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技術 電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置、振動波駆動装置を有する駆動システムおよびこの振動体を搬送源とする搬送装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 藤本幸輔片岡健一森敬夫
出願日 2001年10月1日 (19年9ヶ月経過) 出願番号 2001-305496
公開日 2003年4月11日 (18年3ヶ月経過) 公開番号 2003-111450
状態 未査定
技術分野 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード 時間的位相 棒状振動体 駆動電極パターン 裏面電極間 腹位置 分極パターン 各分極領域 時間的位相差
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図面 (17)

課題

圧電素子分極によって生ずる異方性に起因する剛性むらを低減し、振動体励起する振動振幅を均一にし、制御性、精度、耐久性に優れた振動型アクチュエータに最適な振動体を提供する。

解決手段

円環状の振動体において、圧電素子2の片面には複数の電極3−1が周方向に隙間3−3を有して配置され、またこれらの電極3−1によって分極処理がなされた分極領域は、分極方向が交互に逆極性としており、隣接する電極の間隔を分極方向の厚さの2倍以上とし、逆極性の分極領域間に分極時に生じる電界の強さを厚み方向の電界の強さ以下にした。

概要

背景

振動波駆動装置としての振動波モータは、低速度で大きなトルクが取り出せるアクチュエータであるとともに、電磁モータが持つコギングがなく、回転むらが少ないことが特徴である。とくに、進行波型の振動波モータは、弾性体振動振幅が一様な進行性振動波を起こし、これに加圧接触された移動体を連続的に駆動することにより、原理上では回転むらが生じないとされている。

図12は、従来の振動波モータの振動体の斜視図である。1は円環形状に形成された金属などの弾性体、2は円環状の電気機械エネルギー変換素子としての圧電素子で、電圧印加用電極3が周方向に沿って複数設けられており、この弾性体1と圧電素子2により振動体を構成している。弾性体1には、圧電素子の接着面とは反対の面に摩擦材料が接着あるいは塗布等により設けられ、この摩擦材料を介して不図示の接触体(移動体)が押圧される。

図13(1)〜(3)は、進行波型振動波モータの駆動原理を示す展開図である。図13(1)は、振動体に励起する第一の定在波(これをA相と呼ぶ)であり、図13(2)は振動体に励起する第二の定在波(これをB相と呼ぶ)である。図示したA、およびB相は各節位置腹位置)が互いに4分の1波長ずれている。この2つの定在波を時間的位相差90°をもって同時に励起し、重ねあわせることによって、図13(3)に示した一様な振幅を持つ進行波を合成することができる。このようにして曲げ進行波が励起された振動体の、曲げ変形中立面より離れた点が楕円運動をするため、振動体上面に移動体を押圧し、楕円運動の頂点近傍で接触させるようにすると、振動体と移動体の間に働く摩擦力によって、移動体が駆動される。

A、B各定在波を励起するために弾性体に固着する圧電素子の構成は公知なので詳細な説明は省略するが、圧電セラミックスからなる単一の円板に、複数の電極を蒸着などで形成し、この複数の領域を分極処理することによって、単一の素子で2つの定在波を励起することを可能にしている。図14に代表的な分極パターンを示す。間に4分の1波長の非駆動部を挟んでA相、B相の各電極群が形成され、各群内では、2分の1波長の長さをもつ電極が、図中の(+)、(−)記号で示すように隣り合う電極が互いに逆方向に分極されている。各電極間は、分極処理時の環境、例えば大気中、または絶縁油中において分極処理の電圧電極間放電が生じない程度の間隔を空けており、ほぼ圧電素子の厚みと同等の幅である。

A相、B相の各電極群は、導電性ペースト、あるいは、フレキシブルプリント基板などの手段でそれぞれ短絡され、裏面のグランド電極との間に所望の電圧を印加することによって、分極方向と直交した方向(d31)の伸縮力が発生し、振動体に曲げモーメントが加わることによって、上述した2つの定在波が、A相、B相の各電圧で励起される。

概要

圧電素子の分極によって生ずる異方性に起因する剛性むらを低減し、振動体に励起する振動振幅を均一にし、制御性、精度、耐久性に優れた振動型アクチュエータに最適な振動体を提供する。

円環状の振動体において、圧電素子2の片面には複数の電極3−1が周方向に隙間3−3を有して配置され、またこれらの電極3−1によって分極処理がなされた分極領域は、分極方向が交互に逆極性としており、隣接する電極の間隔を分極方向の厚さの2倍以上とし、逆極性の分極領域間に分極時に生じる電界の強さを厚み方向の電界の強さ以下にした。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

弾性体と、同一面内にそれぞれ独立した分極処理が施された複数の分極領域を有する電気機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の複数の分極領域の中で、互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域同士は、分極領域の分極方向の距離の少なくとも2倍以上の間隔をもって形成されたことを特徴とする振動体。

請求項2

弾性体と、同一面内にそれぞれ独立した分極処理が施された複数の分極領域を有すると共に、前記複数の分極領域の表面に電極が形成された電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記複数の電極の中で、互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域同士に対応する電極同士は、分極領域の分極方向の距離の少なくとも2倍以上の空隙をもって形成されたことを特徴とする振動体。

請求項3

前記複数の分極領域の中で、互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域を有し、該互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域の間隔を、前記互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域の間隔と等しい間隔にしたことを特徴とする請求項1記載の振動体。

請求項4

前記複数の分極領域の中で、互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域を有し、該互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域に対応する電極の間隔を、前記互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域に対応の電極の間隔と等しい間隔にしたことを特徴とする請求項2記載の振動体。

請求項5

前記振動体は円環形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向に直交した方向の歪によって曲げ振動励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の2分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の振動体。

請求項6

前記振動体は円環形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向に直交した方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の4分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の振動体。

請求項7

前記振動体は棒状または円板形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向と平行な方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の2分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の振動体。

請求項8

前記振動体は棒状または円板形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向と平行な方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の4分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の振動体。

請求項9

請求項1から8のいずれかに記載の振動体に接触体圧接し、前記駆動振動によって前記振動体と前記接触体とを相対的に駆動することを特徴とする振動波駆動装置

請求項10

請求項9に記載の振動波駆動装置を駆動源として被駆動部材を駆動することを特徴とする駆動システム

請求項11

請求項1から8のいずれかに記載の振動体を搬送源として流体あるいは粉体を搬送することを特徴とする搬送装置

技術分野

0001

本発明は、電気機械エネルギー変換素子としての圧電素子振動源として弾性体駆動振動を形成する振動体と、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置およびこの振動波駆動装置を駆動源とする駆動システムおよび搬送源として流体粉体を搬送する搬送装置に関する。

背景技術

0002

振動波駆動装置としての振動波モータは、低速度で大きなトルクが取り出せるアクチュエータであるとともに、電磁モータが持つコギングがなく、回転むらが少ないことが特徴である。とくに、進行波型の振動波モータは、弾性体に振動振幅が一様な進行性振動波を起こし、これに加圧接触された移動体を連続的に駆動することにより、原理上では回転むらが生じないとされている。

0003

図12は、従来の振動波モータの振動体の斜視図である。1は円環形状に形成された金属などの弾性体、2は円環状の電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子で、電圧印加用電極3が周方向に沿って複数設けられており、この弾性体1と圧電素子2により振動体を構成している。弾性体1には、圧電素子の接着面とは反対の面に摩擦材料が接着あるいは塗布等により設けられ、この摩擦材料を介して不図示の接触体(移動体)が押圧される。

0004

図13(1)〜(3)は、進行波型振動波モータの駆動原理を示す展開図である。図13(1)は、振動体に励起する第一の定在波(これをA相と呼ぶ)であり、図13(2)は振動体に励起する第二の定在波(これをB相と呼ぶ)である。図示したA、およびB相は各節位置腹位置)が互いに4分の1波長ずれている。この2つの定在波を時間的位相差90°をもって同時に励起し、重ねあわせることによって、図13(3)に示した一様な振幅を持つ進行波を合成することができる。このようにして曲げ進行波が励起された振動体の、曲げ変形中立面より離れた点が楕円運動をするため、振動体上面に移動体を押圧し、楕円運動の頂点近傍で接触させるようにすると、振動体と移動体の間に働く摩擦力によって、移動体が駆動される。

0005

A、B各定在波を励起するために弾性体に固着する圧電素子の構成は公知なので詳細な説明は省略するが、圧電セラミックスからなる単一の円板に、複数の電極を蒸着などで形成し、この複数の領域を分極処理することによって、単一の素子で2つの定在波を励起することを可能にしている。図14に代表的な分極パターンを示す。間に4分の1波長の非駆動部を挟んでA相、B相の各電極群が形成され、各群内では、2分の1波長の長さをもつ電極が、図中の(+)、(−)記号で示すように隣り合う電極が互いに逆方向に分極されている。各電極間は、分極処理時の環境、例えば大気中、または絶縁油中において分極処理の電圧電極間放電が生じない程度の間隔を空けており、ほぼ圧電素子の厚みと同等の幅である。

0006

A相、B相の各電極群は、導電性ペースト、あるいは、フレキシブルプリント基板などの手段でそれぞれ短絡され、裏面のグランド電極との間に所望の電圧を印加することによって、分極方向と直交した方向(d31)の伸縮力が発生し、振動体に曲げモーメントが加わることによって、上述した2つの定在波が、A相、B相の各電圧で励起される。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記従来例のように、A,B相の圧電素子群が一体に構成された圧電素子に互いに逆方向に分極処理を施した場合には、以下の問題があった。

0008

図15は、互いに逆方向に分極する圧電素子の隣り合う電極部分の断面図である。図中の矢印は、分極時に各電極に印加した電位差による電気力線を示している。

0009

図示したように、2つの電極の境界部から離れた部分では、電気力線はほぼ厚み方向に走っており、分極の方向もこの電気力線の方向に施される。しかしながら、隣り合う電極の間に設けた境界部分の電気力線は、厚み方向ではなく、隣り合う電極間で厚み方向と直交する方向に走っているため、分極も、厚み方向と直交する方向に施されてしまう。

0010

一方、振動体の曲げ剛性は、主に弾性体の曲げ剛性と、固着する圧電素子の剛性で決まる。圧電素子は、振動体の中立面から離れた位置に固着されるため、振動体の曲げ剛性に寄与するのは振動方向と直交した方向の剛性である。圧電素子の縦弾性係数は、施された分極方向によって異方性を持つ。分極方向と平行な方向の縦弾性係数をY33、分極方向と直交方向の縦弾性係数をY11とすると、通常Y11>Y33の関係を持っている。

0011

電極の中央付近では、ほぼ厚み方向に分極されるため、厚さ方向と直交する方向の縦弾性係数は、Y11であるが、互いに隣り合って逆方向に分極された場合その境界領域では、厚さ方向と直交する方向の縦弾性係数は、Y33となる。このため、互いに逆方向に分極された電極の境界領域の縦弾性係数は、電極部分よりも小さい値となっている。

0012

振動体に励起される定在波の伝播速度は、振動体の各部分の曲げ剛性と、線密度によって決定され、これが一様でないと曲げ振動の伝播速度が部分的に変化するため、励起された定在波の波長が変化し、場所によって波長のむらを生じてしまう。

0013

図16は、図14の分極パターンによって生ずる波長のむらを、4分の1波長の被駆動部を中心にして展開図に示したものである。A相電極群によって励起された定在波は、A相電極群の領域ではその振動の腹が電極の中央にあたり、B相電極群の領域においては、その振動の腹が電極の境界領域と一致する位置にある。

0014

このため、A相の定在波にとって、振動子のA相電極群の領域は曲げ剛性が高く、B相電極群の領域では曲げ剛性が低くなる。このため、A相領域では振動の伝播速度が大きいため、波長が長く、B相領域では振動の伝播速度が遅く、波長が短くなる。同様にB相電極群によって励起された定在波は、A相領域で波長が短く、B相領域で波長が長くなる。

0015

このように、A、B各定在波の波長にむらを生じるため、合成された進行波振幅には、図16のような振幅むらが生じることがわかった。進行波振幅にむらがある場合、移動体の駆動速度にむらを生じるため、移動体の圧接力にむらがあったり、接触面が完全な平面でないことによって、移動体と振動体の相対位置によって移動体の速度むらを生ずる。

0016

また、送り速度の異なる領域を移動体が等速摺動することによって、送り力を相殺しあう領域が生じ、摩擦損失によって効率が低下する。さらに、移動体と振動体の間に働く圧接力が振動体の位置によって異なるため、振動体の摩擦面の偏摩耗を引き起こし、モータ寿命縮める結果となる。

0017

本出願に係る発明の目的は、振動体に励振する複数の定在波の波長のむら、および、振幅のむらを排除し、複数の定在波の合成としての駆動波を安定化できる電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置、およびこの振動体を搬送源とする搬送装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0018

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第1の構成は、弾性体と、同一面内にそれぞれ独立した分極処理が施された複数の分極領域を有する電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の複数の分極領域の中で、互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域同士は、分極領域の分極方向の距離の少なくとも2倍以上の間隔をもって形成されたことを特徴とする。

0019

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第2の構成は、弾性体と、同一面内にそれぞれ独立した分極処理が施された複数の分極領域を有すると共に、前記複数の分極領域の表面に電極が形成された電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記複数の電極の中で、互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域同士に対応する電極同士は、分極領域の分極方向の距離の少なくとも2倍以上の空隙をもって形成されたことを特徴とする。

0020

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第3の構成は、上記第1の構成で、前記複数の分極領域の中で、互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域を有し、該互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域の間隔を、前記互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域の間隔と等しい間隔にしたことを特徴とする。

0021

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第4の構成は、上記第2の構成で、前記複数の分極領域の中で、互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域を有し、該互いに同じ方向に分極される隣り合う分極領域に対応する電極の間隔を、前記互いに分極方向が異なって隣り合う分極領域に対応の電極の間隔と等しい間隔にしたことを特徴とする。

0022

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第5の構成は、前記振動体は円環形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向に直交した方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の2分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする。

0023

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第6の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成で、前記振動体は円環形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向に直交した方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の4分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする。

0024

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第7の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成で、前記振動体は棒状または円板形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向と平行な方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の2分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする。

0025

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第8の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成で、前記振動体は棒状または円板形状に形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子の分極方向と平行な方向の歪によって曲げ振動を励起する振動体であって、前記電気−機械エネルギー変換素子に、前記振動体に励起する曲げ振動の波長の4分の1のピッチで周上に分極領域を配置したことを特徴とする。

0026

本出願に係る発明の目的を実現する振動波駆動装置の構成は、上記いずれかの構成の振動体に接触体を圧接し、前記駆動振動によって前記振動体と前記接触体とを相対的に駆動することを特徴とする。

0027

本出願に係る発明の目的を実現する駆動システムは、上記構成の振動波駆動装置を駆動源として被駆動部材を駆動することを特徴とする。

0028

本出願に係る発明の目的を実現する搬送装置の構成は、上記いずれかの構成の振動体を搬送源として流体あるいは粉体を搬送することを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0029

(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態を示す。

0030

まず、本実施の形態の全体構成を説明する。

0031

本実施の形態における振動体は、円環形状に形成された金属製の弾性体1に、曲げ振動によって生じる周方向の変位を拡大する目的で、複数の変位拡大用溝4が放射方向に沿って形成されている。

0032

また、弾性体1とにより振動体を構成する電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子2には、弾性体1と固着されない面に、図2(a)に示すように、パターン電極3−1が複数形成されており、各パターン電極3−1は所定の隙間をもって配置されている。この隙間は、分極工程において隣り合う電極同士で放電することを避けるためのものである。

0033

圧電素子2は、図2(a)に示すパターン電極3−1と図2(b)に示す裏面の全面を覆う全面電極3−2間に、図中の(+)、(−)記号で示した方向に電位をかけることによって、分極が施されている。

0034

パターン電極3−1は、図2(a)に示したA相、B相の各群が導電性ペースト、フレキシブルプリント基板などで群内で短絡され、各相裏面電極間に電位をかけることで、各電極領域で、分極方向と直交する方向の力によって弾性体1に曲げモーメントを加えて励振する。電極3−1の分極方向は、図示したように、隣り合う領域が反対方向に分極されている。

0035

本実施の形態において、隣り合うパターン電極3−1の電極間3−3の幅Wは、圧電素子の厚さtの2倍以上の幅を取っている。

0036

図3は、本実施の形態の、互いに異なる方向に分極される隣り合う電極間での分極時の電界を示す模式図である。

0037

圧電材料の分極処理では、通常1mmの厚さあたり3kV程度の電界となるように分極電圧を設定する。隣接電極が互いに逆方向に分極される場合、厚さ方向に所定の電位差となるように設定しても、隣接電極間の電位差はその倍になっている。

0038

図15に示したように、隣接電極間の間隔wが狭く厚みtと同等の場合、厚さ方向に所定の電界になるように設定した場合、隣接電極間の横方向の最大の電界はその2倍程度になり、確実に横方向に分極される。これによって隣接電極間の縦弾性係数が低くなり、さらに過大な電界が加わることによる内部歪が生じ、破断にいたる場合もある。

0039

本実施の形態では、隣接する電極を少なくとも厚みの2倍以上の間隔をもって電極を配置することによって、不要な横方向の電界を厚み方向の電界と同等かそれ以下にすることができる。

0040

なお、隣接する電極間の間隔を広くし過ぎると電極自体面積が小さくなるので、このような点を考慮して該間隔の上限を定めるのが望ましい。

0041

また、電界が小さくなれば圧電体に生じる分極が小さくなるから、隣接する電極間の材料の異方性が減少し、従来の振動体で生じていた剛性のむらを少なくでき、波長のむら、および合成波の振幅むらを減らすことができる。

0042

(第2の実施の形態)図4図5は本発明の第2の実施の形態を示す。

0043

本実施の形態の振動体は、第1の実施の形態と同様に、変位拡大用の溝4が施された金属製の円環形状の弾性体1に圧電素子2が固着され、一周で5次の曲げ振動を生じさせるものである。

0044

図5は圧電素子2の分極パターンを示す平面図である。

0045

圧電素子2の裏面(弾性体への固着面)は、第1の実施の形態と同様に全面に共通電極3−2(不図示)が施され、表面には駆動用のパターン電極3−1が形成され、この電極を用いて図示した(+)、(−)の記号の方向に分極処理を施すと共に、圧電素子への電圧印加に用いる。

0046

本実施の形態では、電極は励起する振動の波長λに対して4分の1のピッチで配列されており、各電極の1つおき(λ/2ピッチ)の電極をA相電極群、残りのλ/4ずれた位置の電極をB相電極群とする。各電極群内ではさらに1つおきに極性を逆にしており、各群に交番電圧を印加することによって本実施の形態ではA相、B相それぞれ1周に5つの曲げ振動を励起することができる。A、B相は互いに位置的位相がλ/4ずれているため、A、Bに互いに時間的位相がπ/2ずれた交番電圧を印加することによって曲げ進行波を形成することができる。

0047

本実施の形態の構成では、A相電極とB相電極の境界のうち半分が互いに同極性の境界、残りが互いに逆極性の境界となっている。互いに逆極性の分極領域が隣接した境界では、分極処理時に面内に周方向の分極がされてしまう恐れがあるため、互いに逆極性の分極領域が隣接した境界は厚さtの2倍以上の間隔を空けて電界の強さを少なくし、剛性の不均一を少なくしている。

0048

逆極性となる境界の間隔だけを広げた場合、各分極領域に印加される電圧によって生ずる曲げモーメントが加わる中心位置にずれを生ずるため、本実施の形態では、同極性で隣り合う電極境界を逆極性の電極境界の幅と同等にし、励起される曲げ振動の位置ずれ修正している。

0049

(第3の実施の形態)図6図7は本発明の第3の実施の形態の構成を示す。

0050

本実施の形態は、直交した曲げ1次の振動を励振して先端に首ふり運動を生じさせる棒状の振動体に関するものである。円板形状のA相用の圧電素子2Aと、B相用の圧電素子2Bは、夫々2枚ずつ、給電用電極板5を挟んで中央部に軸方向に沿って貫通孔が形成された筒状の弾性体1a、1bで挟み、ボルト8で締結する。図7は、締結後の振動体である。

0051

各圧電素子の1面には180°ピッチに配置した駆動電極が施され、裏面には全面に施された共通電極がある。2つの駆動電極は(+)、(−)の記号で示したように互いに逆極性に分極され、2つの駆動電極と、裏面の共通電極間に交番電圧を印加することによって分極方向と平行な方向の歪を生じ、振動体に曲げモーメントを生じる。

0052

A相PZT、B相PZTは駆動電極パターンが90°ずれているため、2相に時間的位相がπ/2ずれた交番電圧を印加することによって中心軸回りに曲げ変形形状が回転する首ふり運動を励起する。

0053

本実施の形態の棒状振動体の曲げ剛性は、軸方向の剛性(圧電素子厚み方向の剛性)に依存しているから、圧電素子の剛性が振動体の曲げ剛性に寄与するのは、分極領域においては分極方向と平行な方向の縦弾性係数Y33、分極領域境界では面内方向に分極されてしまうためY31となる。Y33<Y31の関係があるから、分極領域境界が大きく歪む曲げ変形においては振動体の曲げ剛性が高く、逆に分極領域境界を中立軸とする曲げ変形では曲げ剛性が低くなり、振動方向による曲げ剛性の不均一を生じてしまう。

0054

そこで、本実施の形態では、互いに逆極性で隣接する電極間の隙間を圧電素子厚さの2倍以上とすることによって横方向の分極をすくなくし、剛性の異方性をすくなくすることができている。

0055

(第4の実施の形態)図8は本発明の第4の実施の形態の振動体の分解斜視図、図9は本発明の第4の実施の形態の外観斜視図である。

0056

本実施の形態は、第3の実施の形態と同様の棒状振動体であり、曲げ1次の振動を直交した位置で2つ合成することによって曲げ1次の変形形状軸回りに回転する首ふり運動をする棒状振動体である。

0057

本実施の形態では、1つの圧電素子2内にA相電極、B相電極を施して分極領域を形成し、裏面を共通電極として各電極に交番電圧を印加することによって上述した振動を励振する。90°ピッチで配列した電極は、1つおきに(対向した位置で)それぞれA相、B相としており、各相の電極は対向した位置でそれぞれ図示した(+)、(−)の方向に分極されている。A相、B相の分極領域の隣り合う境界では、逆極性で隣接する境界が2個所あり、ここでの横方向の分極による剛性の異方性を少なくするために厚さの2倍以上の間隔を空けている。残りの同じ極性で隣接する分極領域の境界は、分極領域の中心のずれによって生ずる加振位置のずれを防ぐために逆極性の境界と同等の間隔を空けている。

0058

なお、電極境界を広げると分極領域が狭くなり発生力が弱まるため、振動振幅のむらの低減よりも発生力を優先する場合には同極性で隣接する境界は狭くしてもよい。

0059

(第5の実施の形態)図10は本発明の第5の実施の形態を示す。

0060

本実施の形態では、弾性体1と電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子で構成された振動体に移動体6を不図示の加圧手段によって圧接し、移動体6を駆動する振動波駆動装置を形成し、移動体の回転運動によって外部の駆動機構を駆動する駆動システムである。駆動機構としては、ロボットアーム電子写真紙搬送系ローラ感光ドラムプリンタ紙搬送ローラキャリッジ駆動機構などがあげられる。

0061

本実施の形態では、圧電素子の、分極領域が逆極性で隣接する境界の間隔を、厚みの2倍以上の間隔として分極処理時に隣接電極間に生ずる横方向の分極をよわめ、圧電素子の分極によって生ずる剛性の異方性の発生をすくなくすることによって、合成された振動波振幅のむらを減少させ、移動体に生ずる回転むら、トルクむら、圧接界面に生ずる偏摩耗を少なくしたため、駆動機構を精度よく、長寿命に駆動することができる。

0062

(第6の実施の形態)図11は本発明の第6の実施の形態を示す。

0063

本実施の形態は、本発明の弾性体に被駆動部材を接触させ、直接被駆動部材を駆動、搬送する駆動機構である。被駆動部材としては、電子写真に用いるトナーなどの粉体搬送、インクなどの液体搬送、またはシリコンウエハ等の位置決めに用いることができる。

0064

第5の実施の形態に示した駆動機構では、振動体に均一に圧接する移動体を介して駆動することによって、振動体の振動振幅むらがある程度平均化されるが、本実施の形態の構成では、必ずしも振動体に均一に接触することができず、とくに、液体、粉体は振動体の振動振幅むらが大きいと振動振幅が極小となる領域に被駆動部材が溜まってしまうという問題が発生する。

0065

本実施の形態では、圧電素子の、分極領域が逆極性で隣接する境界の間隔を、厚みの2倍以上の間隔として分極処理時に隣接電極間に生ずる横方向の分極をよわめ、圧電素子の分極によって生ずる剛性の異方性の発生をすくなくすることによって、合成された振動波振幅のむらを減少させ、振動体に均一に接触させることができない被駆動体でも滑らかに搬送することを可能にしている。

発明の効果

0066

請求項1、2に係る発明によれば、圧電素子の分極による縦弾性係数の異方性を少なくし、振動体の振動振幅をより均一にすることができる。

0067

請求項3、4に係る発明によれば、分極領域の中心をずらさずに圧電素子の分極による縦弾性係数の異方性をすくなくし、振動体の振動振幅をより均一にすることができる。

0068

請求項5、6に係る発明によれば、分極方向と直交方向の歪を駆動に用いる円環形状の振動体において、圧電素子の分極による縦弾性係数の異方性を少なくし、振動体の振動振幅をより均一にすることができる。

0069

請求項7,8に係る発明によれば、分極方向と平行方向の歪を駆動に用いる棒状または円板形状の振動体において、圧電素子の分極による縦弾性係数の異方性を少なくし、振動体の振動振幅をより均一にすることができる。

0070

請求項9に係る発明によれば、振動体に移動体を圧接し、移動体を相対的に駆動する振動波駆動装置において、移動体を安定して高精度、長寿命に駆動することができる。

0071

請求項10に係る発明によれば、被駆動部材を安定に、高精度、長寿命に駆動することができる。

0072

請求項11に係る発明によれば、流体あるいは粉体を安定に、高精度、長寿命に搬送することができる。

図面の簡単な説明

0073

図1本発明の第1の実施の形態の斜視図
図2本発明の第1の実施の形態の圧電素子のパターン
図3本発明の第1の実施の形態の圧電素子の分極時の電界分布を表す展開図
図4本発明の第2の実施の形態の斜視図
図5本発明の第2の実施の形態の圧電素子のパターン図
図6本発明の第3の実施の形態の構成図
図7本発明の第3の実施の形態の振動体の斜視図
図8本発明の第4の実施の形態の構成図
図9本発明の第4の実施の形態の振動体の斜視図
図10本発明の第5の実施の形態のブロック図
図11本発明の第6の実施の形態のブロック図
図12従来の振動波モータの振動体の斜視図
図13進行波型振動波モータの駆動原理を示す展開図
図14従来の振動体の圧電素子の分極パターンの平面図
図15従来の振動体の圧電素子の分極時の電気力線を表す断面図
図16従来の分極パターンで生ずる波長むらと振幅むらの展開図

--

0074

1…振動体
2…圧電素子
3−1…駆動電極
3−2…共通電極
3−3…電極境界
4…溝
5…電極板
6…移動体
7…フレキ基板
8…ボルト

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