫方式を採用した加圧流動床燃焼装置(PBFC)などの燃焼装置では、燃料となる石炭脱硫剤となる石灰石とを混合して、これを流動床などに供給して燃焼を行っている。このとき発生する燃焼灰中には石炭に由来する成分(SiO2、Al2O3など)や石灰石に由来する成分(CaCO3など)が混在すると共に、炭素分からなる未燃分が含まれ、これらの成分は燃焼装置内の燃焼状態に対応して複雑に変動し、その制御を困難にしている。例えば、この未燃焼分の量が増大し、その変動幅が大きくなることで、燃焼装置の操業が不安定になったり、燃焼効率が低下したりして、エネルギーコストが高くなるといった問題が発生する。従って、燃焼装置を安定した状態で稼動させるために、灰を適時サンプリングしてその分析を迅速に行うことで未燃焼分の変化を監視する必要があった。従来、燃焼炉から排出される灰中の未燃焼分は以下に示すような石炭類に関する灰分定量方法に準拠した方法などにより測定されていた。即ち、測定しようとする試料量し、予め恒量にしてある磁製皿などの灰化容器に試料を薄く広げる。室温にしてある電気炉均熱帯に灰化容器を装入し、炉の蓋を少し開けて電気炉に通電し、約60分かけて500℃まで昇温する。その後30〜60分かけて815℃まで昇温して、恒量となるまで815℃±10℃に保持する。保持時間は通常1時間でよいが、灰化が困難な試料の場合は2〜3時間とする。灰化が終了したら灰化容器を取り出し、最初は冷たい金属板上で10分間、次にデシケータ中で15〜20分間冷却する。冷却後、直ちに質量を0.1mgまではかって灰の量を求める。

概要

石炭の脱硫反応によって生成した硫酸カルシウムによる誤差を除くことができ、高精度で未燃分を測定できる燃焼装置における灰中未燃分測定方法を提供し、この未燃分のデータを用いて、加圧流動床燃焼装置などの制御システム構築することのできる燃焼装置の制御方法を提供する。

石炭及び石灰石を含む燃料を燃焼させる燃焼装置から前記燃料の灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理して不溶解分を抽出する酸処理工程と、前記酸処理工程で抽出された前記不溶解分を空気中で灼熱温度に保持して灼熱処理前後の質量差から未燃分を測定する定量工程とを有して構成された燃焼装置における灰中未燃分測定方法である。

目的

本発明は上記従来の課題を解決するもので、石炭の脱硫反応によって生成した硫酸カルシウムによる誤差を除くことができ、高精度で未燃分を測定できる燃焼装置における灰中未燃分測定方法を提供し、この未燃分のデータを用いて、加圧流動床燃焼装置などの制御システムを構築することのできる燃焼装置の制御方法を提供することを目的とする。

効果

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請求項1

石炭及び石灰石を含む燃料燃焼させる燃焼装置から前記燃料の灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理して不溶解分を抽出する酸処理工程と、前記酸処理工程で抽出された前記不溶解分を空気中で灼熱温度に保持して灼熱処理前後の質量差から未燃分を測定する定量工程とを有することを特徴とする燃焼装置における灰中未燃分測定方法

請求項2

前記燃焼装置が流動床を形成して前記燃料を燃焼させる加圧流動床燃焼装置であって、前記灰採取工程で採取される灰が、前記流動床から発生する排ガスが導入されるサイクロン捕捉されるサイクロン灰又は電気集塵機集塵されるEP灰であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法。

請求項3

前記定量工程における前記不溶解分を380〜420℃の予備処理温度に保持し、予備処理温度保持後の処理物秤量値と前記灼熱温度に保持した後の秤量値との差から未燃分を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法。

請求項4

請求項1乃至3の内何れか1項に記載の燃焼装置の灰中未燃分測定方法で測定された灰中未燃分量と、前記燃焼装置の未燃分履歴データとを比較して、前記燃焼装置に供給する前記石炭及び前記石灰石、燃焼用空気のそれぞれの供給量を調整することを特徴とする燃焼装置の制御方法

技術分野

(c)燃焼装置操業において蓄積された未燃分変動パターンを有効に反映させることができるので、変動が抑制され操業をより容易に行うことができる。

背景技術

0001

本発明は燃焼装置における灰中未燃分測定方法及びこれを用いた燃焼装置の制御方法に関する。

発明が解決しようとする課題

0002

炉内脱硫方式を採用した加圧流動床燃焼装置(PBFC)などの燃焼装置では、燃料となる石炭脱硫剤となる石灰石とを混合して、これを流動床などに供給して燃焼を行っている。このとき発生する燃焼灰中には石炭に由来する成分(SiO2、Al2O3など)や石灰石に由来する成分(CaCO3など)が混在すると共に、炭素分からなる未燃分が含まれ、これらの成分は燃焼装置内の燃焼状態に対応して複雑に変動し、その制御を困難にしている。例えば、この未燃焼分の量が増大し、その変動幅が大きくなることで、燃焼装置の操業が不安定になったり、燃焼効率が低下したりして、エネルギーコストが高くなるといった問題が発生する。従って、燃焼装置を安定した状態で稼動させるために、灰を適時サンプリングしてその分析を迅速に行うことで未燃焼分の変化を監視する必要があった。従来、燃焼炉から排出される灰中の未燃焼分は以下に示すような石炭類に関する灰分定量方法に準拠した方法などにより測定されていた。即ち、測定しようとする試料量し、予め恒量にしてある磁製皿などの灰化容器に試料を薄く広げる。室温にしてある電気炉均熱帯に灰化容器を装入し、炉の蓋を少し開けて電気炉に通電し、約60分かけて500℃まで昇温する。その後30〜60分かけて815℃まで昇温して、恒量となるまで815℃±10℃に保持する。保持時間は通常1時間でよいが、灰化が困難な試料の場合は2〜3時間とする。灰化が終了したら灰化容器を取り出し、最初は冷たい金属板上で10分間、次にデシケータ中で15〜20分間冷却する。冷却後、直ちに質量を0.1mgまではかって灰の量を求める。

0003

しかしながら、上記従来の技術では以下の課題を有していた。
(1)灰中には石炭の脱硫反応によって生成した硫酸カルシウム(CaSO4)が存在するので、硫酸カルシウムがCaSO4→CaO+1/2O2+SO2のように熱分解して、酸素二酸化硫黄ガスとして散逸し質量の測定に誤差を生じるため、高精度で未燃分を測定できないという課題があった。
(2)未燃分の測定値にこのような誤差が生じるので、この未燃分のデータを用いて、加圧流動床燃焼装置などの制御システム構築する場合に支障を生じるという課題があった。

課題を解決するための手段

0004

本発明は上記従来の課題を解決するもので、石炭の脱硫反応によって生成した硫酸カルシウムによる誤差を除くことができ、高精度で未燃分を測定できる燃焼装置における灰中未燃分測定方法を提供し、この未燃分のデータを用いて、加圧流動床燃焼装置などの制御システムを構築することのできる燃焼装置の制御方法を提供することを目的とする。

0005

上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有している。請求項1に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法は、石炭及び石灰石を含む燃料を燃焼させる燃焼装置から前記燃料の灰を採取する灰採取工程と、前記灰を酸処理して不溶解分を抽出する酸処理工程と、前記酸処理工程で抽出された前記不溶解分を空気中で灼熱温度に保持して灼熱処理前後の質量差から未燃分を測定する定量工程とを有して構成されている。この構成によって以下の作用が得られる。
(a)燃焼装置から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、変化する炉内状況を把握するのに必要な灰中の未燃分量のデータを取得し、このデータに基づいて燃焼装置を適正に制御できる。
(b)酸処理工程を有するので、硫酸カルシウムなどのカルシウム分が予め溶出されて除去され、硫酸カルシウムの熱分解に基づく誤差を排除して、未燃分を高精度で測定でき、このデータを用いて燃焼装置の稼動状況の変化を把握することができる。
(c)未燃分が適正に管理されるので、燃焼室内の異常燃焼などのトラブルが回避され、燃焼装置を円滑に稼動させることができる。

0006

ここで、燃焼装置には、石灰石と石炭とを含む燃料スラリー乾燥粒子からなる粉状燃料を燃料として適用し、流動床中で空気を用いて燃焼させる炉内脱硫方式の加圧流動床燃焼装置や、その他の非加圧型のものなどが含まれる。燃料スラリーは、石炭及び石灰石を所定比率粉砕したものに所定量の水を加えて混合したスラリーである。灰採取工程は、加圧流動床燃焼装置の排ガスが導入されるサイクロンや、電気集塵機(EP)などの灰貯留部や、灰が輸送される灰移送管から灰を抜き出す工程であって、この灰貯留部や灰移送管に挿入されたサンプリング管吸引器などを介して、自動的に測定用の試料を所定量づつ採取できる。酸処理工程は、塩酸などの所定濃度酸液中に試料灰を入れ、処理液所定温度撹拌しながら試料灰中のカルシウム分をろ液中に溶解させ、不溶解分を得る工程である。定量工程は、電気炉中に試料を挿入して、熱処理前後の質量差を測定するものや、一定の昇温速度のもとにおける物質質量変化を経時的に測定する熱重量分析計など用いることができる。熱重量分析計では、示差熱分析を併用したり,加熱前後の試料について赤外吸収X線回折磁化率などを測定したり、あるいは発生気体の分析を行なうことで熱重量測定による変化過程をより正確に知ることもできる。

0007

請求項2に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法は、請求項1に記載の発明において、前記燃焼装置が流動床を形成して前記燃料を燃焼させる加圧流動床燃焼装置であって、前記灰採取工程で採取される灰が、前記流動床から発生する排ガスが導入されるサイクロンで捕捉されるサイクロン灰又は電気集塵機で集塵されるEP灰であるように構成されている。この構成によって、請求項1の作用の他、以下の作用が得られる。
(a)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、流動床の下部から排出される灰に比べて粒度密度が小さく、炉内状況の変動に対して鋭敏に成分が変化する。従ってこれを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、加圧流動床燃焼装置の制御に資することができる。

0008

請求項3に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法は、請求項1又は2に記載の発明において、前記定量工程における前記不溶解分を380〜420℃の予備処理温度に保持し、予備処理温度保持後の処理物秤量値と前記灼熱温度に保持した後の秤量値との差から未燃分を求めるように構成されている。この構成によって、請求項1又は2に前記定量工程の作用の他、以下の作用が得られる。
(a)試料中の水を除去でき、かつ試料中のカーボンの燃焼が起きない予備処理温度に不溶解分が保持されるので、酸処理工程により灰中の一部の酸化物成分結晶水を含む構造に転換している場合でも、この結晶に取り込まれた結晶水を放出できる。このため、以降の灼熱温度で処理する際の測定の誤差要因となる試料中の水を除去して、高い精度で不燃分を測定することができる。ここで、予備処理温度が380℃より低いと、結晶水の除去が不十分となり、逆に420℃を超えると、試料に含まれるカーボンの一部の燃焼が起こり誤差となるので好ましくない。

発明を実施するための最良の形態

0009

請求項4に記載の燃焼装置の制御方法は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の燃焼装置の灰中未燃分測定方法で測定された灰中未燃分量と、前記燃焼装置の未燃分履歴データとを比較して、前記燃焼装置に供給する前記石炭及び前記石灰石、燃焼用空気のそれぞれの供給量を調整するように構成されている。この構成によって、以下の作用が得られる。
(a)加圧流動床燃焼装置から採取された灰の未燃分量を測定して、その履歴データに基づいて、石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整するので、未燃分の変動による異常燃焼や、操業トラブルなどを防止して、加圧流動床燃焼装置などの燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。
(b)燃料スラリーの成分などが変動しても燃焼装置の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストなどを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。
(c)燃焼装置の操業において蓄積された未燃分の変動パターンを有効に反映させることができるので、変動が抑制され操業をより容易に行うことができる。

0010

以下、本発明の一実施の形態に係る燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法及び燃焼装置の制御方法について説明する。図1は本発明の一実施の形態の燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法を適用する加圧流動床燃焼装置の構成図である。図1において、10は燃焼装置の一例である加圧流動床燃焼装置、11は圧力容器、12は圧力容器11内に収容され燃料スラリーを流動化状態で保持して燃焼させる燃焼室、13は燃焼室12の上部から排出される燃焼ガスが導入される多段構成のサイクロン、14は燃焼室12の下部に石炭、石灰石、水のそれぞれの所定量を混合して燃焼室12内の下部に供給する燃料スラリーポンプ、15はサイクロン13下部から取り出される燃焼ガス中の灰を貯留するための灰貯留タンク、15aは灰貯留タンク15の灰(好ましくは最新の灰)を採取する採取装置、16は燃焼室12内の燃料スラリーを流動化させて流動床を形成させるための高圧空気を供給するコンプレッサ、17はサイクロン13の上部から供給される燃焼ガスで駆動されるガスタービン、18はガスタービン17で回転される発電機、19は燃焼室12内の熱交換用配管を介して加熱された蒸気により駆動される蒸気タービン、20は蒸気タービン19で回転される発電機、21は蒸気タービン19から供給される蒸気を凝縮させる復水器、22は燃焼室12と蒸気タービン19との間に給水を循環供給させるための給水ポンプ、23はガスタービン17から排出されるガスの脱硝を行うための排煙脱硝装置、24は排煙脱硝装置23から供給されるガスの熱で燃焼室12に給水ポンプ22を介して送られる給水を予熱するための排熱給水加熱器、25は排熱給水加熱器24の排ガスに含まれる微細固形分を除去するための電気集塵機、25aは電機集塵機25で捕捉された灰のサンプリング装置、26は排ガスを大気中に逃がすための煙突、27は灰貯留タンク15及び電気集塵機25から採取装置15a及びサンプリング装置25aを介してそれぞれ採取されたサイクロン灰、EP灰の分析データが入力され燃料スラリーポンプ14やコンプレッサ16、給水ポンプ22を制御する制御装置である。

0011

制御装置27は必要に応じて設けられ、制御装置27を設けた場合は加圧流動床燃焼装置10の全体を制御する制御システムの一部を構成している。この制御装置27によって、予めメモリに記憶されたプログラムに従って、測定された灰中未燃分量と、加圧流動床燃焼装置10の未燃分量履歴データとを比較して、加圧流動床燃焼装置10の燃焼室12に供給する石炭及び石灰石、コンプレッサ16によって燃焼室12の下部に供給される高圧空気のそれぞれの供給量を調整することができる。採取装置15a及びサンプリング装置25aは灰貯留タンク15及び電気集塵機25に挿入されたサンプリング管やその底部に開口して設けられた排出管、吸引器などからなり、2段に構成された開閉弁などを備えて加圧流動床燃焼装置10が稼動中でも所定量の灰を採取できるようになっている。

0012

以上のように構成された加圧流動床燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法について説明する。灰採取工程では、灰貯留タンク15及び電気集塵機25から採取装置15a、サンプリング装置25aなどを介してそれぞれ所定量のサイクロン灰、EP灰を所定間隔毎、例えば6時間毎に採取する。なお、ここでは加圧流動床燃焼装置10の75%負荷運転時において試料を採取した。酸処理工程では、図2に示す溶解工程フロー図のように20%HCl(l8.5ml)と100%HClO(5ml)を前記採取されたサイクロン灰、EP灰の試料(2.0g)に加えて温度90℃〜110℃、時間約30分の加熱条件で酸処理を行って、Ca分をろ液に溶解させ、残さを蒸留水洗浄して不溶解分を得た。

0013

定量工程では、前記酸処理工程で得られた不溶解分を回収し、約400℃の予備処理温度に所定時間、例えば30分〜60分間保持した後、保持後の質量を測定し、熱重量分析装置LECO社製TGA−601) LECO)を用いて815℃における減量を測定して灰中未燃分量を定量した。なお、前記灼熱減量から未燃分を求める測定は熱重量分析装置を用いることなく以下の手順〜に従って行うこともできる。即ち、酸処理工程で得た不溶解分を秤量し、予め恒量にしてある磁製皿などに試料を薄く広げる。電気炉の均熱帯に磁製皿を装入し、炉の蓋を少し開けて電気炉に通電し、約60分かけて500℃まで昇温する。その後30〜60分かけて815℃まで昇温して、恒量となるまで815℃±10℃に1〜3時間保持させる。磁製皿を電気炉から取り出し、冷たい金属板上で10分間、次にデシケータ中で15〜20分間冷却する。冷却後、磁製皿の質量を0.1mgまではかって処理前後の質量差から未燃分の量を求めることができる。

0014

(実施例1)以下、灰中不燃分の測定精度を高めるための予備処理温度を設定するために行った実験の結果について説明する。表1に予備処理温度を107℃、300℃、400℃、500℃にそれぞれ設定して加圧流動床燃焼装置10の75%負荷運転時における灰中の未燃分を測定した結果を示した。この表1から明らかなように予備処理温度の高低により、灼熱処理(815℃)後の秤量値から算出される不燃分の数値が異なっている。なお、化学的恒量値は化学的測定手段で求められた不燃分の値である。サイクロン灰、EP灰ともに400℃で予備処理を行うことによって正確な分析値が得られることが分かる。なお、400℃予備処理の場合、サイクロン灰、EP灰の誤差はそれぞれ0.04、0.66%とEP灰の方が大きくなっていることが分かる。このようにEP灰の場合の差はサイクロン灰の場合の差よりやや大きいが、燃焼室12により近い側で採取されるサイクロン灰のデータの方が加圧流動床燃焼装置10の運転状態をより的確に反映したものとなるので、サイクロン灰のデータを用いれば実運用面では問題ないと考えられる。この結果より加圧流動床燃焼装置10における灰中未燃分量の測定方法の信頼性が確認された。

0015

0016

(実施例2)酸処理工程における酸処理前後の構成物質変化を調べるためにX線回折(理学電機株式会社製X線回折装置SAD−RB、Rigakuを使用)を行った。図3(a)は75%負荷運転時において得られたサイクロン灰の酸処理前における粉末X線回折パターンを示すチャート図であり、図3(b)はその酸処理後におけるチャート図である。加圧流動床燃焼装置10の75%負荷運転時に得られたサイクロン灰を用いて酸処理前後の変化を測定した。図3から分かるように75%負荷運転時のサイクロン灰は酸処理によりCaCO3の回折ピーク(○)が完全に消失し、石炭灰に起因すると思われる回折ピーク(△)は保持されていた。また、酸処理により新たな水酸化物と思われる回折ピークが観測された。図4(a)は加圧流動床燃焼装置10とは別の燃焼試験機セラミックチューブフィルタ灰(CTF灰)を用いた場合における酸処理前の粉末X線回折パターンを示し、図4(b)はその酸処理後のパターンを示している。図4においては、CaOの回折ピーク(◎)は酸処理により完全に消失し、CaSO4の回折ピーク(×)は酸処理後にも若干観測された。石炭灰に起因すると思われる回折ピーク(△)は保持されて、加圧流動床燃焼装置10で採取された灰に見られた酸処理により発現する水酸化物と思われる回折ピークは観測されないことが分かった。

0017

表2にサイクロン灰、EP灰の加圧流動床燃焼装置10の100%負荷運転時及び75%負荷運転時における未燃分量の割合を示す。T−CaOで比較するとサイクロン灰の方が多い。また、Ca化合物形態で比較するとEP灰はCaSO4(石膏)の比率が高く、CaO、CaCO3の比率が低い。前述のXRD測定で分かるように酸処理前後の酸処理によりCaO、CaCO3の回折ピークが完全に消失するのに比して、CaSO4の回折ピークは若干残留していた。以上から、加圧流動床燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法において、EP灰に比べてサイクロン灰の方が高い精度が得られる原因と考えられた。

0018

0019

加圧流動床燃焼装置の制御方法においては、前記灰中未燃分量の測定方法で取得されるデータに基づいて、加圧流動床燃焼装置10に供給される石炭、石灰石、水を含む燃料スラリーの構成及び供給量、燃焼室12内に固体粒子の流動床を形成させるのに必要な高圧空気の供給量などを調整する。このような制御は、加圧流動床燃焼装置10のシステムを管理する制御システムや制御装置27により行うことができ、これによって灰中不燃分の変動による異常燃焼などトラブルを防止して、加圧流動床燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。また、加圧流動床燃焼装置の操業において蓄積された未燃分量の履歴データを有効に反映させることが可能になる。

0020

本発明の一実施の形態に係る加圧流動床燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(a)加圧流動床燃焼装置10から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、変化する炉内状況を把握するのに必要な灰中の未燃分量のデータを取得し、このデータに基づいて加圧流動床燃焼装置10を適正に制御できる。
(b)酸処理工程を有するので、硫酸カルシウムなどのカルシウム分が予め除去され、硫酸カルシウムの熱分解に基づく誤差を排除して、未燃分を高精度で測定でき、未燃分を適正に取得して加圧流動床燃焼装置10の稼動状況の変化に対応できる。
(c)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、これを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、加圧流動床燃焼装置10の制御を効果的に行うことができる。
(d)試料中の水を除去でき、かつ試料中のカーボンの燃焼が起きない予備処理温度で不溶解分が保持されるので、以降の灼熱温度で処理する際の測定の誤差要因となる試料中の水を除去して、高精度で不燃分を測定することができる。
(e)加圧流動床燃焼装置10から採取された灰の未燃分量を測定して、その履歴データに基づいて、石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整するので、未燃分の変動による異常燃焼等の操業にかかるトラブルを防止して、加圧流動床燃焼装置10などの燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。
(f)燃料スラリーの成分などが変動しても加圧流動床燃焼装置10の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストなどを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。

0021

請求項1に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法によれば、以下の効果が得られる。
(a)燃焼装置から灰を所定期間毎に採取する灰採取工程を有するので、変化する炉内状況を把握するのに必要な灰中の未燃分量のデータを取得し、このデータに基づいて燃焼装置を適正に制御できる。
(b)酸処理工程を有するので、硫酸カルシウムなどのカルシウム分が予め除去され、硫酸カルシウムの熱分解に基づく誤差を排除して、未燃分を高精度で測定でき、未燃分を適正に取得して燃焼装置の稼動状況の変化に対応できる。
(c)未燃分が適正に管理されるので、燃焼室内の異常燃焼などのトラブルが回避され、燃焼装置を円滑に制御できる。

0022

請求項2に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法によれば、請求項1の効果の他、以下の効果が得られる。
(a)灰採取工程で採取される灰がサイクロン灰又はEP灰であるので、流動床の下部から排出される灰に比べて粒度や密度が小さく、炉内状況の変動に対して鋭敏に成分が変化する。従ってこれを分析することにより、炉内状況を的確に反映したデータが取得され、加圧流動床燃焼装置の制御に資することができる。

0023

請求項3に記載の燃焼装置における灰中未燃分測定方法によれば、請求項1又は2の効果の他、以下の効果が得られる。
(a)試料中の水を除去でき、かつ試料中のカーボンの燃焼が起きない予備処理温度に不溶解分が保持されるので、酸処理工程により灰中の一部の酸化物成分が結晶水を含む構造に転換している場合でも、この結晶に取り込まれた結晶水を放出できる。このため、以降の灼熱温度で処理する際の測定の誤差要因となる試料中の水を除去して、高い精度で不燃分を測定することができる。

図面の簡単な説明

0024

請求項4に記載の燃焼装置の制御方法によれば、以下の効果が得られる。
(a)加圧流動床燃焼装置から採取された灰の未燃分量を測定して、その履歴データに基づいて、石炭及び石灰石、高圧空気のそれぞれの供給量を調整するので、未燃分の変動による異常燃焼や、操業トラブルなどを防止して、加圧流動床燃焼装置などの燃焼装置の稼動状態を常時適正に維持させることができる。
(b)燃料スラリーの成分などが変動しても燃焼装置の燃焼状態が安定に制御されるので、エネルギーコストなどを最適化して操業を行うことができ、経済性に優れている。

--

0025

図1本発明の一実施の形態の加圧流動床燃焼装置における灰中未燃分量の測定方法を適用する加圧流動床燃焼装置の構成図
図2溶解工程のフロー
図3(a)サイクロン灰の酸処理前における粉末X線回折パターン
(b)サイクロン灰の酸処理後における粉末X線回折パターン
図4(a)セラミックチューブフィルタ灰の酸処理前の粉末X線回折パターン
(b)セラミックチューブフィルタ灰の酸処理後の粉末X線回折パターン

0026

10加圧流動床燃焼装置
11圧力容器
12燃焼室
13サイクロン
14燃料スラリーポンプ
15灰貯留タンク
15a採取装置
16コンプレッサ
17ガスタービン
18発電機
19蒸気タービン
20 発電機
21復水器
22給水ポンプ
23排煙脱硝装置
24排熱給水加熱器
25電気集塵機
25aサンプリング装置
26煙突
27 制御装置

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