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図面 (14)

課題

操向レバー操作角度に応じて機体旋回動作機敏に行える走行装置を提供すること。

解決手段

副変速装置24とカウンタ軸60と副変速後駆動力左右一対車軸11L、11Rへ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ44L、44Rを含む変速用歯車機構クラッチ44L、44Rとそれぞれ連動するギア48L、48Rを設け、各ギア48L、48R間に亘って設けられ、副変速装置24で副変速された後の駆動力を伝動する車軸11L、11Rと、前記カウンタ軸60と軸60からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82と、クラッチ81、82により駆動されるクラッチ軸70と軸70からの動力を受けて回転するデフ装置6を備え、操向レバー21の操作角度に応じてクラッチ81、82への送油圧力増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、レバー21の操作初期においてクラッチ82への送油圧力を所定の高圧まで瞬間的に昇圧する走行装置。

概要

背景

クローラ走行手段とする作業機などの走行装置として、農業用コンバインを例に従来の技術を説明する。コンバインはクローラを構成する無限履帯接地面積を広くし、水田など軟弱な圃場でも自由に走行して刈取作業などの農業作業を可能としている。

コンバインは動力源としてエンジンを搭載し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジンの動力を走行トランスミッションにより変速して駆動する。走行トランスミッションは、静油圧式無段変速装置(以下、無段変速装置をHSTという)、歯車列機械的変速手段、クラッチ手段、ブレーキ手段などにより構成されている。

コンバインを直進走行させるときは、左右一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋回させるときは、左右のクローラに速度差を与えて駆動し、高速側のクローラを外側に、低速側、停止側または後退側のクローラを内側とする旋回が可能な構成としている。

コンバインを用いて圃場に植立する穀稈の刈取及び脱穀などを行うことにより、収穫作業の省力化と能率化が進展してきた。コンバインは走行装置としてクローラを用いるために、その運転操作は必ずしも容易ではなかった。

また、従来の走行トランスミッション基本伝動系を備えた走行系に、差動歯車装置を備えた走行トランスミッション差動伝動系(補助伝動系)を加えた構成を用いて微速前進時の旋回確実性を向上させたコンバインが提案されている。

概要

操向レバー操作角度に応じて機体旋回動作機敏に行える走行装置を提供すること。

副変速装置24とカウンタ軸60と副変速後駆動力を左右一対の車軸11L、11Rへ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ44L、44Rを含む変速用歯車機構とクラッチ44L、44Rとそれぞれ連動するギア48L、48Rを設け、各ギア48L、48R間に亘って設けられ、副変速装置24で副変速された後の駆動力を伝動する車軸11L、11Rと、前記カウンタ軸60と軸60からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82と、クラッチ81、82により駆動されるクラッチ軸70と軸70からの動力を受けて回転するデフ装置6を備え、操向レバー21の操作角度に応じてクラッチ81、82への送油圧力増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、レバー21の操作初期においてクラッチ82への送油圧力を所定の高圧まで瞬間的に昇圧する走行装置。

目的

そこで本発明の課題は、操向レバーの操作角度に応じて機体の旋回動作を機敏に行える走行装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

エンジンからの駆動力を入力した後、複数段変速段の中で選択された変速段に変速する副変速装置(24)と、副変速装置(24)からの駆動力を伝動するカウンタ軸(60)と、副変速装置(24)での副変速後の駆動力を左右一対車軸(11L、11R)へ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ(44L、44R)を含む変速用歯車機構を備えた走行トランスミッション基本伝動機構と、前記左右のサイドクラッチ(44L、44R)とそれぞれ連動する各ギア(48L、48R)を設け、該各ギア(48L、48R)間に亘って設けられ、前記各ギア(48L、48R)に伝達された駆動力を伝動する車軸(11L、11R)と、前記カウンタ軸(60)と該カウンタ軸(60)からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ(81)と旋回用クラッチ(82)と、該直進用クラッチ(81)と旋回用クラッチ(82)により駆動される同一の回転軸からなるクラッチ軸(70)と、該クラッチ軸(70)からの動力を受けて回転する差動歯車装置(6)とからなる差動変速機構を備えた走行装置において、運転者が操作する操向レバー(21)の操作角度に応じて前記クラッチ(81)、(82)への送油圧力増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、操向レバー(21)の操作初期において旋回用クラッチ(82)への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧値まで瞬間的に昇圧する油圧制御手段(84)を備えたことを特徴とする走行装置。

請求項2

エンジンからの駆動力を入力した後、複数段の変速段の中で選択された変速段に変速する副変速装置(24)と、副変速装置(24)からの駆動力を伝動するカウンタ軸(60)と、副変速装置(24)での副変速後の駆動力を左右一対の車軸(11L、11R)へ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ(44L、44R)を含む変速用歯車機構を備えた走行トランスミッション基本伝動機構と、前記左右のサイドクラッチ(44L、44R)とそれぞれ連動する各ギア(48L、48R)を設け、該各ギア(48L、48R)間に亘って設けられ、前記各ギア(48L、48R)に伝達された駆動力を伝動する車軸(11L、11R)と、前記カウンタ軸(60)と該カウンタ軸(60)からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ(81)と旋回用クラッチ(82)と、該直進用クラッチ(81)と旋回用クラッチ(82)により駆動される同一の回転軸からなるクラッチ軸(70)と、該クラッチ軸(70)からの動力を受けて回転する差動歯車装置(6)とからなる差動変速機構と、エンジンからの動力を用いて、少なくとも穀稈の刈取作業、刈り取った穀稈の脱穀作業脱穀後の穀粒を穀粒貯蔵タンク(13)に送る作業、穀粒貯蔵タンクから外部に穀粒を排出する作業の内の何れかを行う作業機を備えた走行装置において、作業機を作動させる作業機クラッチを設け、該作業機クラッチが作動する入力信号が入ると、運転者が操作する操向レバー(21)の操作角度に応じて前記クラッチ(81)、(82)への送油圧力を増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、操向レバー(21)の操作初期において旋回用クラッチ(82)への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧値まで瞬間的に昇圧する油圧制御手段(84)を備えたことを特徴とする走行装置。

技術分野

0001

本発明は、クローラ走行手段とする作業機などの走行装置に関する。

背景技術

0002

クローラを走行手段とする作業機などの走行装置として、農業用コンバインを例に従来の技術を説明する。コンバインはクローラを構成する無限履帯接地面積を広くし、水田など軟弱な圃場でも自由に走行して刈取作業などの農業作業を可能としている。

0003

コンバインは動力源としてエンジンを搭載し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジンの動力を走行トランスミッションにより変速して駆動する。走行トランスミッションは、静油圧式無段変速装置(以下、無段変速装置をHSTという)、歯車列機械的変速手段、クラッチ手段、ブレーキ手段などにより構成されている。

0004

コンバインを直進走行させるときは、左右一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋回させるときは、左右のクローラに速度差を与えて駆動し、高速側のクローラを外側に、低速側、停止側または後退側のクローラを内側とする旋回が可能な構成としている。

0005

コンバインを用いて圃場に植立する穀稈の刈取及び脱穀などを行うことにより、収穫作業の省力化と能率化が進展してきた。コンバインは走行装置としてクローラを用いるために、その運転操作は必ずしも容易ではなかった。

0006

また、従来の走行トランスミッション基本伝動系を備えた走行系に、差動歯車装置を備えた走行トランスミッション差動伝動系(補助伝動系)を加えた構成を用いて微速前進時の旋回確実性を向上させたコンバインが提案されている。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、前記差動歯車装置を備えた走行系を備えたコンバインでは、ゼロ点から連続的に上昇する旋回時の目標制御ラインを設定すると、例えば、刈取作業時に植立穀稈に対して条合わせをする際に、操向レバー微小操作した場合、機体旋回動作反応が遅く、条あわせを機敏に行うことができない欠点がある。

0008

そこで本発明の課題は、操向レバーの操作角度に応じて機体の旋回動作を機敏に行える走行装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明の上記課題は次の構成により解決される。請求項1の発明は、エンジンからの駆動力を入力した後、複数段変速段の中で選択された変速段に変速する副変速装置24と、副変速装置24からの駆動力を伝動するカウンタ軸60と、副変速装置24での副変速後の駆動力を左右一対の車軸11L、11Rへ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ44L、44Rを含む変速用歯車機構を備えた走行トランスミッション基本伝動機構と、前記左右のサイドクラッチ44L、44Rとそれぞれ連動する各ギア48L、48Rを設け、該各ギア48L、48R間に亘って設けられ、前記各ギア48L、48Rに伝達された駆動力を伝動する車軸11L、11Rと、前記カウンタ軸60と該カウンタ軸60からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82と、該直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82により駆動される同一の回転軸からなるクラッチ軸70と、該クラッチ軸70からの動力を受けて回転する差動歯車装置6とからなる差動変速機構を備えた走行装置において、運転者が操作する操向レバー21の操作角度に応じて前記クラッチ81、82への送油圧力増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧まで瞬間的に昇圧する(一時的昇圧で良い)油圧制御手段84を備えた走行装置である。

0010

請求項1の発明によれば、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧値まで瞬間的に昇圧することができる。

0011

請求項2の発明は、エンジンからの駆動力を入力した後、複数段の変速段の中で選択された変速段に変速する副変速装置24と、副変速装置24からの駆動力を伝動するカウンタ軸60と、副変速装置24での副変速後の駆動力を左右一対の車軸11L、11Rへ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ44L、44Rを含む変速用歯車機構を備えた走行トランスミッション基本伝動機構と、前記左右のサイドクラッチ44L、44Rとそれぞれ連動する各ギア48L、48Rを設け、該各ギア48L、48R間に亘って設けられ、前記各ギア48L、48Rに伝達された駆動力を伝動する車軸11L、11Rと、前記カウンタ軸60と該カウンタ軸60からの駆動力をそれぞれ選択的に受けて回転する直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82と、該直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82により駆動される同一の回転軸からなるクラッチ軸70と、該クラッチ軸70からの動力を受けて回転する差動歯車装置6とからなる差動変速機構と、エンジンからの動力を用いて、少なくとも穀稈の刈取作業、刈り取った穀稈の脱穀作業、脱穀後の穀粒を穀粒貯蔵タンク13に送る作業、穀粒貯蔵タンクから外部に穀粒を排出する作業の内の何れかを行う作業機を備えた走行装置において、作業機を作動させる作業機クラッチを設け、該作業機クラッチが作動する入力信号が入ると、運転者が操作する操向レバー21の操作角度に応じて前記クラッチ81、82への送油圧力を増減すべく目標制御ラインを設置すると共に、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧まで瞬間的に昇圧する(一時的昇圧で良い)油圧制御手段84を備えた走行装置である。

0012

請求項2の発明によれば、操向レバー21の操作角度に応じて前記クラッチ81、82への送油圧力を増減すべく目標制御ラインを設定すると共に、刈取装置9や脱穀装置10などを作動させるための作業機クラッチの「入」り状態で操向レバー21を操作した場合に、その操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を瞬間的に昇圧させる(一時的昇圧で良い)ことができる。

発明の効果

0013

本発明の請求項1記載の発明によれば、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82が瞬間的に昇圧されるため、機体の旋回動作反応が早くなり、例えば条あわせを機敏に行うことができ、作業能率が向上する。

0014

副変速後に差動伝動機構直進伝動機構とが分岐するため、旋回操作性が従来より良くなる。

0015

また本発明の請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、刈取や脱穀作業時に走行しているコンバインで操向レバー21が操作されると、その操作初期に旋回用クラッチ82が瞬間的に昇圧されるため、機体の旋回反応が早くなり、例えば、条あわせを機敏に行うことができ、作業能率が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態を図面を用いて具体的に説明する。図1は本発明のコンバインの左側面図であり、図2は本発明のコンバインの右側面図である。

0017

図1および図2に示すように、コンバイン1の車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を有する走行装置本体4を配設し、車体フレーム2の前端側に刈取装置9が設けられている。刈取装置9は車体フレーム2の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム7で支持されているので、コンバイン1に搭乗したオペレータ操縦席20の操向レバー21を前後に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレーム7と共に上下に昇降する構成である。

0018

車体フレーム2の上方には、刈取装置9から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送して脱穀、選別する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、グレンタンク13の後部にオーガ15を連接して、グレンタンク13内の穀粒をコンバイン1の外部に排出する構成としている。

0019

すなわち、コンバイン1はオペレータが操縦席20において主変速HSTレバー23および副変速レバー22を操作し、エンジン(図示せず)の動力を図3図4に示す走行トランスミッションケース12内の主変速機走行用HST18および副変速機24の歯車変速手段を介して変速し、左右のクローラ3、3に伝動して任意の速度で走行する。

0020

また、コンバイン1は、オペレータが操縦席20において操向レバー21を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行することができる。すなわち、操向レバー21をコンバイン1を旋回させようとする方向に傾倒操作することにより、図3図4に示す走行ミッションケース12内のクラッチ44、82が作動し、左右のクローラ駆動スプロケット(図示せず)に選択的に伝動されるので、左右のクローラ3、3に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。

0021

本実施の形態のコンバイン1の走行ミッション装置14を展開して示す断面図を図3図4に示し、図5に差動歯車装置のギアの回転数の関係図を示す。

0022

走行ミッション装置14は、図3に示すa〜e軸からなる走行トランスミッション基本伝動系と図4に示すカウンタ軸60(A軸)、クラッチ軸70(B軸)及び支持軸50(C軸)を備えた走行ミッション差動伝動系(補助伝動系)を備えている。

0023

まず、走行ミッション装置14のa軸〜e軸からなる走行トランスミッション基本伝動系を主に図3で説明する。図示しないエンジンからの回転駆動力が走行用HST18に伝動され、正・逆転切換え変速回転動力が出力軸17(a軸)から出力される構成としている。そして、主変速レバー23により走行用HST18の増減速の変速と前後進(正・逆転の切換え)の切換えができる構成としている。

0024

そして、操向レバー21を操作して、後述のサイドクラッチ44L、44Rの「入」・「切」と増減速の変速操作により差動歯車装置6を駆動させて旋回走行ができる構成としている。

0025

走行ミッションケース12内には、副変速装置24とサイドクラッチ装置と差動歯車装置6とギア変速装置19が設けられ、これらの装置の伝動下手側の左右のホイールシャフト11L、11Rから図示しない駆動スプロケットを介して左右の走行クローラ3、3を駆動する構成になっている。

0026

副変速装置24は、走行用HST18の出力軸17の広幅伝動ギア26からの動力が伝動される第一副変速軸27(b軸)上に一体に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30と第二副変速軸33(c軸)上に設けられた変速大ギア34、変速中ギア35及び変速小ギア36から構成される。第一副変速軸27上に一体に設けられたギア28〜30は第一副変速軸27の軸方向に摺動自在に軸装して変速可能に構成している。そして、上記第一副変速軸27は、端部を走行ミッションケース12から外側に延長して刈取伝動プーリ31(刈取PTOプーリ)を軸着して車速同調した回転動力を刈取装置9などの回転各部に入力できる構成としている。

0027

そして、第二副変速軸33は、前記第一副変速軸27の伝動下手側に軸架し、変速大ギア34、変速中ギア35、変速小ギア36及び伝動ギア37をそれぞれ軸着している。第二副変速軸33の変速大ギア34は前記第一副変速軸27の小ギア30に噛合し、変速中ギア35は第一副変速軸27の中ギア29に噛合し、変速小ギア36は第一副変速軸27の大ギア28に噛合し、さらに伝動ギア37は後述のサイドクラッチ軸41L、41R(d軸)に動力を伝動するセンターギア40に常時噛合している。また伝動ギア37はカウンタ軸60の出力ギア61にも常時噛合している。

0028

サイドクラッチ装置は、上記第二副変速軸33の伝動下手側にセンターギア40を中心として、その左右にサイドクラッチ軸41L、41Rを備えている。サイドクラッチ軸41L、41R上にはそれぞれクラッチギア43L、43Rがスプライン係合しており、前記センターギア40にはクラッチギア43L、43Rが係合解放可能な内周ギアを備えている。また、クラッチギア43L、43Rはスリーブ42L、42R上にスプライン係合し、さらに、スリーブ42L、42Rは左右のサイドクラッチ軸41L、41R上にそれぞれ遊嵌している。

0029

ギアドック式に噛合したクラッチギア43L、43Rとセンタギア40の内周ギアからなる構成をそれぞれサイドクラッチ44L、44Rと呼ぶことにする。

0030

また、サイドクラッチ軸41L、41R上にはスリーブ42L、42Rがそれぞれ遊嵌しており、スリーブ42L、42Rを介してクラッチギア43L、43Rがホイールシャフトギア48L、48Rと常時係合していて、ギア48L、48Rにそれぞれホイールシャフト11L、11R(e軸)が固定され、該ホイールシャフト11L、11Rの両端に図示しない駆動スプロケットが固定され、該駆動スプロケットにそれぞれ固定された左右の走行クローラ3、3が駆動可能になっている。

0031

また、スリーブ42L、42Rと走行ミッションケース12との間にそれぞれスプリング49L、49Rが設けられ、このスプリング49L、49Rによりスリーブ42L、42Rは常時センターギア40側に付勢されているが、それぞれシフタ47L、47Rでスプリング49L、49Rの付勢力打ち勝つ方向に移動可能な構成になっている。

0032

シフタ47L、47Rは直進走行時には作動せず、サイドクラッチ44L、44Rが共に係合した状態であるので、左右のクローラ3、3が等速回転する。また所望の旋回方向に操向レバー21を操作することでシフタ47L又は47Rが作動して、サイドクラッチ44L又は44Rの係合と解放が選択され、エンジン動力が左又は右のクローラ3、3に伝達され、所望の方向に回転する。

0033

また、ホイールシャフトギア48L、48Rは後述する差動歯車装置6のサイドギア55L、55Rと常時噛合している。

0034

また、走行ミッション装置14のA軸〜C軸から成る走行トランスミッション差動(補助)伝動系を主に図4で説明する。

0035

走行トランスミッション差動(補助)伝動系は、前記副変速装置24の後段側に設けられるクラッチ軸70(B軸)上に設けられる直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82とカウンタ軸60(A軸)を備えたギア変速装置19と支持軸50(C軸)を備えた差動歯車装置6を備えている。

0036

ギア変速装置19のカウンタ軸60には直進用クラッチ81に動力伝達するための出力ギア61が固着されており、該出力ギア61の取り付け部とは反対側のカウンタ軸60の側面側に出力ギア62が設けられており、スピンターン又はブレーキターンで旋回できる構成になっている。出力ギア61には、第二副変速軸33の伝動ギア37から駆動力が伝達される。

0037

ギア変速装置19からの駆動力が直進用クラッチ81に伝動されると、該駆動力は差動歯車装置6のリングギア53、中間ベベル歯車52を経由してサイドギア51L、51Rを同時に等速回転させて、支持軸50(C軸)及びサイドギア55L、55Rを回転させ、さらにホイールシャフトギア48L、48Rとホイールシャフト11L、11R(e軸)を経由して走行クローラ3、3を等速回転させる。

0038

また、前記副変速装置24及びギア変速装置19からの回転伝動力が旋回用クラッチ82を経由する場合は、差動歯車装置6のサイドギア51L、51Rをそれぞれ所定の互いに異なる回転数で回転させ、左右のクローラ3、3を経由して所望の方向に所望の旋回モードでコンバインを旋回させるが、その詳細は後述する。

0039

副変速レバー22の作動で副変速シフタステー(図示せず)を介して副変速装置24の第一変速軸27の三種類の変速ギア28、29、30と第二副変速軸33の対応するギア36、35、34のいずれかの組みを噛合させることで第二副変速軸33の伝動ギア37に常時係合するカウンタ軸60(A軸)に固定された出力ギア61を回転させる。該カウンタ軸60の出力ギア61は円筒状回転体72に設けられたギア72aに常時噛合している。円筒状回転体72はクラッチ軸70に遊嵌しており、該円筒状回転体72とスプライン嵌合している円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる直結クラッチ81を構成している。なお、円筒状回転体71はクラッチ軸70とスプライン嵌合している。また、円筒状回転体72の外周には円筒状回転体74が遊嵌しており、該円筒状回転体74には伝動ギア37に常時係合するカウンタ軸60(A軸)に固定された出力ギア62とが常時係合している。また円筒状回転体74と円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる旋回クラッチ82を構成している。直結クラッチ81と旋回クラッチ82との間には圧縮バネ75が配置され、該圧縮バネの付勢力は直結クラッチ81が「入り」となる油圧より強く設置されている。

0040

また、円筒状回転体71の外周には直進用クラッチ81と圧縮バネ75と旋回用クラッチ82の間をそれぞれ仕切円盤状プレート76a、76bを備えた円筒体76が一体化して設けられている。

0041

油口77から圧油の導入がない場合には圧縮バネ75によって円筒状回転体71と円筒状回転体72との間で常時直進用クラッチ81が係合する「入」方向に付勢されている。直進用クラッチ81は常時「入」状態を保ち、旋回用クラッチ82は常時「切」状態を保っている。

0042

油口77から圧油の導入があると、ピストン73と円筒体76がバネ75の付勢力に打ち勝って図4の左側(矢印A方向)にシフトし、直進用クラッチ81は解放(「切」状態)となり、旋回用クラッチ82が係合(「入」状態)になる。

0043

直進用クラッチ81が「入」の場合はカウンター軸60の出力ギア61からの駆動力は円筒状回転体72、円筒状回転体71、クラッチ軸70を回転させ、該クラッチ軸70にスプライン嵌合している伝動ギア78と、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車装置6のリングギア53を回転させる。このとき旋回用クラッチ82が「切」であるのでカウンター軸60の出力ギア62からの駆動力は円筒状回転体74を空回りさせる。

0044

また旋回用クラッチ82が「入」の場合は、直進用クラッチ81が「切」となり、カウンター軸60の出力ギア61からの駆動力は円筒状回転体72を空回りさせるが、このときカウンター軸60の出力ギア62の駆動力が円筒状回転体74のギア74aを経由して、円筒状回転体71を回転させ、該回転体71の回転でクラッチ軸70を駆動させる。この結果、クラッチ軸70に固定された伝動ギア78が回転して差動歯車装置6のリングギア53を回転させる。

0045

差動歯車装置6には、中間ベベル歯車52の外周に設けたデフケース54と一体のリングギア53が設けられており、また、支持軸50には側部ベベル歯車51L、51Rがそれぞれスプライン係合しており、また、側部歯車51L、51Rには左右のサイドギア55L、55Rがそれぞれ固定している。これらサイドギア55L、55Rはそれぞれホイールシャフトギア48L、48Rに常時係合している。リングギア53はクラッチ軸70の伝動ギア78に常時係合している。

0046

図4から明らかなように直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82を同一軸であるクラッチ軸70に設けることにより両クラッチ81、82を択一的に操作できるので、構成が簡素化でき、安価になる。また両クラッチ81、82の切り替えのタイミングを機械的に調整できるので複雑な制御が不要となる。

0047

上記構成からなる走行ミッション装置14のギア機構において、コンバインの直進時はサイドクラッチ装置の左右のサイドクラッチ44L、44Rが共に係合したままであり、エンジン動力は副変速装置24の第二副変速軸33の伝動下手側のサイドクラッチ軸41L、41Rと係合しているセンターギア40から左右の走行系に動力がそれぞれ伝動される。左側の走行系ではセンターギア40から伝動される動力はクラッチギア43Lからホイールシャフトギア48L、ホイールシャフト11L及び図示しない駆動スプロケットを順次回転させて左クローラ3を駆動する。同様に右側の走行系ではセンターギア40の動力はクラッチギア43Rからホイールシャフトギア48R、ホイールシャフト11R及び図示しない駆動スプロケットを順次回転させ右クローラ3を駆動する。

0048

副変速レバー22の作動で副変速シフタステー(図示せず)が副変速装置24の第一副変速軸27のギア28、29、30とそれぞれ対応する第二副変速軸33のギア36、35、34のいずれかの組みのギア同士を噛合させて、適切な速度段で直進走行ができる。

0049

このとき直進用クラッチ81は「入」で、旋回用クラッチ82は「切」であり、直進時の差動歯車装置6の状態は次の通りである。

0050

ホイールシャフトギア48L、48Rが共に回転しているので、ホイールシャフトギア48L、48Rがそれぞれ噛合しているサイドギア55L、55Rは同じ方向に共に等速回転する。従って、サイドギア55L、55Rとそれぞれ一体回転するサイドギア51L、51Rを介してデフケース54と該デフケース54と一体のリングギア53も同じ方向に回転する。

0051

さらに、第二副変速軸33の駆動力がカウンタ軸60の出力ギア61、直進用クラッチ81の円筒状回転体72のギア72a、直進用クラッチ81、円筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78及びリングギア53に順次動力伝達される。

0052

このようにリングギア53は上記、の二系統から回動されるので上記、の二系統からのリングギア53への変速比を同じに設定する。従ってサイドクラッチ44L又は44Rを「切」にしたとき、上記の伝動系統からの動力がリングギア53からサイドギア55L、55Rとホイールシャフトギア48L、48Rにそれぞれ伝わるので、ショックが防止される。

0053

次に前記ギア機構の左旋回時の作動について説明する。操向レバー21を左側に傾斜させることで、シフタ47Lを作動させ、サイドクラッチ44Lを図3に示すように「切」にすると、図示しない機構により油口77から圧油が導入され、ピストン73と円筒体76が図4の矢印A方向に移動する。この矢印A方向への移動により直進用クラッチ81を「切」として、旋回用クラッチ82を「入」とする。カウンタ軸60の出力ギア62を旋回用クラッチ82の円筒状回転体74の外周に設けられた対応するギア74a等を経由させてリングギア53を駆動させる。

0054

旋回用クラッチ82は、その多板式摩擦板を油圧力を図7に示す旋回用クラッチ82の油圧制御手段84の制御によって無段階的(連続的)に設定された旋回モードまで制御することができる。なお、この旋回用クラッチ82の摩擦板の油圧力の制御は操縦席20に設けた操向レバー21に付属するポテンショメータ88(図9)で検出・出力される傾動角度の制御で行うことができる。

0055

カウンタ軸60の出力ギア62と円筒状回転体74のギア74aの変速比の関係により旋回用クラッチ82を完全に接続させた場合に、サイドギア55Lの回転はサイドクラッチ44R側のサイドギア55Rの回転数の−1/4になり、急旋回(スピンターン)状態になるように設定しているので、緩旋回からブレーキ旋回と急旋回が可能になっている。

0056

すなわち、図5に示すように左旋回時にはサイドクラッチ44Rが「入」状態であるので、ホイールシャフトギア48Rの回転がサイドギア55Rに伝動され、サイドギア55Rの回転数は一定となるが、リングギア53の回転数が旋回用クラッチ82の摩擦力が強くなるに従い減速して行くと、それに比例してサイドギア55Lの回転数が減少していく。リングギア53の回転数がサイドギア55Rの1/2になると、サイドギア55Lはゼロ回転となり、サイドギア55Lからホイールシャフトギア48Lを経由する回転数がゼロになり、左クローラ3にブレーキが利いているのではないが左クローラ3が回転しない、いわゆるブレーキ旋回が行われる。

0057

さらにリングギア53が減速していくと、サイドギア55Rの回転方向に対してサイドギア55Lは逆転回転をして左クローラ3が逆回転し、いわゆる急旋回が行われる。

0058

サイドギア55Rの回転数に対してサイドギア55Lの逆転回転数は、ギア62とギア72aの変速比を図5の点Xに設定しているので、サイドギア55Lがサイドギア55Rに対して−1/4スピンターンまで実行可能な逆転回転数まで設定が可能である。

0059

また、右旋回選択時はサイドクラッチ44Rを「切」にすることで、前記左旋回と全く逆の作動が走行ミッション装置14で行われる。

0060

上記したような副変速装置24と旋回用クラッチ82との間に比較的簡単な構成のギア変速装置19を介装し、旋回用クラッチ82の摩擦板の係合圧を調整することで、緩旋回からブレーキ旋回及び−1/4の急旋回まで実行可能な状態に切り替えられるようにした。以下、旋回用クラッチ82への送油圧力を増減するための目標制御ラインの設置について述べる。

0061

上記構成からなる走行装置において、図6に示すように操向レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減するために目標制御ラインを設置する。従ってこのときの操向レバー21の操作角度に応じて目標制御ラインに沿って旋回用クラッチ82のクラッチ圧が変化して緩旋回、ブレーキ旋回及び急旋回モードが設定される。

0062

そして本実施の形態の特徴は、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず所定の高圧値まで瞬間的に昇圧するようにコントローラを構成する。

0063

こうして、操向レバー21の操作初期において旋回用クラッチ82が瞬間的に昇圧されるため、機体の旋回動作反応が早くなり、例えば条あわせを機敏に行うことができ、作業能率が向上する。

0064

また、操向レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減すべく目標制御ラインを設定すると共に、刈取装置9や脱穀装置10などを作動させるための作業機クラッチの「入」り状態で操向レバー21を操作した場合に、その操作初期において旋回用クラッチ82への送油圧力を前記目標制御ラインに拘わらず、前述した方法で所定の高圧値まで瞬間的に昇圧するようにコントローラを構成しても良い。

0065

このような構成により、刈取や脱穀作業時に走行しているコンバインで操向レバー21が操作されると、その操作初期に旋回用クラッチ82が瞬間的に昇圧されるため、機体の旋回反応が早くなり、例えば、条あわせを機敏に行うことができ、作業能率が向上する。

0066

上記図6に示す旋回用クラッチ82への送油圧力を目標制御ラインに設定するためには、図7に示すように操向レバー21の操作角度検出結果に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減する油圧回路図8)を設け、該油圧回路の前記旋回用クラッチ82への送油圧力増減制御をする油圧制御手段84により行う。

0067

図8に示すこの油圧回路では、操向レバー21を左右に操作して旋回させるプッシュシリンダー56L、56R作動制御用の電磁ソレノイドバルブ92と操向レバー21を上下に操作して刈取装置9を昇降させる刈取シリンダー57作動制御用の電磁ソレノイドバルブ93を備え、さらに直進用クラッチ81を「切」として、その後旋回用クラッチ82を「入」とする旋回用クラッチ油圧制御手段84を備えている。

0068

操向レバー21の操作性を高めるために、操向レバー21のチルト調節が可能な構成することが望ましい。図9には操向レバー21のチルト角θを調節可能にする構成を示す。操向レバー21を接続したレバ設置部材85と機体87との間に操向レバー21のチルト角設定部材86を揺動自在に接続し、該チルト角設定部材86の揺動角を調整するために、レバー設置部材85と機体87との間にチルト角調節ロッド89を設ける。チルト角調節ロッド89の両端部のレバー設置部材85と機体87との接続部には該ロッド89の長さを調整できるネジ部89a、89bをそれぞれ設けているので、ロッド89の接続長さLを調節できる。例えば図9に示すようにチルト角調節ロッド89の接続長さLを短くすると点線位置にレバー設置部材85とチルト角設定部材86が移動して、レバー設置部材85の運転者に対する操向レバー21の設置角度が変化して、操向レバー21の左右方向(コンバイン進行方向に対して)への回転軸芯を前後方向に傾斜調節できるようする。またレバー設置部材85の操向レバー21の運転者側手前側)に運転者の手首を載せることができるので、運転者の体格姿勢に応じて操向レバー21を姿勢調節すると、各運転者に応じて最適なレバー設置部材85の配置と操向レバー21の操縦位置を設定できる。こうして操向レバー21の操縦感覚を良好なものとし、操作性が高まる。

0069

また、図7に示すように操向レバー21の操作角度検出結果に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減する油圧回路(図8)を設け、該油圧回路の前記旋回用クラッチ82への送油圧力増減制御をする油圧制御手段84を構成すると共に、操向レバー21の操作角度をポテンショメータ88(図9)で検出し、該検出値に相当する出力を前記油圧制御手段84へ遠隔操作によって与えうる遠隔操作手段(リモコン)90を設けた構成とすることができる。

0070

図10に示すような刈取部の昇降用、左右旋回用及び前後進用などの選択・制御ができる無線リモコン式遠隔操作手段90を用いて機体を操向操作すると、作業の省力化を図れる。

0071

また、前記図6に示す旋回用クラッチ82の目標制御ラインが単一のものであると、コンバイン1の路上走行時圃場内での刈取などの作業時とでは、クローラ3からなる走行装置の負荷の違いにより、実際の旋回量が異なり、旋回操作フィーリングが一定しない欠点がある。

0072

例えば、刈取装置9や脱穀装置10にエンジン動力を伝達する作業機クラッチ(図示せず)が「入り」の場合は、コンバイン1は圃場を走行中であることは容易に推測できる。また、一旦、作業機クラッチが「入り」に入ると刈取装置9や脱穀装置10等のコンバインが作業中は旋回制御緩慢な方が良い。もし旋回性が急激であると、コンバインが植立穀稈を押し倒してしまうことがある。

0073

そこで、操向レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減すべく図6に示す目標制御ラインを設定する場合に、前記目標制御ラインとして、路上走行時と圃場内で刈取、脱穀などの作業をしながらの走行時とで変化特性の異なる複数の目標制御ラインを設定し、作業機クラッチの「入り」と「切り」に関連して前記目標制御ラインを選択切替できる構成にしても良い。

0074

図11に示すように、路上走行時と圃場内で刈取、脱穀などの作業をしながらの走行時とで目標制御ラインを、勾配の異なる2本のラインにそれぞれ設定し、作業機クラッチを「入り」にすると緩傾斜ライン(一点鎖線)が選択され、作業機クラッチを「切り」にすると急傾斜ライン(実線)が選択されるように設定する。

0075

図11(a)と図11(b)では圃場が湿田であるか、乾田であるかなど、圃場の状態により、実線で示す作業機クラッチが「入り」の場合と、一点鎖線で示す作業機クラッチが「切り」の場合とで目標制御ラインを変えた例を示す。

0076

こうして作業機クラッチを「入り」にした圃場走行時と作業機クラッチを「切り」にした路上走行時とで変化特性の異なる目標制御ラインを選択できるので、走行面の条件が異なっても、それぞれ旋回操作フィーリングの相違を少なくすることができる。

0077

操向レバー21を最大限傾斜させた場合に急旋回するように目標制御ラインを設定した場合、刈取作業中にも急旋回して圃場の植立穀稈を押し倒してしまうような不具合が生じることが考えられる。また、前記目標制御ラインが単一のものであると、グレンタンク貯留量の変化によって旋回状態が異なり、例えば、グレンタンク貯留量が増加すると機体が急旋回し過ぎる不具合が生じる。

0078

そこで、前記目標制御ラインを設定する場合に、該目標制御ラインを変化特性の異なる複数の目標制御ラインに設定し、刈取装置9で刈り取った穀稈を脱穀装置10に搬送する装置部分に設置した、穀稈搬送中であることを検出する穀稈センサー(図示せず)の検出結果に基づいて複数の目標制御ラインの中から適切な目標制御ラインを選択できる構成及びグレンタンク貯留量を検出できる籾センサをグレンタンク13内に複数個設け、該籾センサの検出結果に応じて前記目標制御ラインを選択切換する構成にしても良い。

0079

上記構成により、穀稈センサーによって刈取走行中か否かを判定し、この走行状態に応じた旋回特性を得ることができる。例えば、図12に示すように穀稈センサーによって刈取穀稈を検出している場合は、目標制御ラインとして緩勾配のラインが選択され、操向レバー21を最大傾斜角度まで傾斜操作しても緩旋回状態にまでしか至らない(急旋回(スピンターン)状態にまで至らない)ため、急旋回して穀稈を押し倒すことなく、刈取作業時の走行を円滑に行うことができる。

0080

また、同様に、グレンタンク13内に穀稈満杯センサーを設け、該穀稈満杯センサーがオンになると、急旋回(スピンターン)状態にまで至らないように緩旋回とブレーキ旋回のみが選択されるように変化特性の異なる複数の目標制御ラインを設け、その中の適切な設定を選択することもできる。

0081

また、籾満杯センサーに代えて、グレンタンク内籾貯留量をゼロから満杯まで無段階的に検出する貯留量センサーを設け、該貯留量センサーの検出結果に応じて目標制御ラインの勾配を無段階的に変化させるよう構成してもよい。

0082

さらに、機体の前後進切換に応じて切り替え可能な前記変化特性の異なる複数の目標制御ラインを設け、その中の適切な目標制御ラインを選択できる構成にしても良い。目標制御ラインを勾配の異なる2本以上のラインに設定し、主変速レバー23を後進側に操作すると緩傾斜ラインが選択され、前進側に操作すると急傾斜ラインが選択されるように設定する。この場合には後進時にはスピンターンさせる必要がないため、目標制御ラインを緩傾斜ラインとして緩旋回の範囲を広くとることができる。

0083

また、目標制御ラインが固定的に設定されていると、機体が左右に傾斜した場合に、傾斜下り側上り側とで旋回量が異なるため、操向レバー21の左右方向へ傾斜させる操作フィーリングが異なってしまう。

0084

そこで、図13に示すように、操向レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減すべく、中立位置付近を起点とした左右対称状の目標制御ラインを設定し、該左右の目標制御ラインの各勾配を機体の左右傾斜量に応じて独立的に変更できる構成にしても良い。例えば、目標制御ラインの各勾配を、機体が左下がりに傾斜した場合には左側の目標制御ラインを緩勾配に変更し、右側の目標制御ラインを急勾配に変更する。これにより、機体が左右に傾斜した場合でも、左右両方向への旋回操作フィーリングの相違を少なくすることができる。

0085

また、図13に示すように、機体の前後傾斜量の検出結果に応じて前記複数の目標制御ラインの中から適切なラインを選択切換できるように構成しても良い。例えば、コンバインをトラック荷台へ積み降ろす際、トラック荷台と地面との間に設ける橋架部材であるアユミ上で機体が急旋回すると危険である。

0086

機体が前後に大きく傾斜した場合、目標制御ラインを緩傾斜ラインとして例えばスピンターン状態まで至らないようにし、急激な旋回を少なくして安全性を向上させることができる。

0087

目標制御ラインを勾配の異なる2本のラインに設定し、ピッチングセンサーが所定量以上の機体の前後傾斜を検出すると、緩傾斜ラインが選択されるように設定する。この緩傾斜ラインが選択された状態では、操向レバー21を一杯に倒しても急旋回まで至らないように設定する。

0088

また、ピッチングセンサーの検出結果に応じて、目標制御ラインの勾配を無段階に変化させるように構成してもよい。

0089

また、操向レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82への送油圧力を増減すべく目標制御ラインを図13の(操向レバー21)−(旋回用クラッチ82)の二次元座標に設定する場合に、該目標制御ラインを中間で屈折した屈折ラインに形成し、該屈折点X1〜X3の座標を任意に変更可能に構成しても良い。

0090

前記屈折点X1〜X3を設けることにより、特に操向レバー21の操作初期における旋回具合を任意に調節でき、操作フィーリングを向上させることができる。

0091

このとき前記屈折点X1〜X3を設定する図示しない設定ダイヤルを操縦席に設けて置くと、操作性が一段と向上する。

図面の簡単な説明

0092

図1本発明の実施の形態のコンバインの左側面図を示す。
図2図1のコンバインの右側面図を示す。
図3図1のコンバインの走行トランスミッション装置の展開断面図の一部を示す。
図4図1のコンバインの走行トランスミッション装置の展開断面図の一部を示す。
図5図1のコンバインの走行ミッション装置の差動歯車装置のギアの回転数の関係図を示す。
図6図1のコンバインの操向レバーの傾斜角と旋回用クラッチ圧の関係を示す図である。
図7本発明の実施の形態の操向レバーの傾斜角度センサ、旋回用クラッチ圧を制御するリモコンを用いて旋回用クラッチ圧を制御する制御ブロック図である。
図8本発明の実施の形態の油圧回路図である。
図9図1のコンバインの操向レバー基部付近の側面図である。
図10本発明の実施の形態の旋回用クラッチ圧を制御するリモコンの斜視図である。
図11本発明の実施の形態の操向レバーの傾斜角と旋回用クラッチ圧の関係を示す図である。
図12本発明の実施の形態の操向レバーの傾斜角と旋回用クラッチ圧の関係を示す図である。
図13本発明の実施の形態の操向レバーの傾斜角と旋回用クラッチ圧の関係を示す図である。

--

0093

1コンバイン2車体フレーム
3クローラ4走行装置本体
6差動歯車装置7 刈取装置支持フレーム
9 刈取装置 10脱穀装置
11L、11Rホイルシャフト(e軸)
12走行トランスミッションケース
13グレンタンク14走行ミッション装置
15オーガ17出力軸(a軸)
18走行用HST 19ギア変速装置
20操縦席21操向レバー
22副変速レバー23主変速レバー
24副変速装置26広幅伝動ギア
27 第一副変速軸(b軸) 28 大ギア
29 中ギア 30 小ギア
31 刈取伝動プ−リ 33 第二副変速軸(c軸)
34変速大ギア 35変速中ギア
36 変速小ギア 37 伝動ギア
40センタ−ギア
41L、41Rサイドクラッチ軸(d軸)
42L、42Rスリーブ43L、43Rクラッチギア
44L、44Rサイドクラッチ47L、47Rシフター
48L、48Rホイールシャフトギア
49L、49Rスプリング50支持軸(C軸)
51L、51R 側部ベベル歯車52中間ベベル歯車
53リングギア54デフケース
55L、55Rサイドギア
56L、56Rプッシュシリンダー57 刈取シリンダー
60カウンタ軸(A軸) 61、62出力ギア
70クラッチ軸(B軸) 71、74円筒状回転体
72 円筒状回転体 72a 円筒状回転体ギア
73ピストン75圧縮バネ
76円筒体78 伝動ギア
77 油口 81直進用クラッチ
82旋回用クラッチ
84 旋回用クラッチ油圧制御手段
85レバー設置部材86チルト角設定部材
87機体88ポテンショメータ
89 チルト角調節ロッド89a、89bネジ部
90無線リモコン式遠隔操作手段
92、93 電磁ソレノイドバルブ

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