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技術 伝熱管並びにこの伝熱管を使用した多管式熱交換器及びラジエーター組込式オイルクーラー

出願人 臼井国際産業株式会社
発明者 布施勝後藤忠弘栗原文則宮内祐治
出願日 2001年9月6日 (18年10ヶ月経過) 出願番号 2001-270690
公開日 2003年3月19日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2003-083693
状態 特許登録済
技術分野 排気還流装置 機械または機関の冷却一般 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部1 ラジエータ、流路群をもつ熱交換装置
主要キーワード 平坦壁面 螺旋状突条 横断面三角形状 パワステオイル 横断面形 高温オイル 傾斜壁面 垂直壁面
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重要な関連分野

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図面 (7)

課題

伝熱管内部を流動する流体伝熱管外部との熱交換を効率的に行うだけでなく、流体の圧力損失防止効果にも優れた伝熱管を得る。

解決手段

内部を流体が流動可能な円筒状の素管2の内周壁3に、素管2の内径Dに対して1.0〜5.0Dの形成間隔環状突条4を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けて伝熱管1を形成する。

概要

背景

従来、自動車エンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジンディーゼルエンジンともに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率クールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブ機能低下耐久性の低下を防止するため、高温化したEGRガス冷却水冷却風冷媒、その他の冷却媒体で冷却する装置を設けている。

このEGRガス冷却装置は、図4に示す如く、EGRガスが内部を流通可能な複数の細径伝熱管を配置し、この伝熱管の外側に冷却水や冷却風、冷媒等の冷却媒体を流通させる事により、伝熱管を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を行うものである。

この伝熱管は、流体の流通する内周面が平滑なものであると、流動抵抗を殆ど受けないため、EGRガスが伝熱管内に於いて乱流となりにくく、伝熱管の中心付近管軸方向に流動するEGRガスが、径方向の位置をあまり変化する事なく高速に流動する。そのため、この中心付近を流動するEGRガスは、冷却媒体との熱交換が殆ど行われない。

この不具合を解消するため、特開平11−108578号の従来技術では、素管の内部に、この素管の全長に渡る長尺螺旋状の突条を設けて伝熱管を形成し、この伝熱管内に、螺旋状に形成した平板状のフィン挿入配置している。また、公開前であるが、本出願人の発明である特願2000−108473号では、伝熱管の断面形状を二葉状乃至四葉状の形状として素管の内部の略全長に渡って螺旋状のなだらかな突条が形成されるように伝熱管を構成している。

上述の如く伝熱管に設けた螺旋状の突条やフィンにより、伝熱管内を直線的に高速通過しようとするEGRガスを撹拌して、流れを強制的に乱流化している。この乱流化により、EGRガスの伝熱管内の流動距離を長くし、伝熱管との接触時間を長くして、EGRガスと伝熱管との接触頻度を高めて、伝熱管外表面を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を効率的に行おうとするものであった。

概要

伝熱管内部を流動する流体と伝熱管外部との熱交換を効率的に行うだけでなく、流体の圧力損失防止効果にも優れた伝熱管を得る。

内部を流体が流動可能な円筒状の素管2の内周壁3に、素管2の内径Dに対して1.0〜5.0Dの形成間隔環状突条4を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けて伝熱管1を形成する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

内部を流体流動可能とする円筒状の素管内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた事を特徴とする伝熱管

請求項2

素管の内周壁に設ける環状突条は、最も径小部分の内径を、素管の内径Dに対して、0.5〜0.9Dとした事を特徴とする請求項1の伝熱管。

請求項3

内部を流体が流動可能とする円筒状の素管の内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた伝熱管を、一定間隔複数本組付けた事を特徴とする多管式熱交換器

請求項4

内部を流体が流動可能とする円筒状の素管の内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた伝熱管を、熱交換部に配置した事を特徴とするラジエーター組込式オイルクーラー

技術分野

0001

本発明は、EGRガス冷却装置等の多管式熱交換器や、ラジエーター組込式オイルクーラー等にて、冷却水冷却風カーエアコン用冷媒、その他の冷却媒体と、EGRガスオイル等との熱交換を行うために用いる、伝熱管並びにこの伝熱管を使用した多管式熱交換器及びラジエーター組込式オイルクーラーに係るものである。

背景技術

0002

従来、自動車エンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジンディーゼルエンジンともに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率クールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブ機能低下耐久性の低下を防止するため、高温化したEGRガスを冷却水、冷却風、冷媒、その他の冷却媒体で冷却する装置を設けている。

0003

このEGRガス冷却装置は、図4に示す如く、EGRガスが内部を流通可能な複数の細径の伝熱管を配置し、この伝熱管の外側に冷却水や冷却風、冷媒等の冷却媒体を流通させる事により、伝熱管を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を行うものである。

0004

この伝熱管は、流体の流通する内周面が平滑なものであると、流動抵抗を殆ど受けないため、EGRガスが伝熱管内に於いて乱流となりにくく、伝熱管の中心付近管軸方向に流動するEGRガスが、径方向の位置をあまり変化する事なく高速に流動する。そのため、この中心付近を流動するEGRガスは、冷却媒体との熱交換が殆ど行われない。

0005

この不具合を解消するため、特開平11−108578号の従来技術では、素管の内部に、この素管の全長に渡る長尺螺旋状の突条を設けて伝熱管を形成し、この伝熱管内に、螺旋状に形成した平板状のフィン挿入配置している。また、公開前であるが、本出願人の発明である特願2000−108473号では、伝熱管の断面形状を二葉状乃至四葉状の形状として素管の内部の略全長に渡って螺旋状のなだらかな突条が形成されるように伝熱管を構成している。

0006

上述の如く伝熱管に設けた螺旋状の突条やフィンにより、伝熱管内を直線的に高速通過しようとするEGRガスを撹拌して、流れを強制的に乱流化している。この乱流化により、EGRガスの伝熱管内の流動距離を長くし、伝熱管との接触時間を長くして、EGRガスと伝熱管との接触頻度を高めて、伝熱管外表面を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を効率的に行おうとするものであった。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、EGRガスと伝熱管との接触頻度を多くして、伝熱管でのEGRガスの滞在時間を長くすると、熱交換効率が向上する反面、伝熱管を通過する際のEGRガスへの流動抵抗が大きくなる。そのため、伝熱管通過後のEGRガスの圧力損失も大きく、EGRガス冷却装置からインテークマニホール側にEGRガスを円滑に戻しにくいものであった。

0008

本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、伝熱管の熱伝達性を高めて、伝熱管内部を流動する流体と、該伝熱管の外部を流動する流体との熱交換を効率的に行うだけでなく、伝熱管内を流動する流体の圧力損失を良好に防止可能とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、内部を流体が流動可能とする円筒状の素管の内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた伝熱管である。

0010

また、素管の内周壁に設ける環状突条は、最も径小部分の内径を、素管の内径Dに対して、0.5〜0.9Dとしても良い。

0011

また、第2の発明は、内部を流体が流動可能とする円筒状の素管の内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた伝熱管を、一定間隔複数本組付けて成る多管式熱交換器である。

0012

また、第3の発明は、内部を流体が流動可能とする円筒状の素管の内周壁に、この素管の内径Dに対して、1.0〜5.0Dの形成間隔を介して環状突条を、形成幅0.3〜1.0Dの寸法で複数個設けた伝熱管を、熱交換部に配置して成るラジエーター組込式オイルクーラーである。

0013

本発明の伝熱管は上述の如く構成したものであり、第1の発明の伝熱管内を、冷却水、EGRガス、オイル等の流体が流動すると、この伝熱管の外表面を介して、内部の流体と外部の流体との熱交換が行われる。そして、流体が伝熱管内を流動する際に、この環状突条では流通経路断面積が狭くなり、流体の流れが絞られる。そして、流体は中央の流動速度に比較して伝熱管の内表面付近では流体の流動速度が遅く境界層が厚いものであったが、環状突条による流れの絞り作用により、内表面付近に於いても流動速度が高速化する。従って、流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱管内表面への熱伝達性が向上する。更に、伝熱管内表面に付着した剥離が促進され、熱伝達性の向上に寄与するとともに、煤の塊化を防止し、目詰まり等による装置のトラブルを防ぐ事もできる。

0014

また、この環状突条を通過後は、流体の流通経路の断面積が径大に復元するので、狭い流通経路から広い流通経路に流出する事により、流体の流れが乱流化し、流れの渦が多数発生する。そして、この流れの渦が伝熱管の内表面側を流動するので、この環状突条の非形成部に於いても流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱管への熱伝達性が向上する。また、乱流により、伝熱管内表面に付着した煤の剥離も促進される。

0015

そして、伝熱管には、環状突条を一定間隔で複数個設けているので、上記流れの絞り作用と流通経路の復元による乱流化を繰り返すものとなり、伝熱管の全長に渡って熱伝達性が向上する。そして、伝熱管内部を流動する流体と伝熱管外部の流体との熱交換が促進され、温度効率が向上するとともに、伝熱管内表面及び中央を流通する流体の全体がムラ無く均一に冷却又は加熱されるものとなる。また、温度効率が向上するだけでなく、伝熱管内を流動する流体の流動速度が衰えず、伝熱管内を流動する事による流体の圧力損失を良好に防止する事ができる。

0016

また、伝熱管に環状突条を設ける際には、素管の内径をDとした場合、環状突条の形成幅を0.3〜1.0Dとし、1.0〜5.0Dの形成間隔(ピッチ)を介して、複数個設けるのが好ましい。この形成幅が、0.3Dよりも短尺であると、環状突条による流れの絞り作用が乏しく、伝熱管内を流動する流体への流動抵抗は小さいため、流体の圧力損失は少ないが、熱伝達性に乏しく温度効率が低下する。また、環状突条の形成幅が1.0Dよりも長尺であると、環状突条により流通経路が狭められた部分の占める割合が多くなり、流体への流動抵抗が増大し、流体の圧力損失が大きくなる。

0017

また、環状突条を複数個設ける際の形成間隔が、1.0Dよりも狭いと、環状突条が多く形成され、流体の流れが絞られる割合及び回数が多くなるので、流体の流動抵抗が増大し、流体の圧力損失が大きくなる。逆に、環状突条を5.0Dよりも広い形成間隔で形成すると、流れの絞り作用が乏しくなり、流動抵抗は小さく圧力損失は少ないが、環状突条で発生した渦が減衰してしまうため、次第に境界層が厚くなり、熱交換率が低下し、伝熱管内面に付着する煤の剥離作用も弱くなる。

0018

また、環状突条は、素管の外表面から内部方向に、ほぼ一定の形成幅で均一に押圧加工すれば、横断面形状は、台形又は四角形状となり、このような環状突条の流通経路の内径は、概ね一定である。しかし、環状突条は、断面形状が三角形状となるように素管に形成しても良く、この場合は三角形の頂点部分の内径が最も径小となる。

0019

上記何れの形状であっても、環状突条の最も径小な部分での内径は、素管の内径Dに対して、0.5〜0.9Dとするのが好ましい。この内径が、0.5Dよりも径小であると、流通経路の断面積が狭すぎて、流体の流れが過度に絞られるため、流動抵抗が増大し、流体の圧力損失の防止効果に劣るものとなる。また、0.9Dよりも径大であると、流動抵抗は小さいが、流体の流れの絞り作用に乏しく、熱伝達性の十分な向上が得られない。

0020

また、上記伝熱管は、自動車のエンジン、その他内燃機関冷暖房等、熱交換を行う何れの装置にも用いる事ができる。そして、上記第1発明の伝熱管を、エンジンのEGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器に組付ければ、EGRガスの冷却を効率的に行う事ができる。従って、EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムに於いて、排気ガス中のNOxを低減できるとともに、燃費の悪化も防止する事ができる。また、過剰な温度上昇を防止して、EGRバルブの劣化や機能低下も確実に防止する事ができる。更に、EGRガスの圧力損失も良好に防止して、各装置内でのEGRガスの円滑な流通が可能となる。

0021

また、高温オイルを内部に流通させて、エンジン冷却水で冷却するラジエーターへの組込式オイルクーラー等に本発明の伝熱管を組付けても良い。すると、熱交換率に優れるとともに、オイルの圧力損失も防止して、優れた品質のオイルクーラーを得る事ができる。

0022

以下、本発明の伝熱管を、自動車のクールドEGRシステムに於けるEGRガス冷却装置に使用した一実施例を図面に於て詳細に説明すれば、(1)は伝熱管で、内部の流通経路(9)をEGRガスが流通可能な細径の金属製の素管(2)で形成している。この素管(2)は、図1に示す如く、外径D’7.0mm、肉厚t0.4mm、内径D6.2mm、長さ200mmとしている。

0023

そして、このような素管(2)を外側から環状に押圧加工する事により、図1に示す如く、素管(2)の内周壁(3)に、一定間隔で複数個の環状突条(4)を設けている。この環状突条(4)は、図1に示す如く、横断面を台形状とし、環状の平坦壁面(5)とその両側に設けた2つの傾斜壁面(6)から構成され、平坦壁面(5)での内径dを5.1mmとしている。また、この環状突条(4)は、第1実施例では、図1に示す形成幅W3.0mm、隣接する環状突条(4)間の形成間隔(ピッチ)P12.5mmとしている。

0024

また、他の異なる第2実施例の伝熱管(1)は、第1実施例と同様に、素管(2)の長さ200mm、外径D’7.0mm、肉厚t0.4mm、内径D6.2mmとし、環状突条(4)の形成幅W3.0mm、内径d5.1mmとしているが、環状突条(4)の形成間隔(ピッチ)Pを、25.0mmで形成している。

0025

また、上記第1、第2実施例では、環状突条(4)は、平坦壁面(5)と2つの傾斜壁面(6)を有する台形状としているが、他の異なる第3実施例の伝熱管(1)では、図2に示す如く、環状突条(4)は、2つの傾斜壁面(6)を有する横断面三角形状に形成している。更に、他の異なる第4実施例では、図3に示す如く、平坦壁面(5)と、この平坦壁面(5)にほぼ垂直な2つの垂直壁面(7)を有する、長方形状の環状突条(4)を設けて伝熱管(1)を形成している。

0026

また、上記第1〜第4実施例の何れに於いても、環状突条(4)は、素管(2)の内径Dに対して、環状突条(4)の形成幅W0.3〜1.0D、形成間隔(ピッチ)P1.0〜5.0Dとするのが好ましい。また、環状突条(4)の最も径小な部位での内径d、即ち第1、第2、第4実施例では、水平壁面(6)の内径d、第3実施例では、三角形の頂点の内径dを、各々0.5〜0.9Dとするのが好ましい。

0027

そして、上記形成幅Wが、素管(2)の内径Dに対して0.3Dよりも短尺であると、環状突条(4)による流れの絞り作用が乏しく、伝熱管(1)内を流動するEGRガスへの流動抵抗が小さくなるため、EGRガスの圧力損失は少ないが、熱伝達性に乏しく温度効率が低下する。また、形成幅Wが1.0Dよりも長尺であると、環状突条(4)により流通経路(9)が狭められた部分の占める割合が多くなり、EGRガスへの流動抵抗が増大するので、圧力損失が大きくなる。

0028

また、環状突条(4)の形成間隔Pが1.0Dよりも狭いと、伝熱管(1)に形成される環状突条(4)の数が多すぎて、EGRガスの流れが絞られる割合及び回数が多くなるので、EGRガスへの流動抵抗が増大し、圧力損失が大きくなる。また、形成間隔Pを5.0Dよりも広くすると、流れの絞り作用が乏しくなり、流動抵抗は小さく圧力損失は少ないが、伝熱管(1)を流通する際に環状突条(4)で発生するEGRガス流の渦が減衰してしまい、次第に境界層が厚くなり、熱交換率が低下し、煤の剥離作用も弱くなる。

0029

更に、環状突条(4)の最も径小な部分の内径dが、0.5Dよりも径小であると、流通経路(9)の断面積が狭すぎて、EGRガスの流れが過度に絞られるため、流動抵抗が増大し、流体の圧力損失の防止効果に劣るものとなる。また、内径dが0.9Dよりも径大であると、流動抵抗は小さくなるが、EGRガスの流れの絞り作用が乏しく、熱交換率に十分な向上が得られない。

0030

上述の如き伝熱管(1)を使用したEGRガス冷却装置(10)を、図4に示す。このEGRガス冷却装置(10)は、円筒状の胴管(11)の両端に、内部を密閉可能にチューブシート(12)を一対、接続している。そして、この一対のチューブシート(12)間に、本実施例の伝熱管(1)を複数本、チューブシート(12)を貫通して接続配置している。また、胴管(11)の両端には、EGRガスの導入口(13)と導出口(14)とを設けたボンネット(15)を接続している。

0031

更に、胴管(11)の外周には、エンジン冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒等の冷却媒体の流入口(16)と流出口(17)を設ける事により、一対のチューブシート(12)で仕切られた気密空間内を、冷却媒体が流通可能な冷却部(18)としている。また、この冷却部(18)内に、複数の支持板(20)を接合配置し、この支持板(20)に設けた挿通孔(21)に、伝熱管(1)を挿通する事により、バッフルプレートとして伝熱管(1)を安定的に支持するとともに、冷却部(18)内を流動する冷却媒体の流れを蛇行化している。

0032

そして、上述の如きEGRガス冷却装置(10)に於いて、導入口(13)から胴管(11)内に高温化したEGRガスを導入すると、このEGRガスは胴管(11)内に複数配置した伝熱管(1)内に流入する。この伝熱管(1)を配置した冷却部(18)では、予め伝熱管(1)の外部にエンジン冷却水等の冷却媒体を流通しているので、伝熱管(1)の外表面を介してEGRガスと冷却媒体とで熱交換が行われる。

0033

そして、従来の伝熱管では、内部を流動するEGRガスは、中央の流動速度に比較して伝熱管の内表面付近では流体の流動速度が遅く境界層が厚くなり、熱交換率が低下し、煤の剥離作用も乏しかった。しかし、本発明では、伝熱管(1)に環状突条(4)を設けているから、この環状突条(4)を設けた部分ではEGRガスの流通経路(9)の断面積が狭くなり、EGRガスの流れが絞られる。この流れの絞り作用により、内表面付近に於いてもEGRガスの流動速度が高速化する。従って、EGRガスの境界層が薄くなり、EGRガスから伝熱管(1)内表面への熱伝達性が向上し、伝熱管(1)内表面に付着する煤の剥離も促進される。

0034

この環状突条(4)の通過後は、EGRガスは環状突条(4)の非形成部(8)内に流出し、この非形成部(8)では、流通経路(9)の断面積が径大に復元する。このように狭い流通経路(9)から広い流通経路(9)にEGRガスが流出する作用により、非形成部(8)では、EGRガスの流れが乱流化し、流れの渦が多数発生する。そして、EGRガスが渦を巻きながら伝熱管(1)の内表面側を流動するので、この非形成部(8)に於いても、EGRガスの境界層が薄くなり、EGRガスと伝熱管(1)との熱伝達性が向上し、伝熱管(1)内表面に付着した煤の剥離も促進される。

0035

また、伝熱管(1)には、環状突条(4)を一定間隔で複数個設けているので、上記流れの絞り作用と流通経路(9)の復元による、EGRガスの乱流化を繰り返す事により、伝熱管(1)の全長に渡ってEGRガスと伝熱管(1)との熱伝達性が向上する。従って、伝熱管(1)を介して、伝熱管(1)内を流動するEGRガスと冷却部(18)の冷却媒体との熱交換が促進されるとともに、EGRガスは、全体がムラ無く均一に冷却され、温度効率が向上するものとなる。また、温度効率が向上するだけでなく、伝熱管(1)を流動時のEGRガスの流動速度が衰える事がないから、圧力損失も良好に防止する事ができる。

0036

このような良好な冷却効果と圧力損失の防止効果により、EGRガスは、導出口(14)を介してEGRガス冷却装置(10)から流出し、インテークマニホールド側に高速かつ円滑に戻される。従って、EGRバルブの高温化を防止して、EGRバルブの優れた機能性と耐久性を得る事ができるとともに、吸入空気の温度を低下するのでNOxの低減と良好な燃費が可能となる。また、伝熱管(1)内での煤の剥離が促進されて、大きな塊となるのを防ぐ事ができるから、インテークマニホールドから吸引される煤によるエンジントラブルを防ぐ事も可能となる。

0037

そして、第1実施例及び第2実施例の伝熱管(1)について、EGRガスの交換熱量及び圧力損失の測定実験を行った。この実験で使用するEGRガスは、伝熱管(1)の入口温度400℃、流量5.0〜25.0g/secとしている。また、伝熱管(1)の外周を流通する冷却水は、入口温度80℃、流量10.0L/minとしている。

0038

また、本発明との比較のため、図5図6に示す形状の異なる2種類の伝熱管(1)についても、第1、第2実施例と同様の実験を行った。各比較例でも、長さ200mm、外径D’7.0mm、肉厚t0.4mmとする素管(2)を使用している。そして、第1比較例の伝熱管(1)は、図5に示す如く、前記素管(2)の内周壁(3)の全長に渡って1本の螺旋状突条(22)を設けている。この螺旋状突条(22)は、内周壁(3)側の突出高さhを0.5mmとしている。また、第2比較例の伝熱管(1)は、図6に示す如く、前記素管(2)の略全長に渡って3本の螺旋状突条(22)を設け、伝熱管(1)の断面形状を三葉状の形状で形成し、外接円の直径D’7.0mm、内接円の直径d4.2mmとしている。

0039

この実験の結果、第1比較例に比べ、第1、第2実施例とも、熱交換率に優れ、温度効率が高かった。圧力損失に関しては、第1比較例と第1実施例とは、ほぼ等しい値を示したが、第2実施例は第1比較例に比べてかなり低い値を示した。また、第2比較例との比較に於いては、第2比較例の方が、第1実施例及び第2実施例よりも交換熱量に関して、若干優れた値が計測された。しかしながら、圧力損失に関しては、第1、第2実施例は、第2比較例よりも遙かに低い値を示した。従って、本発明の伝熱管(1)は、温度効率だけでなく、圧力損失の防止効果にも優れ、バランスの取れたものである事が解った。

0040

また、上記実験に於いて、EGRガス流量15.0g/sec時の温度効率、EGRガス側の圧力損失を下記表1に示す。尚、EGRガスの温度及び圧力損失は、図4に示すボンネット(15)の導入口(13)と導出口(14)とで各々計測した。

0041

0042

この表1からも解る様に、流量15.0g/secでは、温度効率に関しては、第1実施例、第2実施例の本発明の伝熱管(1)は、第1比較例よりは優れているが、第2比較例よりは僅かに劣っている。しかしながら、圧力損失に関しては、第1実施例は、第1比較例とほぼ等しく、第2実施例は、第1比較例よりもかなり低い値を示した。また、第1、第2実施例ともに、第2比較例よりも遙かに圧力損失が低い値を示した。これらの結果より、第1、第2実施例ともに、温度効率及び圧力損失防止効果の双方に優れた値を示し、バランスの取れた伝熱管(1)である事が解る。

0043

また、上記では、EGRガス冷却装置(10)に伝熱管(1)を組付けているが、エンジンオイルミッションオイル、ATF、パワステオイル等の高温オイルを内部に流通させて、この高温オイルをエンジン冷却水で冷却するラジエーターへの組込式オイルクーラーの熱交換部に、本発明の伝熱管(1)を配置する事もできる。そして、伝熱管(1)の持つ優れた熱交換率と圧力損失防止効果により、高品質なオイルクーラーを得る事ができる。

発明の効果

0044

本発明は上述の如く構成したもので、伝熱管の内周壁に一定間隔で環状突条を設けており、この環状突条に於ける流体の流れの絞り作用と、環状突条の非形成部での流通経路の復元を繰り返す事により、伝熱管の内表面側での流体の流れが高速化して境界層が薄くなるとともに、流れの乱流化が発生し、流体と伝熱管との熱伝達性が向上する。また、流体の乱流化により、伝熱管内部に付着する煤の剥離も促進され、熱伝達性が更に向上する。従って、本発明の伝熱管は、伝熱管内の流体と伝熱管外部の流体との熱交換が効率的に行われ、温度効率が高いだけでなく、流体の圧力損失の防止効果にも優れ、バランスの取れたものである。

0045

また、この伝熱管を多管式熱交換器や、ラジエーター組込式オイルクーラー等に使用する事により、熱交換率が高く、流体の圧力損失の防止効果に優れた製品を得る事ができる。

図面の簡単な説明

0046

図1本発明の第1、第2実施例を示す断面図である。
図2本発明の第3実施例を示す断面図である。
図3本発明の第4実施例を示す断面図である。
図4本発明の伝熱管を複数本組み付けた、EGRガス冷却装置の断面図である。
図5第1比較例を示す断面図である。
図6第2比較例を示す断面図である。

--

0047

1伝熱管
2素管
3内周壁
4 環状突条

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