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技術 ストレッチフィルムの製造方法及びそのフィルム

出願人 デンカ株式会社
発明者 片野一郎福高永太郎
出願日 2001年9月20日 (18年6ヶ月経過) 出願番号 2001-286905
公開日 2003年4月3日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2003-094509
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の押出成形
主要キーワード エッジ角 エアーナイフ装置 春日電機製 トレー底 直流安定化電源 繰り出し性 包装条件 強度バランス
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課題

非塩ビ系の単一層ストレッチフィルムで、自動包装及びハンドラップ包装のいずれにおいても、オーバーラップ包装フィルムが伸ばされたときに、フィルムの破れが発生せず、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムを提供する。

解決手段

フィルムを製膜ピニング装置を用いたTダイ押出成形によりフィルムの製膜を行うことにより、フィルム引取り速度高速化しても、フィルム幅が変動するドローレゾナンス現象を抑制すると同時に、フィルムの横方向と縦方向引張り応力比(TD/MD比)を一定レベル以上とすることが可能となり、それによりオーバーラップ包装時に破れの発生しにくいフィルムが得られる。又、他の包装適性の観点から、特定組成直鎖状低密度ポリエチレン及び高圧法ポリエチレンからなる樹脂組成物を用いることが好ましい。

概要

背景

従来、青果物鮮魚精肉等の食品を直接又はポリスチレンペーパーPSPトレーに載せてフィルムオーバーラップする、いわゆる業務用プリパック用のストレッチフィルムとしては、主にポリ塩化ビニル(以下「塩ビ」と略す。)系のものが使用されてきた。これはフィルムの繰り出しがスムーズで伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムを重ね合わせたときに密着し、トレー底部でのフィルムの収まりが良いことや、包装仕上がりも、しわがなく綺麗であるといったような包装適性が優れていることに加えて、パック後のフィルムを指で押すなどの変形を加えても元に戻る回復性や、輸送及び陳列中にもトレー底部のフィルム重なり部が密着したまま、剥がれにくいなど優れたフィルム特性販売者消費者の双方に認められているためである。

しかし、最近では、塩ビ系ストレッチフィルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや含有する可塑剤溶出などが問題視されている。そこで、塩ビに替わるものとして、オレフィン系ストレッチフィルムが検討されている。

オレフィン系ストレッチフィルムとしては、変形回復性に優れた熱可塑性エラストマーを主成分とする層に、粘着性を付与するためエチレン酢酸ビニル共重合体を積層した多層フィルム及び単一層のフィルムがある。

単一層構成からなるオレフィン系ストレッチフィルムとしては、高圧法ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を使用したオレフィン系ストレッチフィルムが、特開昭52−84096号、特開昭59−49248号、特開平4−91148号、特開平8−3384号、特開平11−228758号等に提案されている。しかし、これらフィルムのTダイ法による製膜においては、製膜速度が速くなると、フィルムの横方向(TD)と縦方向(MD)の引張り応力の比が小さくなる傾向があった。このことは、フィルムの縦横強度バランスが悪くなることを意味している。更に製膜速度を高速化すると、ダイスから出てきたフィルムの幅が周期的に変動するといういわゆる「ドローレゾナンス」が発生するという重大な問題が有った。このような現象が起こると、フィルムの端部の製品とならないいわゆる「」の部分を大きくとる必要があるため生産性が著しく低下するか、その程度によっては製膜ができなくなるため、フィルムの製膜速度を下げざるを得なかった。

一般に、ストレッチフィルムを用いた包装には、自動包装機による「オートラップ」包装と、ハンドラッパーを使用して人間の手作業で行う「ハンドラップ」包装があるが、前記のようなフィルムの縦横の強度バランスの悪いフィルムでは、「オートラップ」包装においては、フィルムの中央部をトレーで突き上げて延伸したときに、トレーの角部でフィルムが破れ易く、一方、「ハンドラップ」包装においては、フィルムを手で横延伸したときに、指の部分でフィルムが破れ易いといった問題がある。

概要

非塩ビ系の単一層ストレッチフィルムで、自動包装及びハンドラップ包装のいずれにおいても、オーバーラップ包装でフィルムが伸ばされたときに、フィルムの破れが発生せず、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムを提供する。

フィルムを製膜をピニング装置を用いたTダイ押出成形によりフィルムの製膜を行うことにより、フィルム引取り速度を高速化しても、フィルム幅が変動するドローレゾナンス現象を抑制すると同時に、フィルムの横方向と縦方向の引張り応力比(TD/MD比)を一定レベル以上とすることが可能となり、それによりオーバーラップ包装時に破れの発生しにくいフィルムが得られる。又、他の包装適性の観点から、特定組成直鎖状低密度ポリエチレン及び高圧法ポリエチレンからなる樹脂組成物を用いることが好ましい。

目的

本発明は、単一層からなる非塩ビ系ストレッチフィルムの製膜において、Tダイより押し出されたフィルムの幅方向の変動を極力小さく押さえることで生産性の向上させること、それによって、フィルム伸長時の横方向と縦方向の強度バランスが良好で、オーバーラップ包装のフィルム延伸時にフィルムの破れが少なく、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

実質的に塩素を含まない樹脂からなるストレッチフィルムTダイ押出成形において、Tダイより押し出されたフィルムの両端に電圧印加する静電ピニング法により、冷却ロール密着させることを特徴とするストレッチフィルムの製造方法。

請求項2

請求項1の方法で成形して得られるフィルムであって、横方向(TD)と縦方向(MD)の50%伸長時の引張り応力比(TD/MD比)が0.3以上であるストレッチフィルム。

請求項3

樹脂組成物が、密度が910kg/m3を越える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%の組成からなる請求項2のストレッチフィルム。

請求項4

樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100に対して、(D)成分として0.5〜5部の石油樹脂テルペンテルペン誘導体ロジンロジン誘導体及びそれらの水添物ポリブテンポリブタジエンポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加した請求項3のストレッチフィルム。

請求項5

請求項2〜4のいずれか1項のハンドラップ用ストレッチフィルム

技術分野

0001

本発明は、食品包装に用いられるストレッチフィルムに関する。尚、本発明で用いる樹脂組成の単位(%及び部)は、特に断らない限り質量基準で表す。

背景技術

0002

従来、青果物鮮魚精肉等の食品を直接又はポリスチレンペーパーPSPトレーに載せてフィルムオーバーラップする、いわゆる業務用プリパック用のストレッチフィルムとしては、主にポリ塩化ビニル(以下「塩ビ」と略す。)系のものが使用されてきた。これはフィルムの繰り出しがスムーズで伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムを重ね合わせたときに密着し、トレー底部でのフィルムの収まりが良いことや、包装仕上がりも、しわがなく綺麗であるといったような包装適性が優れていることに加えて、パック後のフィルムを指で押すなどの変形を加えても元に戻る回復性や、輸送及び陳列中にもトレー底部のフィルム重なり部が密着したまま、剥がれにくいなど優れたフィルム特性販売者消費者の双方に認められているためである。

0003

しかし、最近では、塩ビ系ストレッチフィルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや含有する可塑剤溶出などが問題視されている。そこで、塩ビに替わるものとして、オレフィン系ストレッチフィルムが検討されている。

0004

オレフィン系ストレッチフィルムとしては、変形回復性に優れた熱可塑性エラストマーを主成分とする層に、粘着性を付与するためエチレン酢酸ビニル共重合体を積層した多層フィルム及び単一層のフィルムがある。

0005

単一層構成からなるオレフィン系ストレッチフィルムとしては、高圧法ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を使用したオレフィン系ストレッチフィルムが、特開昭52−84096号、特開昭59−49248号、特開平4−91148号、特開平8−3384号、特開平11−228758号等に提案されている。しかし、これらフィルムのTダイ法による製膜においては、製膜速度が速くなると、フィルムの横方向(TD)と縦方向(MD)の引張り応力の比が小さくなる傾向があった。このことは、フィルムの縦横強度バランスが悪くなることを意味している。更に製膜速度を高速化すると、ダイスから出てきたフィルムの幅が周期的に変動するといういわゆる「ドローレゾナンス」が発生するという重大な問題が有った。このような現象が起こると、フィルムの端部の製品とならないいわゆる「」の部分を大きくとる必要があるため生産性が著しく低下するか、その程度によっては製膜ができなくなるため、フィルムの製膜速度を下げざるを得なかった。

0006

一般に、ストレッチフィルムを用いた包装には、自動包装機による「オートラップ」包装と、ハンドラッパーを使用して人間の手作業で行う「ハンドラップ」包装があるが、前記のようなフィルムの縦横の強度バランスの悪いフィルムでは、「オートラップ」包装においては、フィルムの中央部をトレーで突き上げて延伸したときに、トレーの角部でフィルムが破れ易く、一方、「ハンドラップ」包装においては、フィルムを手で横延伸したときに、指の部分でフィルムが破れ易いといった問題がある。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、単一層からなる非塩ビ系ストレッチフィルムの製膜において、Tダイより押し出されたフィルムの幅方向の変動を極力小さく押さえることで生産性の向上させること、それによって、フィルム伸長時の横方向と縦方向の強度バランスが良好で、オーバーラップ包装フィルム延伸時にフィルムの破れが少なく、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、上記課題を以下の手段で克服することができたものであり、その要旨は、実質的に塩素を含まない樹脂からなるストレッチフィルムのTダイ押出成形において、Tダイより押し出されたフィルムの両端に電圧印加する静電ピニング法により、冷却ロールに密着させることを特徴とするストレッチフィルムの製造方法であり、この方法で成形して得られるフィルムであって、横方向(TD)と縦方向(MD)の50%伸長時の引張り応力比(TD/MD比)が0.3以上であるストレッチフィルムである。更に、好ましくは密度が910kg/m3を越える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%の組成物からなり、横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MDが0.3以上のストレッチフィルムで有る。又、好ましくは樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100に対して、(D)成分として0.5〜5部の石油樹脂テルペンテルペン誘導体ロジンロジン誘導体及びそれらの水添物ポリブテンポリブタジエンポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加したストレッチフィルムである。又、上記フィルムは、ハンドラップ用ストレッチフィルムとして好適に用いることができる。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明について詳細に説明する。本発明においては、第1に、ポリオレフィンのような、実質的に塩素を含まない樹脂組成物原料として、Tダイ押出成形により高速製膜する際に、Tダイより押し出されたフィルムの両端に電圧を印加する静電エッジピニング法で、フィルムの両端のみを冷却ロールに密着させることが重要である。尚、ピニングとは、直流高圧出力高圧ケーブル帯電電極に印加させ、印加させた電極コロナ放電を発生させてフィルムに帯電を与え、フィルムと冷却ロールの密着性を上げる装置である。

0010

Tダイ押出成形は、インフレーション成形に比べ、溶融樹脂を冷却ロールで急冷できるためフィルムの結晶性を抑えることができ、透明性を向上することができる。又、膜厚精度が高く、更に製膜速度もインフレーション製膜に比べ上げることができる。しかし、前記のように、ポリオレフィン系のストレッチフィルムのTダイ法フィルム成形においては、フィルムの製膜速度を上げていくと、得られたフィルムのTD/MD比が低下し、更には、いわゆる「ドローレゾナンス」が発生することによって、生産性が著しく低下するか、もしくは製膜ができない状態となる。

0011

この「ドローレゾナンス」を抑制するには、Tダイより押し出されたフィルムを冷却ロールに密着させることが考えられ、その方法としては、本発明の静電エッジピニング法による以外では、エアーナイフエアーチャンバー又は真空チャンバー等を用いる方法がある。エアーナイフ及びエアーチャンバーは、Tダイより押し出された半溶融状態にあるフィルムにエアーを吹き付け、冷却ロールに押し当てることにより、又、真空チャンバーは、フィルムと冷却ロールの間に生じる巻き込みエアーを吸引することにより、冷却ロールとの密着性を上げ、且つ、フィルム面の冷却固化の促進及びその条件の一定化を図り、フィルム厚さやフィルム物性のばらつきを小さくする目的で用いられるが、本発明者等は、これらの方法で、オレフィン系のストレッチフィルムを製膜した場合、得られたフィルムのTD/MD比が、著しく小さくなることを見い出した。

0012

その原因としては、本発明のストレッチフィルムのような、厚みが小さく比較的が弱いフィルムの製膜においては、フィルムが前記の手段で冷却ロールに押しつけられることにより、半溶融状態の樹脂組成物のMD方向への分子配向が大きく残った状態で冷却固化が促進されることにより、得られたフィルム内の樹脂のMD配向が大きくなると考えられる。分子配向は溶融樹脂の温度や冷却状態コントロールすることで、その度合いを調整することができる。しかしながら、製膜速度が上がるに従って、これらの条件のみで、フィルム幅の変動を抑制し、且つ得られたフィルムのTD/MD比を十分な値に保つことは困難となる。

0013

本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、前記のように、静電エッジピニングを用いTダイより押し出されたフィルムの両端に電圧を印加して、冷却ロールに密着させると、フィルム幅の変動が著しく抑制されると同時に、高速製膜で得られたフィルムのTD/MD比が十分な値となることを見い出し本発明に至った。この理由については、推測の域を出ないが、フィルムの両端部は、静電エッジピニングによってしっかり固定されるので、フィルム幅の変動は抑制される。一方でフィルムの他の部分は、冷却ロールと密着はするが必要以上に押しつけられることがないため、冷却固化するまでに分子配向がある程度緩和し、MD方向の配向が比較的小さくなると思われる。

0014

静電エッジピニングの条件は、用いる装置、原料樹脂組成物及び各種の製膜条件等によって異なるので、一様に特定できないが、製膜時にTダイから押し出された半溶融状態のフィルムの幅が変動しない程度に、印加電圧を調整することが必要である。

0015

このようにして得られたフィルムは、横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MD比を、0.3以上とすることが好ましく、0.4以上が更に好ましい。これによりフィルムの強度バランスが良くなり、オートラップ包装の延伸時にトレーの角部でフィルムが破れたり、ハンドラップの際に指でフィルムが破れたりすることがなくなるか、もしくは極めて少なくなる。

0016

フィルムのTD/MD比が0.3未満であると、フィルムの強度バランスが悪くなり、延伸時に、横方向と縦方向にフィルムが均一に伸びないために、オーバーラップ包装の際に、フィルムに穴が開いたり、破れてしまうことが多くなる。TD/MD比としては、前記のように0.3以上で有れば良いが、原料に用いる樹脂の特性及び該フィルムの製膜方法に起因して、その値の上限は0.8以下となる。

0017

前記のようにストレッチフィルムには、オート用とハンド用とが有り、オート用フィルムは、自動包装機を使用し、例えば搬送ベルトでフィルムを繰り出し、搬送ベルトの間に設置された鋸状カット刃を突き出しミシン目を入れ、フィルムを搬送しながらカットする。その後、カットされたフィルムの中央部を食品を載せたトレーで突き上げ延伸させ、折り込み板でフィルムを折り畳み重ね合わせる。このためカット搬送性延伸性、フィルムが延伸時、折り畳む時に破れないこと、フィルムを重ねた後に容易に剥がれない粘着性等が要求される。この自動包装において、前記のようにTD/MD比を0.3以上、好ましくは0.4以上としたフィルムは、フィルム中央部をトレーで突き上げて延伸したときに、トレーの角部でフィルムが破れにくい。

0018

一方、ハンド用フィルムは、ハンドラッパーを用い手動で行うもので、例えば、繰り出しロール上に載せたフィルムの両端を手で掴み、食品を載せたトレーを覆うのに必要な長さのフィルムを繰り出し、フィルムを熱線でカットする。次に、覆ったフィルムを横方向に伸ばし、トレー底部でフィルム同士を重ね合わせるというように包装される。このため、フィルムの繰り出しがスムーズにでき、作業者が伸ばしやすく、伸ばしたときに指でフィルムが突き破れないこと、フィルムが剥がれにくいこと等、オート用フィルムとは異なる特性が要求される。このハンドラップ包装においても、前記のようにTD/MD比を0.3以上、好ましくは0.4以上としたフィルムは、手で伸ばしたときに伸ばしやすく、穴が開きにくい。

0019

本発明のフィルムは、自動包装機のフィルム延伸時に破れにくいことは、前記の通りであるが、それに加えて粘着性、カット性、フィルム繰り出し性等の包装適性にも優れたフィルムであり、本発明に用いるそのような特性を有した組成物としては、密度が910kg/m3を超える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%にしたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%からなる組成物が挙げられる。

0020

本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、フィルムに十分な引張り応力を与える上で重要な成分で、密度が910kg/m3、好ましくは915kg/m3を超えるものであり、一般的にはLLDPEと称されるものである。中でもエチレンとα−オレフィンの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレンブテン−1ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等があり、好ましくは、α−オレフィンの炭素数は6〜8である。この範囲を外れた炭素数のエチレン・α−オレフィン共重合体を使用すると、引張り強度が十分でないことがあり、フィルム延伸時に破れを生じる場合がある。

0021

直鎖状低密度ポリエチレン(A)の組成は、(A)、(B)及び(C)の合計100%に対して90〜20%が好ましい。90%を越えるとフィルムの透明性が悪くなる。又、フィルムの引張り応力が高くなり、適度な力でフィルムを伸ばすことができず、作業者が疲れやすいフィルムとなる。一方、20%未満ではフィルムの引張り応力が低く、フィルム延伸時に破れやすくなる。

0022

本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(B)は密度が910kg/m3以下、好ましくは910kg/m3以下で880kg/m3以上の、一般的にはVLDPEと称されるものである。中でもエチレンとα−オレフィンの炭素数が3〜12の共重合体が好ましい。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。(B)成分を入れることで、包装時にフィルムが伸び易くなると共に、フィルムの粘着性は向上する。密度が910kg/m3を越えると、上記の効果は小さくなる。一方、880kg/m3未満ではフィルムの腰が弱くなり、フィルムが繰り出しにくくなると共に、包装後の内容物の保持性が悪くなる。

0023

直鎖状低密度ポリエチレン(B)の組成は、5〜40%が好ましい。5%よりも小さいとフィルムが硬くなり伸ばしづらいフィルムになる。又、フィルムの粘着性が弱くなりフィルムの繰り出しが軽くなりすぎるため、必要以上のフィルムが繰り出され作業効率落ちる。又、トレー底部でフィルム同士を重ね合わせた部分をヒートシールする前に、延伸されたフィルムが剥がれ、元に戻るためにヒートシールすることができない。一方、40%を越えるとフィルムの粘着性が強くなりすぎて、巻物とした際にフィルムが粘着して剥がれなくなるいわゆる「ブロッキング」を起こし、フィルムを使用する際に繰り出しが困難となるか、場合によっては繰り出しができなくなる。なお、本発明においては(A)の量を(B)よりも多くすることがフィルムに腰を持たせる上で好ましい。

0024

本発明の高圧法ポリエチレン(C)は、高圧ラジカル重合法により製造されるものである。(C)の組成は、5〜40%が好ましい。5%よりも小さいと、溶融張力が低くなりフィルム幅が変動しやすくなる。一方、40%を越えると、フィルム強度が低下しフィルム延伸時に破れやすくなる。

0025

本発明は(D)成分として、市販のC5(脂肪族)系、C9(芳香族)系、C5C9の共重合系又はシクロペンタジエン系の石油樹脂及びそれらの水添物、又はテルペン、テルペン誘導体、及びそれらの水添物、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水素添加誘導体、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加することが好ましい。又、上記の中より選択した複数の成分を添加する事もできる。これらの添加により、フィルム延伸時の破れを改善でき、フィルムの粘着性を高めることができる。(D)成分の添加量は、(A)、(B)及び(C)の合計100に対して0.5〜5部が好ましい。0.5部よりも少ないとフィルム延伸時の破れ改善効果がほとんど見られない。一方で5部を越えると経時変化でフィルムの透明性が低下し、更にはブロッキングを生じることもある。

0026

尚、本発明の(A)、(B)、(C)及び(D)の各樹脂は、いずれも市販の樹脂を用いることができる。

0027

本発明のストレッチフィルムには防曇剤を添加することが好ましい。添加量は1〜5部、好ましくは1.5〜4部である。防曇剤としては例えばPL規格食品添加剤リスト)に準ずる界面活性剤として、グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステルソルビタン脂肪酸(C8〜22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ショ糖脂肪酸(C8〜22)エステル、クエン酸モノ(ジまたはトリステアリン酸エステルペンタエリストール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(20)グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(9.5)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4〜14.30〜50)アルキル(C4、9、12)フェニルエーテル、N、N−ビス(2)−ヒドロキシエチル脂肪酸(C12〜18)とジエタノールアミンによる縮合生成物ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール(分子量200〜9500)、ポリプロピレングリコールなどを添加することができる。

0028

本発明のストレッチフィルムには、必要に応じて安定剤、帯電防止剤加工性改良剤を添加することができる。例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキスメチレン−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートメタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートで代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩で代表される加工性改良剤を添加することができる。

0029

本発明のストレッチフィルムの厚さは、通常のストレッチフィルムとして使用される範囲、即ち5〜20μmであり、好ましくは8〜15μmである。5μmよりも薄くなるとフィルム延伸時に破けやすくなる。一方、20μmよりも厚くなると伸ばしにくいフィルムになる。

0030

本発明のストレッチフィルムには、製膜の際に発生する耳等の非製品物は、使用している成分以外のものが含まれないので、ゲルなどの発生や、フィルムの透明性や強度の低下等の問題がなく、製膜ラインの原料系に支障なく戻すことができる。

0031

以下実施例により、本発明を更に詳細に説明する。尚、使用原料樹脂及びストレッチフィルムの特性、性質は次の方法により測定評価した。

0032

1)密度
JIS K6760に準拠して、原料樹脂の密度を測定した。
2)メルトフローレートMFR)
JIS K6760に準拠して、190℃、荷重21.18Nの条件で、原料樹脂のMFRを測定した。
3)引張り応力
JIS K7127に準拠して、引張り速度500m/minの条件で、フィルムの縦方向と横方向についての引張り応力を測定した。
4)透明性(Haze%)
ASTM−D1003に準拠して、フィルムの透明性を測定した。
5)自動包装適性
幅350mmのフィルムを用い、自動包装機((株)岡精工社製AW−2600JrPE)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいてフィルムのカット搬送性、包装条件幅、カットしたフィルムの中央部をトレーで突き上げて延伸させた際に、トレーエッジ角部でフィルムが破れるか否か、及び粘着性について評価した。
6)ハンドラップ適性
幅300mmのフィルムを用い、ハンドラッパー(ARC(株)POLYWRAPER40)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいて、フィルムの繰り出し性、伸び、伸ばした際に指でフィルムが破れるか否か、粘着性及び包装仕上がり時のしわについて評価した。

0033

(実施例1)直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が913kg/m3でα−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%に防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物をTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。

0034

フィルムの作製は、(A)、(B)及び(C)をドライブレンドし、東機械製115mm単軸押出機でL/D=28のフルフライトスクリューを使用し、ダイ幅1950mm、ダイリップ0.7mmのTダイを用い、押出機及びダイの設定温度180℃〜230℃、冷却ロールの設定温度20℃とし、ダイスから出てきた半溶融フィルムの両端部を春日電機製静電エッジピニング装置(直流安定化電源PSEー2005Nと電極HDE−20R−54)で帯電させ、フィルム両端部とロールの密着性を上げ、引取り速度180m/分でストレッチフィルムを作製した。又、ピニングの電圧はー5〜ー20kVの範囲で調整した。

0035

(実施例2)(D)成分として水添石油樹脂軟化点125℃)2.5部添加した以外は、実施例1と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。

0036

(実施例3、4)(A)、(B)、(C)及び(D)成分の組成を、表1の組成とした以外は、実施例2と同様にストレッチフィルムを作製した。

0037

(実施例5)直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が921kg/m3でα−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が890kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=4.0)25%とした以外は実施例2と同様にストレッチフィルムを作製した。

0038

これら実施例のフィルム作製時の製膜性と前記の各種フィルムの特性評価結果を表1に示した。

0039

0040

(比較例1)ピニング装置の代わりに吸引部が1950mm×5mmの真空チャンバー装置を用いた以外は、実施例2と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。又、エアー吸引の風量は、真空チャンバー中央部で0.1〜2m3/minの範囲で調整した。

0041

(比較例2)ピニング装置の代わりに吹き出し部が1950mm×5mmのエアーナイフ装置を用いた以外は、実施例2と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。又、エアー吹き付けの風量は、エアーナイフ中央部で0.1〜2m3/minの範囲で調整した。

0042

(比較例3)ピニング装置を使用せず、押出機及びダイの設定温度180℃〜200℃とし、引取り速度を110m/分とした以外は、実施例2と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。尚、ピニング装置を使用しないと、引取り速度が110m/分を越えると「ドローレゾナンス」が発生し製膜ができなかった。

0043

これら比較例のフィルム作製時の製膜性と前記の各種フィルムの特性評価結果を表2に示した。

0044

0045

0046

実施例の各フィルムは、横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MD比と樹脂組成が本発明で規定する範囲内にあり、良好な包装適性を有し、且つ、延伸時の破れの発生が認められなかった。これに対し、比較例のTD/MD比が本発明で規定する範囲外の各フィルムは、包装適性に問題があるか、又は、包装適性が良好でも、延伸時に破れが発生しやすかった。

発明の効果

0047

本発明の製造方法によれば、Tダイより押し出されたフィルムの幅方向の変動を極力小さく押さえることができ、単一層からなるオレフィン系ストレッチフィルムの生産性を向上させることできる。又、上記製造方法によて作製された本発明のストレッチフィルムは、フィルム伸長時の横方向と縦方向の強度バランスが良好で、オーバーラップ包装のフィルム延伸時にフィルムの破れが少なく、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムである。従って、本発明のストレッチフィルムは、ストレッチフィルムによる食品包装に、オート用からハンド用まで広く用いることができ、特にハンド用として優れた包装適性を有する。

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