図面 (/)

技術 熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金

出願人 日本軽金属株式会社
発明者 橋本暁生堀川宏猪狩隆彰
出願日 2001年10月10日 (20年4ヶ月経過) 出願番号 2001-312573
公開日 2003年4月23日 (18年10ヶ月経過) 公開番号 2003-119535
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 鋳物用アルミニウム合金 小物製品 ヒートシンク用材料 定格温度 電子電気機器 機器部材 ロックウェル アルミニウム合金鋳物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

目的

熱伝導性に優れ、且つ強度を高めて、ダイカストに適用しても鋳型から鋳物取出す際も鋳物に割れを発生させることのない鋳物用アルミニウム合金を提供する。

構成

この鋳物用アルミニウム合金は、Si:0.4〜0.7質量%,Fe:0.8〜1.1質量%,Ni:2.0〜4.0質量%,Mg:0.2〜0.4質量%を含有している。

必要に応じてTi:0.005〜0.15質量%およびB:0.0001〜0.05質量%の1種または2種を含有してもよい。

概要

背景

概要

熱伝導性に優れ、且つ強度を高めて、ダイカストに適用しても鋳型から鋳物取出す際も鋳物に割れを発生させることのない鋳物用アルミニウム合金を提供する。

この鋳物用アルミニウム合金は、Si:0.4〜0.7質量%,Fe:0.8〜1.1質量%,Ni:2.0〜4.0質量%,Mg:0.2〜0.4質量%を含有している。

必要に応じてTi:0.005〜0.15質量%およびB:0.0001〜0.05質量%の1種または2種を含有してもよい。

目的

Niは鋳物用アルミニウム合金では、AlとAl3Niとの間で共晶組織を形成し、鋳造割れを防止すると共に、アルミニウム合金鋳物の熱伝導性をほとんど低下させない特性をもっている。しかしながら、この合金で高い寸法精度の小物製品あるいは複雑形状品をダイカストしようとする場合、強度的に不足し、鋳型から鋳物を取出す際、鋳物に変形や割れが発生することがある。本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、熱伝導性に優れ、且つ強度を高めて鋳型から鋳物を取出す際も鋳物に変形および割れを発生させることのない鋳物用アルミニウム合金を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

Si:0.4〜0.7質量%,Fe:0.8〜1.1質量%,Ni:2.0〜4.0質量%,Mg:0.2〜0.4質量%を含み、残部が実質的にAlであることを特徴とする熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金

請求項2

さらにTi:0.005〜0.15質量%およびB:0.0001〜0.05質量%の1種または2種を含む請求項1に記載の熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金。

技術分野

0001

本発明は、特に電子部品冷却用ヒートシンクとして好適で、熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金に関する。

0002

ヒートシンク等の熱伝導性が要求される部材は、純アルミニウムやAl−Mg−Si系アルミニウム合金鍛造押出加工切削加工等で製造されている。ところが、CPU等の発熱量はOA機器高性能化に伴って増大する一途であり、故障誤動作を避けるためにCPU等を定格温度以下に維持するために冷却能力の高いヒートシンクに対する要求が強くなってきている。なかでも、ノート型パソコンを代表する小型高性能電子機器においては、複雑な形状を有し、限られたスペースに収まる小型高性能のヒートシンクが望まれている。しかし、鍛造,押出加工,切削加工等では、比較的単純な形状のものしか成形できないため、形状の制約があったり、あるいはできたとしても経済的ではなかったりするため、十分な形状対応力を有する小型化されたヒートシンクを製造できなかった。

0003

そこで、ヒートシンクの作製法として、高い寸法精度の小物製品あるいは複雑形状品の製造に適したダイカスト法の採用が試みられている。ところが、ヒートシンク用材料として使用されている純アルミニウムやAl−Mg−Si系アルミニウム合金は、熱伝導性に優れているものの鋳造性が悪く、ヒートシンクのように薄肉で複雑形状の部品鋳造することは困難である。他方、ダイカスト用材料として使用されているAl−Si系合金は、熱伝導性が低く、ヒートシンクのように高い熱伝導性が要求される部品には適していない。

0004

従来から使用されている鋳物用アルミニウム合金は、Al−Si系で、流動性引け性の改善、鋳造割れの防止等を主たる目的とし、含有されたSiはマトリックス相に固溶して熱伝導性を著しく低下させている。そこで、本発明者等は、Siに代わる合金成分を調査検討した結果、Niが鋳造割れの防止をはじめとする鋳造性の改善に有効であり、しかも熱伝導の低下を最小限に留めることを見出し、熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金を特願2000−110228号として提案した。

発明が解決しようとする課題

0005

Niは鋳物用アルミニウム合金では、AlとAl3Niとの間で共晶組織を形成し、鋳造割れを防止すると共に、アルミニウム合金鋳物の熱伝導性をほとんど低下させない特性をもっている。しかしながら、この合金で高い寸法精度の小物製品あるいは複雑形状品をダイカストしようとする場合、強度的に不足し、鋳型から鋳物取出す際、鋳物に変形や割れが発生することがある。本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、熱伝導性に優れ、且つ強度を高めて鋳型から鋳物を取出す際も鋳物に変形および割れを発生させることのない鋳物用アルミニウム合金を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の熱伝導性に優れた鋳物用アルミニウム合金は、その目的を達成するため、Si:0.4〜0.7質量%,Fe:0.8〜1.1質量%,Ni:2.0〜4.0質量%,Mg:0.2〜0.4質量%を含み、残部が実質的にAlであることを特徴とする。さらにTi:0.005〜0.15質量%およびB:0.0001〜0.05質量%の1種または2種を含むこともできる。

0007

鋳型から鋳物を取出す際、鋳物に割れを生じさせることなく取出すためには、鋳造直後の鋳物の硬度は50HRF(ロックウェル式硬度のFスケール)が必要である。本発明者等は熱伝導性に優れるとともに、上記特性を発揮できる成分・組成について探索したところ、Niの他に少量のFeを含有させたものが良いことを見出した。NiはAlとの間で共晶組織を形成し、アルミニウム合金鋳物の熱伝導性をほとんど低下させることなく、鋳造割れを防止している。また、FeはAl中に固溶してマトリックス相を固溶硬化させるとともに、晶出物を形成して材料自体を硬化させ、上記共晶組織の形成と相俟って強度を高めているものである。

0008

本発明においては、このような作用を呈するNi,Feの含有を基本とし、鋳造性,強度および熱伝導性の観点から次の合金設計を採用している。
Ni:2.0〜4.0質量%
Alとの間でAl−Al3Ni共晶組織を形成し、熱伝導性を大幅に低下させることなく、鋳造性を改善させる有効成分である。しかも、共晶として晶出したAl3Niは、鋳物の強度を向上させると共に、切削加工性も改善するが、熱伝導性を大きく低下させることは無い。鋳造性の改善、強度の上昇に及ぼすNiの影響は、2.0質量%以上で顕著になるが、4.0質量%を超えるNi含有量では、高強度は得られるが熱伝導性の低下が著しくなる。

0009

Si:0.4〜0.7質量%
Siは、鋳造性を向上させる。またMgとMg2Siを形成して強度を向上させる合金成分であり、0.4質量%以上の含有量でSiの強度向上効果が顕著になる。しかし、0.7質量%を超える過剰量のSiが含まれると、熱伝導性の低下が著しくなる。

0010

Mg:0.2〜0.4質量%
SiとMg2Siを形成して強度を向上させる合金成分であり、0.2質量%以上の含有量でMgの添加効果が顕著になる。しかし、0.4質量%を超える過剰量のMgが含まれると、熱伝導性の低下が著しくなる。

0011

Fe:0.8〜1.1質量%
金型への焼付き防止とマトリックス相への固溶および晶出物の形成により強度向上に有効な合金成分である。特にダイカスト時に、Feの含有により金型への焼付きを防止することができる。さらに、0.8質量%以上の含有により熱伝導性を大幅に低下させることなく、材料の硬化が顕著になるが、1.1質量%を超える過剰量のFeが含まれると、熱伝導性の低下が著しくなる。

0012

Ti:0.005〜0.15質量%,B:0.0001〜0.05質量%
必要に応じて添加される合金成分であり、共にα−Al相微細化することにより鋳造割れを防止する作用を呈する。このような作用は0.005質量%以上のTiおよび0.0001質量%以上のB添加で顕著になるが、0.15質量%を超えるTiまたは0.05質量%を超えるBが添加されると、粗大な化合物が形成され、機械的強度が低下するとともに熱伝導性が著しく低下する。

0013

本発明で使用するアルミニウム合金は、以上に掲げた合金成分の他に機械的性質耐鋳造割れ性で代表される鋳造性,耐食性等を改善するため微量のZr、V,Mn,Cr,Zn等を含むことができる。しかし、これらの合金成分を多量に添加すると鋳物の熱伝導性が低下するので、それぞれ0.05質量%以下に規制することが好ましい。このようにして成分調整されたAl−Ni系合金は、Al−Al3Ni共晶組織の形成によって熱伝導性の低下を最小限に留め、鋳造性が大幅改善されるとともに、Feの固溶強化により鋳型から鋳物を取出す際も鋳物に変形や割れを発生させることがない。したがって、ヒートシンクを初めとする、各種の電子電気機器自動車機器等、熱伝導性が要求される機器部材として使用される。

0014

表1に示す組成のアルミニウム合金を溶製し、鋳造温度730℃でダイカストし、各アルミニウム合金毎に10個のヒートシンクを製造した。ヒートシンクは、幅40mm,長さ60mm,厚み3mmの基板部1に、上部の幅1mm、下部の幅2mm,長さ40mm,高さ50mmのフィン2が9本起立した形状をもっていた(図1)。得られたヒートシンクについて、離型時の割れの有無を観察するとともに熱伝導率と硬度(HRF:ロックウェル式硬度のFスケール)の測定を行った。その結果を表2に示す。

0015

0016

0017

表2からもわかるように、本発明の成分・組成を有する合金は、熱伝導性に優れ、硬度も50HRF以上あって、鋳型から鋳物を取出す際も割れが生じていない。これに対して、Ni含有量の少ない合金No.5およびFe含有量の少ない合金No.7にあっては、熱伝導性に優れるものの、硬度が低いために離型時に割れが発生し易くなっている。Si,Mgの含有量が少ない合金No.9,11にあっても同様の特性を有している。また、Ni,Feの含有量が規定の範囲を超える合金No.6,8にあっては、硬度が高く離型時に割れが発生することはなかったが、熱伝導性が低下しているので、ヒートシンクとしては適していない。Si,Mgの含有量が規定の範囲を超えた合金No.10,12にあっても同様である。

発明の効果

0018

以上に説明したように、本発明の鋳物用アルミニウム合金は、Siに代えてNiを含有させることによりAl−Al3Ni共晶組織を生成させ、鋳造性を改善すると共に、微量Feを含有させてマトリックス相を固溶強化し、晶出物の形成により材料自体を硬化させることにより、離型時の鋳物の変形や割れ発生を防止することができた。しかもこの合金は熱伝導性が低下してないので、良好な鋳造性を活かしてダイカスト法で製品化され、高い形状精度が要求され且つ良好な熱伝導度が要求されるヒートシンクを初めとする各種部材に使用される。また、生産性に優れたダイカスト法が適用できることから、製造コストの低減も図られる。

図面の簡単な説明

0019

図1実施例で製造したヒートシンクの斜視図

--

0020

1:ヒートシンク2:フィン

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ