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技術 TiAl系合金の表面処理方法及びTiAl系合金

出願人 株式会社イオン工学研究所株式会社IHI
発明者 李向陽朱耀燦藤田和久岩本信也谷口滋次中川精和松永康夫
出願日 2001年9月27日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2001-297029
公開日 2003年4月9日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2003-105539
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着
主要キーワード 自動車用過給機 TiAl金属間化合物 オージェ電子分光分析装置 Nb層 TiAl合金 試料加熱 Al拡散 浸透処理
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

耐高温酸化性を向上させることができるTiAl系合金表面処理方法を提供する。

解決手段

TiAl系合金にNbを含む層11とCを含む層12とを有する被膜を形成する。

概要

背景

TiAl系金属間化合物(以下、TiAlと称する)は、航空機エンジンや、自動車エンジンターボチャージャーなどへの利用が検討されている。例えば、近年、自動車のCO2排出規制対応及び省エネルギー化のため、使用温度高温化に適した軽量なエンジン用ターボチャージャー(過給機)の開発が急がれている。このような次世代の自動車用過給機ローター用材料として、軽くて高温強度に優れたTiAl系合金が有望視されている。

概要

耐高温酸化性を向上させることができるTiAl系合金の表面処理方法を提供する。

TiAl系合金にNbを含む層11とCを含む層12とを有する被膜を形成する。

目的

本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、耐高温酸化性を向上させることができるTiAl系合金の表面処理方法、及び高い耐高温酸化性を有するTiAl系合金を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

TiAl系合金にNbを含む層とCを含む層とを有する被膜を形成することを特徴とするTiAl系合金の表面処理方法

請求項2

イオン注入により前記被膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のTiAl系合金の表面処理方法。

請求項3

室温でNbイオン注入を行う工程と、室温でCイオンの注入を行う工程とを有することを特徴とする請求項2に記載のTiAl系合金の表面処理方法。

請求項4

Nbを含む層とCを含む層とを有する被膜が形成されていることを特徴とするTiAl系合金。

技術分野

0001

本発明は、TiAl系合金表面処理方法に関するものである。

背景技術

0002

TiAl系金属間化合物(以下、TiAlと称する)は、航空機エンジンや、自動車エンジンターボチャージャーなどへの利用が検討されている。例えば、近年、自動車のCO2排出規制対応及び省エネルギー化のため、使用温度高温化に適した軽量なエンジン用ターボチャージャー(過給機)の開発が急がれている。このような次世代の自動車用過給機ローター用材料として、軽くて高温強度に優れたTiAl系合金が有望視されている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、TiAlは耐高温酸化性の点から使用可能上限温度が973K(700℃)近傍となっており、適用可能範囲は排ガス温度の低いディーゼルエンジンに限られている。ガソリンエンジン用過給機では使用温度が1073〜1123K(800〜850℃)となるので、TiAlを適用するためには耐高温酸化性を改善する必要がある。

0004

TiAlの耐高温酸化性向上を目的として、これまでに低酸素分圧熱処理Al拡散浸透処理等が試みられているが、いずれも保護性酸化被膜剥離表面処理層割れなどの問題があり、決定的な改善策には至っていないのが現状である。一方、二元系TiAlに微量の高融点金属イオン注入することで耐高温酸化性が大幅に改善されるとの報告がなされているものの、さらなる耐高温酸化性の向上が望まれている。

0005

本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、耐高温酸化性を向上させることができるTiAl系合金の表面処理方法、及び高い耐高温酸化性を有するTiAl系合金を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するため、本発明のTiAl系合金の表面処理方法は、TiAl系合金にNb(ニオブ)を含む層とC(炭素)を含む層とを有する被膜を形成することを特徴とする。この場合において、イオン注入により前記被膜を形成するとよい。また、この場合、室温でNbイオンの注入を行う工程と、室温でCイオンの注入を行う工程とを有するとよい。上記のTiAl系合金の表面処理方法によれば、TiAlにNbとCとの双方を含む被膜を形成することにより、TiAlの耐高温酸化性を向上させることができる。

0007

また、本発明のTiAl系合金は、Nbを含む層とCを含む層とを有する被膜が形成されていることを特徴とする。上述したように、NbとCとを含む被膜が形成されていることから、上記のTiAl系合金は、高い耐高温酸化性を有する。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明について詳しく説明する。本発明のTiAl系合金の表面処理方法は、イオン注入により、TiAl系合金にNb層C層とを含む被膜を形成する。本例では、室温でNbイオンの注入を行った後、室温でCイオンの注入を行う。

0009

図1は、上記表面処理方法によって被膜が形成されたTiAlの表面組織の一例を模式的に示している。図1の例では、TiAl基材10の最表面にNbの濃縮した層11が生成され、その下にCの濃縮した層12が生成されている。

0010

図2は、図1に示したTiAlを高温酸化した際の表面組織の様子の一例を模式的に示している。上記被膜が形成されたTiAlでは、高温酸化時、CとTiの濃縮層(Ti−C濃縮層)22と、Nbを含む酸化物層(Tiの酸化物の中にTiとNbを多く含んだ層)23とが生成される。図2(a)の例では、Al酸化物層(アルミナ保護被膜)21の内側にTi−C濃縮層22が生成され、その外側にNbを含む酸化物層23とが生成されている。図2(b)の例では、Al酸化物層(アルミナ保護被膜)21の内側と外側とにTi−C濃縮層22が生成され、最外側にNbを含む酸化物層23とが生成されている。そして、Ti−C濃縮層によりTiAl基材20への酸素拡散が抑制されるとともに、酸化物層中のNbにより酸素の透過が抑制され、これらにより、TiAlの耐高温酸化性が向上すると考えられる。

0011

TiAl系合金において、V(バナジウム)を含むことにより、耐高温酸化性が低下する恐れがあるものの、本例のように被膜を形成することで、高い耐高温酸化性を得ることができる。なお、図1または2に示した表面組織の構造は一例であって本発明はこれに限定されない。

0012

次に、Alを48mol% 、Moを0.3〜3mol% 、Vを0.3〜3mol% 、Siを0.3〜3mol% 含有し、残部がTiと不可避的不純物からなる組成を有する既存のTiAl金属間化合物(以下、TiAl(Mo-V-Si))の鋳造材を用い、これにNb+注入(比較例1)、C+ 注入(比較例2)、Nb+ の注入後C+ 注入(実施例)、Mo+ の注入後C+ 注入(比較例3)の4種類のイオン注入を行った。

0013

表1にイオンの注入条件を示す。イオン注入は、試料真空チャンバ内にセットし、真空度を1.0×10-6torr以下まで真空引きした後、表1に示す各条件で行った。なお、イオン注入の際に、外部による試料加熱または冷却処理は行っていない。

0014

0015

イオン注入後の試料について、オージェ電子分光分析装置AES;Auger Electron Spectroscopy)を用いて、深さ方向の元素濃度分布分析を行ったところ、比較例1(室温Nb+注入)では、Nbはある深さに濃度ピークを持つほぼガウス分布を示した。比較例2(室温C+ 注入)では、C元素はある深さに濃度ピークを持つほぼガウス分布を示した。実施例(室温Nb+ の注入後室温C+ 注入)では、Nb及びC元素はそれぞれの単独イオン注入の場合(比較例1,2)とほぼ同様な濃度分布を示し、最表面に数十μmのNbの濃縮した層を生じ、その下にCの濃縮した層を生じた。すなわち、実施例において、TiAlにNb濃縮層とC濃縮層とを含む被膜が形成されたことが認められた。

0016

次に、試料の耐高温酸化性を評価するために、自動車の排気ガス模擬した環境中での繰り返し酸化試験を実施した。試験は、図3に示すような炉内環境を制御できる繰り返し酸化装置を用いた。雰囲気自動車用排気ガスを模擬した組成(7%CO2 、6%H2 O、10%02 、Bal.N2 )とした。試験は1123K(850℃)×5時間(加熱:18ksec)、室温×1時間(冷却:3.6ksec)のサーマルサイクル負荷した繰り返し酸化試験とした。繰り返し数は最大100サイクル(1800ksec)とした。繰り返し酸化中に定期的に試料の酸化による重量増加を測定するとともに、試験終了後の試料の外観観察を行った。

0017

上記繰り返し酸化試験の結果を図4に示す。比較例1(室温Nb+注入)では、無注入のTiAlに比べて1/2以上の酸化増量を生じ、高温酸化抑制効果は十分でなかった。比較例2(室温C+ 注入)では、無注入のTiAlと同程度の酸化増量を示し、高温酸化抑制効果は認められなかった。これに対して、実施例(室温Nb+ の注入後室温C+ 注入)では、高い高温酸化抑制効果を示し、試験後の外観でも顕著な酸化は観察されなかった。比較例3(室温Mo+ の注入後室温C+ 注入)では、無注入のTiAlに比べて高温酸化速度は減少するものの、実施例(室温Nb+ の注入後室温C+ 注入)のような耐高温酸化性の大幅な向上は認められなかった。これは、高温酸化抑制にNbとCの両方の存在が関与していることを示唆している。

0018

また、実施例(室温Nb+ の注入後室温C+ 注入)について、100サイクル(1800ksec)の繰り返し酸化試験後、AESを用いて、深さ方向の元素濃度分布の分析を行った。その結果を図5に示す。上記試験後、実施例では、Al酸化物層(アルミナ保護被膜)の外側にCとTiの濃縮層(Ti−C濃縮層)が認められ、さらに外側にNbを含む酸化物層が認められた。NbとCの両方の存在が耐高温酸化性にどのように関与しているかは現段階では十分に明らかにされていないものの、Ti−C濃縮層により基材への酸素の拡散が抑制されるとともに、表面付近の酸化物層中に含まれるNbにより酸素の透過が抑制されていると考えられる。

0019

なお、NbとCとを含む被膜の効果は上記例に示した組成のTiAl系合金に限らず、他の組成のTiAlや2元系TiAl合金においても成立すると考えられる。

発明の効果

0020

以上説明したように、本発明の表面処理方法によれば、Nbを含む層とCを含む層とを有する被膜が形成されることにより、TiAl系合金の耐高温酸化性を向上させることができる。また、本発明のTiAl系合金は、Nbを含む層とCを含む層とを有する被膜が形成されていることから、高い耐高温酸化性を有する。

図面の簡単な説明

0021

図1本発明の表面処理方法によって被膜が形成されたTiAlの表面組織の一例を模式的に示す図である。
図2図1に示したTiAlを高温酸化した際の表面組織の様子の一例を模式的に示す図である。
図3耐高温酸化性を評価するための繰り返し酸化装置を示す図である。
図4繰り返し酸化試験の結果を示す図である。
図5繰り返し酸化試験後のAESによる深さ方向の元素濃度分布の分析結果を示す図である。

--

0022

10、20 TiAl基材
11 Nb濃縮層
12 C濃縮層
21Al酸化物層
22 Ti−C濃縮層
23 Nb含有酸化物

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