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技術 円偏光制御光学素子の製造方法

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 石崎剛司
出願日 2001年11月12日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-346776
公開日 2003年5月21日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2003-149439
状態 未査定
技術分野 回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子 液晶4(光学部材との組合せ) 液晶4(光学部材との組合せ) 液晶1(応用、原理) 偏光要素
主要キーワード 適性範囲内 長ピッチ 選択波長帯域 PI膜 投影軸 組成材料 適性範囲 短ピッチ
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課題

本発明は、適性範囲内での広帯域化が容易であり、反射波長領域を広帯域化した後も、光学特性の低下が少ない円偏光制御光学素子の製造方法を提供することを主目的とするものである

解決手段

上記目的を達成するために、本発明は、配向処理が施された基板を準備し、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型液晶層を形成する液晶層形成工程と、上記液晶層に所定の強度の活性放射線を照射し、半硬化状態コレステリック層を形成する半硬化コレステリック層形成工程と、上記半硬化コレステリック層の基板側から表面方向に向かい、硬化速度勾配を有した状態で硬化を行い、選択反射波長帯域を広帯域化する広帯域化工程と、上記広帯域化工程後の半硬化コレステリック層に活性放射線を照射し、硬化させ硬化コレステリック層を形成する硬化コレステリック層形成工程とを有することを特徴とする円偏光制御光学素子の製造方法を提供する。

概要

背景

コレステリック規則性を有するコレステリック層からなる光学素子は、液晶表示装置用円偏光制御光学素子円偏光板カラーフィルター等)として広く用いられている。

このような光学素子においては、可視光の全てを反射する円偏光板や、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)に対応する選択反射波長帯域画素単位で有する反射型カラーフィルターや、光利用効率を向上させるための透過型および半透過型液晶表示装置用の光学素子等を得るため、コレステリック層の選択反射波長帯域を各色の波長帯域に合わせて変化させる必要がある。このため、コレステリック層の選択反射波長帯域を精度良くかつ容易に制御する方法が望まれている。

このようなコレステリック層の選択反射波長帯域を広帯域化する方法としては、従来、異なる中心反射波長を有するコレステリック層を複数積層する方法(特開平10−319235号公報)があった。しかし、この方法にもいくつかの問題点が存在する。まず、選択反射波長帯域は加算的に広がるのみなので、連続的な螺旋ピッチの変化が得られないため、広範囲に及ぶ広帯域化にはより多くの層を積層させる必要があり、効率的でない。さらに、各層の屈折率違うため、層ごとの界面において生じる光の反射損失複数層を積層させることによる薄層化の限界等がある。また、フルカラー化を実現させるためには、非常に多くの工程を要するため、製造効率およびコスト的にも多くの問題がある。

さらに別の方法として、連続的に螺旋ピッチを変化させる材料を用いることによる、広帯域化の方法がある。これは単層で広帯域化が可能であり、上述の複数層による問題点を解決することができるが、非架橋性の材料を用いることによる問題や、フルカラー化を実現するパターニングが不可能であるといった問題点がある。

概要

本発明は、適性範囲内での広帯域化が容易であり、反射波長領域を広帯域化した後も、光学特性の低下が少ない円偏光制御光学素子の製造方法を提供することを主目的とするものである

上記目的を達成するために、本発明は、配向処理が施された基板を準備し、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型液晶層を形成する液晶層形成工程と、上記液晶層に所定の強度の活性放射線を照射し、半硬化状態のコレステリック層を形成する半硬化コレステリック層形成工程と、上記半硬化コレステリック層の基板側から表面方向に向かい、硬化速度勾配を有した状態で硬化を行い、選択反射波長帯域を広帯域化する広帯域化工程と、上記広帯域化工程後の半硬化コレステリック層に活性放射線を照射し、硬化させ硬化コレステリック層を形成する硬化コレステリック層形成工程とを有することを特徴とする円偏光制御光学素子の製造方法を提供する。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、適性範囲内での広帯域化が容易であり、反射波長領域を広帯域化した後も、光学特性の低下が少ない円偏光制御光学素子の製造方法を提供することを主目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

配向処理が施された基板を準備し、前記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型液晶層を形成する液晶層形成工程と、前記液晶層に所定の強度の活性放射線を照射し、半硬化状態コレステリック層を形成する半硬化コレステリック層形成工程と、前記半硬化コレステリック層の基板側から表面方向に向かい、硬化速度勾配を有した状態で硬化を行い、選択反射波長帯域広帯域化する広帯域化工程と、前記広帯域化工程後の半硬化コレステリック層に活性放射線を照射し、硬化させ硬化コレステリック層を形成する硬化コレステリック層形成工程と、を有することを特徴とする円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項2

前記半硬化工程における半硬化状態が、前記重合性カイラル剤および重合性液晶材料が有する全官能基中、10モル%〜80モル%の範囲内の官能基が重合した状態であることを特徴とする請求項1に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項3

前記配向処理が施された基板は、少なくとも表面に配向能を有する基板からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項4

前記配向処理が施された基板は、少なくとも基板と、前記基板上に設けられた配向能を有する配向膜とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項5

前記半硬化コレステリック層形成工程が、前記配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、活性放射線を所定の強度でパターン照射する工程と、パターン照射後の前記液晶層を現像する工程と、を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項6

前記半硬化コレステリック層形成工程が、前記配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、異なる強度の活性放射線をパターン照射することにより、硬化度の違いによるパターンを液晶層に形成する工程と、前記硬化度の違いによるパターンが形成された液晶層を、液晶層の未硬化成分である重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を選択的に溶出させる溶媒に接触させ、パターン照射した領域ごとに異なる選択反射色を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項7

前記半硬化コレステリック層は、酸素依存性重合開始剤を有し、かつ前記広帯域化工程が、硬化を阻害する機能を持つ酸素雰囲気下中に、半硬化コレステリック層のいずれか一方の面を暴露し、硬化コレステリック層形成工程における活性放射線の照射強度よりも低い照射強度の活性放射線を照射する、酸素による広帯域化工程であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項8

前記活性放射線は紫外線であり、かつ前記重合開始剤が光重合開始剤であることを特徴とする請求項7に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項9

前記酸素雰囲気下中の酸素濃度は、10%以上であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項10

前記酸素濃度が10%以上の雰囲気空気雰囲気であることを特徴とする請求項9に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項11

前記広帯域化工程が、微弱活性放射線を半硬化コレステリック層の一方から照射する微弱活性放射線による広帯域化工程であって、この微弱活性放射線の照射強度は、硬化コレステリック層形成工程における活性放射線の照射強度の0.1%〜10%であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項12

前記活性放射線は紫外線であり、かつ前記半硬化コレステリック層は、光重合開始剤を有することを特徴とする請求項11に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項13

前記微弱活性放射線による広帯域化工程は、無酸素雰囲気下で行われることを特徴とする請求項12に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項14

前記微弱活性放射線による広帯域化工程が、微弱活性放射線を照射する半硬化コレステリック層の表面とは逆の表面を酸素雰囲気下に暴露させて行われることを特徴とする請求項12に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項15

前記酸素雰囲気下での微弱活性放射線による広帯域化工程の際に使用する光重合開始剤は、前記酸素による広帯域化工程の際に使用する重合開始剤と比較し、酸素依存性が低いことを特徴とする請求項12に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項16

前記広帯域化工程が、前記配向処理を施した基板を加熱しながら行うことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項17

前記硬化コレステリック層形成工程後、さらに前記液晶層形成工程と、前記半硬化コレステリック層形成工程と、前記広帯域化工程と、前記硬化コレステリック層形成工程とを繰り返すことにより、2層以上の硬化コレステリック層が積層された円偏光制御光学素子の製造方法であって、前記2回目以降の液晶層形成工程が、既に形成された硬化コレステリック層上に配向膜を形成し、前記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型の液晶層を形成する液晶層形成工程であることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項18

前記硬化コレステリック層形成工程後、さらに前記液晶層形成工程と、前記半硬化コレステリック層形成工程と、前記広帯域化工程と、前記硬化コレステリック層形成工程とを繰り返すことにより、2層以上の硬化コレステリック層が積層された円偏光制御光学素子の製造方法であって、前記2回目以降の液晶層形成工程が、既に形成された硬化コレステリック層上に、前記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型の液晶層を直接形成する液晶層形成工程であることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

請求項19

前記広帯域化された硬化コレステリック層が複数種類あり、かつ複数種類の選択反射色を有することを特徴とする請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載の円偏光制御光学素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、無偏光から右旋又は左旋円偏光を抽出するための円偏光制御光学素子の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

コレステリック規則性を有するコレステリック層からなる光学素子は、液晶表示装置用の円偏光制御光学素子(円偏光板カラーフィルター等)として広く用いられている。

0003

このような光学素子においては、可視光の全てを反射する円偏光板や、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)に対応する選択反射波長帯域画素単位で有する反射型カラーフィルターや、光利用効率を向上させるための透過型および半透過型液晶表示装置用の光学素子等を得るため、コレステリック層の選択反射波長帯域を各色の波長帯域に合わせて変化させる必要がある。このため、コレステリック層の選択反射波長帯域を精度良くかつ容易に制御する方法が望まれている。

0004

このようなコレステリック層の選択反射波長帯域を広帯域化する方法としては、従来、異なる中心反射波長を有するコレステリック層を複数積層する方法(特開平10−319235号公報)があった。しかし、この方法にもいくつかの問題点が存在する。まず、選択反射波長帯域は加算的に広がるのみなので、連続的な螺旋ピッチの変化が得られないため、広範囲に及ぶ広帯域化にはより多くの層を積層させる必要があり、効率的でない。さらに、各層の屈折率違うため、層ごとの界面において生じる光の反射損失複数層を積層させることによる薄層化の限界等がある。また、フルカラー化を実現させるためには、非常に多くの工程を要するため、製造効率およびコスト的にも多くの問題がある。

0005

さらに別の方法として、連続的に螺旋ピッチを変化させる材料を用いることによる、広帯域化の方法がある。これは単層で広帯域化が可能であり、上述の複数層による問題点を解決することができるが、非架橋性の材料を用いることによる問題や、フルカラー化を実現するパターニングが不可能であるといった問題点がある。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、適性範囲内での広帯域化が容易であり、反射波長領域を広帯域化した後も、光学特性の低下が少ない円偏光制御光学素子の製造方法を提供することを主目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、配向処理が施された基板を準備し、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型液晶層を形成する液晶層形成工程と、上記液晶層に所定の強度の活性放射線を照射し、半硬化状態のコレステリック層を形成する半硬化コレステリック層形成工程と、上記半硬化コレステリック層の基板側から表面方向に向かい、硬化速度勾配を有した状態で硬化を行い、選択反射波長帯域を広帯域化する広帯域化工程と、上記広帯域化工程後の半硬化コレステリック層に活性放射線を照射し、硬化させ硬化コレステリック層を形成する硬化コレステリック層形成工程とを有することを特徴とする円偏光制御光学素子の製造方法を提供する。

0008

本発明においては、コレステリック規則性を有する液晶層を半硬化させることにより、半硬化コレステリック層を形成し、その後に広帯域化を行うことに特徴を有するものである。従って、選択反射波長帯域の広帯域化が所望の範囲内で可能となり、過剰な広帯域化を防止することができるという利点を有す。

0009

上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記半硬化工程における半硬化状態が、上記重合性カイラル剤および重合性液晶材料が有する全官能基内の10モル%〜80モル%の範囲内の官能基が重合した状態であることが好ましい。上記範囲を超えて硬化が進むと広帯域化が困難となる可能性があり、一方、上記範囲よりも硬化が不足している場合は、その後の溶媒による処理工程において、ダメージを受ける可能性が高くなるからである。

0010

上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記配向処理が施された基板は、少なくとも表面に配向能を有する基板からなることが好ましい。基板自体が少なくとも表面に配向能を有するものであれば、他に配向能を有する層を特別に設ける必要がなく製造効率が向上するからである。また配向能を有する基板上に液晶層を形成することにより、コレステリック層の配向をより効率良く高精度に整えることが可能であるからである。

0011

上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記配向処理が施された基板は、少なくとも基板と、上記基板上に設けられた配向能を有する配向膜とからなることが好ましい。基板自体が配向能を有さない場合、他に配向能を有する層を設ける必要がある。配向能を有する配向膜を設けることにより、液晶の配向が整えられ、液晶層のコレステリック規則性を顕著に発現させることが容易に可能となるからである。

0012

上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記半硬化コレステリック層形成工程が、上記配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、活性放射線を所定の強度でパターン照射する工程と、パターン照射後の上記液晶層を現像する工程とを有することが好ましい。このようにフォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行う場合、各色ごとに半硬化コレステリック層をパターニングするため、個々に広帯域化ができ、各色の要求に沿った選択反射波長帯域の広帯域化が可能であるという利点を有する。

0013

上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記半硬化コレステリック層形成工程が、上記配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、異なる強度の活性放射線をパターン照射することにより、硬化度の違いによるパターンを液晶層に形成する工程と、上記硬化度の違いによるパターンが形成された液晶層を、液晶層の未硬化成分である重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を選択的に溶出させる溶媒に接触させ、パターン照射した領域ごとに異なる選択反射色を形成する工程とを有することが好ましい。

0014

このように、硬化度の違いによるパターンを予め半硬化コレステリック層に形成した後に、この半硬化コレステリック層を溶媒に接触させることにより、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)のパターニングが一度に可能となる。これは、接触させる溶媒が、半硬化コレステリック層の上述の未硬化成分を選択的に溶出させるため、この溶媒に接触させるのみで重合性カイラル剤および重合性液晶材料の混合比率が硬化度の違いにより変化し、そのため中心波長シフトすることにより、R,GおよびBのパターンが形成されるからである。従って、本工程のみで、半硬化コレステリック層にR、GおよびBのパターンを形成することができ、かつその後の広帯域化工程により、一度に全パターンの広帯域化が可能となる。また、フォトマスクを用いるなどにより1色若しくは2色のみの広帯域化も可能である。

0015

上記請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項7に記載するように、上記半硬化コレステリック層は、酸素依存性重合開始剤を有し、かつ上記広帯域化工程が、硬化を阻害する機能を持つ酸素雰囲気下中に、半硬化コレステリック層のいずれか一方の面を暴露し、硬化コレステリック層形成工程における活性放射線の照射強度よりも低い照射強度の活性放射線を照射する、酸素による広帯域化工程であることが好ましい。硬化速度を阻害する酸素を半硬化コレステリック層の一方の表面のみ選択的に暴露することにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側に向かい硬化速度勾配が生じる。この硬化速度の違いは、半硬化コレステリック層の基板側と表面側とで螺旋ピッチの違いにつながる。また選択反射波長帯域は、螺旋ピッチに支配される関数で表されるため、螺旋ピッチの差は、選択反射波長帯域をも変化させる。従って、半硬化コレステリック層の一方の面を酸素雰囲気下に暴露させることにより、広帯域化が可能となる。

0016

上記請求項7に記載された発明においては、請求項8に記載するように、上記活性放射線は紫外線であり、かつ上記重合開始剤が光重合開始剤であることが好ましい。紫外線を活性放射線として用い、かつ光重合開始剤を用いることにより、紫外線照射により、光重合開始剤が励起されこの励起エネルギーを利用し効率的に広帯域化工程を行うことができるからである。

0017

上記請求項7または請求項8に記載された発明においては、請求項9に記載するように上記酸素雰囲気下中の酸素濃度は、10%以上であることが好ましい。酸素濃度が10%以上であれば、十分に半硬化コレステリック層の硬化を阻害する効果が得られるからである。

0018

上記請求項9に記載された発明においては、請求項10に記載するように、上記酸素濃度が10%以上の雰囲気空気雰囲気であることが好ましい。空気雰囲気中で広帯域化工程の実施が可能であることより、設備面においてもコスト的にも有利となるからである。

0019

上記請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項11に記載するように、上記広帯域化工程が、微弱活性放射線を半硬化コレステリック層の一方から照射する、微弱活性放射線による広帯域化工程であって、この微弱活性放射線の照射強度は、硬化コレステリック層形成工程における活性放射線の照射強度の0.1%〜10%であることが好ましい。活性放射線は半硬化コレステリック層の硬化を促進する機能を持ち、この活性放射線を上記範囲内の照射強度で一方から照射することにより、硬化速度勾配を形成することができる。これにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて螺旋ピッチに違いが生じ選択反射波長帯域の広帯域化が容易に可能となるからである。

0020

上記請求項11に記載された発明においては、請求項12に記載するように、上記活性放射線は紫外線であり、かつ上記半硬化コレステリック層は、光重合開始剤を有することが好ましい。紫外線を活性放射線として用い、かつ半硬化コレステリック層を光重合開始剤を有する構造とすることにより、光重合開始剤の励起エネルギーが広帯域化工程に効果的に作用し、より効率良く広帯域化を行うことができるからである。

0021

上記請求項12に記載された発明においては、請求項13に記載するように、上記微弱活性放射線による広帯域化工程は、無酸素雰囲気下で行われることが好ましい。酸素依存性を有する光重合開始剤を用いている場合、酸素は硬化速度を阻害する作用を及ぼす。逆に活性放射線は促進する作用を及ぼすため、活性放射線を照射する面側を酸素雰囲気下に曝すことは、活性放射線による硬化速度促進効果減退させることにつながるためである。

0022

上記請求項12に記載された発明においては、請求項14に記載するように、上記微弱活性放射線による広帯域化工程が、微弱活性放射線を照射する半硬化コレステリック層の表面とは逆の表面を酸素雰囲気下に暴露させて行われることが好ましい。上述したように酸素依存性を有する光重合開始剤を用いている場合、酸素と活性放射線とは硬化速度に対し逆の作用を及ぼすものである。この性質を利用し、微弱活性放射線を照射する表面とは逆の表面を酸素雰囲気下に暴露することにより、半硬化コレステリック層の両表面を横切る方向に大幅な硬化速度勾配が生じ、螺旋ピッチの差が好適に増大することにより広帯域化を進めることができるからである。

0023

上記請求項12に記載された発明においては、請求項15に記載するように、上記酸素雰囲気下での微弱活性放射線による広帯域化工程の際に使用する光重合開始剤は、上記酸素による広帯域化工程の際に使用する重合開始剤と比較し、酸素依存性が低いことが好ましい。微弱活性放射線による広帯域化工程では、活性放射線が広帯域化を発生させる主たる要因であるため、酸素雰囲気においての微弱活性放射線による広帯域化工程を行う場合、光重合開始剤の酸素依存性が低い方が好ましいからである。

0024

上記請求項1から請求項15までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項16に記載するように、上記広帯域化工程が、上記配向処理を施した基板を加熱しながら行うことが好ましい。加熱処理により、半硬化コレステリック層の未硬化成分の流動化が生じ易くなるため、硬化速度勾配の形成に伴い、組成材料の混合比率の勾配も生じ易くなる。これにより、広帯域化を効果的に発生させることが可能であるからである。

0025

上記請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項17に記載するように、上記硬化コレステリック層形成工程後、さらに上記液晶層形成工程と、上記半硬化コレステリック層形成工程と、上記広帯域化工程と、上記硬化コレステリック層形成工程とを繰り返すことにより、2層以上の硬化コレステリック層が積層された円偏光制御光学素子の製造方法であって、上記2回目以降の液晶層形成工程が、既に形成された硬化コレステリック層上に配向膜を形成し、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型の液晶層を形成する液晶層形成工程であってもよく、また、請求項18に記載するように、上記硬化コレステリック層形成工程後、さらに上記液晶層形成工程と、上記半硬化コレステリック層形成工程と、上記広帯域化工程と、上記硬化コレステリック層形成工程とを繰り返すことにより、2層以上の硬化コレステリック層が積層された円偏光制御光学素子の製造方法であって、上記2回目以降の液晶層形成工程が、既に形成された硬化コレステリック層上に、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型の液晶層を直接形成する液晶層形成工程であってもよい。

0026

このような工程を行うことにより広帯域化されたコレステリック層を積層することが可能であり、複数色の選択反射色を有するコレステリック層が積層されてなるカラーフィルターを形成することが可能となり、また、中心反射波長を所定の範囲でずらした層を積層することにより、さらなる広帯域化を図ることができるからである。

0027

上記請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項19に記載するように、上記広帯域化された硬化コレステリック層が複数種類あり、かつ複数種類の選択反射色を有することが好ましい。フルカラーのカラーフィルタとする場合等においては、複数色の選択反射色が必要となるからである。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、本発明の円偏光制御光学素子の製造方法について詳細に説明する。本発明の円偏光制御光学素子の製造方法は、配向処理が施された基板を準備し、上記基板上に重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を有し、コレステリック規則性を示す活性放射線硬化型の液晶層を形成する液晶層形成工程と、上記液晶層に所定の強度の活性放射線を照射し、半硬化状態のコレステリック層を形成する半硬化コレステリック層形成工程と、上記半硬化コレステリック層の基板側から表面方向に向かい、硬化速度勾配を有した状態で硬化を行い、選択反射波長帯域を広帯域化する広帯域化工程と、上記広帯域化工程後の半硬化コレステリック層に活性放射線を照射し、硬化させ硬化コレステリック層を形成する硬化コレステリック層形成工程と、を有することを特徴とするものである。

0029

このように本発明の円偏光制御光学素子の製造方法は、配向能を有する基板上に形成された液晶層を一度半硬化させ半硬化コレステリック層を形成した後、広帯域化工程を行うものである。従って、本発明によれば、従来の中心波長の異なる複数の液晶層を積層させる方法に比べ、積層処理を行う際の高温熱圧着処理が不要となることから、材料に耐熱性が要求されず材料の選択範囲が広がる。また、半硬化状態のコレステリック層に対し広帯域化を行うため、過剰な広帯域化が防止され、適性範囲の選択反射波長帯域を有する円偏光制御光学素子を製造することができる。

0030

本発明においては、半硬化コレステリック層形成工程の方法がフォトリソグラフィー法または溶媒法の2通りの態様がある。そこでそれぞれを第1実施態様および第2実施態様として各工程ごとに詳細に説明する。

0031

A.第1実施態様
第1実施態様は、半硬化コレステリック層形成工程が、配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、活性放射線を所定の強度でパターン照射する工程と、パターン照射後の上記液晶層を現像する工程とを有するフォトリソグラフィー法を用いた円偏光制御光学素子の製造方法である。以下フォトリソグラフィー法を用いた本発明の製造方法の一例を示した図1を用いて説明する。

0032

この例においては、まず、図1(a)に示すように、基板1上に配向膜2を塗布し、配向膜2にラビング処理等を行い配向能を有する基板を形成する。さらに上記配向能を有する基板上に液晶層3を形成する材料を付着させ、加熱等を行い液晶層3の配向を整えコレステリック規則性を有する液晶層3を得る(液晶層形成工程)。

0033

次いで、液晶層3にフォトマスクを介して所定の強度の活性放射線4を照射する。(図1(b)参照)。さらに、液晶層を溶剤5等に接触させ、液晶層3の未照射部分を除去する(図1(c)参照)。液晶層3の未照射部分が除去され図1(d)に示すように、パターン化された半硬化状態のコレステリック層3'を形成する(半硬化コレステリック層形成工程)。

0034

前工程により形成された半硬化コレステリック層3'を加熱7しながら、微弱な活性放射線6を照射することにより半硬化コレステリック層3'の選択反射波長帯域を広帯域化させる(図1(e)参照、広帯域化工程)。また、図1に示されていないが、この微弱活性放射線による広帯域化工程の他、広帯域化を起こさせる方法に酸素を用いる方法もある。この場合半硬化コレステリック層3'の一方の表面を酸素雰囲気下に暴露することにより広帯域化することができる。

0035

次いで、広帯域化された半硬化コレステリック層3'を硬化させるのに十分な強度の活性放射線8を照射することにより、広帯域化を維持したまま硬化させ、硬化コレステリック層3''となる(図1(f)参照、硬化コレステリック層形成工程)。

0036

以上の一連の工程により、本発明における円偏光制御光学素子が製造される。また、フルカラーの円偏光制御光学素子とする場合には、一連の工程を複数回繰り返すことによって実現する。以下に上述の各工程について各工程の構成を詳細に説明する。

0037

a.液晶層形成工程
液晶層形成工程は、配向能を有する基板上に液晶層を形成する工程である。この工程において、配向能を有する基板には、用いる基板により2つの態様に分けることができる。まず、基板自体が表面に配向能を有する態様である。この場合、基板のみで配向能を有する基板としてその機能を十分に果たしうる。一方基板自体に配向能がない場合は、配向処理により配向能を有する配向膜を基板上に設ける必要がある。次いで、このような配向能を表面に有する基板上に液晶層を形成する材料を付着させることにより液晶層を形成することができる。液晶層を形成するに際しては任意の方法が採用可能であって、例えば、適当な溶剤に後述する液晶性組成物を配向能を有する基板上でキャスト成形する方法あるいはラミネート成形する方法などが採用できる。特に液晶性組成物を適当な溶剤に溶解させ塗工液としたものを塗布する方法が好ましい。塗布する方法としては、スピンコート法ロールコート法プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法(ダイコート法)等が挙げられる。

0038

(1)液晶層
本発明における液晶層は、ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料および螺旋ピッチを制御する重合性カイラル剤を加えることによりコレステリック規則性を呈するものである。さらに後述する広帯域化工程の際に作用する重合開始剤や適当な添加剤を含む液晶性組成物からなる。なお、液晶層とは温度によって液晶相をとりうる層のことを表している。以下、これらの各成分について説明する。

0039

(ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料)本発明のネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料としては、活性放射線により重合可能重合性の官能基を複数有する液晶性材料であれば特に限定されるものではないが、その一例として下記に示すものを挙げることができる。

0040

すなわち、下記の一般式(1)で表わされる化合物(I)と、下記の一般式(2)で表わされる化合物(II)とを挙げることができる。

0041

化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物を単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができ、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物を単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができる。

0042

0043

化合物(I)を表わす一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1及びR2は共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素臭素ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基メトキシ基シアノ基ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタアクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。

0044

0045

化合物(II)を表わす一般式(2)において、R3は水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR3は水素であることが好ましい。アルキレン基の鎖長を示すcに関して言えば、この値が2〜12である化合物(II)は液晶性を示さない。しかしながら、液晶性を持つ化合物(I)との相溶性を考慮すると、cは4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。化合物(II)も任意の方法で合成可能であり、例えば、1当量の4−シアノフェノールと1当量の4−(n−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ安息香酸とのエステル化反応により化合物(II)を合成することができる。このエステル化反応は化合物(I)を合成する場合と同様に、上記安息香酸を酸クロリドスルホン酸無水物などで活性化し、これと4−シアノフェノールとを反応させるのが一般的である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて上記安息香酸と4−シアノフェノールを反応させてもよい。

0046

本発明の液晶性組成物において、化合物(I)と化合物(II)の相対量は、使用する各化合物分子長や最終的に製造せんとする円偏光制御光学素子の特性を考慮して最適値が決めらるが、一般的には、化合物(I):化合物(II)の重量比は、99:1〜50:50、好ましくは95:5〜60:40、さらに好ましくは90:10〜65:35、最も好ましくは85:15〜70:30の範囲で選ばれる。液晶組成物中に含まれる化合物(I)の量が、化合物(I)と化合物(II)の合計量の99重量%を上回る場合は、化合物(I)の結晶性が比較的高いことに起因して、液晶性組成物から得られる液晶層に満足な液晶性を付与することができない。また、上記の量が50重量%を下回る場合は、液晶性組成物としてのアイソトロピック転移温度(TI)が低下するため、液晶温度範囲極端に狭くなり好ましくない。

0047

カイラル剤)本発明に用いられるカイラル剤としては、上記ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋ピッチを誘起できるものであれば特に限定はされない。また、液晶に螺旋ピッチを誘起させるために使用するカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必須である。従って、本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレンビナフトール等の軸不斉を持つ光学活性な部位を有する化合物であり、分子量1500以下の低分子化合物を例示することができる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶、例えば、Merck社製S−811等が挙げられる。

0048

本実施態様においては、後述の半硬化コレステリック層形成工程がフォトリソグラフィー法を用いて行われるため、フルカラーの円偏光制御光学素子とする場合には、予め各色に対応した液晶層組成物とする必要がある。例えば、赤色(R)の場合は、螺旋ピッチ角が大きく、長ピッチであるため上述のネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料との比が、例えば98:2となるように混合する。次に緑色(G)の場合は、Rに比べ螺旋ピッチ角が小さく、短ピッチであることよりネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料との比を、例えば96:4となるように混合する。最後に青色(B)の場合は、他のR、Gに比べ最も螺旋ピッチ角が小さく、よって螺旋ピッチも最も短ピッチとなる。したがってその比は、例えば94:6となる。

0049

このようにネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料および重合性カイラル剤の混合比率を変化させることにより反射する色を変化させることが可能なのは以下の理由による。

0050

最大旋光偏光光錯乱のときの波長中心波長λ0とすると、このλ0を表す式は
λ0=n・p
で表される。ここでnは螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率であり、pは螺旋ピッチである。

0051

このことより、中心波長は螺旋ピッチの長さに支配される関数であるため、ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料および重合性カイラル剤の混合比率を変化させることにより変わる螺旋ピッチの長さにより中心波長がシフトし、液晶層の反射する色を変化させることができるのである。

0052

また、上述の螺旋ピッチ角とは、液晶層の一方の面から他方の面に至るまで、液晶配向が回転するトータル角度を言う。

0053

しかし、選択したカイラル剤の性質によっては、化合物(I)及び/又は化合物(II)が形成するネマチック規則性の破壊配向性の低下、あるいは該化合物が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下、硬化フィルム信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有する重合性カイラル剤の多量使用は、組成物のコストアップを招く。従って、短ピッチのコレステリック規則性を有する円偏光制御光学素子を製造する場合には、本発明の液晶性組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤には、螺旋ピッチを誘発する効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には一般式(3)又は(4)で表されるような分子内に軸不斉を有する低分子化合物(III)の使用が好ましい。

0054

0055

0056

0057

カイラル剤(III)を表わす一般式(3)又は(4)において、R4は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i),(ii),(iii),(v)及び(vii)の何れか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すd及びeは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。d又はeの値が0又は1である一般式(3)又は(4)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、d又はeの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物は液晶性を示す化合物(I)及び/又は化合物(II)との相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きるおそれがある。

0058

本発明においては、このようなカイラル剤としては、特に重合性を有することが好ましい。これは、全てが重合されており、コレステリック規則性が固定化されていることが、熱安定性等の面で好ましいからである。

0059

本発明の液晶性組成物に配合されるカイラル剤の量は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる円偏光制御光学素子のコレステリック性を考慮して最適値が決められるが、一般的には、本発明の液晶性組成物を構成する化合物(I)及び/又は化合物(II)の単独での量または合計量、100重量部当り、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で選ばれる。この配合量が上述した範囲よりも少ない場合は、液晶性組成物に充分なコレステリック性を付与できない場合があり、上述した範囲を越える場合は、分子の配向が阻害され、活性放射線によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。

0060

(重合開始剤)本発明の液晶性組成物は、硬化させる際に効率的に重合を促進させるため、重合開始剤を含んでいることが好ましい。本発明においては、中でも紫外線(UV)等を活性放射線として用いることが好ましいことから、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の無存在下でも電子ビームの照射によって硬化させることができるが、必要に応じて、1種又は2種以上の光重合開始剤を、0.01〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で本発明の液晶性組成物に添加することができる。

0061

本発明において使用可能な光重合開始剤を例示すると、ベンジルビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルベンゾフェノンベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタールジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。

0062

(添加剤)本発明の液晶性組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸又は多塩基酸縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物アクリル基メタクリル基を有する光重合性液晶性化合物等が挙げられる。

0063

本発明の液晶性組成物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の液晶性組成物の40重量%以下、20重量%以下である。これらの化合物の添加により、本発明の液晶性組成物は硬化性が向上し、硬化膜機械強度が増大し、液晶の安定性が改善される。

0064

(溶剤)本発明の液晶性組成物を配向能を有する基板上に付着させて、液晶層を形成するに際しては任意の方法が採用可能であって、例えば、適当な溶剤に上述の液晶性組成物を配向能を有する基板上でキャスト成形する方法あるいはラミネート成形する方法などが採用できる。

0065

上述の液晶性組成物から液晶層を形成する好適な方法の一つは、上記液晶性組成物を適当な溶剤に溶解し塗工液としたものを、配向能を有する基板上に塗布する方法である。具体的に本発明に用いることが可能な溶剤としては、ベンゼントルエンキシレンn−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼンテトラリン等の炭化水素類メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼンジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン、2、4−ペンタンジオン等のケトン類酢酸エチルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートγ−ブチロラクトン等のエステル類2-ピロリドンN-メチル-2-ピロリドンジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤クロロホルムジクロロメタン四塩化炭素ジクロロエタンテトラクロロエタントリトリクロロエチレンテトラクロロエチレンクロロベンゼンオルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤t-ブチルアルコールジアセトンアルコールグリセリンモノアセチンエチレングリコールトリエチレングリコールヘキシレングリコールエチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブブチルセルソルブ等のアルコール類フェノールパラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。

0066

一種の溶剤を使用しただけでは、液晶性組成物の溶解性が不充分であったり、あるいは後述する配向能を有する基板が侵食される場合がある。しかし2種以上の溶剤を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。上記した溶剤のなかにあって、単独溶剤として好ましいものは、炭化水素系溶剤グリコールモノエーテルアセテート系溶剤であり、混合溶剤として好ましいのは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類との混合系である。溶液の濃度は、液晶性組成物の溶解性や製造せんとする円偏光制御光学素子の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲で調整される。

0068

また、一軸延伸又は二軸延伸することにより基板自体に配向能を付与することが可能である。さらに、基板には親水化処理疎水化処理などの表面処理を予め施しておくことができる。溶液に含まれる液晶性組成物の組成によっては、基板に配向能を別途付与させる必要がないが、溶液の塗布に先立って基板に配向能を付与しておくことが好ましい。配向能の付与は、上記のように可撓性をもつ材料であれば、一軸延伸又は二軸延伸により基板自体に配向能を付与する方法や、基板自体が表面に配向能を有さない場合は、配向膜を積層させるか、基板もしくはこれに積層された配向膜をラビングする方法で行われる。また、基板上に酸化ケイ素斜め蒸着させて配向能を付与することもできる。

0069

配向膜には、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用され、ラビング処理は、レーヨン、綿、ポリアミド等の素材から選ばれるラビング布金属ロールに捲き付け、これをフィルムに接した状態で回転させるか、ロールを固定したままフィルムを搬送することより、フィルム面をラビング布で摩擦する方法が通常採用される。上記した基板に代えて、表面にスリット状の溝を設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属基板や、表面をスリット状にエッチング加工したアルカリガラスホウ珪酸ガラスフリントガラスなどのガラス基板を用いることもできる。

0070

b.半硬化コレステリック層形成工程
第1実施態様における半硬化コレステリック層形成工程は、配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、活性放射線を所定の強度でパターン照射する工程と、パターン照射後の上記液晶層を現像する工程とを有するフォトリソグラフィー法による工程である。なお、本発明でいう活性放射線とは、重合性液晶材料を硬化させることが可能ないかなる放射線をも含む概念である。

0071

具体的には、フォトマスクを介して、液晶層の任意の部分を選択的に照射し、液晶層をパターン状に半硬化状態とし、現像液等により現像、洗浄することにより、液晶層の未照射部分を除去する工程である。この一連の工程により、単色の半硬化コレステリック層をパターン状に形成することができる。また、フルカラーの円偏光制御光学素子とする場合には、R、GおよびBを反射する各液晶層毎に上述の液晶層形成工程、次いで、半硬化コレステリック層形成工程を行うことにより、フルカラーの半硬化コレステリック層をパターン形成することができる。

0072

なお、フォトリソグラフィー法での半硬化コレステリック層の現像、洗浄による未照射領域を除去する方法は、図1(c)に示すように、適当な溶剤5に液晶層3を含む基板1ごと浸漬させ揺動させながら未照射部分の液晶層を除去する揺動洗浄法や、図1には示していないが高速に回転させながら除去を行うスピン洗浄法等がある。

0073

また、この際の半硬化状態とは、上述の重合性カイラル剤および重合性液晶材料が有する全官能基内の10モル%〜80モル%、好ましくは20モル%〜70モル%の範囲内の官能基が重合した状態を言う。

0074

以下に本工程に用いる活性放射線および溶剤について詳細に説明する。

0075

(活性放射線)液晶層の硬化に利用する活性放射線は、任意に選ぶことができ、例えば、電子線、紫外線、可視光線赤外線熱線)を情況に応じて使用することができる。通常は紫外線又は可視光線が使用され、波長が150〜500nm、好ましくは250〜450、さらに好ましくは300〜400nmの照射光が用いられる。

0076

この照射光の光源としては、低圧水銀ランプ殺菌ランプ蛍光ケミカルランプブラックライト)、高圧放電ランプ高圧水銀ランプメタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ超高圧水銀ランプキセノンランプ水銀キセノンランプ)などが例示できる。なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。

0077

照射強度は、液晶層を形成している重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜調整されて照射される。具体的には、後述の硬化コレステリック層形成工程における照射強度に対し、0.001%〜90%、好ましくは0.01%〜50%、中でも0.1%〜10%の範囲内で照射することが好ましい。

0078

この際、液晶層を加熱しながら活性放射線を照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的に硬化を行うことができる点で好ましい。

0079

(現像液)液晶層の未照射部分を除去するために用いられる現像液に求められる性質としては、半硬化状態の液晶層までを除去するものでなく、かつ液晶性組成物の未硬化成分を選択的に溶出せず、さらに基板上に設けられている配向膜等の表面を溶解させないものが求められる。このような現像液としては、アセトン、酢酸−3−メトキシブチル、ジグライム、シクロヘキサノン、THF(テトラヒドロフラン)、トルエン、塩化メチレン、MEK(メチルエチルケトン)等の有機溶媒が挙げられる。

0080

c.広帯域化工程
本発明の円偏光制御光学素子は、重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶剤を用いることにより、コレステリックに配向していると共に、正の複屈折性を備えている。ラビング処理などで配向能を有する基板を用い、本発明の液晶性組成物から円偏光制御光学素子を調製した場合には、基板又は配向膜とコレステリック層との界面において、ネマチック配向した液晶分子ダイレクターの円偏光制御光学素子面内への投影軸(以下配向軸と呼ぶ)は、基板又は支持基板のラビング方向(以下ラビング軸と呼ぶ)と基本的に一致し、ダイレクターは膜厚方向に進むに従って回転し、その回転角度は当該円偏光制御光学素子に固有の値をとる。本発明に係るコレステリック円偏光制御光学素子の選択波長帯域幅、膜厚、螺旋ピッチ巻き数等の各種光パラメーターは、円偏光制御光学素子の用途によって調整することできるが、選択反射波長帯域は通常30〜100nmである。上記範囲の選択反射波長帯域の円偏光制御光学素子を液晶表示等に用いた場合、従来液晶自体は色鮮やかであるが反射光暗い又は、この逆のパターンとなることがあり、用途によっては視認性の向上が要求されることがある。

0081

そこで本発明においては、広帯域化工程を行うことにより選択反射波長帯域を上記範囲よりも広げ、視認性の向上を図る。また、本発明においては、上述したように一度液晶層を半硬化状態とした後に広帯域化工程を行うものであるので、広帯域が可能な範囲が予め限られている。このことより過剰な広帯域化が防止され、かつ過剰な広帯域化による視認性の劣化を回避するものである。

0082

なお、選択反射波長帯域とは、コレステリック配向を形成する液晶分子の螺旋ピッチ方向と同一方向の円偏光を円偏光制御光学素子に入射した際に、選択反射による反射率が70%以上となる波長範囲のことを意味する。

0083

広帯域化を実現するためには、液晶層に硬化速度勾配を形成することにより可能となる。これは選択反射波長帯域Δλが以下の式から表されることより明らかである。

0084

Δλ=Δn・p
Δnは複屈折率およびpは螺旋ピッチである。上記の式より、選択反射波長帯域Δλは、螺旋ピッチpに支配される関数で表される。よって螺旋ピッチを半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて変化させることにより、選択反射波長帯域Δλを所定の範囲内に広帯域化させることができる。この螺旋ピッチpを変化させるためには、螺旋ピッチを誘起する重合性カイラル剤の濃度を変化させればよい。

0085

本発明においては、半硬化コレステリック層内に均一に分布している重合性カイラル剤の濃度を、硬化速度に対応して変えることができる。これは、液晶性組成物の各組成物によってその硬化のし易さが異なるため、穏やかに硬化が進行する場合であれば、わずかな硬化のし易さの違いが硬化速度勾配に対応して、液晶性組成物の混合比率にも勾配が生じるためである。従って、硬化速度勾配を形成することにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて重合性カイラル剤の濃度勾配が形成され、螺旋ピッチもその両面において変化し、これにより選択反射波長帯域を広帯域化させることが可能となる。

0086

本発明においては、上述のように半硬化コレステリック層の両表面に硬化速度勾配を形成する方法として、硬化を阻害する酸素を用いる方法と硬化を促進する活性放射線を用いる方法による2つの態様がある。以下に両態様について説明をする。

0087

(酸素による広帯域化工程)酸素は、酸素依存性の光重合開始剤を有している場合は、上記工程により形成された半硬化コレステリック層の硬化を阻害する作用を及ぼすものである。硬化を阻害する酸素雰囲気下に半硬化コレステリック層のいずれか一方の面を暴露し、この酸素による硬化阻害作用を損なわせない程度に活性照射線を照射することにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて硬化速度勾配を形成することが可能である。

0088

酸素雰囲気下に半硬化コレステリック層を暴露する方法としては、基板を酸素不透過性とする場合や、逆に基板を酸素透過性とする場合は、反対側の表面を無酸素状態又は酸素の硬化阻害作用が得られない程度の酸素濃度中に暴露する方法がある。また本発明においては基板を両側に形成してもよいので、このような場合は、一方の面を酸素透過性の基板とし、もう一方を酸素不透過性とすることが考えられる。

0089

本工程での酸素雰囲気下中の酸素濃度は、10%以上好ましくは12%以上、中でも14%以上が好ましい。上記範囲程度の酸素濃度であれば十分に半硬化コレステリック層の硬化を阻害する効果が得られるからである。また上記10%以上の酸素雰囲気下は空気雰囲気でも可能である。これは、特別に設備等を必要としなく扱いやすいことから、効率面およびコスト面からも大いに有利である。

0090

上記範囲の酸素雰囲気下に半硬化コレステリック層の一方の表面を暴露しながら、活性放射線を照射し穏やかに硬化を行う。この場合の活性放射線の照射強度としては、酸素の硬化阻害作用を損なわせない程度であり、かつ良好な硬化速度勾配が形成される程度とする。このような照射強度としては、後述する硬化コレステリック工程における活性放射線の照射強度に対して0.001%〜90%、好ましくは0.01%〜50%、中でも0.1%〜10%の範囲内とすることが好ましい。上記範囲よりも照射強度を高くすると酸素による硬化阻害作用を超えて硬化が促進してしまい硬化速度勾配の形成が妨げられ、逆に上記範囲内よりも低い照射強度の場合は、硬化が生じないため適当でないからである。

0091

また、酸素を用いた広帯域化工程においては、酸素が主要因となって半硬化コレステリック層の両表面に硬化速度勾配を形成するものであるため、光重合性開始剤としては酸素依存性の光重合性開始剤が用いられる。その中でも酸素依存性の高い光重合開始剤を用いることにより、活性放射線の硬化促進作用以上に、酸素による硬化阻害効果が作用し、効果速度勾配を効率的に形成することができる。また、本発明に用いることができる光重合開始剤としては、上述した通りであるが、その中でも酸素依存性の高い光重合開始剤としては、具体的に、Irg184、Irg819(商品名、Ciba社製)、TPO(商品名:BASF社製)等が挙げられる。ただし、酸素依存性の低い重合開始剤でも添加量を調整することにより用いることが可能である。

0092

ところで、硬化速度勾配が形成されるに伴って、液晶性組成物の濃度勾配が形成されるには、半硬化コレステリック層内で未硬化成分の流動が生じなければならない。良好な流動を生じさせるためには、基板を加熱しながら広帯域化工程を行うことが好ましい。ただし、加熱温度によっては半硬化コレステリック層の硬化を過剰に促進させることとなるので、硬化を促進させることなくかつ液晶性組成物の未硬化成分の良好な流動を起こさせる加熱温度として、30℃〜150℃、好ましくは40℃〜140℃、その中でも50℃〜130℃の範囲内とすることが好ましい。

0093

(微弱活性放射線による広帯域化工程)本発明においては、活性放射線硬化型の液晶性組成物を用いていることから、活性放射線は重合を促進し、液晶層および半硬化コレステリック層の硬化を促進する作用を及ぼす。本工程においては、この活性放射線を半硬化コレステリック層のいずれか一方の表面のみを照射することにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて硬化速度勾配を形成し、選択反射波長帯域を広帯域化させる工程である。

0094

本工程における、活性放射線の照射強度は穏やかに硬化が進行しかつ半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて硬化速度勾配が形成される程度の照射強度とする必要がある。このような照射強度としては後述する硬化コレステリック層形成工程における照射強度に対して、約1%〜約10%、好ましくは、2%〜9%、中でも3%〜8%の照射強度とすることが好ましい。上記範囲よりも強い照射強度とすると、穏やかに硬化が進行せず、硬化速度勾配が形成されることなく半硬化コレステリック層が硬化してしまうので好ましくない。また、上記範囲よりも低い照射強度では、硬化速度勾配が生じる程度の硬化に時間がかかりすぎるからである。

0095

なお、活性放射線としては、上述したものを任意に用いることができるが、強力に重合を促進させる作用を持たない活性放射線、例えば紫外線等を活性放射線として用いた場合は、重合効率を高めるため光重合開始剤を用いることが好ましい。

0096

さらに、微弱活性放射線による広帯域化工程は、酸素の有無によって2つの態様に分けることができる。以下に酸素の有無に分けて説明をする。

0097

(i)無酸素雰囲気下での微弱活性放射線による広帯域化工程
上述したように、酸素依存性の光重合開始剤を用いている場合、酸素は半硬化コレステリック層の硬化を阻害する作用を持つ。従って、酸素の影響を避けるため無酸素雰囲気下で半硬化コレステリック層の基板側又は表面側の一方からのみ、活性放射線を照射することにより、半硬化コレステリック層の基板側から表面側にかけて硬化速度勾配が形成され、選択反射波長帯域を広帯域化することが可能である。

0098

本態様における無酸素雰囲気下とは、半硬化コレステリック層の硬化に影響を与えることのないガスが含まれている雰囲気でもよく、例えば、窒素雰囲気下等が挙げられる。

0099

(ii)酸素雰囲気下での微弱活性放射線による広帯域化工程
酸素依存性を有する光重合開始剤が用いられている場合、酸素が存在する雰囲気においては、重合速度を遅くする。本態様においては、微弱活性放射線の照射により広帯域化を図るものであるので、この場合は表面および裏面の両者に全く同濃度の酸素に対して露出している場合は、問題無く行うことができる。しかしながら、この際光重合開始材の酸素依存性が高い場合は、酸素濃度のちょっとした差でも重合速度に差がついてしまうことから、このような場合に用いられる光重合開始材は、酸素依存性の極めて低いものが好適に用いられる。

0100

具体的には、Irg365、Irg907、Irg651、Irg361、Parocare1173(商品名:Ciba社製)、DETX−S(商品名:日本化薬社製)、ビイミダゾール(商品名:黒金化成社製)等が挙げられる。

0101

一方、本態様においては、微弱な活性放射線を照射する側とは反対側のみを酸素雰囲気下に暴露する場合もある。この場合、半硬化コレステリック層の両表面において、一方の表面は硬化が促進され、もう一方の表面では硬化が阻害されるため、大幅な硬化速度勾配を形成することができる。

0102

このような態様としては、基板を酸素不透過性のものを用いた場合、空気中で基板側から微弱な活性放射線を照射したり、また基板を酸素透過性の材料で形成した場合は、基板側とは逆側の表面を無酸素雰囲気下に暴露し、かつ基板側とは反対側から微弱な活性放射線を照射することによっても可能である。さらに、本発明においては、半硬化コレステリック層の両表面を基板で挟むことも可能である。このような場合は酸素透過性および酸素不透過性の両方を用い、酸素不透過性の基板側から微弱な活性放射線を照射することも可能である。

0103

このように、半硬化コレステリック層の一方の表面のみを酸素雰囲気下に暴露し、この表面とは逆の表面から微弱な活性放射線を照射する場合には、活性放射線および酸素の両方の作用を利用しているので、光重合開始剤としては、酸素依存性の高いものを用いることが好ましい。酸素依存性の高い光重合性開始剤は(酸素による広帯域化工程)の中で列記したものと同様であるのでここでの記載は省略する。

0104

d.硬化コレステリック層形成工程
本工程は、前工程により硬化速度勾配が形成されたことにより広帯域化された半硬化コレステリック層をその広帯域化の状態を維持したまま硬化させる工程である。

0105

本工程に用いる活性放射線としては、上述の半硬化コレステリック層形成工程および広帯域化工程において用いた活性放射線と同様であるのでここでの説明は省略する。しかし、その照射強度は本工程においては、半硬化コレステリック層を完全に硬化させるものであり、かつ広帯域化を保持した状態の硬化とするため、このような照射強度としては、1〜10,000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2の範囲内の照射強度とすることが好ましい。

0106

以上の工程を経て、本発明における適正な範囲内で広帯域化された円偏光制御光学素子を製造することができる。

0107

e.その他
(硬化コレステリック層の多層化)本実施態様においては、上記硬化コレステリック層形成工程後、さらに上記液晶層形成工程と、上記半硬化コレステリック層形成工程と、上記広帯域化工程と、上記硬化コレステリック層形成工程とを繰り返すことにより、2層以上の硬化コレステリック層を積層するようにしてもよい。このような工程を行うことにより広帯域化されたコレステリック層を積層することが可能であり、複数色の選択反射色を有するコレステリック層が積層されてなるカラーフィルターを形成することが可能となり、また、中心反射波長を所定の範囲でずらした層を積層することにより、さらなる広帯域化を図ることができるからである。

0108

この際、液晶層形成工程は、形成された硬化コレステリック層上に配向膜を形成し、その上に上述したような重合性液晶材料を有する液晶層を形成する工程であってもよく、また、形成されたコレステリック層上に直接上述したような重合性液晶材料を有する液晶層を形成する工程であってもよい。これらは、形成するコレステリック層の用途や性質等に応じて適宜選択されて行われるものである。

0109

このような2層目以降の硬化コレステリック層の形成に際しての、液晶層形成工程、半硬化コレステリック層形成工程、広帯域化工程、および硬化コレステリック工程に関する条件や用いる材料等に関しては、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。

0110

なお、本実施態様においては、積層するに際して、全ての層が広帯域化されている必要はなく、用途に応じて必要な層のみが広帯域化されていてもよい。

0111

(硬化コレステリック層の多色化)また、本実施態様においては、硬化コレステリック層が複数種類の選択反射色を有することが好ましく、これらがパターン状に形成されていることが好ましい。このように形成されることのより、例えばフルカラーのカラーフィルタとすることが可能となるからである。

0112

B.第2実施態様
第2実施態様は、半硬化コレステリック層形成工程が、配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、異なる強度の活性放射線をパターン照射することにより、硬化度の違いによるパターンを液晶層に形成する工程と、上記硬化度の違いによるパターンが形成された液晶層を、液晶層の未硬化成分である重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を選択的に溶出させる溶媒に接触させ、パターン照射した領域ごとに異なる選択反射色を形成する工程とを有する溶媒法を用いた円偏光制御光学素子の製造方法である。以下溶媒法を用いた本発明の製造方法の一例を示した図2を用いて説明する。

0113

この例においては、まず図2(a)に示すように、基板21上に配向膜22を塗布し、配向膜22にラビング処理等を行い配向能を有する基板を形成する。さらに上記配向能を有する基板上に液晶層23を形成する材料を付着させ、加熱等を行い液晶層23の配向を整えコレステリック規則性を有する液晶層23を得る(液晶層形成工程)。

0114

次いで、液晶層23に照射強度の異なる活性放射線24をそれぞれパターン照射し(図2(b)参照)、硬化度の違いによるパターンを形成する。そして硬化度の違いによるパターンが形成された液晶層23を溶剤25に接触させ(図2(c)参照)、液晶層23の未硬化成分を選択的に溶出させる。未硬化成分が選択的に溶出した後に、3つの中心波長の異なる(26,27,28)パターンが形成された半硬化コレステリック層23'が得られる(半硬化コレステリック層形成工程、図2(d)参照)。

0115

前工程により中心波長の異なる26、27、28の3つのパターンが形成された半硬化コレステリック層23'を加熱30しながら微弱な活性放射線29を照射することにより、3つのパターンそれぞれの選択反射波長帯域を一度に広帯域化させる(広帯域化工程)。また、図2には示されていないが、この微弱な活性放射線による広帯域化工程の他、広帯域化を起こさせる方法に酸素を用いる方法もある。この場合半硬化コレステリック層23'の一方の表面を酸素雰囲気下に暴露することにより広帯域化することができる。

0116

次いで、広帯域化された半硬化コレステリック層23'を硬化させるのに十分な強度の活性放射線31を照射することにより、広帯域化を維持したまま硬化させ、硬化コレステリック層とする(硬化コレステリック層形成工程)。

0117

本実施態様においては、R、GおよびBのパターニングが図2(b)から図2(d)に示す溶媒法により、一度に形成することが可能であるため、その後の広帯域化工程においても、R、GおよびBの各半硬化コレステリック層の選択半波長帯域を一度に広帯域化することができるので、製造効率上非常に有利である。

0118

このような溶媒法を用いた円偏光制御光学素子の製造方法について説明をする。なお、本実施態様は、半硬化コレステリック工程を除いて、他の製造工程は上述の第1実施態様と同様であるため、ここでは半硬化コレステリック層形成工程の説明のみ行い、他の工程、例えば広帯域化工程等の各工程の説明は省略することとする。

0119

a.半硬化コレステリック層形成工程
第2実施態様における半硬化コレステリック層形成工程は、配向処理が施された基板上に形成された液晶層に、異なる強度の活性放射線をパターン照射することにより、硬化度の違いによるパターンを液晶層に形成する工程と、上記硬化度の違いによるパターンが形成された液晶層を、液晶層の未硬化成分である重合性カイラル剤およびネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料を選択的に溶出させる溶媒に接触させ、パターン照射した領域ごとに異なる選択反射色を形成する工程とを有する溶媒法を用いた工程である。

0120

具体的には、フォトマスクを介しR、GおよびBが形成される領域ごとに活性放射線の照射強度または照射時間等を変えて、硬化度の違いによるパターンを形成する。次いでパターンが形成された半硬化コレステリック層の未硬化成分を選択的に溶出する溶媒に接触させ、未硬化成分を選択的に溶出させることにより液晶性組成物の混合比率が異なるパターンが形成された半硬化コレステリック層を得ることができる。

0121

ここで、溶媒法によりパターンが形成される理由を説明する。液晶性組成物は主としてネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料および重合性カイラル剤からなる。硬化度の違いによるパターンが形成された半硬化コレステリック層の未硬化成分からはいずれも溶出する。しかし、両者の溶解度が大幅に異なる溶剤を用いることより、溶出速度に差が生じる。このことから半硬化コレステリック層内の硬化度の違いにより、未硬化成分の溶出度合いが異なり、その結果液晶性組成物の混合比率が異なることとなる。従って予めR、GおよびBを反射するように硬化度および溶出の程度を調整することにより、同一の液晶層からR、GおよびBのパターンを形成することができる。

0122

以下に、本工程に用いる活性放射線および溶剤について説明する。

0123

(活性放射線)本工程に用いる活性放射線は上述した活性放射線を同様に用いることができる。しかし、本工程においては、液晶層に硬化度の違いによるパターンを形成する必要があるため、R、GおよびBの各パターンごとにその照射強度および照射時間等が異なる。

0124

このような活性放射線の照射量としては、液晶性組成物の内容によっても異なるため一概に既定することはできない。しかしながら、一般的な値として、具体的には、赤色(R)を反射するように形成される半硬化コレステリック層の領域には、活性放射線の照射量として、0.01mJ/cm2〜10,000mJ/cm2の範囲内とされる。同様に緑色(G)を反射する領域には、0.01mJ/cm2〜10,000mJ/cm2の範囲内とされる。さらには。青色(B)を反射する領域には、0.01mJ/cm2〜10,000mJ/cm2の範囲内で照射されるのが一般的である。

0125

上記範囲で活性照射線をパターン状に照射することにより液晶層に硬化度の違いによるパターンが形成され、溶剤に接触させた後に各々の色を反射するパターンが形成された半硬化コレステリック層を得ることができる。

0126

なお、その他活性放射線等に関しては、上述の第1実施態様と同様であるのでここでの説明は省略する。

0127

(溶剤)第2実施態様で用いる溶剤は、硬化度の違いによるパターンが形成された半硬化コレステリック層の未硬化成分を選択的に溶出させ、かつ基板上に設けれた配向膜等を溶出させるものでなければ特に限定はされない。

0128

なお、ここで「選択的に溶出」させるとは、重合カイラル剤もしくは重合性液晶材料のいずれか一方をより多く溶出させる状態をいうことする。

0129

このような溶剤としては、具体的に、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類の1種または2種以上が使用可能である。

0130

上述の溶媒に接触させて、選択的に溶出させる方法としては、浸漬やスピンシャワー等の各種現像方法を用いることができる。

0131

b.その他
本実施態様においては、上述した半硬化コレステリック層形成工程の後、広帯域化工程を行うのであるが、この広帯域化工程において、全面にわたり広帯域化を行うことにより、全ての選択反射色を呈する半硬化コレステリック層を広帯域化できる。一方、この広帯域化工程において、フォトマスク等を用い、所定の選択反射色を呈する半硬化コレステリック層にのみ活性放射線が照射されるようにすることにより、所定の選択反射色のみを広帯域化することも可能となる。

0132

また、本実施態様においては、第1実施態様において説明した硬化コレステリック層の多層化および多色化についても同様に行うことが可能である。詳細については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。

0133

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

0134

以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。

0135

[実施例]
(広帯域された赤色を反射する硬化コレステリック層の形成)重合可能なネマチック液晶(96重量部)と重合性カイラル剤(3重量部)と、光重合開始剤(1重量部)とからなる活性放射線硬化型のカイラル・ネマチック液晶をトルエンに溶解させた25重量%のトルエン溶液を準備した。

0136

なおネマチック液晶としては下記の化学式1で表される化合物と、下記の化学式(5)および(6)で表される化合物とを、重量比50:50で含む液晶を用いた。

0137

0138

0139

また、重合性カイラル剤としては、下記の化学式(7)で表される化合物を用いた。

0140

0141

また光重合開始剤はIrg361(Ciba社製)を用いた。

0142

一方、ガラス基板上にポリイミド(PI)をスピンコート法により成膜し、膜厚1000ÅのPI膜を施すことにより配向基板を作製した。

0143

そして、このようなラビング処理が施されたポリイミド(PI)付きのガラス基板をスピンコーターにセットし、上記トルエン溶液を4.5μm程度の膜厚でスピンコーティングした。

0144

次に、80℃で5分間加熱し、乾燥および配向処理を行った後、配向膜上に形成された液晶層が選択反射中心波長630nmの赤色コレステリック相を反射することを目視で確認した。

0145

そして、このような液晶層に透過率が100%、0%の2領域が100μm、200μmピッチストライプ状に配列したフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いた紫外線照射装置により365nmの紫外線を5mJ/cm2照射し、液晶層を重合させてポリマー化し、配向基板上に半硬化状態のコレステリック層を形成した。

0146

その後、配向基板上に形成された半硬化状態のコレステリック層を、アセトンに5分間浸漬させ、その後、60℃×15分間加熱し、乾燥処理を行ない100μmのストライプ状の半硬化コレステリック層パターンを得た。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=64nm程度であった。

0147

そして配向基板上に得られた半硬化コレステリック層を80℃のホットプレート上に移し、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射装置で365nmの紫外線を0.2mW/cm2で180秒露光した。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=95nm程度であった。さらにその後、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射層装置で365nmの紫外線を10mW/cm2で60秒露光し光学特性を安定化させた。

0148

(広帯域化された緑色を反射するコレステリック層の形成)重合可能なネマチック液晶(94.5重量部)と重合性カイラル剤(4.5重量部)と、光重合開始剤(1重量部)とからなる活性放射線硬化型のカイラル・ネマチック液晶をトルエンに溶解させた25重量%のトルエン溶液を準備した。

0149

なおネマチック液晶としては下記の化学式(5)および(6)で表される化合物を、重量比50:50で含む液晶を用いた。

0150

0151

0152

また、重合性カイラル剤としては、下記の化学式(7)で表される化合物を用いた。

0153

0154

また光重合開始剤はIrg361(Ciba社製)を用いた。

0155

そして、先ほど作製された基板をスピンコーターにセットし、上記トルエン溶液を4.5μm程度の膜厚でスピンコーティングした。

0156

次に、80℃で5分間加熱し、乾燥および配向処理を行った後、配向膜上に形成された液晶層が選択反射中心波長550nmの緑色コレステリック相を反射することを目視で確認した。

0157

次にこの基板を上記フォトマスクを用い、横方向に100μmずらし、ストライプがちょうど1つ分ずれるようにフォトマスクと基板の位置を調整した後に、このフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いた紫外線照射装置により365nmの紫外線を5mJ/cm2照射し、液晶層を重合させてポリマー化し、配向基板上に半硬化状態のコレステリック層を形成した。

0158

その後、配向基板上に形成された半硬化状態のコレステリック層を、アセトンに5分間浸漬させ、その後、60℃×15分間加熱し、乾燥処理を行ない100μmのストライプ状の半硬化コレステリック層パターンを得た。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=60nm程度であった。

0159

そして配向基板上に得られた半硬化コレステリック層を80℃のホットプレート上に移し、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射装置で365nmの紫外線を0.2mW/cm2で180秒露光した。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=90nm程度であった。さらにその後、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射層装置で365nmの紫外線を10mW/cm2で60秒露光し光学特性を安定化させた。

0160

(広帯域化された青色を反射するコレステリック層の形成)重合可能なネマチック液晶(93重量部)と重合性カイラル剤(6重量部)と、光重合開始剤(1重量部)とからなる活性放射線硬化型のカイラル・ネマチック液晶をトルエンに溶解させた25重量%のトルエン溶液を準備した。

0161

なおネマチック液晶としては下記の化学式(5)および(6)で表される化合物を、重量比50:50で含む液晶を用いた。

0162

0163

0164

また、重合性カイラル剤としては、下記の化学式(7)で表される化合物を用いた。

0165

0166

また光重合開始剤はIrg361(Ciba社製)を用いた。

0167

そして、先ほど作製された基板をスピンコーターにセットし、上記トルエン溶液を4.5μm程度の膜厚でスピンコーティングした。

0168

次に、80℃で5分間加熱し、乾燥および配向処理を行った後、配向膜上に形成された液晶層が選択反射中心波長480nmの青色コレステリック相を反射することを目視で確認した。

0169

次にこの基板を上記フォトマスクを用い、横方向に100μmずらし、ストライプがちょうど1つ分ずれるようにフォトマスクと基板の位置を調整した後に、このフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いた紫外線照射装置により365nmの紫外線を5mJ/cm2照射し、液晶層を重合してポリマー化し、配向基板上に半硬化状態のコレステリック層を形成した。

0170

その後、配向基板上に形成された半硬化状態のコレステリック層を、アセトンに5分間浸漬させ、その後、60℃×15分間加熱し、乾燥処理を行ない100μmのストライプ状の半硬化コレステリック層パターンを得た。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=45nm程度であった。

0171

そして配向基板上に得られた半硬化コレステリック層を80℃のホットプレート上に移し、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射装置で365nmの紫外線を0.2mW/cm2で180秒露光した。ここで、配向基板上に得られたコレステリック層パターンの反射率を顕微分光光度計で測定したところ、半値幅(Δλ)=70nm程度であった。さらにその後、窒素中で超高圧水銀灯の紫外線照射層装置で365nmの紫外線を10mW/cm2で60秒露光し光学特性を安定化させた。

0172

これにより、配向基板上に広帯域化されたコレステリック層が形成されたカラーフィルターが製造された。

発明の効果

0173

本発明によれば、コレステリック規則性を有する液晶層を半硬化させることにより、半硬化コレステリック層を形成し、その後に広帯域化を行うことに特徴を有するものである。従って、選択反射波長帯域の広帯域化が所望の範囲内で可能となり、過剰な広帯域化を防止することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0174

図1本発明の円偏光制御光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。
図2本発明の円偏光制御光学素子の製造方法の他の例を示す工程図である。

--

0175

1,21 …基板
2,22 …配向膜
3,23 …液晶層
3',23’ … 半硬化コレステリック層
3'' … 硬化コレステリック層

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