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技術 金属溶湯の定量供給法及び金属溶湯供給ポンプ

出願人 株式会社梅田製作所
発明者 梅田剛志相上京二
出願日 2001年10月11日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-313566
公開日 2003年4月23日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-117649
状態 特許登録済
技術分野 鋳造用とりべ
主要キーワード 排出弁機構 耐熱シール ネジ部品 先端ヘッド 変形限界 与圧室 給気系統 限界範囲内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月23日)のものです。
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図面 (16)

目的

燃焼性の高いマグネシウムをはじめとする金属溶湯大気に晒さずにして鋳型などに可及的誤差なく定量供給できるようにする。

構成

炉1内に与圧室3を形成する密閉容器2を配置し、先ず吸入弁7を操作して取込口4を開放することにより、炉1内の金属溶湯を与圧室3に取り込む。次いで、取込口4を閉鎖する一方、与圧室3に不活性ガス注入する。これにより、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達したら、取込口4を閉鎖したまま排出弁8を操作して排出流路5の一端開口部を一定時間開放する。そして、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力を一定に保ったまま、その圧力で金属溶湯を与圧室3から排出流路5内に押し出す。このため、与圧室5内の金属溶湯を排出流路5を通じて鋳型などの給湯対象Dに定量的に供給することができる。

概要

背景

一般に、金属を大気中で溶解すると多かれ少なかれ酸度水素、又は水蒸気による汚染を受け、その酸化物などが湯面上に被膜となって浮遊する。このため、溶解炉中の金属溶湯柄杓を用いて鋳込みする場合には、湯面上に浮遊する酸化物を排除してその混入を防ぐ作業が必要とされる。しかし、その種の作業は劣悪環境下での人的によるものであって肉体的負担が大きく危険であり、しかも分取りした金属溶湯を素早く鋳込みしないとその表面にも多くの酸化物が生成されてしまうばかりでなく、燃焼性の高いマグネシウムなどでは鋳込みする前に発火してしまう。このため、炉内の金属溶湯を大気に晒す事なく鋳込みすることのできる技術が従来より数多く提案され、その多くが実用化されている。

例えば、その一つに特開平4−187366号のポンプが知られる。その概略を図13に示して説明すれば、Rは所定の容積をもつ部屋であり、この部屋は定量の金属溶湯を蓄えるための定量室R1と、その上部に不活性ガスを供給するための加圧室R2とに機能分割され、定量室R1にはその上端から炉底に向けて延びる導入路Eiほか、下端から炉外に向けて延びる排出路Eoが形成される。そして、このポンプによれば、導入路Eiを通じて定量室R1に炉内の金属溶湯を取り込み、次いで加圧室R2に不活性ガスを注入して湯面を定量室R1の上端まで下げ、而して加圧室R2のガス圧を高めることにより定量室R1内における金属溶湯の全てを排出路Eoを通じて外部装置定量供給できるとする。しかし、上記のようなポンプでは、炉内の湯面が高く加圧室に多量の金属溶湯が流入した場合、その湯面を定量室R1の上端まで下げるのに時間が掛かるばかりでなく、その過程で定量室R1内の金属溶湯が排出路Eoを通じて外部に流出してしまう虞れがあり、しかも加圧室R2を所定圧まで上昇させるのに時間が掛かるため、定量の金属溶湯を短時間で外部に供給することができないという問題がある。

一方、特開平1−96856号では図14に示すようなポンプが提案されている。このポンプは炉内の金属溶湯に浸漬されるボトム室Bを有し、そのボトム室Bに吸入弁V1にて開閉される導入口Eiと排出弁機構V2にて開閉される排出口Eoとが形成される。又、ボトム室Bには上方に立ち上がるシリンダチューブSが接続され、その内部に吸入弁V1や排出弁機構V2に連動して昇降するピストンPが設けられる。そして、このポンプはピストンPの上昇により導入口Eiからボトム室Bに炉内の金属溶湯を適量取り込んでから導入口Eiを閉鎖し、次いで排出口Eoを開放しつつピストンPを降下させることにより、ボトム室B内の金属溶湯を外部装置に供給することができる。しかし、シリンダチューブSの内面に付着した金属酸化物がピストンPの動きを妨げるため、長期に亙って装置性能を維持することが難しく、しかも金属溶湯の供給量はピストンPの移動操作量によって変化するので金属溶湯を定量的に供給することは至極困難である。

そこで、特開平3−264155号では図15に示すようなポンプを提案している。このポンプは概してガスを満たすことが可能なタンクTを主体とし、そのタンクTに金属溶湯吸込部Eiを形成する管K1と、金属溶湯取出部Eoを形成する管K2とを接続し、それら管内にそれぞれ吸込部Eiおよび取出部Eoを開閉するフロート式逆止弁F1,F2を配して構成される。そして、このポンプによれば、タンクT内に対する不活性ガスの給排により吸込部Eiと取出部Eoとを交互に開閉して金属溶湯を炉外へ供給でき、しかも金属溶湯に接触する可動部が逆止弁F1,F2だけであるから装置の耐久性を向上させ得るとする。

概要

燃焼性の高いマグネシウムをはじめとする金属溶湯を大気に晒さずにして鋳型などに可及的誤差なく定量供給できるようにする。

炉1内に与圧室3を形成する密閉容器2を配置し、先ず吸入弁7を操作して取込口4を開放することにより、炉1内の金属溶湯を与圧室3に取り込む。次いで、取込口4を閉鎖する一方、与圧室3に不活性ガスを注入する。これにより、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達したら、取込口4を閉鎖したまま排出弁8を操作して排出流路5の一端開口部を一定時間開放する。そして、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力を一定に保ったまま、その圧力で金属溶湯を与圧室3から排出流路5内に押し出す。このため、与圧室5内の金属溶湯を排出流路5を通じて鋳型などの給湯対象Dに定量的に供給することができる。

目的

本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は燃焼性の高いマグネシウムをはじめとする金属溶湯を大気に晒さずにして鋳型などに可及的誤差なく定量供給できるようにすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

炉内の金属溶湯圧力調整可能な与圧室に取り込んだ後、その取込口閉鎖し、次いで排出弁の操作で開閉可能とされる排出流路開放することにより、前記与圧室に取り込んだ金属溶湯を排出流路を通じて鋳型などの給湯対象に供給する方法であって、前記排出流路を開放する前に予め取込口を閉鎖したまま与圧室に不活性ガス注入して該与圧室内を加圧し、その圧力が設定値に達した後、前記排出弁を操作して排出流路を一定時間開放することを特徴とする金属溶湯の定量供給法。

請求項2

炉内に蓄えられる金属溶湯中に開口せしめた取込口を通じて圧力調整可能な与圧室に前記炉内の金属溶湯を取り込んだ後、前記取込口を吸入弁の操作により閉鎖し、次いで前記与圧室に不活性ガスを注入することにより該与圧室内を加圧し、その圧力が設定値に達した後、前記取込口を閉鎖したまま、前記与圧室に作用する不活性ガスの圧力を一定に保ちつつ該与圧室に接続する排出流路を排出弁の操作にて一定時間開放することにより、前記与圧室から排出流路を通じて鋳型などの給湯対象に送られる金属溶湯の流量を制御することを特徴とする金属溶湯の定量供給法。

請求項3

炉内の金属溶湯を取り込むための取込口をもつ圧力調整可能な与圧室を形成する耐熱性密閉容器と、前記取込口を開閉する吸入弁と、前記与圧室に取り込まれた金属溶湯を鋳型などの給湯対象に導くための排出流路と、この排出流路を開閉する排出弁と、前記取込口と排出流路とを交互に開放するべく吸入弁および排出弁を操作する操作系と、この操作系による排出弁の操作で前記排出流路を開放する前に予め与圧室に不活性ガスを注入して該与圧室の与圧制御を行う圧力調整手段とを備え、前記操作系には与圧室に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達した後で前記排出流路を一定時間開放させるよう排出弁を作動せしめる制御部が設けられることを特徴とする金属溶湯供給ポンプ

請求項4

排出流路の先端には、排出弁による閉鎖時に該排出流路の先端より金属溶湯が漏出するのを防ぐための多孔状のノズル板が設けられる請求項3記載の金属溶湯供給ポンプ。

請求項5

排出弁は与圧室の底部に開口する排出流路の一端開口部上に昇降可能にして設けられるロッド状とされ、その上部に可撓性を有する鍔状の耐熱シール板が固定されると共に、密閉容器の上部は前記排出弁を与圧室に通すための案内筒として炉内に蓄えられる金属溶湯の湯面上に突出され、その上端開口縁に前記耐熱シール板の周縁部が気密性を保って締結されて成る請求項3記載の金属溶湯供給ポンプ。

技術分野

0001

本発明は金属溶湯を定量的に供給する技術に係わり、特に燃焼性の高いマグネシウム溶湯金型をはじめとする鋳型などに対して可及的少ない誤差で定量的に供給できるようにした方法及び装置に関する。

背景技術

0002

一般に、金属を大気中で溶解すると多かれ少なかれ酸度水素、又は水蒸気による汚染を受け、その酸化物などが湯面上に被膜となって浮遊する。このため、溶解炉中の金属溶湯を柄杓を用いて鋳込みする場合には、湯面上に浮遊する酸化物を排除してその混入を防ぐ作業が必要とされる。しかし、その種の作業は劣悪環境下での人的によるものであって肉体的負担が大きく危険であり、しかも分取りした金属溶湯を素早く鋳込みしないとその表面にも多くの酸化物が生成されてしまうばかりでなく、燃焼性の高いマグネシウムなどでは鋳込みする前に発火してしまう。このため、炉内の金属溶湯を大気に晒す事なく鋳込みすることのできる技術が従来より数多く提案され、その多くが実用化されている。

0003

例えば、その一つに特開平4−187366号のポンプが知られる。その概略を図13に示して説明すれば、Rは所定の容積をもつ部屋であり、この部屋は定量の金属溶湯を蓄えるための定量室R1と、その上部に不活性ガスを供給するための加圧室R2とに機能分割され、定量室R1にはその上端から炉底に向けて延びる導入路Eiほか、下端から炉外に向けて延びる排出路Eoが形成される。そして、このポンプによれば、導入路Eiを通じて定量室R1に炉内の金属溶湯を取り込み、次いで加圧室R2に不活性ガスを注入して湯面を定量室R1の上端まで下げ、而して加圧室R2のガス圧を高めることにより定量室R1内における金属溶湯の全てを排出路Eoを通じて外部装置定量供給できるとする。しかし、上記のようなポンプでは、炉内の湯面が高く加圧室に多量の金属溶湯が流入した場合、その湯面を定量室R1の上端まで下げるのに時間が掛かるばかりでなく、その過程で定量室R1内の金属溶湯が排出路Eoを通じて外部に流出してしまう虞れがあり、しかも加圧室R2を所定圧まで上昇させるのに時間が掛かるため、定量の金属溶湯を短時間で外部に供給することができないという問題がある。

0004

一方、特開平1−96856号では図14に示すようなポンプが提案されている。このポンプは炉内の金属溶湯に浸漬されるボトム室Bを有し、そのボトム室Bに吸入弁V1にて開閉される導入口Eiと排出弁機構V2にて開閉される排出口Eoとが形成される。又、ボトム室Bには上方に立ち上がるシリンダチューブSが接続され、その内部に吸入弁V1や排出弁機構V2に連動して昇降するピストンPが設けられる。そして、このポンプはピストンPの上昇により導入口Eiからボトム室Bに炉内の金属溶湯を適量取り込んでから導入口Eiを閉鎖し、次いで排出口Eoを開放しつつピストンPを降下させることにより、ボトム室B内の金属溶湯を外部装置に供給することができる。しかし、シリンダチューブSの内面に付着した金属酸化物がピストンPの動きを妨げるため、長期に亙って装置性能を維持することが難しく、しかも金属溶湯の供給量はピストンPの移動操作量によって変化するので金属溶湯を定量的に供給することは至極困難である。

0005

そこで、特開平3−264155号では図15に示すようなポンプを提案している。このポンプは概してガスを満たすことが可能なタンクTを主体とし、そのタンクTに金属溶湯吸込部Eiを形成する管K1と、金属溶湯取出部Eoを形成する管K2とを接続し、それら管内にそれぞれ吸込部Eiおよび取出部Eoを開閉するフロート式逆止弁F1,F2を配して構成される。そして、このポンプによれば、タンクT内に対する不活性ガスの給排により吸込部Eiと取出部Eoとを交互に開閉して金属溶湯を炉外へ供給でき、しかも金属溶湯に接触する可動部が逆止弁F1,F2だけであるから装置の耐久性を向上させ得るとする。

発明が解決しようとする課題

0006

然し乍ら、図15に示したようなポンプによれば、タンク内を吸込部が開放する減圧状態から取出部が開放する昇圧状態にするまでに時間が掛かる上、使用する金属の種類や温度に起因する金属溶湯の粘性によって取出部の開閉時間が大きく変化するため、金属溶湯を外部装置に定量供給することは難しく、それには不活性ガスの給排タイミングや金属溶湯の温度を極めて正確にコントロールしなければならない。

0007

本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は燃焼性の高いマグネシウムをはじめとする金属溶湯を大気に晒さずにして鋳型などに可及的誤差なく定量供給できるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は上記目的を達成するため、炉内の金属溶湯を圧力調整可能な与圧室に取り込んだ後、その取込口を閉鎖し、次いで排出弁の操作で開閉可能とされる排出流路を開放することにより、前記与圧室に取り込んだ金属溶湯を排出流路を通じて鋳型などの給湯対象に供給する方法であって、前記排出流路を開放する前に予め取込口を閉鎖したまま与圧室に不活性ガスを注入して該与圧室内を加圧し、その圧力が設定値に達した後、前記排出弁を操作して排出流路を一定時間開放することを特徴とする金属溶湯の定量供給法を提供する。

0009

又、請求項2に係る方法は、炉内に蓄えられる金属溶湯中に開口せしめた取込口を通じて圧力調整可能な与圧室に前記炉内の金属溶湯を取り込んだ後、前記取込口を吸入弁の操作により閉鎖し、次いで前記与圧室に不活性ガスを注入することにより該与圧室内を加圧し、その圧力が設定値に達した後、前記取込口を閉鎖したまま、前記与圧室に作用する不活性ガスの圧力を一定に保ちつつ該与圧室に接続する排出流路を排出弁の操作にて一定時間開放することにより、前記与圧室から排出流路を通じて鋳型などの給湯対象に送られる金属溶湯の流量を制御することを特徴とする。

0010

一方、請求項3に係る本発明は、炉内の金属溶湯を取り込むための取込口をもつ圧力調整可能な与圧室を形成する耐熱性密閉容器と、前記取込口を開閉する吸入弁と、前記与圧室に取り込まれた金属溶湯を鋳型などの給湯対象に導くための排出流路と、この排出流路を開閉する排出弁と、前記取込口と排出流路とを交互に開放するべく吸入弁および排出弁を操作する操作系と、この操作系による排出弁の操作で前記排出流路を開放する前に予め与圧室に不活性ガスを注入して該与圧室の与圧制御を行う圧力調整手段とを備え、前記操作系には与圧室に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達した後で前記排出流路を一定時間開放させるよう排出弁を作動せしめる制御部が設けられることを特徴とする金属溶湯供給ポンプを提供するものである。

0011

又、上記ポンプにおいて、排出流路の先端には、排出弁による閉鎖時に該排出流路の先端より金属溶湯が漏出するのを防ぐための多孔状のノズル板が設けられることを特徴とする。

0012

更に、排出弁は与圧室の底部に開口する排出流路の一端開口部上に昇降可能にして設けられるロッド状とされ、その上部に可撓性を有する鍔状の耐熱シール板が固定されると共に、密閉容器の上部は前記排出弁を与圧室に通すための案内筒として炉内に蓄えられる金属溶湯の湯面上に突出され、その上端開口縁に前記耐熱シール板の周縁部が気密性を保って締結されることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1により本発明の概略を説明する。1はマグネシウムなどの金属を溶解するための炉であり、その外周部にはバーナなど図示せぬ加熱源付設される。2は炉内の金属溶湯に浸らしめられる耐熱性の密閉容器であり、その内部は圧力調整が可能な与圧室3を形成する。与圧室3には炉1内の金属溶湯中に開口される取込口4が設けられるほか、その底部には排出流路5の一端が接続される。排出流路5は、与圧室3の底部から炉1内の金属溶湯中を通じてその上方に突出されると共に、炉1の上部から斜め上方に向けて延長され、その先端は炉1内に蓄えられる金属溶湯の湯面Lよりも高い位置で下向きに開口される。尚、排出流路5の先端には後述するノズル板6が設けられ、そのノズル板6から鋳型などの給湯対象Dに対して金属溶湯が吐出されるようにしてある。

0014

一方、7は取込口を開閉する吸入弁、8は排出流路を開閉する排出弁であり、その吸入弁7と排出弁8は、所定の長さを有するロッド状の弁体とされる。このうち排出弁8は、与圧室3の底部に開口して与圧室内の金属溶湯をその外部に排出するための排出口9を成す排出流路の一端開口部上に昇降可能にして設けられる。尚、密閉容器2の上部には排出弁8を通す案内筒10が設けられ、その案内筒10は下端が与圧室3に連続して上部が炉1内に蓄えられる金属溶湯の湯面L上に突出される。特に、案内筒10の上端開口部は後述する耐熱シール板11により密閉され、その耐熱シール板11により与圧室3の気密性を保ち得るようにしてある。

0015

12は吸入弁と排出弁とを作動せしめるための操作系であり、この操作系12は本例において空気圧縮機13を動力源とする空気圧回路で構成され、吸入弁7と排出弁8にはそれぞれ空気圧縮機13から供給される圧縮空気により駆動するアクチュエータとしてエアシリンダ14,15が連結される。空気圧縮機13からエアシリンダ14,15に対して作動流体としての圧縮空気を供給する給気系統には、それぞれソレノイドバルブ16,17が介在されると共に、それらソレノイドバルブ16,17は図示せぬ制御回路に接続してエアシリンダ14,15の駆動を制御する制御部を構成する。

0016

ここに、取込口4と排出流路5とは操作系12による吸入弁7および排出弁8の操作で交互に開放されるが、上記制御部を構成する制御回路には図示せぬタイマーが組み込まれ、その設定により取込口4と排出流路5の開放時間が調整可能とされる。つまり、タイマーによる時間設定により先ず排出流路5を閉鎖したまま吸入弁7を操作して取込口4を一定時間開放し、これによって炉1内の金属溶湯を与圧室3に取り込み、次いで取込口4を閉鎖した後、その取込口4を閉鎖したまま排出弁8を操作して排出流路5の一端開口部(排出口9)を一定時間開放するよう制御するのである。そして、本発明によれば、排出流路5の開放時に、与圧室3に取り込まれた金属溶湯がその湯面上に予め作用せしめた不活性ガスの圧力により押し出され、これが排出流路5を通じて給湯対象Dに定量的に供給されるようにしてある。

0017

18は与圧室に対して金属溶湯を押し出すのに必要な不活性ガスを注入するガス供給系であり、このガス供給系18は与圧室3に作用する不活性ガスの圧力を一定に保つような与圧制御を行う圧力調整手段を構成する。本例において、そのガス供給系18は不活性ガスを封入したガスボンベ19を供給源とし、そのガスボンベ19と案内筒10の上部側面とを接続するガス管20に、圧力制御弁21(リリーフレギュレータ)、圧力計22、及びソレノイドバルブ23などを介在せしめて構成される。そして、この圧力調整手段を成すガス供給系18によれば、ガスボンベ19内の不活性ガスをガス管20から案内筒10内を通じて与圧室3内の湯面上に供給し、以て与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達すると、圧力制御弁21が設定圧以上の不活性ガスを大気中に放出することにより、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力を一定に保つことができる。特に、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力は圧力制御弁21の作動圧設定により調整可能とされるが、圧力制御弁21の二次側には圧力計22やソレノイドバルブ23ほか、図示せぬ圧力スイッチが設けられ、その圧力スイッチによって与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達したことが検出されると、その検出信号が操作系12の制御部に与えられて排出弁8の操作による排出流路5の開放が可能とされる。

0018

又、ガス管20は圧力制御弁21の一次側から排出流路5の先端部に接続する分岐管24を有し、その分岐管24にも圧力制御弁25や圧力計26が介在され、その圧力制御弁25により所定の圧力に調整された不活性ガスが分岐管24を通じて排出流路5の先端部より吐出される金属溶湯に向けて噴射されるようにしてある。尚、不活性ガスとしてはアルゴンほか、ヘリウム窒素、又はキセノンなどが用いられる。

0019

次に、上記した金属溶湯供給ポンプの各部の構成を図2図8に示してより詳細に説明する。先ず、図2には与圧室を形成する密閉容器の部分断面を示す。この図で明らかなように、密閉容器2は底盤27と天蓋28との間に筒状の中間リング29を挟み込み、それらを結合ピン30とその軸直角方向に圧入される31とで締結することにより構成される。このうち、天蓋28の中心には案内筒10の下端を接続する接続口32が形成される。一方、底盤27には排出流路の一部として与圧室3内からその外部に通じる流出路33が形成され、その内側の一端開口部が案内筒10と対向する上向きの排出口9として与圧室3の底部に開口されている。ここで、排出流路5はその上流部を成す上記の流出路33、その上端に接続するジョイント管34、及びその上端に接続する延長管35とで構成される。尚、与圧室3の底部には排出流路5の一端開口部が成す排出口9を囲む壁体36が形成され、その壁体36により排出弁8の軸振れを防止してその先端ヘッド部を排出口9に的確に誘導できるようにしてある。又、密閉容器の底盤27には与圧室3内からその外部に通じる流入路37が形成され、その外側の一端開口部が取込口4として炉1内の金属溶湯中で上向きに開口されるようにしてある。

0020

図3に示すように、底盤27には取込口4を挟んで一対の支柱38が立てられ、その間に取込口4を開閉するための弁体を成す吸入弁7が昇降可能にして設けられる。吸入弁7の上端にはその昇降用アクチュエータたる上記のエアシリンダ14が連結され、そのエアシリンダ14は支柱38の間に架設した取付板39に固定されている。よって、エアシリンダ14を駆動させることにより吸入弁7がその軸方向に沿って上下動し、その降下を以て取込口4が密閉され、上昇時には取込口4が開放とされる。尚、図4に示すよう取込口4の周囲には吸入弁7の軸振れを防止するための大径穴40が穿たれ、その一部は更に拡大されて開放された取込口4への金属用湯の流入を促す湯口41を形成する。

0021

次に、図5は密閉容器の上部を部分的に破断して示す。この図で明らかなように、案内筒10の上端には上下一対フランジ42A,42Bが設けられ、その上部側のフランジ42Bには案内筒10の中心部を挟んで一対の支柱43が立てられている。そして、支柱43の上端に取付板44が架設され、これに排出弁8を昇降させるためのエアシリンダ15が固定されている。一方、排出弁8の上部には可撓性を有する鍔状の耐熱シール板11が固定される。本例において耐熱シール板11は円形をした厚さ0.2mmの薄い金属板(SUS304)で成り、その中心には図6に示すよう排出弁に固定するための取付穴45が穿設されると共に、その周縁部にはボルトを通す固定穴46が穿設される。そして、この耐熱シール板11は、図5のようにその中心部が取付穴45に挿入されるネジ部品47により排出弁8の上端面との間に挟み込まれて気密的に固定される一方、その周縁部が固定穴46に挿入されるボルト48により案内筒10の上端開口縁を成す一対のフランジ42A,42Bの間に気密性を保って締結される。

0022

ここに、耐熱シール板11は与圧室3の気密性を保って該与圧室に注入された不活性ガスが案内筒11より外部に漏出するのを防止し、排出弁8の作動時にも気密性を保ったまま排出弁8に連動して中心部分が上下に数ミリ程度撓み変形をする。このため、一対のフランジ42A,42Bの間には耐熱シール板11の撓み変形を許容する空隙49が形成されると共に、排出弁8の昇降ストロークは耐熱シール板11の撓み変形限界内に制限される。尚、吸入弁7は取込口4を与圧室3の外側から開閉する形式であるから、吸入弁7側に上記のような耐熱シール板を設ける必要はないが、与圧室3の内側から取込口4を開閉するような吸入弁にして、該吸入弁にも上記のような耐熱シール板11を装置するようにしてもよい。

0023

次に、図7は排出流路の先端部を示す。この図で明らかなように、排出流路5を形成する延長管35の先端には筒状の雄ネジ50が取り付けられ、その雄ネジ50にはリング状の上部枠51が取り付けられている。又、上部枠51の下にはリング状の固定板52、受座53、並びに下部枠54が順に設けられ、それらがボルト55及びナット56で締結されている。このうち、受座53にはその内外開通する横穴57が穿設され、その横穴57に不活性ガスを供給する分岐管24の先端が接続するようにしてある。このため、排出流路5(延長管35)の先端部から吐出される金属溶湯に不活性ガスを浴びせてその酸化を防止することができる。又、固定板52と受座53との間には上記の如く排出流路5で送られた金属溶湯を吐出するための多孔状のノズル板6が挟み込まれる。このノズル板6は所定厚の耐熱部材ベースとし、これに所定の流路抵抗を有する直径数ミリ程度の微小通湯孔6Aを複数穿設して成る。特に、ノズル板6は不活性ガスの圧力による金属溶湯の通過を可能とし、且つ排出弁8による排出流路5の閉鎖に排出流路中に残存する金属溶湯がその表面張力により通過不能となるよう各通湯孔6Aの断面積穿孔数などが設定される。そして、このノズル板6によれば、排出流路5の閉鎖と同時に金属溶湯の流通を停止し、排出流路5が再開されるまでの間、金属溶湯が排出流路5の先端より漏出するのを防止することができる。尚、その種のノズル板を設けず、排出流路5の先端を単に図8に示すよう状に曲げるなどして排出流路5の閉鎖時にその内部における湯面が定位置に維持されるようにしても良い。

0024

ここで、以上のように構成されるポンプの作用とこれによる金属溶湯の定量供給方法について説明する。先ず、本願ポンプを使用するに当たり、図9に示すよう密閉容器2を炉1内に配置し、これを金属溶湯の浸らしめた状態に固定する。又、湯面L上には空気よりも比重の大きい例えば六フッ化硫黄充満させ、これにより金属溶湯を大気から遮蔽してその酸化を阻止する。然るに、湯面付近炉底付近の金属溶湯には不純物が含まれることが多いので、密閉容器2は金属溶湯の中間付近に浸らしめることが好ましく、これにより良質の金属溶湯を給湯対象に供給することができる。

0025

給湯対象へ金属溶湯を供給するには、先ず図10のようにガス管20を通じて与圧室3内の不活性ガスを排出しながら吸入弁7を上昇せしめて取込口4を一定時間開放し、以てその取込口4より適量の金属溶湯を与圧室3内へと流入せしめる。そして、一定時間経過後、図11のように吸入弁7を降下させて取込口4を閉鎖する一方、ガス管20から案内筒10内を通じて与圧室3内の湯面上に不活性ガスを注入し、これによって与圧室3内を加圧する。而して、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値(例えば800〜1500mmHg≒100〜200kPa)に達した後、取込口4を閉鎖したまま図12に示すよう排出弁8を上方に作動せしめて排出流路の一端開口部(排出口9)を一定時間開放する。

0026

尚、与圧室3に作用する不活性ガスの圧力が設定値に達した段階でガス管20を閉鎖し、その状態のまま排出流路5を一定時間開放するようにしてもよいが、好ましくは与圧室3内における金属溶湯の押し出しに伴う圧力降下を防止するべく、排出流路5の開放中も与圧室3内への不活性ガスの注入を続行し、その内部に作用する不活性ガスの圧力を初期の設定圧に維持する。これにより、与圧室3内の金属溶湯は不活性ガスによる一定の圧力の下で終始ほぼ一定の流速で与圧室3から押し出されつつ、排出口9から排出流路5内を通じて給湯対象に供給される。そして、一定時間経過後、排出流路5を閉鎖し、与圧室3内に充満する不活性ガスをガス管20から与圧室3外に排出しつつ取込口4を一定時間開放して給湯対象への給湯を繰り返して行うのであり、これによれば与圧室3に取り込んだ金属溶湯を不活性ガスの圧力設定と排出流路5の開放時間の設定とにより、給湯対象に定量供給することができる。

0027

このように、本発明によれば、給湯対象への給湯量を不活性ガスによる圧力と排出流路5の開放時間とで制御するので、与圧室3内に取り込む金属溶湯の流量制御を必要とせず、与圧室3には一回当たりの給湯量に必要な分だけの金属溶湯を取り込むようにすればよいが、与圧室3に取り込まれる金属溶湯の容量がその都度大きく異なると、そのヘッド圧差異により与圧室3から押し出される金属溶湯の流速が相違して給湯量に誤差を生ずることになる。よって、炉1内の湯面位置を一定範囲(±50mm程度)内に保ち、その湯面Lが下限位置を下回ったら溶解すべき金属を炉1内に補給すると共に、好ましくは上記に如く取込口4の開放時間を制御して与圧室3に取り込む金属溶湯の流量を調整する。

0028

尚、与圧室3から排出する不活性ガスの流量を制御することにより与圧室3を所定の圧力に保ち、その状態にして取込口4を開放することにより、与圧室3に取り込む金属溶湯の流量を調整することもできる。又、与圧室3内に取り込んだ金属溶湯が定量でなくとも、そのヘッド圧に対する不活性ガスの圧力を可及的大きく設定するとにより、与圧室3内における金属溶湯のヘッド圧の差異による給湯量の誤差を限りなくゼロにすることができる。

0029

以上、本発明について説明したが、本発明は上記のような構成に限らず、例えば吸入弁や排出弁を作動せしめるためのアクチュエータとして油圧シリンダ電磁ソレノイドを用いたり、又はカム機構を利用して吸入弁と排出弁とを作動させるなどしてもよい。又、本発明は金属溶湯としてマグネシウムほか、アルミニウム溶湯などの供給にも適用できる。

発明の効果

0030

以上の説明から明らかなように、本発明によれば金属溶湯が取り込まれた与圧室を予め不活性ガスの注入により加圧し、その加圧力が設定値に達した後、排出流路を一定時間開放するようにしていることから、与圧室内の金属溶湯を大気と遮断したまま排出流路を通じて鋳型などの給湯対象に誤差なく定量的に供給することができる。このため給湯不足による成型不良が発生したり、過剰給湯による湯れで発火したりすることがなく、高品質ダイカスト鋳物を低不良率で効率よく生産できるようになるなどの効果が得られる。

0031

特に、排出流路を不活性ガスの圧力調整で開閉するのでなく、与圧室に作用せしめた不活性ガスの圧力が設定値に達した後、排出弁の操作によって排出流路を開放するようにしていることから、与圧室内における金属溶湯の性状やヘッド圧によって排出流路の開放時間が変化してしまうことがない。

0032

又、排出流路の先端に多孔状のノズル板を設け、排出流路の閉鎖時にその先端から金属溶湯が漏出するのを防止するようにしていることから、排出流路中の金属溶湯による給湯誤差を可及的小さくでき、しかも待機中に外気が排出流路へ浸入することによる金属溶湯の酸化を極力防止できる。

0033

更に、排出弁の上部に鍔状の耐熱シール板を固定し、これにより与圧室を密閉するようにしていることから、与圧室に作用する不活性ガスの圧力を適正にコントロールすることができ、しかも耐熱シール板が可撓性を有しているので、その撓み量の限界範囲内で排出弁を気密性を保ったまま作動させることができる。

図面の簡単な説明

0034

図1本発明に係るポンプを示した概略図
図2同ポンプを構成する密閉容器の縦断面図
図3吸入弁の装置例を示した部分断面図
図4密閉容器の横断面図
図5密閉容器の上部を示した部分断面図
図6耐熱シール板の平面図
図7排出流路の先端部を示した部分断面図
図8排出流路の変更例を示した概略断面図
図9本発明に係るポンプの使用状態を示した部分断面図
図10与圧室に金属溶湯を取り込む状態を示した概略図
図11与圧室に不活性ガスを注入する状態を示した概略図
図12与圧室から給湯対象に金属溶湯を供給する状態を示した概略図
図13従来ポンプを示した断面図
図14従来ポンプの他の形態を示した断面図
図15従来ポンプの他の形態を示した断面図

--

0035

1 炉
2密閉容器
3与圧室
4 取込口
5排出流路
6ノズル板
7吸入弁
8排出弁
9 排出口(排出流路の一端開口部)
10案内筒
11耐熱シール板
12 操作系
14エアシリンダ
15 エアシリンダ
18ガス供給系(圧力調整手段)
20 ガス管

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