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技術 無炭化樹木乾溜液の殺菌剤

出願人 株式会社森林研究所
発明者 曽我部俊教
出願日 2001年11月7日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2001-380725
公開日 2003年5月21日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2003-146821
状態 特許登録済
技術分野 農薬・動植物の保存
主要キーワード 含水比率 どぶ漬け 熱風循環ファン 精油分 採集装置 ヒノキ精油 天然系抗菌剤 水蒸気分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年5月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

目的

樹木原料にした、コストが安く、安全で強力な殺菌剤をつくるためになされたものである。

構成

樹木の自由水を除去した後、炭化しない温度で過熱する。その過程で生成される成分と樹木から溶出する成分の水溶液採集する。この水溶液より油分を除去したものを、殺菌剤として使用する。

概要

背景

現在、樹木由来抗菌物質ヒノキ精油に代表される精油類である。しかし少量しか取れず高価であり、油性のため使い勝手も悪い。また抗菌力は強いものではなく、ヒノキ精油ですら黄色ブドウ球菌大腸菌には効果があるが緑膿菌には無効である。

木酢液(樹木乾溜液ともいう)は非常に強い殺菌力はある。しかし、強烈な臭いと強酸性のために殺菌剤として広く使用されることはなかった。

その他、天然系抗菌剤として使用されているものに、カテキンキトサン他のものがあるが、やはり他の殺菌剤に較べて割高で、抗菌力も弱い。そのために広く普及していない。

更に、抗菌防臭を目的に繊維等に加工されている天然物質では、ヒノキ精油の他、ヨモギドクダミアロエシソ、キトサン、カテキン等々があるが、抗菌力はほとんどないのが現状であり、効果の持続時間も短い。

木酢液は繊維に加工した後も強い抗菌作用があり、その効果は長期間持続することを発見して実施したのは発明者であるが、キツイ臭いのために普及しなかった。

このように、殺菌及び利用範囲の面からは、天然系抗菌剤で最も優れた機能の木酢液だが、臭いがキツいため広く利用されていない。

このような、木酢液の優れた機能を保持しつつ、欠点を除去するためになされたのが本発明である。

概要

樹木を原料にした、コストが安く、安全で強力な殺菌剤をつくるためになされたものである。

樹木の自由水を除去した後、炭化しない温度で過熱する。その過程で生成される成分と樹木から溶出する成分の水溶液採集する。この水溶液より油分を除去したものを、殺菌剤として使用する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

炭化樹木乾溜液の製造方法。

請求項2

無炭化樹木乾溜液の殺菌剤としての利用。

請求項3

無炭化樹木乾溜液を加工した殺菌繊維及び殺菌合成樹脂

技術分野

0001

本発明は、樹木原料にした殺菌剤に関する。

背景技術

0002

現在、樹木由来抗菌物質ヒノキ精油に代表される精油類である。しかし少量しか取れず高価であり、油性のため使い勝手も悪い。また抗菌力は強いものではなく、ヒノキ精油ですら黄色ブドウ球菌大腸菌には効果があるが緑膿菌には無効である。

0003

木酢液(樹木乾溜液ともいう)は非常に強い殺菌力はある。しかし、強烈な臭いと強酸性のために殺菌剤として広く使用されることはなかった。

0004

その他、天然系抗菌剤として使用されているものに、カテキンキトサン他のものがあるが、やはり他の殺菌剤に較べて割高で、抗菌力も弱い。そのために広く普及していない。

0005

更に、抗菌防臭を目的に繊維等に加工されている天然物質では、ヒノキ精油の他、ヨモギドクダミアロエシソ、キトサン、カテキン等々があるが、抗菌力はほとんどないのが現状であり、効果の持続時間も短い。

0006

木酢液は繊維に加工した後も強い抗菌作用があり、その効果は長期間持続することを発見して実施したのは発明者であるが、キツイ臭いのために普及しなかった。

0007

このように、殺菌及び利用範囲の面からは、天然系抗菌剤で最も優れた機能の木酢液だが、臭いがキツいため広く利用されていない。

0008

このような、木酢液の優れた機能を保持しつつ、欠点を除去するためになされたのが本発明である。

発明が解決しようとする課題

0009

殺菌・抗菌剤には、有機系、無機系、合成系、天然系とあるが、長期的な人体への影響を考えると天然系が安全で望ましい。

0010

そこで発明者は木酢液の研究を続ける中で、臭いのない木酢液づくりを考えていた。木は無尽蔵であり、その中に様々な機能性物質が含まれていて、抗菌性を有する物質も多く存在する。

0011

多くの研究者も当然に、樹木の抗菌性物質に注目して研究している。しかし現在の研究方法は、成分ごとの抗菌性を調べる方式であるため、抗菌力を持つ成分は多数発見しているが、実用的に使用できるものは見つかっていない。木酢液についても同様に決定的な成分が見つかっていない。

0012

現在、樹木抽出物では精油が最も実用的な抗菌物質と考えられていて、樹木抽出物とは一般的には精油のことを指すほどである。

0013

ところが、精油は香がよいが抗菌力は弱く、持続時間も短い。一部錯体化エステル化等の処理をして抗菌時間の延長を試みてはいるが、コスト的に実用化には至らないと考えられる。

0014

このように、従来の研究の延長線上では、樹木を原料とした実用的な抗菌物質を作ることは不可能で、どう考えても木酢液以外はない。

0015

木酢液は決定的な殺菌物質が不明に関わらず、高濃度ではほぼ全ての細菌を殺菌する。しかも低濃度では一部細菌の繁殖が促進される。

0016

木酢液はくん煙として、肉やの保存のために使われていて、殺菌力は古くから認められていたが、殺菌力のある有効成分については未だ明白ではない。

0017

木酢液は木材の熱分解生成物で、酸およびラクトン類アルコール類エステル類アルデヒド及びその誘導体ケトン類塩基類、炭化水素類フラン類で構成されていることは解っている。ただ成分については未知物質も多く存在し、全部が解明されていないのが実情である。

0018

ここで発明者は、常識を捨てた。無菌化できるような強い殺菌力があるにも関わらず、原因成分が特定されていないということは、殺菌の概念根本的に変えないと説明できない。また薄めると、細菌の成長を促進させることも、従来の常識では説明できない。

0019

そこで、木酢液の殺菌力は熱分解生成物ばかりでなく、本来樹木が持っていた抗菌物質が、炭化過程の途中で混入していると考えた。

0020

樹木が加熱されると、炭化の有無に関わらず、内部の水分は高温になり活発に働く。その為にリグニンの一部をはじめ、様々な物質が溶け出す。それに伴い、各種酵素ホルモンの働きが活性化され、多くの菌が浸入した時と同じ状態になり、対抗するための抗菌物質が多数生成される。

0021

そして、樹木を生物として観察すると、より多くの子孫を繁栄させるために生存する生命である。

0022

強い殺菌成分は自身にも毒になるので、病原菌を含む外敵別に対応するよう、様々な抗菌物質や、抗菌物質原料と殺菌物質生産するシステムも持っていて、必要に応じてそれらを使って、優れた耐病原性をもつと考えるほうが生命活動としては合理的である。よって、特定の物質を調べる現在の研究方法では、樹木原料の実用的な殺菌剤は開発することはできないと確信した。

0023

樹木は生命活動をしていて、病気になると治療システムが活動すると考えたのである。そして木酢液の殺菌力は、熱分解生成物によるものは僅かで、多くは加熱によって生成されるものであり、樹木より溶出するものも含まれると考えた。

課題を解決するための手段

0024

そこで、発明者は木酢液の製造方法を参考にしてニオイのないものを作るよう工夫した。

0025

まず、辺材より自由水を取って実験したが、抗菌性はほとんどなかった。木酢液採集においても、初めに出る水蒸気分、すなわち自由水が主なものは抗菌力がほとんどない。よって樹木にある抗菌力は結合水または、それ以外によるものである。

0026

結合水と自由水を分けて採集することはできないので、樹木の状態で自由水を取り除いておかなければならない。自由水は、水の通り道であるパイプの集まった辺材に多いので、心材と同程度の含水率にする。含水率は樹種伐採時期、場所によって相当違うの辺材では平均すると130%程度、桧で40%程度で、心材の辺材に対する含水比率は杉で1/2弱、桧で1/3弱である。

0027

乾燥させて、辺材の含水率を心材と同程度にして自由水を減少させた後、280℃以下の炭化しない温度で加熱乾燥して、その時発生する結合水主体溶液を採集した。

0028

採集方法図1のごとく、気化した溶液を冷却したものと、樹木より滲出して乾燥機内部に流れ出る溶液を採集するだけの簡単なものである。

0029

採集した溶液は、木酢液のように木が炭化していないために、強烈な臭いがない。性状は無色に近い薄黄色で透明感があり微香で、水より少し粘度がある。PH3.5〜PH6.0までと幅広く、樹種や採集時間によって変化するし、貯蔵していても変化する。比重は1.01〜1.02で水より少し重い。天然物なので不安定であり、木酢液によく似ている。この時、精油が水溶液表面に浮いているので、使い勝手をよくするために除去する。この水溶液を無臭木酢液と命名したいが、熱分解生成物の酢酸がないので木酢液の名は使えない。よって、仮に無炭化樹木乾溜液と呼ぶ。

0030

無炭化樹木乾溜液の殺菌力を調べると、驚異的な効果が判明した。これを繊維に含浸させて乾燥したものを、(財)日本紡績検査協会で試験したところ、殺菌活性値が3.0であり、木酢液より優れた結果であった。この結果は常識では考えられない。

0031

この結果より、無炭化樹木乾溜液は乾燥後も、継続的して殺菌活性を有することが証明され、木酢液と共通する殺菌作用があることが判明した。当然、溶液に強い殺菌力があることは明白である。

0032

これは、樹脂他樹木に含まれる成分が総合的に作用するためであり、単に抗菌成分だけのものではないと推測される。

0033

原料は、樹木が持っている病原菌に対抗する成分と熱によって生成された成分であるため、木酢液と同様に樹種には関わりなく、全樹種の他、でもよく無限にある。

0034

また無炭化樹木乾溜液の多様な作用を探るために、ソバ種子、ならびにモチアワ種子で発芽試験を試みた。蒸留水で薄めて、0%、1%、2%、5%、10%、100%溶液として実施したところ、2%以上の溶液で明らかに発芽促進効果が認められ、毒性がないことが証明された。これは常識では解らない不思議な現象である。

0035

ここに、無炭化樹木乾溜液という安全で、安い、優れた殺菌能力をもつ画期的な天然系抗菌剤が誕生した。

0036

無炭化樹木乾溜液は、樹木内の水溶液を取り出したものであり、構造体に変化はない。採集後も通常の木材と何ら変わることなく使用することができる。よってコストが非常に安い。また木材が原料のため、不振の林業に貢献することができ、地球環境を保護する上からも望ましい資材である。

0037

無炭化樹木乾溜液の殺菌剤は、優れた殺菌力をもつが、特定の強い殺菌力をもつ成分ではなく、多くの抗菌性がある物質の総合的な働きであるので安全であり、食品を始め広い分野の利用が可能である。ソバ種子、モチアワ種子での発芽試験の結果によっても、発芽促進作用があり安全で安心できる。

0038

すなわち、細菌に対しては殺菌力をもつが、動物、植物には毒性がない。天然由来の殺菌剤としての特性をもっている。そして、乾燥した後も殺菌力が持続するために食品包材他、人体への安全性が必要なもの全てに広く利用することができる。

0039

樹木を伐採した後、木材に含まれる自由水を減少させる。水の通り道であるパイプの集まった辺材に自由水が多いので、心材と同程度の含水率になるように乾かす。その後、図1のように乾燥機で280℃以下程度の炭化しない温度で過熱して、その過程で樹木より発生する気化した溶液と、乾燥機室内に滲出する溶液を全て採集する。そして、表面に浮いている精油分を取り除く。これが製造方法であり、できたものが無炭化樹木乾溜液である。

0040

無炭化樹木乾溜液を布や紙や不織布の繊維に、噴霧あるいはどぶ漬けして定着させた後乾燥させる。布の場合は染料に混入させると、現工程を変更させることなく仕上がるので、噴霧乾燥の工程が不要である。湿式不織布や紙の場合は、乾燥工程があるのでその手前で噴霧あるいはどぶ漬けすれば、現設備を変更させずに加工できる。無炭化樹木乾溜液を加工した繊維は、継続的に殺菌力を有する。

0041

合成樹脂フイルムに定着させる場合は、無炭化乾溜液が表面に均一にならないため、粘度の強い液状樹脂を無炭化樹木乾溜液に混入させて、ロール押さえて均一化した後、乾燥させる。

0042

その他複雑な形の合成樹脂商品には、粘度の強い液状樹脂を無炭化樹木乾溜液に加えて塗布すればよい。

0043

当然、繊維にも液状樹脂を加えた無炭化樹木乾溜液を塗布してもよい。

発明の効果

0044

無炭化樹木乾溜液は、樹木に含まれる溶液を取り出すだけであるので、構造を変質させない。取った後は一般の木材と同等に使用することができる。そのため非常にコストが安い。

0045

無味、微香で色調も無色に近いため、食品に直接使用できる他、広範囲用途開発ができる。

0046

水溶性のため使い勝手がよい。

0047

乾燥した後も長期に渡り殺菌力を持続するため、包装材料に加工すると、優れた包装材料になる。

0048

このように優れた効果を有するが、特定成分の抗菌力に頼らず、多種多様な成分によるものであるので、植物や動物にとって長期的に安全であることが最大の長所である。

0049

図面の簡単な説明

0050

図1無炭化樹木乾溜液、採集装置の概略断面図である。

--

0051

1樹木
2気化溶液採集管
滲出溶液採集管
4 溶液採集タンク
5乾燥機
熱風循環ファン
熱風送風管
8 樹木運搬台車

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