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技術 燃料電池システム及び燃料電池の運転方法

出願人 三菱重工業株式会社電源開発株式会社
発明者 冨田和男久留長生永田勝巳池田浩二
出願日 2001年9月27日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2001-297668
公開日 2003年4月11日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2003-109634
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) 燃料電池(システム)
主要キーワード リード抵抗 ガス調整弁 ガス分配室 電流停止 ガスタイト性 チューブ外側 計測ライン ガス調整
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月11日)のものです。
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図面 (11)

課題

燃料電池還元処理電極等の状態を確認しながら安定的に行ない、燃料電池の状況に応じて水素濃度を自動的に制御する。

解決手段

燃料ガス1の流量を調整するガス調整部15を有する、燃料ガス1を供給する燃料供給管19/20と、開放端を有する内管12と閉塞端を有する外管3の二重管構造を有し、外管3の外面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管12/3と、燃料供給管19/20からの燃料ガス1が内管12を通って閉塞端で折り返され、内管12と外管3との間を流れ、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定し、前記電圧の測定結果に基づいて、ガス調節部15の制御を行なう制御部13とを具備する燃料電池システムを用いる。

概要

背景

従来の燃料電池発電システム概略構成の一例を図10に示す。ただし、図10では、ガス供給源ガス予熱熱交換に関する部分、及び、発電された電力集電に関わる部分等は省略している。

図10を参照して、燃料電池は、ガス供給部であるヘッダ110と、発電部であるセルチューブ111とを具備する。ヘッダ110は、仕切板110a、底板110b、供給室110c、排出室110dを有する。また、セルチューブは、案内管112を有する。

ヘッダ110の内部は、仕切板110aにより上下方向に区分けされ、上方が供給室110c、下方が排出室110dとして構成されている。ヘッダ110の底板110bには、セルチューブ111の上端部(一端部)が排出室110dとガスの出入りが出来るように連結され、支持されている。セルチューブ111の下端部(他端部)は、閉塞されている。セルチューブ111の内部には、案内管112が、同軸をなして挿入されている。案内管112は、その一端部(上端部)が、上記供給室110cとガスの出入りが出来るように、上記仕切板110aに連結され、支持されている。このようなセルチューブ111及び案内管112は、複数本存在し、ヘッダ110に連結され、支持されている。ここで、セルチューブ111は、多孔質基体管外周面燃料電池セルを形成された燃焼電池を構成する円筒型セルチューブである。

セルチューブ111上に形成された燃料電池セル(図示せず)は、燃料極電解質−空気極(積層)を一つの単位として、セルチューブ111の基体管の外周表面において、基体管の長手方向に一定の幅毎に複数連続して形成されている。そして、隣接する燃料電池セルの電解質及び空気極と燃料極とが、インタコネクタの膜で接合されている。インタコネクタ上には、インタコネクタを保護するための保護膜が形成される場合もある。

このような構成をなす燃料電池の定常的な運転では、供給室110c内に水素メタンのような燃料ガス1を供給すると共に、セルチューブ111の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2を供給する。そうすると、燃料ガス1が各案内管112に対してばらつきの無い流量で流入して、案内管112の先端まで達する。しかる後、燃料ガス1は、セルチューブ111内の閉塞された下端部(他端部)より折り返し、セルチューブ111の下端部(他端部)から上端部(一端側)へ向かって流通する。そして、基体管の側面(壁面)を外側に向かって拡散し、燃料極に達する。一方、酸化剤ガス2は、外部から進入し、セルチューブ111の外周部上の空気極に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ111の前記燃料電池セル2で電気化学的に反応して電力を発生する。

しかし、製造後最初の運転の場合には、装置立上げ時に、まず、酸化している電極(燃料極)や、リード線の機能を有するリード膜還元を行なう必要がある。すなわち、セルチューブ111は、電極等を全て酸化雰囲気焼成して作製するため、電極等は全て酸化している。例えば、燃料極としてニッケルを用いる場合には、酸化ニッケルになっている。燃料電池として使用する際には、それらを還元し、本来の機能を果たせるようにする必要がある(酸化ニッケルをニッケルに還元する)。

その場合、還元作業においては、燃料電池の全体の電圧監視しながら、水素流量を増加させる。図9を参照して、説明する。縦軸は、左側が燃料電池セル1個当たり開放電圧であり、右側が燃料電池の燃料出口での水素濃度出口水素濃度)である。横軸は、燃料電池システム内の温度である。還元処理は炉内の温度を少しずつ上昇させながら進める。また、温度の低い段階では、安全のために、供給する燃料ガス中の水素濃度を低くしている。

温度の上昇と共に、燃料極の還元が進行する。それに伴い、水素が消費され、開放電圧(OCV)が増加し、出口水素濃度が低下する。水素が枯渇すると、金属の集電部分が酸化され発電不可能になる。それを避ける為に、出口水素濃度が0%になる直前に、供給する燃料ガス中の水素濃度を上昇させ、出口水素濃度を5%程度になるように上昇させる。5%までしか上げないのは、安全(水素の爆発限界を考慮)のためと、燃料の無駄を無くすためである。そして、このプロセスを、燃料電池システム内の温度が、700〜1000℃となり、かつ燃料電池セル1個当たりの開放電圧が概ね1.2Vになるまで続ける。

その水素濃度の調整は、燃料電池の全体の電圧を監視しながら、燃料電池全体での水素濃度を調整する方法をとっているので、供給する水素濃度の変化に対する出口水素濃度の応答予測が難しいこと、個々の燃料電池セルにおける供給する燃料ガス中の水素濃度のばらつきを考慮できないこと、等の困難な点があり自動化が難しい状況であった。

また、燃料極及びリード膜の還元の確認は、微弱電流を流すことにより、その電圧降下により行なっていた。水素濃度が低い状況で、それを行なうと、過電流を流してセルを損傷する可能性がある。従って、微弱電流の調整は、自動化が難しい状況であった。

概要

燃料電池の還元処理を電極等の状態を確認しながら安定的に行ない、燃料電池の状況に応じて水素濃度を自動的に制御する。

燃料ガス1の流量を調整するガス調整部15を有する、燃料ガス1を供給する燃料供給管19/20と、開放端を有する内管12と閉塞端を有する外管3の二重管構造を有し、外管3の外面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管12/3と、燃料供給管19/20からの燃料ガス1が内管12を通って閉塞端で折り返され、内管12と外管3との間を流れ、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定し、前記電圧の測定結果に基づいて、ガス調節部15の制御を行なう制御部13とを具備する燃料電池システムを用いる。

目的

従って、本発明の目的は、燃料電池の電極等を安定的に還元することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

また、別の目的としては、燃料電池の電極等の還元の状態を安定的に確認することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

更に、別の目的としては、燃料電池の燃料ガスの分配状況を確認することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

更に、別の目的としては、燃料電池の状況に応じて水素濃度を自動的に制御することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
7件

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請求項1

燃料ガスの流量を調整するガス調整部を有する、前記燃料ガスを供給する燃料供給管と、開放端を有する内管閉塞端を有する外管二重管構造を有し、前記外管の外面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管と、前記燃料供給管からの燃料ガスが前記内管を通って前記閉塞端で折り返され、前記内管と前記外管との間を流れ、前記燃料ガスの流路の最終端に設けられた燃料電池セルの電圧を測定し、前記電圧の測定結果に基づいて、前記ガス調節部の制御を行なう制御部と、を具備する、燃料電池システム

請求項2

燃料ガスの流量を調整するガス調整部を有する、前記燃料ガスを供給する燃料供給管と、基体管の表面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管と、前記燃料供給管からの燃料ガスが前記燃料電池セル管を流れ、前記燃料ガスの流路の最終端に設けられた燃料電池セルの電圧を測定し、前記電圧の測定結果に基づいて、前記ガス調節部の制御を行なう制御部と、を具備する、燃料電池システム。

請求項3

燃料ガスの流量を調整するガス調整部を有する、前記燃料ガスを供給する燃料供給管と、開放端を有する内管と閉塞端を有する外管の二重管構造を有し、前記外管の外面に燃料電池セルと、発電された電力取出すリード膜とを形成した燃料電池セル管と、前記燃料供給管からの燃料ガスが前記内管を通って前記閉塞端で折り返され、前記内管と前記外管との間を流れ、前記燃料ガスの流路の最終端に設けられたリード膜の抵抗を測定し、前記抵抗の測定結果に基づいて、前記ガス調節部の制御を行なう制御部と、を具備する、燃料電池システム。

請求項4

燃料ガスの流量を調整するガス調整部を有する、前記燃料ガスを供給する燃料供給管と、基体管の表面に燃料電池セルと、発電された電力を取出すリード膜とを形成した燃料電池セル管と、前記燃料供給管からの燃料ガスが前記燃料電池セル管を流れ、前記燃料ガスの流路の最終端に設けられたリード膜の抵抗を測定し、前記抵抗の測定結果に基づいて、前記ガス調節部の制御を行なう制御部と、を具備する、燃料電池システム。

請求項5

前記燃料ガスの排出時の水素濃度を測定するガスセンサを有する、前記燃料ガスを排出する燃料排出管と、を更に具備し、前記制御部は、前記電圧の測定結果と前記水素濃度測定の結果とに基づいて、前記ガス調節部の制御を行なう、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項6

前記燃料電池セル管は、他の燃料電池セル管よりも燃料ガスの供給量が少ない、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項7

基体管の表面に形成された燃料電池セルに燃料ガスを供給するステップと、前記燃料電池セルの内、前記燃料ガスの流路における最後の燃料電池セルの電圧を測定するステップと、前記電圧の測定結果に基づいて、前記燃料ガスの供給量を制御するステップと、を具備する、燃料電池運転方法

請求項8

基体管の表面に形成された燃料電池セルが発電した電力を取出すリード膜に燃料ガスを供給するステップと、前記リード膜の内、前記燃料ガスの流路における最後のリード膜の抵抗を測定するステップと、前記抵抗の測定結果に基づいて、前記燃料ガスの供給量を制御するステップと、を具備する、燃料電池運転方法。

請求項9

前記燃料ガスの排出時の水素濃度を測定するステップと、を更に具備し、前記燃料ガスの供給量を制御するステップは、前記電圧又は抵抗測定の結果と前記水素濃度測定の結果に基づいて行なわれる、請求項7又は8に記載の燃料電池運転方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池システム及び燃料電池運転方法に関する。

背景技術

0002

従来の燃料電池発電システム概略構成の一例を図10に示す。ただし、図10では、ガス供給源ガス予熱熱交換に関する部分、及び、発電された電力集電に関わる部分等は省略している。

0003

図10を参照して、燃料電池は、ガス供給部であるヘッダ110と、発電部であるセルチューブ111とを具備する。ヘッダ110は、仕切板110a、底板110b、供給室110c、排出室110dを有する。また、セルチューブは、案内管112を有する。

0004

ヘッダ110の内部は、仕切板110aにより上下方向に区分けされ、上方が供給室110c、下方が排出室110dとして構成されている。ヘッダ110の底板110bには、セルチューブ111の上端部(一端部)が排出室110dとガスの出入りが出来るように連結され、支持されている。セルチューブ111の下端部(他端部)は、閉塞されている。セルチューブ111の内部には、案内管112が、同軸をなして挿入されている。案内管112は、その一端部(上端部)が、上記供給室110cとガスの出入りが出来るように、上記仕切板110aに連結され、支持されている。このようなセルチューブ111及び案内管112は、複数本存在し、ヘッダ110に連結され、支持されている。ここで、セルチューブ111は、多孔質基体管外周面燃料電池セルを形成された燃焼電池を構成する円筒型セルチューブである。

0005

セルチューブ111上に形成された燃料電池セル(図示せず)は、燃料極電解質−空気極(積層)を一つの単位として、セルチューブ111の基体管の外周表面において、基体管の長手方向に一定の幅毎に複数連続して形成されている。そして、隣接する燃料電池セルの電解質及び空気極と燃料極とが、インタコネクタの膜で接合されている。インタコネクタ上には、インタコネクタを保護するための保護膜が形成される場合もある。

0006

このような構成をなす燃料電池の定常的な運転では、供給室110c内に水素メタンのような燃料ガス1を供給すると共に、セルチューブ111の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2を供給する。そうすると、燃料ガス1が各案内管112に対してばらつきの無い流量で流入して、案内管112の先端まで達する。しかる後、燃料ガス1は、セルチューブ111内の閉塞された下端部(他端部)より折り返し、セルチューブ111の下端部(他端部)から上端部(一端側)へ向かって流通する。そして、基体管の側面(壁面)を外側に向かって拡散し、燃料極に達する。一方、酸化剤ガス2は、外部から進入し、セルチューブ111の外周部上の空気極に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ111の前記燃料電池セル2で電気化学的に反応して電力を発生する。

0007

しかし、製造後最初の運転の場合には、装置立上げ時に、まず、酸化している電極(燃料極)や、リード線の機能を有するリード膜還元を行なう必要がある。すなわち、セルチューブ111は、電極等を全て酸化雰囲気焼成して作製するため、電極等は全て酸化している。例えば、燃料極としてニッケルを用いる場合には、酸化ニッケルになっている。燃料電池として使用する際には、それらを還元し、本来の機能を果たせるようにする必要がある(酸化ニッケルをニッケルに還元する)。

0008

その場合、還元作業においては、燃料電池の全体の電圧監視しながら、水素流量を増加させる。図9を参照して、説明する。縦軸は、左側が燃料電池セル1個当たり開放電圧であり、右側が燃料電池の燃料出口での水素濃度出口水素濃度)である。横軸は、燃料電池システム内の温度である。還元処理は炉内の温度を少しずつ上昇させながら進める。また、温度の低い段階では、安全のために、供給する燃料ガス中の水素濃度を低くしている。

0009

温度の上昇と共に、燃料極の還元が進行する。それに伴い、水素が消費され、開放電圧(OCV)が増加し、出口水素濃度が低下する。水素が枯渇すると、金属の集電部分が酸化され発電不可能になる。それを避ける為に、出口水素濃度が0%になる直前に、供給する燃料ガス中の水素濃度を上昇させ、出口水素濃度を5%程度になるように上昇させる。5%までしか上げないのは、安全(水素の爆発限界を考慮)のためと、燃料の無駄を無くすためである。そして、このプロセスを、燃料電池システム内の温度が、700〜1000℃となり、かつ燃料電池セル1個当たりの開放電圧が概ね1.2Vになるまで続ける。

0010

その水素濃度の調整は、燃料電池の全体の電圧を監視しながら、燃料電池全体での水素濃度を調整する方法をとっているので、供給する水素濃度の変化に対する出口水素濃度の応答予測が難しいこと、個々の燃料電池セルにおける供給する燃料ガス中の水素濃度のばらつきを考慮できないこと、等の困難な点があり自動化が難しい状況であった。

0011

また、燃料極及びリード膜の還元の確認は、微弱電流を流すことにより、その電圧降下により行なっていた。水素濃度が低い状況で、それを行なうと、過電流を流してセルを損傷する可能性がある。従って、微弱電流の調整は、自動化が難しい状況であった。

発明が解決しようとする課題

0012

従って、本発明の目的は、燃料電池の電極等を安定的に還元することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

0013

また、別の目的としては、燃料電池の電極等の還元の状態を安定的に確認することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

0014

更に、別の目的としては、燃料電池の燃料ガスの分配状況を確認することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

0015

更に、別の目的としては、燃料電池の状況に応じて水素濃度を自動的に制御することが可能な燃料電池システム及び燃料電池の運転方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0016

本課題を解決するための手段の項における、図番号、符号は、特許請求の範囲と発明の実施の形態との対応を示すために記したものであり、特許請求の範囲の解釈に用いてはならない。

0017

上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス(図1、1)の流量を調整するガス調整部(図1、15)を有する、燃料ガス(図1、1)を供給する燃料供給管図1、19・20)と、開放端を有する内管図1、12)と閉塞端を有する外管図1、3)の二重管構造を有し、外管(図1、3)の外面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管図1、12・3)と、燃料供給管(図1、19・20)からの燃料ガス(図1、1)が内管(図1、12)を通ってその閉塞端で折り返され、内管(図1、12)と外管(図1、3)との間を流れ、燃料ガス(図1、1)の流路の最終端に設けられた燃料電池セル(図1、11)の電圧を測定し、その電圧の測定結果に基づいて、ガス調節部図1、15)の制御を行なう制御部(図1、13)とを具備する。

0018

また、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス(図7、1)の流量を調整するガス調整部(図7、15)を有する、燃料ガス(図7、1)を供給する燃料供給管(図7、19・20)と、基体管の表面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管(図7、3)と、燃料供給管(図7、19・20)からの燃料ガス(図7、1)が燃料電池セル管(図7、3)を流れ、燃料ガス(図7、1)の流路の最終端に設けられた燃料電池セル(図7、11)の電圧を測定し、その電圧の測定結果に基づいて、ガス調節部(図7、15)の制御を行なう制御部(図7、13)とを具備する。

0019

更に、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス(図3、1)の流量を調整するガス調整部(図3、15)を有する、燃料ガス(図3、1)を供給する燃料供給管(図3、19・20)と、開放端を有する内管(図3、12)と閉塞端を有する外管(図3、3)の二重管構造を有し、外管(図3、3)の外面に燃料電池セルと、発電された電力を取出すリード膜とを形成した燃料電池セル管(図3、12・3)と、燃料供給管(図3、19・20)からの燃料ガス(図3、1)が内管(図3、12)を通ってその閉塞端で折り返され、内管(図3、12)と外管(図3、3)との間を流れ、燃料ガス(図3、1)の流路の最終端に設けられたリード膜(図3、11)の抵抗を測定し、その抵抗の測定結果に基づいて、ガス調節部(図3、15)の制御を行なう制御部(図3、13)とを具備する。

0020

更に、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス(図8、1)の流量を調整するガス調整部(図8、15)を有する、燃料ガス(図8、1)を供給する燃料供給管(図8、19・20)と、基体管の表面に燃料電池セルと、発電された電力を取出すリード膜とを形成した燃料電池セル管(図8、3)と、燃料供給管(図8、19・20)からの燃料ガス(図8、1)が燃料電池セル管(図8、3)を流れ、燃料ガス(図8、1)の流路の最終端に設けられたリード膜(図8、10)の抵抗を測定し、その抵抗の測定結果に基づいて、ガス調節部(図8、15)の制御を行なう制御部(図8、13)と具備する。

0021

更に、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス(図1/3/7/8、1)の排出時の水素濃度を測定するガスセンサ図1/3/7/8、14)を有する、燃料ガス(図1/3/7/8、1)を排出する燃料排出管図1/3/7/8、23・25)とを更に具備し、制御部(図1/3/7/8、13)は、その電圧の測定結果とその水素濃度測定の結果とに基づいて、ガス調節部(図1/3/7/8、15)の制御を行なう。

0022

更に、本発明の燃料電池システムは、燃料電池セル管(図1/3、12・3;図7/8、3)が、他の燃料電池セル管よりも燃料ガス(図1/3/7/8、1)の供給量が少ない。

0023

上記課題を解決するために、本発明の燃料電池運転方法は、基体管の表面に形成された燃料電池セルに燃料ガス(図1/7、1)を供給するステップと、その燃料電池セルの内、燃料ガス(図1/7、1)の流路における最後の燃料電池セル(図1/7、11)の電圧を測定するステップと、その電圧の測定結果に基づいて、燃料ガス(図1/7、1)の供給量を制御するステップとを具備する。

0024

また、本発明の燃料電池運転方法は、基体管の表面に形成された燃料電池セルが発電した電力を取出すリード膜に燃料ガス(図3/8、1)を供給するステップと、そのリード膜の内、燃料ガス(図3/8、1)の流路における最後のリード膜(図3/8、10)の抵抗を測定するステップと、そのリード抵抗の測定結果に基づいて、燃料ガス(図3/8、1)の供給量を制御するステップとを具備する。

0025

更に、本発明の燃料電池運転方法は、燃料ガス(図1/3/7/8、1)の排出時の水素濃度を測定するステップとを更に具備し、燃料ガス(図1/3/7/8、1)の供給量を制御するステップは、その電圧又は抵抗測定の結果とその水素濃度測定の結果に基づいて行なわれる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。本実施例において、筒型のうち円筒型の燃料電池セル管を有する燃料電池システムとその運転方法に関して例を示して説明するが、他の燃料電池にも適用が可能である。なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する。

0027

(実施例1)本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第一の実施の形態の構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池システムは、燃料電池セル管の外管としてのセルチューブ3、酸化剤供給室4、管板A6と管板B7と供給室8と排出室9とを有するヘッダ5、リード膜10、燃料電池セル11、燃料電池セル管の内管としての案内管12、制御部13、ガスセンサ14、ガス調整部としてのガス調整弁15、調整弁制御ライン16、計測ラインA17、計測ラインB18、燃料供給管としての燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20、酸化剤ガス供給管21、酸化剤ガス排出管22、燃料排出管としての燃料ガス出口管23及び燃料ガス排出管25、ガスセンサライン24からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。また、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。

0028

本発明においては、燃料(水素)供給量が最も少なくなる部分(図1、燃料電池セル11)の電圧を自動監視図1、制御部13)しながら、自動的に燃料流量(濃度)を制御(図1、制御部13)し、電極やリード膜の還元を良好に行なわせる点が、従来の技術と異なる。燃料(水素)供給量が最も少なくなる部分における電圧に着目しているので、その部分において必要な燃料が供給されれば、他の部分については問題が起こることは無い。従って、燃料電池システム全体としての安定性信頼性が確保できる。また、電圧を取得し、それに基づいて自動的に制御を行なうので、個々人の能力に依存しない安定的な方法であり、かつ人手の必要のない効率的な方法である。従って、発電における信頼性が高まり、故障の確率も減り、コストを削減することが可能となる。

0029

以下に各構成を詳細に説明する。図1を参照して、燃料電池システムについて説明する。

0030

燃料電池セル管の外管としてのとしてのセルチューブ3は、多孔質セラミックスの基体管の外周面に燃料電池セルを形成された、燃焼電池を構成する円筒型の管である。セルチューブ3は、一端側を排出室9(後述)の管板B7(後述)に開放されて接合され、支持されている。また、他端側は、閉塞され、酸化剤供給室4へ延びている。セルチューブ3の内部には、案内管12を有している。セルチューブ3の材質は、ジルコニアである。図1においては、1本のみを代表として図示しているが、複数存在し、燃料電池システムの規模に応じて、本数を決定する。基体管の長手方向の一定の幅毎に、外周面上に燃料極、電解質、空気極が順に積層され、燃料電池セルを形成している(図示せず)。それぞれのセル同士は、インターコネクタで接合されている(図示せず)。燃料ガス1が、案内管12(後述)を経由して、セルチューブ3の下端部(他端部)よりセルチューブ3の燃料電池セルへ供給される。そして、基体管の厚み方向に孔中を拡散し燃料極に達し、セルチューブ3の外側を流れる酸化剤ガス2と共に発電に寄与する。

0031

燃料電池セル11は、燃料極、電解質、空気極が、この順に積層された燃料電池セルである。本実施例では、特に、最も燃料(水素)供給量が少なくなるセルチューブ3において、燃料(水素)供給量が最も少なくなるセルチューブ3の上端部(一端部)側の最も端にある燃料電池セルを指す。燃料極(アノードは、電解質が酸素イオン導電体の場合、電解質中を輸送される酸素イオンと、燃料ガス1中の水素又は一酸化炭素とを結合させ、水又は二酸化炭素を生成するための触媒であり、電極でもある。本実施例では、ニッケル/ジルコニアである。電解質は、燃料電池セルが発電するための、酸素イオンを輸送する酸素イオン導電体である。本実施例では、安定化ジルコニアである。空気極(カソード)は、電解質が酸素イオン導電体の場合、酸化剤ガス2中の酸素をイオン化し、電解質へ供給するための触媒であり、電極でもある。本実施例では、ランタンマンガナイトである。

0032

燃料電池セルは、燃料電池システム内に複数存在するセルチューブ3に複数個存在し、セルチューブ3上の円周に沿って1周全てに連続的に形成され、かつ、セルチューブ3の長手方向では一定の幅毎に形成される。隣同士の燃料電池セルは、インタコネクタ(図示せず、セラミックスまたは金属膜)で直列に接続されている。燃料電池セル11は、その中で、特に、最も燃料(水素)供給量が少なくなる燃料電池セルである。

0033

リード膜10は、複数の燃料電池セル11で発電した直流電力の一方の極を集電部(セルチューブ3の上端部(一端部)に接続される電極端子(図示せず))へ引き出すためのリード線の役割をする膜である。燃料電池システム運転中に、膜が酸化されないように、緻密な保護膜(金属酸化膜絶縁層)が積層されている。セルチューブ3の最も上端部(一端部)寄りである燃料電池セル11の空気極(又は燃料極)と接続している。そして、リード膜10は、その空気極からセルチューブ3の外周部をその上端部(一端部)まで延びている。周方向の幅は、発電する電力の大きさとそのリード膜22の厚みにより、抵抗が充分低いように、発電基体管全面であっても、ある特定の幅であってもよい。

0034

燃料電池セル管の内管としての案内管12は、その上端部(一端部)で、供給室8に入った燃料ガス1がセルチューブ3へ供給されるように管板A6と連結し、開放されて接合している。そして、下端部(他端部)は、セルチューブ3の内部の下端(他端、閉塞している)付近において、そこに接することなく、開放されている。供給室に入った燃料ガス1は、案内管12の下端部(他端部=セルチューブ3の下端(他端))に達し、そこから出て、セルチューブ3の内部であって案内管12の外部を、セルチューブ3の上端部(一端部)へ向けて移動する。ガスは、その移動の間に、セルチューブ3の側面を、その外側に向けて拡散し、チューブ外側に設けられた燃料電池セルに達する。そして、そこにおいて行なわれる発電に寄与する。

0035

燃料電池セル管は、内管としての案内管12と外管としてのセルチューブ3とが二重管構造を成しており、その外面に燃料電池セル及びリード膜が形成されている。

0036

制御部13は、燃料電池セル11からの計測ラインA17(後述)と計測ラインB18(後述)とを介した電圧出力に基づいて、調整弁制御ライン16(後述)を介してガス調整弁15(後述)を調整し、燃料ガス1の供給量を制御する制御装置である。その際、予め設定された燃料電池セル11の出力電圧と供給される燃料ガス1の流量との関係のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。また、ガスセンサ14(後述)からのガスセンサライン24を介した使用済み燃料ガス1の水素濃度に基づいて、調整弁制御ライン16(後述)を介してガス調整弁15(後述)を調整し、燃料ガス1の供給量を制御することも可能である。その際、予め設定された水素濃度に入るように、供給側の水素濃度を調整する。更に、両方を同時に参考にして、供給する燃料ガス1の供給量を決定することも可能である。その際、予め設定された燃料電池セル11の出力電圧と使用済み燃料ガス1の水素濃度と供給される燃料ガス1の流量との関係のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。

0037

なお、制御部13は、燃料ガス1の制御だけでなく、燃料電池システム全体の制御を行なうための制御装置と一体とすることも、別とすることも可能である。

0038

計測ラインA17は、燃料電池セル11の電圧を測定するための電圧端子及びそのリード線である。燃料電池セル11の一方の電極(例えば燃料極)と、制御部13の測定端子とを接続している。同様に、計測ラインB18は、燃料電池セル11の電圧を測定するための電圧端子及びそのリード線である。燃料電池セル11の他方の電極(例えば空気極)と、制御部13の測定端子とを接続している。

0039

ガスセンサ14は、燃料ガス出口管23のヘッダ5と反対の側の端部と、燃料ガス排出管25との間に設置されている水素ガス用センサである。センサ及びガスを流通させる配管とから成る。内部を通過する使用済み燃料ガス1中に含まれる水素ガスの濃度を測定する。ガスセンサライン24は、一端部をガスセンサ14に、他端部を制御部13に接続している。ガスセンサ14で測定されたデータの出力を制御部13へ送るラインである。

0040

ガス調整部としてのガス調整弁15は、燃料ガス供給管19の途中に接続される。制御部13から出力される信号に基づいて、燃料ガス1のヘッダ5(セルチューブ3)への供給量を調整する調整弁である。調整弁制御ライン16は、一端部を制御部13に、他端部をガス調整弁15に接続している。制御部13で設定されたガス供給量に関わる信号を、ガス調整弁15へ送るラインである。

0041

酸化剤供給室4は、ヘッダ5(後述)の下方(一方)の側に隣接し、ヘッダ5の燃料ガスと、酸化剤供給室4の酸化剤ガスが混合しないように隔離されている。そして、セルチューブ3の大部分を含んでおり、セルチューブ3に酸化剤ガスを供給する室である。

0042

次に、供給室8と、排出室9と、管板A6と、管板B7とを有するヘッダ5について説明する。供給室8は、案内管12の上端部(一端部)の上部にあり、中空直方体又は円柱状の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。燃料ガス導入管20(後述)から燃料ガス1の供給を受ける。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。上部の天板には、燃料ガス導入管20が連結し、開放されて接続している。また、底面は管板A6(後述)であり、案内管12が取付けられている。案内管12は、供給室8に入った燃料ガス1がセルチューブ3へ供給されるように管板A6と連結し、開放されて接合している。供給室8は、複数存在する各セルチューブ3へ、均等に燃料ガス1を供給する。それと共に、各セルチューブ3の支持も行なう、金属製の室である。

0043

排出室9は、セルチューブ3の上端部(一端部)の上部にあり、中空の直方体又は円柱状の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。燃料ガス出口管23(後述)から使用済みの燃料ガス1を排出する。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。上部の天板は管板A6(後述)であり、燃料ガス出口管23が連結し、開放されて接続している。また、底面は管板B7(後述)であり、セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、セルチューブ3から排出される使用済み燃料ガス1を収集可能なように管板B7と連結し、開放されて接合している。それと共に、セルの支持も行なう、金属製の室である。

0044

管板A6は、供給室8の底面の板であり、案内管12を接続するための孔が(案内管12の数だけ)開口している。案内管12と、案内管12の上端部(一端部)で、供給室8からの燃料ガス1の出入りが出来るように連結し、供給室8側に開放されて接合している。そして、案内管12を強固に支持している、金属製の板である。また、燃料ガス出口管23と、排出室9からの燃料ガス1の出入りが出来るように連結し、排出室9側に開放されて接合している。

0045

管板B7は、排出室9の底面の板であり、セルチューブ3を接続するための孔が(セルチューブ3の数だけ)開口している。また、セルチューブ3とセルチューブ3の上端部(一端部)で燃料ガス1の出入りが出来るように連結し、排出室9側に開放されて接合している。そして、セルチューブ3を支持している、金属製の板である。

0046

次に、燃料供給管としての燃料ガス供給管19と燃料ガス導入管20について説明する。燃料ガス供給管19は、燃料ガス1をヘッダ5へ供給する配管の一つである。途中に、燃料ガス1の流量を調整するガス調整弁15を有している。そして、一端部は、燃料ガス導入管20に接続し、燃料ガス1を燃料ガス導入管20へ流している。

0047

燃料ガス導入管20は、燃料ガス1をヘッダ5へ供給する配管の一つである。その一端部を燃料ガス供給管19に接続し、他端部をヘッダ5の供給室8の天板に連結し、供給室8側に開放されて接合している。また、燃料ガス出口管23と同軸の二重管構造を成している。ただし、燃料ガス導入管20は外管、燃料ガス出口管23は内管である。燃料ガス供給管19から来た燃料ガス1を供給室8へ供給する。

0048

次に、燃料排出管としての燃料ガス出口管23と燃料ガス排出管25について説明する。燃料ガス出口管23は、使用済みの燃料ガス1をヘッダより排出する配管の1つである。その一端部をヘッダ5の排出室9の天板である管板A6に連結し、排出室9側に開放されて接合されている。また、他端部は、ヘッダ5から離れる方向に延び、その途中の部分は、燃料ガス導入管20と同軸の二重管構造を成している。ただし、燃料ガス導入管20は外管、燃料ガス出口管23は内管である。そして、二重管構造の先の他端部には、ガスセンサ14を有している。

0049

燃料ガス排出管25は、燃料ガス出口管23及びガスセンサ14を通過してきた使用済みの燃料ガス1を排出する配管である。

0050

酸化剤ガス供給管21は、酸化剤ガス2を酸化剤供給室4へ供給する配管である。供給された酸化剤ガス2は、セルチューブ3の外周部の空気極に達し、その発電に寄与する。酸化剤ガス排出管22は、酸化剤供給室4で使用された使用済み酸化剤ガス4を排出する配管である。

0051

なお、燃料ガス1は、水素、メタン、プロパン都市ガス等の燃料ガス1と水蒸気との混合ガスである。ただし、燃料電池システム立上げ時には、窒素バランスの水素ガスと水蒸気との混合ガスである。また、酸化剤ガスは、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。

0052

では、本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第一の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。図1を参照して、このような構成をなす燃料電池システムにおいて、燃料電池の立ち上げを行なう。まず、酸化剤供給室4へ、酸化剤ガス供給管21を介して酸化剤ガス2を供給する。供給する際、酸化剤ガス2を、ある一定の昇温速度で予熱することにより、発電部(酸化剤供給室4内のセルチューブ3及びその周辺部)も一定の昇温速度で昇温する。

0053

一方、燃料ガス1は、発電部の温度が低く、発電がなされていない状況においては、まず、低水素濃度(数%程度)の燃料ガス1を供給する。燃料ガス1は、その流量を調整するガス調整弁15により流量を調整されながら、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20を経由してヘッダ5へ供給される。そして、燃料電池システム内の全てのセルチューブ3における全ての燃料極及びリード膜が還元されるように、燃料ガス1が、各燃料電池セル管の開放端を有する内管である案内管12へ分配、供給される。そして、案内管12を通ってセルチューブ3の閉塞端である下端部(他端部)で折り返され、案内管12とセルチューブ3との間、すなわち内管と外管との間を、セルチューブ3の上端部(一端部)へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分において、燃料ガス1が外周方向へ拡散する。そして、燃料ガス1中の水素が、燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)の燃料極及びリード膜に達し、それらを還元する。その際、燃料極及びリード膜が供給される燃料ガス1中の水素を全て消費して水素が枯渇することが無いように制御する。そのために、以下のような制御を行なう。

0054

図1を参照して、制御部13は、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定する。すなわち、燃料ガス1の供給量が燃料電池システムの中で最も少ないセルチューブ3の、最も供給量が少ない(排出室8に最も近い)燃料電池セル11の電圧を測定し、監視している。そして、その電圧変化を監視し、その値に異常が起こらないように、電圧の測定結果に基づいて、ガス調整弁15を制御し、燃料ガス1を供給量を調整している。そうしていれば、供給された燃料ガス1中の水素濃度の不足が起きることはない。その他の燃料電池セルは、燃料電池セル11よりも燃料ガス1中の水素濃度が多いので、燃料電池セル11で問題が無ければ、問題は発生しない。

0055

更に、上記のように燃料電池セル11においても充分な量の燃料ガス1が供給されていることを前提として、以下のような制御を行なう。制御部13は、ガスセンサ14で、燃料電池システムにおける出口での、燃料ガス1の排出時の水素濃度(以下「出口水素濃度」)を測定している。ここでの値を、安全の面から5%以下に抑えて、かつゼロでない一定の値を保つように、ガス調整弁15を制御する。5%以下に保つのは、爆発下限界を考慮した安全の面からの理由と、還元用水素利用率という効率の面からであり、ゼロでない一定値に保つ(=余剰の水素がある)のは、セルチューブ3における還元処理に充分な水素を安定的に供給するためである。

0056

図2を参照して、更に説明する。縦軸は、左側が燃料電池セル11の開放電圧(OCV)であり、右側が燃料電池の燃料の出口での水素濃度(出口水素濃度)である。横軸は、燃料電池システム内の温度である。還元処理は炉内の温度を少しずつ上昇させながら進める。還元が終了して温度が充分に高くなり発電の準備が整うまでは、安全のために、供給する燃料ガス中の水素濃度を低くしている。そして、セルチューブ3の燃料極及びリード膜を還元して排出される使用済みの燃料ガス1の出口ガス濃度は、5%で低く一定値に抑えている。しかし、使用済みの状態で、まだ5%の水素ガス濃度があることから、供給される燃料ガス1は必要量はあったということが出来る。

0057

更に、図2において、燃料電池セル11の開放電圧(OCV)は、温度と共に緩やかに上昇しており、還元が良好に進んでいる。すなわち、十分な量の水素ガスがあり、温度律速で還元が進んでいることが分かる。実際の制御としては、まず、制御部13は、出口水素濃度を予め設定した値(ここでは、5%)に設定し、ガス調整弁15を調整して出口水素濃度5%を維持しながら、燃料ガスを流す。一方、制御部13は、温度と開放電圧との関係のデータを(図示しない記憶部に)有し、発電部の温度とデータから予測される開放電圧と、実際の開放電圧(燃料電池セル11)とを比較する。そして、制御部13は、燃料電池セル11の開放電圧(VOC)が、ある一定の水準(例えば予測値の±10%)以内の場合、異常無しとして、そのままの制御を続ける。しかし、実際の開放電圧が、一定の水準を下回った場合、ガス調整弁15を調整し、燃料(水素)を増加させ、開放電圧を適切な値になるようにする。

0058

続いて、温度が充分に上がった段階で、測定された開放電圧(燃料電池セル11)が予め設定した値(例えば1.2V)以上の場合、制御部13は、還元が充分に進んでいると判断し、微弱な初期電流を流し、各セルチューブ3の燃料電池セル及びリード膜が充分な性能を有しているかを調べる。図4を参照して、横軸はセルチューブ3の燃料電池セルを流れる電流である。また、縦軸は、セルチューブ毎、(或いはセルチューブのグループ毎)の電圧である。燃料電池セルの還元が上手くいっていれば、曲線aに示すような電流電圧特性を示す。制御部13は、微弱電流と電圧との関係が、予め(図示しない記憶部に)有する電流と電圧との関係の基準データと、実際の微弱電流と電圧との関係とを比較し、ある一定の水準(例えば基準データの±2%)以内の場合、異常無しとする。しかし、実際の微弱電流と電圧との関係還元が、一定の水準を下回った場合、還元が不充分と判断し、電流を切り、還元処理を再度行う。例えば、曲線bに示す電流電圧特性では、内部抵抗が非常に大きく、還元が不充分である。

0059

曲線bに示す状態は、燃料ガス1の供給量が最も少ない燃料電池セル11よりも、更に燃料ガス1の供給の少ないリード膜10における還元が不足し、リード膜10の抵抗が高い可能性がある。従って、それを防ぐためには、図3に示すように燃料電池セル11ではなく、リード膜10の抵抗を監視しておけば良い。図3の構成は、図1と同様であり、ただし、計測ラインA17及び計測ラインB18をリード膜10に接続している点が図1と異なる。図1図3とを一緒にして、燃料ガス1の供給量が最も少ない燃料電池セル11及び更に燃料ガス1の供給の少ないリード膜10に計測ラインを接続し、制御部13において制御に用いれば、還元処理をより確実に行なうことが可能である。

0060

微弱な初期電流を流し、図4における曲線aのような電流電圧特性が得られれば、燃料電池セルは良好な状態であり、通常の発電を開始する。

0061

供給室8内に燃料ガス1が、燃料ガス供給管19とガス調節弁15とを介して燃料ガス導入管20から供給される。燃料ガス1は、各案内管12に対してばらつきの無い流量で流入する。燃料ガス1は、案内管12を進み、案内管12の下端部(他端部)から出たところでセルチューブ3の下端部(他端部)からセルチューブ3内で案内管12の外側を、セルチューブ3の上端(一端)へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分に燃料ガス1が拡散し、燃料電池セル11のアノード側に達する。一方、酸化剤供給室4内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。それらは燃料電池セルのカソード側に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2との燃料電池セルにおける電気化学的反応により、発電が行なわれ、電力が発生する。

0062

使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3の上端部(一端部)から排出室9へ移動する。そして、燃料ガス出口管23とガスセンサ14とを介して燃料ガス排出管25から排出される。一方、使用済みの酸化剤ガス2は、酸化剤供給室4より酸化剤ガス排出管22から排出される。

0063

以上のプロセスにより、セルチューブ3におけるリード膜10及び燃料電池セルの燃料極での、初期の還元処理を自動的に行なうことが可能となり、人的負担の低減と、コスト削減が可能となる。

0064

(実施例2)本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第二の実施の形態の構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池システムは、燃料電池セル管の外管としてのセルチューブ3、酸化剤供給室4、管板A6と管板B7と供給室8と排出室9とを有するヘッダ5、リード膜10、燃料電池セル11、燃料電池セル管の内管としての案内管12、制御部13、ガスセンサ14、ガス調整部としてのガス調整弁15、調整弁制御ライン16、計測ラインA17、計測ラインB18、燃料供給管としての燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20、酸化剤ガス供給管21、酸化剤ガス排出管22、燃料排出管としての燃料ガス出口管23及び燃料ガス排出管25、ガスセンサライン24からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。また、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。

0065

本発明においては、定常時の燃料電池システムの運転時に、燃料(水素)供給量が最も少なくなる部分(図1、燃料電池セル11)の電圧を自動監視(図1、制御部13)し、燃料電池システムにおける燃料ガス1の異常時の燃料電池セルやリード膜の電圧変化に基づいて、自動的に燃料流量(濃度)を適切に制御(図1、制御部13)することにより、インターロックなどによる急激なシャットダウンを起こさずに、安全に事態を処理する点が、従来の技術と異なる。燃料(水素)供給量が最も少なくなる部分における電圧に着目しているので、その部分において必要な燃料が供給し、適切に対処すれば、他の部分については問題が起こることは無い。従って、燃料電池システム全体としての安定性・信頼性が確保できる。また、電圧を取得し、それに基づいて自動的に制御を行なうので、個々人の能力に依存しない安定的な方法であり、かつ人手の必要のない効率的な方法である。従って、発電における信頼性が高まり、故障の確率も減り、コストを削減することが可能となる。

0066

以下に各構成を詳細に説明する。図1を参照して、燃料電池システムについて説明する。

0067

制御部13は、燃料電池セル11からの計測ラインA17(後述)と計測ラインB18(後述)とを介した電圧出力に基づいて、調整弁制御ライン16を介してガス調整弁15を調整し、燃料ガス1の供給量を制御する制御装置である。例えば、燃料電池セル11の出力電圧が、予め設定された基準電圧Vs以下になった場合、燃料ガス1の供給量を自動的に除々に増加させ、出力電圧を基準電圧Vs以上を維持するようにする。基準電圧Vsのデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。また、ガスセンサ14(後述)からのガスセンサライン24を介した使用済み燃料ガス1の水素濃度に基づいて、調整弁制御ライン16(後述)を介してガス調整弁15(後述)を調整し、燃料ガス1の供給量を制御することも可能である。その際、予め設定された基準水素濃度CH2に入るように、供給側の水素濃度を調整する。基準水素濃度CH2のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。更に、両方を同時に参考にして、供給する燃料ガス1の供給量を決定することも可能である。その際、基準電圧Vsと基準水素濃度CH2と供給される燃料ガス1の流量との関係のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。

0068

なお、制御部13は、燃料ガス1の制御だけでなく、燃料電池システム全体の制御を行なうための制御装置と一体とすることも、別とすることも可能である。

0069

上記以外の制御部13の機能及び、他の構成の機能については、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。

0070

なお、燃料ガス1は、水素、メタン、プロパンや都市ガス等の燃料ガス1と水蒸気との混合ガスである。ただし、燃料電池システム立上げ時には、窒素バランスの水素ガスと水蒸気との混合ガスである。また、酸化剤ガスは、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。

0071

では、本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第二の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。図1を参照して、このような構成をなす燃料電池システムにおいて、定常運転時には、供給室8内に水素やメタンと水蒸気のような燃料ガス1が、燃料ガス供給管19に供給される。そして、制御部13に制御されたガス調整弁15において流量が調整されながら、燃料ガス導入管20に達する。その後、供給室8に供給され、そこから燃料ガス1は、各燃料電池セル管の開放端を有する内管である案内管12へに対してばらつきの無い流量で流入する。

0072

燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20からの燃料ガス1は、案内管12を進み、案内管12の下端部(他端部)から出たところでセルチューブ3の閉塞端である下端部(他端部)にぶつかる。そして、燃料ガス1は、そこから折り返され、セルチューブ3内で案内管12の外側、すなわち内管と外管との間を、セルチューブ3の上端部(一端部)へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分に燃料ガス1が拡散し、燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)のアノード側に達する。一方、酸化剤供給室4内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。それらは燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)のカソード側に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2との燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)における電気化学的反応により、発電が行なわれ、電力が発生する。

0073

この時、制御部13は、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定する。すなわち、燃料ガス1の供給量が燃料電池システムの中で最も少ないセルチューブ3の、最も供給量が少ない(排出室8に最も近い)燃料電池セル11の電圧を測定し、監視している。そして、その電圧の測定結果に基づいて、制御部13は、燃料ガス1の流量を調整するためにガス調節弁15の制御を行なう。

0074

上記のように燃料電池セル11において、充分な量の燃料ガス1が供給され、正常な運転がなされていることを前提として、以下のような制御を行なうことも可能である。制御部13は、ガスセンサ14で、燃料電池システムにおける出口での、燃料ガス1の排出時の水素濃度(以下「出口水素濃度」)を測定している。ここでの値を、予め設定された値以下に抑えるようにする。設定値以下に保つのは、燃料利用率を、予め設定された値以上に保つためである。

0075

図5を参照して、縦軸は、セルチューブ3(あるいは複数のセルチューブ3からなるグループ)の出力電圧であり、横軸は、運転経過時間(時間tA付近)である。運転中のある時点(tAの直前)において、出力電圧が、予め設定された基準電圧Vsを下回った場合、一定時間経過の後、時間tAにおいて、制御部13は、ガス調節弁15を調整して燃料ガス1流量を少しずつ増加させる。そして、それにより、各燃料電池セルへの燃料ガス1の供給が増え、燃料電池セル11の出力電圧を基準電圧Vs以上に回復させることができるように、制御部13は、ガス調節弁15を制御する。

0076

このとき、燃料ガス1流量を大幅に増やすのではなく、基準電圧Vsを満たす程度(曲線cの時間tAにおける電圧変化を参照)に少しだけ増やすのが重要である。これにより、燃料側と空気側との間に大きな差圧を発生させることはない。

0077

従来例を図6に示す。図6を参照して、縦軸は、セルチューブ3(あるいは複数のセルチューブ3からなるグループ)の出力電圧であり、横軸は、運転経過時間(時間tA付近)である。従来、出力電圧が、予め設定された基準電圧Vsを下回った場合、インターロックを発生させ、負荷遮断を行ない、燃料電池セルを保護していた。しかし、電流停止に伴う急激なガス流量変化により、燃料側と空気側との間に大きな差圧が発生し、セルを損傷する可能性があった。しかし、本実施例では、上記のように電流を停止せず(負荷遮断を行なわず)、燃料ガス1の流量変化も極力抑えるようにしているので、セルを損傷する可能性が無く、安全で信頼性の高い方法である。

0078

使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3の上端部(一端部)から排出室9へ移動する。そして、燃料ガス出口管23とガスセンサ14とを介して燃料ガス排出管25から排出される。一方、使用済みの酸化剤ガス2は、酸化剤供給室4より酸化剤ガス排出管22から排出される。

0079

以上のプロセスにより、セルチューブ3における燃料電池セルの電圧値を監視により、燃料電池セルの出力異常に対する自動的な対応が可能となり、人的負担の低減と、コスト削減が可能となる。

0080

(実施例3)本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第三の実施の形態の構成について、図面を参照して説明する。図7は、本発明である燃料電池システムの第三の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池システムは、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、酸化剤供給室4、管板C26、管板D27、供給室8、排出室9、リード膜10、燃料電池セル11、制御部13、ガスセンサ14、ガス調整部としてのガス調整弁15、調整弁制御ライン16、計測ラインA17、計測ラインB18、燃料供給管としての燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20、酸化剤ガス供給管21、酸化剤ガス排出管22、燃料排出管としての燃料ガス出口管23及び燃料ガス排出管25、ガスセンサライン24、支持体A28、支持体B29からなる。なお、図7の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。また、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。

0081

本実施例では、セルチューブ3が両端支持縦置き、横置き双方可能)となる。すなわち、支持体A28及び支持体B29によって、2点で支持されている。そして、供給室8側の管板C26及び排出室9側の管板D27の2点でガスシールされている。すなわち、2点でセルチューブを支持しつつ、支持して入る断熱材とは別にシール専用の部材を導入している。燃料ガス1は、供給室8からセルチューブ3に進入し、排出室9へ排出されるという一方向(ワンスルー)のガスの流れである。従って、案内管が不用な構造である。以上の点が、実施例1と異なる。

0082

以下に各構成を詳細に説明する。図7を参照して、燃料電池システムについて説明する。

0083

燃料電池セル管としてのセルチューブ3は、多孔質セラミックスの基体管の外周面に燃料電池セルを形成された、燃焼電池を構成する円筒型の管である。セルチューブ3は、一端側を供給室8(後述)に、他端側を排出室9(後述)に嵌合され、支持されている。そして、一端側が供給室8(後述)と、他端側が排出室9(後述)とガスの出入りが出来るように開放されている。内部に、実施例1〜実施例2にある案内管を、含んでいない。材質は、例えばジルコニアなどである。図7においては、3本のみを代表として図示しているが、複数存在し、燃料電池システムの規模に応じて、本数を決定する。基体管の長手方向の一定の幅毎に、外周面上に燃料極、電解質、空気極が順に積層され、燃料電池。を形成している(図示せず)。それぞれのセル同士は、インターコネクタで接合されている(図示せず)。燃料ガス1が、供給室8(後述)を経由して、セルチューブ3の一端部よりセルチューブ3の燃料電池セルへ供給される。そして、基体管の厚み方向に孔中を拡散し燃料極に達し、セルチューブ3の外側を流れる酸化剤ガス2と共に発電に寄与する。

0084

燃料電池セル11は、燃料極、電解質、空気極が、この順に積層された燃料電池セルである。本実施例では、特に、最も燃料(水素)供給量が少なくなるセルチューブ3において、燃料(水素)供給量が最も少なくなるセルチューブ3の他端部(排出室9側)の最も端にある燃料電池セルを指す。すなわち、最も、燃料ガス1が届き難い場所である。燃料極(アノード)は、電解質が酸素イオン導電体の場合、電解質中を輸送される酸素イオンと、燃料ガス1中の水素又は一酸化炭素とを結合させ、水又は二酸化炭素を生成するための触媒であり、電極でもある。本実施例では、ニッケル/ジルコニアである。電解質は、燃料電池セルが発電するための、酸素イオンを輸送する酸素イオン導電体である。本実施例では、安定化ジルコニアである。空気極(カソード)は、電解質が酸素イオン導電体の場合、酸化剤ガス2中の酸素をイオン化し、電解質へ供給するための触媒であり、電極でもある。本実施例では、ランタンマンガナイトである。

0085

燃料電池セルは、燃料電池システム内に複数存在するセルチューブ3に複数個存在し、セルチューブ3上の円周に沿って1周全てに連続的に形成され、かつ、セルチューブ3の長手方向では一定の幅毎に形成される。隣同士の燃料電池セルは、インタコネクタ(図示せず、金属膜)で直列に接続されている。燃料電池セル11は、その中で、特に、最も燃料(水素)供給量が少なくなる燃料電池セルである。

0086

リード膜10は、複数の燃料電池セル11で発電した直流電力の一方の極を集電部(セルチューブ3の他端部(排出室9側)に接続される電極端子(図示せず))へ引き出すためのリード線の役割をする膜である。燃料電池システム運転中に、膜が酸化されないように、緻密な保護膜(金属酸化膜の絶縁層)が積層されている。セルチューブ3の最も上端部(一端部)寄りである燃料電池セル11の空気極(又は燃料極)と接続している。そして、リード膜10は、その空気極からセルチューブ3の外周部をその他端部まで延びている。周方向の幅は、発電する電力の大きさとそのリード膜10の厚みにより、抵抗が充分低いように、設定される。

0087

酸化剤供給室4は、供給室8(の管板C26)と排出室9(の管板D27)との間にあり、それらと隔離され、セルチューブ3を含んでいる。セルチューブ3に酸化剤ガスを供給する室である。そして、内部の管板C26及び管板D27それぞれの近傍に、支持体A28及び支持体B29をそれぞれ固定している。ステンレス耐熱合金などの金属製の室である。

0088

供給室8は、セルチューブ3の一端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。燃料ガス1の供給を受けるためのガス供給口8−1を有する。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は管板C26(後述)であり、セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、供給室8に入った燃料ガス1がセルチューブ3へ供給されるように管板C26と連結、接合している。複数存在する各セルチューブ3へ、均等に燃料ガス1を供給する、ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。

0089

排出室9は、セルチューブ3の他端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。使用済みの燃料ガス1の排出を行なうためのガス排出口9−1を有する。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は管板D27(後述)であり、セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、セルチューブ3から排出される使用済み燃料ガス1を収集可能なように管板D27と連結、接合している。ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。

0090

管板C26は、供給室8の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための穴が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の一端部でガスの出入りが出来るように連結し、開放されて接合している。接合部分は、管板C26とセルチューブ3との隙間からガスをリークさせないために、応力などによる位置ずれ振動や衝撃を吸収することが可能なように、ステンレスや耐熱合金などの薄い金属製の板のような柔軟性のある部材を使用する。必要に応じて、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにする。

0091

管板D27は、排出室9の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための穴が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の他端部でガスの出入りが出来るように連結し、開放されて接合している。接合部分は、管板D27とセルチューブ3との隙間からガスをリークさせないために、応力などによる位置ずれや振動や衝撃を吸収することが可能なように、ステンレスや耐熱合金などの薄い金属製の板のような柔軟性のある部材を使用する。必要に応じて、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにする。

0092

次に、燃料供給管としての燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20について説明する。燃料ガス供給管19は、燃料ガス1を供給室8へ供給する配管の一つである。そして、一端部は、燃料ガス1の流量を調整するガス調整弁15に接続し、燃料ガス1を燃料ガス導入管20へ流している。

0093

燃料ガス導入管20は、燃料ガス1を供給室8へ供給する配管の一つである。その一端部を燃料ガス1の流量を調整するガス調整弁15に接続し、他端部を供給室8のガス供給口8−1に連結し、供給室8側に開放されて接合している。燃料ガス供給管19から来た燃料ガス1を供給室8へ供給する。

0094

次に、燃料排出管としての燃料ガス出口管23及び燃料ガス排出管25について説明する。燃料ガス出口管23は、使用済みの燃料ガス1を排出室9より排出する配管の1つである。その一端部を排出室9のガス排出口9−1に連結し、排出室9側に開放されて接合されている。また、他端部は、ガスセンサ14に接続している。

0095

燃料ガス排出管25は、一端部をガスセンサ14(後述)に接続している。燃料ガス出口管23及びガスセンサ14を通過してきた使用済みの燃料ガス1を排出する配管である。

0096

支持体A28及び支持体B29は、管板C26及び管板D27の近傍であって、供給室8及び排出室9の外側の酸化剤供給室4内に固定されている。そして、セルチューブ3上の両端部の燃料電池セルが無い部分において、セルチューブ3を支持している。また、セルチューブ3の発電側の熱を遮断し、管板C26及び管板D27、あるいは、セルチューブ3と管板C26又は管板D27との接合部であるガスシール部分について、熱的に保護する。材料としては、多孔質シリカ多孔質アルミナシリカアルミナマグネシアなどを主成分とする多孔体などである。

0097

なお、第一ガスとしての燃料ガス1は、水素、メタン、プロパン、都市ガス等の燃料ガス1と水蒸気との混合ガスである。ただし、燃料電池システム立上げ時には、窒素バランスの水素ガスと水蒸気との混合ガスである。また、第二ガスとしての酸化剤ガスは、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。

0098

図7における他の構成については、同番号の実施例1の構成と同様であるので、その説明を省略する。

0099

本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第三の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。図7を参照して、このような構成をなす燃料電池システムにおいて、燃料電池の立ち上げを行なう。まず、酸化剤供給室4へ、酸化剤ガス供給管21を介して酸化剤ガス2を供給する。供給する際、酸化剤ガス2を、ある一定の昇温速度で予熱することにより、発電部(酸化剤供給室4内のセルチューブ3及びその周辺部)も一定の昇温速度で昇温する。

0100

一方、燃料ガス1は、発電部の温度が低く、発電がなされていない状況においては、まず、低水素濃度(数%程度)の燃料ガス1を供給する。燃料ガス1は、その流量を調整するガス調整弁15により流量を調整されながら、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20を経由して供給室8へ供給される。そして、燃料電池システム内の全てのセルチューブ3における全ての燃料極及びリード膜が還元されるように、燃料ガス1が、セルチューブ3の一端部から各燃料電池セル管であるセルチューブ3へ分配、供給される。そして、セルチューブ3の他端部へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分において、燃料ガス1が外周方向へ拡散する。そして、燃料ガス1中の水素が、燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)の燃料極及びリード膜に達し、それらを還元する。その際、燃料極及びリード膜が供給される燃料ガス1中の水素を全て消費して水素が枯渇することが無いように制御する。そのために、以下のような制御を行なう。

0101

図7を参照して、制御部13は、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定する。すなわち、燃料ガス1の供給量が燃料電池システムの中で最も少ないセルチューブ3の、最も供給量が少ない(排出室8に最も近い)燃料電池セル11の電圧を測定し、監視している。そして、その電圧変化を監視し、その値に異常が起こらないように、電圧の測定結果に基づいて、ガス調整弁15を制御し、燃料ガス1の供給量を調整している。そうしていれば、供給された燃料ガス1中の水素濃度の不足が起きることはない。その他の燃料電池セルは、燃料電池セル11よりも燃料ガス1中の水素濃度が多いので、燃料電池セル11で問題が無ければ、問題は発生しない。

0102

更に、上記のように燃料電池セル11においても充分な量の燃料ガス1が供給されていることを前提として、以下のような制御を行なう。制御部13は、ガスセンサ14で、燃料電池システムにおける出口での、燃料ガス1の排出時の水素濃度(以下「出口水素濃度」)を測定している。ここでの値を、安全の面から5%以下に抑えて、かつゼロでない一定の値を保つように、ガス調整弁15を制御する。5%以下に保つのは、爆発下限界を考慮した安全の面からの理由と、還元用水素の利用率という効率の面からであり、ゼロでない一定値に保つ(=余剰の水素がある)のは、セルチューブ3における還元処理に充分な水素を安定的に供給するためである。

0103

図2を参照して、更に説明する。縦軸は、左側が燃料電池セル11の開放電圧(OCV)であり、右側が燃料電池の燃料の出口での水素濃度(出口水素濃度)である。横軸は、燃料電池システム内の温度である。還元処理は炉内の温度を少しずつ上昇させながら進める。還元が終了して温度が充分に高くなり発電の準備が整うまでは、安全のために、供給する燃料ガス中の水素濃度を低くしている。そして、セルチューブ3の燃料極及びリード膜を還元して排出される使用済みの燃料ガス1の出口ガス濃度は、5%で低く一定値に抑えている。しかし、使用済みの状態で、まだ5%の水素ガス濃度があることから、供給される燃料ガス1は必要量はあったということが出来る。

0104

更に、図2において、燃料電池セル11の開放電圧(OCV)は、温度と共に緩やかに上昇しており、還元が良好に進んでいる。すなわち、十分な量の水素ガスがあり、温度律速で還元が進んでいることが分かる。実際の制御としては、まず、制御部13は、出口水素濃度を予め設定した値(ここでは、5%)に設定し、ガス調整弁15を調整して出口水素濃度5%を維持しながら、燃料ガスを流す。一方、制御部13は、温度と開放電圧との関係のデータを(図示しない記憶部に)有し、発電部の温度とデータから予測される開放電圧と、実際の開放電圧(燃料電池セル11)とを比較する。そして、制御部13は、燃料電池セル11の開放電圧(VOC)が、ある一定の水準(例えば予測値の±10%)以内の場合、異常無しとして、そのままの制御を続ける。しかし、実際の開放電圧が、一定の水準を下回った場合、ガス調整弁15を調整し、燃料(水素)を増加させ、開放電圧を適切な値になるようにする。

0105

続いて、温度が充分に上がった段階で、測定された開放電圧(燃料電池セル11)が予め設定した値(例えば1.2V)以上の場合、制御部13は、還元が充分に進んでいると判断し、微弱な初期電流を流し、各セルチューブ3の燃料電池セル及びリード膜が充分な性能を有しているかを調べる。図4を参照して、横軸はセルチューブ3の燃料電池セルを流れる電流である。また、縦軸は、セルチューブ毎、(或いはセルチューブのグループ毎)の電圧である。燃料電池セルの還元が上手くいっていれば、曲線aに示すような電流電圧特性を示す。制御部13は、微弱電流と電圧との関係が、予め(図示しない記憶部に)有する電流と電圧との関係の基準データと、実際の微弱電流と電圧との関係とを比較し、ある一定の水準(例えば基準データの±2%)以内の場合、異常無しとする。しかし、実際の微弱電流と電圧との関係還元が、一定の水準を下回った場合、還元が不充分と判断し、電流を切り、還元処理を再度行う。例えば、曲線bに示す電流電圧特性では、内部抵抗が非常に大きく、還元が不充分である。

0106

曲線bに示す状態は、燃料ガス1の供給量が最も少ない燃料電池セル11よりも、更に燃料ガス1の供給の少ないリード膜10における還元不足の可能性がある。従って、それを防ぐためには、図8に示すように燃料電池セル11ではなく、リード膜10の抵抗を監視しておけば良い。図8の構成は、図7と同様であり、ただし、計測ラインA17及び計測ラインB18をリード膜10に接続している点が図7と異なる。図7図8とを一緒にして、燃料ガス1の供給量が最も少ない燃料電池セル11及び更に燃料ガス1の供給の少ないリード膜10に計測ラインを接続し、制御部13において制御に用いれば、より還元処理を確実に行なうことが可能である。

0107

微弱な初期電流を流し、図4における曲線aのような電流電圧特性が得られれば、燃料電池セルは良好な状態であり、通常の発電を開始する。

0108

供給室8内に燃料ガス1が、燃料ガス供給管19とガス調節弁15とを介して燃料ガス導入管20から供給される。燃料ガス1は、各セルチューブ3に対して、その一端部から、ばらつきの無い流量で流入し、セルチューブ3の他端部へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分に燃料ガス1が拡散し、燃料電池セル11のアノード側に達する。一方、酸化剤供給室4内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。それらは燃料電池セルのカソード側に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2との燃料電池セルにおける電気化学的反応により、発電が行なわれ、電力が発生する。

0109

使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3の他端部から排出室9へ移動する。そして、燃料ガス出口管23とガスセンサ14とを介して燃料ガス排出管25から排出される。一方、使用済みの酸化剤ガス2は、酸化剤供給室4より酸化剤ガス排出管22から排出される。

0110

以上のプロセスにより、セルチューブ3におけるリード膜10及び燃料電池セルの燃料極での、初期の還元処理を自動的に行なうことが可能となり、人的負担の低減と、コスト削減が可能となる。

0111

(実施例4)本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第四の実施の形態の構成について、図面を参照して説明する。図7は、本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池システムは、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、酸化剤供給室4、管板C26、管板D27、供給室8、排出室9、リード膜10、燃料電池セル11、制御部13、ガスセンサ14、ガス調整部としてのガス調整弁15、調整弁制御ライン16、計測ラインA17、計測ラインB18、燃料供給管としての燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20、酸化剤ガス供給管21、酸化剤ガス排出管22、燃料排出管としての燃料ガス出口管23及び燃料ガス排出管25、ガスセンサライン24、支持体A28、支持体B29からなる。なお、図7の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。また、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。

0112

本実施例では、セルチューブ3が両端支持(縦置き、横置き双方可能)となる。すなわち、支持体A28及び支持体B29によって、2点で支持されている。そして、供給室8側の管板C26及び排出室9側の管板D27の2点でガスシールされている。すなわち、2点でセルチューブを支持しつつ、支持して入る断熱材とは別にシール専用の部材を導入している。燃料ガス1は、供給室8からセルチューブ3に進入し、排出室9へ排出されるという一方向(ワンスルー)のガスの流れである。従って、案内管が不用な構造である。以上の点が、実施例2と異なる。

0113

以下に各構成を詳細に説明する。図7を参照して、燃料電池システムについて説明する。

0114

制御部13は、燃料電池セル11からの計測ラインA17(後述)と計測ラインB18(後述)とを介した電圧出力に基づいて、調整弁制御ライン16を介してガス調整弁15を調整し、燃料ガス1の供給量を制御する制御装置である。例えば、燃料電池セル11の出力電圧が、予め設定された基準電圧Vs以下になった場合、燃料ガス1の供給量を自動的に除々に増加させ、出力電圧を基準電圧Vs以上を維持するようにする。基準電圧Vsのデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。また、ガスセンサ14(後述)からのガスセンサライン24を介した使用済み燃料ガス1の水素濃度に基づいて、調整弁制御ライン16(後述)を介してガス調整弁15(後述)を調整し、燃料ガス1の供給量を制御することも可能である。その際、予め設定された基準水素濃度CH2に入るように、供給側の水素濃度を調整する。基準水素濃度CH2のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。更に、両方を同時に参考にして、供給する燃料ガス1の供給量を決定することも可能である。その際、基準電圧Vsと基準水素濃度CH2と供給される燃料ガス1の流量との関係のデータを、制御部13内の記憶部(図示せず)に有している。

0115

なお、制御部13は、燃料ガス1の制御だけでなく、燃料電池システム全体の制御を行なうための制御装置と一体とすることも、別とすることも可能である。

0116

上記以外の制御部13の機能及び、他の構成の機能については、実施例3と同様であるので、その説明を省略する。

0117

なお、燃料ガス1は、水素、メタン、プロパンや都市ガス等の燃料ガス1と水蒸気との混合ガスである。ただし、燃料電池システム立上げ時には、窒素バランスの水素ガスと水蒸気との混合ガスである。また、酸化剤ガスは、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。

0118

では、本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第四の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。図7を参照して、このような構成をなす燃料電池システムにおいて、定常運転時には、供給室8内に水素やメタンと水蒸気のような燃料ガス1が、燃料ガス供給管19に供給される。そして、制御部13に制御されたガス調整弁15において流量が調整されながら、燃料ガス導入管20に達する。その後、供給室8に供給され、そこから燃料ガス1は、各燃料電池セル管であるセルチューブ3へに対してばらつきの無い流量で流入する。

0119

燃料ガス供給管19及び燃料ガス導入管20からの燃料ガス1は、供給室8からセルチューブ3の一端部へ供給され、他端部へ向けて流れる。このとき、セルチューブ3の壁面(側面)部分に燃料ガス1が拡散し、燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)のアノード側に達する。一方、酸化剤供給室4内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。それらは燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)のカソード側に達する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2との燃料電池セル(燃料電池セル11を含む)における電気化学的反応により、発電が行なわれ、電力が発生する。

0120

この時、制御部13は、燃料ガス1の流路の最終端に設けられた燃料電池セル11の電圧を測定する。すなわち、燃料ガス1の供給量が燃料電池システムの中で最も少ないセルチューブ3の、最も供給量が少ない(排出室8に最も近い)燃料電池セル11の電圧を測定し、監視している。そして、その電圧の測定結果に基づいて、制御部13は、燃料ガス1の流量を調整するためにガス調節弁15の制御を行なう。

0121

上記のように燃料電池セル11において、充分な量の燃料ガス1が供給され、正常な運転がなされていることを前提として、以下のような制御を行なうことも可能である。制御部13は、ガスセンサ14で、燃料電池システムにおける出口での、燃料ガス1の排出時の水素濃度(以下「出口水素濃度」)を測定している。ここでの値を、予め設定された値以下に抑えるようにする。設定値以下に保つのは、燃料利用率を、予め設定された値以上に保つためである。

0122

図5を参照して、縦軸は、セルチューブ3(あるいは複数のセルチューブ3からなるグループ)の出力電圧であり、横軸は、運転経過時間(時間tA付近)である。運転中のある時点(tAの直前)において、出力電圧が、予め設定された基準電圧Vsを下回った場合、一定時間経過の後、時間tAにおいて、制御部13は、ガス調節弁15を調整して燃料ガス1流量を少しずつ増加させる。そして、それにより、各燃料電池セルへの燃料ガス1の供給が増え、燃料電池セル11の出力電圧を基準電圧Vs以上に回復させることができるように、制御部13はガス調節弁15を制御する。

0123

このとき、燃料ガス1流量を大幅に増やすのではなく、基準電圧Vsを満たす程度(曲線cの時間tAにおける電圧変化を参照)に少しだけ増やすのが重要である。これにより、燃料側と空気側との間に大きな差圧を発生させることはない。

0124

従来例を図6に示す。図6を参照して、縦軸は、セルチューブ3(あるいは複数のセルチューブ3からなるグループ)の出力電圧であり、横軸は、運転経過時間(時間tA付近)である。従来、出力電圧が、予め設定された基準電圧Vsを下回った場合、インターロックを発生させ、負荷遮断を行ない、燃料電池セルを保護していた。しかし、電流停止に伴う急激なガス流量変化により、燃料側と空気側との間に大きな差圧が発生し、セルを損傷する可能性があった。しかし、本実施例では、上記のように電流を停止せず(負荷遮断を行なわず)、燃料ガス1の流量変化も極力抑えるようにしているので、セルを損傷する可能性が無く、安全で信頼性の高い方法である。

0125

使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3の上端部(一端部)から排出室9へ移動する。そして、燃料ガス出口管23とガスセンサ14とを介して燃料ガス排出管25から排出される。一方、使用済みの酸化剤ガス2は、酸化剤供給室4より酸化剤ガス排出管22から排出される。

0126

以上のプロセスにより、セルチューブ3にける燃料電池セルの電圧値を監視により、燃料電池セルの出力異常に対する自動的な対応が可能となり、人的負担の低減と、コスト削減が可能となる。

0127

本発明により、セルチューブ3にけるリード膜及び燃料電池セルの燃料極での、初期の還元処理を、燃料電池セル11の電圧監視により、自動的に行なうことが可能となる。従って、従来のような人的負担が必要無くなり、労力の削減が計れる。

0128

また、最も燃料(水素)ガスの供給量が少ない燃料電池セルのみについて監視すればよいので、装置が簡便であり、容易に実行が可能である。従って、低コストで行なうことが可能である。

0129

加えて、還元処理の不充分な燃料電池セル及びリード膜が無くなったことを確実に確認できるので、燃料電池システムの立上げを早期に確実に終了することが出来る。従って、故障や不安定な運転状況などを排除でき、信頼性及び安定性を向上させることが可能となる。

0130

また、燃料電池セルの電圧異常に対しても、急激なインターロックによる負荷遮断を行なうことなく、緩やかな燃料ガス1の流量制御により、燃料電池システムに負担のかからない対応を実施することが可能となる。従って、システムの信頼性や長期信頼性を有することが可能となる。

発明の効果

0131

本発明により、燃料電池の状況に応じて水素濃度を自動的に制御することにより、燃料電池の電圧等を確認しながら、安定的に還元することが可能となる。

図面の簡単な説明

0132

図1本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第一及び第二実施の形態の構成を示す図である。
図2本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の実施の形態における開放電圧及び出口水素濃度と運転温度との関係を示す図である。
図3本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第一及び第二実施の形態の他の構成を示す図である。
図4本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の実施の形態における燃料電池セルの電圧と電流との関係を示す図である。
図5本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の実施の形態における燃料電池セルの電圧と運転時間との関係を示す図である。
図6従来例における燃料電池セルの電圧と運転時間との関係を示す図である。
図7本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第三及び第四実施の形態の構成を示す図である。
図8本発明である燃料電池システム及び燃料電池の運転方法の第三及び第四実施の形態の他の構成を示す図である。
図9従来の技術の実施の形態における開放電圧及び出口水素濃度と運転温度との関係を示す図である。
図10従来の技術の実施の形態の構成を示す図である。

--

0133

1燃料ガス
2酸化剤ガス
3セルチューブ
4酸化剤供給室
5ヘッダ
6管板A6
7 管板B7
8供給室
9排出室
10リード膜
11燃料電池セル
12案内管
13 制御部
14ガスセンサ
15ガス調整弁
16調整弁制御ライン
17計測ラインA
18 計測ラインB
19燃料ガス供給管
20燃料ガス導入管
21酸化剤ガス供給管
22 酸化剤ガス排出室
23燃料ガス出口管
24 ガスセンサライン
25燃料ガス排出管
26 管板C
27 管板D
28支持体A
29 支持体B
110 ヘッダ
110a仕切板
110b底板
110c 供給室
110d 排出室
111 セルチューブ
112 案内管

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