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技術 光学ヘッドおよび光ディスク再生装置

出願人 ソニー株式会社
発明者 佐藤克利
出願日 2001年11月16日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2001-351690
公開日 2003年5月30日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-157556
状態 未査定
技術分野 光学的記録再生3(ヘッドの制御)
主要キーワード ローリング機 受光出力信号 レンズ傾斜 空気換算光路長 応力差 補正状態 制限条件 像高特性
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重要な関連分野

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図面 (9)

課題

無限系光学ヘッドで、DVD再生時にも、CD再生時にも、視野振り時の軸外収差キャンセルできるようにする。

解決手段

DVD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hdだけ後退させ、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hcだけ前進させる。有限対物レンズ1をフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータは、この有限対物レンズ1の作動位置の違いによる応力差を利用して、有限対物レンズ1をトラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変え、DVD再生時にも、CD再生時にも、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性を有するものとする。

概要

背景

光ディスク再生用または記録再生用光学ヘッドとしては、無限対物レンズを用いたものと、有限対物レンズを用いたものとがある。無限対物レンズを用いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、コリメータレンズで平行光にして、無限対物レンズに入射させ、光ディスク上に集光させるものであり、有限対物レンズを用いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、平行光にすることなく、有限対物レンズに入射させ、光ディスク上に集光させるものである。

無限対物レンズを用いた光学ヘッドでは、トラックジャンプ時やシーク時など、アクチュエータ対物レンズ駆動装置)によって対物レンズをトラッキング方向に移動させる、いわゆる視野振り時にも、レーザ出射光が対物レンズの光軸に対して平行に対物レンズに入射するので、軸外収差の発生が少ない。

これに対して、有限対物レンズを用いた光学ヘッドでは、コリメータレンズを用いないので、ヘッドの小型化およびコストダウンを実現できるが、視野振り時には、レーザ出射光が対物レンズの光軸に対して傾斜して対物レンズに入射するので、軸外収差が発生し、読み取り信号劣化する。

図8(A)に、この有限対物レンズを用いた光学ヘッドにおける視野振り時の軸外収差の発生の様子を示す。視野振り前には、有限対物レンズ1は、半導体レーザ2および光ディスク10に対して、破線の位置および状態にあって、半導体レーザ2からのレーザ光は、光ビーム2aで示すように、有限対物レンズ1に入射する。これに対して、視野振り時には、有限対物レンズ1が、実線で示すように、その光軸が軸1aから軸1bに平行移動するように、トラッキング方向に移動し、半導体レーザ2からのレーザ光が、光ビーム2bで示すように、有限対物レンズ1の光軸1bに対して、角度θbで示すように傾斜して、有限対物レンズ1に入射し、軸外収差が発生する。

そこで、特開平8−36768号には、有限対物レンズを用いた光学ヘッドにおいて、その有限対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータに、有限対物レンズを傾倒させるローリング機能を持たせ、視野振り時、図8(B)に実線で示すように、有限対物レンズ1を、角度θtで示すように傾倒させることによって、軸外収差を補正することが示されている。

この軸外収差を補正するレンズ傾斜角θtは、視野振り時のレンズ移動量Δxの関数として、あらかじめ求められ、その関数に応じて有限対物レンズ1を傾倒させるように、アクチュエータが設計される。

概要

無限系の光学ヘッドで、DVD再生時にも、CD再生時にも、視野振り時の軸外収差をキャンセルできるようにする。

DVD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hdだけ後退させ、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hcだけ前進させる。有限対物レンズ1をフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータは、この有限対物レンズ1の作動位置の違いによる応力差を利用して、有限対物レンズ1をトラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変え、DVD再生時にも、CD再生時にも、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性を有するものとする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも第1種類の光ディスクと第2種類の光ディスクとに共用される対物レンズと、この対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータとを備え、そのアクチュエータは、前記対物レンズを前記フォーカシング方向において前記第1種類の光ディスクを再生するときの第1の作動位置にしたときと前記第2種類の光ディスクを再生するときの第2の作動位置にしたときとの応力差によって、前記対物レンズを前記第1の作動位置にしたときには、前記第1種類の光ディスクについての、前記対物レンズを前記トラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対する移動後の位置で発生する軸外収差キャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レンズを傾倒させ、前記対物レンズを前記第2の作動位置にしたときには、前記第2種類の光ディスクについての、前記対物レンズを前記トラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対する移動後の位置で発生する軸外収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レンズを傾倒させるローリング特性を有する光学ヘッド

請求項2

請求項1の光学ヘッドにおいて、前記第1の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカシング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フォーカシング方向における位置である磁気中立位置より光ディスクから遠ざかる位置であり、前記第2の作動位置は、前記磁気中立位置より光ディスクに近づく位置である光学ヘッド。

請求項3

請求項1の光学ヘッドにおいて、前記第1の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカシング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フォーカシング方向における位置である磁気中立位置、またはこれより光ディスクに近づく位置であり、前記第2の作動位置は、前記第1の作動位置より光ディスクに近づく位置である光学ヘッド。

請求項4

請求項1の光学ヘッドにおいて、前記第2の作動位置は、前記対物レンズを前記フォーカシング方向に駆動しないときの前記対物レンズの前記フォーカシング方向における位置である磁気中立位置、またはこれより光ディスクから遠ざかる位置であり、前記第1の作動位置は、前記第2の作動位置より光ディスクから遠ざかる位置である光学ヘッド。

請求項5

請求項1〜4のいずれかの光学ヘッドを備える光ディスク再生装置

技術分野

0001

この発明は、光ディスク再生用または記録再生用光学ヘッド、および、その光学ヘッドによって光ディスクの再生または記録再生を行う光ディスク再生装置に関する。

背景技術

0002

光ディスクの再生用または記録再生用の光学ヘッドとしては、無限対物レンズを用いたものと、有限対物レンズを用いたものとがある。無限対物レンズを用いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、コリメータレンズで平行光にして、無限対物レンズに入射させ、光ディスク上に集光させるものであり、有限対物レンズを用いた光学ヘッドは、レーザ出射光を、平行光にすることなく、有限対物レンズに入射させ、光ディスク上に集光させるものである。

0003

無限対物レンズを用いた光学ヘッドでは、トラックジャンプ時やシーク時など、アクチュエータ対物レンズ駆動装置)によって対物レンズをトラッキング方向に移動させる、いわゆる視野振り時にも、レーザ出射光が対物レンズの光軸に対して平行に対物レンズに入射するので、軸外収差の発生が少ない。

0004

これに対して、有限対物レンズを用いた光学ヘッドでは、コリメータレンズを用いないので、ヘッドの小型化およびコストダウンを実現できるが、視野振り時には、レーザ出射光が対物レンズの光軸に対して傾斜して対物レンズに入射するので、軸外収差が発生し、読み取り信号劣化する。

0005

図8(A)に、この有限対物レンズを用いた光学ヘッドにおける視野振り時の軸外収差の発生の様子を示す。視野振り前には、有限対物レンズ1は、半導体レーザ2および光ディスク10に対して、破線の位置および状態にあって、半導体レーザ2からのレーザ光は、光ビーム2aで示すように、有限対物レンズ1に入射する。これに対して、視野振り時には、有限対物レンズ1が、実線で示すように、その光軸が軸1aから軸1bに平行移動するように、トラッキング方向に移動し、半導体レーザ2からのレーザ光が、光ビーム2bで示すように、有限対物レンズ1の光軸1bに対して、角度θbで示すように傾斜して、有限対物レンズ1に入射し、軸外収差が発生する。

0006

そこで、特開平8−36768号には、有限対物レンズを用いた光学ヘッドにおいて、その有限対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータに、有限対物レンズを傾倒させるローリング機能を持たせ、視野振り時、図8(B)に実線で示すように、有限対物レンズ1を、角度θtで示すように傾倒させることによって、軸外収差を補正することが示されている。

0007

この軸外収差を補正するレンズ傾斜角θtは、視野振り時のレンズ移動量Δxの関数として、あらかじめ求められ、その関数に応じて有限対物レンズ1を傾倒させるように、アクチュエータが設計される。

発明が解決しようとする課題

0008

一つの光学ヘッド、一台の光ディスク再生装置で、DVD(DigitalVersatile Disc)とCD(Compact Disc)を再生する場合、そのDVDとCDに共用の光学ヘッドとして、有限対物レンズを用いることが考えられる。

0009

さらに、このDVDとCDに共用の有限対物レンズを用いた光学ヘッドに、特開平8−36768号の発明を適用して、DVD再生時およびCD再生時の視野振り時、それぞれ、有限対物レンズを傾倒させることによって、軸外収差を補正することが考えられる。

0010

しかしながら、一般に、視野振り時に発生する軸外収差は、DVD再生時とCD再生時とで同じではなく、有限対物レンズを傾倒させたときの軸外収差の補正状態も、DVD再生時とCD再生時とで同じではない。

0011

例えば、ある有限対物レンズについては、視野振り時のレンズ移動量に対する波面収差および3次コマ収差が、DVD再生時には、それぞれ図2(A)の実線および破線で示すようになり、CD再生時には、それぞれ同図(B)の実線および破線で示すようになる、というように、例えば、DVD再生時よりCD再生時の方が、読み取り信号の劣化に対する寄与が大きい3次コマ収差が大きくなる。

0012

この場合に、DVD再生時およびCD再生時の視野振り時、それぞれ有限対物レンズを傾倒させて、それぞれ3次コマ収差を図3(A)および(B)の破線で示すようにレンズ移動量の全域に渡ってキャンセルするときのレンズ傾斜角は、例えば、DVDについては、図4の破線で示すような負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的小さいレンズ傾斜角fdとなり、CDについては、同図の鎖線で示すような正(傾斜方向がプラス方向)の比較的大きいレンズ傾斜角fcとなる、というように、例えば、DVD再生時とCD再生時とで方向が逆になり、かつ絶対値も異なるものとなる。

0013

レンズ傾斜方向(レンズ傾斜角の正負)については、図8(B)に実線で示したように有限対物レンズ1を傾倒させる場合、例えば、図8(B)で右側がディスク外周部側であるとき、すなわち有限対物レンズ1の光軸の光ディスク10側をディスク外周部側に寄せる方向に有限対物レンズ1を傾倒させるときを、プラス方向の傾斜方向(正のレンズ傾斜角)とし、逆に、図8(B)で右側がディスク内周部側であるとき、すなわち有限対物レンズ1の光軸の光ディスク10側をディスク内周部側に寄せる方向に有限対物レンズ1を傾倒させるときを、マイナス方向の傾斜方向(負のレンズ傾斜角)とする。

0014

視野振り(アクチュエータによる対物レンズのトラッキング方向の移動)についても、正負の方向がある。これについては、例えば、図8(B)に破線で示した中心位置(半導体レーザ2の出射光の中心が有限対物レンズ1の光軸上を通る、3次コマ収差が最小となる位置)からディスク内周部に向かう方向に有限対物レンズ1を移動させるときを、プラス方向の移動とし、逆に、中心位置からディスク外周部に向かう方向に有限対物レンズ1を移動させるときを、マイナス方向の移動とする。

0015

図4は、レンズ移動方向がプラス方向の場合、すなわち有限対物レンズを中心位置からディスク内周部に向かう方向に移動させる場合である。

0016

レンズ移動方向がマイナス方向の場合、すなわち有限対物レンズを中心位置からディスク外周部に向かう方向に移動させる場合、発生する3次コマ収差の、レンズ移動量の絶対値に対する関係は、レンズ移動方向がプラス方向の場合と同じであるが(したがって、図2(A)(B)の横軸のレンズ移動量は絶対値である)、その3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の、レンズ移動量の絶対値に対する関係は、レンズ移動方向がプラス方向の場合と逆の極性になる。

0017

すなわち、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角は、DVD再生時には、有限対物レンズをプラス方向に移動させるときについては、図4のfdで示したように負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的小さい傾斜角となるとすると、有限対物レンズをマイナス方向に移動させるときについては、正(傾斜方向がプラス方向)の比較的小さい傾斜角となり、CD再生時には、有限対物レンズをプラス方向に移動させるときについては、図4のfcで示したように正(傾斜方向がプラス方向)の比較的大きい傾斜角となるとすると、有限対物レンズをマイナス方向に移動させるときについては、負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的大きい傾斜角となる。

0018

このように、視野振り時に発生する3次コマ収差、および、この3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角は、DVD再生時とCD再生時とで同じではない。

0019

DVDとCDを比較すると、DVD再生時にはCD再生時より有限対物レンズのNA(Numerical Aperture:開口率)が大きいことや、DVD再生時とCD再生時とで波長の異なるレーザ光を用いる場合には、DVD再生時にはCD再生時より短波長のレーザ光を用いる(具体的には、DVD再生時には波長650nmのレーザ光を用い、CD再生時には波長780nmのレーザ光を用いる)ことなど、DVDの方がCDより各種トレランスが厳しいため、一般にDVDとCDに共用の光学ヘッドでは、DVDについての各種制限条件を満たすように光学系を設計することが多い。

0020

そのため、DVDとCDに共用の有限対物レンズを用いた光学ヘッドに、特開平8−36768号の発明を適用して、アクチュエータに有限対物レンズを傾倒させるローリング機能を持たせ、DVD再生時およびCD再生時の視野振り時、有限対物レンズを傾倒させて軸外収差を補正する場合にも、アクチュエータのローリング特性を、DVDについての、レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設計することが考えられる。

0021

しかし、そうすると、図4に示したようにDVD再生時とCD再生時とで3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜方向が逆になる場合には、CD再生時、かえって3次コマ収差が増大してしまう。

0022

逆に、アクチュエータのローリング特性を、CDについての、レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設計すると、DVD再生時、かえって3次コマ収差が増大してしまう。

0023

図4とは異なり、レンズ移動方向が同じであれば、DVD再生時とCD再生時とで、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜方向が同じで、レンズ傾斜角の絶対値のみが異なる場合もある。

0024

しかし、その場合でも、アクチュエータのローリング特性を、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角が小さい方のディスクについての、レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設計すると、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角が大きい方のディスクの再生時、3次コマ収差が残留して、読み取り信号の劣化を生じ、逆に、アクチュエータのローリング特性を、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角が大きい方のディスクについての、レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、有限対物レンズを傾倒させるように設計すると、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角が小さい方のディスクの再生時、過補正の状態となって、やはり読み取り信号の劣化を生じる。

0025

そこで、この発明は、DVDとCDのような、少なくとも2種類の光ディスクに共用の対物レンズを用いた光学ヘッドにおいて、いずれの種類の光ディスクの再生時にも、アクチュエータによって対物レンズをトラッキング方向に移動させたときに発生する軸外収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防止することができるようにしたものである。

課題を解決するための手段

0026

この発明の光学ヘッドは、少なくとも第1種類の光ディスクと第2種類の光ディスクとに共用される対物レンズと、この対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータとを備え、そのアクチュエータは、前記対物レンズを前記フォーカシング方向において前記第1種類の光ディスクを再生するときの第1の作動位置にしたときと前記第2種類の光ディスクを再生するときの第2の作動位置にしたときとの応力差によって、前記対物レンズを前記第1の作動位置にしたときには、前記第1種類の光ディスクについての、前記対物レンズを前記トラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対する移動後の位置で発生する軸外収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レンズを傾倒させ、前記対物レンズを前記第2の作動位置にしたときには、前記第2種類の光ディスクについての、前記対物レンズを前記トラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対する移動後の位置で発生する軸外収差をキャンセルするレンズ傾斜角の特性に応じて、前記対物レンズを傾倒させるローリング特性を有するものとする。

0027

上記の構成の、この発明の光学ヘッドでは、第1種類の光ディスクの再生時にも、第2種類の光ディスクの再生時にも、アクチュエータによって対物レンズをトラッキング方向に移動させたときに発生する軸外収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0028

図1は、この発明の光学ヘッドおよび光ディスク再生装置の一実施形態を示す。

0029

光学ヘッド20は、有限対物レンズ1、半導体レーザ2、光分岐板3、受光部4、およびアクチュエータ5を備えるものである。

0030

有限対物レンズ1は、DVDの再生とCDの再生に共用されるものであり、半導体レーザ(レーザダイオード)2は、この実施形態では、DVDの再生とCDの再生に共用される波長650nmのレーザ光を出射するものである。

0031

受光部4も、DVDの再生とCDの再生に共用されるもので、再生信号フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号検出用に分割された受光素子によって構成される。

0032

アクチュエータ5は、有限対物レンズ1をフォーカシング方向(図の上下方向)およびトラッキング方向(図の左右方向)に駆動するもので、光ディスクの反りによるコマ収差をキャンセルする機能を有するものを用いる。

0033

具体的に、アクチュエータ5は、固定部を構成するベース5bに、図では省略したヨークおよび永久磁石からなる磁気回路が形成され、可動部を構成するホルダ5aに、有限対物レンズ1が取り付けられるとともに、ベース5b上の磁気回路の磁界中を横切るように図では省略したフォーカシングコイルおよびトラッキングコイルが取り付けられ、そのホルダ5aが、図では省略した4本のワイヤなどの弾性部材によってベース5bに支持され、フォーカシングコイルにフォーカシング用の駆動電流が供給されることによって、有限対物レンズ1がフォーカシング方向に駆動され、トラッキングコイルにトラッキング用の駆動電流が供給されることによって、有限対物レンズ1がトラッキング方向に駆動される。

0034

さらに、このアクチュエータ5は、有限対物レンズ1をトラッキング方向に駆動するとき、上記の弾性部材がトラッキング方向に弾性変位すると同時にローリングすることによって、後述のようなローリング特性で有限対物レンズ1を傾倒させるものである。

0035

DVD再生時も、CD再生時も、半導体レーザ2から出射されたレーザ光は、光分岐板3で反射し、有限対物レンズ1によって集光されて、光ディスク(DVDまたはCD)10上に照射される。光ディスク10に入射したレーザ光は、入射面10aで屈折して、記録面10bで合焦し、反射して、有限対物レンズ1を介して光分岐板3に入射し、光分岐板3で屈折して受光部4に入射し、受光部4で受光される。

0036

受光部4の受光出力信号は、光学ヘッド20からRFアンプ31に送出され、RFアンプ31からDSP(Digital Signal Processor)32に、再生信号、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が送出される。

0037

DSP32は、コントローラ33によって制御されて、アクチュエータ5にフォーカシング用およびトラッキング用の駆動信号を送出する。また、図では省略したが、DSP32は、ドライバを制御し、ドライバから、光ディスク10の駆動用スピンドルモータ、および光学ヘッド20の送り用のモータに、それぞれ駆動信号が送出される。

0038

DVDは、図5(A)に示すように、それぞれ厚さ0.6mmの2枚のディスク11および12を貼り合わせたものであり、ディスク11の読み取り光の入射面11aから記録面11bまでの距離Ddが0.6mm弱であるのに対して、CDは、同図(B)に示すように、厚さ1.2mmのディスク13であり、その読み取り光の入射面13aから記録面13bまでの距離Dcが1.2mm弱である。

0039

DVDとCDに共用の有限対物レンズ1では、通常、DVDとCDにつき焦点距離がほぼ同じになるので、この入射面から記録面までの距離Dc,Ddの差(Dc−Dd)に相当する分だけ、DVD再生時とCD再生時とで作動距離を変える。

0040

具体的に、例えば、DVD再生時には、図5(A)に示すように、有限対物レンズ1を、ディスク11の入射面11aから距離(Ho+Hd)だけ後退した位置にし、CD再生時には、同図(B)に示すように、有限対物レンズ1を、ディスク13の入射面13aから距離(Ho−Hc)だけ後退した位置にする。

0041

距離Hoは、図1のアクチュエータ5によって有限対物レンズ1をフォーカシング方向に駆動しないとき(フォーカシングコイルに供給する駆動電流をゼロとしたとき)の有限対物レンズ1のフォーカシング方向における位置である磁気中立位置Poの入射面11aまたは13aからの距離であり、有限対物レンズ1の磁気中立高さである。

0042

すなわち、DVD再生時には、ある方向の駆動電流をフォーカシングコイルに流して、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hdだけ後退させ、CD再生時には、逆の方向の駆動電流をフォーカシングコイルに流して、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより距離Hcだけ前進させる。ただし、この場合の有限対物レンズ1の位置は、フォーカシングエラーがゼロのときの中立位置である。

0043

DVD再生時の作動距離(Ho+Hd)とCD再生時の作動距離(Ho−Hc)との差(Hd+Hc)は、ディスク13の入射面13aから記録面13bまでの距離Dcとディスク11の入射面11aから記録面11bまでの距離Ddとの差(Dc−Dd)に相当するものである。実際上は、レーザ出射光は入射面11aまたは13aで屈折するので、作動距離の差(Hd+Hc)は、距離Dcと距離Ddの差(Dc−Dd)より若干短くする。

0044

このように、有限対物レンズ1の作動位置(作動距離)をDVD再生時とCD再生時とで変えることによって、図1のアクチュエータ5に生じる応力をDVD再生時とCD再生時とで変えることができ、その応力差を利用して、視野振りによって有限対物レンズ1をトラッキング方向に移動させたときのレンズ移動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変えることができる。

0045

例えば、上述したように、読み取り信号の劣化に対する寄与が大きい3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜角が、DVD再生時には、有限対物レンズ1をプラス方向に移動させるときについては、図4のfdで示したように負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的小さい傾斜角となり、有限対物レンズ1をマイナス方向に移動させるときについては、正(傾斜方向がプラス方向)の比較的小さい傾斜角となり、CD再生時には、有限対物レンズ1をプラス方向に移動させるときについては、図4のfcで示したように正(傾斜方向がプラス方向)の比較的大きい傾斜角となり、有限対物レンズ1をマイナス方向に移動させるときについては、負(傾斜方向がマイナス方向)の比較的大きい傾斜角となるとすると、アクチュエータ5のローリング特性は、DVD再生時には、図6に示すように有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性とし、CD再生時には、図7に示すように有限対物レンズ1を傾倒させるローリング特性とする。

0046

すなわち、DVD再生時には、図6に示すように、有限対物レンズ1を、中心位置(レーザ出射光の中心が有限対物レンズ1の光軸上を通る、3次コマ収差が最小となる位置)から、Δxで示すようにプラス方向(ディスク内周部に向かう方向)に移動させるときについては、有限対物レンズ1を、マイナス方向(有限対物レンズ1の光軸のディスク11側をディスク内周部側に寄せる方向)に、fdで示すように比較的小さい傾斜角で傾倒させ、有限対物レンズ1を、中心位置から、−Δxで示すようにマイナス方向(ディスク外周部に向かう方向)に移動させるときについては、有限対物レンズ1を、プラス方向(有限対物レンズ1の光軸のディスク11側をディスク外周部側に寄せる方向)に、fdで示すように比較的小さい傾斜角で傾倒させる。

0047

また、CD再生時には、図7に示すように、有限対物レンズ1を、中心位置から、Δxで示すようにプラス方向(ディスク内周部に向かう方向)に移動させるときについては、有限対物レンズ1を、プラス方向(有限対物レンズ1の光軸のディスク13側をディスク外周部側に寄せる方向)に、fcで示すように比較的大きい傾斜角で傾倒させ、有限対物レンズ1を、中心位置から、−Δxで示すようにマイナス方向(ディスク外周部に向かう方向)に移動させるときについては、有限対物レンズ1を、マイナス方向(有限対物レンズ1の光軸のディスク13側をディスク内周部側に寄せる方向)に、fcで示すように比較的大きい傾斜角で傾倒させる。

0048

したがって、DVD再生時にも、CD再生時にも、アクチュエータ5によって有限対物レンズ1をトラッキング方向に移動させたときに発生する3次コマ収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防止することができる。

0049

また、これによって、有限対物レンズ1の設計にあたっては、像高特性に対する制約が大幅に緩くなり、他のパラメータに対する自由度が増すので、有限対物レンズ1の設計が楽になる。

0050

図4とは異なり、レンズ移動方向が同じであれば、DVD再生時とCD再生時とで、3次コマ収差をキャンセルするレンズ傾斜方向が同じで、レンズ傾斜角の絶対値のみが異なる場合にも、上述した作動位置(作動距離)の違いによる応力差を利用して、レンズ移動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変えることができ、DVD再生時にも、CD再生時にも、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物レンズ1を傾倒させることができる。

0051

また、図5図7の例は、DVD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより後退させ、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poより前進させる場合であるが、DVD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poにし、または磁気中立位置Poより若干前進させ、CD再生時には、有限対物レンズ1をDVD再生時の位置より前進させ、あるいは、CD再生時には、有限対物レンズ1を磁気中立位置Poにし、または磁気中立位置Poより若干後退させ、DVD再生時には、有限対物レンズ1をCD再生時の位置より後退させるようにしてもよい。

0052

これらの場合にも、作動位置(作動距離)の違いによる応力差を利用して、レンズ移動量に対するレンズ傾斜角の特性を、DVD再生時とCD再生時とで変えることができ、DVD再生時にも、CD再生時にも、3次コマ収差をキャンセルする傾斜方向に、3次コマ収差をキャンセルする傾斜角で、有限対物レンズ1を傾倒させることができる。

0053

なお、図1の実施形態の光学ヘッド20は、最も簡単に構成した場合を示したもので、例えば、半導体レーザ2と光分岐板3との間に、3ビーム法によるトラッキングエラー検出用に3本のビームを形成するグレーティングを配置し、または、DVD用の波長650nmのレーザ光を出射する半導体レーザと、CD用の波長780nmのレーザ光を出射する半導体レーザとを切り換えて用いる、などの構成とすることもできる。

0054

また、図1の実施形態は、有限対物レンズ1を用いて、光学ヘッド20を有限系とする場合であるが、非無限系の光学ヘッドとして、光学ヘッドを半有限系とし、または半有限で使用する系としてもよい。

0055

さらに、この発明は、厚みの異なる2種類の光ディスクの再生用または記録再生用の光学ヘッドに限らず、ディスクの厚みやディスク中の空気換算光路長が異なる、またはディスク中での分散が異なる、または使用するレーザ光の波長が異なるなどの、2種類以上の光ディスクの再生用または記録再生用の光学ヘッドに適用することができる。

発明の効果

0056

上述したように、この発明によれば、少なくとも2種類の光ディスクに共用の対物レンズを用いた光学ヘッドにおいて、いずれの種類の光ディスクの再生時にも、アクチュエータによって対物レンズをトラッキング方向に移動させたときに発生する軸外収差をキャンセルすることができ、読み取り信号の劣化を防止することができる。

図面の簡単な説明

0057

図1この発明の光学ヘッドおよび光ディスク再生装置の一実施形態を示す図である。
図2DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の有限対物レンズ移動量に対する波面収差の特性の一例を示す図である。
図3DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の3次コマ収差をキャンセルしたときの有限対物レンズ移動量に対する波面収差の特性の一例を示す図である。
図4DVD再生時およびCD再生時の視野振り時の有限対物レンズ移動量に対する3次コマ収差をキャンセルする有限対物レンズ傾斜角の特性の一例を示す図である。
図5DVD再生時およびCD再生時における有限対物レンズの作動位置の一例を示す図である。
図6この発明の光学ヘッドにおけるDVD再生時の視野振り時の有限対物レンズの傾倒態様の一例を示す図である。
図7この発明の光学ヘッドにおけるCD再生時の視野振り時の有限対物レンズの傾倒態様の一例を示す図である。
図8有限対物レンズを用いた場合の視野振り時の軸外収差の発生とレンズの傾倒の説明に供する図である。

--

0058

主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。

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