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技術 五フッ化ヨウ素によるフッ素化スルフィド類の製造法

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 福原彊原正治足達健二
出願日 2001年11月9日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-344871
公開日 2003年5月21日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2003-146965
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード フッ素樹脂容器 反応位置 ソジウムボロハイドライド プロピレンカーボナート ジブロモヘキサフルオロプロパン テトラフルオロプロパン ジフェニル基 スルフィン酸誘導体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

広範囲スルフィド類について、IF5共存下にその水素原子フッ素原子置換する汎用的なフッ素化スルフィド類の製造法を提供する

解決手段

水素原子を少なくとも1つ有する式(1)

化1

(式中X、X1、X2、Y、R及びnは請求項1に定義される通りである。)で示されるスルフィド類を、IF5の存在下に反応させて、少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置換することを特徴とするフッ素化スルフィド類の製造法。

概要

背景

スルフィドの側鎖の炭素原子に結合した水素原子をIF5を用いて、フッ素原子置換した例としては、(1)国際出願番号PCT/JP01/05017、(2)Chemistry Letters,2001,222が報告されている。しかしながら、いずれの報告例においてもスルフィド類フッ素化において、硫黄のα位の電子求引性基の結合した炭素上の水素原子のみのフッ素置換であるか、または硫黄に結合したメチル基のフッ素化であり、α位の炭素に電子吸引性基の結合していない、メチル基以外のスルフィド側鎖をフッ素化した例はなく、スルフィド類の側鎖においてα位の炭素以外の炭素に結合した水素原子を、IF5でフッ素原子に置換した例は一切ない。さらにこのようなフッ素化反応において転位を伴う例はまったく報告されていない。

概要

広範囲なスルフィド類について、IF5共存下にその水素原子をフッ素原子に置換する汎用的なフッ素化スルフィド類の製造法を提供する

水素原子を少なくとも1つ有する式(1)

(式中X、X1、X2、Y、R及びnは請求項1に定義される通りである。)で示されるスルフィド類を、IF5の存在下に反応させて、少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置換することを特徴とするフッ素化スルフィド類の製造法。

目的

本発明の目的は、広範囲なスルフィド類について、IF5共存下にその水素原子をフッ素原子に置換する汎用的なフッ素化スルフィド類の製造法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

水素原子を少なくとも1つ有する式(1)

請求項

ID=000003HE=025 WI=037 LX=0415 LY=0450(式中X、X1、X2およびYは各々独立して水素原子、ハロゲン原子アルキル基シクロアルキル基ヘテロシクロアルキル基ハロアルキル基アラルキル基アリール基アルコキシ基アリールオキシ基アラルキルオキシ基アルコキシカルボニルアリールオキシカルボニル基アラルキルオキシカルボニル基アシル基、−CONR1R2(R1及びR2は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)、アルキルスルフィニル基アラルキルスルフィニル基アリールスルフィニル基シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基アラルキルスルホニル基アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基、複素環基シアノ基またはニトロ基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を示す。nは1から20までの整数を示す。)で示されるスルフィド類を、IF5の存在下に反応させて、少なくとも1つの水素原子をフッ素原子置換することを特徴とするフッ素化スルフィド類の製造法

請求項2

式(1)で示されるスルフィド類において、硫黄原子のα位および/または硫黄原子のα位以外の反応位置で水素原子をフッ素原子に置換する請求項1記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

請求項3

式(1)で示されるスルフィド類のフッ素化において、転位反応を伴う請求項1および2記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

請求項4

IF5およびHFの存在下に反応を行なうことを特徴とする請求項1、2および3記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

請求項5

IF5、HF、および有機塩基及び/又は常温溶融塩の存在下に反応を行なうことを特徴とする請求項1、2および3記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

請求項6

有機塩基がトリエチルアミンである請求項5記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

技術分野

19F-NMR(CDCl3) δ-144.93--144.77 (1F, m), -135.74 (1F, ddd, J=12.8 Hz,J=53.7 Hz, J =283.8 Hz),-127.97 (1F, ddd, J=283.8, J=53.7, J=12.8)

背景技術

0001

本発明は、五フッ化ヨウ素(IF5)によるフッ素化スルフィド類製造法に関する。

発明が解決しようとする課題

0002

スルフィドの側鎖の炭素原子に結合した水素原子をIF5を用いて、フッ素原子置換した例としては、(1)国際出願番号PCT/JP01/05017、(2)Chemistry Letters,2001,222が報告されている。しかしながら、いずれの報告例においてもスルフィド類のフッ素化において、硫黄のα位の電子求引性基の結合した炭素上の水素原子のみのフッ素置換であるか、または硫黄に結合したメチル基のフッ素化であり、α位の炭素に電子吸引性基の結合していない、メチル基以外のスルフィド側鎖をフッ素化した例はなく、スルフィド類の側鎖においてα位の炭素以外の炭素に結合した水素原子を、IF5でフッ素原子に置換した例は一切ない。さらにこのようなフッ素化反応において転位を伴う例はまったく報告されていない。

課題を解決するための手段

0003

本発明の目的は、広範囲なスルフィド類について、IF5共存下にその水素原子をフッ素原子に置換する汎用的なフッ素化スルフィド類の製造法を提供することにある。

0004

本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、広範囲のスルフィド化合物が、IF5共存下にフッ素化できることを見出した。すなわち、本発明は、下記の項1〜項6に関する。
項1.水素原子を少なくとも1つ有する式(1)

0005

0006

(式中X、X1、X2およびYは同一または独立して水素原子、ハロゲン原子アルキル基シクロアルキル基ヘテロシクロアルキル基ハロアルキル基アラルキル基アリール基アルコキシ基アリールオキシ基アラルキルオキシ基アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アラルキルオキシカルボニル基アシル基、−CONR1R2(R1及びR2は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す、)、アルキルスルフィニル基アラルキルスルフィニル基アリールスルフィニル基シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基アラルキルスルホニル基アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基、複素環基シアノ基ニトロ基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アラル基、アリール基、複素環基を示す。nは1から20までの整数を示す。)で示されるスルフィド類を、IF5の存在下に反応させて、少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置換することを特徴とするフッ素化スルフィド類の製造法。
項2. 式(1)で示されるスルフィド類において、硫黄原子のα位および/または硫黄原子のα位以外の反応位置で水素原子をフッ素原子に置換する請求項1記載のフッ素化スルフィド類の製造法。
項3. 式(1)で示されるスルフィド類のフッ素化において、転位反応を伴う請求項1および2記載のフッ素化スルフィド類の製造法。
項4. IF5およびHFの存在下に反応を行なうことを特徴とする請求項1、2および3記載のフッ素化スルフィド類の製造法。
項5. IF5、HF、および有機塩基及び/又は常温溶融塩の存在下に反応を行なうことを特徴とする請求項1、2および3記載のフッ素化スルフィド類の製造法。
項6. 有機塩基がトリエチルアミンである請求項5記載のフッ素化スルフィド類の製造法。

0007

一般式(1)において、たとえばn=3の場合は式(2)のようになり、3個のX1および3個のX2は、それぞれ、同一でも異なってもよい)

0008

0009

〔式中、R、X,X1,X2及びYは、前記に定義される通りである。〕
本発明により得られる少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置換したフッ素化物は、例えば下記の式(1A)で表される:

0010

0011

(式中Xa、X1a、X2aおよびYaは同一または独立して水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子を含む)、フッ素化されていてもよいアルキル基、フッ素化されていてもよいシクロアルキル基、フッ素化されていてもよいヘテロシクロアルキル基、フッ素化されていてもよいハロアルキル基、フッ素化されていてもよいアラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、−CONR1R2(R1及びR2は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す、)、アルキルスルフィニル基、アラルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基、複素環基、シアノ基、ニトロ基を示し、Raは、フッ素化されていてもよいアルキル基、フッ素化されていてもよいシクロアルキル基、フッ素化されていてもよいハロアルキル基、フッ素化されていてもよいアラルキル基、アリール基、複素環基を示す。Rbは水素原子またはフッ素原子を示す。nは1から20までの整数を示す。)
本発明の製造法によると、置換基の転位が起こり得るので、得られたフッ素化物は上記式(1A)で表されるが、フッ素化前の原料化合物とは構造ないし骨格が変わる場合があり得る。

0012

また、国際出願番号PCT/JP01/05017及びChemistry Letters, 2001, 222に報告されているIF5による種々のフッ素化反応が起こり得る部分構造を本発明のスルフィド類が有している場合、そのようなフッ素化反応が本発明のフッ素化反応と同時にまたは段階的に起こってもよい。

0013

本発明における水素原子をフッ素原子に置換する反応については、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、アミド基などのカルボニル(CO)基を介して結合している置換基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などの酸素原子を介して結合している置換基、さらに、アルキルスルフィニル基、アラルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基などのスルフィニル(SO)系の置換基、アルキルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基などのスルホニル(SO2)系の置換基上の水素原子はフッ素化されない。

0014

本発明の水素原子を少なくとも1つ有する式(1)で示されるスルフィド類において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子臭素原子ヨウ素原子が挙げられる。

0015

アルキル基としては、メチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルヘプチルオクチル、ノニルデシルウンデシルドデシルトリデシルテトラデシルペンタデシル、ヘキサデシルヘプタデシル、オクタデシルなどの直鎖または分枝を有するC1〜C18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの直鎖または分枝を有するC1〜C6アルキル基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0016

シクロアルキル基としては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチルシクロオクチルなどのC3〜C8シクロアルキル基が挙げられ、C3〜C7シクロアルキル基が好ましく、置換基が結合していてもよい。

0017

ヘテロシクロアルキル基としては、前記のシクロアルキル基の環状構造を形成する1個若しくはそれ以上の炭素原子が、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などで置換されたものが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0018

ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基トリフルオロエチル基、トリクロロエチル基、テトラルロエチル基パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、1H,1H,3H-テトラフルオロプロピル基、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル基などの、直鎖または分枝を有するC1〜C18、好ましくはC1〜C6の前記アルキル基において、1個〜全ての水素原子がハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。

0019

アラルキル基としては、2−フェニルエチルベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等のC7〜C20アラルキル基などが挙げられる。

0020

アリール基としては、フェニル基メチルフェニル基クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ジフェニル基ナフチル基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0021

アルコキシ基としては、O−(アルキル基、アルキル基は前記と同じ)で表される基であり、例えばメトキシエトキシ、n−プロポキシイソプロポキシ、n−ブトキシイソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシヘキシルオキシなどの直鎖または分枝を有するC1〜C6アルコキシ基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0022

アリールオキシ基としては、フェノキシ基クロロフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0023

アラルキルオキシ基としては、2−フェニルエチルオキシベンジルオキシ、1−フェニルエチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、4−フェニルブチルオキシ等のC7〜C20アラルキルオキシ基などが挙げられる。

0024

アルコキシカルボニル基としては、アルコキシ基が前記に示される基であるCO−(アルコキシ)基が例示され、具体的にはメトキシカルボニルエトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが例示される。

0025

アリールオキシカルボニル基としては、アリールオキシ基が前記に示される基であるCO−(アリールオキシ)基が例示され、具体的にはフェノキシカルボニル基、クロロフェノキシカルボニル基、メトキシフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0026

アラルキルオキシカルボニル基としては、アラルキルオキシ基が前記に示される基であるCO−(アラルキルオキシ)基が例示され、具体的には2−フェニルエチルオキシカルボニルベンジルオキシカルボニル、1−フェニルエチルオキシカルボニル、3−フェニルプロピルオキシカルボニル、4−フェニルブチルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられ、置換基が結合していてもよい。

0027

アシル基としては、ホルミルアセチルプロピオニル、n−ブチリルイソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどの直鎖又は分枝を有する炭素数1〜6のアルカノイル基ベンゾイル及び置換アシル基が挙げられる。

0028

置換基を有するアシル基としては、クロロアセチル基、ブロモアセチル基ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基等の置換アセチル基、メトキシアセチル基、エトキシアセチル基等のアルコキシ置換アセチル基、メチルチオアセチル基等のアルキルチオ置換アセチル基、フェノキシアセチル基フェニルチオアセチル基、2−クロロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、4−シアベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基等の置換ベンゾイル基などが挙げられる。

0029

−CONR1R2(R1及びR2は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す、)としては、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-クロロフェニルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基などが挙げられる。

0031

アルキルスルフィニル基、アラルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基、複素環基の結合したスルフィニル基のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基としては前記のものが例示される。

0032

アルキルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基、複素環基の結合したスルホニル基のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環基としては前記のものが例示される。

0033

置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルコキシ基、置換基を有するアリール基、置換基を有するアリールオキシ基、置換基を有するアラルキルオキシ基、置換基を有するシクロアルキル基、置換基を有するヘテロシクロアルキル基、置換基を有する複素環基などの置換基の数は、1〜5個、好ましくは1〜3個が挙げられる。置換基としては、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アミノ基、水酸基などが挙げられ、ハロゲンを有するアルキル基としては、アルキル基の水素の一部またはすべてがフッ素または/かつ塩素または/かつ臭素または/かつヨウ素に置換したものが挙げられる。

0034

転位を伴うフッ素化反応は、実施例1で示されているように構造の骨格が変化する場合がある。この反応については、以下の反応機構Iが考えられる。反応途中に生成すると考えられる二重結合立体化学は不明である。

0035

0036

すなわち、スルフィドの側鎖のα位の水素原子がIF5によりフッ素化された後、脱HFが起こりオレフィンが生成し、ついでこれに系内で発生したIFの付加が起こる。ヨウ素の脱離により生成する3員環チオフェニウム塩に対し、Fアニオン攻撃することで開環し転位反応が進行するものと考えられる。さらに転位後、スルフィドのα位のフッ素化が進行する。実施例1ではα位に未置換の水素が1つ残っているが、IF5の当量数を増やすことでフッ素に置換することが可能であり、また逆に当量数を減らすことでα位のメチレンの水素を2つ残すことも可能である。式(1)の化合物において、フッ素置換部位が複数ある場合には、このように、IF5の量を調節するか、反応条件(反応時間、反応温度、HFの添加の有無、有機塩基ないし常温溶融塩の添加の有無)を調節することで、1個のみのフッ素置換を行ったり、2個以上の適当な数及び置換位置のフッ素置換を行うことができる。

0037

実施例2もまた、実施例1と同様に説明できる。

0038

実施例3で炭素数4のアルキル鎖ポリフッ素化が進行しているが、このフッ素化反応もまた、実施例1と同様の転位を伴う反応機構IIで進行している可能性が考えられる。反応途中に生成すると考えられる二重結合の立体化学は不明である。

0039

0040

IF5の当量数を変化させることで、フッ素化の程度をコントロールすることも可能である。

0041

実施例4はIF5と常温溶融塩であるEt3N-3HF を共存下にフッ素化反応を実施したもので、同様の転位反応が進行し、フッ素化スルフィド8が生成した。化合物8は、まさに図2で示された途中の中間体である。これは実施例3が4.8倍モルのIF5を使用しているのに対し、実施例4では1.2倍モルのIF5しか用いていないためである。この結果はIF5の当量数を変化させることで、フッ素置換の数を自由にコントロールできることを示している。IF5/Et3N-3HFを用いると、IF5の反応性マイルドになり、より選択的なフッ素化反応を実施する上で、好結果をもたらし得る。

0042

転位反応はスルフィド側鎖のどの位置で起こってもよく、転位する側鎖に種々の官能基が結合していてもよい。フッ素化の進行度はIF5の当量数に依存し、その値はフッ素化される基質に対し、どの程度の水素原子をフッ素に置換するかによって決定され、IF5は原料化合物の0.5倍モル以上使用するのが好ましい。

0043

本発明のフッ素化はIF5のみを用いて実施することができるが、HFの存在下またはHFおよび有機塩基および/または常温溶融塩の存在下に行うこともできる。

0044

有機塩基としては、脂肪族アミン第一級アミン第二級アミン第三級アミン)、脂環式アミン(第二級アミン、第三級アミン)、芳香族アミン(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)、複素環式アミンなどの有機塩基;ここで、脂肪族第一級アミンとしては、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンブチルアミンペンチルアミンヘキシルアミンシクロヘキシルアミンエチレンジアミン等が挙げられ、脂肪族第二級アミンとしては、ジメチルアミンジエチルアミンジプロピルアミンジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミンジシクロヘキシルアミン等が挙げられ、脂肪族第三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられ;脂環式第二級アミンとしては、ピペリジンピペラジンピロリジンモルホリンが例示され、脂環式第三級アミンとしては、N−メチルピペラジン、N−メチルピロリジン、5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが例示され;芳香族アミンとしては、アニリンメチルアニリンジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ハロアニリンニトロアニリン等が挙げられ;複素環式アミンとしては、ピリジンピリミジン、ピペラジン、キノリンイミダゾールなどが例示され、さらにポリアリルアミンポリビニルピリジン等のポリマー担持アミン化合物が挙げられる;またはこれらの混合物を例示することができる。

0045

本発明で用いる上記の有機塩基の使用量は、触媒量から大過剰の範囲で選ぶことができるが、フッ素化される水素原子含有有機化合物モルに対し、好ましくは0.01〜20モル、さらに好ましくは0.1モル〜10モルである。

0046

本発明で用いるHFの使用量は、触媒量から大過剰の範囲で選ぶことができるが、好ましくはフッ素化される水素原子含有有機化合物1モルに対し、0.01モル〜100モル、さらに好ましくは0.1モル〜20モルである。

0047

常温溶融塩としては、 (C2H5)4NF、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフルオライド、(C2H5)3N−(HF)n、(C2H5)4NF−(HF)n、(n−C4H9)3N−(HF)n、(n−C4H9)4NF−(HF)n、BF3・Et2O−(HF)nなど(n=1〜20)のフッ素アニオンないしHFを有する常温溶融塩が挙げられる。

0048

反応溶媒は、使用してもしなくてもよいが、好ましくは使用される。反応溶媒としては、ペンタンヘキサンヘプタンシクロヘキサン石油エーテルなどの脂肪族溶媒ジクロロメタンジクロロエタンクロロホルムフルオロトリクロロメタン、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン、2-クロロ-1,2-ジブロモ-1,1,2-トリフルオロエタン、1,2-ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2-ジブロモテトラフルオロエタン、1,1-ジフルオロテトラクロロエタン、1,2-ジフルオロテトラクロロエタン、ヘプタフルオロ-2,3,3-トリクロロブタン、1,1,1,3-テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1-トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,1-トリクロロトリフルオロエタン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのハロゲン化脂肪族溶媒、ギ酸メチルギ酸エチル酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピルプロピオン酸メチルγ−ブチロラクトンプロピレンカーボナートなどのエステル溶媒アセトニトリルプロピオニトリルなどのニトリル溶媒ベンゼンクロロベンゼントルエンジクロロベンゼンフルオロベンゼンニトロベンゼンなどの芳香族溶媒ジエチルエーテルジプロピルエーテルテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、ジメチルスルホキシドDMSO)、水、ニトロメタン、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンDMI)、テトラメチルウレア、1,3−ジメチルプロピレンウレア、ヘキサメチルフォスフォルアミド(HMPA)などが挙げられ、単独もしくは任意の2種以上の混合物として用いられる。

0049

反応温度は、−70℃から200℃、好ましくは−20℃から100℃の範囲で行われ、 反応時間は、5分間〜200時間行うことができ、目的とするフッ素化の位置及び置換フッ素原子数に応じて適宜設定できる。

0050

反応後の後処理については、過剰に酸化された有機化合物還元するため、または過剰に残ったIF5またはIF5由来酸化力のある化合物を還元するため、無機有機の様々な還元剤を添加してもよい。

0051

還元剤としては、亜鉛末、スズ、塩化スズ、鉄、アルミニウムチオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン産、ブチルチンハイドライドソジウムボロハイドライドリチウムアルミニウムハイドライドなどが挙げられるが、還元性のある化合物であれば何でもよい。

0052

このようにして得られたフッ素化スルフィド類は、通常実施され得る有機合成反応により、種々の誘導体に変換され得る。たとえば、酸化反応により、対応するスルホキシド誘導体スルホン誘導体スルホキシイミン誘導体あるいはチオフェニウム塩などへの変換が可能である。さらに、たとえばPummere転位のような反応を行い、別の誘導体に導くことも可能であり、硫黄−炭素結合を切断してチオール誘導体スルフィン酸誘導体スルホン酸誘導体を合成することもできる。また脱硫黄反応を行ってもよい。

0053

フッ素化スルフィド類あるいはこれから誘導され得る種々の誘導体は、さまざまな医薬中間体農薬中間体機能性材料中間体となり得る。機能性材料としてはたとえば、液晶材料界面活性剤、PAG、レジストレベリング剤、ARCOR、PFOSなどが挙げられ、これらの中間体として有用である。

0054

以下、本発明をより詳しく説明するため実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1

0055

0056

フッ素樹脂容器にIF5-CH2Cl2 (16.7 mol%)(1.2 mmol)を入れ、ヘキサン4 mlに溶かした化合物1、231mg(1.0 mmol)を室温で滴下し、攪拌しながら室温で25時間、フッ素化反応を行った。反応後、反応溶液氷水クエンチングし、エーテル20 mlで4回抽出した。有機相を10% Na2S2O3 aq、飽和NaHCO3 aq、飽和NaCl aqで洗浄し、その後カラムクロマトグラフィーで単離精製し、化合物2を233mg(82%)得た。

0057

化合物2のスペクトルデータ
1H-NMR(400MHz, CDCl3) :δ 3.95 (s, 3H), 6.00 (ddd, 1H, J=50.0, 12.2, 9.3Hz), 7.36 (d, 2H, J=8.5Hz), 7.49 (d, 2H, J=8.5Hz).
19F-NMR (376MHz, CDCl3) :δ-167.38 (ddd, 1F, J=50.0, 22.0, 20.1Hz), −115.63 (ddd, 1F, J=268.6, 20.1, 12.2Hz), −144.27 (ddd, 1F, J=268.6, 22.0,9.3Hz).
MS : 378(6), 343(11), 341(6), 286(23), 285(7), 284(M+, 57), 177(37), 176(9), 175(100), 155(7), 145(20), 144(7), 143(53), 111(11), 110(11), 109(5), 108(46), 99(12), 82(7), 75(14), 73(5), 69(9), 63(11), 59(19), 51(9),50(7), 45(6).
HRMS(EI) Calculated for C10H8F3O2ClS : (M+) 283.9885, Found : m/z 283.9880.
実施例2

0058

0059

フッ素樹脂容器にIF5-CH2Cl2 (16.7 mol%)(1.2 mmol)を入れ、ヘキサン4 mlに溶かした基質3、259mg(1.0 mmol)を室温で滴下し、攪拌しながら室温で72時間、フッ素化反応を行った。反応後、反応溶液を氷水でクエンチングし、エーテル20 mlで4回抽出した。有機相を10% Na2S2O3 aq、飽和NaHCO3 aq、飽和NaCl aqで洗浄し、その後カラムクロマトグラフィーで単離精製し、4を224mg(76%)得た。
4のスペクトルデータ
1H-NMR(400MHz, CDCl3) :δ 1.33 (t, 3H, J=7.3Hz), 1.42 (d, 3H, J=7.1Hz),3.51-3.65 (m, 1H), 4.21-4.41 (m, 2H), 7.30 (d, 2H, J=8.6Hz), 7.43 (d, 2H, J=8.6Hz).
19F-NMR (376MHz, CDCl3) :δ −115.56 (dd, 1F, J=255.4, 18.9Hz), −103.36(dd, 1F, J=255.4, 9.2Hz).
実施例3

0060

0061

フッ素樹脂容器にIF5-CH2ClCH2Cl (16.7 mol%)(4.8 mmol)、基質5、201mg(1.0 mmol)を入れ、攪拌しながら室温で68時間、フッ素化反応を行った。反応後、反応溶液を氷水でクエンチングし、エーテル20 mlで4回抽出した。有機相を10% Na2S2O3 aq、飽和NaHCO3 aq、飽和NaCl aqで洗浄し、その後カラムクロマトグラフィーで単離精製し、6を103mg(30%)得た。

0062

6のスペクトルデータ
1H-NMR(CDCl3) δ6.01 (1H, tt, J=52.4 Hz, J=5.4 Hz), 7.41 (2H, d, J=7.8Hz), 7.59 (2H, d, J=7.8 Hz);
19F-NMR (CDCl3) δ-137.62 (2F, dm, J=52.4 Hz), -129.71 (2F, m), -121.48(2F, m),-87.46 (2F, m);
実施例4

0063

0064

フッ素樹脂容器にIF5/Et3N-3HF (1.2 mmol)、塩化メチレン(4 ml)、基質7、201mg(1.0 mmol)を入れ、攪拌しながら40℃で22時間、フッ素化反応を行った。

0065

反応後、反応溶液を氷水でクエンチングし、エーテル20 mlで4回抽出した。有機相を10% Na2S2O3 aq、飽和NaHCO3 aq、飽和NaCl aqで洗浄し、その後カラムクロマトグラフィーで単離精製し、8を112mg(44%)得た。
8のスペクトルデータ
1H-NMR(CDCl3) δ1.16 (3H, t, J=7.6 Hz), 1.88-2.19 (2H, m), 5.49 (1H, dt, J=2.2 Hz, J=53.7 Hz), 7.35 (2H, d, J=8.3 Hz), 7.53 (2H, d, J=8.3 Hz);

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