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技術 可撓性膜堰及び可撓性膜堰据付構造

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 山瀬晴義佐藤喜博
出願日 2001年11月12日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-345691
公開日 2003年5月21日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2003-147750
状態 未査定
技術分野 水門
主要キーワード 補強ワイヤー 金属製ロープ 据え付け場所 性膜体 据付構造 据付場所 スチールワイヤー 略格子状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

大型化しても製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理交換も容易に行うことの可能な可撓性膜堰と、この可撓性膜堰を基盤に据付工程するための可撓性膜堰据付構造を得る。

解決手段

可撓性膜18は、上下に配置されたゴム膜体20、22と、これらゴム膜体20、22の間に配置され、ゴム膜体20、22とは別体とされた補強ワイヤー体24とを有する3層構造とされる。可撓性膜18の密閉性維持はゴム膜体20が、強度維持は補強ワイヤー体24が作用分担しているので、過度に可撓性膜18全体を厚くすることなく気密性や強度、起立定性等を確保できる。このため、可撓性膜18を容易に製造でき、さらに、修理や交換も必要な層のみに対して行えばすむ。各層に求められる機能を特定化することで、各層の構造も単純化できる。

概要

背景

従来から、港湾防波堤として、あるいは河川堤防横断する管路樋管)内に設置される樋門等として、可撓性膜堰が使用されている。

この可撓性膜堰は、可撓性膜体内に流体(空気や水等)が供給されることにより可撓性膜起立して河川等を閉塞する。そして、流体が排出されると倒伏して河川等を開放する。この可撓性膜堰に使用される、可撓性膜は、補強材である繊維をゴムで覆い、全体として膜状とされた一体構造になっているのが一般的である。

ところで、近年では、可撓性膜堰を大型化する必要が生じる場合が多いが、可撓性膜が従来のような補強材とゴムとの一体構造であると、大型化に伴って可撓性膜の厚みも必要となり、可撓性膜の製造が困難になる。また、厚みのある可撓性膜を使用した可撓性膜堰では、基盤への固定、施工等も困難になる。

さらに、一体構造の可撓性膜では、修理交換の時にも、必要部分のみを修理あるいは交換することが難しいため、作業工程が複雑になる。

概要

大型化しても製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理や交換も容易に行うことの可能な可撓性膜堰と、この可撓性膜堰を基盤に据付工程するための可撓性膜堰据付構造を得る。

可撓性膜18は、上下に配置されたゴム膜体20、22と、これらゴム膜体20、22の間に配置され、ゴム膜体20、22とは別体とされた補強ワイヤー体24とを有する3層構造とされる。可撓性膜18の密閉性維持はゴム膜体20が、強度維持は補強ワイヤー体24が作用分担しているので、過度に可撓性膜18全体を厚くすることなく気密性や強度、起立安定性等を確保できる。このため、可撓性膜18を容易に製造でき、さらに、修理や交換も必要な層のみに対して行えばすむ。各層に求められる機能を特定化することで、各層の構造も単純化できる。

目的

本発明は上記事実を考慮し、大型化しても製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理や交換も容易に行うことの可能な可撓性膜堰と、この可撓性膜堰を基盤に据付工程するための可撓性膜堰据付構造を得ることを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

流体の供給により起立し流体の排出により倒伏する可撓性膜により構成された可撓性膜堰であって、前記可撓性膜が、供給された流体によって膨張するように気密性が保持された気密性膜部材と、前記気密性膜部材と別体で気密性膜部材に接触配置され、気密性膜部材を補強する補強部材と、の少なくとも2部材を有することで多層構造とされていることを特徴とする可撓性膜堰。

請求項2

前記可撓性膜が、その最外層に、前記気密性膜部材及び前記補強部材と別体で配置され、気密性膜部材及び補強部材を保護する保護部材、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性膜堰。

請求項3

前記補強部材が、可撓性を有する金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可撓性膜堰。

請求項4

前記補強部材が、前記気密性膜部材の短手方向に沿って、且つ長手方向に所定間隔を空けて配置された複数の第1ワイヤーと、前記気密性膜部材の長手方向に沿って配置され、前記第1ワイヤーとの交点で第1ワイヤーに固着された第2ワイヤーと、を備える略格子状に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の可撓性膜堰。

請求項5

請求項1〜請求項4のいずれかに記載の可撓性膜堰を基盤据付固定するための可撓性膜堰据付構造であって、前記基盤に、倒伏状態の前記可撓性膜を収容可能な収容凹部が形成されていることを特徴とする可撓性膜堰据付構造。

請求項6

前記収容凹部から立設され、倒伏状態の可撓性膜を局所的に支持する支持部材、を有することを特徴とする請求項5に記載の可撓性膜堰据付構造。

技術分野

0001

本発明は、可撓性膜堰及び可撓性膜堰据付構造に関し、さらに詳しくは、流体の供給により起立し流体の排出により倒伏する可撓性膜により構成された可撓性膜堰と、この可撓性膜堰を基盤据付固定するための可撓性膜堰据付構造に関する。

背景技術

0002

従来から、港湾防波堤として、あるいは河川堤防横断する管路樋管)内に設置される樋門等として、可撓性膜堰が使用されている。

0003

この可撓性膜堰は、可撓性膜体内に流体(空気や水等)が供給されることにより可撓性膜が起立して河川等を閉塞する。そして、流体が排出されると倒伏して河川等を開放する。この可撓性膜堰に使用される、可撓性膜は、補強材である繊維をゴムで覆い、全体として膜状とされた一体構造になっているのが一般的である。

0004

ところで、近年では、可撓性膜堰を大型化する必要が生じる場合が多いが、可撓性膜が従来のような補強材とゴムとの一体構造であると、大型化に伴って可撓性膜の厚みも必要となり、可撓性膜の製造が困難になる。また、厚みのある可撓性膜を使用した可撓性膜堰では、基盤への固定、施工等も困難になる。

0005

さらに、一体構造の可撓性膜では、修理交換の時にも、必要部分のみを修理あるいは交換することが難しいため、作業工程が複雑になる。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は上記事実を考慮し、大型化しても製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理や交換も容易に行うことの可能な可撓性膜堰と、この可撓性膜堰を基盤に据付工程するための可撓性膜堰据付構造を得ることを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

請求項1に記載の発明では、流体の供給により起立し流体の排出により倒伏する可撓性膜により構成された可撓性膜堰であって、前記可撓性膜が、供給された流体によって膨張するように気密性が保持された気密性膜部材と、前記気密性膜部材と別体で気密性膜部材に接触配置され、気密性膜部材を補強する補強部材と、の少なくとも2部材を有することで多層構造とされていることを特徴とする。

0008

従って、この可撓性膜堰の可撓性膜に流体を供給すると、可撓性膜の気密性膜部材が起立して、可撓性膜の外部の流体の流れを遮る。気密性膜部材は、供給された流体によって膨張するように気密性が保持されているので、不用意に内部の流体が漏れ出してしまうことはなく、可撓性膜は確実に起立する。

0009

また、可撓性膜は、補強部材を有しており、気密性膜部材は補強部材によって補強されている。従って、可撓性膜を大型化しても、起立時の大きな張力に耐えられるようにするために過度に気密性膜部材を厚くする必要はない。このため、可撓性膜全体としても、過度に厚くならないので、可撓性膜を容易に製造できる。さらに、可撓性膜の基盤への固定や施工も容易に行うことができる。

0010

しかも、補強部材は気密性膜部材に対し、別体で接触配置されている。従って、修理や交換のときにも、その必要が生じた部材のみにこれら作業を行えばよく、作業工程を単純化して容易に行うことができる。

0011

このように、可撓性膜を、気密性膜部材と補強部材とを少なくとも有する多層構造とし、各層に、可撓性膜に求められる機能(気密性保持と強度維持)を分担させることで、大型化しても各層の構造を単純化できる。これにより、製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理や交換も容易に行うことの可能な可撓性膜堰を得ることが可能になる。

0012

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記可撓性膜が、その最外層に、前記気密性膜部材及び前記補強部材と別体で配置され、気密性膜部材及び補強部材を保護する保護部材、を備えていることを特徴とする。

0013

従って、気密性膜部材及び補強部材に対し例えば外力が作用しても、この外力によって気密性膜部材及び補強部材が磨耗や外傷等の損傷を受けることを防止できる。また、気密性膜部材及び補強部材の物理的変化化学的変化に起因する劣化も防止することができる。

0014

しかも、この保護部材も補強部材又は気密性膜部材と別体で配置することで、修理や交換を、その必要がある部材のみ行うことができるので、作業が容易になる。

0015

請求項1又は請求項2に記載の発明において、補強部材の構成は、気密性膜部材を補強できれば特に限定されないが、例えば、その材質としては、請求項3に記載のように、前記補強部材を、可撓性を有する金属材料により構成することができる。これにより、可撓性膜全体の厚みを増大させることなく、必要な強度を得ることができる。

0016

また、補強部材の構造としては、請求項4に記載のように、前記気密性膜部材の短手方向に沿って、且つ長手方向に所定間隔を空けて配置された複数の第1ワイヤーと、前記気密性膜部材の長手方向に沿って配置され、前記第1ワイヤーとの交点で第1ワイヤーに固着された第2ワイヤーと、を備える略格子状に構成されている構造とすることができる。この構造では、第1ワイヤーによって必要な強度を得ることができる。また、第2ワイヤーによって、第1ワイヤーの位置ずれが防止されるので、第1ワイヤーが発揮する強度を維持できる。

0017

請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の可撓性膜堰を基盤に据付固定するための可撓性膜堰据付構造であって、前記基盤に、倒伏状態の前記可撓性膜を収容可能な収容凹部が形成されていることを特徴とする。

0018

このため、倒伏状態の可撓性膜は、基盤に形成された収容凹部に収容され、可撓性膜上の流体の流れに影響を及ぼさない。また、倒伏状態の可撓性膜の上方を、例えば船舶等が通行する場合にも、可撓性膜が邪魔にならない。

0019

請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記収容凹部から立設され、倒伏状態の可撓性膜を局所的に支持する支持部材、を有することを特徴とする。

0020

従って、倒伏状態の可撓性膜は、その一部が支持部材によって支持されるが、他の部分は、支持部材によって支持されないことになり、上下にジグザクに曲がって収容凹部内に収容される。すなわち、倒伏状態での可撓性膜の不用意な折れ曲がりや重合を防止できる。

発明を実施するための最良の形態

0021

図1には、本発明の一実施形態の可撓性膜堰12が、港湾に据え付けられた状態で示されている。また、図2図5には、この可撓性膜堰12の詳細構造が示されている。港湾には2つの防波堤14(図1では一方のみ示し、他方は省略)があらかじめ設置されており、さらに、これらの防波堤14に間に連続して据付基盤16が設けられている。なお、可撓性膜堰12の据え付け場所としては、港湾に限られず、要するに、流体の流れを必要に応じて止めたり、流体を2つの領域に隔てたりするような場所であればよい。

0022

図2及び図3に示すように、可撓性膜堰12は、必要に応じて起立又は倒伏する可撓性膜18を有している。この可撓性膜18に、後述するように、図示しない流体供給装置から海水又は空気が供給されると、可撓性膜18が起立し、港湾の内側と外側とを隔離する。

0023

可撓性膜18は、据え付け場所に対応した形状に形成されており、図示しない取り付け金具によって据付基盤16に据付固定されている。

0024

また、可撓性膜18は、図4にも詳細に示すように、上下に配置されたゴム膜体20、22と、これらゴム膜体20、22の間に配置され、ゴム膜体20、22とは別体とされた補強ワイヤー体24とを有する3層構造とされている。

0025

下側のゴム膜体20は、供給された流体を漏出させることがないような気密性を有する袋状に形成されている。この内部に供給された海水又は空気によってゴム膜体20が伸び、可撓性膜18が起立する。内部の海水又は空気が排出されるとゴム膜体20が縮み、可撓性膜18が倒伏する。なお、ゴム膜体20の材質は、このような条件(気密性及び伸縮性)を満たせば特に限定されないが、例えば、図4に示すように、従来から使用されている繊維補強ゴム膜体(ゴム26や合成樹脂等の弾性体の内部に綿、合成繊維等からなる1枚または複数枚の織布または繊維コード等よりなる補強層(例えば補強布28等)を含んで一体化されたもの)を使用することができる。あるいは、これら補強層を含んでいなくても良い。

0026

補強ワイヤー体24は、第1ワイヤー30と第2ワイヤー32とで構成されている。第1ワイヤー30は、可撓性膜18の短手方向に沿って、且つ可撓性膜18の長手方向に所定間隔をあけて複数配置されており、ゴム膜体20を補強している。

0027

これに対し第2ワイヤー32は、可撓性膜18の長手方向に沿って複数配置されており、第1ワイヤー30との交点において第1ワイヤー30に固着されて、補強ワイヤー体24は全体として略格子状になっている。これにより、第1ワイヤー30が所定位置に保持され、不用意に移動しなくなるので、第1ワイヤー30どうしの間隔も一定に維持される。なお、第1ワイヤー30と第2ワイヤー32とを固着させる具体的構造は限定されないが、例えば金具等を使用すると、簡易な構成で、且つ簡単に固着できる。

0028

また、第1ワイヤー30及び第2ワイヤー32の材質は、それぞれに求められる機能を果たすと共に、可撓性膜18の起立及び倒伏を阻止しない程度の可撓性を有していれば特に限定されない。求められる強度の条件を満たすと共に可撓性膜18全体を不用意に厚くしないためには、例えば、ワイヤーロープ等の金属製ロープとすることが好ましく、スチールワイヤーロープとすることがさらに好ましいが、これらの第1ワイヤー30及び第2ワイヤー32に作用する張力が小さい場合には、ナイロン等の樹脂製としてもよい。また、第1ワイヤー30及び第2ワイヤー32の太さも限定されないが、補強ワイヤー体24の構造上、第1ワイヤー30には第2ワイヤーよりも大きな張力が作用することを考慮し、本実施形態では第1ワイヤー30を第2ワイヤー32よりも相対的に太くして、強度維持と軽量化を両立させている。

0029

上側のゴム膜体22は、補強ワイヤー体24及び下側のゴム膜体20のうち、少なくとも外部に露出している部分を覆うことができる形状に形成されている。これにより、可撓性膜18に外力が作用しても、この外力がゴム膜体22によって吸収される。これにより、補強ワイヤー体24及びゴム膜体20は外力から保護され、磨耗や損傷が防止される。さらに、補強ワイヤー体24及びゴム膜体20に対して物理的変化や化学的変化が起こらないようにし、これらに起因する補強ワイヤー体24及びゴム膜体20の劣化を防止している。なお、ゴム膜体22は、可撓性膜18の起立及び倒伏を不用意に制限することがないように、所定の弾性を有している。

0030

ゴム膜体22の材質は、補強ワイヤー体24及びゴム膜体20を確実に保護でき、且つ可撓性膜18の起立及び倒伏を不用意に制限しなければ特に限定されないが、例えば、ゴム膜体20と同様、図4に示すように、従来から使用されている繊維補強ゴム膜体を使用することができる。

0031

このようにして、3層構造とされた可撓性膜18が、図2及び図3に示すように、港湾の据付基盤16に据え付けられる。

0032

据付基盤16には、可撓性膜18に対応した収容凹部34が形成されている。収容凹部34の底面からは、1又は複数(本実施形態では4本)の支持ブロック36が立設され、その上部に、回転ローラスペーサ38が取り付けられている。図5(A)に示すように、可撓性膜18は倒伏状態で局所的に回転ローラスペーサ38によって支持され、上下に波を打ったように湾曲される。これにより、可撓性膜18の実質的な幅が収容凹部34の幅よりも長い場合でも、可撓性膜18を不用意に屈曲させたり、部分的に重合させたりすることなく、収容凹部34内に収容することができる。

0033

また、収容凹部34に収容された可撓性膜18が収容凹部34から上方に突出しないように(あるいは、突出しても突出長が僅かとなるように)、支持ブロック36及び回転ローラスペーサの形状が決められている。これにより、可撓性膜18は収容状態で上方に突出しないので、可撓性膜18の上方を船舶等が通行する際に、可撓性膜18が邪魔にならない。

0034

なお、可撓性膜18が倒伏する途中で回転ローラスペーサ38に接触し、さらに可撓性膜18が倒伏すると、可撓性膜18が回転ローラスペーサ38に対して幅方向にずれることがある。本実施形態では、回転ローラスペーサ38を採用し、この回転ローラスペーサ38の回転を利用することで、可撓性膜18の擦れによる損傷を防止している。

0035

次に、本実施形態の可撓性膜堰12の作用を説明する。

0036

可撓性膜18は、倒伏状態では図5(A)に実線で示すように(図3においても二点鎖線で示すように)、収容凹部34内に収容され、可撓性膜堰12は港湾を2つの領域に区分することはない。また、可撓性膜18は収容凹部34から上方に突出していないので、可撓性膜18の影響受けることなく、可撓性膜18の上方を船舶等が支障なく通行できる。

0037

可撓性膜18を起立させるときには、図示しない流体供給装置から流体を供給する。このとき、まず、図5(A)に二点鎖線で示すように、可撓性膜18が海水面Sと同程度の高さに至るまでは、可撓性膜18内に液体を供給することが好ましい。すなわち、気体を可撓性膜18内に供給した場合には、外部の海水圧によって可撓性膜18の起立に抵抗が生じることがあるが、液体を供給すると、外部の海水圧の影響を小さくして、可撓性膜18を効率的に起立させることが可能になる。

0038

これに対し、可撓性膜18が海水面Sと同程度の高さに至った後は、可撓性膜18内に空気を供給することが好ましい。すなわち、これにより、液体を可撓性膜18内に供給した場合と比較して、内部の液体自体の重量が可撓性膜18に作用しなくなるので、可撓性膜18を容易に起立させることが可能になる。

0039

なお、供給する液体及び気体としては、可撓性膜18の周囲の海水及び空気を利用すると、低コストで供給でき、好ましい。

0040

可撓性膜18が起立して、その上端が海水面Sよりも上方に位置すると、港湾は可撓性膜堰12によって2つの領域に区分される。

0041

ここで、本実施形態の可撓性膜堰12では、可撓性膜18が、ゴム膜体20と補強ワイヤー体24とを有する構造とされており、可撓性膜18の密閉性維持に関してはゴム膜体20が、可撓性膜18の強度維持に関しては補強ワイヤー体24がそれぞれの作用を分担している。ゴム膜体20によって、可撓性膜18の気密性を確実に維持することで、供給された流体が不用意に漏れ出すことはなく、可撓性膜18は確実に起立する。

0042

また、補強ワイヤー体24によって可撓性膜18が補強されているので、従来よりも可撓性膜堰12が大型化されていても、起立時に作用した大きな張力を、補強ワイヤー体24(特に、第1ワイヤー30)に負担させることができる。従って、過度に可撓性膜18全体を厚くすることなく、その気密性や強度、起立安定性等を確保できる。このため、可撓性膜18を容易に製造でき、さらに、据付基盤16への据付(固定や施工)等も容易に行うことができる。しかも、このように各層に求められる機能(作用)を特定化することで、各層の構造を単純化できる。

0043

特に、本実施形態の補強ワイヤー体24では、ゴム膜体20を主に補強する第1ワイヤー30に加えて、この第1ワイヤー30の位置ずれを防止する第2ワイヤー32を備えている。このように第1ワイヤー30の位置ずれを防止することで、第1ワイヤー30の発揮する強度を維持でき、ゴム膜体20を長期にわたって効果的に補強できる。

0044

また、本実施形態の可撓性膜堰12において、可撓性膜18を構成する補強ワイヤー体24は、ゴム膜体20と別体で接触配置されている。従って、可撓性膜18の修理や交換のときに、その必要が生じた部材(補強ワイヤー体24とゴム膜体20の一方)のみにこれら作業を行えばよく、作業工程を単純化して容易に行うことが可能になる。

0045

しかも、本実施形態の可撓性膜堰12では、可撓性膜18の補強ワイヤー体24のさらに外側(上方)にもゴム膜体22を接触配置しており、可撓性膜18に外力が作用しても、この外力がゴム膜体22によって吸収されるようになっている。これにより、補強ワイヤー体24及びゴム膜体20は外力から保護され、磨耗や損傷が防止されるので、可撓性膜18としても、その機能を長期間にわたって維持できる。加えて、このゴム膜体22も補強ワイヤー体24及びゴム膜体20と別体とされているので、修理や交換をこのゴム膜体22のみに対して行うことも可能となり、作業工程を単純化できる。

0046

もちろん、ゴム膜体22がない構成であっても、可撓性膜18の磨耗や損傷等が防止される場合には、ゴム膜体22を省略して、より計量且つ低コストで可撓性膜堰12を構成してもよい。但し、可撓性膜18の補強ワイヤー体24の磨耗や錆(特に、可撓性膜堰12を港湾に据え付けた場合には、海水によってさびやすくなる)をより確実に防止する観点からは、ゴム膜体22を有する構成とすることが好ましい。

0047

また、可撓性膜18としては、さらに多くの層(ゴム膜体20及び補強ワイヤー体24)を備えた多層構造とされていてもよい。

0048

なお、可撓性膜堰12の大きさは、可撓性膜18を確実に起立させることができる程度であれば特に限定されないが、堰高H(可撓性膜18が起立時した状態での据付基盤16の上面から可撓性膜18の上端までの高さ、図3参照)を10m以上とすることができ、可撓性膜18の形状や材質を適切にすることで、さらにこの堰高Hの上限を30m以上とすることも可能である。例えば、据付場所水深Dとして20〜25m程度、有義波高Mとして5m程度の場合には、少なくとも30mの堰高Hが必要とされるため、本実施形態の可撓性膜堰12を好適に採用できる。

発明の効果

0049

本発明は上記構成としたので、大型化しても製造及び基盤への据付が容易で、且つ、修理や交換も容易に行うことが可能になる。

図面の簡単な説明

0050

図1本発明の一実施形態の可撓性膜堰が港湾に据付固定された状態を概略的に示す斜視図である。
図2本発明の一実施形態の可撓性膜堰を破断して示す斜視図である。
図3本発明の一実施形態の可撓性膜堰を示す断面図である。
図4本発明の一実施形態の可撓性膜堰の可撓性膜を拡大して示す断面図である。
図5本発明の一実施形態の可撓性膜堰の可撓性膜の倒伏及び起立の各状態を示す断面図であり、(A)は倒伏状態、(B)は起立状態である。

--

0051

12 可撓性膜堰
16据付基盤
20ゴム膜体(気密性膜部材)
22 ゴム膜体(保護部材)
24補強ワイヤー体(補強部材)
30 第1ワイヤー
32 第2ワイヤー
34収容凹部
36支持ブロック(支持部材)
38回転ローラスペーサ(支持部材)

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