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技術 単結晶くねり成長検出方法及び単結晶くねり成長検出装置並びに単結晶製造装置

出願人 株式会社SUMCO
発明者 藤原秀樹
出願日 2001年11月22日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2001-357209
公開日 2003年6月3日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2003-160394
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 一次元ラインセンサー 操業パラメータ 転位長 公転周期 直径計測装置 自転周期 単振り子 一次元カメラ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

ねり成長を確実に検知して抑制し、安定した単結晶引上げを実現する。

解決手段

結晶くねり成長検出方法は、坩堝1内にシリコン原料充填して溶解し、その溶融液種結晶15を浸漬して回転させながら引上げて単結晶12を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する方法である。この方法では、単結晶12の成長面フュージョンリング変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断する。単結晶くねり成長検出装置は、変動周期検出手段(20,21,22)と結晶回転周期検出手段(20,21,30)と比較手段23とからなる。単結晶製造装置は、上記単結晶くねり成長検出装置(20,21,22,23,30)と、この単結晶くねり成長検出装置で単結晶くねり成長を検出したときに操業パラメータを変更するPLC30とからなる。

概要

背景

半導体基板に用いられるシリコン単結晶製造方法には種々の方法があるが、その一つに、回転引上げ法であるチョクラルスキー法(以下CZ法という)があり、広く用いられている。図2は前記CZ法による単結晶製造装置を示す模式図である。図中1はチャンバ内に配設された坩堝である。該坩堝1は有底円筒状をなす石英製の内層保持容器1aと、該内層保持容器1aの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製外層保持容器1bとにて構成されている。この坩堝1は、回転並びに昇降可能な支持軸6の上端部に固定されている。坩堝1の外側には抵抗加熱式ヒーター2が同心円状に配設されており、前記坩堝1内には所定重量原料ヒーター2により溶融させた溶融液13が充填されている。前記坩堝1の中心軸上には、支持軸6と同一軸心で逆方向或いは同方向に所定の速度で回転する引上げ軸(またはワイヤー、以下両者を合わせて「引上げ軸」と記す。)5が配設されており、引上げ軸5には種結晶15が吊り下げられている。

このような単結晶製造装置にあっては、坩堝1内に結晶用原料投入し、減圧下、不活性ガス雰囲気中で結晶用原料を坩堝1の周囲に配設したヒーター2にて溶融した後、その溶融液13に引上げ軸5に吊り下げられた種結晶15を浸漬し、坩堝1及び引上げ軸5を回転させつつ、引上げ軸5を上方に引上げて種結晶15の下端に単結晶12を成長させる。CZ法では、種結晶に元から含まれる転位や、着液時の熱ショックで導入される転位を除去するために、まず種結晶を直径3mm程度まで細く絞る(これをネック工程と呼ぶ)。その後徐々に所定の径まで増径して定径部を引き上げる。

概要

ねり成長を確実に検知して抑制し、安定した単結晶引上げを実現する。

単結晶くねり成長検出方法は、坩堝1内にシリコン原料を充填して溶解し、その溶融液に種結晶15を浸漬して回転させながら引上げて単結晶12を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する方法である。この方法では、単結晶12の成長面フュージョンリング変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断する。単結晶くねり成長検出装置は、変動周期検出手段(20,21,22)と結晶回転周期検出手段(20,21,30)と比較手段23とからなる。単結晶製造装置は、上記単結晶くねり成長検出装置(20,21,22,23,30)と、この単結晶くねり成長検出装置で単結晶くねり成長を検出したときに操業パラメータを変更するPLC30とからなる。

目的

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、くねり成長が生じた場合にそれを確実に検知し、かつそれを抑制して、安定した単結晶引上げを実現することができる単結晶くねり成長検出方法及び単結晶くねり成長検出装置並びに単結晶製造装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

坩堝内原料充填して溶解し、該溶融液種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する単結晶くねり成長検出方法において、上記結晶の成長面フュージョンリング変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断することを特徴とする単結晶くねり成長検出方法。

請求項2

坩堝内に原料を充填して溶解し、該溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する単結晶くねり成長検出装置において、上記結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出する変動周期検出手段と、結晶回転周期を検出する結晶回転周期検出手段と、上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較してこれらが一致したときに単結晶のくねり成長と判断する比較手段とを備えて構成されたことを特徴とする単結晶くねり成長検出装置。

請求項3

請求項2記載の単結晶くねり成長検出装置において、上記変動周期検出手段が、上記結晶が引上げられる溶融液上の成長界面を検出領域として走査して当該検出領域上の光強度を検出する光強度検出部と、当該光強度検出部での検出値からフュージョンリングの位置を検出してそのフュージョンリングから溶融液面での結晶の直径を計測する直径計測部と、当該直径計測部での計測値の変化を解析して上記溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出する解析部とを備えて構成されたことを特徴とする単結晶くねり成長検出装置。

請求項4

請求項3記載の単結晶くねり成長検出装置において、前記光強度検出部が二次元カメラによって構成されたことを特徴とする単結晶くねり成長検出装置。

請求項5

坩堝内に原料を充填して溶解し、該溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる単結晶製造装置において、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の単結晶くねり成長検出装置と、当該単結晶くねり成長検出装置で単結晶くねり成長を検出したときに操業パラメータを変更する制御部とを備えて構成されたことを特徴とする単結晶製造装置。

技術分野

0001

本発明はシリコン単結晶引上げ時に生じるくねり成長の問題を解消した単結晶くねり成長検出方法及び単結晶くねり成長検出装置並びに単結晶製造装置に関する。

背景技術

0002

半導体基板に用いられるシリコン単結晶製造方法には種々の方法があるが、その一つに、回転引上げ法であるチョクラルスキー法(以下CZ法という)があり、広く用いられている。図2は前記CZ法による単結晶製造装置を示す模式図である。図中1はチャンバ内に配設された坩堝である。該坩堝1は有底円筒状をなす石英製の内層保持容器1aと、該内層保持容器1aの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製外層保持容器1bとにて構成されている。この坩堝1は、回転並びに昇降可能な支持軸6の上端部に固定されている。坩堝1の外側には抵抗加熱式ヒーター2が同心円状に配設されており、前記坩堝1内には所定重量原料ヒーター2により溶融させた溶融液13が充填されている。前記坩堝1の中心軸上には、支持軸6と同一軸心で逆方向或いは同方向に所定の速度で回転する引上げ軸(またはワイヤー、以下両者を合わせて「引上げ軸」と記す。)5が配設されており、引上げ軸5には種結晶15が吊り下げられている。

0003

このような単結晶製造装置にあっては、坩堝1内に結晶用原料投入し、減圧下、不活性ガス雰囲気中で結晶用原料を坩堝1の周囲に配設したヒーター2にて溶融した後、その溶融液13に引上げ軸5に吊り下げられた種結晶15を浸漬し、坩堝1及び引上げ軸5を回転させつつ、引上げ軸5を上方に引上げて種結晶15の下端に単結晶12を成長させる。CZ法では、種結晶に元から含まれる転位や、着液時の熱ショックで導入される転位を除去するために、まず種結晶を直径3mm程度まで細く絞る(これをネック工程と呼ぶ)。その後徐々に所定の径まで増径して定径部を引き上げる。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の単結晶製造装置においては、その引上げ速度過度に速かったり、引上げ軸5に振れが生じた場合に、結晶がくねり成長を生じるという現象があった。このくねり成長とは、図3に示すように成長界面片方に偏って引上げられるため、回転するとあたかもくねっているように見える成長状態である。

0005

結晶製造においては、単結晶の成長状態を監視するために、直径計測手段が設けられている。この直径計測手段としては、例えば特公昭53−42476号公報に示されるような、光学式一次元ラインセンサーが一般的に用いられている。この一次元ラインセンサーで単結晶の直径を計測して成長状態が監視される。

0006

しかしながら前述のようなくねり成長が生じると、図4に示すように、フュージョンリング18が変動するため、図5に示すように直径が大きく変動したように計測されてしまう。その結果、制御装置により介入される引上げ速度やヒーター温度の制御も変動してしまうため、安定した引上げが行えず、設定した引上げ径からずれて製品とならない場合がある。

0007

また、有転位化を生じやすく、場合によっては引上げそのものが不能となることがある。そして、このくねり成長は、直径300mmのような大口径結晶ほど顕著になる。

0008

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、くねり成長が生じた場合にそれを確実に検知し、かつそれを抑制して、安定した単結晶引上げを実現することができる単結晶くねり成長検出方法及び単結晶くねり成長検出装置並びに単結晶製造装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、第1の発明に係る単結晶くねり成長検出方法は、坩堝内に原料を充填して溶解し、該溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する単結晶くねり成長検出方法において、上記結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断することを特徴とする。

0010

上記構成において、くねり成長が生じている状態では、結晶成長界面中心が、引上げ軸鉛直中心からずれているため、フュージョンリングも見かけ上変動して観察され、またその周期は結晶回転数に一致している。このため、結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期と結晶回転周期とが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断することができる。

0011

第2の発明に係る単結晶くねり成長検出装置は、坩堝内に原料を充填して溶解し、該溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出する単結晶くねり成長検出装置において、上記結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出する変動周期検出手段と、結晶回転周期を検出する結晶回転周期検出手段と、上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較してこれらが一致したときに単結晶のくねり成長と判断する比較手段とを備えて構成されたことを特徴とする。

0012

上記構成により、変動周期検出手段で結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出する。結晶回転周期検出手段で結晶回転周期を検出する。そして、比較手段で、上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較する。この比較によって、上記結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期と結晶回転周期とが一致すると、上述の理由により単結晶のくねり成長と判断する。

0013

上記変動周期検出手段は、上記結晶が引上げられる溶融液上の成長界面を検出領域として走査して当該検出領域上の光強度を検出する光強度検出部と、当該光強度検出部での検出値からフュージョンリングの位置を検出してそのフュージョンリングから溶融液面での結晶の直径を計測する直径計測部と、当該直径計測部での計測値の変化を解析して上記溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出する解析部とを備えて構成することが望ましい。

0014

上記構成により、光強度検出部で検出した領域での光強度の違いからフュージョンリングの位置を検出し、直径計測部でフュージョンリングから溶融液面での結晶の直径を計測する。そして、直径計測部での計測値の変化を解析部で解析して、上記溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出する。

0015

上記変動周期検出手段の光強度検出部は、二次元カメラによって構成することが望ましい。

0016

上記構成により、フュージョンリングの変動量が大きくなっても、二次元カメラを用いることで、確実に追随することができ、くねり成長の確実な検知が可能となる。

0017

第3の発明に係る単結晶製造装置は、坩堝内に原料を充填して溶解し、該溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる単結晶製造装置において、上記いずれかの単結晶くねり成長検出装置と、当該単結晶くねり成長検出装置で単結晶くねり成長を検出したときに操業パラメータを変更する制御部とを備えて構成されたことを特徴とする。

0018

上記構成により、単結晶くねり成長検出装置で単結晶のくねり成長を確実に検出して、制御部で操業パラメータを変更する。これにより、単結晶のくねり成長を確実に抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の実施形態に係る単結晶くねり成長検出方法及び単結晶くねり成長検出装置並びに単結晶製造装置について図面を参照しながら説明する。

0020

[単結晶くねり成長検出方法]本実施形態の単結晶くねり成長検出方法は、坩堝内に原料を充填して溶解し、その溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出するための方法である。この単結晶くねり成長検出方法において、上記結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長が生じたと判断する。

0021

結晶のくねり成長は、特に引上げ軸の振れなどにより、成長界面の回転中心鉛直軸からずれて偏心回転運動となり、かつその周期が結晶回転周期と一致したときに発生する。そして、引上げ速度が速くなると、偏りも大きくなって、くねり成長はより大きくなる。

0022

この理由を図6を用いて説明する。成長界面中心が鉛直軸Cからずれて偏心回転運動を行うと、単結晶12は自転しながら公転する。図6(a)(b)で4つの単結晶12があるのは、この単結晶12が公転していることを示す。公転周期である偏心回転周期と自転周期である結晶回転周期が一致した場合、図6(a)のように、単結晶12の成長界面は必ず同じ温度分布に面することになる。すなわち、単結晶12の成長界面のA点は常に公転軌跡の外側に位置し、B点に常に公転軌跡の内側に位置することになる。このとき、公転の中心位置(鉛直軸C)と周辺位置とでわずかでも温度分布に差があれば、単結晶12のA点とB点でも同じように温度分布に差が生じる。即ち、A点とB点との間にわずかな温度差が生じることになる。これにより、成長界面のA点とB点とにおける単位時間あたりの成長量に差が生じてその差が次第に蓄積される。この結果、図7(a)に示すように、A点とB点とで成長量に大きな差が生じて全体的に偏った成長となってしまう。実際にはある程度成長すると重心の変化が付随するため、結局あたかも螺旋を描くように、くねり成長することになる。ただし、温度差が大きい場合には、比較的短時間のうちに一方向に大きく偏って成長するため、引上げそのものが不能となることがある。

0023

これに対して、偏心回転周期が結晶回転周期からずれている場合、偏心回転運動が生じても、図6(b)に示すように、A点及びB点は公転軌跡の内外側を移動して、A点とB点が周期的に異なる温度分布上を動くことになる。この結果、温度分布の違いによって成長量に差が生じても、図7(b)に示すように、A点とB点とで成長量が交互に変化して、長期的には同じ成長量となる。これにより、くねり成長は抑えられる。

0024

本発明では、前述のように、くねり成長を生じているときには、単結晶12の成長界面の偏心回転周期と結晶回転周期とが一致することに着目した。即ち、上記偏心回転周期と結晶回転周期との一致を、くねり成長の発生条件と見ることができる。

0025

図4図5に示されるように、くねり成長を生じてしまった場合、カメラで検出する直径計測値は結晶が一回転する間に周期的に2回(図4中では(a)及び(c)で2回)変動する。したがって、直径の変動周期を調べ、それが結晶回転半周期に一致すれば、上記偏心回転周期と結晶回転周期との一致であり、くねり成長を生じていると判断できる。即ち、くねり成長を検知することができる。

0026

ところで、直径計測の変動を検知する手段として次のようなものがある。

0027

特許第3099724号公報(比較例1)には、引上げ中のねじれ振動を検知する手段が記載されている。しかし、ねじれ振動は細いネック部と大径の結晶直胴部が、細く長い軸とその先に取り付けられた大型円筒のような関係になり、慣性モーメントの差によって軸部、すなわちネック部に生じる振動現象であり、本発明の対象となるくねり成長とは全く異なる現象である。さらに、該公報では直径変動の検知手段として、単結晶成長特有の現象である晶癖線の部分がラインセンサー部を通過する時間間隔乱れを検知することを特徴としているが、一般的にねじれ振動はくねり成長の周期に対し、高周波数であるため、平均的には結晶回転数を晶癖線本数で除した値と大差はなく、その上、有転位化を生じた場合に晶癖線が消失するため、その後は検知することは不可能となる。したがって、該手法では、くねり成長を検知することはできない。

0028

「くねり成長」は、ボディ部がまさにくねるように成長する「らせん成長」とでも呼ぶべきものである。図8はくねり成長を生じた結晶である。結晶成長中にこのくねり成長が生じると、測定上では径変動を生じたと認識するため、制御が不安定になってしまう上に、さらに進むと全くゆがんでしまい、引上げ不能の状態に陥る。

0029

また、比較例1における「シーム部」とは単結晶成長時特有の「晶癖線」のことである。この部分は他の部分に比較して外に1−2mmほど飛び出した状態にある。したがって、各シーム部が回転によりラインセンサーを通過すると、一時的に径が大きくなったと検知される。この周期が「シーム部検知周期」であり、その周期は「結晶回転周期/晶癖線数」となる。例えば(100)方位の引上げならば、晶癖線は4本になるので、結晶回転周期の4分の1となる。ねじれ振動発生に伴い、結晶の揺れ及び液面の揺れが生じ、一本一本の晶癖線が通過する間隔が乱れるため、ねじれ振動を検知可能となる。しかし、有転位化を生じた場合には、シームが無くなるため、ねじれ振動を検知することはできなくなる。

0030

一方、くねり成長では、偏心回転運動により観察される半楕円形状のフュージョンリングがシーソーのように上下に動く。このために、径の測定値が結晶回転の半周期に一致して変動する。シーム部は必要ないので、有転位化後も計測可能である。

0031

また、特公平7−091149号公報(比較例2)には、結晶の振れを検知する方法が記載されているが、結晶の振れは単振り子系であり、偏心回転運動であるくねり成長とは全く異なる現象である。結晶振れが生じても、上述のような条件が満たされないとくねり成長は生じないため、該手法ではくねり成長と振れを区別することはできない。

0032

すなわち、くねり成長では、振れが原因の一つであることは確かであるが、くねり成長を生じた後は必ずしも振れは生じていない。また、振れの非常に小さい、シャフト炉でもくねり成長が生じる。したがって、成長界面の偏心回転運動は、単振り子系の振動とは全く異なるものである。

0033

このように、くねり成長と、ねじれ振動及び結晶の振れとは全く異なる現象であり、比較例1及び比較例2では、くねり成長の検出は難しい。これに対して、本実施形態の単結晶くねり成長検出方法のように、フュージョンリングの変動周期を測定すると、結晶の状態に関係なく確実に検出することができると共に、結晶回転周期との比較によって、単結晶のくねり成長を確実に検出することができる。

0034

[単結晶くねり成長検出装置]次に、上述のような単結晶くねり成長検出方法を具現化するための手段を以下に述べる。

0035

単結晶くねり成長検出装置は、坩堝内に原料を充填して溶解し、その溶融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げて単結晶を成長させる際に生じる結晶くねり成長を検出するための装置である。具体的には、変動周期検出手段と、結晶回転周期検出手段と、比較手段とを備えて構成した。

0036

変動周期検出手段は、単結晶12の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出する手段である。この変動周期検出手段は、上記単結晶12が引上げられる溶融液上の成長界面を検出領域として走査して当該検出領域上の光強度を検出する光強度検出部と、この光強度検出部での検出値からフュージョンリングの位置を検出してそのフュージョンリングから溶融液面での結晶の直径を計測する直径計測部と、この直径計測部での計測値の変化を解析して上記溶融液面での単結晶12の直径の変動周期を検出する解析部とを備えて構成した。上記光強度検出部は二次元カメラによって構成した。

0037

これにより、光強度検出部で検出した領域での光強度の違いからフュージョンリングの位置を検出することができる。このフュージョンリングから直径計測部で溶融液面での単結晶12の直径を計測する。そして、直径計測部で計測する単結晶12の直径の計測値の変化を解析部で解析して、上記溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出する。このとき、光強度検出部として二次元カメラを用いることで、フュージョンリングの変動量が大きくなっても、確実に追随することができる。

0038

従来の直径計測装置としては、例えば特公昭53−42476号公報のように、光学式の一次元ラインセンサーが一般的に用いられている。前記センサーからの直径計測値を例えばフーリエ変換器に通して周期を調べる。ところが、一次元カメラの場合、一般的に走査線位置が固定されているため、くねり成長が大きい場合、フュージョンリングの変動量も大きくなって、走査線位置から外れることがある。これに対して、走査線位置がフュージョンリングに追随して移動可能な二次元カメラを用いることで、より安定したくねり成長の検知が可能となる。

0039

結晶回転周期検出手段は結晶回転周期を検出するための手段である。具体的には、後述する二次元CCDカメラ20の画像解析により、結晶回転周期を検出する。

0040

比較手段は、上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較するための手段である。

0041

そして、上記変動周期検出手段で結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出し、上記結晶回転周期検出手段で結晶回転周期を検出し、上記比較手段で上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較し、変動周期と結晶回転周期とが一致すると、上述の理由により単結晶のくねり成長と判断する。

0042

そして、単結晶くねり成長検出装置でくねり成長を検出した場合には、結晶回転周期等の変更により、くねり成長を抑制することができる。即ち、くねり成長を前述の手段で検知した後、結晶回転数や引上げ速度などの操業パラメータを変更する機構を有することで、くねり成長を抑制することができ、安定な結晶引上げ操業が可能となる。

0043

[単結晶製造装置]以下、本実施形態の単結晶製造装置について説明する。

0044

図1は本実施形態に係る単結晶製造装置の模式的断面図である。なお、図2に示す従来の単結晶製造装置と対応する部分には同一番号を付して説明する。

0045

図中7は中空円筒状のチャンバである。チャンバ7は、円筒状をなすメインチャンバ7aと、メインチャンバ7aに連接固定された小径円筒状プルチャンバ7bから構成される。

0046

坩堝1は、内層保持容器1aと外層保持容器1bとからなる。坩堝1の外側には側面ヒーター2a、下側には下面ヒーター2bがそれぞれ配設されている。側面ヒーター2aの外側には保温筒8aが同心円状に配設されており、また底には保温板8bが配設されている。

0047

坩堝1内には結晶用原料を200kg充填され、ヒーター2によって溶融される。坩堝1の中心軸上には、支持軸6と同一軸心で回転可能かつ昇降可能な引上げ軸5(ワイヤー)がプルチャンバ7bを通じて吊設されており、引上げ軸5の下端には種結晶15が装着されている。引上げ軸5は引上げ軸巻き上げ機構9に取り付けられている。引上げ軸巻き上げ機構9は引上げ軸回転機構10に取り付けられている。これにより、引上げ軸5は、引上げ軸巻き上げ機構9によって設定量ずつ巻き上げられ、引上げ軸回転機構10によって設定量ずつ回転される。

0048

チャンバ7外の位置であって、坩堝1内の成長界面を臨む位置には、二次元CCDカメラ20が設置され、成長界面の映像撮影する。二次元CCDカメラ20には画像アナライザ21が接続され、画像アナライザ21を介して直径が出力される。画像アナライザ21では、CCDカメラからの画像を二値化して処理し、輝度の高いフュージョンリングの端から端までの画素数カウントして、あらかじめ設定された定数を乗じて直径に換算する。画像アナライザ21から出力された単結晶の直径は、制御PLC(Programmable Logic Controller)30に入力されると共に、フーリエ変換ロジック22にも入力される。フーリエ変換ロジック22はFFT(Fast Fourier Transform)解析の機能を有しており、入力された時系列データから、周波数成分を検出することが可能である。フーリエ変換ロジック22には周期比較ロジック23が接続されている。

0049

フーリエ変換ロジック22及び周期比較ロジック23は次のようになっている。

0050

フーリエ変換ロジック22におけるフーリエ解析は一般的に知られたものであり、ここではその詳細を省略する。一般的に市販されているFFT(Fast Fourier Transform)アナライザを通すか、それと同等の機能を有するものである。そして、その周波数出力を実際の結晶回転周期と比較するのが、周期比較ロジック23である。結晶回転周期は、結晶回転数から直接計算させてもよく、FFTを通しても良い。

0051

フーリエ変換ロジック22から出力された直径変動周期は、周期比較ロジック23により結晶回転周期と比較される。周期比較ロジック23では、定められて時間間隔のPLC30からの結晶回転周期とフーリエ変換ロジック22からの直径変動周期が記憶され、随時比較される。そして両者が設定された時間間隔において、直径変動周期が結晶回転の半周期に90%の一致を見たとき、くねり成長を生じたと検知され、フラグが制御PLC30に送信される。フラグを受け付けた制御PLC30では、結晶回転数、引上げ速度及びヒーター温度等の操業パラメータを変更するように指令が出される。一般的には、結晶回転数と引上げ速度は下げるように、ヒーター温度は上げるように指示される。その具体的な量は、引上げ条件に依存するが、結晶回転数は1〜2rpm、引上げ速度は0.01〜0.2mm/min、ヒーター温度は1〜5℃の範囲が望ましい。

0052

次に前述したような結晶成長装置を用いて製品径300mmのシリコン単結晶を成長させる方法について説明する。

0053

チャンバー7内を25Torrに減圧し、不活性ガスとして100L/minのArを導入した。そして、坩堝1内に結晶用シリコン原料及び不純物としてボロンを投入し、ヒーター2にて両者を全融させた。

0054

その後、種結晶を溶融液に浸し、溶融液温度を調整した後、ネック12a、増径部12b、定径部12cの順に単結晶の引上げを行った。

0055

定径部12cにおいては、引上げ速度0.8mm/min、坩堝1の回転数=5rpmとした。そして、引上げ軸5の回転数は、その共振点に近い12rpmとした。この回転数では、共振点に近いため引上げ軸に振れが生じ、くねり成長を生じやすくなる。

0056

まず、本発明を設置していない従来の装置において単結晶引上げを行った。この場合、結晶長が300mmを越えた時点から、くねり成長を生じたが、従来の装置では、それを検知できないため、計測径の変動に伴い、引上げ速度も変動し、図8に示すごとく、くねり成長が激しくなり大きく変形した結晶となった。この結果、一部では製品径よりも小さな部分が生じ、歩留まりを落とす結果となった。

0057

次に、本発明を設置した引上げ装置において、単結晶引上げを行った場合について詳述する。フーリエ変換のデータ採取周期は1secとし、判定に要する採取時間は20minに設定した。定径部の引上げ開始後、同じように300mmの位置より直径変動周期と結晶回転半周期の一致が検出されたため、結晶回転数を10rpmに、引上げ速度を0.75mm/minに変更し、ヒーター温度はその時点から2℃上げるよう設定した。その結果、図9に示されるように、くねり成長は生じず、安定して引上げることができた。

0058

また、従来の結晶引上げ装置で引上げた結晶では、[(最大値最小値)÷最小値]で定義される酸素濃度面内分布が、図10に示すように、本発明により引上げた結晶と比較して著しく劣化していることが分かった。200mmくらいまでは両者に違いはないが、それ以降は従来の結晶引上げ装置で引上げた結晶が著しく劣化している。これは次の理由による。単結晶外周を研削加工する場合には、円筒状に研削されるため、くねり成長部の結晶側に入ったところでは、本来であれば研削されてしまう外周が残ってしまい、その部分は酸素濃度の落ち込みが大きいため面内分布を劣化させる原因となる。

0059

さらに、同様の引上げを、従来の引上げ装置と、本発明による引上げ装置で5Btずつ行った。その結果、図11に示すように、従来の装置では全てくねり成長を生じ、そのうち4Btで早い時期に有転位化を生じた。しかし、本発明による引上げ装置では、すべて事前にくねり成長を検知し、対処することができ、有転位化も2Btのみであり、無転位長も長かった。

発明の効果

0060

(1) 単結晶くねり成長検出方法では、結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期と、結晶回転周期とを比較し、これらが一致したとき、単結晶のくねり成長と判断するので、単結晶のくねり成長を確実に検出することができるようになる。

0061

(2) 単結晶くねり成長検出装置では、結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を検出する変動周期検出手段と、結晶回転周期を検出する結晶回転周期検出手段と、上記変動周期検出手段で検出した変動周期と上記結晶回転周期検出手段で検出した結晶回転周期とを比較してこれらが一致したときに単結晶のくねり成長と判断する比較手段とを備え、上記変動周期検出手段で結晶の成長面のフュージョンリングの変動周期を、上記結晶回転周期手段で結晶回転周期をそれぞれ検出し、上記比較手段で変動周期と結晶回転周期とを比較することで、単結晶のくねり成長を確実に検出することができる。即ち、上記比較によって、変動周期と結晶回転周期とが一致すると、単結晶のくねり成長と判断する。

0062

(3) 上記変動周期検出手段を、上記結晶が引上げられる溶融液上の成長界面を検出領域として走査して当該検出領域上の光強度を検出する光強度検出部と、当該光強度検出部での検出値からフュージョンリングの位置を検出してそのフュージョンリングから溶融液面での結晶の直径を計測する直径計測部と、当該直径計測部での計測値の変化を解析して上記溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出する解析部とを備えて構成したので、フュージョンリングの位置を検出して結晶の直径を計測し、計測値の変化を解析して、溶融液面での結晶の直径の変動周期を検出することができる。

0063

(4) 上記変動周期検出手段の光強度検出部を二次元カメラによって構成したので、フュージョンリングの変動量が大きくなっても、二次元カメラを用いることで、確実に追随することができ、安定したくねり成長の検知が可能となる。

0064

(5)単結晶製造装置では、上記いずれかの単結晶くねり成長検出装置と、当該単結晶くねり成長検出装置で単結晶くねり成長を検出したときに操業パラメータを変更する制御部とを備えたので、単結晶くねり成長検出装置で単結晶のくねり成長を確実に検出し、制御部で操業パラメータを変更して、単結晶のくねり成長を確実に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0065

図1本発明に係る単結晶製造装置を示す模式的断面図である。
図2従来CZ法の実施様態を示す模式図である。
図3くねり成長の様態を示す模式図である。
図4くねり成長時の成長界面におけるフュージョンリングの挙動を示す模式図である。
図5くねり成長時の直径変動の様態を示すグラフである。
図6くねり成長の原理を説明するための偏心回転運動のモデル図である。
図7偏心回転周期と結晶回転周期との関係が、単結晶の成長界面の二点における成長量の差に及ぼす影響を説明するためのグラフである。
図8従来の装置で引上げた、くねり成長を生じた結晶の外観図である。
図9本発明による引上げ装置において、くねり成長を生じる条件下で引上げた結晶の外観図である。
図10従来の装置と本発明により引上げた結晶の酸素濃度面内分布を比較したグラフである。
図11従来の装置と本発明の装置において5Btずつ引上げた場合の、無転位引上げ長を比較したグラフである。

--

0066

1:坩堝、2:ヒーター、5:引上げ軸、6:坩堝支持軸、7:チャンバー、8:保温筒、9:引上げ軸巻き上げ機構、10:引上げ軸回転機構、12a:結晶ネック部、12b:結晶増径部、13:溶融液、15:種結晶、18:フュージョンリング、20:二次元CCDカメラ、21:画像アナライザ、22:フーリエ変換ロジック、23:周期比較ロジック。

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