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技術 Cu−Al系溶射摺動材料

出願人 大豊工業株式会社
発明者 山田豊和神谷荘司
出願日 2001年10月31日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-333795
公開日 2003年5月14日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-138365
状態 特許登録済
技術分野 溶射または鋳込みによる被覆
主要キーワード 二相材料 Pb粒 Pb相 溶融粉末 粗粒粉末 未溶解状態 微粒粉 焼付き面圧
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年5月14日)のものです。
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図面 (9)

課題

Cu−Al系溶射摺動材料では、耐焼付性に優れたCu-Pb系粉末耐摩耗性に優れたAl-Si系粉末が混合している。これらの粉末組織形態を制御することにより耐焼付性を改良する。

解決手段

組成:Al15から50%、Sn30%以下(0を含まない)、Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5〜50%。組織摺動表面における長さが、Cu相30μm以上として粗大化すると耐焼付性が良好になる。またAl相90μm以下と微細化することにより耐摩耗性が良好になる。

概要

背景

本出願人が、主として斜板式コンプレッサ摺動層用として国際公開公報WO01/04373で提案したCu-Al系溶射摺動材料は、未溶解Cu-Pbアトマイズ粉末耐焼付性を向上させることを骨子とするものである。即ち、この粉末が完全に溶解すると、Pb相が片状に変化して脆弱組織となるので、未溶解状態に保つことによって粒状形態を維持したPb組織が耐焼付性を発揮する。一方、Al-Si合金粉末中のSiは溶射組織中で粒状硬質Si粒子として存在して耐摩耗性を高める。

前掲国際公開公報で具体的に開示されたCu-Al系溶射摺動材料におけるCu相未溶解粒状であり、その直径は約60μm弱以下である。一方Al粉末相の大部分は溶射により溶解しており、その最大長さは100μmを超えている。

概要

Cu−Al系溶射摺動材料では、耐焼付性に優れたCu-Pb系粉末と耐摩耗性に優れたAl-Si系粉末が混合している。これらの粉末の組織形態を制御することにより耐焼付性を改良する。

組成:Al15から50%、Sn30%以下(0を含まない)、Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5〜50%。組織:摺動表面における長さが、Cu相30μm以上として粗大化すると耐焼付性が良好になる。またAl相90μm以下と微細化することにより耐摩耗性が良好になる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

質量百分率で、Al5から50%、Sn30%以下(0を含まない), Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5 〜50%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、組織Cu相Al相とから実質的に構成されるCu-Al系溶射摺動材料において、摺動表面における長さが、前記Cu相が30μm以上であり、かつ前記Al相が90μm以下であることを特徴とするCu-Al系溶射摺動材料。

請求項2

質量百分率で、Al5から50%、Sn30%以下(0を含まない), Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5 〜50%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなるCu-Al系溶射摺動材料において、摺動表面における組織が、30μm以上の長さの第1のCu相と、20μm以下の長さの第2のCu相と、90μm以下の長さの第1のAl相とより実質的に構成されることを特徴とするCu-Al系溶射摺動材料。

請求項3

さらに、質量%で、0.5%以下のP、30%以下のZn, 1.5%以下のFe, 5.0%以下の Mn, 5.0%以下のMg, 10%以下のAgを総量で50%以下含有することを特徴とする請求項1又は2記載のCu-Al系溶射摺動材料。

技術分野

0001

本発明はCu-Al系溶射摺動材料に関するものであり、さらに詳しく述べるならば、耐焼付性を改良したCu-Al系溶射摺動材料に関するものである。溶射材料溶融物質から成膜された点では溶融めっき材料と同じであるが、溶融もしくは半溶融粉末高速基板衝突して成膜されているために特有組織を呈している。

背景技術

0002

本出願人が、主として斜板式コンプレッサ摺動層用として国際公開公報WO01/04373で提案したCu-Al系溶射摺動材料は、未溶解Cu-Pbアトマイズ粉末が耐焼付性を向上させることを骨子とするものである。即ち、この粉末が完全に溶解すると、Pb相が片状に変化して脆弱な組織となるので、未溶解状態に保つことによって粒状形態を維持したPb組織が耐焼付性を発揮する。一方、Al-Si合金粉末中のSiは溶射組織中で粒状硬質Si粒子として存在して耐摩耗性を高める。

0003

前掲国際公開公報で具体的に開示されたCu-Al系溶射摺動材料におけるCu相未溶解粒状であり、その直径は約60μm弱以下である。一方Al粉末相の大部分は溶射により溶解しており、その最大長さは100μmを超えている。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者らは、従来のCu-Al系溶射摺動材料の耐焼付性を試験し、溶射組織につき次のように考察した。先ず、未溶解Cu相中のPb粒子相は耐焼付性向上に寄与していることは知られていたが、その効果はCu相の長さに関係していることを見出した。即ち、Cu-Al系溶射摺動材料であって、未溶解Cu相が長い材料(A)と短い材料(B)とを比較すると材料(A)が材料(B)より耐焼付性は良好である。次に、Al相中のSi粒子が耐摩耗性に及ぼす影響も同様にAl相の長さに関係している。即ち、Cu-Al系溶射摺動材料であって、Al相が長い材料(C)と短い材料(D)とを比較すると材料(D)が材料(C)より耐焼付性は良好である。

0005

上記した結果は、耐焼付性の観点からはCu相は粗大組織が好ましいことを示している。粗大Cu相組織をもつ材料(E)中には、粗大なAl相が少数存在する場合(E1)、微細なAl相が多数存在する場合(E2), 粗大・微細Al相が混在する場合(E3)がありうる。本発明者らの実験によると、耐摩耗性に関してはE2,E3の組織が良好であり、耐焼付性とは逆な結果となっている。このような観点からの組織制御を行っていない従来のCu-Al系溶射摺動材料は摺動特性の向上に限界があることが分かった。

課題を解決するための手段

0006

上記考察を模式的に示す図1、図2において、従来のCu-Al系溶射摺動材料(図2)は微細Cu未溶解相と粗大な溶解Al-Si合金相が混在している。この組織では、Cu相を未溶解として残し、かつCu相とAl-Si合金相をできるだけ微細分散させることを主たる制御目標としていると言える。一方上記した考察に基く本発明(図1)はCu相を粗大化させ、一方Al-Si合金相は比較的微細として、これら両方の相の微細分散は行わないというものである。

0007

したがって、本発明に係るCu-Al系溶射摺動材料の第一は、質量%で、Al5から50%、Sn30%以下(0を含まない), Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5 〜50%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、組織がCu相とAl相とから実質的に構成され、摺動表面で測定した長さが、前記Cu相が30μm以上であり、かつ前記Al相が90μm以下であることを特徴とする。以下、本発明を詳しく説明する。

0008

上記した溶射組織の長さの測定は、サンプル最表面で長さ1.0mmをランダムに3箇所選んで、全ての長さを測定してCu相にAl相ともにその最大値を求めることにより行う。Cu相は溶質を含む合金相のこともあり、さらに内部にPb相などの二次相を含むこともある。一方Al相は溶質を含む合金相のこともあり、さらに内部にSiなどの相を含むこともある。Cu相及びAl相は光学顕微鏡で相互に識別される。また、これらの相の長さは連続的に測定される長さである。例えば1個のU字状に曲がったCu相粒子を水平直線で切断すると、連続長さが2回検出されるので、測定された2つの長さに相当する2個の粒子がみかけ上存在しているものとして測定を行う。

0009

本発明に係るCu-Al系摺動材料においては、Cu相とAl相の割合は前者が20〜50面積%、後者が80〜50面積%であることが好ましい。さらに、本発明に係るCu-Al系摺動材料においては、組成がAl5から50%、Sn30%以下(0を含まない), Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5 〜50%であると、耐焼付性及び耐摩耗性が良好になる。Al及びSiが上記下限未満であると耐摩耗性が不足し、上限を超えると耐焼付性が不足する。特にAl量が非常に少ないと、ほとんどがCu中に固溶するために、本発明が意図する二相材料にならない。Sn及びPbが上記上限を超えると、材料強度が低下して、摺動特性が不良になる。

0010

本発明に係るCu-Al系摺動材料の第二は、質量百分率で、Al5から50%、Sn30%以下(0を含まない), Pb32%以下(0を含まない)、及びSi5 〜50%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなるCu-Al系溶射摺動材料において、摺動表面における組織が、30μm以上の長さの第1のCu相と、20μm以下の長さの第2のCu相と、90μm以下の長さの第1のAl相とより実質的に構成されることを特徴とする。このCu-Al系溶射摺動材料は、摺動表面層の組織が第一のものと異なっており、その他の点は第一のものと同じである。即ち、Cu相及びAl相は長さがそれぞれ30μm以上及び90μm以下である点は第一の摺動材料と同じであるが、長さが20μm以下の微細Cu相との混合組織となる点が特徴である。この微細Cu相はAl相粒子の間に介在してその耐焼付性を高める。また、粗粒Cu相と微粒Cu相は合計を100%として前者が30〜80面積%、後者が70〜20面積%であることが好ましい。

0011

本発明に係る溶射摺動材料は前掲国際公報と同様に斜板コンプレッサーの斜板摺動層として特に適している。その他この公報で開示された、種々の技術的展開(例えば、溶射後熱処理、MoS2層の被覆下地基板への接着層の被覆)溶射層への10%wt以下の硬質粒子(Al2O3,SiO2,SiC,ZrO2,Si3N4,BN,AlN,TiN,TiN,TiV,B4C,Fe-P化合物、Fe-B化合物、Fe-N化合物など)の添加は本発明にも適用することができる。

0012

さらに、本発明においてはCu及び/又はAlの合金元素を追加的に含有することができる。これらには、質量%で、0.5%以下のP、30%以下のZn,1.5%以下のFe, 5.0%以下の Mn, 5.0%以下のMg, 10%以下のAgなどがある。PはCu合金流動性、強度を改善する。ZnなCu合金の耐食性を改善する。FeはCu合金の強度を改善する。MnはAl及びCu合金の強度を改善する。MgはAl合金中でMgSi系金属間化合物として析出して強度を改善する。これらの元素は総量で50%以下含有される。続いて、本発明が最も特徴とする組織を説明する。

0013

Cu-15〜35%Al-1〜3%Sn-4〜20%Pb-12〜27%Siからなる組成をもつ溶射材料を次の溶射法にて鉄基板上に250μmの厚さに成膜した。
溶射機:HVOF型溶射機
燃料圧力:100psi
空気圧力:150psi
溶射距離:180mm

0014

溶射に使用した粉末は次の通りであった
(a)Cu-Sn-Pb粉末(60 〜75質量%)。組成は2.0〜4.0%Sn, 22〜24%Pb, 0.50%以下 P, 1.0%以下 Zn, 0.35%以下 Feであった。粉末粒度は微粒(45μm以下)、中粒(75〜45μm)及び粗粒(150〜75μm)の3分類とし、本発明外の溶射材を調製する際には粗粒粉末を使用せず、本発明の溶射材を調製する際には、それぞれ60〜80%,0〜30%,0〜30%の割合で混合した。
(b)Al-Si粉末(40〜25質量%)。組成は35〜45%Si, 2.2〜 3.0%Cu, 0.15 〜0.55%Mn, 0.70〜 1.1% Mg, 0.50%以下のFe, 0.30%以下のZnであった。粉末粒度は微粒(75μm以下)及び粗粒(150〜75μm)の2分類とし、本発明外の溶射材を調製する際にはそれぞれ60〜80%,40〜20%の割合で混合し、本発明の溶射材を調製する際には微粒粉のみを使用した。

0015

得られた摺動層について下記条件で試験した。Cu相長さ(以下「Cu長さ」と言う)は溶射に使用するアトマイズCu-Pb合金粉末粒度を調整することにより行い、Al相長さ(以下「Al長さ」と言う)は溶射に使用するAl-Si合金粉末の粒度を調整することにより行った。
試験機高圧雰囲気試験機
荷重(圧力):4MPa→ max 15MPa (2MPaごと漸増)
回転:7200rpm
潤滑オイルフロン循環式
相手材:SUJ2シュー

0016

試験の結果を図3及び図4に示す。上記方法で測定したCu長さが30μm以上、特に60μm以上になると焼付き面圧が高くなっている(図3)。さらに、Al長さが90μm、特に70μmを超えると焼付き面圧が低くなっている(図4)。これらの結果に基づき本発明においては組織の限定を行った。より好ましくは、Cu長さが90μm以上、Al長さが50μm以下である。またCu相は溶解するとPbが固溶する可能性があるために、未溶解組織であることが好ましい。

0017

さらに、本発明者らは図3,4との結果と溶射組織の関連について考察した。Cu-Sn-Pb未溶解組織中に存在するPb粒子が耐焼付性に有効であることは前掲国際公開公報で知られている。Cu-Sn-Pb未溶解組織を粗大にすると、Cu長さが長くなることに伴い、Pb粒子の面積割合が多くなり、耐焼付性が向上する。一方Al相はほとんどの場合Al-Si合金が溶解して生成したものである。Al相が粗大になると、その中に存在しているSi粒子が、再度結晶化する際に塊状化しかつ粗大化する結果、耐焼付性が不良になる。したがって、Al相はできるだけ微細に分散するのがよい。

0018

図3,4に(A),(B),(C),(D)で示した材料の組織写真をそれぞれ図5,6,7,8に示す。図中暗色に見える相がAl相であり、明色に見える相がCu相である。

0019

上記組織において、さらにCu長さが20μm以下の微細なCu相と20μmを超える粗大なCu相が混合していると、さらに耐焼付性が向上する。その理由については、粗大なCu相そのものの働きと、微細なCu相が、粗大なCu相と粗大なAl相との間に入り込むことによって、みかけ上のCu相全体の長さをさらに長くすることによるものと考えられる。以下、実施例によりさらに詳しく本発明を説明する。

0020

表1に示す溶射摺動材料につき試験を行った。

0021

0022

表1において、No.6はCu長さが本発明内、Al長さが本発明外の比較例であり、No.7はCu長さが本発明外、Al長さが本発明内の比較例であり、No.8はCu長さ及びAl長さの両方が本発明外の比較例である。No.1〜5はCu相が40面積%、Al相が60面積%存在する本発明の実施例であるが、その中でNo.2においてはCu相は表に示した71μmを最大値として分布した粗粒と、10〜20μmの範囲で分布した微粒が存在していた。このため、No.2はCu長さがNo.3より短いが、それとは逆に焼付面圧はNo.2のほうが良好となった。

発明の効果

0023

以上説明したように、本発明によると組成は従来材と同じであるが耐焼付性が改良されたCu-Al系溶射摺動材料を提供することができる。

図面の簡単な説明

0024

図1 本発明に係るCu-Al系溶射摺動材の組織を示す模式図である。
図2 従来のCu-Al系溶射摺動材の組織を示す模式図である。
図3 Cu長さと焼付き面圧の関係を示すグラフである。
図4 Al長さと焼き付き面圧の関係を示すグラフである。
図5本発明範囲内のCu長さをもつCu-Al系溶射摺動材の組織を示す写真である。
図6本発明範囲内のAl長さをもつCu-Al系溶射摺動材の組織を示す写真である。
図7発明範囲外のCu長さをもつCu-Al系溶射摺動材の組織を示す写真である。
図8本発明範囲外のAl長さをもつCu-Al系溶射摺動材の組織を示す写真である。

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