図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2003年4月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
概要
背景
塗料、塩ビやプラスチック等樹脂製品、繊維、木材などの工業製品は、真菌(カビ、キノコ、酵母等)、細菌または、藻類などの微生物に汚染されることで、物性的な劣化を引き起こしたり、美観上の不具合を起こしたり、また室内で使用される場合には、アレルギーの原因となったりしている。塗料においては、建築外装用に使用される場合には、外壁に藻類、カビが生育し、美観上の問題や表面塗膜物性劣化の問題となり、内装用に使用される場合には、真菌や細菌が生育し、美観上の問題となるばかりでなくアレルギーの原因としても問題となっている。塩ビにおいては、床材や壁紙など内装用として使用される場合に、塗料と同じくカビや細菌の生育によって美観上やアレルギーの原因として問題になっている。また、床材として使用される場合には、土台の木材がキノコに侵され腐朽する場合もある。各種プラスチック製品については、台所で使用される三角コーナーや風呂場で使用される風呂桶などは、細菌やカビや酵母が生育しヌメリが発生し、美観上の問題や衛生上の問題となっている。繊維製品では、倉庫に保管中に繊維表面にカビが生育し、美観上の問題になり商品価値が低下する。また、着衣として使用した場合には、汗などを栄養元に細菌が繁殖し、臭いの元になったり衛生上の問題になったりする。木材では、カビの生育により美観上の問題になり商品価値が低下したり、建材として使用された後にキノコの生育により腐朽し強度劣化を引き起こしたりしている。
塗料、塩ビやプラスチック等樹脂製品、繊維、木材などの工業製品は、真菌(カビ、キノコ、酵母等)や細菌や藻類などの微生物による汚染を防止するために各種薬剤が使用されてきた。たとえば、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどのチアゾリン系化合物、2−ピリジンチオール−1−オキシドの亜鉛塩、ナトリウム塩、銅塩もしくは、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピリジン系化合物、ジヨードメチルパラトリルスルホン、3−ヨードプロピニルブチルカーバメイト、トリヨードアリルアルコールなどのヨード系化合物または、シプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールなどのアゾール系化合物などが使用されてきた。
しかし単一薬剤の長期にわたる連続使用は、耐性菌の出現を招きやすいため、過去に種々の2成分または、3成分の組み合わせによる抗菌剤が使用されてきた。たとえば、2成分の組み合わせには、特公平7−25644における2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾールと4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組み合わせ、登録特許2999875における2−ピリジンチオール−1−オキシドと、3−ヨードプロピニルブチルカーバメイトの組み合わせなど多数開示されている。また場合によっては3成分の組み合わせも開示されている。これら組み合わせは、単一薬剤が長期にわたって使用されていた工業製品に対して良好な抗菌効力を持っているが、2成分、3成分の組み合わせの薬剤が微生物を制御する手段として一般的になり組み合わせ配合でも長期使用による耐性菌が出現してきたため、更なる効果をもった薬剤が望まれていた。また、単一薬剤ではその効力不足から各種工業製品に対する添加量が増大する傾向があったが、2成分、3成分の組み合わせの薬剤を使用することによりその相乗的な効果の増大により絶対的な添加量を減少でき、環境に対する負荷を軽減する傾向にあった。しかし更なる効果的な組み合わせによる添加量の軽減が期待されていた。
概要
微生物を制御するために、従来の単独では不充分であった強力な抗菌力をもった工業用抗菌組成物または、抗菌方法を提供する。
第一成分としてプロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、ヘキサコナゾール、エポキシコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾールまたは、プロクロラゾのトリアゾール系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物、第二成分として2−ピリジンチオール−1−オキシドのナトリウム塩、亜鉛塩もしくは、銅塩または、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンのピリジン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする工業用抗菌組成物およびこれらの有効成分を使用する抗菌方法。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
--
背景技術
0002
塗料、塩ビやプラスチック等樹脂製品、繊維、木材などの工業製品は、真菌(カビ、キノコ、酵母等)、細菌または、藻類などの微生物に汚染されることで、物性的な劣化を引き起こしたり、美観上の不具合を起こしたり、また室内で使用される場合には、アレルギーの原因となったりしている。塗料においては、建築外装用に使用される場合には、外壁に藻類、カビが生育し、美観上の問題や表面塗膜物性劣化の問題となり、内装用に使用される場合には、真菌や細菌が生育し、美観上の問題となるばかりでなくアレルギーの原因としても問題となっている。塩ビにおいては、床材や壁紙など内装用として使用される場合に、塗料と同じくカビや細菌の生育によって美観上やアレルギーの原因として問題になっている。また、床材として使用される場合には、土台の木材がキノコに侵され腐朽する場合もある。各種プラスチック製品については、台所で使用される三角コーナーや風呂場で使用される風呂桶などは、細菌やカビや酵母が生育しヌメリが発生し、美観上の問題や衛生上の問題となっている。繊維製品では、倉庫に保管中に繊維表面にカビが生育し、美観上の問題になり商品価値が低下する。また、着衣として使用した場合には、汗などを栄養元に細菌が繁殖し、臭いの元になったり衛生上の問題になったりする。木材では、カビの生育により美観上の問題になり商品価値が低下したり、建材として使用された後にキノコの生育により腐朽し強度劣化を引き起こしたりしている。
0003
塗料、塩ビやプラスチック等樹脂製品、繊維、木材などの工業製品は、真菌(カビ、キノコ、酵母等)や細菌や藻類などの微生物による汚染を防止するために各種薬剤が使用されてきた。たとえば、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどのチアゾリン系化合物、2−ピリジンチオール−1−オキシドの亜鉛塩、ナトリウム塩、銅塩もしくは、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピリジン系化合物、ジヨードメチルパラトリルスルホン、3−ヨードプロピニルブチルカーバメイト、トリヨードアリルアルコールなどのヨード系化合物または、シプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールなどのアゾール系化合物などが使用されてきた。
0004
しかし単一薬剤の長期にわたる連続使用は、耐性菌の出現を招きやすいため、過去に種々の2成分または、3成分の組み合わせによる抗菌剤が使用されてきた。たとえば、2成分の組み合わせには、特公平7−25644における2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾールと4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組み合わせ、登録特許2999875における2−ピリジンチオール−1−オキシドと、3−ヨードプロピニルブチルカーバメイトの組み合わせなど多数開示されている。また場合によっては3成分の組み合わせも開示されている。これら組み合わせは、単一薬剤が長期にわたって使用されていた工業製品に対して良好な抗菌効力を持っているが、2成分、3成分の組み合わせの薬剤が微生物を制御する手段として一般的になり組み合わせ配合でも長期使用による耐性菌が出現してきたため、更なる効果をもった薬剤が望まれていた。また、単一薬剤ではその効力不足から各種工業製品に対する添加量が増大する傾向があったが、2成分、3成分の組み合わせの薬剤を使用することによりその相乗的な効果の増大により絶対的な添加量を減少でき、環境に対する負荷を軽減する傾向にあった。しかし更なる効果的な組み合わせによる添加量の軽減が期待されていた。
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0006
本発明者は、課題を解決するために各種成分の組み合わせにおける効果の確認を行ない、鋭意研究を重ねた結果、第一成分としてプロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、ヘキサコナゾール、エポキシコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾールまたは、プロクロラゾのトリアゾール系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物、第二成分として2−ピリジンチオール−1−オキシドのナトリウム塩、亜鉛塩もしくは、銅塩または、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンのピリジン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することにより低濃度で広範囲の微生物に対し優れた抗菌効力を有することを見出した。すなわち本発明は、第一成分としてプロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、ヘキサコナゾール、エポキシコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾールまたは、プロクロラゾのトリアゾール系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物、第二成分として2−ピリジンチオール−1−オキシドのナトリウム塩、亜鉛塩もしくは、銅塩または、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンのピリジン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする工業用抗菌組成物が、低濃度でも良好な抗菌力をもつ非常に優れた抗菌組成物であること、およびこれらの有効成分を各種塗料、塩ビやプラスチック等各種樹脂製品、繊維、木材などの工業製品に練り込み、表面処理加工または、加圧処理加工等することが、優れた抗菌方法であることに関する。
0007
本発明の抗菌方法としては、上記の2種以上の有効成分を含有した抗菌組成物を添加してもよいし、上記の有効成分を別々に添加しても良い。さらに抗菌スペクトルを拡大させるために、その他の抗菌剤を添加することもできる。また、木材等のように昆虫の被害も認められる場合には殺虫剤を混合使用または、別添することが好ましい。
0008
本発明の有効成分の各種塗料、塩ビやプラスチック等各種樹脂製品、繊維、木材などの工業製品への添加方法は、各工業製品の製造時に各々別々でも製剤化した混合物でも良く、製剤化に際して用いられる溶媒、界面活性剤などは特に限定されない。しかしながら、製剤化に際して用いられる溶媒、界面活性剤は、抗菌性を付与しようとする対象物により、ある程度制限される。たとえば、壁紙や床材として広く利用されている塩ビ用抗菌剤に使用される溶剤は、塩ビ壁紙、床材に使用される原料が油系のものが多いため、非極性の溶剤が望ましく、木材に使用される抗菌剤は水に希釈して浸漬処理されるため極性溶剤が望ましい。また、製剤の剤型は、特に限定されるものではなく、固形剤でも液剤でもよい。液剤の場合には水溶性液剤、油溶性液剤、(水系または油系の)フロアブル剤いずれでもかまわない。また、固形剤の場合は粉剤、水和剤等適当な剤型に製剤することができ、抗菌性を付与しようとする対象物により適時選択できる。
0009
極性溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール系溶剤、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、イソプロピルアルコール、エタノールなどのアルコール系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトンまたは、水などの溶媒が使用できる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。非極性溶媒としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニルなどの可塑剤、キシロール、トルエン、イソホロン、フェニルキシリルエタン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、流動パラフィン、灯油、椰子油、菜種油、綿実油、ヒマシ油または、大豆油などの溶媒が使用できる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。また、極性溶媒と非極性溶媒を2種以上組み合わせてもよい。
0010
界面活性剤は使用しても使用しなくてもよく、使用する場合は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤のいずれを用いてもかまわない。非イオン系界面活性剤として例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、陰イオン系界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩などが挙げられ、陽イオン系界面活性剤では脂肪族アミン塩およびその4級アンモニウム塩などが挙げられ、両イオン系界面活性剤ではベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤および両イオン系界面活性剤は一種を単独に用いても二種以上を併用してもよい。
0011
次に本発明の実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下表に示した配合比率はすべて重量%である。
0012
実施例1〜6
表1に示す抗菌組成物を調製し、試験例によりその性能を調べた。なお表中の有効成分の表示は以下の略語にて表す。実施例1、3、4、5は、表1に示す配合で常温において通常の攪拌によって抗菌剤組成物を得た。また、実施例2、6は、表1に示す配合で混合し、直径1mmのガラスビーズを混合しパールミルを用いて約15分間粉砕し金網でろ別することによって抗菌剤分散組成物を得た。
0013
シプロコナゾール:CAZ
ヘキサコナゾール:HAZ
2−ピリジンチオール−1−オキシドのナトリウム塩:NaPT
2−ピリジンチオール−1−オキシドの亜鉛塩:ZPT
0014
表1 実施例
ID=000002HE=045 WI=106 LX=0520 LY=0550
0015
比較例1〜4
表2に示す抗菌組成物を調製し、試験例によりその性能を調べた。比較例1、2、4は、表2に示す配合で常温において通常の攪拌によって抗菌剤組成物を得た。また、比較例3は、表2に示す配合で混合し、直径1mmのガラスビーズを混合しパールミルを用いて約15分間粉砕し金網でろ別することによって抗菌剤分散組成物を得た。
0016
表2 比較例
ID=000003HE=045 WI=088 LX=0610 LY=1250
0017
試験例塗料の防カビ試験
「供試試料調製」防腐剤、防カビ剤、防藻剤無添加の外装用水性エマルジョン塗料ページ#70(固形分約50%、神東塗料社製)に実施例1、2、3、4、5、6、比較例1、2、3、4を所定量添加した後、水を20%追加した。調製した塗料に直径3cmに切り取ったNo.2のろ紙を浸漬処理し、室温で2日間乾燥した。調製した試料を試験片1個について200mlの水に18時間浸漬した後、室温で2時間、80〜85℃の乾燥器で2時間乾燥したものを供試試料とした。
「試験方法」調製した試料をJIS Z 2911:2000 8.塗料の試験に準拠して防カビ試験を行なった。すなわち、調製した試料を下記寒天培地上に載せ、下記供試菌の混合胞子懸濁液を1mlふりかけて、温度28℃、湿度95%以上で7日間培養した。
寒天培地
グルコース40g
ペプトン10g
寒天25g
精製水1000ml
供試菌
Aspergillus niger
Penicillium funiculosum
Cladosporium cladosporioides
Gliocladium virens
Aureobasidium pulluans
「試験結果」下記判定基準をもって判定し、試験結果を表3に示した。
− :試験片上にカビの生育を全く認めない。
+ :試験片上のカビの生育部分の面積が全面積の1/4を超えない。
++ :試験片上のカビの生育部分の面積が全面積の1/2を超えない。
+++ :試験片上のカビの生育部分の面積が全面積の3/4を超えない。
++++ :試験片上のカビの生育部分の面積が全面積の3/4を超える。
「試験結果」試験例の判定結果に従って結果を表3に示した。
「考察」表3に示したように比較例1、2、3、4の1種の有効成分配合の製剤品の7日目の評価結果は、++〜++++であるのに対して、実施例1、2、3、4、5、6の2種の有効成分配合の製剤品の評価結果は、−〜+で、有効成分各々単独の製剤品に比べて、有効成分2種混合の製剤品を添加した塗料は、顕著な抗菌効果を示すことが確認された。
0018
表3塗料の防カビ評価
ID=000004HE=105 WI=100 LX=0550 LY=0400
発明の効果
0019
本発明を適用した場合、強力な抗菌力をもった工業用抗菌組成物または抗菌方法の提供が可能である。
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成