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※この項目の情報は公開日時点(2003年4月15日)のものです。
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課題
解決手段
概要
背景
悪臭はトイレ、冷蔵庫、ゴミ箱、排水溝、家畜舎等で発生するが、これら悪臭の成分は、バクテリアによる蛋白質の分解から生じる、アンモニア、脂肪族アミン類、インド−ル、スカト−ルのような含窒素化合物及び硫化水素、メルカプタン類のような含硫黄化合物ならびに汗腺、皮脂腺等からの排泄物の微生物分解により生じる低級脂肪酸類とそのエステル等に大別される。
一方、グルコン酸等のような有機酸やその塩は、人体に対して安全で、悪臭除去に効果的であり、消臭剤として優れていることが知られている(例えば、特開昭60−136506号公報)。しかし、これらの消臭剤は、前記含窒素化合物等おけるアルカリ性型の悪臭に対する消臭効果は優れているものの、含硫黄化合物、その他の悪臭に対する消臭効果は、ほとんど認められない難点があった。これを解決するものとして、グルコン酸塩にアルカリ性薬剤を配合した消臭剤が開示されており(特開平7−328105号公報)、アルカリ型以外の硫化水素に対しても一応の消臭効果が認められるが、アルカリ性薬剤を使用しているため、その安定性や人体への安全性の問題があり、また消臭効果も十分でない。
概要
本発明は、安全性・安定性に問題がなく、しかも、多種類の悪臭に対し、消臭効果の高い消臭剤を提供することを目的とする
グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩と両性界面活性剤(アルキルアミドプロピルアミノ酢酸ベタインを除く)とこれらの溶媒からなる溶液型消臭剤である。この場合、前記各塩の濃度は0.05重量%〜10.0重量%となり、前記両性界面活性剤の濃度は0.1重量%〜10.0重量%となるように配合するのが好ましい。
目的
そこで、本発明は、前記安定性・安全性の問題がなく、しかも、多種類の悪臭に対し、消臭効果の高い消臭剤を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 3件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
グルコン酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とこれらの溶媒からなることを特徴とする溶液型消臭剤。一般式(2) ;ID=000004HE=025 WI=092 LX=0590 LY=0450(但し、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を表す)
請求項2
請求項3
硫酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とこれらの溶媒からなることを特徴とする溶液型消臭剤。
請求項4
前記グルコン酸塩の濃度が0.05重量%〜10.0重量%であって、前記両性界面活性剤の濃度が0.1重量%〜10.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の溶液型消臭剤。
請求項5
前記パラフェノ−ルスルホン酸塩の濃度が0.05重量%〜10.0重量%であって、前記両性界面活性剤の濃度が0.1重量%〜10.0重量%であることを特徴とする請求項2記載の溶液型消臭剤。
請求項6
前記硫酸塩の濃度が0.05重量%〜10.0重量%であって、前記両性界面活性剤の濃度が0.1重量%〜10.0重量%であることを特徴とする請求項3記載の溶液型消臭剤。
請求項7
前記両性界面活性剤が一般式(1) 記載のものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の溶液型消臭剤。一般式(1) ;ID=000005HE=030 WI=095 LX=0575 LY=1300(但し、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を表す)
技術分野
背景技術
0002
悪臭はトイレ、冷蔵庫、ゴミ箱、排水溝、家畜舎等で発生するが、これら悪臭の成分は、バクテリアによる蛋白質の分解から生じる、アンモニア、脂肪族アミン類、インド−ル、スカト−ルのような含窒素化合物及び硫化水素、メルカプタン類のような含硫黄化合物ならびに汗腺、皮脂腺等からの排泄物の微生物分解により生じる低級脂肪酸類とそのエステル等に大別される。
0003
一方、グルコン酸等のような有機酸やその塩は、人体に対して安全で、悪臭除去に効果的であり、消臭剤として優れていることが知られている(例えば、特開昭60−136506号公報)。しかし、これらの消臭剤は、前記含窒素化合物等おけるアルカリ性型の悪臭に対する消臭効果は優れているものの、含硫黄化合物、その他の悪臭に対する消臭効果は、ほとんど認められない難点があった。これを解決するものとして、グルコン酸塩にアルカリ性薬剤を配合した消臭剤が開示されており(特開平7−328105号公報)、アルカリ型以外の硫化水素に対しても一応の消臭効果が認められるが、アルカリ性薬剤を使用しているため、その安定性や人体への安全性の問題があり、また消臭効果も十分でない。
発明が解決しようとする課題
0004
そこで、本発明は、前記安定性・安全性の問題がなく、しかも、多種類の悪臭に対し、消臭効果の高い消臭剤を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0005
かかる目的を達成するため、鋭意研究した結果、グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩と、両性界面活性剤とを、これらの溶媒に溶かした溶液を用いれば、多種類の悪臭に対し、優れた消臭効果が得られることを見出だし、本発明を完成させた。
0006
すなわち、本発明のうち請求項1記載の発明は、グルコン酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とこれらの溶媒からなることを特徴とする溶液型消臭剤である。
一般式(2) ;
ID=000006HE=025 WI=089 LX=0605 LY=0300
(但し、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を表す)
本発明に用いるグルコン酸塩は、特に限定されないが、グルコン酸第二銅、グルコン酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸第一鉄、グルコン酸鉛、グルコン酸アルミニウム、グルコン酸マンガン等が、好ましいものとして、例示される。
0007
また、本発明のうち請求項2記載の発明は、パラフェノ−ルスルホン酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とこれらの溶媒からなることを特徴とする溶液型消臭剤であり、請求項3記載の発明は、硫酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とこれらの溶媒からなることを特徴とする溶液型消臭剤である。
0008
本発明に用いるパラフェノ−ルスルホン酸塩は、特に限定されないが、パラフェノ−ルスルホン酸第二銅、パラフェノ−ルスルホン酸亜鉛、パラフェノ−ルスルンホン酸カルシウム、パラフェノ−ルスルホン酸第一鉄、パラフェノ−ルスルホン酸鉛、パラフェノ−ルスルホン酸アルミニウム、パラフェノ−ルスルホン酸マンガン等が、好ましいものとして、例示される。また本発明に用いる硫酸塩は、特に限定されないが、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸鉛、硫酸アルミニウム等が、好ましいものとして、例示される。
0009
本発明に用いる両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)は、一分子中に陰イオン性と陽イオン性の両方の親水基をもついわゆる両性界面活性剤であれば特に限定されず、従来両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)として知られているアミノ酸型やベタイン型のもの及びレシチン等の天然物を含む。
0010
アミノ酸型としては、グリシン型、アラニン型としてのR−NHCH2COO-やR−NHCH2CH2COO-(但し、これらの一般式において、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を表す。)が例示される。ベタイン型としては、次式で示されるベタインの他、イミダゾリニウムベタインが例示される。
ID=000007HE=025 WI=058 LX=1210 LY=1050
(但し、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を又はRがアルキル基(炭素数は8〜18)であるRCONH(CH2)3基を、R2、R3はメチル基、エチル基、水酸基、アミノ基若しくはホルミル基を、nは1若しくは2を表す。)
0011
本発明においては、上記両性界面活性剤のうち、請求項7記載のもの、すなわち、ベタイン型として一般式(1)で示されるものを使用するのが好ましい。
一般式(1) ;
ID=000008HE=025 WI=095 LX=0575 LY=1850
(但し、Rは炭素数が8〜18のアルキル基を表す)
上記一般式(1)の両性界面活性剤は、単独で用いることもできるし、一般式(2)のものと混合して用いることもできる。また陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤との併用も可能である。
0012
本発明に用いる溶媒は、グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩と両性界面活性剤の双方が溶解可能であれば特に限定されないが、水及び低級アルコ−ル(メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル等)、アセトン、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等の水溶性有機溶媒並びにこれらの混合物が例示される。しかし、通常は、水又は水と前記水溶性有機溶媒の一種若しくは二種以上との混合物が溶媒として用いられる。
0013
本発明に用いられるグルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩と両性界面活性剤(一般式(2)のものを除く)とは、任意の濃度で配合できるが、好ましくは、請求項4、5、6記載の発明の如く、グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩の濃度を0.05重量%〜10.0重量%とし、前記両性界面活性剤の濃度を0.1重量%〜10.0重量%とするのがよく、より好ましくはグルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩の濃度を0.1重量%〜5.0重量%とし、前記両性界面活性剤の濃度を0.5重量%〜7.0重量%とするのがよい。
0014
グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩の濃度が0.05重量グルコン酸塩重量%未満であって、前記両性界面活性剤の濃度が0.1重量%未満では消臭効果が十分でない傾向にあり、グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩の濃度が10.0重量%を超えると、溶質不溶の部分を生じる場合があることと共に、前記両性界面活性剤の濃度が10.0重量%超えても、消臭効果はそれ以上増えない傾向にあるからである。
0015
本発明において少なくとも以上の如く構成すれば、多種類の悪臭に対し優れた消臭効果を示す。これは、アミン類ような前記窒素化合物の悪臭成分に対してはグルコン酸塩等による従来の作用に加えて、両性界面活性剤の陰イオン性基が溶液中で作用する一方、硫化水素、メルカプタン類といった前期硫黄化合物に対しては溶液中で解離したSH-に対し両性界面活性剤の陽イオン性基が溶液中で作用することによると考えられ、これらの作用が相俟って悪臭成分の活性を喪失させると考えられる。また、その他の悪臭成分に対してもグルコン酸と両性界面活性剤が有する陰陽の両イオンが溶液中で有効に作用し、悪臭成分の活性を喪失させると考えられる。
0016
なお、本発明の溶液型消臭剤に、目的に応じ、PH調節剤、両性界面活性剤以外の界面活性剤、香料、色素、防腐剤、殺菌剤等の任意の成分を配合可能であり、また他の消臭剤、脱臭剤と組み合わせて使用することもできる。
0017
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
0018
(実施例1)まず、表1の実施例1に示す溶液型消臭剤(配合量の単位は重量部である。)を調整する。この消臭剤は、一般式(1) においてRが炭素数12のアルキル基であるラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(三洋化成工業株式会社製レボンLD−36、40重量%溶液)の固形分換算において0.6重量部と、グルコン酸亜鉛(藤沢薬品工業株式会社製グルコン酸亜鉛)の0.5重量部とをガラス容器に入れ、これにイオン交換水の98.9重量部を加えて、加温下、撹拌しながら溶解し、調整したものである。
0019
(実施例2〜11)実施例2〜4は前記グルコン亜鉛を、実施例5〜8は硫酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製硫酸亜鉛)を、実施例9〜11はパラフェノ−ルスルホン酸亜鉛(マツモト交商社製スルホ石炭酸亜鉛)を、それぞれ実施例1の両性界面活性剤と共に表1の如く配合し、実施例1と同様にして溶液型消臭剤を調整した。
0020
(比較例1〜5)表1の比較例1、2は前記各酸の亜鉛塩を用いず両性界面活性剤を、比較例3、4、5は両性界面活性剤は用いず前記各酸の亜鉛塩を、それぞれ表1の如く配合した後、加温下、撹拌しながら溶解し、溶液型消臭剤を調整した。なお、比較例2の場合、両性界面活性剤の一つとして、一般式(2) のRCOがヤシ油脂肪酸残基であるヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(三洋化成工業株式会社製レボン2000、30重量%溶液)を固形分換算で表1の如く配合して用いた。
0021
0022
(消臭試験方法)実施例1〜11及び比較例1〜5の各消臭剤溶液のそれぞれ0.5gづつを10ccのビ−カ−に取り、これらを用いて、含窒素化合物の悪臭の代表例として選択したアンモニア、トリメチルアミン及び含硫黄化合物の悪臭の代表例として選択した硫化水素とメチルメルカプタンに対する消臭効果を、下記方法にて評価した。
0023
「アンモニア」について
ガラス製立方体容器(400ml)の中央部に、実施例1の溶液入り前記ビ−カ−を配置し、密閉後、初期濃度が100ppmとなるようにアンモニア(キシダ化学社製)を注入し、60分経過後のアンモニア濃度を検知管法により測定した。実施例2〜11、比較例1〜5の各溶液ついても同様にして、アンモニア初期濃度に対する60分経過後のアンモニア濃度を検知管法により測定した。
0024
「トリメチルアミン」について
ガラス製立方体容器(400ml)の中央部に、実施例1の溶液入り前記ビ−カ−を配置し、密閉後、初期濃度が100ppmとなるようにトリメチルアミン(和光純薬化学社製)を注入し、60分経過後のトリメチルアミン濃度を検知管法により測定した。実施例2〜11、比較例1〜5の各溶液ついても同様にして、トリメチルアミン初期濃度に対する60分経過後のトリメチルアミン濃度を検知管法により測定した。
0025
「硫化水素」について
ガラス製立方体容器(400ml)の中央部に、実施例1の溶液入り前記ビ−カ−を配置し、密閉後、初期濃度が100ppmとなるように硫化水素(和光純薬化学社製)を注入し、60分経過後の硫化水素濃度を検知管法により測定した。実施例2〜11、比較例1〜5の各溶液ついても同様にして、硫化水素初期濃度に対する60分経過後の硫化水素濃度を検知管法により測定した。
0026
0027
「メチルメルカプタン」について
ガラス製立方体容器(400ml)の中央部に、実施例1の溶液入り前記ビ−カ−を配置し、密閉後、初期濃度が100ppmとなるようにメチルメルカプタン(東京化成工業社製)を注入し、60分経過後のメチルメルカプタン濃度を検知管法により測定した。実施例2〜11、比較例1〜5の各溶液ついても同様にして、メチルメルカプタン初期濃度に対する60分経過後のメチルメルカプタン濃度を検知管法により測定した。
0028
表1、2に示すように、実施例1〜11の各酸の亜鉛塩と両性界面活性剤とを併用した溶液型消臭剤は、いずれも、各酸の亜鉛塩単独若しくは両性界面活性剤単独で用いた比較例1〜5の消臭剤に比べ、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタンのいずれに対しても、60分経過後における消臭の程度は顕著に大きい。また、この表の結果は、グルコン酸塩、パラフェノ−ルスルホン酸塩又は硫酸塩の濃度範囲を0.1重量%〜5.0重量%とし、前記両面界面活性剤の濃度範囲を0.5重量%〜7.0重量%とするのが好ましいことを示している。
発明の効果
0029
以上説明したように、本発明によれば、多種類の悪臭に対し従来の消臭剤より優れた消臭効果を示す。これは、前記したように、アミン類ような前記窒素化合物の悪臭成分に対してはグルコン酸塩等による従来の作用に加えて、両性界面活性剤の陰イオン性基が溶液中で作用すると考えられ、硫化水素、メルカプタン類といった前期硫黄化合物に対しては溶液中で解離したSH-に対し両性界面活性剤の陽イオン性基が溶液中で作用すると考えられるので、これらの作用が相俟って悪臭成分の活性を喪失させたことによると考えられる。
0030
また、その他の悪臭成分に対してもグルコン酸と両性界面活性剤が有する陰陽の両イオンが溶液中で有効に作用し、悪臭成分の活性を喪失させると考えられる。なお、本発明においてはアルカリ剤を用いていないので、前記安全性・安定性の問題を生じない。