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技術 ニッケル粉末の製造方法、ニッケル粉末、ニッケルペースト、積層セラミック電子部品

出願人 株式会社村田製作所
発明者 緒方直明前田昌禎
出願日 2001年10月25日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2001-328270
公開日 2003年5月8日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2003-129106
状態 未査定
技術分野 ナノ構造物 酸化物セラミックスの組成2 粉末冶金 複合金属又は合金の製造 セラミックコンデンサ 導電材料
主要キーワード 共析反応 対イオン源 XPS解析 各めっき膜 ランタノイド系希土類元素 凝結粒子 金属塩化物溶液 生チップ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

内部電極を有する積層型セラミック電子部品クラック等の構造欠陥を防止できるニッケル粉末、その製造方法、そのペースト、それを用いた積層型セラミック電子部品を提供する。

解決手段

液相反応により、ニッケルを主成分とする金属と、ニッケル以外の金属の酸化物水酸化物珪酸塩炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種とを粉末として共析出させる工程と、共析出させた粉末の表面に、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種を付着させる工程とを有するニッケル粉末の製造方法。

概要

背景

積層セラミックコンデンサをはじめとする積層セラミック電子部品は、導電性ペーストセラミックグリーンシート印刷形成した後、圧着焼成することにより作製される。ここに用いられる導電性ペーストは、導電成分として、ニッケル(Ni)や銅(Cu)、銀(Ag)/パラジウム(Pd)等の金属粉末を用い、これに有機ビヒクル溶剤等を添加して作製される。

このような積層セラミック電子部品において、小型化/高容量化を進めるためには、内部導体の厚みを極力薄くし、単位体積あたりの積層可能枚数を増大させることが必須となっている。この目的を達成するためには、導電性ペーストに用いる金属粉末の粒子物理的サイズを極力小さくすることが求められる。

しかしながら、粒径が小さくなるとその金属粉末の比表面積二乗で大きくなることにより、金属粉末の表面エネルギーが増大し、その金属粉末の焼結開始温度は低下する。このような金属粉末を用いた導電性ペーストを内部電極に用いた場合には、積層セラミック電子部品の焼成段階でセラミックグリーンシート上に形成された導電性ペースト層の焼結開始温度が低温側にシフトし、セラミック収縮する以前に金属粉末の焼結が急峻に進行してしまい、デラミネーションクラック等の構造的欠陥の発生の一因になる。

従来、特開平6−96997号公報、特開平11−185527号公報のように、Pd被覆されたNi粉末を金属粉末として用いることによりNi粉末の焼成収縮を制御することが試みられている。しかし、この方法では、NiとPdが合金化するため、微粉のNi粉末、たとえばその粒径が200nm以下となるようなときには、十分な収縮抑制効果を発揮できず、過焼結による電極カバレージの低下や、デラミネーションの問題を発生させる。

また、特開平5−55077号公報や、特開平10−106351号公報、特開平11−283441号公報では、酸化Niを含むペーストや、一部が酸化されたNi粉末の使用が示唆されている。ところが、このような粉末を用いた場合には、焼成条件雰囲気酸化ニッケル還元する、いわゆる還元雰囲気下では、添加された酸化ニッケルや、Ni粉末中の酸化ニッケルが還元し、実質的な効果を示さないという問題がある。

また、金属粉末への酸化物などのコーティングによって、Ni粉末の焼結を抑制しようという試みがある(特開平ll−343501号公報、特開2000−178601号公報)。

しかし、液相法で合成されたNi粉末の表面層均質コーティング層を形成しても、次のような理由で、セラミックが焼成される1000℃以上の領域まで、焼結抑制ができないという間題がある。

すなわち、液相法によって合成されたNi粉末は、Ni粉末同士が結合した凝結粒子を含み、この凝集粒子を構成する、個々の粒子の結晶性が50nm以下程度と低く、熱安定性が低いという特徴がある。

このような粒子にコーティングを施した場合、この凝結粒子を包み込むような形でコーティング層が形成される。このコーティングした粉末を、積層セラミックコンデンサーが焼成されるような高い温度域まで上昇させた場合の変化は、まず、Niをコーティングしない場合に焼結が始まる温度域(300℃〜400℃)で、コーティング層内部に含まれる凝結粒子が焼結し変形し始める。次に、この粉末内部での焼結によりNi粒子が大きく変形し、コーティング層を破壊する。

このとき、内部のNiは焼結するのに十分なエネルギーをもっており、コーティング層の破壊後急速に収縮をはじめる。このとき、コーティング材(酸化物など)は、Ni焼結の際に形成される3重点入り込んで焼結を緩慢にするが、金属との化学的親和性は強くなく、次第に焼結体外部に押し出され、Niの焼結縁密化を抑制する効果を失う。

また、このような粉末では、その焼成メカニズムから、コーティング層が破壊されたあとのNiの収縮速度は著しく早い。積層セラミック電子部品に使用されるセラミック材料と上記粉末とが同時焼成される際、上記破壊が起こる温度が、600℃〜900℃程度の温度領域のとき、通常、この温度領域でセラミックは脱バインダー化されているが、焼結は、全く、もしくは殆ど進行していない状態にある。よって、上記温度領域は、セラミック粉末同士の結合力がもっとも弱い温度領域となる。

この温度領域での急激な内部電極層の収縮は、積層体内部に急激な応力を発生させ、セラミック層の破壊、電極/セラミック界面のはく離を発生させ、むしろ、コーティングした方が積層体のクラック、デラミネーションン不良の比率が大きくなってしまうこともある。

概要

内部電極を有する積層型セラミック電子部品のクラック等の構造欠陥を防止できるニッケル粉末、その製造方法、そのペースト、それを用いた積層型セラミック電子部品を提供する。

液相反応により、ニッケルを主成分とする金属と、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物珪酸塩炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種とを粉末として共析出させる工程と、共析出させた粉末の表面に、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種を付着させる工程とを有するニッケル粉末の製造方法。

目的

特に,本発明の目的は、積層セラミックコンデンサ等、焼結温度がNi粉末よりも高いセラミック層と同時焼結を行う導電性ペースト用の金属粉末として用いた際、Ni粉末の焼結開始温度が低いことと、焼結収縮が急峻であることに起因した、デラミネーション、クラック等の不良を阻止できるNi粉末をより安価に提供することである。

この発明のさらに他の目的は、積層セラミック電子部品の薄層化を図るべき内部導体を形成するために有利に用いることのできる導電性のニッケルペースト、並びにそのニッケルペーストを用いて製造した積層セラミック電子部品を提供しようとすることである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

液相反応により、ニッケルを主成分とする金属と、ニッケル以外の金属の酸化物水酸化物珪酸塩炭酸塩及びアルミン酸塩よりなる金属化合物の群から選ばれた少なくとも1種とを粉末として共析出させる工程と、共析出させた粉末の表面に、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種を付着させる工程とを有することを特徴とするニッケル粉末の製造方法。

請求項2

共析出させる工程は、還元剤溶液と、ニッケルを主成分とする金属としてのニッケル塩及びニッケル以外の金属の金属化合物とを溶解して含む溶液とを混合し、ニッケルイオン還元反応と金属化合物の析出反応とを備えることを特徴とする請求項1記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項3

付着させる工程は、共析出させた粉末を溶媒に分散させたスラリーに、(a)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後に、沈殿剤を添加して前記金属化合物を沈殿させる、(b)ニッケル以外の金属の金属化合物の溶解と、沈殿剤とを添加して前記金属化合物を沈殿させる、(c)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後に、前記金属化合物を加水分解して沈殿させる、(d)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後に、溶媒を飛散させて前記金属化合物を析出させる、のうちの何れか一つを備えることを特徴とする請求項1または2記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項4

ニッケルを主成分とする金属と共析出させる金属化合物は、金属元素として、アルカリ土類金属ランタノイド系希土類元素、Y、Zr、Ti及びSiのうちの何れか一つであることを特徴とする請求項1、2または3記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項5

付着させる工程の金属化合物は、金属元素として、アルカリ土類金属、ランタノイド系希土類元素、Y、Zr、Ti及びSiのうちの何れか一つであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項6

共析出させた粉末の粒径が200nm以下であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項7

共析出させた粉末中の金属化合物の割合は、ニッケル100モルに対し、0.1モル〜5モルであることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項8

共析出させた粉末中の結晶子径が50nm以下であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項9

付着させた粉末中の金属化合物の割合は、ニッケル100モルに対し、0.1モル〜5モルであることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。

請求項10

請求項1ないし9の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法により得られたことを特徴とするニッケル粉末。

請求項11

請求項10記載のニッケル粉末と、有機ビヒクルとを含むことを特徴とするニッケルペースト

請求項12

互いに積層された、複数のセラミックス層と、各セラミックス層の間に設けられた、請求項11記載のニッケルペーストの焼結体とを備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品

技術分野

0001

本発明は、積層セラミック電子部品内部電極に用いられる導電性ペースト用のニッケル粉末、その製造方法に関するものであり、特に、積層セラミックコンデンサーをはじめとする、その構造内部に電極層もしくは導体回路を有する電子部品の製造に用いる導電性ペースト用のニッケル粉末の製造方法、および上記ニッケル粉末、並びに、そのニッケル粉末を用いた導電性ペースト用のニッケルペースト及び積層セラミック電子部品に関するものである。

背景技術

0002

積層セラミックコンデンサをはじめとする積層セラミック電子部品は、導電性ペーストセラミックグリーンシート印刷形成した後、圧着焼成することにより作製される。ここに用いられる導電性ペーストは、導電成分として、ニッケル(Ni)や銅(Cu)、銀(Ag)/パラジウム(Pd)等の金属粉末を用い、これに有機ビヒクル溶剤等を添加して作製される。

0003

このような積層セラミック電子部品において、小型化/高容量化を進めるためには、内部導体の厚みを極力薄くし、単位体積あたりの積層可能枚数を増大させることが必須となっている。この目的を達成するためには、導電性ペーストに用いる金属粉末の粒子物理的サイズを極力小さくすることが求められる。

0004

しかしながら、粒径が小さくなるとその金属粉末の比表面積二乗で大きくなることにより、金属粉末の表面エネルギーが増大し、その金属粉末の焼結開始温度は低下する。このような金属粉末を用いた導電性ペーストを内部電極に用いた場合には、積層セラミック電子部品の焼成段階でセラミックグリーンシート上に形成された導電性ペースト層の焼結開始温度が低温側にシフトし、セラミック収縮する以前に金属粉末の焼結が急峻に進行してしまい、デラミネーションクラック等の構造的欠陥の発生の一因になる。

0005

従来、特開平6−96997号公報、特開平11−185527号公報のように、Pd被覆されたNi粉末を金属粉末として用いることによりNi粉末の焼成収縮を制御することが試みられている。しかし、この方法では、NiとPdが合金化するため、微粉のNi粉末、たとえばその粒径が200nm以下となるようなときには、十分な収縮抑制効果を発揮できず、過焼結による電極カバレージの低下や、デラミネーションの問題を発生させる。

0006

また、特開平5−55077号公報や、特開平10−106351号公報、特開平11−283441号公報では、酸化Niを含むペーストや、一部が酸化されたNi粉末の使用が示唆されている。ところが、このような粉末を用いた場合には、焼成条件雰囲気酸化ニッケル還元する、いわゆる還元雰囲気下では、添加された酸化ニッケルや、Ni粉末中の酸化ニッケルが還元し、実質的な効果を示さないという問題がある。

0007

また、金属粉末への酸化物などのコーティングによって、Ni粉末の焼結を抑制しようという試みがある(特開平ll−343501号公報、特開2000−178601号公報)。

0008

しかし、液相法で合成されたNi粉末の表面層均質コーティング層を形成しても、次のような理由で、セラミックが焼成される1000℃以上の領域まで、焼結抑制ができないという間題がある。

0009

すなわち、液相法によって合成されたNi粉末は、Ni粉末同士が結合した凝結粒子を含み、この凝集粒子を構成する、個々の粒子の結晶性が50nm以下程度と低く、熱安定性が低いという特徴がある。

0010

このような粒子にコーティングを施した場合、この凝結粒子を包み込むような形でコーティング層が形成される。このコーティングした粉末を、積層セラミックコンデンサーが焼成されるような高い温度域まで上昇させた場合の変化は、まず、Niをコーティングしない場合に焼結が始まる温度域(300℃〜400℃)で、コーティング層内部に含まれる凝結粒子が焼結し変形し始める。次に、この粉末内部での焼結によりNi粒子が大きく変形し、コーティング層を破壊する。

0011

このとき、内部のNiは焼結するのに十分なエネルギーをもっており、コーティング層の破壊後急速に収縮をはじめる。このとき、コーティング材(酸化物など)は、Ni焼結の際に形成される3重点入り込んで焼結を緩慢にするが、金属との化学的親和性は強くなく、次第に焼結体外部に押し出され、Niの焼結縁密化を抑制する効果を失う。

0012

また、このような粉末では、その焼成メカニズムから、コーティング層が破壊されたあとのNiの収縮速度は著しく早い。積層セラミック電子部品に使用されるセラミック材料と上記粉末とが同時焼成される際、上記破壊が起こる温度が、600℃〜900℃程度の温度領域のとき、通常、この温度領域でセラミックは脱バインダー化されているが、焼結は、全く、もしくは殆ど進行していない状態にある。よって、上記温度領域は、セラミック粉末同士の結合力がもっとも弱い温度領域となる。

0013

この温度領域での急激な内部電極層の収縮は、積層体内部に急激な応力を発生させ、セラミック層の破壊、電極/セラミック界面のはく離を発生させ、むしろ、コーティングした方が積層体のクラック、デラミネーションン不良の比率が大きくなってしまうこともある。

発明が解決しようとする課題

0014

そこで、本発明の目的は、熱安定性の低い液相法で合成されたNi粉末の焼結を抑制することと、高温域での急激な収縮を抑制するために、コーティング層の剥離を誘発する凝集粒子を低減するとともに、個々の粒子の熱安定性を向上させ、さらに均質なコーティング層を形成することで、液相法で合成されたNi粉末の焼結を制御し焼結開始温度を高温度側にシフトさせるとともに、それからの急峻な焼結収縮を抑制したNi粉末の製造方法に関するものである。

0015

特に,本発明の目的は、積層セラミックコンデンサ等、焼結温度がNi粉末よりも高いセラミック層と同時焼結を行う導電性ペースト用の金属粉末として用いた際、Ni粉末の焼結開始温度が低いことと、焼結収縮が急峻であることに起因した、デラミネーション、クラック等の不良を阻止できるNi粉末をより安価に提供することである。

0016

この発明のさらに他の目的は、積層セラミック電子部品の薄層化を図るべき内部導体を形成するために有利に用いることのできる導電性のニッケルペースト、並びにそのニッケルペーストを用いて製造した積層セラミック電子部品を提供しようとすることである。

課題を解決するための手段

0017

この発明に係るNi粉末は、上述した技術的課題を解決するため、まずはじめに、コーティング層の剥離を誘発する凝集粒子を低減するとともに、個々の粒子の熱安定性を向上させたNi粉末を作成するため、液相法により、Niを主成分とする金属を、Ni以外の金属の酸化物、水酸化物珪酸塩炭酸塩アルミン酸塩のうち少なくとも一種とを粉末として共析することを行う。

0018

共析反応は、たとえば、Ni塩を、水、アルコールなどに溶解し、これをヒドラジン化合物などにより還元する際、その溶液金属塩化物などの金属イオン源と、その対イオンとなる、水酸化物イオン珪酸イオン炭酸イオン等の存在下で、共析物の沈殿が可能なpH領域でNi粉末を合成することによりNi粉末との共析が可能となる。

0019

酸化物を共析する場合には、対応する金属アルコキシド共存させ、Niの還元反応と同時に加水分解させることにより共析することができる。このような方法で、Niと共析できる化合物の例としては、酸化物としてBaTiO3 、TiO2 、ZrO2 、SiO2 、Al2 O3 などがあり、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩として、Laに代表される希土類元素やYの水酸化物、Mg(OH)2 に代表されるアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、珪酸塩などがある。

0020

これらの共析粉末は、Ni粉末と、酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩などが複合化しており、積層セラミックコンデンサーが焼成されるような高い温度領域では、Niと共析された化合物が比較的高い熱安定性を有するため、Niの焼結の際に3重点に析出し、ピン止め効果によりNiのネッキング開始後の収縮速度を緩やかにする効果を発揮できる。

0021

しかし、このような共析粉末では、Niの焼結速度は遅くなるが、収縮開始温度の大幅な上昇はない。したがって、この様な粉末を内部電極材料として用いた場合には、焼成温度が高くなるにつれて、内部電極の収縮量が増大し、セラミック層/電極の界面で応力が蓄積されていくことになる。

0022

さらに温度が上昇すると、この蓄積された応力が原因で、ついには、セラミック/電極層のはく離が発生することになる。したがって、共析により、収縮挙動が緩やかな粉末は作成可能であるが十分でないといえる。これは,蓄積された応力がセラミック/電極界面に発生するためであるが、この応力を緩和するためには、この応力ができるだけ発生しないように、粉末の収縮開始温度を上昇させ、収縮量を低減させる必要がある。具体的には、同時に焼成される、セラミックが焼結を開始し、セラミックが収縮する温度まで上昇させることにより、このはく離を発生させる応力を低減することができる。

0023

発明者は、この収縮開始温度を上昇させるために、共析粉末にコーティング(付着)を行うが次のような理由で、Ni粉末単独にコーティングした(付着させた)場合より大幅に、クラック/剥離不良を低減できることを見出した。

0024

まず、Ni粉末に高い熱安定性を付与するためには、コーティング層(付着層)の剥離を誘発する凝集粒子を低減することが必須であるが、発明者は、共析粉末が、高い分散性を有することを見出した。

0025

この原因は、明確になっていないがおおむね次のように考えられる。液相中で分散した金属粉末を得るには、個々の粒子の間の金属結合の形成を阻止する必要がある。共析反応では、Niと水酸化物、炭酸塩などの沈殿反応が同時に起き、Niと炭酸塩などの複合粒子が生じる結果、表面に露出している金属Ni成分が減少し、2粒子の接点でNi金属同士が接触する確率を低減でき、金属結合を形成するのを抑制しているものと考えられる。

0026

一方で、金属成分と炭酸塩、水酸化物などとの結合は、金属結合に比較し強固でないために、ペーストを作成する際の粉砕プロセスなどによって容易に解砕されるものと思われる。

0027

したがって、このような高分散性の粉末には、コーティング層のはく離を誘発する凝集粒子が少なく、この粉末にコーティングを施すことにより、収縮開始温度の高温化が図れることになった。また、本来、収縮速度が遅い粉末を用いているため、コーティング層の崩壊後も緩やかな収縮を示し、結果として、セラミックが収縮するまでの温度領域での収縮量を低減することができるようになったのである。

0028

このような材料を具体的に実現するためには、Niと共に共析させる元素は、分散性の点からは多くの要請はないが、これら粉末は高温までの収縮挙動が緩やかなことが要請されることから、高温での安定性が高いものが望ましい。具体的には、酸化物、アルミン酸塩である。

0029

これらの化合物は、通常、1500℃以上の融点(例えば、BaTiO3 の融点1610℃、MgOの融点2826℃、Mg2 SiO4 の融点1898℃など)を有するため、高温安定性が高く効果的である。水酸化物、炭酸塩などは、熱分解するものもあり、熱安定性は落ちるが、比較的Niと共析しやすく高分散を得るために効果が高い。

0030

共析量はNiに対しより多いほうが効果を発揮し、Ni100molに対し0.1mol以上が効果的である。理想的にはNiの粒径が100nmのとき、Ni100molに対し0.2mol〜5mol程度がよい。極端に多いと、Ni含有量が低下し積層セラミック電子部品の内部電極にした場合、電極カバレージの低下を引き起こす。

0031

共析に用いる元素の種類は、セラミック材料に用いた場合にその誘電特性を大きく変化させないものが望ましい。熱安定性の点から、周期律表の2属ないし9属元素、13属元素、14属元素のものが、共析用の金属化合物として使用可能であり、セラミックの誘電特性を考慮した場合、アルカリ土類金属、ランタノイド系希土類元素イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)がもっとも使用しやすい。

0032

次に、Niと金属化合物との共析粉末の表面に、Ni以外の金属の、酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩のうち少なくとも一種を金属化合物として付着させる。ここで、酸化物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩はアルカリ土類金属、ランタノイド系希土類元素、イットリウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、珪素を少なくとも一種含むものが使用可能であり、共析同様使用しやすい。

0033

コーティング(付着)の方法は、例えば、Ni粉末を分散させたスラリーけんだく液)に、金属源として金属塩化物溶液などと、対イオン源沈殿剤)として珪酸ナトリウム炭酸ナトリウムタングステン酸ナトリウム、などの溶液を同時に滴下することによって行うことができる。

0034

また、金属酸化物の場合には、共析Ni粉末をアルコール中に分散し、そのスラリーにコーティングに用いるアルコキシドを溶解し、さらに、水または、水を含むアルコールを滴下することにより、アルコキシドを加水分解させて、Ni粉末表面に酸化物をコーティングできる。

0035

2種以上のアルコキシド、たとえばBaとTi、MgとAlのアルコキシドを用いてABO3 型またはAB2 O4 型の複合酸化物のコートも可能である。溶媒飛散させて金属化合物を析出させてコーティングしてもよい。

0036

コート材の特性上は、共析と同様に、熱安定性の高いものが望ましく、酸化物、珪酸塩、アルミン酸塩が都合がよい。熱分解する水酸化物、炭酸塩でも比較的多く、例えばNi100molに対して1mol以上コートすることで、厚いコーティング層を形成して熱分解後均一性を損なうことがないようにできる。

0037

コート量はNiに対しより多いほうが効果を発揮し、Niの粒径が100nmの場合、理想的にはNi100molに対して0.1mol〜5mol程度がよいが、0.3mol以上で効果的である。極端に多いと、共析と同様にNi含有量が低下し積層内部電極にした場合、電極カバレージの低下を引き起こす。また、共析用の金属化合物と、コーティング用の金属化合物とは相違している方が好ましい。

0038

Ni粉末の焼結は、電子顕微鏡で観察されるような物理的なサイズが小さいほど、結晶子径が小さいほど低温で起こる。したがって本発明の効果は、微粉になるほど、結晶子径が小さくなるほど効果的であり、実質的には、粒子径200nm以下、結晶子径50nm以下の粉末に用いたときに特に効果を発揮する。

発明を実施するための最良の形態

0039

実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明する。

0040

(実施例1)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し0.5molとなるようにチタンイソプロポキシドを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60ml、および水酸化バリウムをNi100molに対し0.5molとなる量を混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3共析粉末を得た。

0041

次に、この粉末を、15g量し、300mlポリポットにて1mmφの玉石250g、イソプロパノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉砕した。その後、粉砕したスラリーをイソプロパノール100mlを用いて玉石と分離し、300mlビーカーに移した。

0042

さらに、Ni100molに対し1molとなる量のアルミニウムトリイソプロキシドを、上記スラリーに混合した。このスラリーを攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記スラリーに、50mlのイソプロパノール水溶液(2wt%)を毎分1mlの割合で投入し、アルミニウムトリイソプロポキシドを加水分解して、Ni粉末に対しアルミニウム酸化物アルミナ、Al2 O3 )を付着させた。この粉末(Ni粉末)を脱水、ろ過したのち、60℃オーブンで乾燥した。

0043

これら各金属を含む粉末50wt%に対して、エチルセルロースバインダ10wt%をテルピネオール90wt%に溶解して作製した有機ビヒクル40wt%とテルピネオール10wt%とを加えて、3本ロールミルにより入念に分散混合処理を行なうことにより、良好に分散した金属粉末を含有するペースト(ニッケルペースト)を調製した。

0044

このペーストを用いた積層セラミックコンデンサー(積層セラミック電子部品)の製造方法を以下に説明する。まず、上記ペーストを、BaTiO3 を主成分とする1.4μmの厚みのセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷し、内部電極となる導電性ペースト膜を形成した。このとき、導電性ペースト膜の乾燥後の厚みは0.6μmとした。

0045

次いで、セラミックグリーンシートを、上述の導電性ペースト膜の引き出されている端辺側が、互い違いとなるように複数層、互いに積層し、熱プレスして一体化した。次いで、一体化したプレス体を所定の寸法にカットし、生の積層体としての生チップを得た。この生チップを、N2雰囲気中にて250℃の温度に加熱し、バインダー燃焼させた(脱バインダー化)後、酸素分圧は4×10-12MPaのH2 −N2 −H2Oガスからなる還元性雰囲気中において、1100℃を最高焼成温度として2時間保持するプロファイルで焼成した。

0046

また、有効誘電体セラミック層総数は100であり、1層当たりの対向電極面積は15.1×10-6m2 であった。

0047

次いで、これら得られた積層セラミックコンデンサーの各試料100個を、樹脂に埋めて研磨を行い、顕微鏡観察を行い、内部電極内にクラックが発生している試料の比率を求めた。

0048

以下に、上記積層セラミックコンデンサーの構造について説明する。図1に示すように、上記積層セラミックコンデンサー11は、略直方体型であり、セラミック積層体12と、複数の各内部電極13…と、一対の各端子電極14、14と、一対の各めっき膜15、15とを有している。

0049

セラミック積層体12は、例えばBaTiO3 を主成分とする誘電体材料からなるセラミック層12aが複数積層された生のセラミック積層体が焼成されてなっている。

0050

各内部電極13・13は、セラミック積層体12内の各セラミック層12a・12a間にあって、焼成前の複数のセラミックグリーンシート上に本発明のニッケルペーストが印刷され、各セラミックグリーンシートと共に積層されてなる生チップと同時に焼成されて形成されている。また、各内部電極13…のそれぞれの端縁は、セラミック積層体12の何れかの端面に露出している。

0051

各端子電極14、14は、セラミック積層体12の端面に露出した各内部電極13…の一端と電気的に接合されるように、端子電極形成用の導電性ペーストがセラミック積層体12の端面に塗布され焼き付けられている。各めっき膜15、15は、例えば、SnやNi等の無電解めっきや、はんだめっき等からなり、各端子電極14、14上に少なくとも1層それぞれ形成されている。

0052

なお、本発明のセラミック積層体12の材料は、上述の実施例に限定されることはなく、例えば、PbZrO3 系等その他の誘電体材料や、絶縁体磁性体、半導体材料からなっても構わない。

0053

また、上記各内部電極13…の枚数は、上述の実施例に限定されることはなく、何層形成されていても構わない。また、端子電極14の形成位置ならびに個数は、上述の実施例に限定されるものではない。また、めっき膜15、15は、必ずしも備えている必要はなく、また何層形成されていても構わない。

0054

(実施例2)実施例1と同様の方法で粒子径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3共析粉末を作成したあと、この粉末を15g秤量し、300mlポリポットにて1mmφの玉石250g、エタノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉砕した。その後、粉砕したスラリーをエタノール100mlを用いて玉石と分離し、300mlビーカーに移した。

0055

さらに、上記スラリーに、珪酸エチルを、Ni100molに対し2molとなる量を混合した。この溶液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記溶液にイオン交換水10ml、アンモニア水20mlの混合溶液を毎分1mlの割合で投入し、珪酸エチルを加水分解し、Ni粉末にSiO2 を付着させた。この粉末を脱水、ろ過したのち、60℃オーブンで乾燥した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0056

(実施例3)実施例1と同様の方法で粒子径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量がNi100molに対し2molとなるように比率を調整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビーカーに移した。

0057

さらに、0.3mol%塩化マグネシウム溶液と、0.3mol%水酸化ナトリウム溶液とを、Ni100molに対しMg(OH)2換算で2molとなる量を調整した。

0058

Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記Niけんだく液に塩化マグネシウム溶液と、水酸化ナトリウム溶液を10分間かけて投入し、Mg(OH)2 をNi粉に付着させた。

0059

この粉末を、水洗して、不純物を除去した後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0060

(実施例4)実施例1と同様の方法で粒子径100nm、結晶子径18nmのNi−BaTiO3共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量がNi100molに対し2molとなるように比率を調整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビーカーに移した。

0061

さらに、0.3mol%塩化ランタン溶液と、0.3mol%水酸化ナトリウム溶液を、Ni100molに対しLa(OH)3換算で0.5molとなる量を調整した。Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記Ni粉けんだく液に塩化ランタン溶液と、水酸化ナトリウム溶液とを10分間かけて投入し、La(OH)3 を付着させた。

0062

この粉末を、水洗して、不純物を除去した後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0063

(実施例5)実施例1と同様の方法で粒子径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量がNi100molに対し2molとなるように比率を調整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビーカーに移した。

0064

さらに、0.3mol%塩化マグネシウム溶液と、0.3mol%アルミン酸ナトリウム溶液を、Ni100molに対しMg(AlO2 )2換算で0.5molとなる量を調整した。

0065

Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記Niけんだく液に塩化マグネシウム溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液水とを10分間かけて投入し、Mg(AlO2 )2 を付着させた。

0066

この粉末を、水洗して、不純物を除去した後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0067

(実施例6)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3.5molとなるようにアルミニウムトリイソプロキシドを溶解した。この溶液を、水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径150nm、結晶子径38nmのNi−Al2 O3共析粉末を得た。

0068

次に、この粉末を、15g秤量し、300mlポリポットにて1mmφの玉石250g、イソプロパノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉砕した。その後、粉砕したスラリーをイソプロパノール100mlを用いて玉石と分離し、300mlビーカーに移した。

0069

さらに、テトラチタンイソプロポキシドを、Ni100molに対し0.2molとなる量をこのスラリーに混合した。この溶液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しながら、上記溶液にNi100molに対し0.2molの水酸化バリウムを含むイオン交換水50mlを10分間かけて投入し、BaTiO3 をNi粉末に付着させた。この粉末を脱水、ろ過したのち、60℃オーブンで乾燥した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0070

(実施例7)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し2molとなるようにn−テトラブトキシジルコニウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径50nm、結晶子径17nmのNi−ZrO2共析粉末を得た。

0071

次に、この粉末に対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し1molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0072

(実施例8)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3molとなるように珪酸エチルを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径100nm、結晶子径25nmのNi−SiO2共析粉末を得た。

0073

この粉末に対し、実施例1と同様の方法でNi100molに対し1molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0074

(実施例9)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し1molとなるように塩化マグネシウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径20nmのNi−Mg(OH)2共析粉末を得た。この粉末に対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し0.5molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0075

(実施例10)実施例9と同様の方法で、Ni100molに対し0.5molとなるように塩化マグネシウムを溶解し、粒子径80nm、結晶子径17nmのNi−Mg(OH)2共析粉末を得た。この粉末に対し、実施例2と同様の方法で、Ni100molに対し2molのSiO2 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0076

(実施例11)塩化ニッケル45gをエタノール150m1に溶解し、Ni100molに対し3molとなるように塩化イットリウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径20nmのNi−Y(OH)3共析粉末を得た。

0077

この粉末に対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し1molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0078

(実施例12)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3molとなるように塩化マグシムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60ml、メタ珪酸ナトリウムをNi100molに対し3molの量を混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径19nmのNi−MgSiO3共析粉末を得た。

0079

この粉末に対し、実施例2と同様の方法でNi100molに対し1molのSiO2 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0080

(実施例13)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3molとなるように塩化カルシウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60ml、炭酸ナトリウムがNi100molに対し3molの量を混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径19nmのNi−CaCO3共析粉末を得た。

0081

この粉末に対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し1molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0082

(実施例14)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3molとなるように塩化マグネシウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60ml、アルミン酸ナトリウムがNi100molに対し3molの量を混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置して、粒子径80nm、結晶子径21nmのNi−Mg(A1O2 )2共析粉末を得た。

0083

この粉末に対し、実施例2と同様の方法で、Ni100molに対し1molのSiO2 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0084

(実施例15−27)実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し、表1に示す、BaTiO3換算にて0.1mol〜10molのNi−BaTiO3共析粉末をそれぞれ得た。これらに、実施例2と同様の方法で、Ni100molに対して、表1に示す、0.05mol〜10molのSiO2 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーをそれぞれ作成して、クラック発生率を求めた。

0085

(実施例28−34)実施例10と同様の方法で、Ni100molに対して、表1に示す、Mg(OH)2換算で0.1mol〜10molのNi−Mg(OH)2共析粉末をそれぞれ得た。この粉末に対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対して、表1に示す、1molのAl2 O3 を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーをそれぞれ作成して、クラック発生率を求めた。上記各実施例1−34の組成比及び結果については、表1に合わせてそれぞれ示す。

0086

(比較例1)粒子径が100nmのNi粉末を、他に何れも付着させずに、実施例1と同様の方法でペースト化し、積層セラミックコンデンサーでの評価を行った。結果を表1に示す。

0087

(比較例2)粒子径が100nmのNi粉末を、塩化すず(SnCl2 )と塩酸とからなる溶液に浸漬し、パラジウム(Pd)の付着を促進させるSnをNi粉末に吸着させ、続いて、塩化パラジウム(PdCl2 )を含む溶液に浸漬し、Ni表面に、Ni100molに対し2molのパラジウムを析出させた。この粉末に対し、実施例1と同様の方法でペースト化し、積層セラミックコンデンサーでの評価を行った。結果を表1に示す。

0088

(比較例3)粒子径が100nmのNi粉末を200℃のオーブンに2時間放置し,Ni表面を酸化させた。XPS解析により表面からNi金属が検出されないことを確認した。この粉末に対し、実施例1と同様の方法でペースト化し,積層セラミックコンデンサーでの評価を行った。結果を表1に示す。

0089

(比較例4)共析していない、粒子径が100nmのNi粉末に対し、実施例1と同様の方法でAl2 O3 をNi100molに対し1molとなるように付着させ、実施例1と同様の方法でペースト化し、積層セラミックコンデンサでの評価を行った。結果を表1に示す。

0090

(比較例5)塩化ニッケル45gをエタノール150mlに溶解し、Ni100molに対し2molとなるように塩化ランタンを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、Ni−La(OH)3共析粉末を得た。この粉末を、他に何れも付着させずに、実施例1と同様の方法でペースト化し、積層セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。

0091

0092

表1の結果から明らかなように、本発明により作製された粉末を積層セラミックコンデンサーの内部電極として用いた場合、比較例1〜5と比較して、極めて低いクラックの発生率となることが判った。

発明の効果

0093

本発明のNi粉末を用いて作製したNiペーストは、粒径が小さく薄層化を図るのに効果があり、また焼結収縮が抑制されるので積層セラミック電子部品等のセラミックス層と同時に焼成を行う際、セラミック層の焼結収縮に近づけることができて、クラック等の構造的な不良の発現を防止できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0094

図1本発明に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサーの断面図である。

--

0095

11積層セラミックコンデンサー(積層セラミック電子部品)
12セラミック積層体
13 内部電極

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