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課題

耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得られ、吐出定性および保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供すること。

解決手段

インクジェット用水性インクに添加する分散剤として、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用することにより、該インク熱保存安定性を向上させるとともに、界面活性剤を使用することなく微細有機顔料を安定に分散させた。繊維質記録媒体印刷した場合であっても、滲みがなく、耐水性および耐光性に優れ、隠蔽性の高い高濃度の画像が得られるインクジェット用水性インクを提供した。

概要

背景

近年、環境問題に対する意識が高まるとともに有機溶剤の使用が敬遠されるようになり、インク塗料においても、従来の有機溶剤系から、水性系に変わりつつある。インクジェット記録方式は、非接触記録であり、しかも小型記録機器から超大型機器まで広い適用範囲を持ち、さらにカラー化が比較的容易で、高品位印刷物が得られ、印刷時の騒音も少ないことから、個人用途から産業用途まで広い範囲で用いられており、普通紙印字可能な多種類のカラープリンター市場投入されている。インクジェット用インクには、元来水性インクが多用されており、このこともインクジェット記録方式が広く普及した要因の一つであるといえる。

インクジェット記録に用いられるインクには、ヘッドからの吐出が安定していること、記録媒体上でのインクの滲みが少なく、乾燥性が高いこと、色再現性が良好で、画像の耐水性耐光性に優れること、高速印字できることなどが要求される。従来、インクジェット用水性インクとしては、もっぱら染料系インクが用いられてきた。染料系のインクは色再現性に優れ、彩度が高く良好な画像が得られるが、耐水性、耐光性が低いという欠点がある。

このような染料系インクの欠点を改良するため、染料に代えて、水系媒体顔料を分散させた、顔料分散型インクジェット用水性インクが開発されている。一般に、顔料は染料と比較して、耐水性、耐光性、熱安定性酸化安定性に優れているが、反面新たな問題点も生じる。たとえば、顔料分散型インクジェット用水性インクにおいては、微粒子状の固体である顔料をインク中に均一に分散させることが必要であり、かつその均一分散状態を長期にわたって維持させなければならない。

さらに、インクジェットプリンター高解像度化するのに伴って、プリンターヘッドに設けられたインク噴射ノズルの径が小さくなってきており、該ノズル目詰まりしないよう、顔料分散型インクジェット用水性インクに使用する顔料の粒子径も、従来に増し微細化することが要求されている。しかしながら、顔料を微細化すると、顔料粒子表面エネルギーが高くなるために顔料が凝集しやすくなり、均一な分散状態を維持することが困難となるほか、記録媒体が紙などの繊維質である場合には、繊維の間に微細な顔料が入り込んでしまい、顔料の隠蔽性が低下する結果、画像の鮮明性が得られないという問題点を抱えている。

これら顔料分散型インクジェット用水性インクが抱える問題点を解決するために、種々の改良がなされている。その中の一つとして、インクの耐水性、色再現性改良を目的として、顔料との親和性が高く、粘着性付与剤としての機能を有するロジン誘導体を使用する試みがある。たとえば、特開平8−34941号公報には、疎水性着色剤水溶性溶剤に可溶なロジン誘導体を含有する水性インクジェット記録用インクが、吐出安定性に優れ、堅牢な印刷物を与えることが記載されている。また、特開平9−217032号公報には、有機顔料分散体ロジンエマルジョンを含有するインクジェット用記録液が、鮮明でかつ透明性に優れた印字物を与え、かつ水性樹脂なしで良好に定着することが記載されている。

しかし、上記発明においては、いずれも低分子量のロジンを用いているため、インクの熱保存安定性に劣るという欠点を有している。特にインクを高濃度にした場合にこの傾向が顕著に現れる。さらに、前記特開平8−34941号公報に記載された発明においては、顔料の分散粒径が大きいため、高解像度印字には適さない。一方、特開平9−217032号公報に記載された発明において、顔料の分散安定性を得るために、分散剤として界面活性剤を使用した場合には、インクジェット用記録液の表面張力を低下させ、記録紙内部への浸透性を高め、乾燥性を向上させることはできるが、顔料も記録紙内部へ深く浸透してしまうため印字濃度が低下するという問題があった。さらに、記録紙に印字した際に、フェザリングによる滲みの発生が顕著であった。その他にも、界面活性剤を添加したインクジェット用記録液は、発泡しやすく、吐出安定性に乏しく、印字信頼性を著しく損ねるという問題点もあった。

特開平10−7968号公報には、酸化カーボンブラック水溶性樹脂を含む水性顔料インキ組成物が開示されており、水溶性樹脂の一例としてロジン変性アクリル樹脂が記載されている。該公報には、「この水溶性樹脂は、一般に使用される顔料分散のための樹脂と異なり、顔料を分散するための性能はあまり必要ではない。酸化カーボンブラック自体が水性媒体中で良分散性再分散性を持つためである。」との記載がある。すなわち、該公報に記載された発明は、水性顔料インキ組成物で記録した後の記録物の耐水性改良を目的としている。水性顔料インキ組成物中の酸化カーボンブラックの分散性に関しては、酸化カーボンブラック自体の高分散性に依存している。すなわち、該公報には、水性顔料インキ組成物中における顔料の分散安定性を改善するという技術思想は全く示唆されていない。

有機顔料が親油性であるのに対して、酸化カーボンブラックは親水性であることから、酸化カーボンブラックと有機顔料とでは、顔料分散技術において大きく異なる。一般に、顔料分散組成物における顔料の分散は、顔料粒子表面ビヒクルによる「濡れ」、顔料粒子表面への分散樹脂吸着、分散の安定化、の過程を経て安定な顔料分散組成物が得られるとされているが、親油性の高い有機顔料の場合、、の効果において顔料粒子表面に対して「濡れ」のよい疎水性置換基を有する分散樹脂を用いると安定性良好な分散体が得られる。

一方、親水性の高い酸化カーボンブラックの場合には、疎水性置換基よりも、静電的相互作用を示すカルボキシル基などの極性基を有する分散樹脂を用いた方が分散安定性に効果的である。自己水分散性の高い酸化カーボンブラックの分散時、疎水性置換基を有する分散樹脂を用いた場合は、該分散樹脂が酸化カーボンブラック粒子表面に吸着されず、しばしば吐出性の悪化を招く原因となる。

概要

耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得られ、吐出安定性および保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供すること。

インクジェット用水性インクに添加する分散剤として、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用することにより、該インクの熱保存安定性を向上させるとともに、界面活性剤を使用することなく微細な有機顔料を安定に分散させた。繊維質の記録媒体に印刷した場合であっても、滲みがなく、耐水性および耐光性に優れ、隠蔽性の高い高濃度の画像が得られるインクジェット用水性インクを提供した。

目的

本発明が解決しようとする課題は、上記した従来の技術における問題点を解決し、耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得られ、吐出安定性および保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

有機顔料ロジン変性水溶性アクリル樹脂、および水を含有することを特徴とするインクジェット用水性インク

技術分野

0001

本発明は、耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得られ、吐出定性および保存安定性に優れたインクジェット用水性インクに関する。

背景技術

0002

近年、環境問題に対する意識が高まるとともに有機溶剤の使用が敬遠されるようになり、インク塗料においても、従来の有機溶剤系から、水性系に変わりつつある。インクジェット記録方式は、非接触記録であり、しかも小型記録機器から超大型機器まで広い適用範囲を持ち、さらにカラー化が比較的容易で、高品位印刷物が得られ、印刷時の騒音も少ないことから、個人用途から産業用途まで広い範囲で用いられており、普通紙印字可能な多種類のカラープリンター市場投入されている。インクジェット用インクには、元来水性インクが多用されており、このこともインクジェット記録方式が広く普及した要因の一つであるといえる。

0003

インクジェット記録に用いられるインクには、ヘッドからの吐出が安定していること、記録媒体上でのインクの滲みが少なく、乾燥性が高いこと、色再現性が良好で、画像の耐水性、耐光性に優れること、高速印字できることなどが要求される。従来、インクジェット用水性インクとしては、もっぱら染料系インクが用いられてきた。染料系のインクは色再現性に優れ、彩度が高く良好な画像が得られるが、耐水性、耐光性が低いという欠点がある。

0004

このような染料系インクの欠点を改良するため、染料に代えて、水系媒体顔料を分散させた、顔料分散型インクジェット用水性インクが開発されている。一般に、顔料は染料と比較して、耐水性、耐光性、熱安定性酸化安定性に優れているが、反面新たな問題点も生じる。たとえば、顔料分散型インクジェット用水性インクにおいては、微粒子状の固体である顔料をインク中に均一に分散させることが必要であり、かつその均一分散状態を長期にわたって維持させなければならない。

0005

さらに、インクジェットプリンター高解像度化するのに伴って、プリンターヘッドに設けられたインク噴射ノズルの径が小さくなってきており、該ノズル目詰まりしないよう、顔料分散型インクジェット用水性インクに使用する顔料の粒子径も、従来に増し微細化することが要求されている。しかしながら、顔料を微細化すると、顔料粒子表面エネルギーが高くなるために顔料が凝集しやすくなり、均一な分散状態を維持することが困難となるほか、記録媒体が紙などの繊維質である場合には、繊維の間に微細な顔料が入り込んでしまい、顔料の隠蔽性が低下する結果、画像の鮮明性が得られないという問題点を抱えている。

0006

これら顔料分散型インクジェット用水性インクが抱える問題点を解決するために、種々の改良がなされている。その中の一つとして、インクの耐水性、色再現性改良を目的として、顔料との親和性が高く、粘着性付与剤としての機能を有するロジン誘導体を使用する試みがある。たとえば、特開平8−34941号公報には、疎水性着色剤水溶性溶剤に可溶なロジン誘導体を含有する水性インクジェット記録用インクが、吐出安定性に優れ、堅牢な印刷物を与えることが記載されている。また、特開平9−217032号公報には、有機顔料分散体ロジンエマルジョンを含有するインクジェット用記録液が、鮮明でかつ透明性に優れた印字物を与え、かつ水性樹脂なしで良好に定着することが記載されている。

0007

しかし、上記発明においては、いずれも低分子量のロジンを用いているため、インクの熱保存安定性に劣るという欠点を有している。特にインクを高濃度にした場合にこの傾向が顕著に現れる。さらに、前記特開平8−34941号公報に記載された発明においては、顔料の分散粒径が大きいため、高解像度印字には適さない。一方、特開平9−217032号公報に記載された発明において、顔料の分散安定性を得るために、分散剤として界面活性剤を使用した場合には、インクジェット用記録液の表面張力を低下させ、記録紙内部への浸透性を高め、乾燥性を向上させることはできるが、顔料も記録紙内部へ深く浸透してしまうため印字濃度が低下するという問題があった。さらに、記録紙に印字した際に、フェザリングによる滲みの発生が顕著であった。その他にも、界面活性剤を添加したインクジェット用記録液は、発泡しやすく、吐出安定性に乏しく、印字信頼性を著しく損ねるという問題点もあった。

0008

特開平10−7968号公報には、酸化カーボンブラック水溶性樹脂を含む水性顔料インキ組成物が開示されており、水溶性樹脂の一例としてロジン変性アクリル樹脂が記載されている。該公報には、「この水溶性樹脂は、一般に使用される顔料分散のための樹脂と異なり、顔料を分散するための性能はあまり必要ではない。酸化カーボンブラック自体が水性媒体中で良分散性再分散性を持つためである。」との記載がある。すなわち、該公報に記載された発明は、水性顔料インキ組成物で記録した後の記録物の耐水性改良を目的としている。水性顔料インキ組成物中の酸化カーボンブラックの分散性に関しては、酸化カーボンブラック自体の高分散性に依存している。すなわち、該公報には、水性顔料インキ組成物中における顔料の分散安定性を改善するという技術思想は全く示唆されていない。

0009

有機顔料が親油性であるのに対して、酸化カーボンブラックは親水性であることから、酸化カーボンブラックと有機顔料とでは、顔料分散技術において大きく異なる。一般に、顔料分散組成物における顔料の分散は、顔料粒子表面ビヒクルによる「濡れ」、顔料粒子表面への分散樹脂吸着、分散の安定化、の過程を経て安定な顔料分散組成物が得られるとされているが、親油性の高い有機顔料の場合、、の効果において顔料粒子表面に対して「濡れ」のよい疎水性置換基を有する分散樹脂を用いると安定性良好な分散体が得られる。

0010

一方、親水性の高い酸化カーボンブラックの場合には、疎水性置換基よりも、静電的相互作用を示すカルボキシル基などの極性基を有する分散樹脂を用いた方が分散安定性に効果的である。自己水分散性の高い酸化カーボンブラックの分散時、疎水性置換基を有する分散樹脂を用いた場合は、該分散樹脂が酸化カーボンブラック粒子表面に吸着されず、しばしば吐出性の悪化を招く原因となる。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明が解決しようとする課題は、上記した従来の技術における問題点を解決し、耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得られ、吐出安定性および保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、インクジェット用水性インクに添加する分散剤として、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用すると、有機顔料表面に対する「濡れ」がよく、顔料の分散性能に優れたロジンが水溶性樹脂に固定されているので、該インクの熱保存安定性が向上するほか、界面活性剤を使用することなく微細な顔料を分散させることができ、該インクを使用して繊維質の記録媒体に印刷した場合であっても、滲みがなく、耐水性および耐光性に優れ、隠蔽性の高い高濃度の画像が得られることを見出した。すなわち、本発明は、有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、および水を含有するインクジェット用水性インクを提供することによって、上記課題を解決した。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明のインクジェット用水性インクは、有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、水、および各種添加剤からなる。本発明において使用する有機顔料としては、「カラーインデックス便覧」(最新顔料便覧日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インク技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている有機顔料、その他市販の有機顔料が挙げられる。具体的には、たとえば、アントラキノン系顔料ペリレン系顔料ジスアゾ系顔料フタロシアニン系顔料イソインドリン系顔料ジオキサジン系顔料キナクリドン系顔料ペリノン系顔料ベンズイミダゾロン系顔料等が挙げられる。これらを単独または混合して用いることができる。

0014

さらに、色の三原色である、シアン色、マゼンタ色、およびイエロー色の代表的な有機顔料を、以下に各色別に例示するが、本発明は、これらに限定されるものではない。シアン色の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメント ブルー 2、C.I.ピグメント ブルー 3、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:34、C.I.ピグメント ブルー 16、C.I.ピグメント ブルー 22、C.I.ピグメント ブルー 60、などが挙げられる。

0015

また、マゼンタ色の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメント レッド 7、C.I.ピグメント レッド 12、C.I.ピグメント レッド 48、C.I.ピグメント レッド 48:1、C.I.ピグメント レッド 57、C.I.ピグメント レッド 112、C.I.ピグメント レッド 122、C.I.ピグメント レッド 123、C.I.ピグメント レッド 146、C.I.ピグメント レッド 168、C.I.ピグメント レッド 184、C.I.ピグメント レッド 202、などが挙げられる。

0016

また、イェロー色の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントイェロー1、C.I.ピグメント イェロー 2、C.I.ピグメント イェロー 3、C.I.ピグメント イェロー 12、C.I.ピグメント イェロー 13、C.I.ピグメント イェロー 14、C.I.ピグメント イェロー 16、C.I.ピグメント イェロー 17、C.I.ピグメント イェロー 73、C.I.ピグメント イェロー 74、C.I.ピグメント イェロー 75、C.I.ピグメント イェロー 83、C.I.ピグメント イェロー 93、C.I.ピグメント イェロー 95、C.I.ピグメント イェロー 97、C.I.ピグメント イェロー 98、C.I.ピグメント イェロー 114、C.I.ピグメント イェロー 128、C.I.ピグメント イェロー129、C.I.ピグメント イェロー 151、C.I.ピグメント イェロー 154、などが挙げられる。上記3原色の有機顔料の他、あらゆる色の有機顔料を使用することができる。

0017

本発明のインクジェット用水性インクおける有機顔料の使用量は、インクジェット用水性インクの全質量を基準にして、0.5〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲が特に好ましい。有機顔料の使用量が0.5質量%よりも少ない場合は、着色が不十分であり、十分な画像濃度が得にくい傾向がある。有機顔料の使用量が15質量%よりも多い場合、インクジェット用水性インクの粘度が高くなりすぎる傾向があり、また分散安定性が低下する傾向にあり、インク噴射ノズルからのインク吐出の安定性が低下する。

0018

有機顔料粒子径は、一次粒子径が1nm〜500nmの範囲であるのが好ましく、さらに好ましいのは20nm〜200nmの範囲である。また、インクジェット用水性インク中に分散後の粒子径は、10nm〜300nmの範囲であるが好ましく、さらに好ましいのは、50nm〜150nmの範囲である。一次粒子径の測定は、電子顕微鏡や、ガスまたは溶質による吸着法、空気流通法、X線小角散乱法などで行うことができる。分散後の粒子径の測定は、公知慣用遠心沈降方式、レーザー回折方式光散乱方式)、ESA方式、キャピラリー方式、電子顕微鏡方式などで行うことができる。好ましいのは、動的光散乱法を利用したマイクロトラックUPAによる測定である。

0019

本発明のインクジェット用水性インクには、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用する。一般にロジンとは、マツ科植物から得られる樹脂油のうち、精油などの揮発性化合物を留去した後の残留樹脂のことを言い、天然ロジン、精製ロジン等がある。天然ロジンとしてはウッドロジンガムロジントールロジンなどが挙げられ、精製ロジンとしては、上記天然ロジンを加熱変性することにより得られる不均化ロジンや、これらを触媒の存在下水素添加することによって得られる水添ロジンなどがある。ロジンは主に樹脂酸中性成分からなり、樹脂酸の主成分はアビエチン酸で、その他ジヒドロアビエチン酸デヒドロアビエチン酸ネオアビエチン酸、ピマール酸イソピマール酸、パラストリン酸などが含まれている。以下、単に「ロジン」と記載した場合は、ロジンが含有する樹脂酸を指すものとする。

0020

本発明において分散剤として使用する、ロジン変性水溶性アクリル樹脂は、側鎖としてロジン残基を有する水溶性アクリル樹脂であり、次のような方法で得られる。(1)(メタアクリロイル基を導入したロジンと、塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を有する単量体、必要に応じてこれらの単量体との共重合性を有する他の単量体とを共重合させ、得られる共重合体が有する酸性基もしくは塩基性基を中和する方法、(2)カルボキシル基または酸無水物構造を有するアクリル樹脂に、ロジンのグリシジルエステルを反応させ、残存するカルボキシル基を中和する方法、などがある。

0021

ロジンの樹脂酸の中には水酸基を有するものもあり、この水酸基と無水マレイン酸とを反応させて得られる、マレイン酸モノロジンエステルアクリル系単量体とを共重合させる方法、あるいは水酸基を有するロジンの樹脂酸を、無水マレイン酸系アクリル樹脂とを反応させる方法によっても、側鎖としてロジン残基を有する水溶性アクリル樹脂を得ることができ、上記(1)または(2)の方法に限定されるものではない。

0022

上記(1)の方法において、ロジンに(メタ)アクリロイル基を導入するには、ロジンが有するカルボキシル基に、これと反応性を有する官能基をもった単量体を公知の方法で反応させればよい。このような単量体としては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。

0023

塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、p−スチレンスルホン酸エチレンスルホン酸、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートビニルピリジンなどが挙げられる。酸性基を有する単量体を使用した場合はアニオン性水溶性アクリル樹脂が、塩基性基を有する単量体を使用した場合はカチオン性水溶性アクリル樹脂が得られる。上記単量体との共重合性を有する他の単量体としては、各種(メタ)アクリル酸エステル類スチレンアルキルビニルエーテル酢酸ビニルなどのビニル系単量体など、公知のビニル重合性単量体を挙げることができる。

0024

上記単量体の重合には、塊状重合溶液重合懸濁重合、あるいは乳化重合など、公知慣用の重合方法を使用できる。これらはいずれも、ラジカル重合イオン重合光重合などのいずれであってもよい。

0025

一方、上記(2)の方法において、母体となるカルボキシル基または酸無水物構造を有する水溶性アクリル樹脂の例としては、(メタ)アクリル酸の単独重合体、または(メタ)アクリル酸と他の単量体との共重合体、あるいはマレイン酸系アクリル樹脂が挙げられる。具体的には、たとえば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−[α−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−[α−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の(メタ)アクリル酸系樹脂や、ジイソブチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のマレイン酸系アクリル樹脂や、(メタ)アクリル酸−スチレンスルホン酸共重合体等のスルホン酸系アクリル樹脂等があげられ、これらは、単独、あるいは二種類以上を組み合わせて使用することができる。

0026

本発明において使用するロジン変性水溶性アクリル樹脂の分子量は、質量平均分子量で3000〜50000の範囲内であることが好ましく、5000〜20000の範囲が特に好ましい。ロジン変性水溶性アクリル樹脂の質量平均分子量が3000未満である場合、分散安定性が低下する傾向にあり、また、分散剤の質量平均分子量が50000を超える場合は、粘度が高くなり、インクジェット記録時に、インク噴射ノズルからの該インクの吐出性が低下し、印字濃度の低下を招く傾向にある。なお、上記の質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値である。

0027

アニオン性のロジン変性水性アクリル樹脂を用いる場合、該樹脂の酸価は、50〜300mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、80〜250mgKOH/gの範囲にあることが特に好ましい。分散剤の酸価が50mgKOH/g未満の場合、水性媒体に対する溶解性が低下し、有機顔料の分散安定性が低下する傾向にあり、また、分散剤の酸価が300mgKOH/gを超える場合は、得られるインクジェット用水性インクの吐出安定性が低下し、印刷されたインク皮膜の耐水性も低下する。

0028

ロジン変性水溶性アクリル樹脂を、本発明のインクジェット用水性インクに使用する場合は、該樹脂が有する酸性基あるいは塩基性基の少なくとも80モル%が中和されたものであることが好ましい。中和剤として使用できる塩基性物質としては、たとえば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミントリエタノールアミン等の有機アミンアンモニア等が挙げられる。酸性物質としては、塩酸硫酸などの鉱酸のほか、スルホン酸やカルボン酸を使用することができる。

0029

本発明のインクジェット用水性インクの溶媒には水を用いるが、乾燥抑止剤あるいは浸透剤として、水溶性有機溶剤を添加してもよい。乾燥抑止剤は、インクジェットプリンターヘッドのインク噴射ノズル口におけるインクの乾燥を抑止する効果を与えるものである。通常、水の沸点以上の沸点を有する水溶性有機溶剤を使用する。

0030

乾燥抑止剤として使用できる有機溶剤としては、エチレングリコールジエチレングリコールポリエチレングリコールグリセリン等の多価アルコール類N−メチル−2−ピロリドン2−ピロリドン等のピロリドン類アミド類ジメチルスルホキシドイミダゾリジノン等を挙げることができる。乾燥抑止剤の使用量は、種類によっても異なるが、通常は、水100部に対して1〜150部の範囲で使用される。

0031

浸透剤は、インクジェットプリンターヘッドのインク噴射ノズルから噴射され、記録媒体に付着したインクジェット用水性インクが、該記録媒体へ浸透しやすくするために使用される。具体的には、エタノールイソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコールエーテルプロピレングリコール誘導体等の水溶性有機溶媒、などがあげられる。

0032

本発明のインクジェット用水性インクは、有機顔料の分散剤としてロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用しているので、さらに有機顔料の分散性を高める目的で界面活性剤を添加する必要はないが、表面張力等インクとしての物性を調整する目的で、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で界面活性剤を添加してもよい。

0033

本発明のインクジェット記録用水性インクに添加することができる界面活性剤としては、特に限定はなく、アルキルベンゼンスルホン酸塩高級脂肪酸塩などのアニオン界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤、その他、カチオン界面活性剤両性界面活性剤など、公知慣用の界面活性剤から適宜選択すればよい。これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、また、二種類以上を混合して用いることもできる。

0034

本発明のインクジェット用水性インクは、上記の有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、水、および各種添加剤を混合し、攪拌して顔料を分散させることによって製造する。具体的な製造方法としては、たとえば、
(1)ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液に、有機顔料を添加した後、各種の撹拌分散装置を用いることによって、顔料分散組成物を調製し、これに必要に応じて乾燥防止剤、浸透剤、またはその他の添加剤を添加してインクジェット用水性インクを製造する方法、

0035

(2)有機顔料と、中和前の酸性基あるいは塩基性基を有するロジン変性アクリル樹脂とを、ニーダー、2本ロール、あるいは押出混練機等を使用して溶融混練した後、得られた混練物粉砕する。粉砕した混練物を、必要量の中和剤を含有する水中に投入し、撹拌、分散装置を用いて顔料分散組成物を調製した後、必要に応じて乾燥防止剤、浸透剤、またはその他の添加剤を添加してインクジェット用水性インクを製造する方法、

0036

(3)メチルエチルケトンテトラヒドロフランなどの、水との相溶性を有する有機溶剤に、中和前の酸性基あるいは塩基性基を有するロジン変性アクリル樹脂を溶解させた溶液中に、撹拌・分散装置を用いて有機顔料を分散させた後、攪拌しながら、必要量の中和剤を含有する水を加えて転相乳化させる。次いで減圧下に前記有機溶剤を留去した後、必要に応じて乾燥防止剤、浸透剤、またはその他の添加剤を添加してインクジェット用水性インクを製造する方法、などが挙げられる。

0037

攪拌・分散装置としては、たとえば、超音波ホモジナイザー高圧ホモジナイザーペイントシェーカーボールミルロールミルサンドミルサンドグラインダー、ダイノーミルディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。インクジェット用水性インク中に粗大粒子が存在すると、インクジェットプリンターのインク噴射ノズルが目詰まりする原因となるので、分散処理後遠心分離または濾過等により粗大粒子を除去することが好ましい。

0038

このようにして得られる本発明のインクジェット用水性インクは、保存安定性、およびインクジェットプリンターヘッドのインク噴射ノズルからの吐出性に優れ、該インクを使用して記録媒体上に形成されたインク被膜は、従来のインクを使用したものに比べて耐水性および耐光性に優れており、高解像度で、かつ高濃度の均一な画像を形成できる。本発明のインクジェット用水性インクは上記のような優れた特長を有しているので、インクジェット用水性インク用途ばかりではなく、水性ボールペンマーカーペンなど、筆記用具用の水性インクとして使用することもできる。

0039

以下、実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。

0040

<ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A)の調製>メチルエチルケトン(以下、MEKと略記する)100部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながら、スチレン52部、ロジンエポキシアクリレート荒川化学工業社製ビームセット101」)25部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部、および重合開始剤和光純薬工業社製「V−59」)6部からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごとに重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.5部を添加し、80℃で16時間攪拌した。このようにして、不揮発分53%のロジン変性アクリル樹脂MEK溶液を得た。得られたロジン変性アクリル樹脂の質量平均分子量は15000、酸価139mgKOH/gであった。上記ロジン変性アクリル樹脂のMEK溶液100部に、水酸化ナトリウムの2%水溶液255部を撹拌しながら徐々に加えた後、減圧下でMEKを留去し、水を加えて不揮発分22%のロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A)を得た。

0041

<ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B)の調製>MEK75部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながら、スチレン47.7部、アクリル酸14.3部、メタクリル酸13部、および重合開始剤(和光純薬工業社製の「V−59」)4部からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごとに重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.5部を添加し、80℃で16時間攪拌した。このようにして、不揮発分52%のカルボキシル基を有するアクリル樹脂MEK溶液を得た。得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂の質量平均分子量は22000、酸価245mgKOH/gであった。

0042

上記のカルボキシル基を有するアクリル樹脂MEK溶液155部に不均化ロジングリジルエステル(荒川化学工業社製「KE−828」)25部と、アミン系触媒として2−メチルイミダゾール0.25gを加え、80℃で16時間攪拌し、不揮発分58%のロジン変性アクリル樹脂MEK溶液を得た。得られたロジン変性アクリル樹脂の酸価は、156mgKOH/gであった。このロジン変性アクリル樹脂MEK溶液100部に、撹拌しながら2.6%水酸化ナトリウム水溶液257部を徐々に加えた後、減圧下でMEKを留去し、水を加えて不揮発分22%のロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B)を得た。

0043

<水溶性アクリル樹脂水溶液(C)の調製>MEK100部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながら、スチレン52部、メタクリル酸メチル25部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部および重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)6部からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごとに重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.5部を添加し、80℃で16時間攪拌した。このようにして、不揮発分53%のアクリル樹脂MEK溶液を得た。得られたアクリル樹脂の質量平均分子量は15000、酸価145mgKOH/gであった。このアクリル樹脂MEK溶液100部に、水酸化ナトリウムの2%水溶液255部を撹拌しながら徐々に加えた後、減圧下でMEKを留去し、水を加えて不揮発分22%の水溶性アクリル樹脂水溶液(C)を得た。

0044

(実施例1)
CIピグメントブルー15−3
(大日本インキ化学工業社製「FASTGENBLUE TGR」 10部
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 5部
ジエチレングリコール20部
水 30部
直径1.25mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組成のインクジェット用水性インク(1)を得た。

0045

CIピグメントブルー15−3 1.5%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 0.8%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 77.7%

0046

(実施例2)
CIピグメントレッド202
(大日本インキ化学工業社製「FASTGEN SUPERMAGENTARTS」 10部
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 3部
ジエチレングリコール20部
水 25部
直径1.25mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組成のインクジェット用水性インク(2)を得た。

0047

CIピグメントレッド202 2.5%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 0.8%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 76.7%

0048

(実施例3)
CIピグメントイエロー128
(チハ゛スヘシャリティーケミカルス゛社製「IGRAPHOR YELLOW 8G-CF」) 10部
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 4部
ジエチレングリコール20部
水 25部
直径1.25mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組成のインクジェット用水性インク(3)を得た。

0049

CIピグメントイエロー128 2.5%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 76.5%

0050

(実施例4)実施例3におけるロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A)4部の代わりに、ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B)4部を使用した以外は、実施例3と同様にして、下記組成のインクジェット用水性インク(4)を得た。
CIピグメントイエロー128 2.5%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B) 1%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 76.5%

0051

(比較例1)実施例3におけるロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A)4部の代わりに、水溶性アクリル樹脂水溶液(C)4部を使用した以外は、実施例3と同様にして、下記組成のインクジェット用水性インク(5)を得た。
CIピグメントイエロー128 2.5%
水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 1%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 76.5%

0052

(比較例2)
カーボンブラック(三菱化学社製「#960」) 10部
水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 3部
ジエチレングリコール20部
水 35部
直径1.25mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組成のインクジェット用水性インク(6)を得た。

0053

カーボンブラック4%
水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 1.2%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 74.8%

0054

(比較例3)
カーボンブラック(三菱化学社製「#960」) 10部
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 3部
ジエチレングリコール20部
水 35部
直径1.25mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組成のインクジェット用水性インク(7)を得た。

0055

カーボンブラック4%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1.2%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 74.8%

0056

(比較例4)比較例3におけるカーボンブラック(三菱化学社製「#960」)10部の代わりに、酸化カーボンブラック(オリエント化学工業社製#CW1)10部を使用した以外は、比較例3と同様にして、下記組成のインクジェット用水性インク(8)を得た。
酸化カーボンブラック 4%
ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1.2%
ジエチレングリコール10%
グリセリン5%
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル5%
水 74.8%

0057

<インクジェット用水性インクの性能試験および評価基準>実施例1〜4および比較例1〜4で得られた、インクジェット用水性インク(1)〜(8)を孔径6μmのフィルターで濾過し、それぞれ下記の性能試験の試料インクとした。

0058

(インクジェット用水性インク中の顔料粒子径測定)試料インクに水を加えて1000倍に希釈した後、粒度分析計(リーズ・アンド・ノースラップ社製「マイクロトラックUPA150」)を使用して、試料インク中に分散している顔料の粒子径を測定し、初期粒子径とした。

0059

(インクジェット用水性インクの保存安定性)顔料分散組成物に水を加えて、顔料濃度を12%に調整した試料インクを、70℃で30日間静置した後、前記粒度分析計を使用して、試料インク中に分散している顔料の粒子径を測定した。測定値の初期粒子径に対する変化率が10%以下のものを「○」、10%を超えるものを「×」で表した。

0060

(インクジェット記録試験)インクジェットプリンター(エンキャド社製「ノバ・ジェット700」)を使用して、普通紙(ゼロックス社製「マルチエース」)上に試料インクで描画し、下記の性能試験を行った。

0061

a)インク噴出ノズルからのインクの吐出性
幅1mmの線を描画し、線幅フレが10%以下のものを「良好」、10%を超えるものを「不良」で表した。

0062

b)画像濃度
インクジェットプリンターの印刷モード設定を、パス:4、スピード:10に設定してベタ画像を印刷し、反射濃度計(マクベス社製「RD918」)を使用してベタ部の反射濃度を測定した。

0063

c)画像部の耐水性
ベタ画像印字部を60℃の温水に1分間浸漬した後、画像濃度の低下を前記反射濃度計を使用して測定し、インクの滲みを目視検査した。画像濃度の低下が5%以内で、かつインクの滲みがないものを「○」、画像濃度の低下が5%を超えるか、またはインクの滲みが観察された場合は「×」で表した。

0064

d)画像の鮮明性
ベタ画像部を色差計(日本電色社性「SZ−Σ90」)を使用して、L*C*h表色系におけるC*(彩度)を測定した。C*値が高いほど画像の鮮明性が高いと評価した。

0065

上記インクジェット用水性インクの性能試験結果、またはその評価をまとめて表1および表2に示した。表1、表2において、「インクジェット用水性インク」欄の(1)〜(8)は、それぞれ実施例1〜4および比較例1〜4で得られたインクジェット用水性インク(1)〜(8)を表す。「分散樹脂」欄の(A)〜(C)は、それぞれロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A)、(B)、および水溶性アクリル樹脂水溶液(C)を表す。

0066

0067

0068

表1に示した結果から、着色剤として有機顔料を使用し、分散剤としてロジン変性水性アクリル樹脂を使用したインクジェット用水性インクは、青(シアン)、赤(マゼンタ)、黄(イエロー)の各色インキにおいて、分散した有機顔料の粒子径が好適な範囲内にあり、保存安定性、インクジェット印字におけるインクの吐出性が良好であり、画像部の反射濃度が高く、耐水性、鮮明性も良好であることが明らかである。

0069

これに対し、比較例1に示すように、分散剤として水溶性アクリル樹脂を用いた黄色インキでは、有機顔料の粒子径が大きく、保存安定性が不良で、また画像部の耐水性、鮮明性に劣る。また、無機顔料と水溶性アクリル樹脂を使用した比較例2では、インクの吐出性が不良であり、無機顔料を使用した比較例3および4においては、分散剤としてロジン変性水性アクリル樹脂を使用した場合であっても、インクの吐出性に劣る。

発明の効果

0070

着色剤として有機顔料を使用し、分散剤としてロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用した、本発明のインクジェット用水性インクは、保存安定性に優れ、インクジェットプリンターによる印刷時には、インク噴射ノズルからのインクの吐出性が良好であり、かつ記録媒体上での滲みが少ないので、高解像度、かつ高濃度の均一な画像形成が可能であり、さらには、得られた画像は耐水性に優れている。また、着色剤に有機顔料を使用しているため、従来の染料を使用したインクと比較して耐光性にも優れている。

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