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技術 素子の転写方法、素子の配列方法、及び画像表示装置の製造方法

出願人 ソニー株式会社
発明者 南勝
出願日 2001年9月19日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2001-285859
公開日 2003年4月4日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2003-098977
状態 未査定
技術分野 LED素子(パッケージ以外) LED素子のパッケージ 発光ダイオード 要素組合せによる可変情報用表示装置2
主要キーワード 紫外線ランプユニット レーザ照射範囲 角錐構造 多角錐形状 略整数倍 六角錐形状 コンタクト半導体層 選択分離
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

効率的な転写を可能とし、量産に適した素子転写方法を提供する。

解決手段

第1の基板上に配列された素子を第2の基板上に転写するに際し、光触媒層及び有機物層を介して素子を第1の基板上に配列しておき、紫外線照射することにより素子を第1の基板から剥離する。第1の基板としては、紫外線を透過する透明基板を用いる。光触媒層は、光触媒作用を有する材料として例えば酸化チタンを含有する。有機物層は、有機物として例えばポリイミドを含有する。紫外線の照射は、紫外線ランプユニットを用いて行い、転写対象となる素子に対応して一括して照射する。

概要

背景

例えば、発光素子マトリクス状に配列して画像表示装置に組み上げる場合には、従来、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)のように基板上に直接素子を形成するか、あるいは発光ダイオードディスプレイLEDディスプレイ)のように単体LEDパッケージを配列することが行われている。例えば、LCD、PDPの如き画像表示装置においては、素子分離ができないために、製造プロセスの当初から各素子はその画像表示装置の画素ピッチだけ間隔を空けて形成することが通常行われている。

一方、LEDディスプレイの場合には、LEDチップダイシング後に取り出し、個別にワイヤーボンドもしくはフリップチップによるバンプ接続により外部電極に接続し、パッケージ化されることが行われている。この場合、パッケージ化の前もしくは後に画像表示装置としての画素ピッチに配列されるが、この画素ピッチは素子形成時の素子のピッチとは無関係とされる。

発光素子であるLED(発光ダイオード)は高価である為、1枚のウエハから数多くのLEDチップを製造することによりLEDを用いた画像表示装置を低コストにできる。すなわち、LEDチップの大きさを従来約300μm角のものを数十μm角のLEDチップにして、それを接続して画像表示装置を製造すれば画像表示装置の価格を下げることができる。

概要

効率的な転写を可能とし、量産に適した素子の転写方法を提供する。

第1の基板上に配列された素子を第2の基板上に転写するに際し、光触媒層及び有機物層を介して素子を第1の基板上に配列しておき、紫外線照射することにより素子を第1の基板から剥離する。第1の基板としては、紫外線を透過する透明基板を用いる。光触媒層は、光触媒作用を有する材料として例えば酸化チタンを含有する。有機物層は、有機物として例えばポリイミドを含有する。紫外線の照射は、紫外線ランプユニットを用いて行い、転写対象となる素子に対応して一括して照射する。

目的

本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであり、効率的な転写が可能で、ランニングコストも抑えることができ、量産に適した新規な素子の転写方法を提供することを目的とする。また、本発明は、素子に損傷を与えることのない素子の転写方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記転写方法を応用し、この転写方法の利点を活かした素子の配列方法、画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

第1の基板上に配列された素子を第2の基板上に転写する素子の転写方法において、光触媒層及び有機物層を介して素子を上記第1の基板上に配列しておき、紫外線照射することにより上記素子を第1の基板から剥離することを特徴とする素子の転写方法。

請求項2

上記第1の基板は、上記紫外線を透過する透明基板であることを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項3

上記光触媒層は、光触媒作用を有する材料として酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項4

上記有機物層は、有機物としてポリイミドを含有することを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項5

紫外線ランプユニットを用い、紫外線を一括して照射することを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項6

上記第2の基板上に接着剤層を形成しておくことを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項7

上記光触媒層が形成された第1の基板を繰り返し使用することを特徴とする請求項1記載の素子の転写方法。

請求項8

一基板上に配列された複数の素子を第二基板上に再配列する素子の配列方法において、前記第一基板上で前記素子が配列された状態よりは離間した状態となるように前記素子を転写して一時保持用部材に該素子を保持させる第一転写工程と、前記一時保持用部材に保持された前記素子をさらに離間して前記第二基板上に転写する第二転写工程を有し、前記第一転写工程及び第二転写工程の少なくと一方においては、光触媒層及び有機物層を介して素子を上記第一基板または一時保持用部材上に配列しておき、紫外線を照射することにより上記素子を第一基板または一時保持用部材から剥離することを特徴とする素子の配列方法。

請求項9

上記第一基板または一時保持用部材は、上記紫外線を透過する透明基板であることを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項10

上記光触媒層は、光触媒作用を有する材料として酸化チタンを含有することを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項11

上記有機物層は、有機物としてポリイミドを含有することを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項12

紫外線ランプユニットを用い、紫外線を一括して照射することを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項13

上記一時保持用部材または第二基板上に接着剤層を形成しておくことを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項14

上記光触媒層が形成された第一基板または一時保持用部材を繰り返し使用することを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項15

前記第一転写工程で離間させる距離が前記第一基板上に配列された素子のピッチ略整数倍になっており且つ前記第二転写工程で離間させる距離が前記第一転写工程で前記一時保持用部材に配列させた素子のピッチの略整数倍になっていることを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項16

前記素子は窒化物半導体を用いた半導体素子であることを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項17

前記素子は発光素子液晶制御素子光電変換素子圧電素子薄膜トランジスタ素子薄膜ダイオード素子抵抗素子スイッチング素子微小磁気素子微小光学素子から選ばれた素子若しくはその部分であることを特徴とする請求項8記載の素子の配列方法。

請求項18

発光素子をマトリクス状に配置した画像表示装置の製造方法において、前記第一基板上で前記発光素子が配列された状態よりは離間した状態となるように前記発光素子を転写して一時保持用部材に該発光素子を保持させる第一転写工程と、前記一時保持用部材に保持された前記発光素子をさらに離間して前記第二基板上に転写する第二転写工程を有し、前記第一転写工程及び第二転写工程の少なくと一方においては、光触媒層及び有機物層を介して発光素子を上記第一基板または一時保持用部材上に配列しておき、紫外線を照射することにより上記発光素子を第一基板または一時保持用部材から剥離することを特徴とする画像表示装置の製造方法。

請求項19

発光素子を樹脂中に埋め込んでチップ部品化することを特徴とする請求項18記載の画像表示装置の製造方法。

請求項20

上記発光素子は、先細り形状となる先端部を有することを特徴とする請求項18記載の画像表示装置の製造方法。

請求項21

上記先端部は、円錐形状または多角錐形状であることを特徴とする請求項20記載の画像表示装置の製造方法。

請求項22

上記発光素子は、半導体素子であることを特徴とする請求項18記載の画像表示装置の製造方法。

請求項23

上記発光素子は、窒化物半導体を用いた半導体素子であることを特徴とする請求項22記載の画像表示装置の製造方法。

請求項24

上記発光素子は、半導体LED素子であることを特徴とする請求項22記載の画像表示装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、素子転写方法に関するものであり、さらには、これを応用した素子の配列方法および画像表示装置の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えば、発光素子マトリクス状に配列して画像表示装置に組み上げる場合には、従来、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)のように基板上に直接素子を形成するか、あるいは発光ダイオードディスプレイLEDディスプレイ)のように単体LEDパッケージを配列することが行われている。例えば、LCD、PDPの如き画像表示装置においては、素子分離ができないために、製造プロセスの当初から各素子はその画像表示装置の画素ピッチだけ間隔を空けて形成することが通常行われている。

0003

一方、LEDディスプレイの場合には、LEDチップダイシング後に取り出し、個別にワイヤーボンドもしくはフリップチップによるバンプ接続により外部電極に接続し、パッケージ化されることが行われている。この場合、パッケージ化の前もしくは後に画像表示装置としての画素ピッチに配列されるが、この画素ピッチは素子形成時の素子のピッチとは無関係とされる。

0004

発光素子であるLED(発光ダイオード)は高価である為、1枚のウエハから数多くのLEDチップを製造することによりLEDを用いた画像表示装置を低コストにできる。すなわち、LEDチップの大きさを従来約300μm角のものを数十μm角のLEDチップにして、それを接続して画像表示装置を製造すれば画像表示装置の価格を下げることができる。

発明が解決しようとする課題

0005

上述のような転写技術により画像表示装置を製造する場合、転写対象となる素子のみが選択的に、且つ確実に転写される必要がある。また、効率的な転写、精度の良い転写も要求される。

0006

このような状況から、本願出願人は、既にレーザアブレーションを利用した転写技術を提案している。このレーザアブレーションを利用した転写技術は、例えばガラス基板上にポリイミド膜を形成しておき、この上に素子を配列させておくとともに、転写に際してはエキシマレーザ照射してポリイミド膜をアブレーションさせガラス基板を剥離するというものである。

0007

しかしながら、このレーザアブレーションを利用した転写技術では、エキシマレーザ自体が非常に高価であり、メンテナンス費用ランニングコストも多大なものとなるばかりか、一回のレーザ照射範囲が1mm×1mm程度と狭いので処理に非常に長時間を要するといった問題を残しており、量産を考えたときには不向きな技術となっている。また、上記エキシマレーザの照射は、照射エネルギーによっては素子にダメージを与える虞れがあるという欠点も有する。

0008

本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであり、効率的な転写が可能で、ランニングコストも抑えることができ、量産に適した新規な素子の転写方法を提供することを目的とする。また、本発明は、素子に損傷を与えることのない素子の転写方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記転写方法を応用し、この転写方法の利点を活かした素子の配列方法、画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述の目的を達成するために、本発明の転写方法は、第1の基板上に配列された素子を第2の基板上に転写する素子の転写方法において、光触媒層及び有機物層を介して素子を上記第1の基板上に配列しておき、紫外線を照射することにより上記素子を第1の基板から剥離することを特徴とするものである。

0010

光触媒層と有機物層が接した状態で紫外線を照射すると、光触媒触媒作用を発揮し、有機物が分解される。その結果、光触媒層と有機物層の界面で剥離が生じ、有機物層上に配列された素子は第1の基板から剥離されて第2の基板側に転写される。ここで、紫外線照射とすることで、大面積一括して処理することが可能となり、短時間処理が実現される。また、光触媒層は、上記転写プロセスの前後で全く変化しないことから、繰り返し利用することが可能である。

0011

また、本発明の素子の配列方法は、第一基板上に配列された複数の素子を第二基板上に再配列する素子の配列方法において、前記第一基板上で前記素子が配列された状態よりは離間した状態となるように前記素子を転写して一時保持用部材に該素子を保持させる第一転写工程と、前記一時保持用部材に保持された前記素子をさらに離間して前記第二基板上に転写する第二転写工程を有し、前記第一転写工程及び第二転写工程の少なくと一方においては、光触媒層及び有機物層を介して素子を上記第一基板または一時保持用部材上に配列しておき、紫外線を照射することにより上記素子を第一基板または一時保持用部材から剥離することを特徴とするものである。上記配列方法においては、上記転写方法の利点をそのままに、素子の転写が効率的且つ確実に行われるので、素子間の距離を大きくする拡大転写が円滑に実施される。

0012

さらに、本発明の画像表示装置の製造方法は、発光素子をマトリクス状に配置した画像表示装置の製造方法において、前記第一基板上で前記発光素子が配列された状態よりは離間した状態となるように前記発光素子を転写して一時保持用部材に該発光素子を保持させる第一転写工程と、前記一時保持用部材に保持された前記発光素子をさらに離間して前記第二基板上に転写する第二転写工程を有し、前記第一転写工程及び第二転写工程の少なくと一方においては、光触媒層及び有機物層を介して発光素子を上記第一基板または一時保持用部材上に配列しておき、紫外線を照射することにより上記発光素子を第一基板または一時保持用部材から剥離することを特徴とするものである。

0013

上記画像表示装置の製造方法によれば、上記転写方法、配列方法を応用することによって発光素子がマトリクス状に配置され、画像表示部分が構成される。したがって、密な状態すなわち集積度を高くして微細加工を施して作成された発光素子が、効率よく離間して再配置され、生産性が大幅に改善される。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明を適用した素子の転写方法、素子の配列方法、及び画像表示装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。

0015

本発明の転写方法において、素子を転写するには、図1(a)に示すように、転写元基板1上に光触媒層2を形成しておき、この上に有機物層3を介して転写対象となる素子4を配列しておく。転写元基板1は、紫外線を透過するものであれば、ガラス樹脂フィルムなど、その材料や形態を問わない。また、光触媒層2は、光触媒作用を有する材料であれば如何なる材料であってもよく、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などが使用可能である。なかでも酸化チタンが好適である。有機物層3は、上記光触媒層2の触媒作用によって分解されるものであれば如何なるものであってもよく、例えばポリイミドなどを挙げることができる。本発明者は、ポリイミドにおいて分解が起こることを確認している。

0016

一方、上記素子4が転写される転写先基板5には、予め接着剤層6を形成しておき、図1(b)に示すように、この接着剤層6が素子4と接するように、転写先基板5を転写元基板1上に重ね合わせる。接着剤層6には、エポキシ樹脂など各種接着剤を用いることができ、その厚みは任意である。

0017

転写元基板1上に転写先基板5を重ね合わせた後、図1(c)に示すように、転写元基板1の裏面側にUVランプユニット7を配置し、紫外線を照射する。UVランプユニット7は、必要とする面積をカバーし得る大きさのものを用意する。このUVランプユニット7は、最低限有機物を分解し得るエネルギーが照射されればよいので、特に照度分布は均一でなくても構わない。

0018

上記UVランプユニット7を用いて紫外線を照射すると、光触媒層2の作用により、当該光触媒層2と接する部分の有機物層3が分解される。すると、光触媒層2と有機物層3の界面で剥離が生じ、光触媒層2は転写元基板1上に残り、素子4は転写先基板5上に移行する。したがって、図1(d)に示すように、転写元基板1を取り除けば、結果として、素子4が転写元基板1から転写先基板5に転写されたことになる。ここで、転写元基板1上の光触媒層2は、上記転写プロセスの前後で全く変化が無いので、例えば洗浄を施すことにより、繰り返し再利用することが可能である。

0019

上記転写方法によれば、一度に大面積を短時間で処理することができるので、非常にスループットが高い転写プロセスを実現することができる。例えば、処理する基板の大きさは、UVランプユニット7によって紫外線を照射できる大きさであれば、どれだけ大きくても構わない。また、UVランプユニットという安価な設備のみで効率的な転写を実現することができるので、設備投資を抑えることができ、ランニングコストも抑えることができる。さらに、エキシマレーザを使用した場合に比べ、素子に損傷が入り難く、歩留まりを大幅に改善することができる。

0020

上記転写方法は、例えば発光素子を樹脂中に埋め込んでチップ部品化した後、拡大転写して再配列する素子の配列方法、画像表示装置の製造方法などに応用することができる。以下、この素子の配列方法、さらには画像表示装置の製造方法について説明する。

0021

例えば発光ダイオードを用いて画像表示装置を作製する場合、発光ダイオードを離間して配列する必要がある。この配列方法としては種々の方法があるが、ここでは二段階拡大転写法を例にして説明する。二段階拡大転写法では、先ず、高集積度をもって第一基板上に作成された素子を第一基板上で素子が配列された状態よりは離間した状態となるように一時保持用部材に転写し、次いで一時保持用部材に保持された前記素子をさらに離間して第二基板上に転写する二段階の拡大転写を行う。なお、本例では転写を2段階としているが、素子を離間して配置する拡大度に応じて転写を三段階やそれ以上の多段階とすることもできる。

0022

図2は二段階拡大転写法の基本的な工程を示す図である。まず、図2の(a)に示す第一基板20上に、例えば発光素子のような素子22を密に形成する。素子を密に形成することで、各基板当たりに生成される素子の数を多くすることができ、製品コストを下げることができる。第一基板20は例えば半導体ウエハ、ガラス基板、石英ガラス基板サファイア基板プラスチック基板などの種々素子形成可能な基板であるが、各素子22は第一基板20上に直接形成したものであっても良く、他の基板上で形成されたものを配列したものであっても良い。

0023

次に図2の(b)に示すように、第一基板20から各素子22が図中破線で示す一時保持用部材21に転写され、この一時保持用部材21の上に各素子22が保持される。ここで隣接する素子22は離間され、図示のようにマトリクス状に配される。すなわち素子22はx方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写されるが、x方向に垂直なy方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写される。このとき離間される距離は、特に限定されず、一例として後続の工程での樹脂部形成や電極パッドの形成を考慮した距離とすることができる。一時保持用部材21上に第一基板20から転写した際に第一基板20上の全部の素子が離間されて転写されるようにすることができる。この場合には、一時保持用部材21のサイズはマトリクス状に配された素子22の数(x方向、y方向にそれぞれ)に離間した距離を乗じたサイズ以上であれば良い。また、一時保持用部材11上に第一基板20上の一部の素子が離間されて転写されるようにすることも可能である。

0024

このような第一転写工程の後、図2の(c)に示すように、一時保持用部材21上に存在する素子22は離間されていることから、各素子22毎に素子周りの樹脂の被覆と電極パッドの形成が行われる。素子周りの樹脂の被覆は電極パッドを形成し易くし、次の第二転写工程での取り扱いを容易にするなどのために形成される。電極パッドの形成は、後述するように、最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるため、その際に配線不良が生じないように比較的大き目のサイズに形成されるものである。なお、図2の(c)には電極パッドは図示していない。各素子22の周りを樹脂23が覆うことで樹脂形成チップ24が形成される。素子22は平面上、樹脂形成チップ24の略中央に位置するが、一方の辺や角側に偏った位置に存在するものであっても良い。

0025

次に、図2の(d)に示すように、第二転写工程が行われる。この第二転写工程では一時保持用部材21上でマトリクス状に配される素子22が樹脂形成チップ24ごと更に離間するように第二基板25上に転写される。第二転写工程においても、隣接する素子22は樹脂形成チップ24ごと離間され、図示のようにマトリクス状に配される。すなわち素子22はx方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写されるが、x方向に垂直なy方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写される。第二転写工程によって配置された素子の位置が画像表示装置などの最終製品画素に対応する位置であるとすると、当初の素子22間のピッチの略整数倍が第二転写工程によって配置された素子22のピッチとなる。ここで第一基板20から一時保持用部材21での離間したピッチの拡大率をnとし、一時保持用部材21から第二基板25での離間したピッチの拡大率をmとすると、略整数倍の値EはE=n×mで表される。

0026

第二基板25上に樹脂形成チップ24ごと離間された各素子22には、配線が施される。この時、先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を極力抑えながらの配線がなされる。この配線は例えば素子22が発光ダイオードなどの発光素子の場合には、p電極、n電極への配線を含む。

0027

図2に示した二段階拡大転写法においては、第一転写後の離間したスペースを利用して電極パッドの形成などを行うことができ、そして第二転写後に配線が施されるが、先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を極力抑えながらの配線がなされる。従って、画像表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、本例の二段階拡大転写法においては、素子間の距離を離間する工程が2工程であり、このような素子間の距離を離間する複数工程の拡大転写を行うことで、実際は転写回数が減ることになる。すなわち、例えば、ここで第一基板20、20aから一時保持用部材21、21aでの離間したピッチの拡大率を2(n=2)とし、一時保持用部材21、21aから第二基板25での離間したピッチの拡大率を2(m=2)とすると、仮に一度の転写で拡大した範囲に転写しようとしたときでは、最終拡大率が2×2の4倍で、その二乗の16回の転写すなわち第一基板のアライメントを16回行う必要が生ずるが、本例の二段階拡大転写法では、アライメントの回数は第一転写工程での拡大率2の二乗の4回と第二転写工程での拡大率2の二乗の4回を単純に加えただけの計8回で済むことになる。即ち、同じ転写倍率を意図する場合においては、(n+m)2=n2+2nm+m2であることから、必ず2nm回だけ転写回数を減らすことができることになる。従って、製造工程も回数分だけ時間や経費の節約となり、特に拡大率の大きい場合に有益となる。

0028

なお、図2に示した二段階拡大転写法においては、素子22を例えば発光素子としているが、これに限定されず、他の素子例えば液晶制御素子光電変換素子圧電素子薄膜トランジスタ素子薄膜ダイオード素子抵抗素子スイッチング素子微小磁気素子微小光学素子から選ばれた素子若しくはその部分、これらの組み合わせなどであっても良い。

0029

上記第二転写工程においては、発光素子は樹脂形成チップとして取り扱われ、一時保持用部材上から第二基板にそれぞれ転写されるが、この樹脂形成チップについて図3及び図4を参照して説明する。樹脂形成チップ30は、離間して配置されている発光素子31の周りを樹脂32で固めたものであり、このような樹脂形成チップ30は、一時保持用部材から第二基板に発光素子31を転写する場合に使用できるものである。樹脂形成チップ30は略平板上でその主たる面が略正方形状とされる。この樹脂形成チップ30の形状は樹脂32を固めて形成された形状であり、具体的には未硬化の樹脂を各発光素子31を含むように全面に塗布し、これを硬化した後で縁の部分をダイシング等で切断することで得られる形状である。

0030

略平板状の樹脂32の表面側と裏面側にはそれぞれ電極パッド33,34が形成される。これら電極パッド33,34の形成は全面に電極パッド33,34の材料となる金属層多結晶シリコン層などの導電層を形成し、フォトリソグラフィー技術により所要電極形状パターンニングすることで形成される。これら電極パッド33,34は発光素子31のp電極とn電極にそれぞれ接続するように形成されており、必要な場合には樹脂32にビアホールなどが形成される。

0031

ここで電極パッド33,34は樹脂形成チップ30の表面側と裏面側にそれぞれ形成されているが、一方の面に両方の電極パッドを形成することも可能であり、例えば薄膜トランジスタの場合ではソースゲートドレインの3つの電極があるため、電極パッドを3つ或いはそれ以上形成しても良い。電極パッド33,34の位置が平板上ずれているのは、最終的な配線形成時に上側からコンタクトをとっても重ならないようにするためである。電極パッド33,34の形状も正方形に限定されず他の形状としても良い。

0032

このような樹脂形成チップ30を構成することで、発光素子31の周りが樹脂32で被覆され平坦化によって精度良く電極パッド33,34を形成できるとともに発光素子31に比べて広い領域に電極パッド33,34を延在でき、次の第二転写工程での転写を吸着治具で進める場合には取り扱いが容易になる。後述するように、最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるため、比較的大き目のサイズの電極パッド33,34を利用した配線を行うことで、配線不良が未然に防止される。

0033

次に、図5に本例の二段階拡大転写法で使用される素子の一例としての発光素子の構造を示す。図5の(a)が素子断面図であり、図5の(b)が平面図である。この発光素子はGaN系の発光ダイオードであり、たとえばサファイア基板上に結晶成長される素子である。このようなGaN系の発光ダイオードでは、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションが生じ、GaNの窒素気化する現象にともなってサファイア基板とGaN系の成長層の間の界面で膜剥がれが生じ、素子分離を容易なものにできる特徴を有している。

0034

まず、その構造については、GaN系半導体層からなる下地成長層41上に選択成長された六角錐形状GaN層42が形成されている。なお、下地成長層41上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐形状のGaN層42はその絶縁膜を開口した部分にMOCVD法などによって形成される。このGaN層42は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合にS面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。このGaN層42の傾斜したS面の部分はダブルテロ構造クラッドとして機能する。GaN層42の傾斜したS面を覆うように活性層であるInGaN層43が形成されており、その外側にマグネシウムドープのGaN層44が形成される。このマグネシウムドープのGaN層44もクラッドとして機能する。

0035

このような発光ダイオードには、p電極45とn電極46が形成されている。p電極45はマグネシウムドープのGaN層44上に形成されるNi/Pt/AuまたはNi(Pd)/Pt/Auなどの金属材料蒸着して形成される。n電極46は前述の図示しない絶縁膜を開口した部分でTi/Al/Pt/Auなどの金属材料を蒸着して形成される。なお、下地成長層41の裏面側からn電極取り出しを行う場合は、n電極46の形成は下地成長層41の表面側には不要となる。

0036

このような構造のGaN系の発光ダイオードは、青色発光も可能な素子であって、特にレーザアブレーションよって比較的簡単にサファイア基板から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することで選択的な剥離が実現される。なお、GaN系の発光ダイオードとしては、平板上や帯状に活性層が形成される構造であっても良く、上端部にC面が形成された角錐構造のものであっても良い。また、他の窒化物系発光素子化合物半導体素子などであっても良い。

0037

次に、図2に示す発光素子の配列方法を応用した画像表示装置の製造の具体的手法について説明する。発光素子は図5に示したGaN系の発光ダイオードを用いている。先ず、図6に示すように、第一基板51の主面上には複数の発光ダイオード52が密な状態で形成されている。発光ダイオード52の大きさは微小なものとすることができ、例えば一辺約20μm程度とすることができる。第一基板51の構成材料としてはサファイア基板などのように発光ダイオード52に照射するレーザ波長に対して透過率の高い材料が用いられる。発光ダイオード52にはp電極などまでは形成されているが最終的な配線は未だなされておらず、素子間分離の溝52gが形成されていて、個々の発光ダイオード52は分離できる状態にある。この溝52gの形成は例えば反応性イオンエッチングで行う。

0038

次いで、第一基板51上の発光ダイオード52を第1の一時保持用部材53上に転写する。ここで第1の一時保持用部材53の例としては、ガラス基板、石英ガラス基板、プラスチック基板などを用いることができ、本例では石英ガラス基板を用いた。また、第1の一時保持用部材53の表面には、離型層として機能する剥離層54が形成されている。剥離層54には、フッ素コートシリコーン樹脂水溶性接着剤(例えばポリビニルアルコールPVA)、ポリイミドなどを用いることができるが、ここではポリイミドを用いた。

0039

転写に際しては、図6に示すように、第一基板51上に発光ダイオード52を覆うに足る接着剤(例えば紫外線硬化型の接着剤)55を塗布し、発光ダイオード52で支持されるように第1の一時保持用部材53を重ね合わせる。この状態で、図7に示すように第1の一時保持用部材53の裏面側から接着剤55に紫外線(UV)を照射し、これを硬化する。第1の一時保持用部材53は石英ガラス基板であり、上記紫外線はこれを透過して接着剤55を速やかに硬化する。

0040

このとき、第1の一時保持用部材53は、発光ダイオード52によって支持されていることから、第一基板51と第1の一時保持用部材53との間隔は、発光ダイオード52の高さによって決まることになる。図7に示すように発光ダイオード52で支持されるように第1の一時保持用部材53を重ね合わせた状態で接着剤55を硬化すれば、当該接着剤55の厚さtは、第一基板51と第1の一時保持用部材53との間隔によって規制されることになり、発光ダイオード52の高さによって規制される。すなわち、第一基板51上の発光ダイオード52がスペーサとしての役割を果たし、一定の厚さの接着剤層が第一基板51と第1の一時保持用部材53の間に形成されることになる。このように、上記の方法では、発光ダイオード52の高さにより接着剤層の厚みが決まるため、厳密に圧力を制御しなくとも一定の厚みの接着剤層を形成することが可能である。

0041

接着剤55を硬化した後、図9に示すように、発光ダイオード52に対しレーザを第一基板51の裏面から照射し、当該発光ダイオード52を第一基板51からレーザアブレーションを利用して剥離する。GaN系の発光ダイオード52はサファイアとの界面で金属のGaと窒素に分解することから、比較的簡単に剥離できる。照射するレーザとしてはエキシマレーザ、高調波YAGレーザなどが用いられる。このレーザアブレーションを利用した剥離によって、発光ダイオード52は第一基板51の界面で分離し、一時保持用部材53上に接着剤55に埋め込まれた状態で転写される。

0042

図9は、上記剥離により第一基板51を取り除いた状態を示すものである。このとき、レーザにてGaN系発光ダイオードをサファイア基板からなる第一基板51から剥離しており、その剥離面にGa56が析出しているため、これをエッチングすることが必要である。そこで、NaOH水溶液もしくは希硝酸などによりウエットエッチングを行い、図10に示すように、Ga56を除去する。さらに、図11に示すように、酸素プラズマ(O2プラズマ)により表面を清浄化し、ダイシングにより接着剤55をダイシング溝57によって切断し、発光ダイオード52毎にダイシングした後、発光ダイオード52の選択分離を行なう。ダイシングプロセスは通常のブレードを用いたダイシング、20μm以下の幅の狭い切り込みが必要なときには上記レーザを用いたレーザによる加工を行う。その切り込み幅は画像表示装置の画素内の接着剤55で覆われた発光ダイオード52の大きさに依存するが、一例として、エキシマレーザにて溝加工を行い、チップの形状を形成する。

0043

発光ダイオード52を選択分離するには、先ず、図12に示すように、清浄化した発光ダイオード52上に熱可塑性接着剤58を塗布し、この上に第2の一時保持用部材59を重ねる。この第2の一時保持用部材59も、先の第1の一時保持用部材53と同様、ガラス基板、石英ガラス基板、プラスチック基板などを用いることができ、本例では石英ガラス基板を用いた。また、この第2の一時保持用部材59の表面には、酸化チタンなどからなる光触媒層60、及びポリイミドなどからなる剥離層61を形成しておく。

0044

次いで、図13に示すように、転写対象となる発光ダイオード52aに対応した位置にのみ第1の一時保持用部材53の裏面側からレーザを照射し、レーザアブレーショによりこの発光ダイオード52aを第1の一時保持用部材53から剥離する。それと同時に、やはり転写対象となる発光ダイオード52aに対応した位置に、第2の一時保持用部材59の裏面側から可視または赤外レーザ光を照射して、この部分の熱可塑性接着剤58を一旦溶融し硬化させる。その後、第2の一時保持用部材59を第1の一時保持用部材53から引き剥がすと、図14に示すように、上記転写対象となる発光ダイオード52aのみが選択的に分離され、第2の一時保持用部材59上に転写される。なお、このとき第1の一時保持用部材53の表面に光触媒層を形成しておき、紫外線(UV光)の照射により発光ダイオード52aを剥離するようにしてもよいが、ここでは選択的な照射が容易なレーザアブレーションを採用している。

0045

上記選択分離後、図15に示すように、転写された発光ダイオード52を覆って樹脂を塗布し、樹脂層62を形成する。さらに、図16に示すように、酸素プラズマなどにより樹脂層62の厚さを削減し、図17に示すように、発光ダイオード52に対応した位置にレーザの照射によりビアホール63を形成する。ビアホール63の形成には、エキシマレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザなどを用いることができる。このとき、ビアホール63は例えば約3〜7μmの径を開けることになる。

0046

次に、上記ビアホール63を介して発光ダイオード52のp電極と接続されるアノード側電極パッド64を形成する。このアノード側電極パッド64は、例えばNi/Pt/Auなどで形成する。図18は、発光ダイオード52を第2の一時保持用部材59に転写して、アノード電極(p電極)側のビアホール63を形成した後、アノード側電極パッド64を形成した状態を示している。

0047

上記アノード側電極パッド64を形成した後、反対側の面にカソード側電極を形成するため、第3の一時保持用部材65への転写を行う。第3の一時保持用部材65も、例えば石英ガラスなどからなり、その表面に光触媒層66を形成しておく。転写に際しては、図19に示すように、アノード側電極パッド64を形成した発光ダイオード52、さらには樹脂層62上に接着剤67を塗布し、この上に第3の一時保持用部材65を貼り合せる。この状態で第2の一時保持用部材59の裏面側からUV光を照射すると、石英ガラスからなる第2の一時保持用部材59上に形成された光触媒層60とポリイミドからなる剥離層61の界面で有機物分解による剥離が起き、剥離層61上に形成されている発光ダイオード52や樹脂層62は、第3の一時保持用部材65上に転写される。図20は、第2の一時保持用部材59を分離した状態を示すものである。

0048

カソード側電極の形成に際しては、上記の転写工程を経た後、図21に示すO2プラズマ処理により上記剥離層61や余分な樹脂層62を除去し、発光ダイオード52のコンタクト半導体層(n電極)を露出させる。発光ダイオード52は一時保持用部材65の接着剤67によって保持された状態で、発光ダイオード52の裏面がn電極側(カソード電極側)になっていて、図22に示すように電極パッド68を形成すれば、電極パッド68は発光ダイオード52の裏面と電気的に接続される。

0049

その後、電極パッド68をパターニングする。このときのカソード側の電極パッドは、例えば約60μm角とすることができる。電極パッド68としては透明電極(ITO、ZnO系など)もしくはTi/Al/Pt/Auなどの材料を用いる。透明電極の場合は発光ダイオード52の裏面を大きく覆っても発光をさえぎることがないので、パターニング精度が粗く、大きな電極形成ができ、パターニングプロセスが容易になる。

0050

次に、上記樹脂層62や接着剤67によって固められた発光ダイオード52を個別に切り出し、上記樹脂形成チップの状態にする。切り出しは、例えばレーザダイシングにより行えばよい。図23は、レーザダイシングによる切り出し工程を示すものである。レーザダイシングは、レーザのラインビームを照射することにより行われ、上記樹脂層62及び接着剤67を第3の一時保持用部材65上の光触媒層66が露出するまで切断する。このレーザダイシングにより各発光ダイオード52は所定の大きさの樹脂形成チップとして切り出され、後述の実装工程へと移行される。

0051

実装工程では、機械的手段真空吸引による素子吸着)とレーザアブレーションの組み合わせにより発光ダイオード52(樹脂形成チップ)が第3の一時保持用部材65から剥離される。図24は、第3の一時保持用部材65上に配列している発光ダイオード52を吸着装置69でピックアップするところを示した図である。このときの吸着孔70は画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて、発光ダイオード52を多数個、一括で吸着できるようになっている。このときの開口径は、例えば直径約100μmで600μmピッチのマトリクス状に開口されて、一括で約300個を吸着できる。このときの吸着孔70の部材は例えば、Ni電鋳により作製したもの、もしくはステンレス(SUS)などの金属板をエッチングで穴加工したものが使用され、吸着孔70の奥には吸着チャンバ71が形成されており、この吸着チャンバ71を負圧に制御することで発光ダイオード52の吸着が可能になる。発光ダイオード52はこの段階で樹脂層62で覆われており、その上面は略平坦化されている。このために吸着装置69による選択的な吸着を容易に進めることができる。

0052

なお、上記吸着装置69には、真空吸引による素子吸着の際に、発光ダイオード52(樹脂形成チップ)を一定の位置に安定して保持できるように、素子位置ずれ防止手段を形成しておくことが好ましい。図25は、素子位置ずれ防止手段72を設けた吸着装置69の一例を示すものである。本例では、素子位置ずれ防止手段72は、樹脂形成チップの周面に当接する位置決めピンとして形成されており、これが樹脂形成チップの周面(具体的にはレーザダイシングにより切断された樹脂層62の切断面)に当接することにより、吸着装置69と樹脂形成チップ(すなわち発光ダイオード52)とが互いに正確に位置合わせされる。上記レーザダイシングにより切断された樹脂層62の切断面は、完全な垂直面ではなく、5°〜10°程度のテーパ−を有する。したがって、上記位置決めピン(素子位置ずれ防止手段72)にも同様のテーパ−を持たせておけば、吸着装置69と発光ダイオード52間に若干の位置ずれがあったとしても、速やかに矯正される。

0053

上記発光ダイオード52の剥離に際しては、上記吸着装置69による素子吸着と、UV光照射による樹脂形成チップの剥離を組み合わせ、剥離が円滑に進むようにしている。樹脂形成チップの剥離は、第3の一時保持用部材65の裏面側からUV光を照射することにより行う。このUV光の照射によって、第3の一時保持用部材65上の光触媒層66と接着剤67の界面で剥離が生ずる。

0054

図26は発光ダイオード52を第二基板73に転写するところを示した図である。第二基板73は、配線層74を有する配線基板であり、発光ダイオード52を装着する際に第二基板73にあらかじめ接着剤層75が塗布されており、その発光ダイオード52下面の接着剤層75を硬化させ、発光ダイオード52を第二基板73に固着して配列させることができる。この装着時には、吸着装置69の吸着チャンバ71が圧力の高い状態となり、吸着装置69と発光ダイオード52との吸着による結合状態解放される。接着剤層75はUV硬化型接着剤熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤などによって構成することができる。第二基板73上で発光ダイオード52が配置される位置は、一時保持用部材65上での配列よりも離間したものとなる。接着剤層75の樹脂を硬化させるエネルギーは第二基板73の裏面から供給される。UV硬化型接着剤の場合はUV照射装置にて、熱硬化性接着剤の場合は赤外線加熱などによって発光ダイオード52の下面のみ硬化させ、熱可塑性接着剤場合は、赤外線やレーザの照射によって接着剤を溶融させ接着を行う。

0055

図27は、他の色の発光ダイオード76を第二基板73に配列させるプロセスを示す図である。図24あるいは図25で用いた吸着装置69をそのまま使用して、第二基板73にマウントする位置をその色の位置にずらすだけでマウントすると、画素としてのピッチは一定のまま複数色からなる画素を形成できる。ここで、発光ダイオード52と発光ダイオード76は必ずしも同じ形状でなくとも良い。図27では、赤色の発光ダイオード76が六角錐のGaN層を有しないプレーナ型構造とされ、他の発光ダイオード52とその形状が異なっているが、この段階では各発光ダイオード52、76は既に樹脂形成チップとして樹脂層62、接着剤67で覆われており、素子構造の違いにもかかわらず同一の取り扱いが実現される。

0056

次いで、図28に示すように、これら発光ダイオード52,76を含む樹脂形成チップを覆って絶縁層77を形成する。絶縁層77としては、透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤、ポリイミドなどを用いることができる。上記絶縁層77を形成した後、配線形成工程を行なう。図29は配線形成工程を示す図である。絶縁層77に開口部78、79、80、81、82、83を形成し、発光ダイオード52、76のアノード、カソードの電極パッドと第二基板73の配線層74を接続する配線84、85、86を形成した図である。このときに形成する開口部すなわちビアホールは発光ダイオード52、76の電極パッドの面積を大きくしているので大きくすることができ、ビアホールの位置精度も各発光ダイオードに直接形成するビアホールに比べて粗い精度で形成できる。例えば、このときのビアホールは、約60μm角の電極パッドに対し、直径約20μmのものを形成できる。また、ビアホールの深さは配線基板と接続するもの、アノード電極と接続するもの、カソード電極と接続するものの3種類の深さがあるのでレーザのパルス数で制御し、最適な深さを開口する。

0057

その後、図30に示すように、保護層87を形成し、ブラックマスク88を形成して画像表示装置のパネルは完成する。このときの保護層87は図27の絶縁層77と同様であり、透明エポキシ接着剤などの材料が使用できる。この保護層87は加熱硬化し配線を完全に覆う。この後、パネル端部の配線からドライバーICを接続して駆動パネル製作することになる。

0058

上述のような発光素子の配列方法においては、一時保持用部材59、65に発光ダイオード52を保持させた時点で既に、素子間の距離が大きくされ、その広がった間隔を利用して比較的サイズの電極パッド64、68などを設けることが可能となる。それら比較的サイズの大きな電極パッド64、68を利用した配線が行われるために、素子サイズに比較して最終的な装置のサイズが著しく大きな場合であっても容易に配線を形成できる。また、本例の発光素子の配列方法では、発光ダイオード52の周囲が硬化した樹脂層62で被覆され平坦化によって精度良く電極パッド64,68を形成できるとともに素子に比べて広い領域に電極パッド64,68を延在でき、次の第二転写工程での転写を吸着治具で進める場合には取り扱いが容易になる。

発明の効果

0059

以上の説明からも明らかなように、本発明の転写方法によれば、効率的な転写が可能であり、且つランニングコストも抑えることができ、量産に適した転写方法を提供することが可能である。また、本発明によれば、転写の際に素子に損傷を与えることがなく、歩留まりを改善することが可能である。

0060

また、本発明の素子の配列方法によれば、素子の転写を効率的、確実に行うことができ、素子間の距離を大きくする拡大転写を円滑に実施することが可能である。同様に、本発明の画像表示装置の製造方法によれば、密な状態すなわち集積度を高くして微細加工を施して作成された発光素子を、効率よく離間して再配置することができ、したがって精度の高い画像表示装置を生産性良く製造することが可能である。

図面の簡単な説明

0061

図1UV光の照射による剥離を利用した転写プロセスの一例を示すものであり、(a)は転写元基板への素子の配列状態を示す模式図、(b)は転写先基板を重ね合わせた状態を示す模式図、(c)はUV光照射工程を示す模式図、(d)は転写元基板を除去した状態を示す模式図である。
図2素子の配列方法を示す模式図である。
図3樹脂形成チップの概略斜視図である。
図4樹脂形成チップの概略平面図である。
図5発光素子の一例を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図である。
図6第1の一時保持用部材の接合工程を示す概略断面図である。
図7UV接着剤硬化工程を示す概略断面図である。
図8レーザアブレーション工程を示す概略断面図である。
図9第一基板の分離工程を示す概略断面図である。
図10Ga除去工程を示す概略断面図である。
図11素子分離溝形成工程を示す概略断面図である。
図12第2の一時保持用部材の接合工程を示す概略断面図である。
図13選択的なレーザアブレーション及びUV露光工程を示す概略断面図である。
図14発光ダイオードの選択分離工程を示す概略断面図である。
図15樹脂による埋め込み工程を示す概略断面図である。
図16樹脂層厚削減工程を示す概略断面図である。
図17ビア形成工程を示す概略断面図である。
図18アノード側電極パッド形成工程を示す概略断面図である。
図19UV光の照射による転写工程を示す概略断面図である。
図20第2の一時保持用部材の分離工程を示す概略断面図である。
図21コンタクト半導体層露出工程を示す概略断面図である。
図22カソード側電極パッド形成工程を示す概略断面図である。
図23レーザダイシング工程を示す概略断面図である。
図24UV光の照射による剥離及び吸着装置による選択的ピックアップ工程を示す概略断面図である。
図25素子位置ずれ防止手段を設けた吸着装置の一例を示す概略断面図である。
図26第二基板への転写工程を示す概略断面図である。
図27他の発光ダイオードの転写工程を示す概略断面図である。
図28絶縁層形成工程を示す概略断面図である。
図29配線形成工程を示す概略断面図である。
図30保護層及びブラックマスク形成工程を示す概略断面図である。

--

0062

1転写元基板、2光触媒層、3有機物層、4素子、5転写先基板、6接着剤層、52発光ダイオード、59 第2の一時保持用部材、60 光触媒層、剥離層、65 第3の一時保持用部材、66 光触媒層、67 接着剤

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