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技術 放射性廃棄物の処分容器、処分施設及び処分方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 中山準平西村務和田隆太郎安永龍哉
出願日 2001年9月28日 (19年1ヶ月経過) 出願番号 2001-298774
公開日 2003年4月9日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2003-107196
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 破損部分 処分容器 角型容器 アナターゼ型酸化チタン膜 処分施設 埋設処分 光触媒用 保持性能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月9日)のものです。
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図面 (5)

課題

地中放射性廃棄物処分施設埋設されている処分容器劣化により処分容器に収納された放射性廃棄物から地下水溶け込んだ放射性物質のうち、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させる。

解決手段

処分容器を埋設処分する処分施設1において処分容器2の周囲を囲っている構成材13の一部又は全部、あるいは、放射性廃棄物を収納する処分容器2の隙間に充填する充填材光触媒又は酸化剤を添加することによって、処分容器2の腐食により放射性廃棄物から地下水へ溶け込んだ放射性物質の内、有機系の放射性物質を無機質に分解することによって、セメントなどへの吸着性能を高める。

概要

背景

原子力発電所等から排出された放射性廃棄物地中埋設処分する場合、一般に放射性廃棄物を処分容器収納した状態で処分施設埋設される。放射性廃棄物を処分容器に収納するとき、処分容器と放射性廃棄物、及び放射性廃棄物同士に隙間が生じるが、隙間にはセメント充填して、隙間を埋めてから処分容器の蓋をして埋設することが行われている。

地中に埋設された放射性廃棄物は、長時間に亘って土壌地下水に曝されるうちに、処分容器が劣化し、放射性廃棄物中の放射性物質が処分容器外に放出される。従って、従来の放射性廃棄物の処分容器、処分施設及び処分方法では、放射性物質が、処分容器から放出されても、処分容器に充填されたセメント又は、処分施設を構成するセメント、粘土、あるいは処分施設をとりまく岩盤、土壌などに吸着され、地表に到達する放射性物質の量,速度が十分低減されるような設計となっている。

概要

地中の放射性廃棄物の処分施設に埋設されている処分容器の劣化により処分容器に収納された放射性廃棄物から地下水に溶け込んだ放射性物質のうち、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させる。

処分容器を埋設処分する処分施設1において処分容器2の周囲を囲っている構成材13の一部又は全部、あるいは、放射性廃棄物を収納する処分容器2の隙間に充填する充填材光触媒又は酸化剤を添加することによって、処分容器2の腐食により放射性廃棄物から地下水へ溶け込んだ放射性物質の内、有機系の放射性物質を無機質に分解することによって、セメントなどへの吸着性能を高める。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

容器体内に複数の放射性廃棄物収納し、放射性廃棄物を収納した状態で生じる隙間に充填材充填して、隙間を埋めてから蓋をするように構成された処分容器であって、前記充填材に光触媒又は酸化剤を添加することを特徴とする放射性廃棄物の処分容器。

請求項2

複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中処分施設埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項1に記載の処分容器を用いることを特徴とする放射性廃棄物の処分方法。

請求項3

複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を、その周囲を構成材で囲って地中に埋設処分する処分施設であって、前記構成材の一部または全部に光触媒又は酸化剤を添加することを特徴とする放射性廃棄物の処分施設。

請求項4

複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中の処分施設に埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項3に記載の処分施設を用いることを特徴とする放射性廃棄物の処分方法。

技術分野

0001

本発明は、放射性廃棄物地中埋設処分する放射性廃棄物の処分容器処分施設及び処分方法に関するものである。

背景技術

0002

原子力発電所等から排出された放射性廃棄物を地中に埋設処分する場合、一般に放射性廃棄物を処分容器に収納した状態で処分施設に埋設される。放射性廃棄物を処分容器に収納するとき、処分容器と放射性廃棄物、及び放射性廃棄物同士に隙間が生じるが、隙間にはセメント充填して、隙間を埋めてから処分容器の蓋をして埋設することが行われている。

0003

地中に埋設された放射性廃棄物は、長時間に亘って土壌地下水に曝されるうちに、処分容器が劣化し、放射性廃棄物中の放射性物質が処分容器外に放出される。従って、従来の放射性廃棄物の処分容器、処分施設及び処分方法では、放射性物質が、処分容器から放出されても、処分容器に充填されたセメント又は、処分施設を構成するセメント、粘土、あるいは処分施設をとりまく岩盤、土壌などに吸着され、地表に到達する放射性物質の量,速度が十分低減されるような設計となっている。

0004

しかしながら、放射性物質には無機系と有機系が存在し、放射性物質のうち有機系の放射性物質は、無機系の放射性物質に比べて、セメント等への吸着性能が悪いという問題があり、地表に到達する放射性物質の量,速度の低減を妨げる原因となっている。

0005

そこで、本発明では、有機系の放射性物質を無機化する材料である酸化剤あるいは光触媒を、処分容器への充填材あるいは処分施設の構成材料に添加することにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができる放射性廃棄物の処分容器、処分施設及び処分方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の放射性廃棄物を収納し、放射性廃棄物を収納した状態で生じる隙間に充填材を充填して、隙間を埋めてから蓋をするように構成された処分容器であって、前記充填材に光触媒又は酸化剤を添加することを特徴としている。

0007

上記構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中拡散した場合であっても、処分容器に充填された充填材の中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができる。

0008

請求項2の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中の処分施設に埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項1に記載の処分容器を用いることを特徴としている。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散した場合であっても、処分容器に充填された充填材の中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができる。

0009

請求項3の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中に埋設処分する処分施設であって、前記処分施設を構成する構成材に光触媒又は酸化物を添加することを特徴としている。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設に流入した場合であっても、処分施設の構成材中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができる。

0010

請求項4の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中の処分施設に埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項3に記載の処分施設を用いることを特徴としている。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設に流入した場合であっても、処分施設の構成材中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の実施の形態を図1ないし図3に基づいて以下に説明する。本発明の実施の形態に係る放射性廃棄物の処分方法は、図3に示すように、原子力発電所などから排出される放射性廃棄物を地層に埋設処分する地中の処分施設1において行われる。この処分施設1は、岩盤等からなる強固な地盤内に穴7(横穴もしくは縦穴)を形成し、穴7内に後述の放射性廃棄物6を収納した処分容器2を搬入して処分する。

0012

図1に示したものは、処分容器2の一例である。本発明の処分容器2の構成は、以下に説明する図1のものに限定される訳ではなく、種々の構成を適用することができる。図1においては、処分容器2は容器本体3と蓋5とを備えている。容器本体3には、放射性廃棄物6と充填材4とを収納する。処分容器2は、金属、コンクリートなどで形成されている。また、処分容器2の形状は、図1に示したような角型容器状のほか、様々な形状に形成してよい。

0013

容器本体3は、放射性廃棄物6及び充填材4を収納することができるように内部が空洞になっている。蓋5は、容器本体3の上面に配置されており、放射性廃棄物6を収納する場合に、蓋5を外して容器本体3の上面を開放することができる。また、容器本体3の内側には放射性廃棄物6を定間隔で収納することができるように、放射性廃棄物6の寸法にあわせたガイド6aが設置されている。

0014

放射性廃棄物6は、例えば、円筒容器型のキャニスタなどで構成され、キャニスタ内には原子力発電所などから廃棄処分される放射性物質が収容されている。また、放射性廃棄物6が、原子力発電所などから発生するスクラップの場合は、キャニスタに収納せずそのままの形で容器本体3に収納される。

0015

放射性廃棄物6は、処分容器2の蓋5を開放した状態で、容器本体3内に設けられたガイド6aに従って容器本体3に収納される。放射性廃棄物6を容器本体3に収納するとき、容器本体3と放射性廃棄物6の間、又は放射性廃棄物6同士の間に隙間が生じるが、この隙間には、充填材4を充填して、隙間を埋めてから蓋5をして、放射性廃棄物6を密封する。

0016

充填材4には、光触媒または酸化剤を添加する。充填材4の主成分としては、セメント、砂、珪砂等が考えられるが、光触媒のみ又は酸化剤のみを充填材4として用いても良い。また、充填材4は、放射性廃棄物6の周囲が光触媒又は酸化剤で覆われる様に処分容器2内に充填材4を充填する。

0017

処分施設1は、図2に示すように、穴7と、処分容器2と、構成材13とを備えている。構成材13は、コンクリート層8と、底壁部9と、ピット10と、側壁部11と、上壁部12とから構成されている。処分施設1は、まず、岩盤等からなる強固な地盤内に形成した穴7の内側全体をコンクリート層8で補強する。この後、穴7の底面にベントナイト系流動体等を敷き詰めて底壁部9を形成した後、底壁部9上にピット10をコンクリートの打設により形成し、ピット10内に、処分容器2を搬入する。そして、ピット10と穴7の側壁との間にベントナイト系流動体等を充填して側壁部11を形成した後、同様にベントナイト系流動体等により上壁部12を形成する。この後、ピット10の上方となる穴7の上側を、ベントナイト系流動体等を含む混合土で埋めることによって、処分施設1として完成する。

0018

処分施設1の構成材13には、光触媒または酸化剤を添加する。構成材13の主成分としては、セメント、砂、珪砂等が考えられるが、光触媒のみ又は酸化剤のみを構成材13として用いても良い。また、構成材13は、埋設する処分容器2の周囲が光触媒又は酸化剤で覆われる様に構成材13を配置する。即ち、処分施設1の構成材13の内、ピット10に光触媒又は酸化剤を添加するのが最適である。なお、底壁部9、側壁部11及び上壁部12にも同時に光触媒又は酸化剤を添加することが好ましい。更にコンクリート層8についても光触媒又は酸化剤を添加することが好ましい。

0019

光触媒は、有機系の放射性物質と接触する確率を向上させるために、顆粒状にして、処分容器2の充填材4または処分施設1の構成材13に数多く添加する。光触媒の材料としては、市販ベース光触媒用アナターゼ型またはルチル型酸化チタン粉末が例示される。アナターゼ型酸化チタンルチル型酸化チタンとも、光触媒活性を有し、本発明に用いることが可能であるが、放射性廃棄物の系によって適切な使い分けが必要である。一般的にアナターゼ型酸化チタンの方が光触媒活性が高いが、ルチル型酸化チタンの方が安定相であり、放射線損傷により分解されにくい特長がある。従って、本発明の実施の形態においては、長期的に少しずつ反応させて無機化するため、放射線損傷が激しい系の場合は、光触媒活性が低く、反応が遅くとも、長期的な安定性に優れたルチル型の方が有効である。

0020

また、酸化剤も、光触媒と同様、有機系の放射性物質と接触する確率を向上させるために、顆粒状にして処分容器2の充填材4または処分施設1の構成材13に数多く添加する。酸化剤の材料としては、Fe2O3、MnO2等が例示される。なお、処分容器2の充填材4に光触媒又は酸化剤を添加することと、処分施設1の構成材13に光触媒又は酸化剤を添加することとは、何れか一方が採用されていてもよいし、両方が採用されていてもよい。

0021

次に、上記の構成において、処分容器2の充填材4に光触媒を添加した場合の概略的な作用について説明する。

0022

長期的に処分容器2を地中の処分施設1において保存していると、長期間に亘って土壌や地下水に曝されるうちに、図4に示すように、処分容器の腐食あるいは変質が進行し、容器が破損するなど、処分容器2が劣化する。劣化した処分容器2の破損部分から地下水が処分容器2の中に流入すると、有機系の放射性物質を含んだ放射性廃棄物6中の放射性物質が地下水に溶け込む。すると、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、放射性廃棄物6の近傍に配置されている充填材4の中に含まれる光触媒の表面に到達する。光触媒には、有機系の放射性物質、処分容器2の中に存在する他の放射性物質、あるいは処分施設1の中に存在する他の放射性物質から放射線が供給され、触媒効果を発揮し、触媒表面に接触した有機系の放射性物質を酸化分解し、CO2、H2Oなどの無機質に分解する。

0023

また、上記の構成において、処分施設1の構成材13に光触媒を添加した場合の概略的な作用について説明する。

0024

長期的に処分容器2を処分施設1において保存すると、上述の場合と同様に処分容器2が劣化する。劣化した処分容器2の破損部分から地下水が処分容器2の中に流入し、有機系の放射性物質を含んだ放射性廃棄物6中の放射性物質が地下水に溶け込む。すると、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設1に流入し、処分施設の構成材13の中に含まれる光触媒の表面に到達する。光触媒には、有機系の放射性物質、処分容器2の中に存在する他の放射性物質、あるいは処分施設1の中に存在する他の放射性物質から放射線が供給され、触媒効果を発揮し、触媒表面に接触した有機系の放射性廃棄物を酸化分解し、CO2、H2Oなどの無機質に分解する。

0025

次に、上記の構成において、処分施設1の構成材13に酸化剤を添加した場合の概略的な作用について説明する。

0026

長期的に処分容器2を処分施設1において保存すると、上述の場合と同様に処分容器2が劣化する。劣化した処分容器2の破損部分から地下水が処分容器2の中に流入し、有機系の放射性物質を含んだ放射性廃棄物6中の放射性物質が地下水に溶け込む。すると、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設1に流入し、処分施設の構成材13の中に含まれる酸化剤の表面に到達する。酸化剤は、酸化剤表面に接触した有機系の放射性物質を酸化分解し、CO2(CO32-)、H2Oなどの無機質に分解する。

0027

更に、上記の構成において、処分容器2の充填材4に酸化剤を添加した場合の概略的な作用について説明する。

0028

長期的に処分容器2を処分施設1において保存すると、上述の場合と同様に処分容器2が劣化する。劣化した処分容器2の破損部分から地下水が処分容器2の中に流入し、有機系の放射性物質を含んだ放射性廃棄物6中の放射性物質が地下水に溶け込む。すると、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、放射性廃棄物6の近傍に配置されている充填材4に含まれる酸化剤の表面に到達する。酸化剤は、酸化剤表面に接触した有機系の放射性物質を酸化分解し、CO2(CO32-)、H2Oなどの無機質に分解する。

0029

以上のように、本実施の形態に係る放射性廃棄物の処分方法によると、例えば、構成される炭素原子放射性のC−14であるメタノールが有機系の放射性物質である場合、本作用により、C−14はCO2の形態に変換され、処分容器2の充填材4、若しくは処分施設1の構成材13に含まれるCa(OH)2に吸着され、CaCO3となり地上に放出されない状態にすることができる。

0030

また、処分容器2の充填材4に光触媒又は酸化剤を添加した場合は、充填材4は放射性廃棄物6を直接取り囲んでいるため、地下水に溶け込んだ有機系の放射性物質が光触媒あるいは酸化剤と接触する確率が高い。即ち、少ない光触媒あるいは酸化剤の量で高い効果を得ることができる。

0031

更に、処分容器2の充填材4あるいは処分施設1の構成材13に光触媒を添加した場合は、光触媒は、放射線が存在する間は酸化作用を継続することができるため、反応により消費され時間の経過とともに効果が低下する他の酸化剤と比べると、C−14のような半減期の長い放射性物質を含む有機系の放射性物質に対しては、特に有効である。なお、放射性物質の線質α線β線のように透過性が悪く、遠くからでは光触媒にエネルギーを供給することができない場合でも、有機系の放射性物質自身が放射線を放ち、しかも触媒に接触した状態で放射線を放つため、線質がα線やβ線であっても触媒効果が発揮される。

0032

以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、光触媒として市販ベースの光触媒用アナターゼ型及びルチル型の酸化チタン粉末を用いているが、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンの皮膜を付与した、ステンレス鋼チタンなどの金属材料を用いても良い。このような金属材料は、網状、線状にして、処分容器への充填材中に添加したり、処分施設の構成材料の一部とすることができる。

0033

また、金属材料への光触媒膜形成は、チタンアルコキシドなどの有機系チタン化合物を塗布して500℃前後で焼成する方法が一般的で、アナターゼ型酸化チタン膜が形成される。この場合、コストが比較的安価なため、放射線損傷があまり激しくない系の場合は有効である。

0034

更に、チタンを主成分とする金属ターゲットカソードとし、酸素含有雰囲気アーク放電させて成膜する方法(アークイオンブレティングAIP)により形成される酸化チタンは、柱状結晶ルチル型酸化チタン膜が得られ、特にルチル型酸化チタンの<110>方向が光触媒膜表面に垂直になるように強配向した場合は、放射線照射下でも安定なルチル型酸化チタンでありながら、アナターゼ型酸化チタンに匹敵する光触媒活性を実現でき、放射線損傷が激しい系の場合に有効である。

0035

尚、本発明においては、処分施設の構成材あるいは処分容器の充填材に添加する材料として、光触媒あるいは酸化剤を用いることを提案しているが、処分施設の有機物低級アルコールなど)の無機化には、光触媒を使用する方が酸化剤を使用するよりも優れている。これは、例えばメタノールの無機化(炭酸化)反応に関し(CH3OH+4OH-+CO32-+2H2O+2e-)、MnO2などの酸化剤が一般的に用いられるが、これらの反応は酸化剤が還元されることによって、メタノールを無機化することとなる。従って、酸化剤の還元により処分施設の環境が変化する可能性、特に酸化還元電位が変化する可能性がある。また、酸化剤は処分施設の環境のような低Eh条件下ではメタノール無機化反応以外に天然に存在する還元材と反応して消費されてしまう。即ち、酸化剤の長期保持性能に期待することが難しく、半減期が長い放射性物質(例えばC−14は5730年)に対しては、長期間酸化機能を有する必要があり問題となる。一方、光触媒は、放射線を利用した触媒であることから分解対象放射性核種が存在する期間中触媒性能発現は可能であり、触媒自体化学変化しないことから処分施設の環境変化への影響はない。

発明の効果

0036

以上説明したように、請求項1の発明は、複数の放射性廃棄物を収納し、放射性廃棄物を収納した状態で生じる隙間に充填材を充填して、隙間を埋めてから蓋をするように構成された処分容器であって、前記充填材に光触媒又は酸化剤を添加する構成である。

0037

上記構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散した場合であっても、処分容器に充填された充填材の中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができるという効果を奏する。

0038

請求項2の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中の処分施設に埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項1に記載の処分容器を用いる構成である。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散した場合であっても、処分容器に充填された充填材の中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができるという効果を奏する。

0039

請求項3の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中に埋設処分する処分施設であって、前記処分施設を構成する構成材に光触媒又は酸化物を添加する構成である。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設に流入した場合であっても、処分施設の構成材中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができるという効果を奏する。

0040

請求項4の発明は、複数の放射性廃棄物を収容した処分容器を地中の処分施設に埋設処分する放射性廃棄物の処分方法であって、請求項3に記載の処分施設を用いる構成である。上記の構成によれば、処分容器の劣化により地下水が処分容器の中に流入し、有機系の放射性物質が地下水に溶け込んで、有機系の放射性物質が地下水中を拡散し、地下水が処分施設に流入した場合であっても、処分施設の構成材中の光触媒又は酸化剤に接触することによって酸化分解され、CO2、H2Oなどの無機質に分解されることにより、地表に到達する放射性物質の量,速度を低減させることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0041

図1処分容器を示した斜視図であり、処分容器の一部を破断して示したものである。
図2処分施設の穴の縦断面図である。
図3処分施設の全体を示した概略図である。
図4処分容器の腐食による地下水接触の過程を示した概略図である。

--

0042

1処分施設
2処分容器
3容器本体
4充填材
5 蓋
6放射性廃棄物
13 構成材

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