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技術 材料の静負荷付与下での制振特性評価方法及びその制振特性評価を得るための装置

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明者 殷福星大澤嘉昭高森晋佐藤彰川原浩司
出願日 2001年9月18日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-282510
公開日 2003年3月28日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2003-090831
状態 特許登録済
技術分野 超音波による材料の調査、分析 弾性の調査及び振動試験
主要キーワード 実用部品 静的ひずみ 高周波数振動 常時荷重 伝達ルート 捩りモード 支持条件 低周波数振動
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この項目の情報は公開日時点(2003年3月28日)のものです。
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図面 (6)

課題

材料の制振特性の評価方法を、静的負荷付与下で制振挙動解明する制振特性評価方法とすることで、実際の使用環境下での制振特性に近づけ、制振特性評価の精度を上げ、実用性が高い制振材料基礎資料を提供し、制振合金の実用化に向けて、製品化設計に貢献する。

解決手段

防振ゴム(2)支持により全体を独立した振動系とした制振特性評価装置架台又は荷重架台(1)に支持する制振合金材料(4)に、静負荷荷重手段(6)により常時荷重を負荷し、ハンマー手段により架台(1)に振動を導入し、振動検出加速度センサ—により制振合金材料(4)中で伝達減衰した振動を検出し、検出データ解析し、静的負荷付与下で制振特性を測定評価する。

概要

背景

概要

材料の制振特性の評価方法を、静的負荷付与下で制振挙動解明する制振特性評価方法とすることで、実際の使用環境下での制振特性に近づけ、制振特性評価の精度を上げ、実用性が高い制振材料基礎資料を提供し、制振合金の実用化に向けて、製品化設計に貢献する。

防振ゴム(2)支持により全体を独立した振動系とした制振特性評価装置架台又は荷重架台(1)に支持する制振合金材料(4)に、静負荷荷重手段(6)により常時荷重を負荷し、ハンマー手段により架台(1)に振動を導入し、振動検出加速度センサ—により制振合金材料(4)中で伝達減衰した振動を検出し、検出データ解析し、静的負荷付与下で制振特性を測定評価する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

防振ゴムにより支持され独立した振動系を形成する装置架台又は荷重架台制振合金材料を支持し、制振合金材料に静負荷荷重手段により常時荷重負荷すると共に静的負荷による制振合金材料の変形モードの下に荷重を負荷し、振動導入手段により荷重架台に振動を導入し、静負荷付与下における制振合金材料中の伝達減衰振動振動検出手段により検出し、検出データ解析器により解析し、前記材料に常時静的荷重を負荷しつつ、制振合金試料の制振特性を測定し、無負荷時の制振特性との対比又は相違する制振合金試料毎の制振特性との対比により制振特性を評価することを特徴とする材料の静負荷付与下での制振特性評価方法

請求項2

請求項1において、静的負荷による制振合金材料の変形モードが、圧縮、引張、曲げのいずれか一つもしくはそれらの組合せのモードであることを特徴とする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法。

請求項3

請求項2において、静的負荷の応力範囲を、圧縮・引張応力では200MPa以下の範囲内、またひずみでは1×10-3以下の範囲内としてそのいずれか一つを選択したことを特徴とする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかにおいて、材料の制振性評価を、負荷をかけた試料自身の制振性測定、又は負荷をかけた試料を介した基礎振動系の制振性測定のいずれか一つの選択によって得ることを特徴とする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかにおいて、材料の制振性評価を、静的負荷の大きさに依存する材料の制振性の変化、又は一定負荷で保持時間に伴う材料の制振性の変化のいずれか一つの選択された要因から得ることを特徴とする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法。

請求項6

制振特性評価装置全体を独立した振動系にするために防振ゴムによって支持され、試料としての制振合金材料を支持する鋼製堅牢な装置架台又は荷重架台と、架台に支持された制振合金材料に常時荷重を負荷し、各種変形モードを取る静負荷荷重手段と、架台に振動を導入するためのハンマー手段と、振動力センサーを内蔵する振動検出加速度センサ—と、センサーにより検出した検出データを解析する解析器とを備え、前記材料に常時静的荷重を負荷しつつ、ハンマー手段により荷重架台に振動を導入し、静負荷付与下の制振合金材料中で伝達減衰した振動を装置架台上の振動検出加速度センサーにより検出し、検出データを解析器により解析し、制振合金試料の制振特性を測定し、制振特性を評価することを特徴とする材料の静負荷付与下で制振特性評価を得るための装置。

技術分野

0001

この出願の発明は、材料の実環境での制振特性を評価するため新しい方法及び装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、制振材料は実際に使用される場合は応力下にあることが多く、使用環境下での制振特性が従来の試験法から得られたデータと異なる場合が多いなど、これまでの静負荷中での材料制振特性の評価方法はなく、部品或いは構造物の制振設計において問題となっていることから、このような問題を解決し、材料制振特性を静負荷中で評価することのできる新しい技術手段とするものである。

0002

近年、機器の高密度高性能化、コンパクト化や環境における騒音の問題化から機器の設計には、振動・騒音面での要求がますます厳しくなっている。構造物への制振材料の使用がもっとも直接的な振動対策である。このため、高性能な制振材料の開発と生産が装置や機器の高性能化には欠かせない。しかし、制振部品の設計には参考できるデータが限られていて、静負荷中での制振特性の評価方法は知られていないため、無負荷条件での制振性能の評価値を使用するしかなかった。このような事情から、各種制振合金製品試作し、これを実際に搭載して総合的な振動特性を評価しているのが実情である。

0003

このような環境で、従来、材料の制振性の評価方法においては、片持ち中央加振の支持条件において、板状試料を特定の固有周波数共振させ、試料変位などの自由減衰減衰率から材料の制振特性を評価していた。

0004

実際に制振材料が使用される場合、制振材料は応力下にあることが殆どであり、このため、従来の応力がかかっていない条件の制振特性データは、実際の使用環境を反映したものではなく、全く利用できない可能性を含むものであった。従来は、静負荷中での材料制振特性の評価方法はなかったし、また、これまで、静的負荷をパラメータとした材料の制振特性の評価方法もなかったのである。

0005

この出願の発明は、以上のとおりの従来の問題点を解決するためになされたものであって、制振材料の制振性能には静的負荷が大きな影響を与えていること、制振材料の実用条件においては、この影響が無視できないこと、そのため試験片にあらかじめ応力(垂直、剪断)を付加し、その負荷状態で制振性を評価する必要があることを見出し、静的負荷中での制振特性の評価方法を創案し、静的負荷中の制振挙動解明することによって、設計者に制振部品に係る実用的な基礎資料の提供を可能にしたものである。

0006

この出願の発明によれば、高性能制振合金が要求されるレーザ計測機器、超精密加工機などの製品への組み込み製造時や使用環境に相当する静負荷中における制振部品の制振特性の基礎資料を提供することが可能となる。

課題を解決するための手段

0007

この出願の発明は、第1には、制振特性評価方法として、静負荷荷重手段によって、各種変形モードの下に、材料に常時静的荷重を負荷するようにし、振動を導入し、材料中で伝達減衰した振動を検出し、検出データ解析し、制振合金試料の制振特性を測定し、荷重付与下で得られたデータによって無荷時の制振特性との対比又は相違する制振合金試料毎の制振特性との対比により制振特性を評価する方法を提供する。

0008

また、この出願の発明は、第2には、静的負荷による材料の変形モードを特定する観点から、変形モードを、圧縮、引張、曲げのいずれか一つ、又はそれらの組合せを選択したモードとする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法を提供する。

0009

さらに、この出願の発明は、第3には、材料に付与される好ましい静的負荷の大きさの観点から、静的負荷の応力範囲を、圧縮・引張応力の場合200MPa以下の範囲内、またひずみの場合1×10-3以下の範囲内とする材料の静的負荷付与下での制振特性評価方法を提供する。

0010

さらにまた、この出願の発明は、第4には、材料の制振性評価を得るための測定対象源を特定する観点から、負荷をかけた試料自身の制振性測定、又は負荷をかけた試料を介した基礎震動系の制振性測定とすることや、第5には、材料の制振性評価を得るため、測定値から読み取れるデータの具体的現象を特定する観点から、静的負荷の大きさに依存する材料の制振性の変化、又は一定負荷で保持時間に伴う材料の制振性の変化から評価する材料の静的負荷付与下での制振特性を評価する方法をも提供する。

0011

この出願の発明は、また、第6には、制振合金材料の制振特性評価を得るための装置の観点から、制振特性評価装置全体を独立した振動系にするために防振ゴムによって支持され、試料としての制振合金材料を支持する鋼製堅牢装置架台又は荷重架台と、架台に支持された制振合金材料に常時荷重を負荷し、変形モードを取る静負荷荷重手段と、架台に振動を導入するためのハンマー手段と、振動力センサーを内蔵する振動検出加速度センサ—と、センサーにより検出した検出データを解析する解析器とを備え、前記材料に常時静的荷重を負荷しつつ、ハンマー手段により荷重架台に振動を導入し、静負荷付与下の制振合金材料中で伝達減衰した振動を装置架台上の振動検出加速度センサーにより検出し、検出データを解析器により解析し、制振合金試料の制振特性を測定し、制振特性を評価することを特徴とする材料の静負荷付与下で制振特性評価を得るための装置を提供する。

0012

以下、この出願の発明について、さらに詳細に説明する。

発明を実施するための最良の形態

0013

以上のとおり、この出願の発明によれば、次に説明するように、高性能制振材料の実際の使用条件にあわせた弾性変形(圧縮、引張、曲げ)を付加した状態で材料の制振性が評価できる。

0014

すなわち、まず、低周波数振動領域(1kHz以下)において、試料に静的負荷であらかじめ弾性変形させ、その負荷状態での試料に一定振幅の低周波数振動を加える。試料を一定振幅で振動維持させる外部応力と試料の変形量を検出し、その間に生じた位相差から材料の制振特性を評価する。一定の加振状態(周波数ひずみ振幅)において、試料の制振性が静的負荷の変化と共に変化する。この変化によって材料の制振性に及ぼす静的負荷の影響を評価する。

0015

また、高周波数振動領域(1kHz〜20kHz)においては、高周波数振動が起こる構造の固有振動モードを利用し、振動の伝達ルートに介在する制振材料に係る制振特性の振動の周波数応答関数を用いて評価する。構造物の固有振動モードを考慮し、試験装置に設置した制振材料試験片に一定の静的負荷をかけ、さらに多くの周波数帯を持つ振動を導入する。試験片もしくは試験装置に設置したセンサーから振動特性を検出する。この検出データの振動レベルの変化、及び共振ピーク値の周波数変化量から材料の制振特性に及ぼす静的負荷の影響を評価する。この場合、周波数に対する材料の減衰特性が評価できる。

0016

従来の材料制振性評価法には、静的負荷を材料の制振性に影響を与えるパラメータとして扱っていない。

0017

この出願の発明では、高性能制振合金が要求されるレーザ計測機器、超精密加工機などの構造物において、装置全体はすべて制振合金で製造することがなく、架台に固定するジグや振動を発生する部位と接続する部分に制振合金が使用される場合が多い。そのため取付けジグなどでは締め付け力による静的負荷中で用いられる。場合によっては、複合動的負荷もかかることがあるが、測定の困難さから制振性に静的負荷の影響に限定する。

0018

制振材料の実際の使用状況としては、ネジなどにより締め付けられるような圧縮変形、部品を吊り下げた状態で固定するような引っ張り変形、梁のように支えとして使用する場合の曲げ変形がある。これらの変形状態においる合金制振性の測定が可能なので、変形モードとして、圧縮、引張、曲げの3種類とする。

0019

一般に構造材料の使用条件では材料の塑性変形に至る応力(降伏応力)の約50%が部品の最大の設計応力である。ひずみを重視した部品設計の場合、静負荷によって材料の変形は0〜1×10-3 の範囲で設計されている。低周波数領域(1kHz以下)において、静負荷をかけた試料の応力・ひずみ位相差から材料の制振性能が精度高く測定できる。高周波の領域( 1kHz 〜20kHz)では、基礎振動系の固有モードを利用し、振動伝達経路に介在する試料の制振性能を評価することが、実用条件に近いので、結果の適応範囲が広い。また、この材料の評価法に基づいて、各変形モードにおける材料制振性に及ぼす静的負荷の影響と一定負荷の条件で保持時間に伴った材料制振性能の変化も調べられる。両方とも制振材料の実用化設計に必要なデータであり、制振性を要求する装置、機械など設計分野にも優れた実用性を有する制振材料の開発分野にも重要な材料評価パラメータとなる。従来、制振材料の制振性評価方法は、片持ちや中央加振の支持条件で板状試料を振動させ、その自由減衰から制振特性を評価していた。実用部品として制振材料が静負荷中で使用されることが普通である。

0020

振動周波数、ひずみ振幅の他に、静的負荷が材料の制振特性に大きな影響因子であることが明らかとなっているが、それをパラメータとした材料制振の評価方法がなかった。

0021

この出願の発明によれば、静的負荷中の制振挙動を解明することで制振材料開発に新たなアプローチが開ける。静的負荷中での制振特性の評価方法を提案することで、設計者が制振部品の基礎資料を得ることができ、制振材料の実用化に大いに寄与できる。

0022

この出願の発明によれば、制振材料の試料に常時静的荷重を負荷しつつ、ハンマー手段により荷重架台に振動を導入し、静負荷付与下の制振合金材料中で伝達減衰した振動を装置架台上の振動検出加速度センサーにより検出し、検出データを解析器により解析し、制振合金試料の制振特性を測定し、無負荷時の制振特性との対比又は相違する制振合金試料毎の制振特性との対比により制振特性を評価することができる。

0023

図1は、制振性能の評価における試料の静負荷変形モードを示す。静負荷変形モードは、図に示すように、(a)圧縮荷重負荷中、(b)引張荷重負荷中及び(c)曲げ荷重負荷中が示される。この他にも、捩りモードや各モードを組み合わせたモードもあるが、基礎的な3例を示した。実施例としては高周波領域での実験例と低周波領域での実験例を示す。

0024

図1において、制振特性評価装置架台又は荷重架台(1)は、鋼製の堅牢な構造体である。防振ゴム(2)は制振特性評価装置(1)全体を独立した振動系にするために荷重架台(1)を支持する部材として示される。振動検出加速度センサ—(3)が荷重架台(1)に設置される。荷重架台(1)には制振合金試料(4)が配置される。インパルスハンマー(5)は振動を導入するための振動装置で、振動力センサーを内蔵している。常時荷重を負荷するため静負荷荷重(6)が配備される。

0025

この静負荷変形モードによる静負荷中制振特性測定方法は、インパルスハンマー(5)により、荷重架台(1)に振動を導入し、静負荷荷重下の制振合金試料(4)中で伝達減衰した振動を、装置架台(1)上の振動検出加速度センサー(3)で検出する。静負荷荷重は、静負荷荷重(6)により変更できる。検出データはFFTファーストフーリエ変換アナライザーで解析する。
(実施例1)実施例1は、高周波領域の実験例である。高周波領域では基礎構造の振動モードを利用し、負荷が掛けられた試料の制振性能を間接的に測定する。図2に示すように、圧縮荷重負荷中試料(円筒状)の制振性能を評価した例を示す。

0026

この実施例によれば、高性能制振合金であるM2052合金(Mnベース、20at.%Cu、5at.%Ni、2at.%Fe合金)とFe-6mass%Al合金を円筒状に加工して、圧縮静荷重下(0MPaと5MPa)での制振特性を評価した。静負荷荷重下の制振性の評価は図2のインパルスハンマー(5)により鋼製の堅牢な荷重架台(1)に振動を導入し、静負荷荷重下の制振合金試料(4)中に振動が伝達し、減衰した振動を、鋼製の堅牢な荷重架台(1)上に設置した振動検出加度センサー(3)で検出した。その振動系の周波数応答関数をFFT(ファーストフーリエ変換)アナライザーで解析した。静負荷荷重は、重りの量で変化できる。振動系は防振ゴム(2)で装置フレームから独立している。

0027

図3は、実施例1の静負荷荷重下で制振性をFFT(ファーストフーリエ変換)アナライザーで解析した結果であり、合金の制振性能に及ぼす静的負荷の評価結果を示す。縦軸は振動系のアクセラレンス(周波数応答関数=加速度/力)で、下になるほど制振性能は高い。横軸は振動周波数である。制振合金のM2052合金はFe−6%Al合金と異なり静負荷の影響が低いことを示している。両方の合金は無負荷時において広い周波数帯で非常に高制振性能を示した。圧縮静荷重下においてM2052合金の制振特性の劣化は僅かであるが、Fe−Al合金の場合、7kHz以上の領域では静負荷荷重の制振性が劣化する。10kHzではアクセラレンスが負荷によって10倍悪くなった。即ちFe-Al合金の制振性能は5MPaの静的負荷で10倍劣化した。図3において、2〜3の共振ピークも現れたが、それは基礎振動系の固有するもので、そのピークも静負荷荷重下では制振性能を反映している。本実験での測定は同一径の円筒状試料に一定静負荷荷重の円盤を載せ、インパルスハンマー(5)で反復打撃し、入力した振動の力と検出した加速度信号をFFT(ファーストフーリエ変換)アナライザーで解析した。
(実施例2)実施例2では、低周波領域の実例である。低周波領域では試料に静的負荷を掛け、試料単位で制振性能を測定する。図4は、実施例2のための制振性能を評価する装置の原理図を示すと共に、曲げ変形モードで負荷中板状試料の制振性能を評価した例を示す。

0028

高性能制振合金であるM2052合金(Mnベース、20at.%Cu、5at.%Ni、2at.%Fe合金)とFe-6mass%Al合金を1×10×60mmの板状試料に加工して、試料の表面に生じる最大ひずみ(0〜2×10-4)を一定になるように静負荷をかけ、その負荷にプラスして正弦波振動を入力し試験片に生じる変位は非接触型変位センサーで検出した。振動力と変位波形間の位相差(tanδ)で制振性能を評価した。板状試料(1)の両端は拘束架台(2)に固定され、中央位置に静的負荷F0をかけ、試料にはX0の曲げ変形が起こる。その上に試料の中央位置に正弦波応力f*を加え、変位X*が検出される。図4(b)に示したように、制振合金の制振性能を測定する。測定温度は25℃であった。加振周波数は1Hzで、試料の表面のひずみ振幅は1×10-5であった。

0029

静的負荷中板状試料の制振性能の測定結果は図5に示される。縦軸は変位と応力の位相差を示すtanδであって、合金の制振性能を反映する。静的負荷の大きさを試料表面のひずみに換算して横軸で表示した。表面ひずみが2×10-5より小さい静的負荷をかけた場合、M2052合金と比べてFe-Al合金が高い制振性能を示す。静的負荷の増加に伴い、両合金の制振性能は逆に変化する挙動を示した。静的ひずみが8×10-5まではM2052合金の制振性能がやや増大する傾向を呈し、これに対してFe-Al合金の方が連続的に減少している。

0030

それより大きな静的負荷の場合、両方とも減少する。この結果によって、無負荷状態の合金の制振特性は負荷によって大きく異なることが明らかとなった。実際の使用条件に合わせた制振材料を選ばないと、期待する制振効果が生じないこととなる。

発明の効果

0031

以上、この出願の発明によれば、静的負荷中の制振挙動を解明することで高性能制振合金の実用化に向けて静負荷中での制振特性の評価方を確立し、この静的負荷中での制振特性の評価方法を提案することで、実用性が高い制振材料の基礎資料を提供でき、制振を考慮する製品化設計に貢献できる。また、材料の静負荷中での制振特性の評価法を提案することで、製品開発直結する基礎資料が得られ、機械、構造物などのシミュレーションは新しいパラメータを取り入れ、高精度なモデリングができる。

0032

さらに、この評価法は制振材料の開発に新しい指針を与えるので、制振材料の実用化にも大いに寄与できると共に、経済的な効果が大きいと考えられる。

図面の簡単な説明

0033

図1静負荷中の制振特性評価モードを示す図であり、荷重の負荷形態によって、(a)圧縮荷重負荷中、(b)引張荷重負荷中、(c)曲げ荷重負荷中の各モードを示す。
図2高周波領域の実験例を示す図である。
図3静的負荷付与下で制振性をFFTアナライザーで解析した結果を示す図である。
図4低周波領域の実験例で使われた曲げ変形モードで負荷中板材試料の制振性能を評価する装置の原理図である。
図5静的負荷荷中板状試料の制振性能の測定結果を示す図である。

--

0034

1・・制振特性評価装置架台又は荷重架台
2・・防振ゴム
3・・振動検出加速度センサー
4・・制振合金試料
5・・インパルスハンマー
6・・静負荷荷重

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