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技術 電子部品の温度特性測定治具及びその測定治具を備えた温度特性測定装置並びに電子部品の温度特性測定方法

出願人 株式会社大真空
発明者 三浦孝信草井強
出願日 2001年10月9日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2001-311783
公開日 2003年4月23日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2003-121484
状態 特許登録済
技術分野 その他の電気量の測定 電気的特性試験と電気的故障の検出
主要キーワード 零周波数 冷却箱内 所定温度毎 冷却箱 治具ベース 放熱動作 試作段階 基準振動子
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図面 (5)

課題

水晶振動子等の電子部品温度特性測定結果に高い信頼性が得られるようにする。

解決手段

チャンバA内に測定対象である水晶振動子10と基準振動子11とを収容する。チャンバA内の温度をペルチェ素子6により所定温度に設定し、基準振動子11の周波数偏差がその所定温度に対応したものとなったときにスイッチングユニット8を切り換えて水晶振動子10の共振周波数測定動作を実行し、測定結果をネットワークアナライザ3に出力する。

概要

背景

従来より、水晶振動子等の電子部品にあっては使用環境温度変化によって特性がどのように変化するかを予め知っておくことが必要である。例えば、水晶振動子の場合、環境温度の変化に応じて共振周波数CIクリスタルインピーダンス)が変化するため、種々の環境温度における共振周波数やCIを予め測定しておくことが必要である。

これまで、水晶振動子の周波数温度特性を測定するための装置としては、大型の温度特性測定装置が使用されていた。この種の測定装置は、測定温度範囲(例えば−20℃〜70℃の範囲)において、先ず、測定室内の温度を−20℃に設定した状態で水晶振動子の共振周波数を測定し、その後、測定室内の温度を2degずつ上昇させながら、それぞれの温度環境下での共振周波数を測定していくようにしている。

しかしながら、この種の温度特性測定装置を使用した測定方法では、予め設定されている測定温度範囲の全てに亘って共振周波数の測定を完了するまでに要する時間が長くなり(例えば8時間程度の時間が必要であり)、水晶振動子の試作段階などのように早期に温度特性測定結果が知りたい場合にはその要求に応えることができない。

そこで、早期に温度特性の測定結果を知り得るための測定方法として以下の方法が行われている。つまり、測定対象である水晶振動子を設置可能な測定治具をπ治具を介してネットワークアナライザに接続する。そして、測定治具に水晶振動子を設置し、炭酸ガス窒素ガス等の冷却ガスを水晶振動子に吹き付けたり、温風を水晶振動子に吹き付けたりして水晶振動子周辺の環境温度を変化させながらネットワークアナライザに表示される周波数特性を読み取っていくようにしている。これによれば、水晶振動子の急冷却及び急加熱が可能となり、短時間で水晶振動子周辺の環境温度を上記測定温度範囲内で変化させることができ、温度特性の測定結果を早期に知ることが可能となる。

また、上記冷却ガスを水晶振動子に吹き付けるのに代えて、ドライアイス等を収容した冷却箱内に水晶振動子を所定時間入れて冷却しておき、この水晶振動子を冷却箱から取り出した後に、測定治具に設置し、温風を吹き付けるなどして水晶振動子を加熱しながら上記ネットワークアナライザに表示される周波数特性を読み取っていくことも行われている。

概要

水晶振動子等の電子部品の温度特性の測定結果に高い信頼性が得られるようにする。

チャンバA内に測定対象である水晶振動子10と基準振動子11とを収容する。チャンバA内の温度をペルチェ素子6により所定温度に設定し、基準振動子11の周波数偏差がその所定温度に対応したものとなったときにスイッチングユニット8を切り換えて水晶振動子10の共振周波数の測定動作を実行し、測定結果をネットワークアナライザ3に出力する。

目的

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水晶振動子等の電子部品の温度特性の測定結果に高い信頼性が得られるようにすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

環境温度の変化に伴う電子部品特性変化を測定するために使用される測定治具であって、測定対象電子部品を収容するための測定空間と、上記測定空間内の温度を任意に調整可能な温度調整手段と、上記測定空間内において、測定対象電子部品と同様の収容状態に置かれていると共に環境温度に応じて特性が変化する基準電子部品とを備え、上記基準電子部品の特性を測定し、その測定結果である特性に対応する環境温度を測定対象電子部品の環境温度と認識して、この認識した環境温度に関連付けて測定対象電子部品の特性測定動作を実行するよう構成されていることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項2

環境温度の変化に伴う電子部品の特性変化を測定するために使用される測定治具であって、測定対象電子部品を収容するための測定空間と、上記測定空間内の温度を任意に調整可能な温度調整手段と、上記測定空間内において、測定対象電子部品と同様の収容状態に置かれて測定空間内の温度を測定する基準電子部品とを備え、上記基準電子部品による温度測定結果に基づき、環境温度に関連付けて測定対象電子部品の特性測定動作を実行するよう構成されていることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項3

請求項1記載の電子部品の温度特性測定治具において、出力ラインを備え、測定対象電子部品の環境温度が測定実行温度に達するまでは基準電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する一方、基準電子部品の特性測定結果により測定対象電子部品の環境温度が測定実行温度に達したと判断した時点で測定対象電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する出力切り換え手段を備えていることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項4

請求項1または3記載の電子部品の温度特性測定治具において、測定対象電子部品は水晶振動デバイスであり、基準電子部品も上記測定対象電子部品と同種の水晶振動デバイスであることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項5

請求項4記載の電子部品の温度特性測定治具において、基準電子部品として使用される水晶振動デバイスは、環境温度に対して周波数偏差一意的に決まるものであり、且つ環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が、「零周波数温度係数」の特性を有する水晶振動デバイスのその変化量よりも大きい特性を有するものであることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項6

請求項1〜5のうち何れか一つに記載の電子部品の温度特性測定治具において、温度調整手段はペルチェ素子であることを特徴とする電子部品の温度特性測定治具。

請求項7

上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の電子部品の温度特性測定治具に、その測定結果を出力するための出力手段が接続されて構成されていることを特徴とする電子部品の温度特性測定装置

請求項8

上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の電子部品の温度特性測定治具または上記請求項7記載の電子部品の温度特性測定装置により実行されることを特徴とする電子部品の温度特性測定方法

技術分野

0001

本発明は、水晶振動子等に代表される電子部品環境温度変化に伴う特性変化を測定するために使用される温度特性測定治具及びその測定治具を備えた温度特性測定装置並びに電子部品の温度特性測定方法に係る。特に、本発明は、温度特性測定の高精度化を図るための対策に関する。

背景技術

0002

従来より、水晶振動子等の電子部品にあっては使用環境温度変化によって特性がどのように変化するかを予め知っておくことが必要である。例えば、水晶振動子の場合、環境温度の変化に応じて共振周波数CIクリスタルインピーダンス)が変化するため、種々の環境温度における共振周波数やCIを予め測定しておくことが必要である。

0003

これまで、水晶振動子の周波数温度特性を測定するための装置としては、大型の温度特性測定装置が使用されていた。この種の測定装置は、測定温度範囲(例えば−20℃〜70℃の範囲)において、先ず、測定室内の温度を−20℃に設定した状態で水晶振動子の共振周波数を測定し、その後、測定室内の温度を2degずつ上昇させながら、それぞれの温度環境下での共振周波数を測定していくようにしている。

0004

しかしながら、この種の温度特性測定装置を使用した測定方法では、予め設定されている測定温度範囲の全てに亘って共振周波数の測定を完了するまでに要する時間が長くなり(例えば8時間程度の時間が必要であり)、水晶振動子の試作段階などのように早期に温度特性の測定結果が知りたい場合にはその要求に応えることができない。

0005

そこで、早期に温度特性の測定結果を知り得るための測定方法として以下の方法が行われている。つまり、測定対象である水晶振動子を設置可能な測定治具をπ治具を介してネットワークアナライザに接続する。そして、測定治具に水晶振動子を設置し、炭酸ガス窒素ガス等の冷却ガスを水晶振動子に吹き付けたり、温風を水晶振動子に吹き付けたりして水晶振動子周辺の環境温度を変化させながらネットワークアナライザに表示される周波数特性を読み取っていくようにしている。これによれば、水晶振動子の急冷却及び急加熱が可能となり、短時間で水晶振動子周辺の環境温度を上記測定温度範囲内で変化させることができ、温度特性の測定結果を早期に知ることが可能となる。

0006

また、上記冷却ガスを水晶振動子に吹き付けるのに代えて、ドライアイス等を収容した冷却箱内に水晶振動子を所定時間入れて冷却しておき、この水晶振動子を冷却箱から取り出した後に、測定治具に設置し、温風を吹き付けるなどして水晶振動子を加熱しながら上記ネットワークアナライザに表示される周波数特性を読み取っていくことも行われている。

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、温度特性の測定結果を早期に知ることを可能にした上記各方法では、何れも水晶振動子周辺の環境温度を正確に測定することなしにネットワークアナライザに表示される周波数特性を読み取っているため、温度特性を高精度で測定することは不可能であった。

0008

つまり、例えば上記前者の方法では、冷却ガスを水晶振動子に吹き付ける時間を設定して、この吹き付け終了後の水晶振動子の温度を予測し、この状態から温度特性測定を開始する。その後、温風を水晶振動子に吹き付け、この温風の吹き付け時間と水晶振動子の温度上昇とが比例関係にあると仮定した上で、所定時間毎に周波数特性を測定していく。つまり、水晶振動子の環境温度を把握しないまま温度特性を測定していくといった方法であるため、測定結果に高い信頼性が得られているとは言えなかった。

0009

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水晶振動子等の電子部品の温度特性の測定結果に高い信頼性が得られるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0010

−発明の概要
上記の目的を達成するために、本発明は、測定対象である電子部品と同環境下に置かれた物体を利用して測定空間の環境温度を認識し、これにより得られた環境温度に基づいて測定対象である電子部品の温度特性の測定を実行するようにしている。

0011

−解決手段−
具体的には、環境温度の変化に伴う電子部品の特性変化を測定するために使用される測定治具を前提とする。この測定治具に対し、測定対象電子部品を収容するための測定空間と、この測定空間内の温度を任意に調整可能な温度調整手段と、測定空間内において、測定対象電子部品と同様の収容状態に置かれていると共に環境温度に応じて特性が変化する基準電子部品とを備えさせる。そして、基準電子部品の特性を測定し、その測定結果である特性に対応する環境温度を測定対象電子部品の環境温度と認識して、この認識した環境温度に関連付けて測定対象電子部品の特性測定動作を実行するように構成している。

0012

また、他の解決手段として、測定対象電子部品を収容するための測定空間と、この測定空間内の温度を任意に調整可能な温度調整手段と、測定空間内において、測定対象電子部品と同様の収容状態に置かれて測定空間内の温度を測定する基準電子部品とを備えさせ、基準電子部品による温度測定結果に基づき、環境温度に関連付けて測定対象電子部品の特性測定動作を実行するように構成している。

0013

これらの特定事項により、測定空間内の温度、つまり、測定対象電子部品の環境温度を高い精度で測定しながら、この測定対象電子部品の温度特性を測定することができる。特に、前者の構成においては、環境温度に応じて特性が変化する基準電子部品を採用したことにより、測定空間の温度を直接測定することなしに環境温度を認識している。このため、温度変化に対する特性変化の追従性の高い基準電子部品を採用することにより、測定対象電子部品の温度特性を高い精度で測定することが可能になる。

0014

具体的な測定動作を行うための構成としては以下に掲げるものがある。つまり、出力ラインを備えさせ、測定対象電子部品の環境温度が測定実行温度に達するまでは基準電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する一方、基準電子部品の特性測定結果により測定対象電子部品の環境温度が測定実行温度に達したと判断した時点で測定対象電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する出力切り換え手段を備えさせる。これによれば、基準電子部品の特性測定結果の出力ラインと測定対象電子部品の特性測定結果の出力ラインとを共有化することができ、回路構成の簡素化を図ることができる。

0015

測定対象電子部品を水晶振動デバイスとし、基準電子部品も測定対象電子部品と同種の水晶振動デバイスとした場合には、基準電子部品の周波数偏差を認識することによって測定空間内の温度を高い精度で測定することが可能になり、測定対象電子部品の温度特性を極めて高精度で測定することが可能となる。

0016

更に、この場合、基準電子部品として使用する水晶振動デバイスは、環境温度に対して周波数偏差が一意的に決まるものであり、且つ環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が、「零周波数温度係数」の特性を有する水晶振動デバイスのその変化量よりも大きい特性を有するものとすることが望ましい。ここで言う「零周波数温度係数」の特性を有する水晶振動デバイスとは、ある温度(例えば25℃)付近において、環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が極端に小さくなる特性を有するものであり、特性を数式で表した場合の温度係数が「0」となるものである。ATカット水晶振動子などでは、この特性を有するものが一般に使用されている。本解決手段の如く、基準電子部品として、環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が大きいものを採用することにより、基準電子部品の周波数偏差の測定による測定空間内の温度測定が高精度で行えることになる。

0017

温度調整手段としてペルチェ素子を採用した場合には、測定空間内の温度を容易に任意の値に設定することができ、且つ加熱源及び冷熱源の小型化を図ることができて治具全体の小型化を図ることができる。また、従来のような冷却ガスを使用することなしに環境温度を降下させることができるため、コストの削減を図ることもできる。

0018

上述した温度特性測定治具にその測定結果を出力するための出力手段を接続して構成される温度特性測定装置も本発明の技術的思想範疇である。特に、この出力手段としてネットワークアナライザを使用した場合には、測定対象電子部品の温度変化に伴う共振特性の変化の状態を連続的にモニタすることが可能となる。例えば、水晶振動デバイスの共振周波数を測定する際のスプリアスの発生及びその変化の状態を連続的にモニタできる。また、測定したい温度点近傍で、所定温度毎にネットワークアナライザで計測された共振波形数値データとして記憶するという動作を繰り返すようにすれば、温度変化に伴う連続的な共振波形の変化の様子を記録、確認できる。これによって、不具合モードの特定等を行う際に有効なデータを取得することができる。

0019

また、これら温度特性測定治具や温度特性測定装置により実行される温度特性測定方法も本発明の技術的思想の範疇である。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態では温度特性の測定対象である電子部品として水晶振動子を適用した場合について説明する。つまり、環境温度に応じて水晶振動子の共振周波数がどのように変化するかを測定するための治具及び装置として本発明を適用した場合について説明する。

0021

(第1実施形態)
−温度特性測定装置の構成説明−
図1は本形態に係る温度特性測定装置1の概略構成を示す図である。この図に示すように、本温度特性測定装置1は、温度特性測定治具2と、この温度特性測定治具2に接続された出力手段としてのネットワークアナライザ3とを備えている。以下、温度特性測定治具2について説明する。

0022

この温度特性測定治具2は、測定対象である水晶振動子10及び後述する基準振動子11を共に載置可能な治具ベース4、この治具ベース4との間でチャンバ(測定空間)Aを構成する開閉自在なカバー5、このカバー5の上面に密着された温度調整手段としてのペルチェ素子6、このペルチェ素子6の上面に密着されたヒートシンク7を備えている。

0023

上記治具ベース4は、平板状であって、その上面に測定対象電子部品としての水晶振動子10を載置するための第1凹部41及び基準電子部品としての基準振動子11を載置するための第2凹部42がそれぞれ形成されている。また、この治具ベース4には、水晶振動子10及び基準振動子11が載置された状態で、これら振動子10,11の図示しない外部端子に対応した位置にベース厚さ方向に貫通する貫通孔43,44が形成されている。そして、これら貫通孔43,44には各振動子10,11の外部端子に接触可能な第1及び第2のコンタクトプローブ45,46が挿通されている。ここでは、第1凹部41に臨むものを第1コンタクトプローブ45,45と呼び、第2凹部42に臨むものを第2コンタクトプローブ46,46と呼ぶ。

0024

上記カバー5は、薄板状のアルミニウムによって形成された断面ハット状の部材であって、治具ベース4に取り付けられた状態では、その外周縁部51の全周囲が治具ベース4に密着して治具ベース4との間で構成するチャンバAを密閉空間とするようになっている。更に、このカバー5の高さ寸法は、各凹部41,42の底面とカバー5の上面との間隔寸法が振動子10,11の高さ寸法に一致するように設定されている。つまり、治具ベース4に振動子10,11を載置した状態でカバー5を治具ベース4上に取り付けることにより、このカバー5と振動子10,11の上面とが密着する構成とされている。尚、治具ベース4に対するカバー5の取り付け構造としてはボルト止めその他の締結手段が採用されている。また、このカバー5の構成材料としては、アルミニウムに限らず熱伝導率の高い材料であればよく、例えば銅等も採用可能である。このような材料を採用することにより、ペルチェ素子6からの温熱または冷熱をチャンバA内に迅速且つ均一に伝達することが可能となる。

0025

上記ペルチェ素子6は、図示しないが半導体を一対の金属板で挟んで構成されたものであって、電流通電により一方の面で吸熱が他方の面で発熱がそれぞれ生じるよう構成されたものである。そして、電流の方向を切り換えることによって吸熱面発熱面とを切り換えることが可能であり、これによってカバー5を介してチャンバA内の冷却と加熱とを切り換えることが可能となっている。このペルチェ素子6に対する印加電圧表裏面に発生する温度差との関係は、例えば印加電圧を0〜15Vの範囲で調整することにより、表裏面に発生する温度差を0〜90degの範囲内で所望の値に設定することができるようになっている。これにより、チャンバA内の温度を−20℃〜+70℃の範囲で任意の値に設定することが可能である。

0026

上記ヒートシンク7は、ペルチェ素子6の上面側の放熱を促進するためのものであって、ヒートシンク下面の略全面がペルチェ素子6の上面の全面に密着していると共に、ヒートシンク上面には複数枚放熱フィン71,71,…が形成されている。

0027

次に、上述の如く構成された温度特性測定治具2とネットワークアナライザ3との接続状態について説明する。温度特性測定治具2の第1凹部41に臨む第1コンタクトプローブ45,45及び第2凹部42に臨む第2コンタクトプローブ46,46は出力切り換え手段としてのスイッチングユニット8を介してネットワークアナライザ3に接続されている。このスイッチングユニット8は、図中破線で示すように第1コンタクトプローブ45,45をネットワークアナライザ3に接続する状態と、図中実線で示すように第2コンタクトプローブ46,46をネットワークアナライザ3に接続する状態とが切り換え可能となっている。この切り換え動作により、前者の場合には、測定対象である水晶振動子10の周波数特性がネットワークアナライザ3に表示される一方、後者の場合には、基準振動子11の周波数特性がネットワークアナライザ3に表示されることになる。

0028

次に、上記基準振動子11について説明する。本形態における測定対象である水晶振動子10がATカット水晶振動子である場合、この基準振動子11としてもATカット水晶振動子が採用される。また、この基準振動子11は、測定対象である水晶振動子10のパッケージ同一材料及び同一形状のパッケージを備えている。そして、この基準振動子11としては、以下の周波数温度特性を備えたものが採用されている。一般的に使用されるATカット水晶振動子は、図2(環境温度と周波数偏差との関係を示す図)に破線で示すように、ある温度(図2のものでは25℃)付近において、環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が小さくなる特性のものが使用されている。これは、この温度付近で使用した場合に、環境温度がある程度変化しても周波数偏差の変動が抑えられるようにして水晶振動子に安定した性能を維持させるためである。これに対し、基準振動子11として採用されるATカット水晶振動子は、図2実線で示すように、何れの温度域においても環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が上記一般的なATカット水晶振動子よりも大きくなっている特性のものが使用されている。言い換えると、周波数偏差の値と環境温度の値とが高い精度で一意的に対応している特性のものである。上記一般的なATカット水晶振動子の特性は、この特性を数式で表した場合の温度係数が「0」のものであり、一般に「零周波数温度係数」の特性を有するものと呼ばれている。これに対し、上記基準振動子11として採用されるATカット水晶振動子は、上記一般的なATカット水晶振動子に用いられている水晶片とは切断角度が異なる水晶片を使用したものであって、温度に対して周波数偏差が一意的に決まる特性を有しており、零周波数温度係数の特性を有する振動子に対して反時計回り(またはCCW方向)に回転した特性と呼ばれている。

0029

このような基準振動子11を採用することにより、この基準振動子11の周波数偏差を測定すればチャンバA内の温度が高精度で測定することができるようになっている。

0030

尚、上述した如く、基準振動子11は、測定対象である水晶振動子10と同種のもの(上述のものでは何れもATカット水晶振動子)であることが好ましいが、互いに異なる種類の水晶振動子であってもよい。例えば、測定対象である水晶振動子10がATカット水晶振動子であるのに対し、基準振動子11として音叉型水晶振動子BTカット水晶振動子等を採用してもよい。これらの振動子は図3に示すように2次の温度特性を有する。この場合、図中に破線で示す二次曲線頂点を25℃程度に設定した場合には、上記測定温度範囲内において周波数偏差の値と環境温度の値とを一意的に対応させることができない。このため、これらの振動子を基準振動子11として採用する場合には、図中二次曲線の頂点を大幅に高い値若しくは大幅に低い値に設定し、上記測定温度範囲内において周波数偏差の値と環境温度の値とを一意的に対応させることができるようにしておくことが好ましい(図中に実線で示す二次曲線では頂点を70℃に設定している)。これは水晶片の切断角度を適切に設定することにより容易に得ることができる。

0031

−温度特性測定装置1による測定動作の説明−
次に、上述の如く構成された温度特性測定装置1による水晶振動子10の周波数温度特性の測定動作について説明する。本形態では、測定温度範囲を−20℃〜+70℃とし、チャンバ内温度を−20℃とした後に周波数温度特性の測定を開始し、2deg毎に+70℃まで水晶振動子10の周波数温度特性の測定を順次行っていく場合について説明する。

0032

先ず、カバー5を治具ベース4から取り外してチャンバA内空間を開放し、上記各振動子10,11を各凹部41,42内にそれぞれ載置する。この載置後、カバー5を治具ベース4に取り付けてチャンバAを密閉空間とする。また、スイッチングユニット8は、図1に実線で示すように、第2コンタクトプローブ46,46をネットワークアナライザ3に接続する状態とし、基準振動子11の周波数特性がネットワークアナライザ3に表示されるようにしておく。

0033

この状態からペルチェ素子6に通電を行い、その下面が吸熱動作を、上面が放熱動作を行うようにする。これにより、チャンバA内空間は冷却されていく。この場合にペルチェ素子6に印加される電圧は下面温度が−20℃となる値である。この冷却動作に伴って基準振動子11は共振周波数が変化していく。この変化の状態はネットワークアナライザ3に表示される。

0034

そして、基準振動子11の周波数偏差が環境温度−20℃における値に一致した時点で周波数温度特性の測定を開始する。つまり、スイッチングユニット8を、図1に破線で示すように、第1コンタクトプローブ45,45がネットワークアナライザ3に接続する状態とし、測定対象である水晶振動子10の周波数特性がネットワークアナライザ3に表示されるようにする。そして、この状態をネットワークアナライザ3の記憶装置に記憶するか若しくは出力する。

0035

その後、スイッチングユニット8を図1に実線で示すように再び切り換えると共に、下面温度が−18℃となる電圧をペルチェ素子6に印加する。これにより、チャンバA内空間の温度は上昇していき、それに伴って基準振動子11の共振周波数が変化していく。この変化の状態はネットワークアナライザ3に表示される。

0036

そして、基準振動子11の周波数偏差が環境温度−18℃における値に一致した時点で、スイッチングユニット8を図1に破線で示す状態に切り換えて、測定対象である水晶振動子10の周波数特性をネットワークアナライザ3に表示させ、この状態をネットワークアナライザ3の記憶装置に記憶若しくは出力する。

0037

その後、再びスイッチングユニット8を図1に実線で示すように切り換え、下面温度が−16℃となる電圧をペルチェ素子6に印加する。

0038

このようなペルチェ素子6への印加電圧の切り換えに伴う基準振動子11の周波数偏差の測定と水晶振動子10の周波数特性の測定とを交互に行っていき、チャンバA内温度が+70℃になるまでチャンバA内の環境温度を次第に上昇させながら2deg毎に水晶振動子10の周波数特性の測定を行っていく。尚、チャンバA内の環境温度を常温以上に高める場合には、ペルチェ素子6の下面が放熱動作を上面が吸熱動作をそれぞれ行うことになる。そして、+70℃での水晶振動子10の周波数特性の測定が終了すると、ペルチェ素子6への通電を停止し、カバー5を開放して水晶振動子10をチャンバA内から取り出して周波数温度特性の測定作業を終了する。

0039

−実施形態の効果−
以上説明したように、本形態では、チャンバA内に基準振動子11を収容しておき、この特性(周波数偏差)を認識することにより測定対象である水晶振動子10の環境温度を認識するようにしている。このため、環境温度を正確に認識しながら共振周波数の測定を行うことができ、共振周波数測定結果に高い信頼性を得ることができる。特に、本形態では、基準振動子11を水晶振動子10と同種のものとして採用しているため、より高い精度で水晶振動子10の共振周波数を測定することが可能である。特に、基準振動子11の特性を予め正確に測定しておくことによって、測定結果の校正を必要とすることなしに正確な測定結果を得ることができる。

0040

また、本形態の回路構成によれば、温度特性測定治具2の出力ラインに同一の付加容量を設けた状態で共振周波数を測定することも可能である。つまり、水晶振動子10の実装状態における共振周波数を正確に測定することが可能である。

0041

(第2実施形態)次に、第2実施形態について説明する。本形態は上記基準振動子11に変えて疑似電子部品12を備えさせたものである。従って、ここでは第1実施形態との相違点についてのみ説明する。

0042

図4は本形態に係る温度特性測定装置1の概略構成を示す図である。この図に示すように、本温度特性測定装置1は、上記基準振動子11に代えて疑似電子部品12を備えている。この疑似電子部品12は、測定対象である水晶振動子10のパッケージと同一材料及び同一形状のパッケージを備えており、このパッケージ内に熱電対等の温度センサ13が収容されて構成されている。そして、この温度センサ13の出力ラインはパッケージの底板及び治具ベース4に形成された小径の貫通孔を経てネットワークアナライザ3に接続されている。つまり、本形態のものは、疑似電子部品12のパッケージ内の温度を常時監視しながら水晶振動子10の周波数特性の測定を行っていくようにしている。

0043

本形態の温度特性測定装置1による測定動作の説明としては、先ず、上記第1実施形態の場合と同様にしてチャンバA内温度を−20℃に設定する。この温度の監視は疑似電子部品12に収容されている温度センサ13によって行う。つまり、この温度センサ13の検知温度が−20℃に達した時点から水晶振動子10の周波数温度特性の測定を開始する。この測定の開始後、温度センサ13の検知温度が2degだけ上昇する毎に水晶振動子10の周波数温度特性の測定を実行し、温度センサ13の検知温度が+70℃に達するまでこの測定動作を順次行っていく。

0044

本形態によれば、水晶振動子10内部の水晶と同環境下に置かれた温度センサ13によって環境温度を測定するようにしているので、水晶振動子10の環境温度を正確に認識しながら共振周波数の測定を行うことができ、共振周波数測定結果に高い信頼性を得ることができる。

0045

−その他の実施形態−
上述した各実施形態では、温度特性の測定対象である電子部品として水晶振動子を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、水晶フィルタ、IC等の種々の電子部品の温度特性の測定に適用することが可能である。

0046

また、環境温度の変化に伴う水晶振動子10の共振周波数の変化を測定するようにしていたが、CI(クリスタルインピーダンス)を測定するようにしてもよい。

0047

また、上記各実施形態では、チャンバ内温度を測定温度範囲の下限値まで一旦降下させた後にチャンバ内温度を上昇させながら温度特性の測定を実行するようにしていたが、逆に、チャンバ内温度を測定温度範囲の上限値まで一旦上昇させた後にチャンバ内温度を降下させながら温度特性の測定を実行するようにしてもよい。また、温度特性測定の更なる高精度化を図るためには、これら両動作によって温度特性をそれぞれ測定することが好ましい。また、測定温度範囲は上述した範囲に限るものではない。

0048

更に、チャンバ内温度を調整するための手段としてはペルチェ素子6を使用したが、本発明はこれに限るものではなく、個別の冷熱源と温熱源とを備えさせ、それぞれの動作によってチャンバ内温度を調整するようにしてもよい。但し、装置全体の小型化を図るためには上記ペルチェ素子6を採用することが最も好ましい。

0049

また、上述した第1実施形態では1台のネットワークアナライザ3に対してスイッチングユニット8によって各振動子10,11の接続状態を切り換えるようにしていたが、各振動子10,11それぞれに個別のネットワークアナライザを接続してもよい。これによれば、水晶振動子10の共振周波数を常時モニタすることが可能になる。

発明の効果

0050

以上のように、本発明によれば、測定対象電子部品とは別に環境温度認識のための基準電子部品を備えさせることにより、測定対象電子部品の環境温度を高い精度で測定しながら、この測定対象電子部品の温度特性を測定することができるようにしている。その結果、測定対象電子部品の温度特性測定結果の信頼性の向上を図ることができる。

0051

また、出力切り換え手段を備えさせて、基準電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する状態と、測定対象電子部品の特性測定結果を出力ラインに出力する状態とを切り換え可能とした場合には、出力ラインの共有化が図れ、回路構成の簡素化に伴って治具の実用性の向上を図ることができる。

0052

また、測定対象電子部品を水晶振動デバイスとし、基準電子部品も測定対象電子部品と同種の水晶振動デバイスとした場合であって、この基準電子部品における環境温度の変化量に対する周波数偏差の変化量が「零周波数温度係数」の特性を有するものよりも大きい特性を有するものとした場合には、基準電子部品の周波数偏差を測定することによる測定空間内の温度の測定が高精度で行え、極めて信頼性の高い温度特性測定結果を得ることができる。

0053

更に、温度調整手段としてペルチェ素子を採用した場合には、測定空間内の温度を容易に任意の値に設定することができ、且つ加熱源及び冷熱源の小型化を図ることができて治具全体の小型化を図ることができる。また、従来のような冷却ガスを使用することなしに環境温度を降下させることができるため、コストの削減を図ることもできる。

図面の簡単な説明

0054

図1第1実施形態に係る温度特性測定装置の概略構成を示す図である。
図2ATカット水晶振動子における環境温度と周波数偏差との関係を示すものであって、一般的なATカット水晶振動子の特性を破線で、基準振動子として採用されるATカット水晶振動子の特性を実線でそれぞれ示す図である。
図3音叉型水晶振動子における環境温度と周波数偏差との関係を示すものであって、一般的な音叉型水晶振動子の特性を破線で、基準振動子として採用される音叉型水晶振動子の特性を実線でそれぞれ示す図である。
図4第2実施形態に係る温度特性測定装置の概略構成を示す図である。

--

0055

1温度特性測定装置
2温度特性測定治具
6ペルチェ素子(温度調整手段)
8スイッチングユニット(出力切り換え手段)
10水晶振動子(測定対象電子部品)
11基準振動子(基準電子部品)
12疑似電子部品(基準電子部品)
Aチャンバ(測定空間)

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