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図面 (20)

課題

運転状態に応じた目標加速度実現のための駆動力制御が、制動に伴い中断された時の変速比段差による変速の違和感を防止する。

解決手段

駆動トルク指令値cTDRは駆動トルク指令値切り換え部73およびエンジントルク指令値算出部72に入力される。切り換え部73は、フラグfSTARTが1(駆動力制御実行中)の間、駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)にcTDRをセットして更新し続けるが、フラグfSTARTが0(制動による駆動力制御中断)の間、中断時直前のcTDR(0)を保持する。変速比指令値設定部71は予定マップを基に自車速aVSPおよびcTDR(0)から変速比指令値cRATIOを設定する。算出部72はcTDRおよび実変速比aRATIOより、エンジントルク指令値cTEを算出する。これらcTEおよびcRATIOが達成されるようスロットル開度制御および変速制御を行う。

概要

背景

車両の駆動力制御装置としては従来、例えば特開平2000-205015号公報に記載されているものがある。この文献に記載の駆動力制御装置は、アクセルペダル踏み込み量から車両の目標加速度または目標減速度を求め、これら目標加減速度が達成されるようにエンジンスロットル開度を制御するものである。具体的には、検出車速を微分して車両の実加減速度を求め、この実加減速度が上記の目標加減速度に一致しているか否かを判定し、一致していなければ実加減速度が目標加減速度に一致するようスロットル開度を修正するというものである。

概要

運転状態に応じた目標加速度実現のための駆動力制御が、制動に伴い中断された時の変速比段差による変速の違和感を防止する。

駆動トルク指令値cTDRは駆動トルク指令値切り換え部73およびエンジントルク指令値算出部72に入力される。切り換え部73は、フラグfSTARTが1(駆動力制御実行中)の間、駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)にcTDRをセットして更新し続けるが、フラグfSTARTが0(制動による駆動力制御中断)の間、中断時直前のcTDR(0)を保持する。変速比指令値設定部71は予定マップを基に自車速aVSPおよびcTDR(0)から変速比指令値cRATIOを設定する。算出部72はcTDRおよび実変速比aRATIOより、エンジントルク指令値cTEを算出する。これらcTEおよびcRATIOが達成されるようスロットル開度制御および変速制御を行う。

目的

本発明は上記の問題に鑑み、制動に伴う駆動力制御の中断時における変速機の変速制御を通常制御に戻す代わりに、当該中断の直前における駆動トルク指令値が達成されるような変速制御とすることで、上記変速の違和感に関する懸念を払拭し得るようにした車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両の運転状態に応じた目標加速度が達成されるよう車両の駆動力を制御するための装置において、前記目標加速度を達成するための目標車速を求め、実車速をこの目標車速に追従させるのに必要な駆動トルク指令値を実現するためのエンジントルク指令値および変速比指令値を求め、これら指令値が達成されるようエンジン出力制御および変速機変速制御を行って前記駆動力制御を実行するよう構成すると共に、車両の制動に伴う前記駆動力制御の中断時は、該中断の直前における駆動トルク指令値が達成されるよう前記変速機を変速制御する構成にしたことを特徴とする車両の駆動力制御装置

請求項2

請求項1において、車両の制動に伴う前記駆動力制御の中断時に、該中断の直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するに当たっては、前記駆動力制御中におけると同様な変速制御を、駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて引き続き行わせるよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の運転状態に応じた車両の加速度を実現するように駆動力を制御するための装置に関し、特に制動に伴う駆動力制御中断時における変速の違和感を軽減する改良提案に関するものである。

背景技術

0002

車両の駆動力制御装置としては従来、例えば特開平2000-205015号公報に記載されているものがある。この文献に記載の駆動力制御装置は、アクセルペダル踏み込み量から車両の目標加速度または目標減速度を求め、これら目標加減速度が達成されるようにエンジンスロットル開度を制御するものである。具体的には、検出車速を微分して車両の実加減速度を求め、この実加減速度が上記の目標加減速度に一致しているか否かを判定し、一致していなければ実加減速度が目標加減速度に一致するようスロットル開度を修正するというものである。

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、上記した従来の駆動力制御装置においては、アクセルペダル踏み込み量から算出した目標加減速度に実加減速度が追従するようにスロットル開度を制御する構成となっているため、アクセルペダル踏み込み量一定として車両が登坂路進入した場合、図23に示すように、実加速度は一旦低下した後に目標値に到達させることができるものの、登坂路進入時に一旦低下した実車速はこれを元の車速に戻す制御でないため低下したままとなる、という問題があった。

0004

そこで本願出願人は先に、上記目標加速度を達成するための目標車速を求め、実車速をこの目標車速に追従させるのに必要な駆動トルク指令値を実現するためのエンジントルク指令値および変速比指令値を求め、これら指令値が達成されるようエンジンの出力制御および変速機変速制御を行うようにした車両の駆動力制御装置を、特願2001-294040により提案済である。

0005

一方で当該駆動力制御装置は、制動時は制動力介入により要求通りの駆動力制御ができなくなるから駆動力制御を中断し、制動操作の終了時に駆動力制御を再開させるようにも構成する。

0006

ところで制動に伴う駆動力制御の中断時は、図18につき以下に説明する理由により変速比段差が発生して運転者に変速の違和感を与える懸念がある。つまり、駆動力制御中に瞬時t3での制動操作に先立ってアクセルペダル釈放した(アクセルペダル踏み込み量APOを0にした)時t1には、駆動トルク指令値cTDRの経時変化により示すごとく上記の目標加速度が小さいか若しくは負値エンジンブレーキ要求)である。ここで、上記に呼応したエンジン出力の低下(スロットル開度の減少)制御のみでは目標加速度(駆動トルク指令値cTDR)を達成し得ない場合、図18の瞬時t2におけるように変速機は変速比が大きな値(ロー側)になるよう変速制御されている。

0007

これにより目標車速tVSPおよび実車速aVSPの経時変化により示すように車両の減速している間の瞬時t3に、運転者が更なる減速を希望してブレーキペダルを踏み込む制動操作を行うと、当該瞬時に前記の通りに駆動力制御が中断される。かように駆動力制御が中断されると変速機は、Vベルト無段変速機である場合例えば図19に例示する予定変速マップを基にスロットル開度TVOおよび車速VSPから求めたプライマリプーリ変速機入力回転数の目標値が達成されるよう通常通りの変速制御に移行する。

0008

ところで今は、アクセルペダル踏み込み量APOが0(スロットル開度TVO=0)であるからプライマリプーリ(変速機入力)回転数の目標値は低く設定され、変速機は変速比が図18の瞬時t4に示すごとく小さな値(ハイ側)になるよう変速制御されることとなる。従って、制動に伴う駆動力制御の中断時に変速機は大きなロー側変速比から小さなハイ側変速比になるよう変速制御され、変速比段差によって運転者に変速の違和感を与える懸念がある。

0009

本発明は上記の問題に鑑み、制動に伴う駆動力制御の中断時における変速機の変速制御を通常制御に戻す代わりに、当該中断の直前における駆動トルク指令値が達成されるような変速制御とすることで、上記変速の違和感に関する懸念を払拭し得るようにした車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

この目的のため、本発明による車両の駆動力制御装置は、請求項1に記載のごとく車両の運転状態に応じた目標加速度を達成するための目標車速を求め、実車速をこの目標車速に追従させるのに必要な駆動トルク指令値を実現するためのエンジントルク指令値および変速比指令値を求め、これら指令値が達成されるようエンジンの出力制御および変速機の変速制御を行うよう構成すると共に、車両の制動に伴う上記駆動力制御の中断時は、その直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御する構成にする。

0011

上記のように、車両の制動に伴う前記駆動力制御の中断時に、該中断の直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するに当たっては、請求項2に記載のごとく、上記駆動力制御中におけると同様な変速制御を、駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて引き続き行わせることで目的を達するようにするのが良い。

発明の効果

0012

請求項1に記載の発明によれば、車両の運転状態に応じた目標加速度を達成するための目標車速を求め、実車速をこの目標車速に追従させるのに必要な駆動トルク指令値を実現するためのエンジントルク指令値および変速比指令値を求め、これら指令値が達成されるようエンジンの出力制御および変速機の変速制御を行うため、目標加速度から目標車速が算出・設定されることとなって、加速度を目標加速度に一致させ得るのは勿論のこと、路面勾配などの影響により自車速と目標車速との乖離が生じた場合でも、最終的に自車速も目標車速に到達させることができる。

0013

前述した従来の駆動力制御装置のごとく、単に自車の加速度を目標加速度に一致させるのみの制御を行った場合、路面勾配の影響、例えば上り勾配走行中に駆動力不足から変速機のダウンシフトを行って駆動力を増大させた場合につき述べると、ダウンシフト前に一時的に自車速が低下すると、自車速を目標車速に到達させるためには、両者の差に相当する分だけアクセルペダル踏み込み量を増加させなければならない。

0014

これに対して本発明によれば、目標加速度から求めた目標車速に自車速が追従するよう車両の駆動力を制御することから、アクセルペダル踏み込み量を一定とした状態で登坂路に進入した場合にアクセルペダルの踏み増しに頼ることなく自車速を目標車速に一致させることができ、登坂路で車速が低下したままにされるような問題を解消することができる。

0015

加えて請求項1に記載の発明によれば、車両の制動に伴う上記駆動力制御の中断時は、変速機の変速制御を通常制御に戻す代わりに、その直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するから、制動に伴う駆動力制御の中断時に変速機の変速比がほとんど変化することがなくなり、前記変速の違和感に関する懸念を払拭することができる。

0016

なお上記のごとく、車両の制動に伴う前記駆動力制御の中断時に、その直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するに当たり、請求項2に記載のごとく、上記駆動力制御中におけると同様な変速制御を、駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて引き続き行わせることで目的を達するように成す場合、駆動力制御中に行っていた変速制御を駆動力制御の中断後も継続的に行うだけで、そしてこの変速制御を駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて行わせるだけで上記の作用効果を達成することができ、制御の簡便化を図ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置を具えた車両のパワートレーンと、その制御系を示し、該パワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで構成する。エンジン1はガソリンエンジンであるが、そのスロットルバルブ5を運転者が操作するアクセルペダル3とは機械的に連結させず、これらから切り離してスロットルアクチュエータ4によりスロットルバルブ5の開度電子制御するようになす。

0018

スロットルアクチュエータ4は、エンジンコントローラ14が後述するエンジントルク指令値cTEに対応して出力した目標スロットル開度(tTVO)に応じて動作することでスロットルバルブ5の開度を当該目標スロットル開度に一致させ、エンジン1の出力を、基本的にはアクセルペダル操作に応じた値となるように制御するが、エンジントルク指令値cTEの与え方によっては、アクセルペダル操作以外の因子によっても制御可能とする。

0019

無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力軸駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより図示しない車輪回転駆動するものとする。

0020

無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げることにより行うようにし、両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路12からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecにより決定する。

0021

変速制御油圧回路12は変速アクチュエータとしてのステップモータ13を具え、これを変速機コントローラ15が、後述する変速比指令値cRATIOに対応したステップ位置STPに駆動させることで、無段変速機2を、実変速比が変速比指令値cRATIOと一致するように無段変速させることができる。

0022

エンジンコントローラ14へのエンジントルク指令値cTE、および変速機コントローラ15への変速比指令値cRATIOはそれぞれ、駆動力制御用コントローラ16が後述する演算により求めることとする。そのため駆動力制御用コントローラ16には、アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセルペダル踏み込み量もしくはアクセル開度とも言う)APOを検出するアクセル開度センサ17からの信号と、エンジンの点火信号からエンジン回転数aNEを検出するエンジン回転数センサ18からの信号と、車輪の回転数から車速aVSPを検出する車速センサ19からの信号と、ブレーキペダル(図示せず)を踏み込む制動時にONとなるブレーキスイッチ20からの信号と、運転者が、本発明による駆動力制御を希望した時に押してON状態にするための駆動力制御スイッチ21からの信号とをそれぞれ入力する。

0023

駆動力制御用コントローラ16は定時割り込みにより一定の制御周期毎にこれら入力情報を読み込み、これらの入力情報を基に、図2に機能別ブロック線図で示す処理を実行して、以下のようにエンジンコントローラ14へのエンジントルク指令値cTEおよび変速機コントローラ15への変速比指令値cRATIOを求める。エンジンコントローラ14および変速機コントローラ15はそれぞれ、これらエンジントルク指令値cTEおよび変速比指令値cRATIOをもとに無段変速機2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度(出力)制御を行い、本発明が狙いとする車両の駆動力制御を遂行する。

0024

駆動力制御用コントローラ16は図2に示すように、駆動力制御可否判定部30、目標車速算出部40、目標駆動力算出部50、実変速比算出部60および駆動力分配部70により構成し、以下にこれらの詳細を順次説明する。

0025

駆動力制御可否判定部30は、図3に示す制御プログラムを実行して、駆動力制御を行うべきか否かを判定し、その結果を駆動力制御実行フラグfSTARTの1または0により設定する。図3のステップS1においては、駆動力制御スイッチ21がON,OFFのいずれであるかをチェックし、次いでステップS2においてブレーキスイッチ20がON,OFFのいずれであるかをチェックする。ステップS1で駆動力制御スイッチ21がON(運転者が駆動力制御を希望している)と判定し、かつ、ステップS2でブレーキスイッチ20がOFF(非制動中)と判定する間は、運転者が駆動力制御を希望しており、また当該制御を行っても差し支えない非制動中であるから、ステップS3において、駆動力制御を行うべきであると判断して駆動力制御実行フラグfSTARTを1にセットする。しかし、ステップS1で駆動力制御スイッチ21がOFF(運転者が駆動力制御を希望していない)と判定したり、またはステップS2でブレーキスイッチ20がON(制動中)と判定する間は、運転者が駆動力制御を希望していなかったり、希望していても制動中のため駆動力制御が有効に機能しないことから、ステップS4において、駆動力制御を行うべきでないと判断して駆動力制御実行フラグfSTARTを0にリセットする。

0026

ここで、ブレーキスイッチ20がON(制動中)の間は駆動力制御を行わないこととした理由は、制動中の場合、本発明によるエンジン出力制御および変速制御を行ったとしても、狙い通りの車速制御を達成することができず、制御そのものが無駄になるからである。なお、運転者の意志によらずに本発明による駆動力制御を常に行うようにする場合には、駆動力制御スイッチ21は必ずしも必要でなく、ブレーキスイッチ20のON(制動中),OFF(非制動中)のみに応じて駆動力制御実行フラグfSTARTのセット、リセットを行えばよい。上記のようにして設定された駆動力制御実行フラグfSTARTは、目標車速算出部40および駆動力分配部70へ供給するほか、図1にも示すがエンジンコントローラ14へも供給する。

0027

エンジンコントローラ14は、駆動力制御実行フラグfSTARTが1の間、駆動力制御用コントローラ16からのエンジントルク指令値cTEに基づき、これが達成されるように、スロットルアクチュエータ4への目標スロットル開度tTVOを決定して、本発明による駆動力制御を遂行する。しかし駆動力制御実行フラグfSTARTが0の間は、上記した本発明による駆動力制御に代えて、通常通りにエンジン1のスロットル開度制御を行うものとする。変速機コントローラ15には駆動力制御実行フラグfSTARTを供給せず、従って変速機コントローラ15は、駆動力制御実行フラグfSTARTに関係なく常に、駆動力制御用コントローラ16からの変速比指令値cRATIOに基づき、これらが達成されるように、変速アクチュエータ13への指令ステップ位置STPを決定して、本発明による駆動力制御、および駆動力制御中断時における変速比段差(変速の違和感)防止用の変速制御を遂行する。ただし変速機コントローラ15には図1および図2に示すように駆動力制御スイッチ21からの信号を直接入力し、これがOFFである間は変速機コントローラ15が上記した本発明が狙いとする制御に代えて、図19の変速マップに基づく通常の変速制御を行うものとする。

0028

図2における目標車速算出部40は図4に詳細に示す如きもので、目標加速度決定部41および積分処理部42により構成し、駆動力制御実行フラグfSTART、車速aVSPおよびアクセルペダル踏み込み量APOをもとに目標車速tVSPを求めて出力する。なお、この目標車速算出部40においては、後述する処理手順により目標車速tVSPを求める際に必要となるため、1回の制御周期において求めた目標車速tVSPを、図示しない記憶部において、次の制御周期まで記憶しておくものとする。

0029

目標加速度決定部41は、アクセルペダル踏み込み量APOを入力すると共に、積分処理部42で後述する処理手順により算出された目標車速tVSPをフィードバック入力し、これらの値から、図5に示すマップに基づいて目標加速度tACCを決定する。図5は、アクセルペダル踏み込み量APOごとの、車速に対する目標加速度tACCの関係を示すもので、アクセルペダル踏み込み量APOが大きいほど目標加速度tACCも大きくなるように設定する。また、車速が大きくなるにつれ走行抵抗が増大して実現可能な加速度が小さくなることに対応させるため、図5では、同じアクセルペダル踏み込み量であれば、車速が高いほど目標加速度tACCが小さくなるように設定する。

0030

積分処理部42は、制御実行フラグfSTART、車速aVSPおよび目標加速度tACCに基づいて目標車速tVSPを算出するもので、この算出に際し積分処理部42は図6に示すような処理を行う。まずステップS11で制御実行フラグfSTARTが1,0のいずれであるかを判断し、制御実行フラグfSTARTが0の場合、すなわち駆動力制御スイッチ21(図1および図2参照)がOFF、またはブレーキスイッチ20がON(制動中)である場合には、ステップS12へ進み、目標車速tVSPおよび前回の制御周期で求めた目標車速tVSP前回値に車速aVSPの値を代入し、初期化する。一方、制御実行フラグfSTARTが1、すなわち駆動力制御スイッチ21がONで、且つブレーキスイッチ20がOFF(非制動中)である場合には、ステップS13へ進み、tVSP前回値に目標加速度tACCを加算した値を目標車速tVSPとし、tVSP前回値を、今回の演算で求めた目標車速tVSP値に更新する。上記のように新たに算出した目標車速tVSPは目標駆動力算出部50(図2参照)へ出力すると共に、目標加速度決定部41(図4参照)へフィードバックして前記した目標加速度tACCの演算に供される。

0031

図7(A),(B)および図8(A),(B)は、上記した目標車速算出部40による目標車速tVSPの算出例を示すものである。図7(A),(B)は車両の停止時から制御を開始し、アクセルペダル踏み込み量を一定の値(10deg)に保った場合の目標車速tVSPの時間的変化を示すタイムチャートであり、図8(A),(B)は車両の停止時から制御を開始し、アクセルペダル踏み込み量を5deg〜10deg〜0degと変化させた場合の目標車速tVSPの時間的変化を示すタイムチャートである。これらの図から明らかなように本実施の形態では、アクセルペダル踏み込み量に応じた、適切な目標車速tVSPの算出が行われることが判る。

0032

図9は目標駆動力算出部50の構成を示す制御ブロック図である。この目標駆動力算出部50は、フィードフォワード制御部およびフィードバック制御部からなる2自由度制御系と、駆動トルク変換部54とを具え、フィードフォワード制御部を位相補償器51により構成し、フィードバック制御部を規範モデル52およびフィードバック補償器53により構成する。

0033

目標駆動力算出部50は、目標車速tVSPを入力とし、自車速aVSPを出力とする場合の伝達特性が図示の規範モデル52の伝達特性となるように、フィードフォワード制御部およびフィードバック制御部を用いて制御を行う。規範モデル52の伝達関数GT(s)は次式

0034

ここで制御対象となる車両を、駆動トルク指令値cTDRを操作量とし、自車速aVSPを制御量としてモデル化することによって、車両のパワートレイン挙動を図10に示す簡易非線形モデル55で表すことができる。すなわち、

0035

フィードフォワード(F/F)制御部を構成する位相補償器51において、F/F指令値は、目標車速tVSPを入力とし、実車速aVSPを出力とした場合の制御対象の応答特性を、予め定めた一次遅れ無駄時間要素を有する所定の伝達関数GT(s)の特性に一致させる。ここで、制御対象の無駄時間を考慮しないものと仮定し、規範モデル52の伝達関数GT(s)を時定数τHの1次のローパスフィルタとすると、位相補償器51の伝達関数GC(s)は次式で表される。

0036

一方、規範モデル52およびフィードバック補償器53から成るフィードバック(F/B)制御部においては、規範モデル52から出力される規範応答Vrefと自車速aVSPとの差をフィードバック補償器53の入力とし、F/B指令値を出力する。このF/B指令値により、外乱モデル化誤差による影響を抑制する。フィードバック補償器53として、ここでは比例ゲインKpと積分ゲインKiからなるPI補償器を用いている。フィードバック補償器53の伝達関数GFB(s)は次式で与えられる。

0037

フィードフォワード制御部からの指令値(F/F指令値)およびフィードバック制御部からの指令値(F/B指令値)は加算され、駆動トルク変換部54で、これら両者の和値車両質量Mとタイヤ動半径Rtとの乗算により最終的に駆動トルク指令値cTDRを求めて出力する。出力された駆動トルク指令値cTDRは駆動力分配部70(図2参照)へ供給する。

0038

実変速比算出部60(図2参照)は、自車速aVSPと、エンジン回転センサ18から入力されるエンジン回転数aNEより、次式にしたがって実変速比aRATIOを算出する。

0039

図11は、駆動力分配部70(図2参照)の構成を示す。この駆動力分配部70は、変速比指令値設定部71と、エンジントルク指令値算出部72と、駆動トルク指令値切り換え部73とからなり、制御実行フラグfSTART、自車速aVSP、駆動トルク指令値cTDRおよび実変速比aRATIOをもとに、駆動トルク指令値cTDRを達成するための変速比指令値cRATIOおよびエンジントルク指令値cTEを求めて出力する。

0040

先ず駆動トルク指令値切り換え部73および変速比指令値設定部71を説明するに、これは、制御実行フラグfSTARTおよび駆動トルク指令値cTDRをもとに図12に示す制御プログラムを実行して変速比指令値cRATIOを求める。図12のステップS21およびステップS22は前者の駆動トルク指令値切り換え部73に相当するもので、ステップS21において制御実行フラグfSTARTが1と判定する間、つまり駆動力制御の実行中である間は、ステップS22において駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)に駆動トルク指令値cTDRをセットし続け、ステップS21において制御実行フラグfSTARTが0になったと判定する時、つまり制動により駆動力制御が中断された時、ステップS22をスキップすることによりこの時の駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)を保持する。よって駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)は、駆動力制御中は常に駆動トルク指令値cTDRと同じ値に更新され続け、制動により駆動力制御が中断されている間は当該中断の直前における駆動トルク指令値cTDRと同じ値に保持される。

0041

図12のステップS23は後者の変速比指令値設定部71に相当するもので、アクセルペダル踏み込み量APOが正の時は図13に例示する車速および駆動トルクと、変速比との関係を表したマップを基に、またアクセルペダル踏み込み量APOが0の時は図14に例示する車速および駆動トルクと、変速比との関係を表したマップを基に自車速aVSPおよび駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)から変速比指令値cRATIOを設定する。図13および図14から明らかなように、変速比指令値cRATIOは駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)の絶対値が大きいほど大きくなるように設定され、また、駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)が同じである場合、車速が高いほど変速比指令値cRATIOは小さくなるように設定されている。

0042

ここで、本発明に係わるアクセルペダル踏み込み量APOが0の時の図14に例示した車速および駆動トルクと、変速比との関係を表したマップの求め方を説明する。先ず、アクセルペダル踏み込み量APOが0の時の図15に示すようなエンジン特性をもとに車速および駆動トルクから目標プライマリプーリ回転数を求める。そして、タイヤ有効半径をR、ファイナルギヤ比をGfとした時{1/(1/2πR)×60×Gf}で表される車両諸元をこの目標プライマリプーリ回転数に掛けて目標プライマリプーリ回転数を車速に換算し、この換算値を車速で除算することにより目標変速比を求めた後これを最低速変速比(図14では2.32)および最高速変速比(図14では0.47)によりリミット処理して図14のマップを求めることができる。

0043

図11におけるエンジントルク指令値算出部72は、駆動トルク指令値cTDRおよび実変速比aRATIOより、次式にしたがってエンジントルク指令値cTEを算出する。

0044

上式により得られたエンジントルク指令値cTEはエンジンコントローラ14(図2参照)へ入力され、エンジンコントローラ14はスロットルアクチュエータ4に対して、エンジントルク指令値cTEに対応する目標スロットル開度tTVOを出力する。一方で変速比指令値cRATIOは変速機コントローラ15(図2参照)へ入力され、変速機コントローラ15は変速アクチュエータ13に対して、変速比指令値cRATIOに対応する指令ステップ位置STPを出力する。

0045

以上のような本実施の形態になる駆動力制御装置によれば、運転状態に応じた目標加速度tACCを達成するための目標車速tVSPを求め、実車速aVSPをこの目標車速tVSPに追従させるのに必要な駆動トルク指令値cTDRを実現するためのエンジントルク指令値cTEおよび変速比指令値cRATIOを求め、これら指令値が達成されるようエンジンの出力(スロットル開度)制御および変速機の変速制御を行うため、目標加速度tACCから目標車速tVSPが算出・設定されることとなって、その駆動力制御動作タイムチャートである図16(A),(B),(C)に示すように以下の作用効果が得られる。図16(A),(B),(C)は、アクセルペダル踏み込み量を一定として車両が登坂路に進入した場合の加速度および車速の時系列変化を示すものであり、本実施の形態においては図16(A),(B),(C)から明らかなごとく、登坂路に進入したことにより実加速度が一旦低下しても、その後直ちに実加速度は上昇して目標加速度を上回り、最終的に目標加速度に到達すると共に、これに伴って一旦低下した実車速も目標車速に追従して最終的にはこの目標車速に到達し、前記した従来装置のように、加速度の復帰にもかかわらず実車速が低下したままにされるという問題を解消することができる。

0046

また本実施の形態によれば、目標加速度tACCから求めた目標車速tVSPに自車速aVSPが追従するよう車両の駆動力を制御することから、アクセルペダル踏み込み量APOを一定とした状態で登坂路に進入した場合にアクセルペダルの踏み増しに頼ることなく自車速を目標車速tVSPに一致させることができ、登坂路で車速が低下したままにされるような問題を解消することができる。

0047

加えて本実施の形態によれば、図18と同じ条件での動作タイムチャートを示す図17から明らかなごとく、車両の制動に伴う駆動力制御の中断時t3以後では、変速機の変速制御を通常制御に戻す代わりに、駆動トルク切り換え指令値cTDR(0)を用いた変速制御を継続させることで、駆動力制御の中断瞬時t3の直前における駆動トルク指令値cTDRが達成されるよう変速機を変速制御するから、制動に伴う駆動力制御の中断直後t3〜t4においても、図17の変速比変化により示すごとく変速機がほとんど変速比を変化されず、前記変速の違和感に関する懸念を払拭することができる。

0048

なお上記した実施の形態では、制動に伴う駆動力制御の中断時に、その直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するに当たり、駆動力制御中におけると同様な変速制御を、駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて引き続き行わせることで目的を達するようにしたから、駆動力制御中に行っていた変速制御を駆動力制御の中断後も継続的に行うだけで、そしてこの変速制御を駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて行わせるだけで上記の作用効果を達成することができ、制御の簡便化を図ることができる。

0049

しかし、制動に伴う駆動力制御の中断時に、その直前における駆動トルク指令値が達成されるよう変速機を変速制御するに当たっては、上記の代わりに変速機の変速制御もエンジン(スロットル開度)の制御と同じく通常制御に戻し、その時に用いる変速マップを図19に示すものから図14に示すマップに切り換え、駆動力制御の中断の直前における駆動トルク指令値に基づいて変速制御を行わせてもよいことは言うまでもない。

図面の簡単な説明

0050

図1本発明の一実施形態になる駆動力制御装置を具えた無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制御システムと共に示す概略系統図である。
図2図1の制御システムにおけるコントローラが実行する、無段変速機の変速制御およびエンジンスロットル開度制御を介した駆動力制御の機能別ブロック線図である。
図3図2における駆動力制御可否判定部が実行して、本発明による駆動力制御を行うべきか否かを判定するための制御プログラムを示すフローチャートである。
図4図2における目標車速算出部を示す機能別ブロック線図である。
図5同目標車速算出部における目標加速度決定部が、目標加速度の設定に際して用いる加速度の特性図である。
図6同目標車速算出部の積分処理部における、目標車速算出の処理手順を示すフローチャートである。
図7同実施の形態になる駆動力制御装置が求めた目標車速の時系列変化を示すタイムチャートである。
図8図7の場合とは異なるアクセルペダル操作を行った時における目標車速の時系列変化を示すタイムチャートである。
図9図2における目標駆動力算出部を示す機能別ブロック線図である。
図10本発明に係る駆動力制御装置により駆動力制御を行う車両の制御モデルを示すブロック線図である。
図11図2における駆動力分配部を示す機能別ブロック線図である。
図12図2における駆動力分配部内の駆動トルク指令値切り換え部および変速比指令値設定部が実行する制御プログラムを示すフローチャートである。
図13同駆動力分配部内の変速比指令値設定部が、目標変速比の設定に際して用いる変速比の、アクセルペダル踏み込み量が正である場合の特性図である。
図14同駆動力分配部内の変速比指令値設定部が、目標変速比の設定に際して用いる変速比の、アクセルペダル踏み込み量が0である場合の特性図である。
図15図14に示す特性図を求める時に用いる、アクセルペダル踏み込み量が0である時のエンジン性能性図である。
図16同駆動力制御装置の動作を、車両が平坦路から登坂路にさしかかった場合につき示す動作タイムチャートである。
図17同駆動力制御装置の動作を、アクセルペダルの釈放後ブレーキペダルを踏み込む制動により駆動力制御が中断された場合につき示す動作タイムチャートである。
図18従来の駆動力制御装置の動作を、図17と同じくアクセルペダルの釈放後ブレーキペダルを踏み込む制動により駆動力制御が中断された場合につき示す動作タイムチャートである。
図19無段変速機の通常の変速制御時に用いる変速パターンを示す線図である。

--

0051

1エンジン
2無段変速機
3アクセルペダル
4スロットルアクチュエータ
5スロットルバルブ
6トルクコンバータ
7プライマリプーリ
8セカンダリプーリ
9Vベルト
10ファイナルドライブギヤ組
11ディファレンシャルギヤ装置
12変速制御油圧回路
13ステップモータ
14エンジンコントローラ
15変速機コントローラ
16駆動力制御用コントローラ
17アクセル開度センサ
18エンジン回転数センサ
19車速センサ
20ブレーキスイッチ
21 駆動力制御スイッチ
30 駆動力制御可否判定部
40目標車速算出部
41目標加速度決定部
42積分処理部
50目標駆動力算出部
51位相補償器
52規範モデル
53フィードバック補償器
54駆動トルク変換部
55車両モデル
60実変速比算出部
70駆動力分配部
71変速比指令値設定部
72エンジントルク指令値算出部
73駆動トルク指令値切り換え部

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