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技術 ガラス・ディスクからの信号の感度を高めるコーティング

出願人 ケーエルエー・テンコール・コーポレーション
発明者 ルイ-ファン・シカルロス・エイ・ドゥラン
出願日 2002年8月22日 (17年10ヶ月経過) 出願番号 2002-241895
公開日 2003年5月23日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2003-151111
状態 拒絶査定
技術分野 磁気ヘッドの保護、清掃、試験、消磁 ヘッド支持(含.加圧,調整等)
主要キーワード ダイヤモンド様炭素コーティング トライボロジ特性 コーティング材料層 極小位置 強度ベース 光学基準 較正アルゴリズム プロフィルメータ
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図面 (11)

課題

光学テスタディスクを提供するための方法を提供すること。

解決手段

このディスクは、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板を備える。このディスクはさらに、透明基板の第1の面にコーティングを含む。透明基板の第2の面にも全く同じコーティングを適用することができる。コーティングは複数の薄膜層を有することができる。本発明は、ゼロ浮上高測定感度を高めるのに必要なコーティング厚を決定する方法を提供する。

概要

背景

ハードディスクドライブは、回転している磁気ディスク磁化感知するいくつかの磁気記録ヘッドを含む。記録ヘッドは、ヘッドと回転しているディスクとの間にエア・ベアリングを生み出す空気力学的特徴を有するスライダに組み込まれている。エア・ベアリングは、記録ヘッドの接触および対応する機械的摩耗を防ぐ。スライダは、フレクシャアームに組み付けられてヘッド・ジンバルアセンブリ(HGA)を構成する。

スライダは一般に、浮上高テスタ試験した後に、ハード・ディスク・ドライブ・アセンブリに取り付けられる。浮上高テスタは、スライダが製造仕様準拠していることを保証するためにエア・ベアリングの高さを測定する装置である。浮上高テスタは一般に、回転している透明なディスクに隣接した位置にそれぞれのスライダを配置するローダを含む。光ビームガラス・ディスクを通して導かれ、スライダの表面で反射する。ガラス/空気界面およびスライダ/空気界面で多重反射が起こり干渉パターンが生み出される。このパターンをテスタによって検出、解析してスライダの浮上高を決定する。現在の業界標準は、現在は本出願の譲受人であるKLA−Tencor社の一部となっているPhase Metrics社のDynamic Flying Height Tester(DFHT)である。DFHTは、複数の波長強度に基づく干渉計法(interferometry)を利用して浮上高を決定する。

DFHTの測定感度はスライダの浮上高に依存する。スライダの浮上高は、磁気ヘッドとディスクの間の結合を増強するためにますます低くなっている。スライダのエア・ベアリング面材料が屈折率虚数部分(k)を持たない場合、理論的には、ゼロ浮上高でのDFHTの感度はゼロである。可視領域でkがゼロである材料にはBK7ガラス、Al2O3などがある。幸いなことに、一般的なエア・ベアリング面材料は、Al2O3とTiCから作られた粒状材料AlTiCである。AlTiCのk値は、ゼロ感度浮上高が約−10nmにシフトし、DFHTによる低い正の浮上高の測定が可能になる値である。

スライダはますます、ディスクと接触して、またはディスクとほぼ接触して動作するように設計されるようになっている。接触によって、浮上高試験の間にスライダまたはディスクの望ましくない摩耗が生じる可能性がある。浮上高が低くなるにつれて、ディスク表面の平滑度など、スライダ−ディスク界面のトライボロジ(tribology:摩擦工学)についての懸念が増大している。1つの可能な解決策は、ダイヤモンド様炭素(DLC)の薄いコーティング層をディスクに適用するものである。しかしこれには、(スライダ表面の屈折率のため)強度極小の位置が負の浮上高から正の浮上高にシフトするという欠点がある。その結果、低浮上高での浮上高テスタの測定感度が大幅に低下する。さらに、磁気変換器が位置するAl2O3キャップについて浮上高を測定することが望ましいこともある。現在のDFHTの感度では、Al2O3についてごく低い浮上高で浮上高を測定することはできない。さらに、磁気ヘッド・メーカはエア・ベアリング面材料を変更しており、そのうちのいくつかは、接触に近い浮上高での測定が不可能な非常に低いk値を有する。

強度ベースの干渉計であるDFHTに取って代わろうとする試みがいくつかおこなわれた。Zygo社によってある浮上高テスタが売り出された。この技術は、DeGrootに発行された米国特許第5557399号に記載されている。このZygo社のテスタは偏光コヒレント光ビームを利用し、これを、ディスクおよびスライダから斜めに反射させる。理論的にはこの技術はゼロ浮上高で高い感度を有するはずである。しかし実際には多くの根本的な限界に直面した。最も困難なのは、ディスクの遠心力による、高速で回転しているガラス・ディスクでの複屈折である。複屈折は、戻ってきた光ビームの偏りを回転させ、浮上高の正確な測定を極めて困難なものにする。さらに、複屈折の効果は、垂直入射から離れた斜角で顕著であり、回転しているガラス・ディスクの角速度の2乗に比例する。

さらに、本出願の譲受人であるかつてのPhase Metrics社、現在のKLA−Tencor社によって浮上高テスタが開発された。このテスタは、Duran他の名義の米国特許第6184992号に開示されている。このDuran特許では、サバール板などの複屈折要素を使用して、スライダ/ディスク界面から反射した光を常ビームと異常ビームに分割し、それによってスライダ/ディスク界面の2重像を生み出す。この技術は移相干渉計法に基づき、原理上、ゼロ浮上高で非常に良好な感度を有する。しかし、この技術は実際には、AlTiCの粒状の表面に関して夫ではなく、機器振動や垂直入射の場合にさえガラスの複屈折に悩まされる。

DFHTなどの強度ベースの干渉計で、BK7ガラスの屈折率よりも小さい屈折率を有する材料でガラス・ディスクをコーティングすると、負の強度極小位置が負の方向へさらにシフトすることは、当業者なら容易に理解しよう。MgF2はこのような材料の例である。しかしこれらの材料は、スライダを浮上させるための厳しいトライボロジ上の要件を満たさない。厳しいトライボロジ上の要件を満たすコーティング材料は通常、BK7ガラスの屈折率よりも大きな屈折率を有する。これらの薄いコーティング材料層は、強度極小位置を正の方向へシフトさせ、したがってごく低い浮上高での測定感度を低下させる。

概要

光学テスタのディスクを提供するための方法を提供すること。

このディスクは、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板を備える。このディスクはさらに、透明基板の第1の面にコーティングを含む。透明基板の第2の面にも全く同じコーティングを適用することができる。コーティングは複数の薄膜層を有することができる。本発明は、ゼロ浮上高測定の感度を高めるのに必要なコーティング厚を決定する方法を提供する。

目的

効果

実績

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請求項1

光学テスタディスクであって、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板と、前記透明基板の前記第1の面上のコーティングとを備え、前記コーティングの厚さが前記コーティングの屈折率に実質的に反比例したディスク。

請求項2

前記コーティングの前記厚さがさらに、前記テスタで使用される光の波長に実質的に比例した請求項1に記載のディスク。

請求項3

前記コーティングが透明である請求項1に記載のディスク。

請求項4

前記透明コーティングの硬さが前記透明基板の硬さよりも大きい請求項3に記載のディスク。

請求項5

前記透明基板がガラス材料であり、前記透明コーティングがダイヤモンド様炭素材料である請求項3に記載のディスク。

請求項6

前記ダイヤモンド様炭素材料が水素化されている請求項5に記載のディスク。

請求項7

前記ダイヤモンド様炭素材料が窒素化されている請求項5に記載のディスク。

請求項8

ハード・ディスク・ドライブ記録ヘッド用の浮上高テスタであって、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板と、前記透明基板の前記第1の面上のコーティングとを備え、前記コーティングが記録ヘッドに隣接し、前記コーティングの厚さが前記コーティングの屈折率に実質的に反比例し、さらに、前記透明基板および前記コーティングを通して記録ヘッド上へ光ビームを導く光源を備え、光ビームが記録ヘッドから反射され、さらに、反射された光ビームを検出する光検出器を備えたテスタ。

請求項9

前記コーティングの前記厚さがさらに、前記光の波長に実質的に比例した請求項10に記載のテスタ。

請求項10

前記コーティングが透明である請求項8に記載のテスタ。

請求項11

前記透明コーティングの硬さが前記透明基板の硬さよりも大きい請求項10に記載のテスタ。

請求項12

前記透明基板がガラス材料であり、前記透明コーティングがダイヤモンド様炭素材料である請求項10に記載のテスタ。

請求項13

前記ダイヤモンド様炭素材料が水素化されている請求項12に記載のテスタ。

請求項14

前記ダイヤモンド様炭素材料が窒素化されている請求項12に記載のテスタ。

請求項15

光学テスタ用のディスクを作成する方法であって、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板を用意する段階と、前記透明基板の前記第1の面に層を付着させる段階を含み、前記層の厚さを前記層の屈折率に実質的に反比例させる方法。

請求項16

前記層の前記厚さがさらに、前記テスタで使用される光の波長に実質的に比例した請求項15に記載の方法。

請求項17

前記層が透明である請求項15に記載の方法。

請求項18

前記透明層の硬さが前記透明基板の硬さよりも大きい請求項15に記載の方法。

請求項19

前記透明基板がガラス材料であり、前記透明層がダイヤモンド様炭素材料である請求項18に記載の方法。

請求項20

前記ダイヤモンド様炭素材料が水素化されている請求項19に記載の方法。

請求項21

前記ダイヤモンド様炭素材料が窒素化されている請求項20に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ハードディスクドライブのディスクと記録ヘッドの間のエア・ベアリングの高さを測定する浮上高テスタで使用する被覆透明基板に関する。

背景技術

0002

ハード・ディスク・ドライブは、回転している磁気ディスク磁化感知するいくつかの磁気記録ヘッドを含む。記録ヘッドは、ヘッドと回転しているディスクとの間にエア・ベアリングを生み出す空気力学的特徴を有するスライダに組み込まれている。エア・ベアリングは、記録ヘッドの接触および対応する機械的摩耗を防ぐ。スライダは、フレクシャアームに組み付けられてヘッド・ジンバルアセンブリ(HGA)を構成する。

0003

スライダは一般に、浮上高テスタで試験した後に、ハード・ディスク・ドライブ・アセンブリに取り付けられる。浮上高テスタは、スライダが製造仕様準拠していることを保証するためにエア・ベアリングの高さを測定する装置である。浮上高テスタは一般に、回転している透明なディスクに隣接した位置にそれぞれのスライダを配置するローダを含む。光ビームガラス・ディスクを通して導かれ、スライダの表面で反射する。ガラス/空気界面およびスライダ/空気界面で多重反射が起こり干渉パターンが生み出される。このパターンをテスタによって検出、解析してスライダの浮上高を決定する。現在の業界標準は、現在は本出願の譲受人であるKLA−Tencor社の一部となっているPhase Metrics社のDynamic Flying Height Tester(DFHT)である。DFHTは、複数の波長強度に基づく干渉計法(interferometry)を利用して浮上高を決定する。

0004

DFHTの測定感度はスライダの浮上高に依存する。スライダの浮上高は、磁気ヘッドとディスクの間の結合を増強するためにますます低くなっている。スライダのエア・ベアリング面材料が屈折率虚数部分(k)を持たない場合、理論的には、ゼロ浮上高でのDFHTの感度はゼロである。可視領域でkがゼロである材料にはBK7ガラス、Al2O3などがある。幸いなことに、一般的なエア・ベアリング面材料は、Al2O3とTiCから作られた粒状材料AlTiCである。AlTiCのk値は、ゼロ感度浮上高が約−10nmにシフトし、DFHTによる低い正の浮上高の測定が可能になる値である。

0005

スライダはますます、ディスクと接触して、またはディスクとほぼ接触して動作するように設計されるようになっている。接触によって、浮上高試験の間にスライダまたはディスクの望ましくない摩耗が生じる可能性がある。浮上高が低くなるにつれて、ディスク表面の平滑度など、スライダ−ディスク界面のトライボロジ(tribology:摩擦工学)についての懸念が増大している。1つの可能な解決策は、ダイヤモンド様炭素(DLC)の薄いコーティング層をディスクに適用するものである。しかしこれには、(スライダ表面の屈折率のため)強度極小の位置が負の浮上高から正の浮上高にシフトするという欠点がある。その結果、低浮上高での浮上高テスタの測定感度が大幅に低下する。さらに、磁気変換器が位置するAl2O3キャップについて浮上高を測定することが望ましいこともある。現在のDFHTの感度では、Al2O3についてごく低い浮上高で浮上高を測定することはできない。さらに、磁気ヘッド・メーカはエア・ベアリング面材料を変更しており、そのうちのいくつかは、接触に近い浮上高での測定が不可能な非常に低いk値を有する。

0006

強度ベースの干渉計であるDFHTに取って代わろうとする試みがいくつかおこなわれた。Zygo社によってある浮上高テスタが売り出された。この技術は、DeGrootに発行された米国特許第5557399号に記載されている。このZygo社のテスタは偏光コヒレント光ビームを利用し、これを、ディスクおよびスライダから斜めに反射させる。理論的にはこの技術はゼロ浮上高で高い感度を有するはずである。しかし実際には多くの根本的な限界に直面した。最も困難なのは、ディスクの遠心力による、高速で回転しているガラス・ディスクでの複屈折である。複屈折は、戻ってきた光ビームの偏りを回転させ、浮上高の正確な測定を極めて困難なものにする。さらに、複屈折の効果は、垂直入射から離れた斜角で顕著であり、回転しているガラス・ディスクの角速度の2乗に比例する。

0007

さらに、本出願の譲受人であるかつてのPhase Metrics社、現在のKLA−Tencor社によって浮上高テスタが開発された。このテスタは、Duran他の名義の米国特許第6184992号に開示されている。このDuran特許では、サバール板などの複屈折要素を使用して、スライダ/ディスク界面から反射した光を常ビームと異常ビームに分割し、それによってスライダ/ディスク界面の2重像を生み出す。この技術は移相干渉計法に基づき、原理上、ゼロ浮上高で非常に良好な感度を有する。しかし、この技術は実際には、AlTiCの粒状の表面に関して夫ではなく、機器振動や垂直入射の場合にさえガラスの複屈折に悩まされる。

0008

DFHTなどの強度ベースの干渉計で、BK7ガラスの屈折率よりも小さい屈折率を有する材料でガラス・ディスクをコーティングすると、負の強度極小位置が負の方向へさらにシフトすることは、当業者なら容易に理解しよう。MgF2はこのような材料の例である。しかしこれらの材料は、スライダを浮上させるための厳しいトライボロジ上の要件を満たさない。厳しいトライボロジ上の要件を満たすコーティング材料は通常、BK7ガラスの屈折率よりも大きな屈折率を有する。これらの薄いコーティング材料層は、強度極小位置を正の方向へシフトさせ、したがってごく低い浮上高での測定感度を低下させる。

発明が解決しようとする課題

0009

長年の間にDFHT技術は大きく進歩した。その例としては、0.01マイクロインチゲージ能力画像ベースの自動エッジ検出インテリジェント較正アルゴリズムなどがある。したがって透明ディスク技術を提供し、それによってこの成熟したDFHT技術を、任意のスライダ・エア・ベアリング面についてゼロ浮上高を正確に測定することができるものに拡張することが望ましい。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、光学テスタのディスクを提供するための方法である。このディスクは、第1の面および反対側の第2の面を有する透明基板を備える。このディスクはさらに、透明基板の第1の面にコーティングを含む。透明基板の第2の面にも全く同じコーティングを適用することができる。コーティングは複数の薄膜層を有することができる。コーティング材料は、BK7ガラスよりも高い屈折率を有することができる。本発明は、ゼロ浮上高測定の感度を高めるのに必要なコーティング厚を決定する方法を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0011

ガラス・ディスク上のコーティングは、ガラス表面のトライボロジ特性、およびガラスと第2の面である反射面との間のギャップによって生み出される干渉計信号を改善する方法を提供する。特定の応用には、高速で回転しているガラス・ディスク上のディスク・ドライブ・スライダの浮上高の測定、およびガラス基準平面から小さいギャップ距離のところに配置されたスライダを使用した磁極端凹部の測定が含まれる。

0012

ガラス・ディスク上にコーティングまたは層を付着させる。一実施形態ではこのようなコーティングの最小厚さtがλ/4ncである。ただしλは光の波長、ncはコーティング材料の屈折率である。このような付着は、電子ビーム・プロセス、スパッタリングおよび化学蒸着技法、またはコーティングを適用する他のプロセスを使用して実施することができる。一実施形態では、コーティングがダイヤモンド様炭素(DLC)材料である。あるいはこのコーティングを、水素化または窒素化されたDLC材料、あるいはこれらの任意の組合せとすることができる。光の波長λおよびコーティング材料の屈折率ncは既知なので、コーティングの最小厚さtを求めることができる。さらに、コーティングの特性ncが既知なので、以下のセクションで詳細に論じるように、最適な厚さtopを実験的に決定することができる。

0013

動作理論
図1に、ガラス・ディスク上のダイヤモンド様炭素コーティングの厚さを5nmとした場合の、浮上高テスタで使用される3つの波長のさまざまな浮上高における強度曲線の一例を示す。このような浮上高テスタの一例が、Phase Metrics社(現在はKLA−Tencor社の一部となっている)によって売り出されたDFHTである。緑、赤、青の3色について、強度が極小に達する浮上高はそれぞれ15nm、17nmおよび15nmである。このことは、15nm付近の正確な浮上高測定が不可能であることを指示している。

0014

本発明では、コーティングの厚さ(コーティング厚)を、強度極小が負の浮上高値の方へシフトするしきい値よりも厚くする。屈折率の吸収部分(k)がない場合のコーティング厚のしきい値は、t1=λ/(4nc)によって決定されることが分かっている。上式でλは光の波長、ncはコーティング材料の屈折率である。

0015

図2に、ダイヤモンド様炭素コーティングの厚さを50nmとした場合の、さまざまな浮上高における強度曲線の一例を示す。青、緑、赤の3色について、強度が極小に達する浮上高はそれぞれ−26nm、−20nmおよび−11nmである。この負の浮上高方向への強度極小のシフトによって、低浮上高での感度はかなり増大する。

0016

図3に、コーティング厚に対する3つの波長の強度極小位置の一例を示す。ゼロ・コーティング厚での強度極小位置が負の値であるのは、スライダのk値がゼロでないためである。コーティングを厚くしていくと、最初に極小位置が急に増大して正の値をとり、次いで徐々に低下して負の値をとる。曲線の実際のふるまいはコーティングの屈折率によって決まる。詳しい図式的な説明を、図4Aおよび4Bならびに図5Aおよび5Bに示す。

0017

本発明の技法の追加の利点は、図3に示すようにゼロ・コーティング厚付近の曲線の傾きに比べてしきい値厚λ/(4nc)付近の傾きが小さいことである。このことは、コーティング厚の誤差由来する浮上高決定の誤差が、傾きの低減に比例して低減することを指示している。

0018

図4Aおよび4Bに、コーティングがない場合の2つの電界ベクトルR1およびR2の一例を示す。R1はガラス−空気界面からの反射、R2は、スライダの表面から反射された光の空気−ガラス界面を通した透過である。R1とR2の間の位相角は、Π−φsによって決定される。ただし、

0019

したがってR2がR1を打ち消すためには、R2が時計回りに回転しなければならない(負の浮上高)。この負の値は、低い浮上高を正確に測定する能力を助長する。一実施形態では、スライダ材料がかなりの光吸収を有していなければならない。スライダ材料の光損失がゼロの場合、光強度はゼロ浮上高で極小に達し、その結果、ゼロ浮上高で測定感度がゼロになる。

0020

図5Aおよび5Bに、ガラス上に薄いコーティングがあり、コーティングの屈折率がガラスのそれよりも大きいときの電界ベクトルの一実施形態を示す。コーティング厚を固定したとき、浮上高を増大させるとR1およびR2は変わらないが、R3は逆時計回りに回転する。R3がR1+R2を打ち消すためには、R3が逆時計回りに回転しければならない。このことは、強度が極小に達したとき、対応する浮上高は小さい正の値をとることを指示している。ゼロ浮上高または低浮上高の測定感度は最も低くなる。

0021

図6に、コーティング厚がλ/(4nc)であるときの電界ベクトルの一実施形態を示す。このときR2とR1は同じ方向に整列する。R3がR1+R2を打ち消すためには、R3が時計回りに回転しなければならず、このことは、強度が極小となる浮上高が負であることを指示している。

0022

図7に、コーティングの屈折率がガラスのそれよりも小さいときの電界ベクトルの一実施形態を示す。コーティングが薄い場合、強度が極小となる浮上高は負であることに気づく。しかし、このようなコーティング材料は見つけるのが難しく、通常は、ガラス−スライダ界面の厳しいトライボロジ要件を満たすことができない。

0023

ガラス・ディスク上にコーティング材料がある場合には、測定強度から浮上高を計算するのに使用する式を修正しなければならない。コーティングがなく、スライダのエア・ベアリング面での光散乱効果および偏光解消効果を無視する場合、測定される光強度は下式のようになることがよく知られている。

0024

移相要件を満たすことができるコーティング材料の候補は他にもある。これには二酸化チタンおよび窒化けい素が含まれる。例として図8に、スライダが非吸収性である場合(ks=0)の、強度が極小となる浮上高の一例を、二酸化チタンのコーティング厚の関数として示す。この図から、青の極小に対応する80nmで最適コーティング厚が達成できるように思われる。これは、コーティングがある場合に浮上高を正確に測定するためには、コーティング厚が均一でなければならないという考慮に基づく。図8の青色(波長λ=450nm)に対応する曲線の極小位置は、浮上高に対するコーティング厚変動の影響が最小化されることを指示している。接着目的の追加の下層およびトライボロジ目的の追加の上層を追加することができる。

0025

インプリメンテーション
図9に、浮上高テスタ10の一実施形態を示す。浮上高テスタ10は一般に、記録ヘッドのスライダ14と回転している透明ディスク16との間に生み出されるエア・ベアリング12の高さを測定する目的に使用される。スライダ14は一般に、操作者が新しいヘッドをその上に配置することができるローダ(図示せず)に装着される。したがって浮上高テスタ10は、異なるいくつかのスライダ14を試験することができる。浮上高テスタ10を示し説明するが、本発明のディスク16を他の形状に構成することができ、また、光学基準面を利用した光学プロフィルメータなどの他の光学テスタで使用することができることを理解されたい。

0026

浮上高テスタ10で使用するときには、透明ディスク16をスピンドル(図示せず)によって回転させる。ディスク16を回転させるとスライダ14の下に空気の流れが起こる。記録ヘッド14は、スライダ14と回転しているディスク16との間のエア・ベアリング12の形成を誘導する空気力学的特徴を有する。

0027

浮上高テスタ10はさらに、ディスク16を通して光ビーム20を導く光源18を含む。スライダ14から光ビーム22hが反射され、ディスク16を透過する。またビームの一部22sが、ディスク16とエア・ベアリング12の界面から反射される。2つの反射光ビーム22hおよび22sは干渉パターンを生み出し、このパターンを光検出器24によって検出する。光検出器24は、干渉パターンからエア・ベアリング12の高さを決定することができるコンピュータ26に結合されている。

0028

図10に、ディスク16の断面の一実施形態を示す。ディスク16は、第1の面30および反対側の第2の面32を有する基板28を有する。基板28は一般に、光に対して透明なBK−7などのガラス材料から構築される。石英溶融ケイ素サファイアなど、他の光学品質材料を使用することもできる。

0029

本発明の原理によれば、ディスク16の第1の面30をコーティング34で覆うことができる。一般に、コーティング34または36の厚さはλ/(4nc)よりも大きくなければならない。ただしλは光の波長、ncはコーティングの屈折率である。一実施形態では、nc=2.39、λ=450nmに対してコーティング厚が80nmである。

0030

コーティング34または36は、水素化または窒素化されたDLC材料、あるいはこれらの任意の組合せとすることができる。硬い保護面を提供する他にコーティング34または36はさらに、低スティクション、低摩擦、耐腐食性など、他の有利なトライボロジ特性を提供することができる。さらに、窒素化DLCの窒素含有量をさまざまに変えて、摩擦帯電量、ならびにその結果生じるディスク16の表面の破片蓄積および汚染を低減することができる。摩擦帯電の低減は、MRヘッドの試験で重要な役割を演ずる。さらにDLCはまた、ディスク16に適用することもできる潤滑剤の吸着を向上させる。

0031

一実施形態では、コーティング36がコーティング34とまったく同じコーティングである。ディスクを操作者にとって使用しやすいものにするために、ガラス・ディスク基板28の第2の面32を、全く同じコーティング36で被覆することができる。その理由の1つは、コーティングを透明とすることができ、コーティングが片面にしかない場合に、どちらの面がコーティングされた面であるかを目で見て言い当てることが難しいためである。さらに、両面(表面30および32)にコーティング34および/または36があれば、一方の面が損傷した場合でもディスクを裏返せばよく、ディスクを捨てなくて済む。

0032

いくつかの例示的な実施形態を説明し添付図面に示したが、このような実施形態は幅広い発明の単なる例に過ぎず、幅広い発明を制限するものではないこと、ならびに、当業者なら他のさまざまな修正を見出すことができるので、図示し説明した特定の構造および配置に本発明が限定されないことを理解されたい。

図面の簡単な説明

0033

図1ダイヤモンド様炭素コーティングの厚さを5nmとした場合の、浮上高テスタで使用される3つの波長のさまざまな浮上高における強度曲線の一例を示す図である。
図2ダイヤモンド様炭素コーティングの厚さを50nmとした場合の、さまざまな浮上高における強度曲線の一例を示す図である。
図3コーティング厚に対する3つの波長の強度極小位置の一例を示す図である。
図4コーティングがない場合の2つの電界ベクトルR1およびR2の一例を示す図である。R1は、ガラス−空気界面からの反射であり、R2は、スライダ表面から反射した光の空気−ガラス界面を通した透過である。
図5ガラスの表面に薄いコーティングがあり、コーティングの屈折率がガラスのそれよりも大きいときの電界ベクトルの一実施形態を示す図である。
図6コーティング厚がλ/(4nc)であるときの電界ベクトルの一実施形態を示す図である。
図7コーティングの屈折率がガラスのそれよりも小さいときの電界ベクトルの一実施形態を示す図である。
図8スライダが非吸収性である(ks=0)場合の、強度が極小となる浮上高の一例を、二酸化チタンのコーティング厚の関数として示す図である。
図9浮上高テスタの一実施形態を示す図である。
図10浮上高テスタで使用されるディスクの断面の一実施形態を示す図である。

--

0034

10浮上高テスタ
12 エア・ベアリング
14記録ヘッドのスライダ
16ディスク
18光源
20光ビーム
22s反射光ビーム
22h 反射光ビーム
24光検出器
26コンピュータ
28基板
30 ディスクの第1の面
32 ディスクの第2の面
34コーティング
36 コーティング

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