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技術 香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物

出願人 長谷川香料株式会社
発明者 中村明朗稲波治藤田明
出願日 2001年9月27日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-295232
公開日 2003年4月3日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2003-096486
状態 拒絶査定
技術分野 脂肪類、香料 調味料 非アルコール性飲料
主要キーワード 食品フレーバー 抗酸化剤濃度 プロペン酸エステル 柑橘系フレーバー レモン様 ユズオイル シロップ溶液 グラヴィノール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年4月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

柑橘系フレーバー、特にその主要香気成分であるシトラールから、オフフレーバー原因物質であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制することができ、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品を提供すること。

解決手段

茶ポリフェノール香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物。

概要

背景

レモンライムグレーフルーツおよびオレンジフレーバーなどの柑橘系フレーバーは、例えば、果実飲料果汁飲料などの各種飲食品柑橘類風味を付与増強するために用いられている。

シトラールは、柑橘系フレーバー、特にレモンフレーバー中の主要香気成分であり、レモン様フレッシュ香気を付与するための重要な香気成分である。しかしながら、シトラールは不安定で、酸性条件下では酸触媒反応により環化または酸化反応を起こし、分解される。それに伴い、レモン様のフレッシュ感消失するとともに、これらの環化、酸化生成物オフフレーバーとなり、フレーバーとしての寿命が短くなることが知られている(Perfumer & Flavorist,Vol.19,July/August,pp.23−32(1994))。

シトラールの環化と酸化反応は、下記の分解経路に示すように、まず、環化反応により化合物Bで表されるp−メンタジエン−8−オールとなり、ついで酸化されて化合物Cで表されるp−サイメン−8−オールとなり、さらに化合物Dで表されるα−p−ジメチルスチレンを経て、化合物Eで表されるp−メチルアセトフェノンに分解されることが知られている(Z.Lebensm.Unters.Forsch.,Vol.187,pp.35−39(1988))。これらの分解物の中でも閾値が低く、アーモンド様の、シトラスとは異質の香気を有するp−メチルアセトフェノンの生成はフレーバーにとって好ましくないものである。
シトラールの分解経路

概要

柑橘系フレーバー、特にその主要香気成分であるシトラールから、オフフレーバーの原因物質であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制することができ、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品を提供すること。

茶ポリフェノール香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物。

目的

本発明の目的は、柑橘系フレーバー、特にその主要香気成分であるシトラールから、オフフレーバーの原因物質であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制することができ、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
8件

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請求項1

茶ポリフェノール香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物

請求項2

柑橘系フレーバーがシトラールを含有する請求項1記載の組成物。

請求項3

茶ポリフェノールがシトラールのp−メチルアセトフェノンへの分解を抑制することを特徴とする請求項1または2記載の組成物。

請求項4

請求項1〜3記載の柑橘系フレーバー組成物を含有する飲食品

請求項5

有効量の茶ポリフェノールを含有せしめることを特徴とする柑橘系フレーバー含有飲食品の香味劣化防止方法

技術分野

0001

本発明は、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物に関し、更に詳しくは、茶ポリフェノール香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品に関する。

背景技術

0002

レモンライムグレーフルーツおよびオレンジフレーバーなどの柑橘系フレーバーは、例えば、果実飲料果汁飲料などの各種飲食品に柑橘類風味を付与増強するために用いられている。

0003

シトラールは、柑橘系フレーバー、特にレモンフレーバー中の主要香気成分であり、レモン様フレッシュ香気を付与するための重要な香気成分である。しかしながら、シトラールは不安定で、酸性条件下では酸触媒反応により環化または酸化反応を起こし、分解される。それに伴い、レモン様のフレッシュ感消失するとともに、これらの環化、酸化生成物オフフレーバーとなり、フレーバーとしての寿命が短くなることが知られている(Perfumer & Flavorist,Vol.19,July/August,pp.23−32(1994))。

0004

シトラールの環化と酸化反応は、下記の分解経路に示すように、まず、環化反応により化合物Bで表されるp−メンタジエン−8−オールとなり、ついで酸化されて化合物Cで表されるp−サイメン−8−オールとなり、さらに化合物Dで表されるα−p−ジメチルスチレンを経て、化合物Eで表されるp−メチルアセトフェノンに分解されることが知られている(Z.Lebensm.Unters.Forsch.,Vol.187,pp.35−39(1988))。これらの分解物の中でも閾値が低く、アーモンド様の、シトラスとは異質の香気を有するp−メチルアセトフェノンの生成はフレーバーにとって好ましくないものである。
シトラールの分解経路

0005

0006

これまで、柑橘系フレーバーの劣化抑制については種々の検討がなされ、例えば、アオチリメンジソから抽出されるプロペン酸エステルからなる食品フレーバー劣化防止剤(特開平9−227456号公報)、ユーカリ丁字、ミノバランイチゴサンシュウ、ゲンノショウコザクロヒシ五倍子及びアカメガシワからの溶媒抽出物を含有する香味劣化抑制剤(特開平11−137224号公報)、エリオシトリンを有効成分とするフレーバー劣化防止剤(特開2001−61461号公報)などが提案されている。これら従来提案されている柑橘系フレーバーの劣化防止においては、シトラールの残存率に着目して検討されている。

0007

また、シトラールの分解生成物であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制する提案としては、例えば、カフェ酸誘導体を有効成分とするシトラスフレーバーの安定化方法(WO98/58656号公報)が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、柑橘系フレーバー、特にその主要香気成分であるシトラールから、オフフレーバーの原因物質であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制することができ、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は、シトラールの分解生成物の中で、オフフレーバーの主要原因物質であるp−メチルアセトフェノンに着目し、該化合物の生成を抑制することができる素材について鋭意研究を行なった結果、今回、茶ポリフェノールが有効であることを見出し本発明を完成した。

0010

かくして本発明によれば、茶ポリフェノールを香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物が提供される。また、本発明は、シトラールのp−メチルアセトフェノンへの分解を抑制する茶ポリフェノール含有柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品が提供される。さらに本発明は、有効量の茶ポリフェノールを含有せしめることを特徴とする柑橘系フレーバー含有飲食品の香味劣化防止方法が提供される。

0011

以下に、本発明の具体的態様について説明する。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明は、茶ポリフェノールを香味劣化抑制剤として含有することを特徴とする柑橘系フレーバー組成物である。

0013

本発明に用いられる茶ポリフェノールは、例えば、紅茶プアール茶などの発酵茶ウーロン茶、包種などの半発酵茶緑茶煎り緑茶、ほうじ茶などの不発酵茶並びにこれらの混合物を、水、熱水含水有機溶媒有機溶媒などで抽出したもので、一般に茶抽出物として知られている。また、本発明には上記の茶抽出物を、例えば、有機溶媒分画吸着樹脂などを用いて所望の程度に精製した茶ポリフェノール高含有物として使用することもできる。

0014

このようにして得られた茶抽出物や茶ポリフェノール高含有物に含まれる茶ポリフェノールは、具体的にはカテキン類、すなわち(+)−カテキン、(−)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(+)−エピガロカテキン、(+)−ガロカテキンガレート、(+)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−カテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートなど、テアフラビン類、すなわちテアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジガレート遊離型テアフラビンなどが含まれ、これらを単独もしくは組み合わせて用いる。

0015

また、上記の茶ポリフェノールは市販品を入手することもでき、例えば、ポリフェノン60(東京フードテクノ(株)製、茶ポリフェノール含量60%以上)、サンフェノンBG(太陽化学(株)製、茶ポリフェノール含量70%以上)などを例示することができる。

0016

本発明の柑橘系フレーバーは、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、レモン、ライム、ユズキンカンなどの柑橘類果実の特徴を有するフレーバーであり、例えば、オレンジオイルグレープフルーツオイルレモンオイルライムオイルユズオイルなどの果実から圧搾または水蒸気蒸留により得られる精油類;該精油類を脱テルペン処理したターペンレスオイル柑橘果汁濃縮する際などに得られる回収香;柑橘類の精油アルコールに溶解したエッセンス類などの天然香料リモネンミルセンなどの炭化水素類;シトラール、シトロネラールなどのアルデヒド類シトロネロールゲラニオールなどのアルコール類;シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテートなどのエステル類カンファヌートカトンなどのケトン類などからなる合成香料などから選ばれる少なくとも1種または2種以上を組み合わせたフレーバーからなる。本発明では、特にシトラール含量の高いレモンフレーバーに対して有効に適用することができる。

0017

本発明の香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物は、上記の柑橘系フレーバーに、前記茶ポリフェノールを配合してなる。茶ポリフェノールを配合することにより、柑橘系フレーバー中のシトラールのp−アセトフェノンへの分解を効果的に抑制することができる。

0018

本発明の柑橘系フレーバー組成物への茶ポリフェノールの配合方法は、特に制限されず、茶ポリフェノールをそのまま柑橘系フレーバー組成物に配合するほか、使用目的に応じて、例えば、油脂、水、エタノールプロピレングリコールグリセリン等の溶媒、あるいは、アラビアガムデキストリングルコース界面活性剤などを配合して、粉末状、顆粒状、液状、乳液状、ペースト状その他適宜の形状の組成物のタイプで調製することもできる。

0019

本発明の柑橘系フレーバー組成物への茶ポリフェノールの配合量は、柑橘系フレーバーの種類、茶ポリフェノールの濃度等により一概には言えないが、一般に柑橘系フレーバー組成物に対して約0.001〜約10重量%の範囲内を例示することができる。

0020

またさらに、上述したように、柑橘系フレーバー組成物に直接茶ポリフェノールを配合する以外に、柑橘系フレーバーを配合した、例えば、果実飲料、果汁飲料などの飲食品に、茶ポリフェノールを配合して柑橘系フレーバー含有飲食品の香味劣化を効果的に抑制することもできる。柑橘系フレーバー含有飲食品に対する茶ポリフェノールの配合量は、柑橘系フレーバーの種類、茶ポリフェノールの濃度等により異なるが、一般には柑橘系フレーバー含有飲食品に対して約0.001〜約10重量%を例示することができる。

0021

本発明の香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物は、広範囲の飲食品に使用することができ、例えば、清涼飲料、果汁飲料、果実飲料、炭酸飲料などの飲料類シャーベットアイスクリームなどの冷菓類;シロップキャンディー類ジャム、フルーツプレザーブ類;ケーキ、ババロアムース等の洋菓子類ゼリーガムなどの菓子類などを挙げることができる。

0022

次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

0023

実施例1及び比較例1〜6
果糖ブドウ糖液160g、クエン酸1.5g、クエン酸ナトリウム0.2gおよびシトラールの1%アルコール溶液3.0gを水で1Lに定容して、シトラール濃度30ppm、pH3、Bx12°のシロップ溶液を調製した。このシロップ溶液に下記に示す各種抗酸化剤を添加し、200mlジュース瓶に95℃、30秒間ホットパック充填し、35℃にて熱虐待試験を行った。

0024

抗酸化剤の種類
実施例1:ポリフェノン60(東京フードテクノ(株)製の茶ポリフェノール)
比較例1:抗酸化剤無添加
比較例2:αGルチンP(東洋製糖(株)製の酵素処理ルチン
比較例3:アップフェノン50(ニッカウイスキー(株)製のリンゴ抽出物
比較例4:グラヴィノール(キッコーマン(株)製のブドウ種子抽出物
比較例5:没食子酸
比較例6:ビタミンC

0025

シロップ溶液中の抗酸化剤濃度
実施例1:165ppm(ポリフェノールとして100ppm)
比較例1:無添加
比較例2:250ppm(ポリフェノールとして100ppm)
比較例3:200ppm(ポリフェノールとして100ppm)
比較例4:250ppm(ポリフェノールとして100ppm)
比較例5:100ppm(ポリフェノールとして100ppm)
比較例6:200ppm
(p−メチルアセトフェノンの生成量虐待処理したジュースをフィルターろ過(0.45μm)し、そのろ液中のp−メチルアセトフェノンの生成量を高速液体クロマトグラフィーHPLC)にて測定した。その結果を図1に示した。

0026

HPLC測定条件
Instrument:WATERSHPLCSystem
Column:TSKgelODS−100S,4.6×150mm(TOSOH
Mobile phase:A(H2O:H3PO4=995:5),B(H2O:CH3CN:H3PO4=95:900:5)
20min Linear gradient from 30%B
in A to 100%B
Flow rate:0.7ml/min
Detecter:Waters 484 Tunable Absorbance Detecter(200〜600nm)
Injection Volume:20μl
官能評価)未虐待のジュースを対照として、実施例1及び比較例1〜6の熱虐待日数12日のジュースについて、良く訓練された専門パネラー10名にて官能評価を行った。その平均的な官能評価を表1に示した。

0027

0028

実施例2
果糖ブドウ糖液160g、クエン酸1.5g、クエン酸ナトリウム0.2gおよびシトラールの1%アルコール溶液0.3gを水で1Lに定容して、シトラール濃度3ppm、pH3、Bx12°のシロップ溶液を調製した。このシロップ溶液に実施例1で使用した茶ポリフェノールを、ポリフェノール濃度として100ppm、50ppm、25ppmおよび0ppm(無添加)となるように添加し、200mlジュース瓶に95℃、30秒間ホットパック充填し、40℃にて熱虐待試験を行った。
(p−メチルアセトフェノンの生成量)虐待処理したジュースをフィルターろ過(0.45μm)し、そのろ液中のp−メチルアセトフェノンの生成量を、実施例1と同様に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定した。その結果を図2に示した。

発明の効果

0029

本発明によれば、柑橘系フレーバー、特にその主要香気成分であるシトラールから、オフフレーバーの原因物質であるp−メチルアセトフェノンの生成を抑制することができ、香味劣化の抑制された柑橘系フレーバー組成物および該組成物を含有する飲食品を提供することができる。

0030

図面の簡単な説明

0031

図1各種の添加剤を使用した際の、p−メチルアセトフェノン生成量の経時変化を示すグラフである。
図2茶ポリフェノールの添加量と、p−メチルアセトフェノン生成量の関係を示すグラフである。

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