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技術 水性二相抽出法による金属イオンの高選択的分離

出願人 学校法人日本大学
発明者 渋川雅美
出願日 2001年11月22日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-356860
公開日 2003年5月27日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-154201
状態 未査定
技術分野 抽出、液体の置換
主要キーワード ポリエチレングリコール相 PEG相 抽出機構 抽出選択性 グルコン酸イオン 製造目的 グリコン酸 有機酸イオン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年5月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

解決手段

水性二相抽出法による金属イオン分離法であって、当該水性二相系に、ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び錯形成剤を添加することを特徴とする金属イオンの分離法。

効果

本発明によれば、水性二相抽出法により複数の金属イオンから所望の金属イオンを選択的に分離抽出できる。

概要

背景

二種以上の金属イオンを含む水溶液から所望の金属イオンのみを選択的に分離する技術としては、液体クロマトグラフィーイオン交換が知られている。しかし、これらの分離技術には、大量処理ができない、装置が大きくなる、回収移送が容易でない等の欠点がある。

ところで、液液抽出法は、優れた分離・濃縮技術の一つとして微量分析から工業的スケールでの製造目的に及ぶ広い分野で利用されている。しかし、抽出系は水とそれと混和しない有機溶媒を用いて構成するのが一般的であり、その多くは人体に有害である上、揮発性が高く可燃性であるという大きな問題を持っている。これに対し、水性二相抽出法は、二種類の水溶性高分子と水、あるいは高分子電解質及び水とから構成される二相系を利用する抽出法で、有機溶媒を全く使用せず、ポリエチレングリコール(PEG)やデキストランなど生物体への毒性を持たない高分子を用いて構成することができるため、環境に優しい液液抽出系として注目されている。

概要

水性二相抽出法による金属イオンの分離法であって、当該水性二相系に、ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び錯形成剤を添加することを特徴とする金属イオンの分離法。

本発明によれば、水性二相抽出法により複数の金属イオンから所望の金属イオンを選択的に分離抽出できる。

目的

しかし、この水性二相抽出法は、無機化合物の分離法としては実用化の目処がたっていない。これは、水性二相系が従来の有機溶媒/水二相系とは抽出機構が著しく異なり、同様の抽出技術を用いることができないこと、及び基本的には水という一つの溶媒しか用いないため、高い抽出選択性を得ることは不可能であると考えられていることが原因である。従って、本発明の目的は水性二相抽出法を用いて金属イオンを選択的に分離する技術を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

水性二相抽出法による金属イオン分離法であって、当該水性二相系に、ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び錯形成剤を添加することを特徴とする金属イオンの分離法。

請求項2

二種以上の金属イオンから所望の金属イオンを分離するものである請求項1記載の分離法。

請求項3

水性二相系に、(A)二種以上の金属イオンを含む水溶液、(B)ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び(C)錯形成剤を添加し、抽出系を形成させることを特徴とする請求項1又は2記載の分離法。

請求項4

水性二相系が、二種類の水溶性高分子と水、又は一種類の水溶性高分子と無機塩と水から形成されるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の分離法。

技術分野

0001

本発明は、水性二相抽出法により、二種以上の金属イオンを含む水溶液から所望の金属イオンを選択的に分離する方法に関する。

背景技術

0002

二種以上の金属イオンを含む水溶液から所望の金属イオンのみを選択的に分離する技術としては、液体クロマトグラフィーイオン交換が知られている。しかし、これらの分離技術には、大量処理ができない、装置が大きくなる、回収移送が容易でない等の欠点がある。

0003

ところで、液液抽出法は、優れた分離・濃縮技術の一つとして微量分析から工業的スケールでの製造目的に及ぶ広い分野で利用されている。しかし、抽出系は水とそれと混和しない有機溶媒を用いて構成するのが一般的であり、その多くは人体に有害である上、揮発性が高く可燃性であるという大きな問題を持っている。これに対し、水性二相抽出法は、二種類の水溶性高分子と水、あるいは高分子電解質及び水とから構成される二相系を利用する抽出法で、有機溶媒を全く使用せず、ポリエチレングリコール(PEG)やデキストランなど生物体への毒性を持たない高分子を用いて構成することができるため、環境に優しい液液抽出系として注目されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、この水性二相抽出法は、無機化合物分離法としては実用化の目処がたっていない。これは、水性二相系が従来の有機溶媒/水二相系とは抽出機構が著しく異なり、同様の抽出技術を用いることができないこと、及び基本的には水という一つの溶媒しか用いないため、高い抽出選択性を得ることは不可能であると考えられていることが原因である。従って、本発明の目的は水性二相抽出法を用いて金属イオンを選択的に分離する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

そこで、本発明者は、水性二相抽出法による金属イオンの分離法について種々検討したところ、抽出媒体としてチオシアン酸イオン又はハロゲン化物イオンを用いると金属イオンがある程度分離可能であることを見出した。しかし、この手段ではほとんどの金属イオンを分離することはできないことが判明した。そこで、さらに検討したところ、これらの抽出媒体に加えて錯形成剤を併用すると金属イオンが選択的に一方の相に抽出されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0006

すなわち、本発明は、水性二相抽出法による金属イオンの分離法であって、当該水性二相系に、ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び錯形成剤を添加することを特徴とする金属イオンの分離法を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明は、水性二相抽出法による金属イオンの分離法である。水性二相抽出法は、水性二相系(水性二層分配系ともいう)、を形成して、当該二相の一方の相に抽出する方法である。当該水性二相系は、二種類の水溶性高分子と水、又は一種類の水溶性高分子と無機塩と水から形成される。ここで、二種類の水溶性高分子の組み合せとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリビニルピロリドンエチルヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルデキストラン、フィコール等から選ばれる水溶性高分子と、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルデキストラン、デキストラン、フィコール、メチルセルロース等から選ばれる水溶性高分子との異なるものの組み合せ;デキストラン硫酸Na、カルボキシメチルデキストランNa、カルボキシメチルセルロースNa、DEAEデキストランHCl等から選ばれる水溶性高分子と、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルデキストラン、デキストラン等から選ばれる水溶性高分子との異なるものの組み合せ;デキストラン硫酸NaとカルボキシメチルデキストランNaとの組み合せ;ポリプロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストラン、デキストランNa等から選ばれる水溶性高分子と、リン酸カリウム硫酸ナトリウム等の無機塩、グルコースグリセロールブチルセロソルブプロパノール等のアルコール類との組み合せが挙げられる。このうち、水溶性高分子と無機塩との組み合せがより好ましい。

0008

これらの成分による水性二相系の形成は、二種類の水溶性高分子と水、又は水溶性高分子と無機塩と水とを混合すればよい。これらの成分の混合割合は、二相系が形成される割合を適宜選択すればよい。

0009

本発明の金属イオンの分離法は、二種以上の金属イオンから所望の金属イオンを分離するものであり、より具体的には(A)二種以上の金属イオンを含有する水溶液から所望の金属イオンを分離抽出するものである。ここで、分離対象である金属イオンとしては、特に限定されないが、2価以上の金属イオンが含まれている場合が好ましい。具体的には、Mn、Zn、Cd、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、Al、Hg、Pb、Pd等の金属のイオンが挙げられる。

0010

本発明に用いられる(B)ハロゲン化物イオンとしては、Cl-、Br-、I-などが挙げられる。これらのイオンは、例えばアルカリ金属ハロゲン化物として添加される。(B)チオシアン酸イオン(SCN-)としては、例えばチオシアン酸K等として添加される。これらの(B)ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオンの濃度は特に制限されない。

0011

本発明に用いられる(C)錯形成剤としては、有機酸イオン及び無機酸イオンのいずれでもよく、通常キレート剤として作用するものはすべて用いることができ、例えば酒石酸グルコン酸クエン酸などのオキシカルボン酸EDTAなどのポリアミノカルボン酸縮合リン酸チオ硫酸塩などを例示できる。(C)錯形成剤の濃度は特に制限されない。

0012

当該錯形成剤は、金属イオンのマスキング剤として作用するばかりでなく、前記ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオンとの協同効果により、ある金属イオンの抽出を高める一方で、他の金属イオンの抽出を抑制する。従って、分離すべき金属イオンの抽出に適した錯形成剤を選択すればよい。

0013

本発明の分離法は、例えば上記の水性二相系に、(A)二種以上の金属イオンを含む水溶液、(B)ハロゲン化物イオン又はチオシアン酸イオン、及び(C)錯形成剤を添加し、水性二相系を形成させれば、所望の金属イオンを水性二相系の一方に抽出することができる。従って、分離された金属イオンは当該一方の水相から採取すればよい。また残りの水相には、他の金属イオンが抽出されるので、必要に応じて錯形成剤を変更して再度本発明の分離法を行えば、残りの水相からさらに所望の金属イオンのみを分離できる。

0014

次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。

0015

実施例1
(1)50%(w/w)PEG4000(平均分子量3000)水溶液と20%(w/w)硫酸ナトリウム水溶液を1:2(重量比)の割合で混合して二相系を形成した。これに試料金属イオン(Mn(II)、Zn(II)、Cd(II)、Fe(III)、Ni(II)、Co(II)、Cu(II)、Li(I))、チオシアン酸イオン及びpH調整した数種の無機又は有機錯形成剤(チオ硫酸ナトリウム酒石酸ナトリウムグリコン酸ナトリウム、クエン酸)の溶液を一定量添加した。この溶液を恒温槽で25℃に保ち、振とう遠心分離を行った後、上相下相ともに2g採取し、水で希釈して25mLにした。ついで、原子吸光法によりそれぞれの溶液中の金属イオン濃度を測定した。

0016

(2)チオシアン酸イオンは多くの金属イオンと中性又は陰イオン錯体を形成し、図1に示したようにPEGに富む相に抽出する能力をもつが、これだけでは、選択性に乏しく、特定のイオンの完全分離は難しい。しかし、これに錯形成剤を添加したところ、いくつかの金属イオンの抽出挙動が大きく変化した。

0017

(3)50%(w/w)PEG4000水溶液3.0g、20%(w/w)硫酸ナトリウム水溶液6.0gを混合して二相系を形成し、これにチオシアン酸イオンを2mmol及び錯形成剤を0.5mmol加えて実験を行ったところ、表1に示した結果が得られた。ここで分配係数は下相(Na2SO4相)中の金属イオン濃度に対する上相(PEG相)中の金属イオン濃度の比で与えられる。表1からわかるようにチオ硫酸イオンはCd(II)、Fe(III)、Cu(II)を、酒石酸イオン、グルコン酸イオン及びクエン酸イオンはFe(III)の分配係数を大きく低下させた。特にCd(II)とCu(II)に対してのチオ硫酸イオン、及びFe(III)に対してのグルコン酸イオンの効果は大きく、それぞれマスキング剤として作用していることがわかった。

0018

(4)一方、表1から、添加した四種の錯形成剤いずれもがZn(II)とCo(II)の分配係数を増大させるという興味深い結果が得られた。特にZn(II)の分配係数はチオ硫酸イオンとクエン酸イオンでは10倍以上に上昇した。添加した錯形成剤単独では、いずれも全く抽出されないことから、これは一種の協同効果によるものと考えられる。

0019

発明の効果

0020

本発明によれば、水性二相抽出法により複数の金属イオンから所望の金属イオンを選択的に分離抽出できる。

図面の簡単な説明

0021

図1錯形成剤未添加時のチオシアン酸イオン添加量と金属イオンのポリエチレングリコール相への抽出率の関係を示す図である。

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