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技術 タイミング信号抽出装置

出願人 関西電力株式会社
発明者 青海恵之宍田浩彦
出願日 2001年9月19日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-285204
公開日 2003年4月4日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2003-101477
状態 未査定
技術分野 光の変調 光伝送方式 光通信システム
主要キーワード 信号変換後 電気結線 振幅変調光 3dBカプラ 逓倍出力 光デジタル信号 基本パルス 物理的性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月4日)のものです。
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図面 (11)

課題

電圧制御発振器を用いることなく、起動時にも自動的に動作が開始しかつ入手が容易な部品組合せにより安定に動作するタイミング信号抽出装置を提供する。

解決手段

信号光光変調器202に入力して光変調し、光電気変換器203で電気信号に変換し、狭帯域フィルタ204で所定周波数成分を抽出し、増幅器205で増幅して2分岐206で2分岐する。2分岐された一方はタイミング信号として信号出力端209に出力され、他方は3逓倍器207で3逓倍され、増幅器208で増幅された後、光変調器202に与えられる。光変調器202は駆動する電気信号の変化の周波数のk倍の周波数の振幅変調光出力を得る。

概要

背景

ビットレートの大きい、すなわち高速で大容量な光通信では、光デジタル信号が用いられ、通常は光パルスオンオフ2値の信号が用いられる。ここで、ビットレートとは、信号がすべてオンであるときの毎秒当りパルス数をいい、単位はビット毎秒である。ビットレートをヘルツの単位で読替えたものを以下では信号伝送周波数という。

光信号を受信する際には、オンであるかあるいはオフであるかを識別するためのタイミングの時刻、すなわちタイミング信号が必要となる。タイミング信号は受信した光の信号から得るのが一般的である。これは、光の送信端では時間的に一定間隔パルス列であっても、長距離光ファイバ伝搬した後には、パルス到着時間が必ずしも一定の時間間隔とはならないためである。パルスの到着時刻の一定の時間間隔からのずれをジッタという。受信信号からタイミング信号を得るということは、このジッタを相殺するタイミングの時刻を得るということである。

タイミング信号は波形としては正弦波でよい。ジッタの原因はいくつかあり、パルス個々の不規則な変動のような速いジッタもあれば、タイミング信号抽出ではパルスの集団としての比較的ゆっくりとした変動を相殺することを目的としている。ジッタはパルスの位相の変化であるが、位相の時間微分は周波数であるので、周波数の変化と言い直すことができる。信号のビットレートがfギガビット毎秒(以下、Gb/sと称する)のデジタル信号から、fギガヘルツ(以下、GHzと称する)のタイミング信号を得る原理は、以下に説明するように比較的簡単に行なうことができる。

すなわち、デジタル信号はその形態によりリターンゼロの形式とノンリターンゼロの形式に大別され、この形式によってタイミング信号の抽出方法が異なってくる。リターンゼロ(以下、RZと称する)の形式とは、デジタル信号でオンが続く場合に、1つのオンの信号とそれに続くオンの信号との間に信号のオフの状態が存在する形式である。ノンリターンゼロ(以下、NRZと称する)の形式とは、オンが続くと切れ目のない信号となる形式である。

fGb/sのRZ信号には、fGHzの周波数成分が含まれているので、電気信号の段階で、fGHzの狭帯域電気フィルタを通過させることにより、容易にfGHzのタイミング信号を得ることができる。fGb/sのNRZ信号にはfGHzの周波数成分が含まれていないが、この電気信号に遅延微分という演算を施すことによって、fGHzの成分を含んだ電気信号に変換できるので、変換された信号にRZ信号と同じ処理を施すことにより、容易にfGHzのタイミング信号を得ることができる。

上述のタイミング信号抽出方法は、fが10以下に対しては完成した技術となっている。fが40の場合には実験的には可能となっているが、安定した特性を得るには至っていない。また、fが40を越えた場合では、極めて特殊な方法によって可能となった例がある程度である。

fが40以上についてはそのような光信号を作り、これを光ファイバで伝搬させることが可能であることが実験的に確かめられている。しかし、光信号の強度の変化をそのまま電気信号に変換し、さらに各種の信号処理を施すこと、すなわち、光信号受信についてはfが40を越えると困難となる。

これは、電気増幅器論理回路直流に近い周波数から40GHzよりかなり高い周波数まで動作可能なことが要求されるが、現状ではそのような装置が存在しないためである。

fが40を越える場合には、以下に述べるような光の時分割多重によって光信号を生成したり、時分割分離によって受信したりすることによって、光通信が可能となる。f=100を例として説明する。現状の技術で、f=10のRZ形式の光パルス列を発生させ、かつパルスの時間幅を3ピコセコンド(以下、psecと称する)とすることは、比較的容易である。このような光パルス列を以下では基本パルス列という。通常、パルスの時間幅とは、パルスの強度がそのピークの強度の半分となる時間の幅でいわれ、半値全幅と称する。半値全幅は3dB幅ともいわれ、光のパルス幅をいう他にも、狭帯域フィルタの特性などのようなピークを示す特性の幅を表現するためにも用いられる。

基本パルス列の1つのパルスと次のパルスの時間間隔は100psecである。そこで、第1チャネルから第10チャネルまでの10チャネルの基本パルス列を準備し、第2チャネルの基本パルス列は第1チャネルのパルス列より10psec遅れるように遅延器を作用させ、第3チャネルの基本パルスは第1チャネルの基本パルスより20psec遅れるように遅延器を作用させ、以下同様に第10チャネルの基本パルス列まで遅延器を作用させる。

最後にこれらの遅延させられた10チャネルの基本パルス列を多重化すると、f=100のRZ形式の光パルスが得られる。通常は各チャネルの基本パルス列を光の変調器を通してオン,オフし、光信号とする。

光パルスの多重化はたとえば3デシベル(以下、dBと称する)カプラといわれる光部品を用いて可能である。3dBカプラは、2つの光入力端と1つの光出力端を有しており、それぞれの入力端での光パワーの半分が合わさって出力端に現われる光部品である。

3dBカプラを多段に接続することにより、光パルス列を任意に多重化可能であるが、光が減衰することと、遅延されたパルスが時間的に重なってはならない条件から限界が生じる。

次に、時分割分離について説明する。時分割分離とは、f=100の光パルス列を10チャネルの基本パルス列に分離することである。分離は多重のような受動素子では実現できず、現状では非線形光学効果を用いている。用いられる非線形光学効果の一例は、4光波混合である。4光波混合とは周波数がk1と周波数がk2の2つの光波が相互作用して周波数が2k1−k2と2k2−k1の新たな光が発生する現象で、非線形媒質としては光ファイバや半導体光増幅器がよく知られている。

4光波混合によって発生する光波の振幅は、元の2つの光波の強度の積に関係するので、2つの光波が同時に存在するときにのみ発生する。4光波混合が効率よく起こるためには、元の2つの光波の強度が一定以上に大きいことや、元の2つの光波と発生した光波の位相関係が一定の条件を満足することが必要である。4光波混合を用いて光パルスの時分割分離をするには、受信器側ローカル光パルス列を発生し、伝搬してきたf=100の信号光と3dBカプラで合波して非線形媒質を通過させる。

ローカル光パルス列は、たとえばf=10で半値全幅は3psecであるパルス列である。

まず、信号光にジッタがない場合を取上げる。ローカル光パルス列の遅延を調節すると、信号光のパルスの10個置きのパルス列とローカル光パルス列とが重なるようになる。重なったパルスは周波数の異なる光波を発生するので、これらは光フィルタにより容易に取出すことができる。

4光波混合では、2つの光波が存在するときにのみ発生するので、10個置きに時間分離された信号は元どれかのチャネルの光信号であることになる。

以上に述べた光信号の時分割分離で重要な技術の1つは、受信器側でローカル光パルス列を発生する場合、ローカル光パルス列の繰返し周波数整数倍が、信号光の伝送信号周波数に一致するものでなければならないということである。次に、信号光にジッタがある場合を取上げる。f=10で時間的に規則正しい基本パルス列を発生させることは容易ではあるが、光ファイバを伝搬した信号光のようにジッタを有する場合には、そのようなパルス列がローカル光パルス列として不適当であることは明らかである。ローカル光パルス列のパルスの位相は、信号光の10パルスごとのパルスの位相と一致していなければならない。

したがって、ローカル光パルス列発生でもう1つ重要なことは、その繰返しの位相が信号光のそれに追随しているものでなければならないということである。位相が追随しているということを簡単にいうと、信号光のパルスの強度のピークの時刻とローカル光パルスの強度のピークの時刻とがいつも一致していることであるといえる。

以下、このようなローカル光パルス列を分周タイミング光パルスといい、電気信号に変換したものを分周タイミング信号という。光信号の時分割分離に必要な分周タイミング信号を得る方法として、以下に述べるような3つの方法が提案されている。

その1つの方法は、第1チャネルから第10チャネルのうちの1つのチャネルの光パルス列の強度を他のチャネルの強度より大きくする方法である。このようにすれば、f=100の光パルス列には10GHzの周波数成分が存在することになる。受信側ではf=10に適した受信器を用いれば、10GHzのタイミング信号が得られる。しかし、この方法では、2種類の強度の光パルスを用いるので、パルス間の相互作用が一様でなくなり、遠距離を伝搬するとタイミング信号が消失するという問題があり、実用的であるとは考えられていない。

タイミング信号抽出の第2の方法の構成を図10に示す。この構成は、Journal of Lightwave Technplogy Volume 14, No.8のpp.1757-1767に記載されている論文を参考にしたものである。図10において、電圧制御発振器101は制御電圧入力端を有しており、発振周波数が外部からの制御電圧によって制御される発振器である。発振周波数の中心値は10GHzであり、電圧によって9〜11GHzまで可変できる。混合器102は2つの電気信号の入力端を有しており、それらの和の周波数やあるいは差の周波数を有する電気信号を出力する。

ローカル光パルス発生器103は入力する正弦波の電気信号に同期して半値全幅が3psecの光パルスを発生する。光の波長は1.537ミクロンメートル(以下、μmと称する)である。光合波器104は波長が1.537μmの光波と波長が1.552μmの光波を1本の光ファイバに入力するための光結合器である。光増幅器105は半導体で構成され、ここでは4光波混合を起こす非線形光素子として用いられる。光フィルタ106は透過する中心の波長が1.523μmであり、波長が1.537μmや波長1.552μmの光波には大きな減衰を与える。光電気変換器107はアバランシェフォトダイオードからなり、応答速度は数メガヘルツ(以下、MHzと称する)である。

位相比較器108は2つの入力端を有しており、同一の周波数の電気信号が入力されると、それらの位相差に比例した電圧を発生する。逓倍器109は入力された電気信号の10倍の周波数を持つ電気信号を出力する。低周波発振器110はその発振周波数が21.9キロヘルツ(以下、kHzと称する)であり、2つの出力端を有している。

なお、図9において二重線は光ファイバによる結線を示し、実線の結線は電気導電による結線を示している。

次に、図10に示したタイミング信号抽出回路の動作について説明する。混合器102には電圧制御発振器101の出力と低周波発振器110の一方の出力が与えられる。その結果、電圧制御発振器101は繰返し周期が10GHz+21.9kHzの正弦波信号を出力する。この正弦波信号は光パルス発生器103に与えられ、光パルス発生器103はその正弦波信号によって基本の繰返し周期が10GHz+21.9kHzの光パルスを発生する。この光パルスは光合波器104に与えられる。光合波器104は信号光入力端112から時間分割分離したい信号光の光パルス列が入力されるが、伝送信号周波数は100GHzであり、ジッタを有している。

これらの2つの光波は光合波器104で合せられて光増幅器105に与えられ、4光波混合が起こされる。4光波混合の結果、波長が1.523μmの光波が発生する。

ローカル光パルス発生器のパルスの繰返しの基本の周波数は10GHz+21.9kHzであるが、多くの高調波を含んでおり、そのうちの1つの高調波は10×(10GHz+21.9kHz)である。

4光波混合によって発生した波長が1.523μmの光波には、信号光に含まれるジッタの周波数成分を含む100GHzと前記の10×(10GHz+21.9kHz)との差の周波数成分、すなわち219kHz−ジッタの周波数成分が含まれる。4光波混合によって発生した波長が1.523μmの光波は、光フィルタ106を透過し、光電気変換器107によって電気信号に変換される。電気信号の周波数成分は219kHz−ジッタの周波数成分である。低周波発振器110の他方の出力は逓倍器109に入力され、逓倍器109の周波数が219kHzの正弦波を出力する。この逓倍器109の出力と光電気変換器107の出力は位相比較器108に入力され、位相比較器108はこれら2つの電気信号の位相差に比例した電気信号を発生する。

この電気信号が電圧制御発振器101の制御電圧として入力されると、広く知られている位相同期の理論によって位相差が0となるように電圧制御発振器101の位相が変化する。これによって、伝送信号周波数が100GHzの信号光の光パルス列の位相と、ローカル光パルス発生器の10倍の繰返し周期を持つ光パルス列の位相が一致することになり、出力端111からの出力される電気信号は、信号光の強度の変化の位相に一致する10GHzの電気信号、すなわち分周タイミング信号となる。

以上の第2の方法は、kHzオーダの電気信号を処理すればよいので、電気信号処理の部分については安定であり安価であるが、4光波混合発生に関して、現状では効率が悪い点や、ローカル光パルス発生器が高価なものになる点や、ローカル光パルス発生器の高調波成分が必ずしも大きい振幅を持つものではないという欠点がある。

さらに、電圧制御発振器101は雑音も少なく、周波数も安定であるが、起動時に発振がロックしないことがあるという重大な欠点がある。これは、起動時には制御電圧が不安定であるので、信号光から得られる電気信号の周波数と電圧制御発振器101の周波数のずれが、一定値以上になると周波数の引込が起こらないことによる。

第3の方法は、光パルス発生用の半導体のレーザ発振器を用いる方法である。半導体光増幅器を光の共振器光路長に挿入するとレーザ発振器となるが、同時に飽和吸収体といわれる非線形素子を光路長に挿入すると光パルス発生器となることがよく知られている。共振器の簡単な構成は凹面鏡を対向させたものである。光出力は鏡の透過率を適当に設計して取出すことができる。光パルスの繰返し周期は共振器の長さで決定され、繰返し周期が10GHzであれば往復の等価的な光路長は3cm程度である。

このような光の共振器に、繰返し周期が10GHzの整数倍の信号光を注入すると、レーザ共振器の光パルスが信号光に含まれる10GHz成分に同期するようになり、所望の分周タイミング光信号が得られる。

この方式は、構成部品が比較的少なく、小型になるという利点がある。しかし、入力信号光に必ず10GHzの成分が必要であるという制約があることや、その動作がまだ十分には解明されていないという問題がある。

概要

電圧制御発振器を用いることなく、起動時にも自動的に動作が開始しかつ入手が容易な部品組合せにより安定に動作するタイミング信号抽出装置を提供する。

信号光を光変調器202に入力して光変調し、光電気変換器203で電気信号に変換し、狭帯域フィルタ204で所定周波数成分を抽出し、増幅器205で増幅して2分岐206で2分岐する。2分岐された一方はタイミング信号として信号出力端209に出力され、他方は3逓倍器207で3逓倍され、増幅器208で増幅された後、光変調器202に与えられる。光変調器202は駆動する電気信号の変化の周波数のk倍の周波数の振幅変調光出力を得る。

目的

光信号は電気信号に比較して本質的に広帯域な特性を有している。したがって、光信号を電気信号に変換することには、周波数上の上限が必ず存在する。このことは、高速度の光通信を実現するためには、光のビットレートを電気が処理できる速度に変換しなければならないことを意味する。具体的には、高速な光パルス信号を複数の低速な光パルス信号に変換することである。その際には、高速な光パルスの到着時間と同期している低速なタイミングの信号すなわちここでいう分周タイミング信号が必要となる。

しかし、そのための技術はまだ確立されていない実状にある。実験室成功している例は既に述べたが、種々の欠点がある。特に、光信号の状態で信号処理をすることは有効であるが、非線形効果を有する光デバイスが必要であり、効率のよいそのようなデバイスは開発されていない。さらに、光変調器をはじめとして、光デバイスが偏光依存性を有するものが多く、偏波無依存化も実用上重要な課題である。

それゆえに、この発明の主たる目的は、光通信の時分割分離方式に必要な分周タイミング信号抽出方法に関して、電圧制御発振器を用いることなく、起動時にも自動的に動作が開始し、かつ入手が容易な部品の組合せにより安定に動作するタイミング信号抽出装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ビットレート基準周波数Fの整数倍数値であり、かつ形式リターンゼロの光信号から、周波数Fの電気信号を得るタイミング信号抽出装置であって、前記光信号を変調する光変調手段、前記光変調手段によって変調された光信号を電気信号に変換する変換手段、前記変換手段によって変換された電気信号のうちの所定の周波数成分を抽出するフィルタ、前記フィルタで抽出された周波数成分信号増幅する増幅手段、前記増幅手段で増幅された信号を分岐し、分岐した一方の信号をタイミング信号として出力する分岐手段、および前記分岐手段によって分岐された他方の信号をn逓倍し、その逓倍出力を前記光変調手段に与えて前記光信号を変調させる逓倍手段を備え、前記光変調手段はその駆動する電気信号の変化の周波数のk倍の周波数の振幅変調光出力が得られる変調器であり、kは1,2または3であり、nは2または3であることを特徴とする、タイミング信号抽出装置。

請求項2

さらに、前記フィルタによって抽出された周波数成分を分周して前記増幅手段に与える分周手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイミング信号抽出装置。

請求項3

さらに、前記光変調手段によって変調された光信号の一部を該光変調手段の入力側にフィードバックする手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイミング信号抽出装置。

請求項4

さらに、前記光信号が入力され、その一方の出力光を第1の光路に出力し、他方の出力光を第2の光路に出力する偏光分離手段、および前記偏光分離手段から前記第1および第2の光路を介して出力される出力光が入力され、その出力を前記光変調手段に与える光合波手段を含み、前記第1の光路と前記第2の光路との光路長の差が(光速度÷ビットレート)の整数倍であり、かつ信号光コヒーレント長以上であることを特徴とする、請求項1に記載のタイミング信号抽出装置。

技術分野

0001

この発明はタイミング信号抽出装置に関し、特に、光通信の分野において時分割多重された光信号受信端時分割分離する場合に必要となる分周のタイミング信号を抽出するタイミング信号抽出装置に関する。

背景技術

0002

ビットレートの大きい、すなわち高速で大容量な光通信では、光デジタル信号が用いられ、通常は光パルスオンオフ2値の信号が用いられる。ここで、ビットレートとは、信号がすべてオンであるときの毎秒当りパルス数をいい、単位はビット毎秒である。ビットレートをヘルツの単位で読替えたものを以下では信号伝送周波数という。

0003

光信号を受信する際には、オンであるかあるいはオフであるかを識別するためのタイミングの時刻、すなわちタイミング信号が必要となる。タイミング信号は受信した光の信号から得るのが一般的である。これは、光の送信端では時間的に一定間隔パルス列であっても、長距離光ファイバ伝搬した後には、パルス到着時間が必ずしも一定の時間間隔とはならないためである。パルスの到着時刻の一定の時間間隔からのずれをジッタという。受信信号からタイミング信号を得るということは、このジッタを相殺するタイミングの時刻を得るということである。

0004

タイミング信号は波形としては正弦波でよい。ジッタの原因はいくつかあり、パルス個々の不規則な変動のような速いジッタもあれば、タイミング信号抽出ではパルスの集団としての比較的ゆっくりとした変動を相殺することを目的としている。ジッタはパルスの位相の変化であるが、位相の時間微分は周波数であるので、周波数の変化と言い直すことができる。信号のビットレートがfギガビット毎秒(以下、Gb/sと称する)のデジタル信号から、fギガヘルツ(以下、GHzと称する)のタイミング信号を得る原理は、以下に説明するように比較的簡単に行なうことができる。

0005

すなわち、デジタル信号はその形態によりリターンゼロの形式とノンリターンゼロの形式に大別され、この形式によってタイミング信号の抽出方法が異なってくる。リターンゼロ(以下、RZと称する)の形式とは、デジタル信号でオンが続く場合に、1つのオンの信号とそれに続くオンの信号との間に信号のオフの状態が存在する形式である。ノンリターンゼロ(以下、NRZと称する)の形式とは、オンが続くと切れ目のない信号となる形式である。

0006

fGb/sのRZ信号には、fGHzの周波数成分が含まれているので、電気信号の段階で、fGHzの狭帯域電気フィルタを通過させることにより、容易にfGHzのタイミング信号を得ることができる。fGb/sのNRZ信号にはfGHzの周波数成分が含まれていないが、この電気信号に遅延微分という演算を施すことによって、fGHzの成分を含んだ電気信号に変換できるので、変換された信号にRZ信号と同じ処理を施すことにより、容易にfGHzのタイミング信号を得ることができる。

0007

上述のタイミング信号抽出方法は、fが10以下に対しては完成した技術となっている。fが40の場合には実験的には可能となっているが、安定した特性を得るには至っていない。また、fが40を越えた場合では、極めて特殊な方法によって可能となった例がある程度である。

0008

fが40以上についてはそのような光信号を作り、これを光ファイバで伝搬させることが可能であることが実験的に確かめられている。しかし、光信号の強度の変化をそのまま電気信号に変換し、さらに各種の信号処理を施すこと、すなわち、光信号受信についてはfが40を越えると困難となる。

0009

これは、電気増幅器論理回路直流に近い周波数から40GHzよりかなり高い周波数まで動作可能なことが要求されるが、現状ではそのような装置が存在しないためである。

0010

fが40を越える場合には、以下に述べるような光の時分割多重によって光信号を生成したり、時分割分離によって受信したりすることによって、光通信が可能となる。f=100を例として説明する。現状の技術で、f=10のRZ形式の光パルス列を発生させ、かつパルスの時間幅を3ピコセコンド(以下、psecと称する)とすることは、比較的容易である。このような光パルス列を以下では基本パルス列という。通常、パルスの時間幅とは、パルスの強度がそのピークの強度の半分となる時間の幅でいわれ、半値全幅と称する。半値全幅は3dB幅ともいわれ、光のパルス幅をいう他にも、狭帯域フィルタの特性などのようなピークを示す特性の幅を表現するためにも用いられる。

0011

基本パルス列の1つのパルスと次のパルスの時間間隔は100psecである。そこで、第1チャネルから第10チャネルまでの10チャネルの基本パルス列を準備し、第2チャネルの基本パルス列は第1チャネルのパルス列より10psec遅れるように遅延器を作用させ、第3チャネルの基本パルスは第1チャネルの基本パルスより20psec遅れるように遅延器を作用させ、以下同様に第10チャネルの基本パルス列まで遅延器を作用させる。

0012

最後にこれらの遅延させられた10チャネルの基本パルス列を多重化すると、f=100のRZ形式の光パルスが得られる。通常は各チャネルの基本パルス列を光の変調器を通してオン,オフし、光信号とする。

0013

光パルスの多重化はたとえば3デシベル(以下、dBと称する)カプラといわれる光部品を用いて可能である。3dBカプラは、2つの光入力端と1つの光出力端を有しており、それぞれの入力端での光パワーの半分が合わさって出力端に現われる光部品である。

0014

3dBカプラを多段に接続することにより、光パルス列を任意に多重化可能であるが、光が減衰することと、遅延されたパルスが時間的に重なってはならない条件から限界が生じる。

0015

次に、時分割分離について説明する。時分割分離とは、f=100の光パルス列を10チャネルの基本パルス列に分離することである。分離は多重のような受動素子では実現できず、現状では非線形光学効果を用いている。用いられる非線形光学効果の一例は、4光波混合である。4光波混合とは周波数がk1と周波数がk2の2つの光波が相互作用して周波数が2k1−k2と2k2−k1の新たな光が発生する現象で、非線形媒質としては光ファイバや半導体光増幅器がよく知られている。

0016

4光波混合によって発生する光波の振幅は、元の2つの光波の強度の積に関係するので、2つの光波が同時に存在するときにのみ発生する。4光波混合が効率よく起こるためには、元の2つの光波の強度が一定以上に大きいことや、元の2つの光波と発生した光波の位相関係が一定の条件を満足することが必要である。4光波混合を用いて光パルスの時分割分離をするには、受信器側ローカル光パルス列を発生し、伝搬してきたf=100の信号光と3dBカプラで合波して非線形媒質を通過させる。

0017

ローカル光パルス列は、たとえばf=10で半値全幅は3psecであるパルス列である。

0018

まず、信号光にジッタがない場合を取上げる。ローカル光パルス列の遅延を調節すると、信号光のパルスの10個置きのパルス列とローカル光パルス列とが重なるようになる。重なったパルスは周波数の異なる光波を発生するので、これらは光フィルタにより容易に取出すことができる。

0019

4光波混合では、2つの光波が存在するときにのみ発生するので、10個置きに時間分離された信号は元どれかのチャネルの光信号であることになる。

0020

以上に述べた光信号の時分割分離で重要な技術の1つは、受信器側でローカル光パルス列を発生する場合、ローカル光パルス列の繰返し周波数整数倍が、信号光の伝送信号周波数に一致するものでなければならないということである。次に、信号光にジッタがある場合を取上げる。f=10で時間的に規則正しい基本パルス列を発生させることは容易ではあるが、光ファイバを伝搬した信号光のようにジッタを有する場合には、そのようなパルス列がローカル光パルス列として不適当であることは明らかである。ローカル光パルス列のパルスの位相は、信号光の10パルスごとのパルスの位相と一致していなければならない。

0021

したがって、ローカル光パルス列発生でもう1つ重要なことは、その繰返しの位相が信号光のそれに追随しているものでなければならないということである。位相が追随しているということを簡単にいうと、信号光のパルスの強度のピークの時刻とローカル光パルスの強度のピークの時刻とがいつも一致していることであるといえる。

0022

以下、このようなローカル光パルス列を分周タイミング光パルスといい、電気信号に変換したものを分周タイミング信号という。光信号の時分割分離に必要な分周タイミング信号を得る方法として、以下に述べるような3つの方法が提案されている。

0023

その1つの方法は、第1チャネルから第10チャネルのうちの1つのチャネルの光パルス列の強度を他のチャネルの強度より大きくする方法である。このようにすれば、f=100の光パルス列には10GHzの周波数成分が存在することになる。受信側ではf=10に適した受信器を用いれば、10GHzのタイミング信号が得られる。しかし、この方法では、2種類の強度の光パルスを用いるので、パルス間の相互作用が一様でなくなり、遠距離を伝搬するとタイミング信号が消失するという問題があり、実用的であるとは考えられていない。

0024

タイミング信号抽出の第2の方法の構成を図10に示す。この構成は、Journal of Lightwave Technplogy Volume 14, No.8のpp.1757-1767に記載されている論文を参考にしたものである。図10において、電圧制御発振器101は制御電圧入力端を有しており、発振周波数が外部からの制御電圧によって制御される発振器である。発振周波数の中心値は10GHzであり、電圧によって9〜11GHzまで可変できる。混合器102は2つの電気信号の入力端を有しており、それらの和の周波数やあるいは差の周波数を有する電気信号を出力する。

0025

ローカル光パルス発生器103は入力する正弦波の電気信号に同期して半値全幅が3psecの光パルスを発生する。光の波長は1.537ミクロンメートル(以下、μmと称する)である。光合波器104は波長が1.537μmの光波と波長が1.552μmの光波を1本の光ファイバに入力するための光結合器である。光増幅器105は半導体で構成され、ここでは4光波混合を起こす非線形光素子として用いられる。光フィルタ106は透過する中心の波長が1.523μmであり、波長が1.537μmや波長1.552μmの光波には大きな減衰を与える。光電気変換器107はアバランシェフォトダイオードからなり、応答速度は数メガヘルツ(以下、MHzと称する)である。

0026

位相比較器108は2つの入力端を有しており、同一の周波数の電気信号が入力されると、それらの位相差に比例した電圧を発生する。逓倍器109は入力された電気信号の10倍の周波数を持つ電気信号を出力する。低周波発振器110はその発振周波数が21.9キロヘルツ(以下、kHzと称する)であり、2つの出力端を有している。

0027

なお、図9において二重線は光ファイバによる結線を示し、実線の結線は電気導電による結線を示している。

0028

次に、図10に示したタイミング信号抽出回路の動作について説明する。混合器102には電圧制御発振器101の出力と低周波発振器110の一方の出力が与えられる。その結果、電圧制御発振器101は繰返し周期が10GHz+21.9kHzの正弦波信号を出力する。この正弦波信号は光パルス発生器103に与えられ、光パルス発生器103はその正弦波信号によって基本の繰返し周期が10GHz+21.9kHzの光パルスを発生する。この光パルスは光合波器104に与えられる。光合波器104は信号光入力端112から時間分割分離したい信号光の光パルス列が入力されるが、伝送信号周波数は100GHzであり、ジッタを有している。

0029

これらの2つの光波は光合波器104で合せられて光増幅器105に与えられ、4光波混合が起こされる。4光波混合の結果、波長が1.523μmの光波が発生する。

0030

ローカル光パルス発生器のパルスの繰返しの基本の周波数は10GHz+21.9kHzであるが、多くの高調波を含んでおり、そのうちの1つの高調波は10×(10GHz+21.9kHz)である。

0031

4光波混合によって発生した波長が1.523μmの光波には、信号光に含まれるジッタの周波数成分を含む100GHzと前記の10×(10GHz+21.9kHz)との差の周波数成分、すなわち219kHz−ジッタの周波数成分が含まれる。4光波混合によって発生した波長が1.523μmの光波は、光フィルタ106を透過し、光電気変換器107によって電気信号に変換される。電気信号の周波数成分は219kHz−ジッタの周波数成分である。低周波発振器110の他方の出力は逓倍器109に入力され、逓倍器109の周波数が219kHzの正弦波を出力する。この逓倍器109の出力と光電気変換器107の出力は位相比較器108に入力され、位相比較器108はこれら2つの電気信号の位相差に比例した電気信号を発生する。

0032

この電気信号が電圧制御発振器101の制御電圧として入力されると、広く知られている位相同期の理論によって位相差が0となるように電圧制御発振器101の位相が変化する。これによって、伝送信号周波数が100GHzの信号光の光パルス列の位相と、ローカル光パルス発生器の10倍の繰返し周期を持つ光パルス列の位相が一致することになり、出力端111からの出力される電気信号は、信号光の強度の変化の位相に一致する10GHzの電気信号、すなわち分周タイミング信号となる。

0033

以上の第2の方法は、kHzオーダの電気信号を処理すればよいので、電気信号処理の部分については安定であり安価であるが、4光波混合発生に関して、現状では効率が悪い点や、ローカル光パルス発生器が高価なものになる点や、ローカル光パルス発生器の高調波成分が必ずしも大きい振幅を持つものではないという欠点がある。

0034

さらに、電圧制御発振器101は雑音も少なく、周波数も安定であるが、起動時に発振がロックしないことがあるという重大な欠点がある。これは、起動時には制御電圧が不安定であるので、信号光から得られる電気信号の周波数と電圧制御発振器101の周波数のずれが、一定値以上になると周波数の引込が起こらないことによる。

0035

第3の方法は、光パルス発生用の半導体のレーザ発振器を用いる方法である。半導体光増幅器を光の共振器光路長に挿入するとレーザ発振器となるが、同時に飽和吸収体といわれる非線形素子を光路長に挿入すると光パルス発生器となることがよく知られている。共振器の簡単な構成は凹面鏡を対向させたものである。光出力は鏡の透過率を適当に設計して取出すことができる。光パルスの繰返し周期は共振器の長さで決定され、繰返し周期が10GHzであれば往復の等価的な光路長は3cm程度である。

0036

このような光の共振器に、繰返し周期が10GHzの整数倍の信号光を注入すると、レーザ共振器の光パルスが信号光に含まれる10GHz成分に同期するようになり、所望の分周タイミング光信号が得られる。

0037

この方式は、構成部品が比較的少なく、小型になるという利点がある。しかし、入力信号光に必ず10GHzの成分が必要であるという制約があることや、その動作がまだ十分には解明されていないという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0038

光信号は電気信号に比較して本質的に広帯域な特性を有している。したがって、光信号を電気信号に変換することには、周波数上の上限が必ず存在する。このことは、高速度の光通信を実現するためには、光のビットレートを電気が処理できる速度に変換しなければならないことを意味する。具体的には、高速な光パルス信号を複数の低速な光パルス信号に変換することである。その際には、高速な光パルスの到着時間と同期している低速なタイミングの信号すなわちここでいう分周タイミング信号が必要となる。

0039

しかし、そのための技術はまだ確立されていない実状にある。実験室成功している例は既に述べたが、種々の欠点がある。特に、光信号の状態で信号処理をすることは有効であるが、非線形効果を有する光デバイスが必要であり、効率のよいそのようなデバイスは開発されていない。さらに、光変調器をはじめとして、光デバイスが偏光依存性を有するものが多く、偏波無依存化も実用上重要な課題である。

0040

一方、電気信号の処理は、電気部品集積化により安定な動作が期待できるが、40GHz以上で動作する電気装置は現状ではかなり限られたものとなるので、これ以上の高速度な光信号を直接電気信号に変換して信号処理することはできない。

0041

さらに、従来の電気信号処理による分周のタイミング信号抽出方法では、ほとんどの場合に電圧制御発振器を用いているが、その方法には基本的な重大な問題点がある。すなわち、タイミング信号が抽出装置の動作開始時には、手動による制御電圧の調整が必要という点である。この難点を克服するためには、制御電圧をスイープする装置を付加するなどの措置が必要であり、装置が複雑で高価なものとなってしまうという欠点がある。

0042

それゆえに、この発明の主たる目的は、光通信の時分割分離方式に必要な分周タイミング信号抽出方法に関して、電圧制御発振器を用いることなく、起動時にも自動的に動作が開始し、かつ入手が容易な部品組合せにより安定に動作するタイミング信号抽出装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0043

この発明は、ビットレートが基準周波数Fの整数倍の数値であり、かつ形式がリターンゼロの光信号から、周波数Fの電気信号を得るタイミング信号抽出装置であって、光信号を変調する光変調手段と、変調された光信号を電気信号に変換する変換手段と、変換された電気信号のうちの所定の周波数成分を抽出するフィルタと、抽出された周波数成分信号増幅する増幅手段と、増幅された信号を分岐し、分岐した一方の信号をタイミング信号として出力する分岐手段と、分岐された他方の信号をn逓倍し、その逓倍出力を光変調手段に与えて光信号を変調させる逓倍手段を備え、光変調手段はその駆動する電気信号の変化の周波数のk倍の周波数の振幅変調光出力が得られる変調器であり、kは1,2または3であり、nは2または3であることを特徴とする。

0044

さらに、フィルタによって抽出された周波数成分を分周して増幅手段に与える分周手段を含むことを特徴とする。

0045

さらに、光変調手段によって変調された光信号の一部を該光変調手段の入力側にフィードバックする手段を含むことを特徴とする。

0046

さらに、光信号が入力され、その一方の出力光を第1の光路に出力し、他方の出力光を第2の光路に出力する偏光分離手段と、第1および第2の光路を介して出力される出力光が入力され、その出力を光変調手段に与える光合波手段を含み、第1の光路と第2の光路との光路長の差が(光速度÷ビットレート)の整数倍であり、かつ信号光のコヒーレント長以上であることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0047

図1はこの発明の第1の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=10GHz,k=1,n=3の例である。

0048

図1において、入力端201には、RZ形式の40Gb/sの光信号が入力される。この光信号は光変調器202に与えられる。光変調器202としては、たとえばLN変調器が用いられるが、その他の変調器を用いてもよい。光変調器202は増幅器208から入力される信号で光信号を変調し、その変調出力を光電気変換器203に与える。光電気変換器203は光変調器202で変調された光信号を電気信号に変換するものであって、応答速度が10GHz以上のものが用いられる。光電気変換器203で変換された電気信号は狭帯域フィルタ204に与えられる。

0049

狭帯域フィルタは中心周波数が10GHzのものが用いられる。狭帯域フィルタ204の出力は増幅器205に与えられて増幅され、2分岐206に与えられる。2分岐206は入力された信号電力を2つの出力端に分配し、その一方を信号出力端209から出力する。分配された他方の出力は3逓倍器207に与えられて3逓倍され、10GHzの正弦波の入力信号に対して30GHzの正弦波の信号が出力される。この信号は増幅器208に与えられ、3逓倍出力を増幅して光変調器202に与える。なお、3逓倍器207の出力は光変調器202を駆動するのに十分な電力を得るものであれば、増幅器208は不要となる。

0050

なお、電気系の電気結線光学系の光結線の長さは、光変調器202に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0051

次に、図1に示したタイミング信号抽出装置の動作について説明する。光変調器202は周波数がAGHzの電気信号で駆動されているものとする。この光変調器202に40Gb/sの光信号を入力すると、光変調器202の出力には、40+AGHzと40−AGHzの周波数成分を含んだ光信号が現われる。狭帯域フィルタ204の中心周波数が10GHzで3逓倍器207の逓倍数が3であるので、この実施形態では、Aは30に選ばれる。したがって、光電気変換器203には70GHzと10GHzの強い周波数成分を含む光信号が入力される。

0052

光電気変換器203はその動作周波数帯域内の周波数成分までを電気信号に変換して出力する。この実施形態では、光変調器202の周波数帯域は15GHzであるので、光電気変換器203からは10GHzの強い周波数成分を含む電気波形が出力される。狭帯域フィルタ204はそのうち10GHzの周波数成分のみを取出す役割を果たしており、その出力は10GHzの正弦波となる。この正弦波の位相は、入力される光信号の振幅変化の位相と同期がとれているので、分周のタイミング信号が得られたことになる。増幅器205は逓倍器207が動作するのに十分な信号電力を得るためのものであり、この実施形態では、狭帯域な増幅器であって、利得は40dBである。

0053

2分岐206は信号電力を3逓倍器207に分配し、同時に所望のタイミング信号を信号出力端子209に出力する。2分岐206で分岐された10GHzの正弦波信号は3逓倍器207で30GHzの正弦波信号に変換される。なお、3逓倍器207の入力の10GHzの正弦波と出力の30GHzの正弦波の位相とは同期がとられている。3逓倍器207から出力された30GHzの正弦波信号は増幅器208で増幅されて光変調器202を駆動する。増幅器208の電力利得は10dBであり、最大出力は20dBmであるので、LN変調器を十分に駆動できる。

0054

上述のごとく、この実施形態によれば、光変調器202に入力される40Gb/sの信号光の強度変化の位相が変化すると、10GHzの正弦波の位相も同じだけ変化するので、この10GHzの正弦波は40Gb/sの信号光の分周のタイミング信号となっている。

0055

図2はこの発明の第2の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=20GHz,k=1,n=2に選んだ例である。図2において、入力端301には、RZ形式の60Gb/sの光信号が入力され、この光信号は光変調器302に与えられる。この光変調器302も図1と同様にしてLN変調器が用いられるが、その他の変調器を用いてもよい。光変調器302の出力は光電気変換器303に与えられて電気信号に変換される。光電気変換器303の応答速度としては、20GHz以上必要とされる。光電気変換器303の出力は狭帯域フィルタ304に与えられる。狭帯域フィルタ304としては、中心周波数が20GHzに選ばれる。狭帯域フィルタ304の出力は増幅器305で増幅され、2分岐306で入力した電力が2つの出力端に分配される。分配された一方の出力は信号出力端子309から20GHzのタイミング信号として出力される。2分岐306で分岐された他方の出力は2逓倍器307に与えられ、2逓倍され、増幅器308で増幅された後、光変調器302に与えられる。

0056

なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器302に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0057

次に、図2に示したタイミング信号抽出装置の動作について説明する。光変調器302は図1の説明からわかるように、周波数が40GHzの電気信号で駆動されており、光変調器302から出力される光信号の強度変化は20GHzおよび100GHzの強い周波数成分を含んでいる。

0058

光電気変換器303の周波数帯域は20GHzに選ばれており、光電気変換器303からは20GHzの強い周波数成分を含む電気波形が出力される。狭帯域フィルタ304はそのうち、20GHzの周波数成分のみを取出す役割を果たしており、その出力は20HGzの正弦波となる。この正弦波の位相は、入力される光信号の振幅変化の位相と同期がとれているので、分周のタイミング信号が得られることになる。

0059

増幅器305で増幅された20GHzの正弦波信号は2分岐306によって2分岐され、2逓倍器307に与えられるとともに、信号出力端309からタイミング信号として分配される。2分岐306に入力された正弦波信号は40GHzの正弦波に変換される。なお、2逓倍器307の入力の20GHzの正弦波信号と、出力の40GHzの正弦波信号の位相とは同期がとられている。

0060

40GHzの正弦波信号は増幅器308で増幅され、光変調器302を駆動する。この実施形態では、増幅器308の電力利得は10dBであり、最大出力は20dBmであるので、LN変調器を十分に駆動できる。

0061

上述の説明から明らかなように、光変調器302に入力される60Gb/sの信号光の強度変化の位相が変化すると、20GHzの正弦波の位相も同じだけ変化するので、この20GHzの正弦波信号は、60Gb/sの信号光の分周のタイミング信号となっている。

0062

図2に示す実施形態において、2逓倍器307を用いることなく、光変調器302で2倍の周波数の強度変調が得られるような構成とすることによっても、同様の作用を得ることができる。すなわち、その場合には、n=1でかつk=2とすることを意味する。

0063

光変調器302をk=2の動作をさせることは比較的容易である。この場合の光変調器302には、LN変調器のような干渉型光変調器が適している。干渉型光変調器では、印加電圧と光変調器を透過する光の光強度との関係が周期的となる。印加電圧を増加していったときに、透過光強度が最小になる電圧をV1とし、さらに印加電圧を増加して透過光強度が最大となる電圧をV2とするときに、V2−V1をVpaiと称し、またVpaiの2倍の電圧をV2pai,3倍の値をV3paiと称する。

0064

光変調器302をk=2やk=3で動作させることは、電気的には線形な動作であるので、深い変調が得られるという特徴がある。既知のタイミング信号抽出方法では、非線形な光信号波形の中から、フィルタによって高調波を得る方法があるが、その場合は高調波の成分が極端に小さいという問題があるのに対して、この実施形態による方法は深い変調が得られる利点がある。

0065

光変調器302を高周波の電気信号で駆動するとき、電気信号の振幅をV2paiとし、バイアス電圧を適切に設定することにより、k=2の光変調器として動作させることが可能である。また、電気信号の振幅をV3paiとし、バイアス電圧を適切に設定することにより、k=3の光変調器として動作させることが可能である。

0066

図3はこの発明の第3の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=10GHz,k=2,n=3で動作させる例である。入力端401にはRZ形式の80Gb/sの光信号が入力され、この光信号は光変調器402に入力される。この光変調器402もLN変調器が用いられるが、その他の干渉型の光変調器であってもよい。光変調器402の出力は光電気変換器403に与えられる。光電気変換器403としては、応答速度が20GHz以上必要とされる。

0067

狭帯域フィルタ404は中心周波数が20GHzに選ばれ、狭帯域フィルタ404の出力が分周器405に与えられ、20GHzの正弦波信号が入力されると、10GHzの正弦波信号にダウンコンバートして出力される。この出力信号は増幅器406で増幅され、2分岐407に与えられる。2分岐407は入力した電力を2分岐し、その一方を出力端410に出力し、他方を3逓倍器408に入力する。この3逓倍器408は10GHzの正弦波信号入力に対して、30GHzの正弦波信号を出力する。3逓倍器408の出力信号は増幅器409で増幅され、光変調器402に与えられる。

0068

なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器402に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0069

この図3に示した実施形態は図1および図2の実施形態とほぼ同様の動作を行なうが、分周器405を設けている点のみが異なっている。分周器405は、ロジック回路として汎用的なものとなっているが、高周波でも動作させることは困難であり、市販品では20GHzを10GHzにダウンコンバートするものが見られる程度であり、この実施形態でもそのような回路が用いられる。

0070

図3において、F=10Hz,n=3,k=2であるので、光変調器402は信号光を60GHzで強度変調することになる。その結果、80Gb/sの信号光は20GHzの成分を有する光信号に変換される。20GHzの光信号は電気信号に変換された後、分周器405によって10GHzにダウンコンバートされ、分周のタイミング信号となる。また、同じ10GHzの正弦波信号は3逓倍器408によって3逓倍され、光変調器402の駆動に用いられる。

0071

図4はこの発明の第4の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=20GHz,k=3、で逓倍器を用いていない点において図1および図2に示した実施形態と異なる。光信号入力端501には、RZ形式の80Gb/sの光信号が入力され、光変調器502に与えられる。光変調器502はこの例においてもLN変調器が用いられるが、その他の干渉型の光変調器であってもよい。光電気変換器503は応答速度20GHz以上必要とされ、狭帯域フィルタ504は中心周波数が20GHzに選ばれている。狭帯域フィルタ504の出力は増幅器505で増幅され、2分岐506に与えられて2分岐される。一方の出力は20GHzのタイミング信号として出力端508から出力され、他方の出力は増幅器507に与えられる。増幅器507は2分岐された信号電力を増幅して光変調器502に与える。

0072

なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器502に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0073

この図4に示した実施形態も、図1図3の実施形態とほぼ同様の動作を行なうが、光変調器502は20GHzの信号が印加され、k=3で駆動されるので、60GHzの光強度変調器として動作する。光変調器502に入力される信号光は80Gb/sであるので、60GHzで変調された結果、20GHzの周波数成分を含む光信号が出力され、分周のタイミング信号となる。

0074

図5はこの発明の第5実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=20GHz,k=2,n=2の例である。光信号入力端601にはRZ形式の100Gb/sの光信号が入力され、光変調器602はLN変調器が用いられるが、その他の干渉型の光変調器であってもよい。光電気変換器603は応答速度が20GH以上必要とされる。狭帯域フィルタ604は中心周波数が20GHzに選ばれ、この狭帯域フィルタ604の出力が増幅器605で増幅され、2分岐606に与えられ、入力した信号電力が2分岐され、一方の出力が20GHzのタイミング信号として信号出力端609から出力される。2分岐606の他方の出力は2逓倍器607に与えられ、20GHzの正弦波信号入力に対して40GHzの正弦波信号が出力される。この40GHzの正弦波信号は増幅器608で増幅され、光変調器602に与えられる。

0075

なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器602に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0076

図5の動作は図2の動作とほぼ同様であるが、F=20GHz,n=2,k=2であるので、光変調器602は80GHzの光強度変調を与えることになる。その結果、光変調器602は入力される100Gb/sの信号光を変調することにより、20GHzの成分を有する光信号に変換する。

0077

図6はこの発明の第6の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=10GHz,k=3,n=3に選んだものである。光信号入力端701にはRZ形式の100Gb/sの光信号が入力され、光変調器702はLN変調器であるが、その他の干渉型変調器であってもよい。光電気変換器703は応答速度が10GHz以上必要とされる。狭帯域フィルタ704は中心周波数が10GHzに選ばれ、増幅器705は狭帯域フィルタ704の出力を増幅し、2分岐706に与える。2分岐706は入力した電力を2つの出力端に分配し、一方は10GHzのタイミング信号として出力端709から出力される。2分岐706の他方出力は3逓倍器707に与えられ、3逓倍器707は10GHzの正弦波信号入力に対して30GHzの正弦波信号を出力する。

0078

なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器702に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0079

この図6に示したタイミング信号抽出装置の動作は、図3の実施形態とほぼ同様であるが、F=10GHz,n=3,k=3に選ばれているので、光変調器702は90GHzの光強度変調を与えることになる。その結果、入力される100Gbpsの信号光が10GHzの成分を有する光信号に変換され、これが分周のタイミング信号となる。

0080

図7はこの発明の第7の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図であり、F=20GHz,k=1,n=2の例である。光信号入力端901にはRZ形式の100Gb/sの光信号が入力され、光変調器902に入力される。光変調器902はLN変調器が用いられるが、その他の光変調器であってもよい。光結合器910は一般的に普及している光ファイバ型の3dBカプラであって、2つの光入力端と1つの光出力端とを有する。

0081

光結合器911も光結合器910と同様の光部品であって、1つの光入力端と2つの光出力端とを有する。信号光が3dBカプラを1回通過すると、光パワーは半分に減少する。光結合器910の一方の光入力端には、光信号入力端901から入力された100Gb/sの光信号が入力され、もう一方の光入力端は光結合器911の一方の光出力端と接続されている。光結合器911の光入力端は光変調器902の出力端と接続されている。

0082

光電気変換器903は応答速度が20GHz以上必要とされる。狭帯域フィルタ904は中心周波数が20GHzに選ばれ、この狭帯域フィルタ904の出力が増幅器905で増幅され、2分岐906に与えられて、入力された電気信号が2分岐され、その一方の出力が20GHzのタイミング信号として信号出力端909から出力される。2分岐の他方の出力は2逓倍器907に与えられ、20GHzの正弦波信号入力に対して40GHzの正弦波信号が出力される。この40GHzの正弦波信号は増幅器908で増幅され、光変調器902に与えられる。なお、電気系の電気結線や光学系の光結線の長さは、光変調器902に到達する光および電気信号が同相となるように調節されている。

0083

図7に示したタイミング信号抽出装置において、光電気変換器903から信号出力端909までの動作は図2に示した実施形態と同様であるので、光結合器910および911と光変調器902の動作について、以下に説明する。

0084

光結合器910の一方の光信号入力端から入力された100Gb/sの信号光は、光変調器902で40GHzの変調を受けるため、60GHzと140GHzの成分を含んで光変調器902から出力される。光変調器902の出力信号光は光結合器911に入力され、そのうちの半分の光パワーは光電気変換器903に入力され、残りの半分は光結合器910にフィードバックされる。このフィードバックされた信号光の半分の光パワーは光変調器902に再度入力される。

0085

再入力された信号光は、さらに40GHzの変調を受けるため、光変調器902からの出力信号光には、20GHz,100GHz,180GHzの成分が含まれ、その半分の光パワーが電気変換器903に入力される。電気変換器903から、その応答周波数域内に入る種々の周波数成分の制限は信号が出力されるが、後続の狭帯域フィルタ904によって20GHz成分だけが抽出される。

0086

上述のごとく、この実施形態では、信号光を2度通過させることにより変調周波数が2倍になったのと同じ作用、すなわち、K=2と同じ作用を得たことになる。そして、この実施形態によれば、信号光のフィードバックは多重に起こるので、そのことを利用すれば、さらにビットレートの高い入力信号光にも適用できる。たとえば、入力信号光のビットレートが140Gb/sとすると、最初の変調で100GHzの成分に、第1回のフィードバックで60GHzの成分に、第2回のフィードバックで20GHzの成分に変換されて、所望の周波数成分となる。

0087

多重の変調が可能であるのは、光変調器902の光導波路の周波数帯域が十分に大きいからである。しかし、光結合器910の物理的性質から、光結合器910を1回通過するたびに光パワーが半分になるため、多重に変調を受ければ、光パワーが小さくなり、光電気信号変換後の信号処理が困難になる。この困難は、光結合器910,911の結合比の異なる光カプラを用いるか、光結合器911から光結合器910へのフィードバックの途中に光増幅器を挿入して、光損を補うことにより克服できる。

0088

上述の各実施形態の方法は、nやkを大きくすることによって、より大きな伝送速度にも適用可能であるが、光変調器を40GHzを越えた周波数で駆動すること、V3paiを超えた条件で駆動すること、逓倍器の逓倍数を4以上とすることなどは不可能ではないが現実的ではない。

0089

また、上述の実施形態では、光変調器として主に干渉型の変調器を用いているが、これはk=2やk=3の動作をさせるためには必須の条件である。そして、干渉型の変調器の代表的な例はLN変調器であるが、LN変調器は一般的にその特性が入力される光波の偏光に依存する。通常は、変調器に特定の直線偏光が入力するように、偏光子が装着されている。

0090

一方、タイミング信号は、光ファイバを伝搬した光信号から抽出されるので、その偏光状態は時間的にランダムに変動する。ランダムであるので、ある瞬間にはLN変調器に装着された偏光面には全く信号が存在しない状況が生じることもあり、タイミング信号の欠損ということに陥る。

0091

タイミング信号の欠損を防ぐ手段としては、偏光制御装置を用いることができる。偏光制御装置は、任意の偏光の入力に対しても直線偏光に変換して出力する装置である。しかし、偏光制御装置は、偏光の変動に対する応答性が不十分であるとか、大きい光損が生じるとか、電源が必要であるなどの問題がある。

0092

そこで、この発明では、LN変調器を用いる場合でも偏光制御装置が不要であるタイミング信号抽出方法を提案する。

0093

図8は任意の偏光の信号光の入力に対しても、タイミング信号が抽出可能な方法を実現するための装置のブロック図である。図8において、信号光の入力端801には信号光が入力され、3端子を有する偏光分離器802に与えられる。そして、入力端から入力された信号光は偏光分離器802によって直交する2つの直線偏光に分離され、2つの出力端から出力される。出力された直線偏光はそれぞれ偏波保持光ファイバ804と805を介して偏光合波器803に入力される。この偏光合波器803は2つの入力端から入力された直線偏光の光波を空間的に直交する光波に合成して光変調器806に出力する。

0094

なお、偏波保持光ファイバ804,805はそれぞれ長さが異なっており、偏波保持光ファイバ805の方が長く、その差は(光速度÷ビットレート)の整数倍となっており、かつ信号光のコヒーレント長以上となっている。この実施形態では、各偏波保持光ファイバ804,805の長さの差は214cmに選ばれている。

0095

光変調器806はLN変調器が用いられ、その変調出力は光電気変換器807に与えられる。光電気変換器807は応答速度が10GHz以上必要とされており、その出力は狭帯域フィルタ808に与えられる。この狭帯域フィルタ808は中心周波数が10GHzに選ばれている。そして、狭帯域フィルタ808の出力は増幅器809で増幅され、2分岐810によって入力した信号電力が2つの出力端に分岐され、一方が信号出力端813に出力され、他方が逓倍器811に与えられる。逓倍器811はこの例では3逓倍の逓倍器であり、10GHzの正弦波信号入力に対して30GHzの正弦波信号を出力する。逓倍器811の出力の30GHzの正弦波信号は増幅器812で増幅され、光変調器806に与えられる。

0096

次に、図8の動作について説明する。光変調器806から信号出力端813までの構成は図1に示した光変調器202から信号出力端209までの構成と同一であるので、以下では信号光入力端801,偏光分離器802,偏光合波器803,偏波保持光ファイバ804および805の動作について説明する。偏光分離器802によって分離されて出力された2つの直線偏光はそれそれ偏波保持光ファイバ804および805の複屈折軸に偏光方向に合せて入力される。これらの2つの光波は別々の光ファイバを伝搬した後、偏光合波器803で合波される。

0097

図9(a)は偏光合波器803から出力される光パルスの時間変化を図示したものである。2つの直交する偏光面をここではX偏光面およびY偏光面と記載している。X偏光面とY偏光面に現われる光パルスの時間差タイムスロットの40倍となっているので、2つの偏光面のタイムスロットは完全に一致している。ただし、信号光パルススロットには、直交する2つの光波が存在する場合と、一方の偏光の光波が存在する場合と、もう一方の偏光の光波が存在する場合と、光波が存在しない場合の4つの場合が存在する。ところが、光路長の差がコヒーレント長以上としてあるので、これらの直交する光波は干渉することがない。言換えると独立となっている。

0098

したがって、X偏波面とY偏波面から45°傾いた偏光面に偏光子の透過偏光面を一致させると、その出力の強度変化は図9(b)に示すようになる。図9(b)から明らかなように、45°傾いた偏光面には必ず光信号が存在することになる。また、図9にも示されているように、この信号光の強度の変化は3値の変化ということができるが、独立な信号の和であるので、元の信号の周波数成分をそのまま含んでいる。

0099

したがって、偏光合波器の出力をLN変調器の入力端に導く際に、偏波合波器の45度面と、LN変調器の偏光子の透過偏光面を一致させておくことにより、信号光入力端801にどのような偏光状態の信号が到達してもタイミング信号を抽出することができる。

0100

なお、図8に示した信号光入力端801から偏波保持光ファイバ805までの光回路は、図1図6に示した各実施形態のすべてに有効であるのみならず、偏光依存性を有する他のタイミング信号抽出装置も有効となる。

0101

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

発明の効果

0102

以上のように、この発明によれば、タイミング信号抽出装置において、従来のような起動特性が不十分となる要因である電圧制御発振器を用いないようにしたので、信号光の到着と同時にタイミング信号を取出すことができるという利点がある。また、光変調器の動作が電気的に線形であるので、光信号の変調が十分に深いという利点がある。さらに、従来では必要であった偏光制御装置が不要な方法であるので、装置の簡易化と低価格化に大いに有利な方法となる。

図面の簡単な説明

0103

図1この発明の第1の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図2この発明の第2の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図3この発明の第3の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図4この発明の第4の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図5この発明の第5の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図6この発明の第6の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図7この発明の第7の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図8この発明の第8の実施形態のタイミング信号抽出装置のブロック図である。
図9偏光無依存化の原理を説明するための図である。
図10従来のタイミング信号抽出装置の構成を示すブロック図である。

--

0104

201,301,401,501,601,701,801,901信号光の入力端、202,302,402,502,602,702,806,902光変調器、203,303,403,503,603,703,807,903光電気変換器、204,304,404,504,604,704,808,904狭帯域フィルタ、205,208,305,308,406,409,505,507,605,608,705,708,809,812増幅器、206,306,407,506,606,706,810,905,9082分岐、207,307,408,607,707,811,907逓倍器、209,300,410,508,609,709,813,909出力端、802偏光分離器、803偏光合波器、804,805偏波保持光ファイバ。

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