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図面 (3)

課題

誘導電動機並びにインバ−タを対象とした電気機器の異常及び劣化診断を、前記電気機器を停止もしくは休止分解することなく、運転状態のままで、誰にでも簡単かつ安全に、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、その原因並びに場所の特定を非接触で行える安価な診断装置を得る。

解決手段

電気機器に流れる機器電流を測定する電流検出部、及び前記機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部の少なくとも一方の検出部を設け、該検出部よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算する演算処理手段とで、前記機器電流に含まれる高調波含有率及び前記機器電流の不平衡率の少なくとも前記高調波含有率を演算して得られる数値より、前記電気機器の異常及び劣化診断を可能にする。

概要

背景

最近の電気機器設備生産を連続化したり、集約して高生産性を追求し、さらに高性能広範囲自動化システムと共に、インバ−タ等の省エネ機器も導入し、信頼性の高い設備、装置にするマスプロ化があらゆる産業界に求められている。このようなマスプロ設備は一般的に連続操業を原則にしており、電気機器設備の故障休止)はプロセス全体の休止につながることが多く。ひとたび故障が発生すると、生産障害に加え、需要家からの信頼低下や場合によっては災害の発生等、休止損失は計り知れないものとなり、致命的な問題になることが推測される。

また、新品設備機器機械)を企業が購入検収する場合にあっては、検収基準もしくは規格統一されたものがなく、現状では設備機器(機械)が仕様通り動作することをもって検収上げとしている。しかし、最近の自動機器(機械)類は、多くの装置をインタ−フェ−スケ−ブルにより接続した組合せシステム構成としているため、各装置間の整合性マッチング)が取れていない場合もあり、後になってトラブルが何度も発生し、火災事故に至ったケ−スもあり問題になっている。

更に、人の乗る運搬輸送設備として、例えば鉄道車両エレベ−タ等は法令定期点検義務づけられているが、電動機設備やインバ−タについては、温度上昇や異音の発生有無を確認する程度で安全面で問題を残している。

ここで、電気機器設備の異常及び劣化診断の目的を述べると次のようになる。
(1)コスト削減
a.設備停止時間の減少による操業率の向上
b.材料費人件費保全費の削減
c.取替周期延長
d.点検整備削減
(2)トラブル事前防止
(3)安全性向上
(4)信頼性向上
(5)生産性向上
(6)品質向上

以上が電気機器設備の異常・劣化診断に関する必要性の背景と目的であるが、ここでは先ず本発明に係る電動機並びにインバ−タの異常・劣化診断の従来技術について、以下1〜2の各項でそれぞれ簡単に述べる。

1.電動機の異常・劣化診断について
電動機の異常・劣化診断法としては、(1)振動法、(2)音響法、(3)温度法、(4)トルク(ひずみ)法、(5)電流法、(6)波形法、などがあるが、これらの中で最もよく利用されポピュラ−な方法が振動法であるため、ここでは振動法について述べる。その他の診断法については、既に発明者が出願した特許(特願2000−386603、特願2001−265949)にて述べているので記述を省略する。

(1)振動法
振動法は電動機もしくは電動機を含めた負荷設備回転機械振動を、動電型圧電型又は変位型の振動ピックアップをできる限り振動の発生源近くに取り付け、振動のオ−バ−オ−ル値により異常判定する簡易診断と、振動の周波数分析により異常・劣化の原因、場所を特定する精密診断とがあるが、これらの診断はいずれも軸受け回転軸等の機械要素部に限られる。

・簡易診断
振動のオ−バ−オ−ル値による異常か正常かの判定基準としては、過去のデ−タの蓄積と経験により自社で独自に定めているところもあるが、一般的にはISO規格JIS規格、VDI規格(ドイツ技術者協会の規格)などを参考にしている場合がほとんどである。しかし、これらの規格は平均的な評価を与えたものであり、すべての回転機械にあてはまるものではない。いま、参考例としてISO規格(ISO−2372)を表1に示す。

概要

誘導電動機並びにインバ−タを対象とした電気機器の異常及び劣化診断を、前記電気機器を停止もしくは休止分解することなく、運転状態のままで、誰にでも簡単かつ安全に、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、その原因並びに場所の特定を非接触で行える安価な診断装置を得る。

電気機器に流れる機器電流を測定する電流検出部、及び前記機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部の少なくとも一方の検出部を設け、該検出部よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算する演算処理手段とで、前記機器電流に含まれる高調波含有率及び前記機器電流の不平衡率の少なくとも前記高調波含有率を演算して得られる数値より、前記電気機器の異常及び劣化診断を可能にする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

電気機器に流れる機器電流を測定する電流検出部と、前記機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部と、該磁界検出部と前記電流検出部とを切換選択する切換器とを設け、該切換器よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算処理する演算処理手段とで、前記機器電流の各相に流れる電流値より演算される電流不平衡率と、前記機器電流に含まれる高調波成分を演算して得られる各次数高調波含有率とより、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、該異常及び劣化の原因並びに場所の特定を行って外部に表示する表示手段と、外部より該表示手段により表示された内容項目の変更や条件設定を行わしめる操作手段とを備えたことを特徴とする電気機器の異常及び劣化診断装置

請求項2

電気機器に流れる機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部を設け、該磁界検出部よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算処理する演算処理手段とで、前記機器電流に含まれる高調波成分を演算して得られる各次数の高調波含有率とより、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、該異常及び劣化の原因並びに場所の特定を行って外部に表示する表示手段と、外部より該表示手段により表示された内容項目の変更や条件設定を行わしめる操作手段とを備えたことを特徴とする電気機器の異常及び劣化診断装置。

請求項3

電気機器が、誘導電動機及びインバ−タの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気機器の異常及び劣化診断装置。

請求項4

外部に表示する表示手段が、LCD表示及びプリンタ印刷の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気機器の異常及び劣化診断装置。

技術分野

(3)長年に亘った電気機器の異常及び劣化デ−タの蓄積による統計解析と、実験デ−タによる確率解析に基づき実験理論式導出でき、本発明装置が多くの機器で実証確認されたので、ISO規格JIS規格にすることが可能である。

背景技術

0001

本発明は、設備診断に係る技術分野に属し、誘導電動機(以下電動機と記す)並びにインバ−タを対象とした電気機器の異常及び劣化診断装置に関するものである。

0002

最近の電気機器設備生産を連続化したり、集約して高生産性を追求し、さらに高性能広範囲自動化システムと共に、インバ−タ等の省エネ機器も導入し、信頼性の高い設備、装置にするマスプロ化があらゆる産業界に求められている。このようなマスプロ設備は一般的に連続操業を原則にしており、電気機器設備の故障休止)はプロセス全体の休止につながることが多く。ひとたび故障が発生すると、生産障害に加え、需要家からの信頼低下や場合によっては災害の発生等、休止損失は計り知れないものとなり、致命的な問題になることが推測される。

0003

また、新品設備機器機械)を企業が購入検収する場合にあっては、検収基準もしくは規格統一されたものがなく、現状では設備機器(機械)が仕様通り動作することをもって検収上げとしている。しかし、最近の自動機器(機械)類は、多くの装置をインタ−フェ−スケ−ブルにより接続した組合せシステム構成としているため、各装置間の整合性マッチング)が取れていない場合もあり、後になってトラブルが何度も発生し、火災事故に至ったケ−スもあり問題になっている。

0004

更に、人の乗る運搬輸送設備として、例えば鉄道車両エレベ−タ等は法令定期点検義務づけられているが、電動機設備やインバ−タについては、温度上昇や異音の発生有無を確認する程度で安全面で問題を残している。

0005

ここで、電気機器設備の異常及び劣化診断の目的を述べると次のようになる。
(1)コスト削減
a.設備停止時間の減少による操業率の向上
b.材料費人件費保全費の削減
c.取替周期延長
d.点検整備削減
(2)トラブル事前防止
(3)安全性向上
(4)信頼性向上
(5)生産性向上
(6)品質向上

0006

以上が電気機器設備の異常・劣化診断に関する必要性の背景と目的であるが、ここでは先ず本発明に係る電動機並びにインバ−タの異常・劣化診断の従来技術について、以下1〜2の各項でそれぞれ簡単に述べる。

0007

1.電動機の異常・劣化診断について
電動機の異常・劣化診断法としては、(1)振動法、(2)音響法、(3)温度法、(4)トルク(ひずみ)法、(5)電流法、(6)波形法、などがあるが、これらの中で最もよく利用されポピュラ−な方法が振動法であるため、ここでは振動法について述べる。その他の診断法については、既に発明者が出願した特許(特願2000−386603、特願2001−265949)にて述べているので記述を省略する。

0008

(1)振動法
振動法は電動機もしくは電動機を含めた負荷設備回転機械振動を、動電型圧電型又は変位型の振動ピックアップをできる限り振動の発生源近くに取り付け、振動のオ−バ−オ−ル値により異常判定する簡易診断と、振動の周波数分析により異常・劣化の原因、場所を特定する精密診断とがあるが、これらの診断はいずれも軸受け回転軸等の機械要素部に限られる。

0009

・簡易診断
振動のオ−バ−オ−ル値による異常か正常かの判定基準としては、過去のデ−タの蓄積と経験により自社で独自に定めているところもあるが、一般的にはISO規格、JIS規格、VDI規格(ドイツ技術者協会の規格)などを参考にしている場合がほとんどである。しかし、これらの規格は平均的な評価を与えたものであり、すべての回転機械にあてはまるものではない。いま、参考例としてISO規格(ISO−2372)を表1に示す。

0010

0011

表1において、class・〜・はそれぞれ次のような機械である。
class・:15KWまでの電動機またはそれに相当する小型機械
class・:15〜75KWの電動機または強固な基礎上の300KWまでの中型機械
class・:強固な基礎上の大型機械
class・:柔軟な基礎上の大型機械

0012

・精密診断
前述の簡易診断により異常があると判断した場合、その原因、場所などを特定するためには精密診断が必要となる。一般に回転機械類から発生する振動信号は複雑であり、単純な振動はほとんどない。その中から有意義な情報を得て異常の有無を精密に判断するには、周波数分析法が最も広く用いられている。振動信号を周波数分析することにより、異常の原因、場所の特定が可能となる。

0013

いま、定速回転を行っている電動機等の回転機について、異常原因と発生振動数の関係の一例を表2に示す。これらの関係は、長期間にわたる過去のデ−タの蓄積により得られているものである。

0014

0015

表2において、f0 :ロ−タ(回転軸)の回転数:Z:ベアリングの玉の数、d:ベアリングの玉の直径、D:ベアリングのピッチ円径、a:ベアリングの接触角、n:整数、Z’:損傷歯数、である。

0016

2.インバ−タの異常・劣化診断について
インバ−タは、省エネ化や生産性の向上、操作性の向上など多くの特長があり、各種産業機械ハイテク化に大きく貢献している。今やインバ−タは動力設備機械には必須機器となっており、その生産量も年々増加し、1999年度の日本国内における産業用インバ−タの生産量は、通産省(現経済産業省)の生産動態統計によると180万台を超えている(金額換算:約1000億円)。

0017

ところでインバ−タは、IC、抵抗コンデンサトランジスタなどの電子部品冷却ファンリレ−など多数の部品によって構成されている。これらの部品は永久的に使用できるものではなく、その耐用年数寿命使用環境によって大きく左右され、ほとんどの電子部品はその寿命がアルレニウス法則(10℃二倍則:周囲温度を10℃低下させるごとに寿命が2倍に延びる)に従うので、インバ−タの定期点検が必要となる。

0018

すなわち、インバ−タの異常・劣化診断としては、トラブルの未然防止のため、JEMA(日本電機工業会)では「汎用インバ−タ定期点検のすすめ」のガイドブックで、表3に示すような定期点検をすすめている。

0019

発明が解決しようとする課題

0020

しかし、インバ−タの異常・劣化診断においては、異常・劣化の原因や場所の特定がインバ−タを停止もしくは休止分解して専門技術者による特殊な測定器を用いなけらばならず、現実にはインバ−タが故障するまで使用し続ける場合が多い。その間はインバ−タ機能の低下、例えば省エネ機能保護機能出力特性等の異常、また他の機器への悪影響、例えばロボット等の誤動作や電動機トラブルの発生がしばしば見られた。

0021

電動機及びインバ−タの異常・劣化診断は、電動機については振動法が最も広く用いられているが、ピックアップ取付けが精度に関係するため、これを振動発生源の近くに固定する必要がある。また異常・劣化個所の診断が軸受や回転軸等の機械要素部に限られ、測定にも時間がかかり測定装置を含め診断費用も高くつくので、この診断法は重要度の高い比較的大型機がメインとなる。

0022

電動機についてのその他の診断法については記述を省略したが、いずれも振動法のように異常・劣化原因や場所の特定ができず、異常負荷の診断のみを行うオンライン監視ステムに至っては極めて高価なものである。

課題を解決するための手段

0023

また、インバ−タの異常・劣化診断については、前述したように異常・劣化原因や場所の特定を行うにはインバ−タを停止もしくは休止分解して、専門技術者が測定器を使用して行わねばならず甚だ面倒で時間もかかり診断に要するコストも高くつく。

0024

本発明に係る電動機並びにインバ−タを対象とした電気機器の異常及び劣化診断装置は、上記の課題を解決するため、次のようにしている。

0025

この電気機器の診断装置は、電気機器に流れる機器電流に含まれる各次数高調波含有率の大きさにより電気機器の異常及び劣化の程度や、その異常・劣化原因や場所の特定を行うが、次のように精密形と簡易形の二つに分類できるので、これらについて以下に記す。

0026

1,精密形
電気機器に流れる機器電流を測定する電流検出部と、前記機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部と、該磁界検出部と前記電流検出部とを切換選択する切換器とを設け、該切換器よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算処理する演算処理手段とで、前記機器電流の各相に流れる電流値より演算される電流不平衡率と、前記機器電流に含まれる高調波成分を演算して得られる各次数の高調波含有率とより、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、該異常及び劣化の原因並びに場所の特定を行う。

発明を実施するための最良の形態

0027

2.簡易形
電気機器に流れる機器電流によって発生する磁束を検出する磁界検出部を設け、該磁界検出部よりの出力を入力処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた信号を演算処理する演算処理手段とで、前記機器電流に含まれる高調波成分を演算して得られる各次数の高調波含有率とより、前記電気機器の異常及び劣化の程度や、該異常及び劣化の原因並びに場所の特定を行う。

0028

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。

0029

図1は、本発明の一実施例に係る電気機器の異常及び劣化診断装置の構成を示すブロック図である。

0030

1は電流検出部、2は磁界検出部である。電流検出部1による電流測定にはクランプ式が非接触で行えるので好ましいが、それ以外の方法でもよい。また、磁界検出部2はサ−チコイルセンサまたはホ−ル素子センサ磁気抵抗センサ等を用いて磁束を測定すればよいが、電流検出部1によって測定される電流と該電流によって発生する磁束は比例するので、この電流を測定磁束代用すれば、磁界検出部2による測定が省けるので好ましい。

0031

電流検出部1と磁界検出部2の選択は切換器Sにて行う。10は信号処理手段であり、演算処理手段20へは20aなるデ−タ信号で通信する。24aは操作手段30で演算処理手段20へ入力する条件設定デ−タを示す入力信号、25aは演算結果を表示手段31に取り出す出力信号である。

0032

ここで、先ず信号処理手段10の構成について述べると次の通りである。

0033

切換器Sを経由した信号は、選択増幅回路11にて、電流検出部1もしくは磁界検出部2にて測定された信号レベルに応じて選択的に増幅され、その出力はA/D変換器12に入力される。

0034

A/D変換器12は、選択増幅回路11によって出力されるアナログ信号ディジタル信号に変換するものである。13は出力回路で演算処理手段20へ20aなるデ−タ信号として転送する。14はシフトレジスタ(図示しない)を中心に構成された順序制御回路、15は波形アドレス選択回路である。

0035

次に、演算処理手段20の構成を述べると次の通りである。

0036

21は中央処理装置(以下CPUと記す)、22は主記憶回路で、波形記憶回路28の内容がCPU21の制御によって演算デ−タとして記憶される。23は補助記憶回路、24及び25はそれぞれ入力ポ−ト及び出力ポ−トである。補助記憶回路43は、後述する電気機器の運転デ−タ、例えば機器定数電圧係数高調波対策係数などを記憶させておいたり、電気機器の定格値運転値の条件設定をも行う回路で、この時の設定値の入力は入力ポ−ト24を介して行う。ここで入力信号24aはプッシュタンやスイッチ、タッチボタン等の操作手段30の操作によって生じるものである。また出力ポ−ト25はCPU21の演算結果を外部に出力するもので、その出力信号25aによって、LCD(液晶表示器)やプリンタ−等を動作さす表示手段31を有している。29はバスラインである。

0037

また、演算処理手段20には、アドレス発生カウンタ26、プログラム記憶回路27及び波形記憶回路28を設けている。これらの動作について次に説明する。

0038

アドレス発生用カウンタ26は、例えば8ビットアップダウンカウンタを2個使用し、上位8ビット、下位8ビットで合計16ビットのアドレスをつくる。このアドレス発生用カウンタ26は次の三つの役割をもつ。

0039

(1)測定波形の入力
電流検出部1もしくは磁界検出部2によって測定された電流もしくは磁束波形信号のA/D変換したサンプリングデ−タを、測定波形と1対1に対応した波形記憶回路28内の番地(領域)に取り込まなけらばならない。そのためアドレス発生用カウンタ26は、測定波形と対応したアドレスとして測定波形の横座標を下位8ビットで表し、縦座標を上位8ビットで表す。

0040

(2)測定波形の出力
波形記憶回路28内に取り込まれた波形デ−タをバスライン29を通してCPU21に転送する。この時、アドレス発生用カウンタ26は16ビットのアップカウンタとして動作し0000〜FFFF(16進表示)までカウントしていく。

0041

(3)プログラムの転送
プログラム記憶回路27には、高速フ−リエ変換FFT:Fast Fourier Transform)プログラムが記憶されている。この高速フ−リエ変換による演算については、発明者が既に出願した「電気機器の劣化診断法」(特願2001−265949)にても説明しているので、ここでは記述を省略する。

0042

このプログラム記憶回路27からバスライン29を通してCPU21に高速フ−リエ変換(FFT)プログラムを転送する。この時もアドレス発生用カウンタ26から見れば前述の測定波形の出力の場合と同様である。カウンタ動作の終了はCPU21の指令による。

0043

次に、プログラム記憶回路27から、システムの起動時にFFTプログラムがCPU21に全て転送されると、スタ−ト指令を信号処理手段10の直列通信回路(図示しない)に送信する。このスタ−ト指令を受けて順序制御回路が動作し、波形デ−タの波形記憶回路28への取り込み、アドレス発生用カウンタ26のリセット、そして波形記憶回路28内の波形デ−タをCPU21へ送信するというプロセスを繰り返し行う。また、波形アドレス選択回路15はアドレス発生用カウンタ26の動作により、波形アドレスの領域を選択するものである。

0044

以上が、本発明に係る診断装置の構成を示すブロック図の説明であるが、次に電気機器の入力及び出力電流に関して、本発明者が既に完成させた出願特許(特願2001−265949)を基に一部補足し図面を参照して説明すると以下の通りとなる。

0045

図2は、インバ−タに係るブロック図である。51は三相交流電源、53は電動機52を制御するインバ−タであって、コンバ−タ部54と平滑コンデンサ55、及びインバ−タ部56を制御するコントロ−ル部57で構成されている。コントロ−ル部57はIC、抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの電子部品を搭載したコントロ−ル基板である。また、In1及びIn2はそれぞれインバ−タ53の入力電流及び出力電流(電動機電流)であって、インバ−タ53が、例えば現在主流となっている正弦波PWMインバ−タの場合のIn1及びIn2は、図2にて示したような電流波形となる。

0046

ところで、図2で示したようなコンバ−タ部54を有するインバ−タ53の入力側における高調波電流In1は、三相交流電源51の電圧バランスし、その電源インピダンスや電動機52の負荷率等を無視した理想値として考えると、周知のように次式のようになる。

0047

ID=000006HE=005 WI=116 LX=0470 LY=1250
ただし、I11は基本波電流である。

0048

しかし、(1)式は前述した仮定条件以外に、図2のインバ−タ部56を構成する電力素子デバイスデッドタイムや、インバ−タ53の運転周波数に関係する制御角、及び高調波対策が施されているか否か、更には三相交流電源51の出力に他の負荷機器(インバ−タ等も含む)の接続有無や、電流高調波の検出が電流によるか磁界によるかといった測定方式等の諸要素は全く考慮されていない。

0049

だが、上述した諸要素を全て考慮した高調波電流を理論的に算出することは困難なため、本発明者は長年にわたるデ−タの分析と実験的解析手法により、高調波電流In1が次式に従うことを見い出した。

0050

0051

(2)式においてLf は電源負荷係数で、図2で示した三相交流電源51の出力母線に電動機52とは別に負荷(インバ−タ等も含む)が接続されている場合は、それらの接続負荷を合計した等価容量によってLf は次のような値をとる。

0052

(1)等価容量が15KWまでの負荷:Lf =2.0
(2)等価容量が15〜55KWの負荷:Lf =1.8
(3)等価容量が55〜110KWの負荷:Lf =1.5
(4)等価容量が110〜300KWの負荷:Lf =1.2
(5)等価容量が300KW以上の負荷:Lf =1.0

0053

尚、接続負荷が無い場合はLf =1.0を採用すればよい。しかし負荷が分からない場合や簡略計算でもよい場合はLf =1.0として考えればよいが、出来る限り接続負荷容量を把握しておくことが好ましい。

0054

また、(2)式のDf は検出器係数で、機器電流に含まれる高調波成分を、クランプ式電流測定によるか、もしくは機器電流によって発生する磁束をサ−チコイル等の磁界測定によるかで異なる。即ち、磁界測定によって得られた数値は、電流測定による数値より、磁束の空間伝搬減衰分だけ低い値を示す。本発明者は、前記両方式の測定値を統計的に比較分析した結果、Df として次の値を採用するに至った。但し、電流変動が激しい場合は測定を何度か繰返し平均をとる。
(1)クランプ式電流測定による場合:Df =1.6
(2)サ−チコイル等の磁界測定による場合:Df =1.0

0055

更に、(2)式においてMa 、Mb 及びMc は電動機単独運転かインバ−タ運転かによって定まる機器定数で、それぞれ次のような値となる。
(1)電動機単独運転の場合
Ma =0.02、Mb =0.01、Mc =0
(2)インバ−タ運転の場合
Ma =0.2、Mb =0.1、Mc =1.0

0056

そして、(2)式中のKV は次の(6)式で示される電圧係数で、(6)式中Xの数値は電動機もしくはインバ−タの入力電圧が200V系の場合は200、400V系及び3000V系の場合は、それぞれ400及び3000となる。

0057

0058

また、(2)式でのKh はインバ−タ運転時の高調波対策係数で、下記に示すような値をとる。
(1)高調波対策が無い場合はKh =1
(2)高調波対策が有る場合は、その対策部品により異なるが、平均的には次のようになる。但し、数値は第5次及び第7次高調波に対するものであり、第11次以上及びこれら以外の各次数高調波の場合は( )内の数値となる。
a.ラインフィルタ設置時はKh =0.90(0.95)
b.ACリアクトル設置時はKh =0.60(0.85)
c.DCリアクトル設置時はKh =0.55(0.95)
d.AC+DCリアクトル併用設置時はKh =0.40(0.90)
e.EMIフィルタ設置時はKh =0.60(0.80)

0059

なお、(2)式のKS は電源インピ−ダンスZ(%)を、KW は負荷率(%)であり、計算時に用いる数値としてはそれぞれ100で除した値となる。

0060

ところで、インバ−タ運転において(2)式では表されないが考慮すべきは特に第6次高調波成分である。この第6次高調波成分はインバ−タの運転周波数が電源周波数の1/2、即ち商用電源周波数が60Hz地区では30Hz運転とした時、電動機の回転軸に少しでもベアリングやカップリング等に起因するアンバランスがあると第6次高調波含有率は1/n(nは高調波次数)、即ち約16%にも達する場合がある。この場合は他の次数高調波含有率も高くなる傾向にあるため、インバ−タ運転をする時は次式を満足させるよう注意する必要がある。
インバ−タの運転周波数≠(商用電源周波数)/m(整数)

0061

以上で入力側の高調波電流が求まり、各次数の高調波含有率が算出できる。ここで電気機器として電動機及びインバ−タの異常・劣化診断の観点のみから言えば、前記電気機器の入力側高調波次数は第10次迄考慮すれば充分であるが、これについては後述する。

0062

次に、図2もどりインバ−タ53の出力電流、即ち電動機52に流れる電動機電流In2は、本発明者が多くのデ−タを蓄積し、確立統計解析を行った結果次式で表せることを見い出した。

0063

ID=000009HE=005 WI=108 LX=0510 LY=1800
ここで、I12:電動機電流の基本波電流、n:高調波次数
h:高調波係数、Km :電動機定数

0064

(7)式中のKm は次のような数値となる。
(1)Km =0.05(ただし、n=2)
(2)Km =0.15(ただし、n=3)
(3)Km =1.0(ただし、n=2、3以外)
上記(1)、(2)のみKm が異なっているのは、元々三相交流電源によって供給される電圧及び電流波形は、いづれも対称波であるためn=2とその整数倍の高調波は発生せずKm =0となる。更に三相交流電源の電圧、電流が平衡していて不平衡率がゼロの場合はn=3とその整数倍の高調波も生じなくKm =0となる。しかし、現実的には他の電気機器(例えばインバ−タ)や誘導電磁界の影響によりKm ≠0となるのである。

0065

また、(7)式中の高調波係数hは、次のような三つの高調波次数(n)領域により異なった値になる。
(1)5>nの場合はh=2
(2)11>n≧5の場合はh=1
(3)n≧11の場合はh=1.6

0066

以上のようにインバ−タ出力側の高調波電流が求まる。ここで、インバ−タが正弦波PWM制御方式のような電圧形インバ−タの場合は出力インピ−ダンスが小さく、負荷である電動機に対しては電圧源として作用するため、出力側電流に含まれる高調波含有率は小さい。尚、(7)式中のKV 、KS 及びKW は(2)式にて表したものと同じ意味のものであるが、インバ−タが電圧源と考えた場合はKS =0と考えてよい。しかし、電流形インバ−タの場合はKS =1と見なし、(7)式にインバ−タ係数CS (記述しない)を乗ずればよい。この時CS =2として計算すればほぼ実状に即した結果となることを本発明者は確認している。

0067

また、電圧係数KV は(6)式で示されるから、(6)式中のXは運転周波数に比例した電圧と考えても差しつかえない。従って、例えば商用電源周波数が60Hz地域の200V系で、30Hz運転の場合は出力電圧が100Vとなり、電圧係数KV は約1.4となる。

0068

以上、本発明に係る機器電流に流れる各次数の高調波電流の演算法について述べたが、その演算結果に基づく電気機器の異常・劣化判定値については後述の実施例にて述べる。

0069

ところで、前述したように電気機器の異常及び劣化の程度や、その異常・劣化原因や場所の特定を精密に行うには、前記電気機器の各相(R相、S相、T相)電流の実効値を測定する。この電流の測定にはクランプ式電流計が非接触で行えるので好ましい。測定から得られた各相電流より、電流不平衡率は次式で求める。
電流不平衡率={(Imax −Imin )/Imin }×100(%) (8)
ここで、Imax 及びImin は、それぞれ各相電流の最大値及び最小値である。

0070

本発明の実施例として、電動機及びインバ−タの異常・劣化判定値と、この判定値に基づき「正常」、「要注意」及び「不良」に区分し、異常・劣化原因や場所の特定に関して説明すれば次の通りである。尚、本発明の異常・劣化判定値の「正常」、「要注意」及び「不良」についての高調波含有率の数値は実施例に限定されることはない。

0071

また、判定値区分において、「正常」はAレベル、「要注意」はBレベル、「不良」はCレベルと記すが、その中で「要注意」のBレベルは、機器の劣化度に応じ軽度な劣化(約1年は運転に支障がない劣化)をB1(ランク・)、中度な劣化(約6ヵ月は運転には支障がないが傾向管理が必要な劣化)をB2(ランク・)、重度な劣化(約3ヵ月程度の運転は可能であるが、機器のトラブル発生が懸念されるため部品交換修理の準備が必要な劣化)をB3(ランク・)の3ランクに分けている。

0072

表4に電気機器の異常・劣化判定基準表を示す。表中の電動機入力における高調波診断時の計算値は(2)式もしくは(7)式により求めた値であるが、電動機単独運転の場合は(7)式により求めるのが簡単で便利である。また、インバ−タ使用時の高調波診断の入力及び出力における計算値は、それぞれ(2)式及び(7)式により求める。また、本発明に係る装置が精密形の場合は表4のように電流診断も行う必要があるが、簡易形の場合は高調波診断のみでよい。

0073

0074

表5は表4の判定基準に基づいて算出した電動機の診断判定表である。表5において高調波診断に用いた「正常」判定の基準となる計算値は、(7)式中で電源負荷係数Lf =1.0、検出器係数Df =1.0(サ−チコイルによる非接触磁界検出器を使用)として求めた数値によった。また、電流診断にはクランプ式センサを用いた。

0075

0076

表6は電動機の劣化原因・場所の特定表である。本表は高調波次数と電動機の劣化原因・場所の関係を表したもので、本発明者の長年に亘デ−タの蓄積による統計分析と実験デ−タによる確率解析により始めて明らかになったものである。特に、第2次〜第5次高調波は電動機に、第7〜第10次高調波は負荷に起因する劣化であることが明確になったことは本発明の大きな成果の一つである。

0077

0078

表7は電動機、インバ−タの劣化原因・場所の特定表である。本表はインバ−タ制御による電動機運転時の高調波次数と電動機、インバ−タの劣化原因・場所の関係を表したもので、表6と同様に技術ノウハウを実験的解析手法により体系化したものである。

0079

0080

本発明の電気機器の異常及び劣化診断装置は、電動機並びにインバ−タを対象としたもので次のような効果を奏する。

図面の簡単な説明

0081

(1)本発明の非接触測定器回路構成シンプル簡便かつ安価なため、電動機並びにインバ−タを対象とした電気機器の異常及び劣化診断が、専門技術者を必要とすることなく誰にでも安全に行える。
(2)対象とする電気機器の劣化診断用以外に、動力設備機械の検収用、鉄道車輛やエレベ−タ等のような法令で定められた運輸、輸送設備の定期点検用にも用途がある。

--

0082

図1電気機器の異常及び劣化診断装置の構成を示すブロック図である。
図2インバ−タに係るブロック図である。

0083

1電流検出部
2磁界検出部
10信号処理手段
20演算処理手段
21中央処理装置(CPU)
22主記憶回路
23補助記憶回路
24 入力ポ−ト
25 出力ポ−ト
30操作手段
31 表示手段
51三相交流電源
52電動機
53インバ−タ
54コンバ−タ部
55平滑コンデンサ
56 インバ−タ部
57コントロ−ル部

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