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技術 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法

出願人 HOYA株式会社
発明者 橋本潤一
出願日 2001年10月31日 (19年1ヶ月経過) 出願番号 2001-335196
公開日 2003年5月14日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2003-137606
状態 未査定
技術分野 ガラスの表面処理 その他の記録再生2(光磁気記録等) 磁気記録媒体の製造 光記録担体の製造
主要キーワード 投入用容器 水洗処理装置 排出用バルブ 元バルブ 供給用バルブ 有底四角筒状 ラッピング研磨 表面研磨処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年5月14日)のものです。
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図面 (4)

課題

化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法を提供する。

解決手段

複数の化学強化槽12a〜12dは有底四角筒状に形成され、硝酸カリウムを含む化学強化塩溶融液18が収容されている。その中にはホルダーに保持され、そのホルダーがケージ30に収容された状態で浸漬され、ガラス基板の化学強化が行われる。化学強化塩溶融槽13は化学強化塩を予め溶融する。化学強化槽12a〜12dは第2収容室15に収容され、化学強化塩溶融槽13はそれとは別個の第1収容室14に収容されている。化学強化槽12a〜12dから排出される廃液を溜める廃液槽42も第1収容室14に収容されている。

概要

背景

近年、情報技術(IT)の進歩は著しく、磁気ディスク等の各種情報記録媒体の開発が盛んに行われている。そして、例えばハードディスク(HDD)用のガラス基板においては、電子製品の機能向上に伴って高い表面平滑性と強い強度が要求されている。そのような要求を満たすために、ガラス基板表面に化学強化処理を施すことが行われている。この化学強化処理は、ガラス中に含まれるイオンをそれより大きなイオン半径を有するイオンに置換することにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成して強化するものである。

その後、精密研磨工程、水洗工程、乾燥工程等を経て目的とする磁気記録媒体等に用いられるガラス基板が製造される。このような化学強化処理工程、精密研磨工程、水洗工程及び乾燥工程を経てガラス基板が製造される過程でガラス基板表面が汚染される。そこで、特開平10−194785号公報においては、そのような工程でガラス基板表面を清浄に維持する方法が開示されている。

すなわち、ガラス基板の化学強化処理工程、最終の研磨工程以後の洗浄工程、乾燥工程等の中の少なくとも一工程を、ガラス基板にパーティクルが付着しないように濾過された清浄な空気を循環した雰囲気下で行うものである。又は、0.3〜100ミクロンの大きさのパーティクルが1000個/立方フィート・メートル以下の清浄度の空気を循環した雰囲気下で行うものである。

概要

化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法を提供する。

複数の化学強化槽12a〜12dは有底四角筒状に形成され、硝酸カリウムを含む化学強化塩溶融液18が収容されている。その中にはホルダーに保持され、そのホルダーがケージ30に収容された状態で浸漬され、ガラス基板の化学強化が行われる。化学強化塩溶融槽13は化学強化塩を予め溶融する。化学強化槽12a〜12dは第2収容室15に収容され、化学強化塩溶融槽13はそれとは別個の第1収容室14に収容されている。化学強化槽12a〜12dから排出される廃液を溜める廃液槽42も第1収容室14に収容されている。

目的

この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガラス基板化学強化処理を行うための化学強化槽と、該化学強化槽で用いられる化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶融槽とを備え、これら化学強化槽と化学強化塩溶融槽とを別個収容室に収容したことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。

請求項2

前記化学強化槽から排出される廃液排出管を介して化学強化槽の外部に設けられた廃液槽で受けるように構成した請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。

請求項3

前記化学強化槽を収容する収容室は、その雰囲気中の1立方フィート(0.028立方メートル)当たり0.3μm以上の微粒子が1万個以下のクリーンルームである請求項1又は請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。

請求項4

前記化学強化塩溶融槽は加熱装置を備え、その加熱装置による加熱温度を化学強化槽の加熱温度より高く設定して化学強化塩を溶融するように構成した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。

請求項5

請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置を使用し、化学強化塩溶融槽で化学強化塩を溶融した後、化学強化槽で化学強化処理を行うことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法

技術分野

0001

本発明は、ハードディスク等の磁気ディスク光磁気ディスク光ディスク等として使用される情報記録媒体用ガラス基板化学強化処理装置及び化学強化処理方法に関するものである。さらに詳しくは、ガラス基板化学強化工程において、ガラス基板表面の清浄度を向上させることができるとともに、製造効率を高めることができる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、情報技術(IT)の進歩は著しく、磁気ディスク等の各種情報記録媒体の開発が盛んに行われている。そして、例えばハードディスク(HDD)用のガラス基板においては、電子製品の機能向上に伴って高い表面平滑性と強い強度が要求されている。そのような要求を満たすために、ガラス基板表面に化学強化処理を施すことが行われている。この化学強化処理は、ガラス中に含まれるイオンをそれより大きなイオン半径を有するイオンに置換することにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成して強化するものである。

0003

その後、精密研磨工程、水洗工程、乾燥工程等を経て目的とする磁気記録媒体等に用いられるガラス基板が製造される。このような化学強化処理工程、精密研磨工程、水洗工程及び乾燥工程を経てガラス基板が製造される過程でガラス基板表面が汚染される。そこで、特開平10−194785号公報においては、そのような工程でガラス基板表面を清浄に維持する方法が開示されている。

0004

すなわち、ガラス基板の化学強化処理工程、最終の研磨工程以後の洗浄工程、乾燥工程等の中の少なくとも一工程を、ガラス基板にパーティクルが付着しないように濾過された清浄な空気を循環した雰囲気下で行うものである。又は、0.3〜100ミクロンの大きさのパーティクルが1000個/立方フィート・メートル以下の清浄度の空気を循環した雰囲気下で行うものである。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、化学強化処理工程において使用される化学強化処理装置の化学強化槽は、硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガラス基板の化学強化を行うとともに、化学強化塩を予め溶融するようになっている。

0006

ところが、化学強化塩は粉末状であり、化学強化槽への投入時に化学強化塩の粉末が飛散したり、化学強化塩の溶融後に化学強化槽の壁面に付着した溶融塩が乾燥して飛散したりする場合がある。そのような場合、化学強化処理装置を収容する収容室内の雰囲気の清浄度が低下し、ガラス基板表面が汚染されるという問題があった。

0007

しかも、化学強化槽において必要な化学強化塩が溶融され、その後溶融塩中にガラス基板が浸漬されてガラス基板の化学強化処理が行われる。そのため、化学強化塩の溶融が完了するまでは化学強化処理を行うことができず、化学強化処理における生産効率が悪いという問題があった。

0008

この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置は、硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガラス基板の化学強化処理を行うための化学強化槽と、該化学強化槽で用いられる化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶融槽とを備え、これら化学強化槽と化学強化塩溶融槽とを別個の収容室に収容したことを特徴とするものである。

0010

請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記化学強化槽から排出される廃液排出管を介して化学強化槽の外部に設けられた廃液槽で受けるように構成したものである。

0011

請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記化学強化槽を収容する収容室は、その雰囲気中の1立方フィート(0.028立方メートル)当たり0.3μm以上の微粒子が1万個以下のクリーンルームであるものである。

0012

請求項4に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記化学強化塩溶融槽は加熱装置を備え、その加熱装置による加熱温度を化学強化槽の加熱温度より高く設定して化学強化塩を溶融するように構成したものである。

0013

請求項5に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法は、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置を使用し、化学強化塩溶融槽で化学強化塩を溶融した後、化学強化槽で化学強化処理を行うことを特徴とするものである。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って詳細に説明する。まず、磁気記録媒体等の情報記録媒体用ガラス基板の製造装置は、表面研磨処理装置、化学強化処理装置及び水洗処理装置等を備えている。そして、これらの装置を用い、シート状に形成されたガラス素板の表面研磨処理、化学強化処理及び水洗処理等を施すことにより情報記録媒体用のガラス基板が得られる。

0015

ガラス素板はシート状のガラスであれば、どのような製造方法によって製造されたものであってもよい。例えば、酸化スズ等の溶融金属上で所定の厚みに成形されるフロート法によって製造されたガラス、重力を利用したダウンドロー法によって製造されたガラス、インゴットガラスをリドロー法でシート状にしたガラス、金型上に落されたガラスをプレスして成形されたガラス等であってもよい。

0016

ガラス素板としては、二酸化珪素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)及び酸化カルシウム(CaO)を主成分としたソーダライムガラス、二酸化珪素、アルミナ(Al2O3)、酸化ナトリウム及び酸化リチウム(Li2O)を主成分としたアルミノシリケートガラス、その他ボロシリケートガラス、酸化リチウム−二酸化珪素系ガラス、酸化リチウム−アルミナ−二酸化珪素系ガラス等のガラスが使用される。また、その他の成分として酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ストロンチウム(SrO)等を含有する化学強化用ガラスも使用される。ガラス素板は超硬合金又はダイヤモンドを用いて円盤状(ドーナツ状)に切断される。その大きさは、情報記録用ディスクとして2インチ、2.5インチ、3インチなどの大きさに対応して設定される。

0017

表面研磨処理はガラス基板の周面の研磨、記録面のラッピング研磨、精密研磨などから構成される。精密研磨は通常複数回に分けて順に研磨精度を高めるように行われる。水洗処理は複数回行われ、加熱水を使用したり、超音波照射したりして行われる。

0018

図1に示すように、化学強化処理装置11は、ガラス基板の化学強化処理を行うための複数の化学強化槽12a〜12dと、その化学強化槽12a〜12dで用いられる化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶融槽13とよりなっている。

0019

化学強化塩溶融槽13は第1収容室14に収容され、複数の化学強化槽12a〜12dは第1収容室14とは別個の第2収容室15に収容されている。化学強化塩溶融槽13の斜め上方位置には、粉末状の化学強化塩16を化学強化塩溶融槽13に投入するための投入用容器17が配設されている。化学強化塩溶融槽13の側壁には加熱装置44が配設され、化学強化塩溶融槽13内に投入された粉末状の化学強化塩16を加熱溶融して溶融液18を形成するようになっている。また、化学強化塩溶融槽13には化学強化塩16の溶融時に溶融液18が飛散しないように蓋板19が備えられている。

0020

そして、投入用容器17から化学強化塩溶融槽13に投入された化学強化塩16は加熱されて溶融されるとともに、エージングされて溶融液18となる。この溶融液18が長時間加熱されることにより、内部の気泡が除去され、ガラス基板表面に付着する気泡が減少して局部的に化学強化処理が不充分なスポットを生ずるのを抑制するようになっている。しかも、ガラス基板表面を荒らす亜硝酸塩亜硝酸カリウム(KNO2)など〕を分解して除去し、化学強化後のガラス基板表面を平滑なものにするようになっている。化学強化塩溶融槽13における化学強化塩16の加熱温度は380〜430℃であり、後述する化学強化槽12a〜12dの加熱温度より30〜60℃程度高く設定することが望ましい。化学強化塩16の加熱温度をこのように高く設定することにより、亜硝酸塩を充分に分解して除去し、化学強化槽12a〜12dでの亜硝酸塩の存在量を低減させることができる。

0021

第1収容室14に収容される化学強化塩溶融槽13の1槽当たり、第2収容室15に収容される化学強化槽12a〜12dは2〜10槽であることが、化学強化における生産効率を向上させるために望ましい。

0022

化学強化槽12は有底四角箱状をなし、第1から第4化学強化槽12a〜12dの4槽よりなるが、図中二点鎖線で示す第4化学強化槽12dは必要に応じて配設されるものである。また、この実施形態では第1化学強化槽12a及び第2化学強化槽12bの2槽を使用し、第3化学強化槽12cはしない。各化学強化槽12a〜12dの側壁及び底壁には、加熱装置としてのシーズヒータ45が設けられている。また、各化学強化槽12a〜12dには化学強化処理時に内部の加熱状態を保持するための蓋体20が備えられている。

0023

ここで、円盤状をなす多数枚のガラス基板を保持する化学強化用のホルダーについて説明する。図2に示すように、ホルダー21のホルダー本体22は、左右一対側板25が複数の連結板26で連結されている。両側板25にはそれぞれ複数のスリット27が互いに対向するように設けられ、それらスリット27にはガラス基板28を支持する板状の支持部材29の両端が挿入係止されている。

0024

この支持部材29はガラス基板28の中心を通る水平線上の前後に一対及び底部に1個の合計3箇所に配置され、そのような構成が前後に2列設けられている。また、支持部材29は長さ方向に波状に形成されるとともに、幅方向湾曲形成され、その膨出部がガラス基板を支持する側に向いている。そして、多数のガラス基板28は支持部材29の波状に形成されたそれらの溝部に支持されるようになっている。例えば、1列に50枚のガラス基板28を収容すると、化学強化用のホルダー21が1個で100枚のガラス基板28が保持される。

0025

続いて、化学強化用のホルダー21を収容するケージについて説明する。図3に示すように、ケージ30を構成するケージ本体31は枠体32によって四角枠状に形成され、水平方向に延びる支持枠33が上下方向に複数段にわたって支持されている。そして、前記ホルダー21が上下左右に並べて収容されるようになっている。従って、例えば1個のケージ30に48個のホルダー21が収容されると、ケージ30が1個で4800枚のガラス基板28が収容される。

0026

図1に示すように、ケージ本体31を吊り下げ、化学強化槽12a内の化学強化塩16の溶融液18中に降ろして浸漬させるようになっている。この場合、ケージ本体31を予熱してから化学強化槽12a内の溶融液18中に降ろして浸漬させるようにしてもよい。その後、蓋体20を閉めて化学強化塩16の溶融液18を加熱することにより、ホルダー21に保持された多数のガラス基板28表面が化学強化処理される。

0027

すなわち、化学強化塩16は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとの混合物よりなり、投入用容器17中では粉末状の形態をなしている。この化学強化塩16は化学強化塩溶融槽13で加熱溶融され、第1及び第2化学強化槽12a,12bに貯留される。そして、ガラス基板28が各化学強化槽12a,12b中の溶融液18中に浸漬され、ガラス中のナトリウムイオン(Na+)及びリチウムイオン(Li+)がそれらよりイオン半径の大きいカリウムイオン(K+)又はナトリウムイオン(Na+)に置き換えられる(イオン交換される)。これにより、ガラス基板28表面に圧縮応力層が形成され、ガラス表面が強化されるようになっている。

0028

表面に化学強化処理が施されたガラス基板28は、ガラス基板28の取扱い時の機械的な衝撃やガラス基板28表面に磁性膜を形成する際に受ける熱衝撃に耐えることができ、ハードディスクドライブに組み込まれた後の長期間の使用での信頼性も高めることができる。

0029

化学強化塩溶融槽13の底部から供給管36が延設され、その供給管36から枝分かれした複数の供給用分岐管37が各化学強化槽12a〜12dに接続されている。化学強化塩溶融槽13の近傍に位置する供給管36には元バルブ38が設けられ、各供給用分岐管37には、化学強化塩溶融槽13で溶融された化学強化塩16の溶融液18を化学強化槽12に供給するための供給用バルブ39が設けられている。

0030

各化学強化槽12a〜12dは、第2収容室15内において同一の高さに設置され、前記化学強化塩溶融槽13は各化学強化槽12a〜12dより高い位置に設置されている。そして、化学強化塩溶融槽13で溶融された溶融液18が重力によって供給管36及び各供給用分岐管37を介して各化学強化槽12a〜12dに供給されるようになっている。この場合、ポンプを用いて溶融液18を供給しないので、ポンプから微量漏れる溶融液18による発塵を防止することができるように構成されている。

0031

各化学強化槽12a〜12dの底部には排出用分岐管40の一端が接続され、それら排出用分岐管40の他端はそれぞれ排出管41に接続されている。排出管41の先端部は、第1収容室14に設けられた廃液槽42に達している。各排出管41には、排出用バルブ43が設けられ、溶融液18を繰り返し使用した後に排出するようになっている。そして、各化学強化槽12a〜12dから排出される溶融液18が排出用分岐管40及び排出管41を経て廃液槽42に排出されるようになっている。

0032

前記第2収容室15はクリーンルーム、すなわちその雰囲気中に1立方フィート(0.028立方メートル)当たり0.3μm以上の粒径を有する微粒子が好ましくは1万個以下、さらに好ましくは1000個以下の清浄度を有する部屋である。第2収容室15は空気清浄装置により、常に上記清浄度に維持されるようになっている。この雰囲気中の清浄度が1万個を越える場合、ガラス基板28表面が汚染されやすくなって好ましくない。なお、微粒子の粒径の上限については特に規定されないが、通常は100μm程度である。

0033

前記化学強化槽12a〜12dは耐火物セラミックス)で形成され、化学強化塩溶融槽13、供給管36、各供給用分岐管37、排出用分岐管40、排出管41等はステンレス鋼で形成されている。

0034

このようにして化学強化処理されたガラス基板28は、精密研磨処理、水洗処理、さらに乾燥処理が施される。その後、ガラス基板28の記録面に下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜等が形成され、情報記録媒体用のガラス基板28が製造される。

0035

次に、上述したガラス基板の化学強化処理装置を用いた化学強化処理方法について説明する。さて、図1に示すように、化学強化塩溶融槽13の蓋板19を開いた状態で、投入用容器17から化学強化塩溶融槽13内に粉末状の化学強化塩16が投入される。化学強化塩溶融槽13では加熱により化学強化塩16が溶融されて溶融液18が形成される。一方、化学強化槽12a〜12d側では、排出用バルブ43を閉じ、元バルブ38及び供給用バルブ39を開くことにより、溶融液18が供給管36及び各供給用分岐管37を介して第1化学強化槽12a及び第2化学強化槽12bに供給される。その後、元バルブ38及び供給用バルブ39が閉じられる。

0036

続いて、多数枚のガラス基板28が保持された複数のホルダー21がケージ30に収容された状態(図1実線)で吊り下げられ、第1化学強化槽12a内に浸漬される(図1の二点鎖線)。図示しないが、第2化学強化槽12b内にもホルダー21が収容されたケージ30が浸漬される。そして、各化学強化槽12a〜12dに蓋体20が被せられた後、溶融液18がガラスの歪点より50〜150℃低い温度、好ましくは溶融液18自体の温度が350〜400℃になるように加熱される。その状態で数時間、例えば3〜5時間保持されることにより、ガラス基板28中のナトリウムイオン及びリチウムイオンがそれらよりイオン半径の大きいカリウムイオン又はナトリウムイオンに置き換えられる。このため、ガラス基板28表面に100〜200μm程度の深さで圧縮応力層が形成され、ガラス基板28表面が化学強化される。

0037

ガラス基板28に対する化学強化処理が行われた後、ホルダー21を収容したケージ30が引き上げられ、冷却される。各化学強化槽12a,12bでは、このような化学強化処理が新たなガラス基板28について所定回数繰返して行われる。その後、排出用バルブ43が開かれることによって、化学強化槽12a,12b内の溶融液18が排出用分岐管40から排出管41を経て廃液槽42へ流入される。

0038

上記のように、第1収容室14には化学強化塩溶融槽13と廃液槽42とが設けられ、第2収容室15には化学強化槽12a,12bのみが設けられている。そのため、第2収容室15においては、化学強化塩16の粉末が舞い上がったり、化学強化塩溶融槽13や廃液槽42に付着した溶融液18が乾燥して舞い上がったりするおそれがない。従って、第2収容室15内の雰囲気の清浄度を良好に維持することができる。

0039

しかも、化学強化塩溶融槽13を、化学強化槽12a,12bが収容されている第2収容室15とは別個の第1収容室14に設け、化学強化処理とは関係なく独立して化学強化塩16の溶融及びエージングを行うことができる。従って、化学強化処理における作業能率が良い。

0040

以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
・ 実施形態で説明した情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置11では、化学強化塩16によりガラス基板28の化学強化処理を行う第1及び第2化学強化槽12a,12bと、各化学強化槽12a,12bで用いられる化学強化塩16を予め溶融する化学強化塩溶融槽13とを、第2収容室15と第1収容室14に別個に収容した。このため、各化学強化槽12a,12bが収容された第2収容室15内においては、化学強化塩溶融槽13で発生する汚染を防止でき、第2収容室15内の雰囲気を清浄にすることができる。その結果、ガラス基板28表面の汚染を抑制することができる。

0041

・ また、第1収容室14に収容された化学強化塩溶融槽13にて化学強化槽12a,12bでの化学強化処理とは関係なく、化学強化塩16の溶融を行うことができる。すなわち、化学強化槽12a,12bでの化学強化処理と、化学強化塩16の溶融とを同時に併行して行うことが可能である。従って、化学強化処理における生産効率を向上させることができる。

0042

・ 各化学強化槽12a,12bから排出される廃液を排出管41を介して化学強化塩溶融槽13を収容する第1収容室14に収容された廃液槽42で受けるように構成した。このため、各化学強化槽12a,12bから排出される廃液に基づく汚染を防止して第2収容室15内の雰囲気をより清浄にし、ガラス基板28表面の汚染をさらに抑制することができる。

0043

・化学強化槽12a,12bを収容する第2収容室15を、その雰囲気に0.3μm以上の微粒子が1万個以下となるクリーンルームとした。従って、化学強化槽12a,12bを収容する第2収容室15の清浄度を高めることができる。

0044

・化学強化塩16のエージングを化学強化槽12a,12bを収容する第2収容室15とは異なる第1収容室14の化学強化塩溶融槽13にて行うようにしたので、生産効率を一層向上させることができる。

0045

・ 実施形態における情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法によれば、上記製造装置の発明の効果に加え、ガラス基板28の化学強化を簡単な操作で円滑に行うことができる。

0046

なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・耐火物により形成された各化学強化槽12a〜12dをステンレス鋼などの容器で覆うように構成してもよい。このように構成した場合、耐火物よりなる化学強化槽12a〜12dからの発塵を抑制することができる。

0047

・ 第2収容室15を、第1〜第4化学強化槽12a〜12d毎に区画壁を設けて4つの部屋に分けてもよい。この構成によれば、例えば第1化学強化槽12aについて、その他の第2化学強化槽12b等の化学強化塩16に基づく汚染を防止することができる。

0048

・ 第1収容室14を、化学強化塩溶融槽13を有する部屋と廃液槽42を有する部屋に分けてもよい。この場合、化学強化塩溶融槽13を有する部屋の雰囲気が廃液槽42の廃液に基づく発塵により汚染されるのを防止することができる。

0049

・化学強化塩溶融槽13における化学強化塩16の溶融を撹拌機強制的に撹拌して行うように構成してもよい。
・ホルダー21の各側板25にU字状又はV字状の切欠きを設けたり、複数の孔をあけたりしてもよい。或いは、各側板25を格子状に構成することにより、各側板25に孔を設けてもよい。このように構成した場合、化学強化塩16の溶融液18が各側板25側から流通し、ガラス基板28の化学強化を一層効率良く行うことができる。

0050

次に上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1) 前記化学強化塩溶融槽1槽当たり、化学強化槽が2〜10槽である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。このように構成した場合、化学強化処理における生産効率を向上させることができる。
(2) 前記化学強化槽と化学強化塩溶融槽とを化学強化塩が溶融された溶融液を供給する供給管で接続するとともに、化学強化塩溶融槽を化学強化槽より高い位置に設置し、溶融液を化学強化塩溶融槽から化学強化槽へ供給管を介して重力により供給するように構成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。このように構成した場合、溶融液の供給をポンプを用いることなく行うことができ、ポンプから漏洩する溶融液による収容室の汚染を防止することができる。
(3)表面研磨処理装置、化学強化処理装置及び水洗処理装置を用い、シート状に形成されたガラス素板の表面研磨処理、化学強化処理及び水洗処理を施して情報記録媒体用ガラス基板を製造する情報記録媒体用ガラス基板の製造装置であって、化学強化処理装置は、硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガラス基板の化学強化処理を行うための化学強化槽と、前記化学強化槽で用いられる化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶融槽とを備え、これら各槽を別個の収容室に収容したことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造装置。

0051

このように構成した場合、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制できると同時に、化学強化処理における生産効率を向上させることができる。
(4) 上記(3)に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造装置を使用し、化学強化塩溶融槽で化学強化塩を溶融した後、化学強化槽で化学強化処理を行うことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。

0052

この製造方法によれば、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる。
(5) 前記廃液槽は化学強化塩溶融槽を収容する収容室に設けられている請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。このように構成した場合、化学強化塩溶融槽を収容する収容室において、化学強化塩の溶融と化学強化槽から排出される廃液の処理を行うことができる。

発明の効果

0053

本発明は以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれば、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制することができるとともに、化学強化処理における生産効率を向上させることができる。

0054

請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、化学強化槽から排出される廃液に基づく汚染を防止して収容室内の雰囲気をより清浄にし、ガラス基板表面の汚染をさらに抑制することができる。

0055

請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、化学強化槽を収容する収容室をクリーンルームにすることにより、その収容室の清浄度を高めることができる。

0056

請求項4に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、化学強化後のガラス基板表面を平滑なものにすることができる。

0057

請求項5に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法によれば、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制することができるとともに、化学強化における生産効率を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0058

図1実施形態における情報記録媒体用ガラス基板の化学強化装置を示す概略説明図。
図2ガラス基板のホルダーを示す斜視図。
図3ホルダーを収容したケージを示す正面図。

--

0059

12…化学強化槽、12a…第1化学強化槽、12b…第2化学強化槽、12c…第3化学強化槽、12d…第4化学強化槽、13…化学強化塩溶融槽、14…第1収容室、15…第2収容室、16…化学強化塩、28…ガラス基板、41…排出管、42…廃液槽、44…加熱装置。

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