図面 (/)

技術 回転翼機の回転しているロータブレードがブレード後流渦と衝突するのを回避する方法及びその方法を実行するための装置

出願人 ユーロコプター・ドイッチェランド・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
発明者 マリウス・ベベゼルラインハルト・ポングラッツディーター・ロス
出願日 2002年9月9日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2002-263103
公開日 2003年4月9日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2003-104296
状態 特許登録済
技術分野 飛行船・気球・飛行機
主要キーワード ロータ機構 信号特性値 降下角 後縁近傍 ブレード通過周波数 ループ形 捻り運動 ステップ方式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

少なくとも1つの制御部を備えた信号処理装置によって、回転翼機ロータブレード空力パラメータを制御して、ロータブレードがブレード後流渦衝突するのを回避する。

解決手段

信号処理装置1が、ロータブレードに設けた駆動制御機構6を制御するようにしてあり、前記信号処理装置1が少なくとも1つの閉ループの制御部4を含んでおり、該制御部4がスレショルド値判定部3に接続されており、該スレショルド値判定部3がBVI判定部2に接続されており、該BVI判定部2が、前記回転翼機9の前記ロータに設けた回転センサ12に接続されており、前記制御部4または前記スレショルド値判定部3が、飛行状態判別部5に接続されている。

概要

背景

回転翼機は、また特にヘリコプタは、かなり大きな騒音を発生する。この大きな騒音は、互いに重なり合って干渉し合う幾つもの騒音源から発生している。かかる騒音源には、例えば、メインロータブレードエンジン系主動力伝達系尾部ロータなどがある。それら騒音源のうちのどれが主たる騒音源になるかは、ヘリコプタの飛行状態によって異なる。特に、ヘリコプタが降下飛行しているとき、ないしは着陸時には、回転しているメインロータブレードが、それらの状態における代表的な騒音源となる。

ロータブレードが回転しているときには、各々のブレード後縁近傍に非常に強い渦が発生しており、発生した渦は、ブレードの先端から、一条渦糸となって放出される。これによって、いわゆる「ブレード後流渦」(Wirbelschleppe)が発生する。ロータブレードが回転しているときに、先行ブレードの後流渦に後続ブレード衝突することを、ブレード後流渦の干渉作用といい、当業者の間では、ブレード・ボルテックスインターアクション(BVI)という用語でこれを言い表している。以下の説明では、この「BVI」という用語を使用する。ロータブレードが回転していることから、ブレード後流渦はループ形状となり、ヘリコプタが前進飛行しているときには、ブレード後流渦は常にそのヘリコプタの後方下方に位置している。

ところが、降下飛行時ないしは着陸時であって、そのときの降下角が比較的緩やかであるという状況では、ブレード後流渦の位置はそのようにならない。そのような状況では、ヘリコプタがブレード後流渦を追いかける形となり、しかも、ロータブレードが高速で回転しているために、先行ブレードが発生した後流渦に後続のブレードが次々と衝突して行くことになる。このように、先行ブレードの後流渦に後続ブレードが衝突することにより、大きな圧力変動が発生する。そして、それによって、ヘリコプタの降下飛行時ないし着陸時に特有騒音発生現象生起する。更に、後流渦にブレードが衝突することによって、そのブレードの迎え角の変動も発生し、この迎え角の変動は、低周波数及び高周波数スペクトルを有するものである。

現今のヘリコプタの開発作業においては、降下飛行時ないし着陸時に生起するこのような騒音源を排除しようとする努力が払われている。しかしながら、その方式は、BVIの動的挙動がいかなるものであるかが、予め高い信頼性をもって把握されていることを必要条件としている。即ち、BVIを高精度で計測及び判別することができ、且つ、BVIの発生位置を高精度で検出することができるのでなければ、その方式では騒音を好適に抑制することができない。

降下飛行時ないし着陸時に発生するBVIを計測するための方法として、幾つかのヘリコプタの試作機では、そのロータブレードに、空気圧計測機構組込むということが行われている。これは、空気圧の変動を計測することによって、騒音を感知するようにしたものである。

騒音抑制手段によって良好に騒音を抑制するためには、BVIの発生状態を、高精度で計測及び判別し、且つ、BVIの発生位置を高精度で検出するという作業を、継続的に実行することができなければならない。ここでいう騒音抑制手段は、先行ブレードの後流渦に後続ブレードが衝突するのを回避するための手段である。これを回避するためには、例えば、スウォッシュプレート斜板カム)をアクチュエータで操作してロータブレードの迎え角を変化させるという方法を用いることができ、この方法を用いれば、剛体制御ロッドを使用せずに済む。

更に、ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすためのまた別の手段として、駆動制御機構によって角度位置を変えられるようにしたフラップを、ロータブレードの後縁に設けるようにしてもよい。

更に、駆動制御機構(アクチュエータ)によって翼断面形状を変化させることができるようにした、翼形状可変ロータブレードを使用することによっても、ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすことができる。

計測機構から送出される信号は、信号処理装置へ供給され、この信号制御装置は、制御部を備えている。

駆動制御機構は、この制御部によって制御されて、駆動制御動作を実行する。この駆動制御動作は、例えば、例えば、ロータブレードの迎え角を変化させるというものであり、この動作を、目標値と実測値との差が小さくなるようにすることで実行し、それによって騒音が抑制される。

ただし、ここで重要な問題となるのは、信号処理をどのようにして行えば、ロータブレードの空力パラメータが、後流渦にブレードが衝突するのを回避できる状態になっているか否かを判別できるのかということである。この問題を十分に論じた従来技術は存在していない。

例えば、従来のBVI騒音を低減させる方法に、ヘリコプターローターブレードのBVI騒音を低減させるに際し、ローターブレードの前縁と後縁との間に、そのローターブレードの上面および下面の各々に対しその面から突出する位置と突出しない位置との間で概略上下方向に進退移動し得るスポイラーを設けるとともに、ヘリコプターの機体に対して回転する、ローターブレードを含むローター系に、スポイラーを進退移動させるアクチュエーターを設け、ローターブレードの回転タイミングまたは振動数に対応してスポイラーが進退移動するようにアクチュエーターを作動させることを特徴とするものがある。(特許文献1参照)しかしながら、特許文献1記載のものでは、信号処理をどのようにして行えば、ロータブレードの空力パラメータが、後流渦にブレードが衝突するのを回避できる状態になっているか否かを判別できるのかという問題を解決していない。

概要

少なくとも1つの制御部を備えた信号処理装置によって、回転翼機のロータブレードの空力パラメータを制御して、ロータブレードがブレード後流渦に衝突するのを回避する。

信号処理装置1が、ロータブレードに設けた駆動制御機構6を制御するようにしてあり、前記信号処理装置1が少なくとも1つの閉ループの制御部4を含んでおり、該制御部4がスレショルド値判定部3に接続されており、該スレショルド値判定部3がBVI判定部2に接続されており、該BVI判定部2が、前記回転翼機9の前記ロータに設けた回転センサ12に接続されており、前記制御部4または前記スレショルド値判定部3が、飛行状態判別部5に接続されている。

目的

本発明の目的は、少なくとも1つの制御部を備えた信号処理装置によって、回転翼機のロータブレードの空力パラメータ(例えば、ブレードの迎え角の変化量やブレードの翼断面形状の変化量)を制御して、ロータブレードがブレード後流渦に衝突するのを回避することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

回転翼機の回転しているロータブレードブレード後流渦衝突するのを回避する方法において、前記回転翼機に設けた計測機構(7、8)により、騒音信号スペクトル感知して電気信号に変換し、該電気信号を信号処理装置(1)へ供給して制御信号を出力させるようにし、該制御信号は、前記ロータブレードに設けた駆動制御機構(6)を制御して前記ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすものであり、前記信号処理装置(1)において、BVI指数を判定するためのBVI判定部(2)により、前記騒音信号スペクトルを表している前記電気信号から、ブレード通過周波数高調波の量を求め、更に、BVIに特有の高調波の量と高調波の全体量との比の値の平均値を、信号の特性を表す信号特性値として算出し、該信号特性値をスレショルド値判定部(3)へ供給するようにし、前記スレショルド値判定部(3)は、BVIの発生時には、スレショルド値を超えたことを表す出力を発生し、それによって閉ループの制御部(4)が動作を開始するようにしてあり、前記制御部(4)は、最適化プロセスを実行することによって、BVI指数を最小にするものであり、BVI指数が最小である状態が一時的に持続したときには、前記スレショルド値判定部(3)または前記制御部(4)が、飛行状態判別部(5)からデータを受取り、BVIを発生させる特有の飛行状態ではない飛行状態にあるならば、前記制御部(4)が非活動化されてスタンバイ状態に切換わるようにしていることを特徴とする方法。

請求項2

前記BVI判定部(2)において、サンプリングタイムごとに前記計測機構(7、8)から得られる時間−圧力のスペクトルに基づいて、最小化アルゴリズム反復実行することによって、計測信号としての音圧信号近似的な形で合成により形成することを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項3

前記BVI判定部(2)において、サンプリングタイムごとに近似的な形で形成される音圧信号に基づいて、ブレード通過周波数の高調波の量を求めるようにし、前記ブレード通過周波数は、前記回転翼機(9)の前記ロータに設けた回転センサ(12)から、前記BVI判定部(2)へ供給されていることを特徴とする請求項2記載の方法。

請求項4

前記BVI判定部(2)において、BVIに特有の周波数領域から、BVIに特有の高調波の量を求めることを特徴とする請求項3記載の方法。

請求項5

前記BVI判定部(2)において、BVIに特有の高調波の量と、時間−音圧のスペクトルの高調波の量との、比の値を求めることを特徴とする請求項3又は4記載の方法。

請求項6

前記比の値を、その数値に応じて、BVI指数として分類することを特徴とする請求項5記載の方法。

請求項7

前記比の値の1つ1つが発生するごとに、該比の値の時間的平均値を求め、その求めた平均値を、信号特性値として、前記スレショルド値判定部(3)へ供給することを特徴とする請求項5記載の方法。

請求項8

前記スレショルド値判定部(3)が、BVIの発生の有無を判定するための少なくとも1つのスレショルド値と、BVI指数が最小値に到達した後に再度増大したこと表すスレショルド値とを有することを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項9

前記制御部(4)が、スレショルド値に基づいた閉ループの制御動作を実行するようにしてあり、更に、前記制御部(4)が実行するプロセスが、最適化プロセスを含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項10

請求項1記載の方法を実行するための、回転翼機の回転しているロータブレードがブレード後流渦と衝突するのを回避する装置において、信号処理装置(1)が、ロータブレードに設けた駆動制御機構(6)を制御するようにしてあり、前記信号処理装置(1)が少なくとも1つの閉ループの制御部(4)を含んでおり、該制御部(4)がスレショルド値判定部(3)に接続されており、該スレショルド値判定部(3)がBVI判定部(2)に接続されており、該BVI判定部(2)が、前記回転翼機(9)の前記ロータに設けた回転センサ(12)に接続されており、前記制御部(4)または前記スレショルド値判定部(3)が、飛行状態判別部(5)に接続されていることを特徴とする装置。

技術分野

0001

本発明は、回転翼機の回転しているロータブレードブレード後流渦衝突するのを回避する方法に関し、この方法は、回転翼機に設けた計測機構によって騒音信号スペクトル感知して電気信号に変換し、その電気信号を信号処理装置へ供給して制御信号を出力させるようにした方法であり、その制御信号は、ロータブレードに設けた駆動制御機構を制御して、ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすものである。

背景技術

0002

回転翼機は、また特にヘリコプタは、かなり大きな騒音を発生する。この大きな騒音は、互いに重なり合って干渉し合う幾つもの騒音源から発生している。かかる騒音源には、例えば、メインロータブレードエンジン系主動力伝達系尾部ロータなどがある。それら騒音源のうちのどれが主たる騒音源になるかは、ヘリコプタの飛行状態によって異なる。特に、ヘリコプタが降下飛行しているとき、ないしは着陸時には、回転しているメインロータブレードが、それらの状態における代表的な騒音源となる。

0003

ロータブレードが回転しているときには、各々のブレードの後縁近傍に非常に強い渦が発生しており、発生した渦は、ブレードの先端から、一条渦糸となって放出される。これによって、いわゆる「ブレード後流渦」(Wirbelschleppe)が発生する。ロータブレードが回転しているときに、先行ブレードの後流渦に後続ブレードが衝突することを、ブレード後流渦の干渉作用といい、当業者の間では、ブレード・ボルテックスインターアクション(BVI)という用語でこれを言い表している。以下の説明では、この「BVI」という用語を使用する。ロータブレードが回転していることから、ブレード後流渦はループ形状となり、ヘリコプタが前進飛行しているときには、ブレード後流渦は常にそのヘリコプタの後方下方に位置している。

0004

ところが、降下飛行時ないしは着陸時であって、そのときの降下角が比較的緩やかであるという状況では、ブレード後流渦の位置はそのようにならない。そのような状況では、ヘリコプタがブレード後流渦を追いかける形となり、しかも、ロータブレードが高速で回転しているために、先行ブレードが発生した後流渦に後続のブレードが次々と衝突して行くことになる。このように、先行ブレードの後流渦に後続ブレードが衝突することにより、大きな圧力変動が発生する。そして、それによって、ヘリコプタの降下飛行時ないし着陸時に特有騒音発生現象生起する。更に、後流渦にブレードが衝突することによって、そのブレードの迎え角の変動も発生し、この迎え角の変動は、低周波数及び高周波数のスペクトルを有するものである。

0005

現今のヘリコプタの開発作業においては、降下飛行時ないし着陸時に生起するこのような騒音源を排除しようとする努力が払われている。しかしながら、その方式は、BVIの動的挙動がいかなるものであるかが、予め高い信頼性をもって把握されていることを必要条件としている。即ち、BVIを高精度で計測及び判別することができ、且つ、BVIの発生位置を高精度で検出することができるのでなければ、その方式では騒音を好適に抑制することができない。

0006

降下飛行時ないし着陸時に発生するBVIを計測するための方法として、幾つかのヘリコプタの試作機では、そのロータブレードに、空気圧計測機構を組込むということが行われている。これは、空気圧の変動を計測することによって、騒音を感知するようにしたものである。

0007

騒音抑制手段によって良好に騒音を抑制するためには、BVIの発生状態を、高精度で計測及び判別し、且つ、BVIの発生位置を高精度で検出するという作業を、継続的に実行することができなければならない。ここでいう騒音抑制手段は、先行ブレードの後流渦に後続ブレードが衝突するのを回避するための手段である。これを回避するためには、例えば、スウォッシュプレート斜板カム)をアクチュエータで操作してロータブレードの迎え角を変化させるという方法を用いることができ、この方法を用いれば、剛体制御ロッドを使用せずに済む。

0008

更に、ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすためのまた別の手段として、駆動制御機構によって角度位置を変えられるようにしたフラップを、ロータブレードの後縁に設けるようにしてもよい。

0009

更に、駆動制御機構(アクチュエータ)によって翼断面形状を変化させることができるようにした、翼形状可変ロータブレードを使用することによっても、ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすことができる。

0010

計測機構から送出される信号は、信号処理装置へ供給され、この信号制御装置は、制御部を備えている。

0011

駆動制御機構は、この制御部によって制御されて、駆動制御動作を実行する。この駆動制御動作は、例えば、例えば、ロータブレードの迎え角を変化させるというものであり、この動作を、目標値と実測値との差が小さくなるようにすることで実行し、それによって騒音が抑制される。

0012

ただし、ここで重要な問題となるのは、信号処理をどのようにして行えば、ロータブレードの空力パラメータが、後流渦にブレードが衝突するのを回避できる状態になっているか否かを判別できるのかということである。この問題を十分に論じた従来技術は存在していない。

0013

例えば、従来のBVI騒音を低減させる方法に、ヘリコプターローターブレードのBVI騒音を低減させるに際し、ローターブレードの前縁と後縁との間に、そのローターブレードの上面および下面の各々に対しその面から突出する位置と突出しない位置との間で概略上下方向に進退移動し得るスポイラーを設けるとともに、ヘリコプターの機体に対して回転する、ローターブレードを含むローター系に、スポイラーを進退移動させるアクチュエーターを設け、ローターブレードの回転タイミングまたは振動数に対応してスポイラーが進退移動するようにアクチュエーターを作動させることを特徴とするものがある。(特許文献1参照)しかしながら、特許文献1記載のものでは、信号処理をどのようにして行えば、ロータブレードの空力パラメータが、後流渦にブレードが衝突するのを回避できる状態になっているか否かを判別できるのかという問題を解決していない。

0014

特開2001−191995号公報

発明が解決しようとする課題

0015

本発明の目的は、少なくとも1つの制御部を備えた信号処理装置によって、回転翼機のロータブレードの空力パラメータ(例えば、ブレードの迎え角の変化量やブレードの翼断面形状の変化量)を制御して、ロータブレードがブレード後流渦に衝突するのを回避することにある。

課題を解決するための手段

0016

上記目的は、方法に関しては、請求項1に記載した構成要件によって達成される。請求項10は、請求項1に記載の方法を実行するための装置の構成要件を記載したものである。

0017

即ち、請求項1に記載の方法は、回転翼機の回転しているロータブレードがブレード後流渦と衝突するのを回避する方法において、前記回転翼機に設けた計測機構により、騒音信号スペクトルを感知して電気信号に変換し、該電気信号を信号処理装置へ供給して制御信号を出力させるようにし、該制御信号は、前記ロータブレードに設けた駆動制御機構を制御して前記ロータブレードの空力パラメータに影響を及ぼすものであり、信号処理装置は、BVI指数を判定するためのBVI判定部を備えている。このBVI判定部において、騒音信号スペクトルを表している電気信号から、ブレード通過周波数高調波の量を判定する。更に、このBVI判定部において、BVIに特有の高調波の量と高調波の全体量との比の値の平均値を、信号の特性を表す信号特性値として算出する。この比の値の平均値は、BVI指数の値の平均値である。このBVI指数の値の平均値を、信号特性値として、スレショルド値判定部へ供給する。スレショルド値判定部は、BVIの発生時には、スレショルド値を超えたことを表す出力を発生し、それによって、閉ループの制御部が動作を開始するようにしてある。制御部は、最適化プロセスを実行することによって、BVI指数を最小にする。BVI指数が最小である状態が一時的に持続したときには、スレショルド値判定部または制御部が、飛行状態判別部からデータを受取り、BVIを発生させる特有の飛行状態ではない飛行状態にあるならば、制御部が非活動化されてスタンバイ状態に切換わるようにしている。

0018

また、BVI判定部において、サンプリングタイムごとに計測機構すなわち音圧センサから得られる時間−音圧のスペクトルに基づいて、最小化アルゴリズム反復実行することによって、計測信号としての音圧信号近似的な形で合成により形成するようにしている。

0019

また、BVI判定部において、サンプリングタイムごとに近似的な形で形成される音圧信号に基づいて、ブレード通過周波数の高調波の量を求めるようにし、このブレード通過周波数は、回転翼機のロータに設けた回転センサから、BVI判定部へ供給されている。

0020

また、BVI判定部において、BVIに特有の周波数領域から、BVIに特有の高調波の量を求めるようにしている。

0021

BVI指数は、BVIに特有の高調波の量と、時間−音圧のスペクトルの高調波とから求めるようにしている。また、BVI指数は、その数値に応じて分類するようにしている。

0022

また、上述の比の値の1つ1つが発生するごとに、該比の値の時間的平均値を求め、その求めた平均値を、信号特性値として、スレショルド値判定部へ供給するようにしている。スレショルド値判定部は、BVIの発生の有無を判定するための少なくとも1つのスレショルド値と、BVI指数が最小値に到達した後に再度増大したこと表すスレショルド値とを有する。

0023

制御部が実行する制御動作はスレショルド値に基づいた閉ループの制御動作であり、制御部が実行するプロセスは、最適化プロセスを含んでいる。

0024

以上の方法を実行するための装置は、各々のロータブレードに設けた駆動制御機構を制御する信号処理装置を備えたものである。この制御は回転翼機の各々のロータブレードに対して行われる。上述の信号処理装置は少なくとも1つの閉ループの制御部を含んでおり、該制御部がスレショルド値判定部に接続されており、該スレショルド値判定部がBVI判定部に接続されており、該制御部または該スレショルド値判定部が回転翼機のロータに設けた回転センサに接続されており、更に、該制御部または該スレショルド値判定部が飛行状態判別部に接続されている。

0025

本発明によれば、音圧センサの出力信号に含まれている所定の周波数成分を、高速で、しかも高精度で判別することができる。そして、ステップ方式によって高調波を適正化して行くことができる。本発明にかかる方法は、サンプリングタイムごとにサンプリングを実行するだけで、機能し得るものである。本発明は、ブレード通過周波数(ω0)の変動を検出して、ステップ方式でその変動に対処するという方法を可能にしたものである。そのため、本発明にかかる方法は、ステップ方式でFFT高速フーリエ変換解析を行うようにした方法より優れた方法となっている。即ち、本発明にかかる方法は、FFT解析を行うようにした方法と比較して、ステップ1回当たりの必要計算量が少なくて済み、しかも、周波数を高精度で把握できるという利点を有するものである。

0026

本発明によれば、後続ロータブレードが、先行ロータブレードのブレード後流渦から逃れるように、各々のロータブレードを制御することができ、従って、騒音の原因となるブレード後流渦の干渉作用(BVI)を回避することができる。

発明を実施するための最良の形態

0027

これより具体的な実施の形態に即して、また添付図面を参照しつつ、本発明について更に詳細に説明して行く。

0028

図1に、ヘリコプタ9を示した。このヘリコプタ9のロータの回転方向は、矢印Dで示した方向である。信号処理装置1は、検出されたブレード後流渦10の状態に応じて、ロータブレード11の角度位置を制御し、この角度位置の制御はロータブレード11に設けた駆動制御機構6を介して行われる。尚、以上の構成は、いかなる種類のロータブレードにも適用可能な構成である。

0029

計測機構として、複数の音圧センサを備えている。それら音圧センサは、ヘリコプタ9の回転部分であるロータ機構に組込むようにしてもよく、また、ヘリコプタ9の固定部分に組込むようにしてもよい。後者の場合には、例えば、機体の外板の適当な箇所に取付けるようにすればよい。ロータ機構に組込む音圧センサ7は、例えば、ロータブレードの表面に取付けるようにすればよい。固定部分に組込む音圧センサ8、即ち、例えば機体の外板の適当な箇所に配設する音圧センサ8としては、例えばマイクロホンを使用し、それをヘリコプタの外板や着陸装置ないし着水装置などに取付けるようにすればよい。

0030

このように音圧センサは1つだけでなく、複数の音圧センサ7、8を装備することが望ましい。それら複数の音圧センサの配設位置は、ブレード後流渦が発生する位置と、発生したブレード後流渦の主たる伝播方向とを考慮して決定する。ブレード後流渦の干渉作用(BVI)は、例えば、回転しているロータブレードの先行ブレードと後続ブレードとの間で発生するものである。このことから、例えばヘリコプタの固定部分に配設する音圧センサの配設位置を、どの位置にすべきかを決定することができる。また、複数の音圧センサを使用することにより、音圧センサから得られる電気信号を処理する過程での感度を最適化することができる。尚、ロータブレード平面に対するBVI発生領域の相対的な位置は、例えば飛行状態によっても変化する。

0031

音圧センサ7、8は、BVIに特有の周波数領域において、十分な感度を有するものである。それら音圧センサ7、8は、感知した音圧の変動を、電気信号に変換する。BVIが発生しているときには、それら音圧センサ7、8から得られる電気信号に、BVIに特有の情報内容が含まれている。それら音圧センサ7、8から得られる電気信号は、信号処理装置1へ供給されている。信号処理装置1は、BVI判定部2を含んでおり、このBVI判定部2は、BVIの解析を行う解析部である。BVI判定部2は、回転翼機のロータに設けた回転センサ12に接続されており、更に、計測機構である音圧センサ7、8にも接続されている。回転センサ12は、ロータの回転数に応じた信号を出力するものである。

0032

BVI判定部2においては、音圧センサ7、8から供給される、時間−音圧の信号に基づいて、ブレード通過周波数(=ロータの回転数×ロータのブレード枚数)の高調波の量を求めている。BVIが発生している時と発生していない時とでは、この高調波の量が大きく異なり、従って騒音を表す信号のレベルが大きく異なるのである。

0033

ブレード通過周波数の高調波の量は、サンプリングタイムごとに求めるようにしており、即ち、一定の時間間隔で求めている。また、量を求めた幾つもの高調波は、その振幅及び位相に従って分類される。

0034

また、BVI判定部2においては、サンプリングタイムごとに音圧センサ7、8から得られる時間−音圧のスペクトルに基づいて、最小化アルゴリズムを反復実行することによって、計測信号としての音圧信号を近似的な形で合成により形成している。

0035

BVIに特有の高調波の量は、BVIに特有の周波数領域から求めるようにしている。

0036

また、サンプリングタイムごとに、高調波の全体量に対するBVIに特有の高調波の量の比に基づいて、いわゆるBVI指数を求めている。このとき、夫々の高調波の振幅をもって、高調波の量としている。BVI指数は、BVIの発生の有無及びその強度を表す指数である。

0037

更に、所定の長さの期間に得られた複数のBVI指数の値の平均値を求めている。これによって、BVIがどのように変化しつつあるかという傾向を把握することができる。また、これによって、BVI指数の値を1つ求めるたびに制御信号が大きく変化してしまうという事態を回避することができ、従って、制御動作にジッタ(jitter)が発生するのを回避することができる。

0038

以上のようにして求めたBVI指数の値の平均値を、信号の特性を表す信号特性値として、スレショルド値判定部3へ供給している。スレショルド値判定部3は、制御部4のハードウェアの一部として構成してもよく、或いは、制御部4にインストールするソフトウェアの一部とすることで、この制御部4に組込むようにしてもよい。スレショルド値判定部3は、スイッチ部として機能するものである。また、スレショルド値判定部3は、制御部4の入力部を構成している。制御部4は、BVI指数の値の平均値に応じて、スレショルド値に基づいた制御動作を実行する。そして、BVI指数の値の平均値が第1スレショルド値に達したならば、制御部4が制御動作を開始するようにしてある。

0039

BVI指数の値が、BVIが発生していることを表す値になったならば、信号特性値であるBVI指数の値の平均値が第1スレショルド値を超える。そして、それが第1スレショルド値を超えたならば、スレショルド値判定部3によって、制御部4が活動化される。制御部4は、最小化アルゴリズムを実行する。この最小化アルゴリズムが実行されると、実際のBVI指数の値が、飛行状態に応じた最小値(理想的にはBVI指数=0)へと変化させられる。この最小化はステップ方式で実行され、「中庸」法に従って、振幅及び/または位相を漸次、調節して行くことによって行われる。即ち、調節を反復することによって最小値へ漸近して行くのである。そして、上述したBVI指数の値は、最小値へ漸近して行くことでゼロへ近付いて行く。

0040

BVI指数の値が最小値に達したことが検出された時点で、制御部4が出力している制御信号は、先に検出されたブレード後流渦を回避するのに必要とされる制御駆動機構(アクチュエータ)6の制御動作を高精度で発生させるような制御信号となっている。制御部4は、出力する制御信号の位相角及び/または振幅を調節するように構成されている。また、制御動作を実行する制御駆動機構(アクチュエータ)6は、例えば、ロータの各々のブレードに装備した圧電アクチュエータとすることができる。この場合、その圧電アクチュエータによって、ブレードに捻り運動を発生させて、ブレードの迎え角を僅かに変化させ、それによってブレードの揚力及び3次元的位置を変化させるようにすればよい。

0041

制御部4の制御動作によって、BVI指数の値が最小値に到達したときには、ヘリコプタ9のBVIが大幅に抑制されている。

0042

例えば、降下飛行中に短時間だけ水平飛行移行して、その後再び降下飛行に戻るような飛行状況では、その水平飛行の部分においてBVIが消失する。制御部4は、この降下飛行から水平飛行への移行のような、特定の飛行状態の移行状況を、判別できるようにしておくべきであり、より具体的には、BVI指数の値が最小値になったならば、制御部4が、みずからを非活動化することができるようにしておくのがよい。これを可能にするために、飛行状態判別部5を備えている。飛行状態判別部5は、少なくとも降下速度飛行速度、降下角、等々の飛行状態判別データを保持しており、それら飛行状態判別データをメモリに記憶することで、容易に取出せるようにしている。飛行状態判別データは、スレショルド値判定部3または制御部4へ常時供給され、それらによって解析されるようにしてある。スレショルド値判別部3または制御部4は、飛行状態判別データに基づいてBVI指数の値を評価することで、水平飛行時のBVI指数の値がいかなる値になるかを判断することができる。また、水平飛行状態になったならば、制御部4が、スレショルド値判別部3によって非活動化されて、スタンバイ状態に切換わるようにしている。

0043

回転翼機が降下飛行をしている間にBVI指数が最小値に達しても、その降下角が変化したならば、そのことによって、BVI指数の値が、そのとき到達していた最小値から再び増大する。この場合には、第1スレショルド値よりやや大きい第2スレショルド値を設定することで、BVI指数が最小値から再度増大したことを表すようにする。これによって、最小化プロセスが再度開始される。

発明の効果

0044

本発明によれば、後続ロータブレードが、先行ロータブレードのブレード後流渦から逃れるように、各々のロータブレードを制御することができ、従って、騒音の原因となるブレード後流渦の干渉作用(BVI)を回避することができる。

図面の簡単な説明

0045

図1本発明の方法を実行するための信号処理装置のブロック図を、回転翼機であるヘリコプタと共に示した図である。

--

0046

1信号処理装置
2 BVI判定部
3スレショルド値判定部
4 制御部
5飛行状態判別部
7、8音圧センサ(計測機構)
9ヘリコプタ(回転翼機)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ