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技術 定着装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 小嶋悦嗣
出願日 2001年10月19日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2001-322651
公開日 2003年4月25日 (16年7ヶ月経過) 公開番号 2003-122170
状態 未査定
技術分野 電子写真における定着 ロール及びその他の回転体
主要キーワード アルミニウム酸化層 寿命分布 陽極酸化処理法 表面導電層 アルマイト被膜 界面応力 多孔性酸化物 定着クリーナ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

定着ローラ表層離型性層離型性低下に伴うオフセットトナーの増大及びこれによる画像汚れを防止し、かつ定着ローラ長寿命化を図る。

解決手段

内側に発熱源1eを有する定着ローラ1を、導電性芯金1dの上にプライマー層bを設け、さらにその上に離型性層1aを設けて構成する。定着時に離型性層1a表面に付着したオフセットトナーを、シリコーンオイルを含有した定着ウェブ11を摺擦させて除去する。離型性層1aを、ポリテトラフルオロエチレンとポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とをその配合比が、8:2〜1:9となるように設定することで、オフセットトナーの増加を防止し、かつ定着ローラ1の寿命延ばすことができる。

概要

背景

プリンタ複写機ファクシミリ等の画像形成装置に使用される定着装置において、ヒータを内蔵した定着ローラ加圧ローラ圧接して定着ニップ部を構成するものが知られている。

この定着装置では、表面に未定着トナー像担持した記録材(例えば、紙、透明フィルム)を定着ニップ部に挿通することにより、未定着トナー像を加熱・加圧して記録材表面定着させている。

このとき、定着ローラ表面に対してトナーオフセットが発生することがあり、このようなオフセットトナーは、例えば定着ローラの表面にクリーニング手段(定着クリーナ)として定着ウェブクリーニングウェブ)を摺擦させることで除去している。

また、定着ローラの表層フッ素樹脂コーティングされている場合の表層の材料には、ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE樹脂」という。)や、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下「PFA樹脂」という。)が多く使われている。

ところで、上述のPTFE樹脂は、硬度が高く削れにくいが、表面性が悪化しやすい(粗れやすい)という性質がある。一方、PFA樹脂は、逆に、硬度が低く削れやすいが、表面性は良好(粗れにくい)という性質がある。

概要

定着ローラ表層離型性層離型性低下に伴うオフセットトナーの増大及びこれによる画像汚れを防止し、かつ定着ローラの長寿命化を図る。

内側に発熱源1eを有する定着ローラ1を、導電性芯金1dの上にプライマー層bを設け、さらにその上に離型性層1aを設けて構成する。定着時に離型性層1a表面に付着したオフセットトナーを、シリコーンオイルを含有した定着ウェブ11を摺擦させて除去する。離型性層1aを、ポリテトラフルオロエチレンとポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とをその配合比が、8:2〜1:9となるように設定することで、オフセットトナーの増加を防止し、かつ定着ローラ1の寿命延ばすことができる。

目的

本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、定着ローラ表層の離型性低下に伴うオフセットトナーの増大、及びこれによる画像汚れを防止し、かつ長寿命の定着装置を提供し、またこのような定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

相互に圧接されて定着ニップ部を形成する定着ローラ加圧ローラとを備え、熱硬化性トナーで形成された未定着トナー像を表面に担持した記録材を、前記定着ニップ部に挿通して加熱・加圧することで未定着トナー像を記録材表面定着させる定着装置において、前記定着ローラの表面に形成された離型性層と、前記離型性層に摺擦されて、前記離型性層表面に付着しているオフセットトナーを除去するクリーニング手段と、を有し、前記離型性層が、ポリテトラフルオロエチレンとポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とを混合させた樹脂によって形成されている、ことを特徴とする定着装置。

請求項2

前記ポリテトラフルオロエチレンと前記ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との配合比が、8:2〜1:9である、ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。

請求項3

前記定着ローラが前記離型性層の内側に導電性芯材を有し、前記芯材に、前記離型性層表面に付着したオフセットトナーと同じ極性電圧印加する電圧印加手段を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。

請求項4

前記芯材がアルミニウムによって形成され、かつ前記芯材の表面を陽極酸化処理したアルマイト層を前記離型性層との間に有する、ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。

請求項5

前記クリーニング装置は、クリーニングウェブと、前記クリーニングウェブを供給する供給ローラと、前記クリーニングウェブを巻き取る巻取ローラと、を有し、前記クリーニングウェブにおける前記供給ローラと前記巻取ローラとの間に張設された部分を前記定着ローラ表面の離型性層に摺擦させてオフセットトナーを除去する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の定着装置。

技術分野

0001

本発明は、プリンタ複写機ファクシミリ等の画像形成装置に使用される定着装置、及びこれを使用した画像形成装置に関する。

背景技術

0002

プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に使用される定着装置において、ヒータを内蔵した定着ローラ加圧ローラ圧接して定着ニップ部を構成するものが知られている。

0003

この定着装置では、表面に未定着トナー像担持した記録材(例えば、紙、透明フィルム)を定着ニップ部に挿通することにより、未定着トナー像を加熱・加圧して記録材表面定着させている。

0004

このとき、定着ローラ表面に対してトナーオフセットが発生することがあり、このようなオフセットトナーは、例えば定着ローラの表面にクリーニング手段(定着クリーナ)として定着ウェブクリーニングウェブ)を摺擦させることで除去している。

0005

また、定着ローラの表層フッ素樹脂コーティングされている場合の表層の材料には、ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE樹脂」という。)や、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下「PFA樹脂」という。)が多く使われている。

0006

ところで、上述のPTFE樹脂は、硬度が高く削れにくいが、表面性が悪化しやすい(粗れやすい)という性質がある。一方、PFA樹脂は、逆に、硬度が低く削れやすいが、表面性は良好(粗れにくい)という性質がある。

発明が解決しようとする課題

0007

上述の従来例では、定着ローラに摺擦走行している定着ウェブがオフセットトナーを回収することで、オフセットトナーによる画像汚れを防止している。しかしながら、通常、記録材の通紙枚数画像形成枚数)に応じて徐々に定着ウェブを巻き取るように構成されているが、定着ローラと定着ウェブとの接触幅が4〜5mmであるのに対し、記録材1枚当たりの定着ウェブの巻き取り距離は数10μmと短い。このため、常にオフセットトナーで汚れた定着ウェブが定着ローラに摺擦することになり種々の問題が生じていた。特に、トナーとして熱硬化性のある磁性トナーを使用した場合、定着ウェブ上のトナーが長時間、高温にさらされることで、熱架橋反応により定着ウェブ上のトナーが高分子化硬化する。具体例をあげると、例えば、結着樹脂ポリエステル系樹脂を使用したトナーにおいて、高温にさらされることでトナー内の架橋成分との間で架橋反応が起こり、高分子量成分が増加する。この場合の温度とトナーの粘弾性を測定した結果を図1に示す。同図の横軸は温度(℃)を、また縦軸は粘弾性G´(dyne/cm2)を示している。

0008

温度100〜200℃の間においては、粘弾性G´は温度が上昇するとともに低下していき170℃付近から上昇を始めることがわかる。つまり170℃以上の温度においては、架橋反応によって粘性が上昇する。通常、定着ローラの温度は170℃以上の温度において温調されることがほとんどであるため、定着ウェブ上のトナーは時間とともに熱架橋されて、粘弾性が徐々に上がっていき熱硬化していくことがわかる。

0009

これにより定着ウェブが定着ローラに摺擦されると、熱硬化されたトナーによって定着ローラ表層の表面性が悪化するという問題が発生する。

0010

この表面性の悪化に伴い、定着ローラ表層の離型性が低下し、オフセットトナーの増大が起こる要因となる。また、この表面性の悪化した定着ローラ表層の微細な傷、溝にオフセットトナーが入り込み、そのトナーが熱硬化により固着してしまうことで、さらに定着ローラの離型性が悪化する。この状態ではオフセットトナーを定着ウェブによって回収することができなくなるため、オフセットトナーによる画像汚れ(以下「ローラ汚染」という。)を発生させるという問題が発生する。特に離型性層に、PTFE樹脂を使用した際、この現象は、より顕著となる。これは、PTFE樹脂の物性に大きくかかわっており、硬度は高く削れにくい特性をもつ反面で、摺擦時に表面性が悪化しやすいため離型性低下につながってしまう。

0011

逆に、離型性層に、硬度は低いが表面性が良好に保たれるPFA樹脂を使用すると、定着ローラに対する定着ウェブの摺擦走行による摺擦抵抗によっても表面性は常に良好に保たれるため、離型性はほとんど低下しない。しかしこの反面、定着ローラ上の当接物(例えば定着ウェブ)との摺擦により、離型性層が徐々に削り取られ、消失してしまうという問題が発生する。

0012

本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、定着ローラ表層の離型性低下に伴うオフセットトナーの増大、及びこれによる画像汚れを防止し、かつ長寿命の定着装置を提供し、またこのような定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

請求項1に係る発明は、相互に圧接されて定着ニップ部を形成する定着ローラと加圧ローラとを備え、熱硬化性のトナーで形成された未定着トナー像を表面に担持した記録材を、前記定着ニップ部に挿通して加熱・加圧することで未定着トナー像を記録材表面に定着させる定着装置において、前記定着ローラの表面に形成された離型性層と、前記離型性層に摺擦されて、前記離型性層表面に付着しているオフセットトナーを除去するクリーニング手段と、を有し、前記離型性層が、ポリテトラフルオロエチレンとポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とを混合させた樹脂によって形成されている、ことを特徴とする。

0014

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記ポリテトラフルオロエチレンと前記ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との配合比が、8:2〜1:9である、ことを特徴とする。

0015

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記定着ローラが前記離型性層の内側に導電性芯材を有し、前記芯材に、前記離型性層表面に付着したオフセットトナーと同じ極性電圧印加する電圧印加手段を有する、ことを特徴とする。

0016

請求項4に係る発明は、請求項3に記載の定着装置において、前記芯材がアルミニウムによって形成され、かつ前記芯材の表面を陽極酸化処理したアルマイト層を前記離型性層との間に有する、ことを特徴とする。

0017

請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか記載の定着装置において、前記クリーニング装置は、クリーニングウェブと、前記クリーニングウェブを供給する供給ローラと、前記クリーニングウェブを巻き取る巻取ローラと、を有し、前記クリーニングウェブにおける前記供給ローラと前記巻取ローラとの間に張設された部分を前記定着ローラ表面の離型性層に摺擦させてオフセットトナーを除去する、ことを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。

0019

<実施の形態1>図2に本発明に係る定着装置の一例を示す。同図に示す定着装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置(不図示)に使用される定着装置であり、定着ローラと加圧ローラとを有している。同図は両ローラの軸に直交する方向の縦断面図である。

0020

同図に示す定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2と備えている。

0021

定着ローラ1の内側には、ハロゲン等の発熱源1eが配設されている。定着ローラ1は、導電性の芯材であるアルミニウム製の芯金1dの上に、PAIポリアミドイミド)等を含むプライマー層1bを塗布し、さらにその上に表面導電層である離型性層(トップコート層)1aとして充填剤導電剤)が含有されたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂層を積層して構成されており、離型性層1aとプライマー層1bの層厚の和は26〜30μmに設定されている。

0022

加圧ローラ2は、芯金2bとその外周面被覆するゴム等の弾性層2aとを有している。この加圧ローラ2は、定着ローラ1に対して下方から当接されており、これら定着ローラ1と加圧ローラ2との接触部分には、それぞれの軸に対してほぼ平行な定着ニップ部Nが形成されている。

0023

これら定着ローラ1及び加圧ローラ2は、画像形成装置本体(不図示)側に配設された駆動手段(不図示)によってそれぞれ矢印方向に駆動される。紙や透明フィルム等の記録材は、例えば画像形成装置本体の画像形成部において感光ドラム上に形成されたトナー像が表面に転写される。トナー像転写後の記録材は、表面に未定着トナー像を担持した状態で、定着入口ガイド4に案内され、まず、その先端が定着ローラ1の表面に接触する。記録材は、その後、定着ニップ部Nに進入し、この定着ニップ部Nによって挟持搬送される。そして挟持搬送されながら加熱・加圧されて、未定着トナー像が定着される。なお、定着ローラ1のみ矢印方向に回転駆動して、加圧ローラ2は従動回転させるようにしてもよい。

0024

本実施の形態で使用されるトナーは、熱硬化性樹脂からなる結着樹脂を含有する磁性トナーであり、金属酸化物外添されている。

0025

なお、図2中の定着ローラ1の右側には、サーミスタ等の温度検知素子5が配設されている。この温度検知素子5の検知結果に基づいて、温度制御手段6が発熱源1eを制御して、定着ローラ1の温度を好適に制御する。この際、温度制御手段6は、定着ローラ1の温度制御として、例えば定着ローラ1の表面温度が190゜になるように制御する。

0026

上述の定着ローラ1には、トナー像定着時に記録材表面に定着されないで記録材表面から定着ローラ1表面にオフセットされたトナー(オフセットトナー)を除去するためのクリーニング手段(定着クリーナ)10として、定着ウェブ(クリーニングウェブ)11が配設されている。定着ウェブ11は、巻取ローラ12と供給ローラ13との間に張設され、両ローラ間に位置する部分を定着ローラ1表面に接触させている。定着ウェブ11は、例えば、定着ローラ1に付着したオフセットトナーをクリーニングする能力の高いシリコーンオイル含浸されたアラミド繊維によって形成されている。また、定着ウェブ11の送り量としては、定着ニップ部Nに記録材が1枚通紙されるごとに90μm巻き取られるように設定されている。すなわち、1枚の記録材に画像形成が終了するごとに、供給ローラ13から90μmだけ供給され、巻取ローラ12によって巻き取られるようになっている。

0027

本実施の形態においては、一例として、離型性層1aにおけるPTFE樹脂とPFA樹脂の配合比を変化させてそれぞれの配合比ごとに、離型性層にトナーが固着して画像汚れが発生する枚数、また定着ウェブ11との摺擦により離型性層1aが摩耗消失する枚数、をそれぞれ調査した。方法は、まず定着ローラ1に新品の定着ウェブ11を当接させ、画像比率6%の文字原稿について、15秒ごとに1枚の通紙動作画像形成動作)を行った。なお、本明細書中では、説明の便宜上、「配合比」について以下のように使用する。例えば、PTFE樹脂とPFA樹脂の配合比が8:2(=80:20)のとき、PFA樹脂の配合比が20%であるというように使用する。

0028

その結果を図3図4に示す。

0029

図3から、PFA樹脂の配合比が高いほど、汚染開始枚数が多く、より長寿命となっていることがわかる。

0030

これは前述した、摺擦されても表面性が悪化しにくいというPFA樹脂の特性に合致した結果となった。つまり、PFA樹脂の含有量を増加させるほど、表面性が悪化しにくくなるため、オフセットトナーの固着によるローラ汚染の発生が抑制されることとなる。

0031

一方で、図4からは、離型性層1aの摩耗消失発生枚数は、逆にPTFE樹脂の配合比が高いほど長寿命となることがわかった。この結果は、前述のPTFE樹脂の特性、つまり硬度が高く削れにくいという特性に合致した結果となっている。

0032

これら2つの結果より、離型性層1aにおけるPTFE樹脂とPFA樹脂の配合比を変化させたときの定着ローラ1の寿命は図5のように表すことができる。すなわちPFA樹脂の配合比が0〜60%のときは離型性層1aの汚染により寿命となり、PFA樹脂の含有量が60〜100%の時は定着ウェブ11との摺擦による離型性層1aの摩耗消失により寿命となる。

0033

図5からは、離型性層1aの樹脂がPTFE樹脂単体、又はPFA樹脂単体である場合よりも、両者を混合させることで、定着ローラ1は、より長寿命となることがわかる。特にPFA樹脂の配合比が20〜90%(80:20〜10:90)のとき優位性見出すことができる。また、同図からは、PFA樹脂の配合比が60±15%(45:55〜75:25)のときにさらに好適であることがわかる。

0034

<実施の形態2>図6を参照して、本実施の形態を説明する。定着ローラ1には、トナー(現像剤)と同極性の電圧を印加する電圧印加手段7が設けられており、この点が実施の形態1と異なっている。本実施の形態においては、例えば−極性(負極性)のトナーを使用する場合には−700〜−800Vの電圧が芯金1dに印加される。これにより、例えば特開平4−147175号公報等に記されているように、定着ローラ1へのオフセットトナーを減少することができることが一般に知られている。

0035

図7に本実施の形態を適用した場合の定着ローラ1の寿命についての結果を示す。なお、上述のように、帯電ローラ1に電圧を印加する点を除いて、他の実験条件は、前述の実施の形態1と同様とした。

0036

図7から、実施の形態1と比較して、定着ローラの寿命が全体的に5万枚程度増加していることがわかる。これは、定着ローラ1へのバイアス印加によりオフセットトナーが減少し、同時に定着ウェブ11上に回収されるオフセットトナーが減少するために、定着ウェブ11と定着ローラ1との摺擦抵抗が減少し、したがって、離型性層1aの表面性が悪化しにくくなリ、このため、オフセットトナー固着によるローラ汚染開始枚数が増加したためと考えられる。また、PFA樹脂の配合比の増加とともに顕著に発生する、離型性層1aの削れによる消失も、この摺擦抵抗の減少に伴い、発生枚数が増大したと考えられる。

0037

このように、定着ローラ1へのバイアス印加により、オフセットトナーを減少させることで、さらなる定着ローラの長寿命化を図ることができる。

0038

<実施の形態3>図8を参照して、本実施の形態について説明する。定着ローラ1は、導電性芯材であるアルミニウム製の芯金1dの表面に、陽極酸化処理法によって厚さ10〜15μmのアルミニウム酸化層であるアルマイト被膜層(アルマイト層)1cを形成しており、この点が上述の実施の形態2と異なっている。またその上にPAI(ポリアミドイミド)等を含むプライマー層1bを塗布し、さらにその上に表面導電層である離型性層1aとしてPTFE、PFA等のフッ素樹脂層を積層して構成されており、離型性層1aとプライマー層1bの層厚の和は40〜50μmに設定され、実施の形態1よりも厚く積層されている。

0039

また、上述の実施の形態2と同様、定着ローラ1にトナーと同極性の電圧を印加する電圧印加手段7が設けられており、例えば−極性(負極性)の現像剤を使用する場合には−700〜−800Vの電圧が印加される。なお、プライマー層1bはアルマイト被膜層1cと離型性層1aとを接着するためのものである。

0040

これは、特開2000−131987号公報等に記載されているように、上述のアルマイト被膜層1cを設けることにより耐圧を高くすることができるので、定着ローラ1の芯金1dに電圧を印加する場合に記録材へ電流が流れるのを防止することができ、トナーの飛び散り等を防止することができることは一般に知られている。

0041

さらには、アルマイト被膜層1cを設けることにより芯材1dと、プライマー層1b及び離型性層1aとの密着性を向上する特性も併せて得られる。これは、アルミニウム酸化層を形成すること、つまりアルミニウムを陽極酸化すると酸化アルミニウムアルミナ)になるとともに多数の微細孔を形成し、多孔性酸化物セラミックス表層となるからである。したがって、処理前のアルミニウムと比較して表面積が増加するため、皮膜の密着性が向上する。この密着性の向上により、離型性層1aの膜厚を増加させることが可能となる。

0042

この理由は以下に説明できる。本実施の形態のような多層の定着ローラ1の場合、定着ローラ1が高温になると、芯材1dと離型性層1aとの熱膨張率の違いにより、離型性層−芯材界面に応力集中がおこり、離型性層剥離の要因となる。離型性層1aの膜厚が増加するほど界面応力は増大するため、ある一定以上の膜厚(臨界膜厚)を積層すると離型性層1aは剥離を起こす。このため、離型性層1aの膜厚は界面の密着性に大きく依存されることとなる。したがって、アルマイト被膜層1cの形成により表面積の増大、それに伴う密着性の向上により、膜厚の増大が可能となる。

0043

図9に本実施の形態に使用したアルマイト被膜層1cを形成した定着ローラ1において界面剥離が発生する離型性層1aの膜厚(剥離臨界膜厚)を測定した結果を示す。比較例としてアルマイト被膜層を形成しないローラの結果も併せて示している。

0044

図9から、アルマイト被膜層がない場合の離型性層1cの臨界膜厚が35μmに対し、アルマイト被膜層1cを形成するとほぼ倍の70μmまで臨界膜厚を厚くすることが可能であることがわかった。この結果から、アルマイト被膜層1cを形成することで離型性層1aを厚く積層することが可能となり、それに伴い、離型性層1aの定着ウェブ11との摺擦による摩耗消失発生枚数を増加させることが可能となる。つまり、摩耗に対する長寿命化を図ることが可能となる。

0045

図10に、本実施の形態のように離型性層1aの膜厚を実施の形態1よりも15〜20μm増加させた場合の定着ローラ1における寿命枚数を示す。条件は実施の形態1と同様の条件にて行った。実施の形態1に示したようにPFA樹脂の配合比が増加するほど短寿命であった摩耗削れが、膜厚を増加させることでより長寿命となる。このため、寿命分布ピークがPFA樹脂増量側へシフトし、PFA樹脂増量によって、さらなる定着ローラ1の長寿命化を図ることが可能となった。本実施の形態においては、同図から、定着ローラ1の長寿命化について、PFA樹脂の配合比が70±15%(55:45〜85:15)のときに好適であることがわかる。

発明の効果

0046

以上説明したように、本発明によると、定着ローラ表面のオフセットトナーを除去するためにクリーニング手段を定着ローラ表面に摺擦させた場合においても、定着ローラ表層の離型性層の離型性低下に伴うオフセットトナーの増大及びこれによる画像汚れを防止し、かつ定着ローラの長寿命化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0047

図1温度とトナーの粘弾性との関係を示す図である。
図2実施の形態1における定着装置の概略構成を示す縦断面図である。
図3実施の形態1における、離型性層の配合比変化に対する表層汚染枚数を示す図である。
図4実施の形態1における、離型性層の配合比変化に対する表層削れ枚数を示す図である。
図5実施の形態1における、離型性層の配合比変化に対する定着ローラ寿命枚数を示す図である。
図6実施の形態2における定着装置の概略構成を示す縦断面図である。
図7実施の形態2における、離型性層の配合比変化に対する定着ローラ寿命枚数を示す図である。
図8実施の形態3における定着装置の概略構成を示す縦断面図である。
図9実施の形態3において、アルマイトの有無の違いによる剥離臨界膜厚の違いを示す図である。
図10実施の形態3における、離型性層の配合比変化に対する定着ローラ寿命枚数を示す図である。

--

0048

1定着ローラ
1a離型性層
1cアルマイト層(アルマイト被膜)
1d芯材(芯金)
2加圧ローラ
7電圧印加手段
10クリーニング手段
11クリーニングウェブ(定着ウェブ)
12巻取ローラ
13供給ローラ
N定着ニップ部

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