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技術 ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプと粒子の製造法

出願人 DIC株式会社
発明者 中嶋道也関根均出村智
出願日 2001年9月11日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-274937
公開日 2003年3月19日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-082097
状態 特許登録済
技術分野 ポリアミド
主要キーワード ゲル状膜 灰分測定 抄紙物 灰分重量 プロペラ状 パルプ形状 ポリアミド複合体 ガラス含量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

有機溶液水溶液との2相に含まれるポリアミドおよびガラス原料反応成分を効率よく接触反応させる、ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプと粒子を効率良く得る工業的な製造法を提供する。

解決手段

ジカルボン酸ハロゲン化物有機溶媒溶液(A)と、ジアミン水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置付反応槽で、初めに低速攪拌翼のみの攪拌により、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させて予備重合を行い、続いて高速攪拌翼を高速で回転させ反応液激しく撹拌するポリアミドとガラスから成る複合体パルプの製造法、および、前記有機溶媒溶液(A)と水溶液(B)とを前記反応槽中で低速攪拌翼と高速攪拌翼とを初めから高速で回転させ反応液を激しく撹拌するポリアミドとガラスから成る複合体粒子の製造法。

概要

背景

ポリアミドジカルボン酸ハロゲン化物有機溶媒溶液ジアミン水溶液との界重合反応によって得る方法は、米国特許第3006899号公報、同2708617号公報に開示されている。しかし、これらの製造法静止系で2液界面からフィルムまたは長繊維としてポリアミドを引き出す方法であり、極めて生産性が低いものであった。

これらの反応により得られるポリアミドは強固なゲル状膜として生成するため、プロペラ翼マックスブレンド翼ファウドラー等の汎用攪拌翼を用いた通常の攪拌操作では界面の更新すら困難であるために反応収率が低く、また生成したゲル状物が翼および軸に絡みつき、生成物の抜き出し操作や洗浄が極めて困難である。

また、界面の更新を目的として、ホモミキサー等の強い剪断力を持つ攪拌翼を用いて5リッター以下の小型ブレンダーで反応を行うポリアミド複合体製法が特開平10−176106号公報や特開平11−80541号公報に記載されている。

しかし、この操作ではミキサー刃の極く周辺では、重合およびせん断によるパルプ化または粒子化が生じるが、反応槽壁周辺ではせん断力が加わらないために塊状のゲル状物が生成し、攪拌を継続しても均一な粒子またはパルプ状物は得られない。そこで、パルプまたは粒子の製造を行うためには、攪拌を停止してゲル状物を別の手段により解砕してから再度攪拌する必要があり、規模の大きい反応容器でポリアミド複合体のパルプまたは粒子を製造することは困難であった。

また、ポリアミド複合体は、硬いガラスを含むために、撹拌翼で剪断する際の摩擦発熱が大きく、ゲル状物を解砕するために撹拌力を高めると、それに伴う摩擦熱の増大により、副反応の発生や反応溶媒揮散による反応収率の低下に加えて、生成物の熱劣化という不具合を生じる問題があり、その解決が強く望まれていた。

概要

有機溶液水溶液との2相に含まれるポリアミドおよびガラスの原料反応成分を効率よく接触反応させる、ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプと粒子を効率良く得る工業的な製造法を提供する。

ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)と、ジアミン水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置付き反応槽で、初めに低速攪拌翼のみの攪拌により、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させて予備重合を行い、続いて高速攪拌翼を高速で回転させ反応液激しく撹拌するポリアミドとガラスから成る複合体パルプの製造法、および、前記有機溶媒溶液(A)と水溶液(B)とを前記反応槽中で低速攪拌翼と高速攪拌翼とを初めから高速で回転させ反応液を激しく撹拌するポリアミドとガラスから成る複合体粒子の製造法。

目的

本発明が解決しようとする課題は、有機溶液と水溶液との2相に含まれるポリアミドおよびガラスの原料反応成分を効率よく接触反応させる、ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプおよび粒子を効率良く得る工業的な製造法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

ジカルボン酸ハロゲン化物有機溶媒溶液(A)と、ジアミン水ガラス水溶液(B)とを、高速攪拌低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、初めに低速攪拌翼のみの攪拌により、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させる状態で予備重合を行い、続いて高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドガラスを剪断することを特徴とするポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプ製造法

請求項2

高速攪拌翼がエッジドタービンまたはローターステーター攪拌翼である請求項1に記載のポリアミド複合体から成るパルプの製造法。

請求項3

ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)とジアミンと水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、低速攪拌翼の攪拌開始と同時に高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液を激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドとガラスを剪断することを特徴とするポリアミドとガラスとの複合体から成る粒子の製造法。

請求項4

高速攪拌翼がエッジドタービンまたはローター・ステーター型攪拌翼である請求項2に記載のポリアミド複合体から成る粒子の製造法。

技術分野

0001

本発明はポリアミドガラスとの複合体(以降、ポリアミド複合体略称する)から成るパルプと粒子の効率の良い製造法に関する。本発明で得られるポリアミド複合体から成るパルプは耐熱ペーパーの材料やスピーカー振動板材料に、ポリアミド複合体から成る粒子研磨剤などの用途に好適に用いられる。

背景技術

0002

ポリアミドをジカルボン酸ハロゲン化物有機溶媒溶液ジアミン水溶液との界重合反応によって得る方法は、米国特許第3006899号公報、同2708617号公報に開示されている。しかし、これらの製造法は静止系で2液界面からフィルムまたは長繊維としてポリアミドを引き出す方法であり、極めて生産性が低いものであった。

0003

これらの反応により得られるポリアミドは強固なゲル状膜として生成するため、プロペラ翼マックスブレンド翼ファウドラー等の汎用攪拌翼を用いた通常の攪拌操作では界面の更新すら困難であるために反応収率が低く、また生成したゲル状物が翼および軸に絡みつき、生成物の抜き出し操作や洗浄が極めて困難である。

0004

また、界面の更新を目的として、ホモミキサー等の強い剪断力を持つ攪拌翼を用いて5リッター以下の小型ブレンダーで反応を行うポリアミド複合体の製法が特開平10−176106号公報や特開平11−80541号公報に記載されている。

0005

しかし、この操作ではミキサー刃の極く周辺では、重合およびせん断によるパルプ化または粒子化が生じるが、反応槽壁周辺ではせん断力が加わらないために塊状のゲル状物が生成し、攪拌を継続しても均一な粒子またはパルプ状物は得られない。そこで、パルプまたは粒子の製造を行うためには、攪拌を停止してゲル状物を別の手段により解砕してから再度攪拌する必要があり、規模の大きい反応容器でポリアミド複合体のパルプまたは粒子を製造することは困難であった。

0006

また、ポリアミド複合体は、硬いガラスを含むために、撹拌翼で剪断する際の摩擦発熱が大きく、ゲル状物を解砕するために撹拌力を高めると、それに伴う摩擦熱の増大により、副反応の発生や反応溶媒揮散による反応収率の低下に加えて、生成物の熱劣化という不具合を生じる問題があり、その解決が強く望まれていた。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、有機溶液水溶液との2相に含まれるポリアミドおよびガラスの原料反応成分を効率よく接触反応させる、ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプおよび粒子を効率良く得る工業的な製造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者はこれらの課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、高い剪断力を有する高速攪拌翼と、反応槽内部全体を緩やかに混合させ得る低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を用いることにより、界面重合反応収率よく進行し、かつ生成物の形状も粒子から長繊維を含むパプルにまで制御できることを見出して本発明を完成するに至った。

0009

即ち、本発明は、ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)と、ジアミン水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、初めに低速攪拌翼のみの攪拌により、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させる状態で予備重合を行い、続いて高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドとガラスを剪断することを特徴とするポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプの製造法を提供する。

0010

また本発明は、ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)とジアミンと水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、低速攪拌翼の攪拌開始と同時に高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液を激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドとガラスを剪断することを特徴とするポリアミドとガラスとの複合体から成る粒子の製造法を提供する

発明を実施するための最良の形態

0011

以下に本発明を更に詳細に説明する。本発明で用いるジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)はジカルボン酸ハロゲン化物を溶解した有機溶媒である。本発明に用いるジカルボン酸ハロゲン化物は界面重合反応に用いられるものであれば特に限定されないが、アジポイルクロライド、アゼラオイルクライド、セバシルクロライド、またはこれらの臭素化物などの脂肪族ジカルボン酸ハロゲン化物イソフタロイルクロライド、テレフタロイルクロライド、およびこれら芳香族環の1個以上の水素ハロゲンニトロ基アルキル基置換した芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物などが挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで用いて良い。

0012

有機溶媒溶液(A)に用いる有機溶媒としては、ジカルボン酸ハロゲン化物やジアミンと反応せず、ジカルボン酸ハロゲン化物を溶解させるものであれば特に制限なく用いることができ、トルエンキシレンクロロホルムシクロヘキサンシクロヘキサノンテトラヒドロフラン2−ブタノンなどを代表的な例として挙げることができる。

0013

ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)と、ジアミンと水ガラスの水溶液(B)との界面または混合溶液中で重縮合反応が進行しポリアミドが生成する。有機溶媒溶液(A)中のジカルボン酸ハロゲン化物の濃度は、重合反応が十分に進行すれば特に制限されないが、0.01〜3モル/Lの濃度範囲、特に0.05〜1モル/Lが好ましい。これを例えば−15〜50℃の温度で多軸攪拌装置に供給する。

0014

水溶液(B)はジアミンと水ガラスと水を含む。ジアミンは前記ジカルボン酸ハライドと反応するものであれば特に制限はないが、1,2−アミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン等の脂肪族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン等の芳香族ジアミン、およびこれら芳香環の1個以上の水素をハロゲン、ニトロ基、またはアルキル基で置換した芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで用いて良い。水溶液(B)中のジアミンの濃度は、例えば、0.01〜3モル/Lの濃度範囲、好ましくは0.05〜1モル/Lである

0015

本発明で用いる水ガラスはポリアミド複合体のガラス源となるもので、例えばJIS K−1408−1950に記載の水ガラス1号、2号、3号、4号等のM2O・nSIO2の組成式で表され、Mはアルカリ金属、1.2≦n≦4のものが挙げられる。反応に際しては水ガラス中のアルカリ金属自身が酸受容体として働き、水ガラスから生成した微細なガラスがポリアミド内に均一に分散したポリアミドとガラスから成る複合体を形成する。

0016

水溶液(B)中の水ガラスの濃度は、4〜900g/Lの範囲が好ましい。また、重合反応を促進させる目的で、水溶液に例えば水酸化ナトリウム等の酸受容体を添加しても良い。この水溶液(B)を例えば0〜50℃の温度範囲で多軸攪拌装置付きの反応槽に供給する。

0017

本発明で用いる高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽は、少なくとも1本の高剪断力を持つ高速攪拌翼およびこれに動力を伝達する高速攪拌軸、少なくとも1本の反応槽内部全体を移動、攪拌させ得る低速攪拌翼およびこれに動力を伝達する低速攪拌軸から構成される。

0018

本発明で用いる高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置は、低速攪拌翼の回転により生じる旋回流により原料の2液を接触させ界面重合を生じさせると同時に、界面に生成したポリアミドの膜を、高速攪拌翼の回転によりせん断することにより界面を更新し、引き続く反応を連続的に生じさせる。

0019

本発明で用いるポリアミドの反応方法は、原料の2液が有機溶媒と水であるために容易に分離し、かつ生成するポリマーが高粘度(7Pa・s)となるために、通常のプロペラ状翼、マックスブレンド翼やファウドラー翼を持つ撹拌装置では界面の更新ができず、ある程度の反応はできるが、本発明のようなポリアミド複合体の製造は不可能であり、さらにポリアミド複合体のパルプや粒子の製造は困難である。

0020

本発明で用いる高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置の好適な形態は、実施例で用いた井上製作所株式会社製2軸ミキサーBDM−V−270Vや、浅田鉄工株式会社製コーネルデスパーMHK−10型、特殊機化株式会社製コンビミックスBS−100等を挙げることができる。

0021

本発明で用いる高速攪拌翼は、エッジドタービンまたはローターステーター型攪拌翼等の強い剪断力を与え得る攪拌翼を用いるのが好ましい。この高速攪拌翼はそれ自身が回転(自転)しながら、反応容器内を移動(例えば公転)させても良い。高速撹拌翼の直径は反応槽の内径に対し10%以上を占めることが好ましく、20%以上を占めることが更に好ましい。

0022

ここでいうエッジドタービンとは、刃付き丸はね型の上方および/または下方に型の刃を立てた円盤型攪拌翼で、例としてはディスパー翼等が挙げられる。またローター・ステーター型攪拌翼とは、回転する内刃と固定された外刃からなる攪拌翼で、その例としてはホモミキサー等が挙げられる。

0023

本発明で用いる低速攪拌翼は、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させることができ、また、反応容器内壁への付着物を掻き取ることが可能で、かつ高速攪拌翼と接触しない翼であれば、いずれの型の翼でもよく、例としてはアンカー翼等が挙げられる。

0024

本発明では高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させることが必要である。5m/s以下の回転ではせん断力が不充分なため、原料2液の接触、混合が不充分で原料溶液を内包した直径1cm以上の強固な皮膜を持つ団子状のポリマーが生成して反応収率が向上せず、かつポリアミド複合体のパルプも粒子も製造できない。

0025

本発明は、ジカルボン酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液(A)と、ジアミンと水ガラスの水溶液(B)とを、高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、初めに低速攪拌翼のみの攪拌により、反応槽内の反応溶液全体を緩やかに混合させる状態で予備重合を行い、続いて高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液を激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドを剪断することによりポリアミド複合体から成るパルプを製造することが出来る。

0026

本発明で言う予備重合とは、最終反応率のうちの約30%が反応しゲル状物が生成した状態を言う。また、本発明でいうパルプとはJIS P−8207−1976に準じたパルプ試験法に於いて212μm以上の成分割合が60重量%以上であり、かつ2mm以上の成分割合が30重量%以下の繊維状のものを言う。この範囲の繊維長分布を持つパルプからは地合が良好な紙を得ることができる。

0027

ただし、212μm未満の粒子成分を40重量%未満含んでいても、抄紙物表面の隙間をこれらの粒子が埋めることにより、地合が良好な紙が得られるため、特に212μm未満の粒子成分を除去するために、特に得られた製品分級を行う必要はない。

0028

また本発明では、ポリアミド複合体の粒子を製造することが可能である。本発明で言う粒子とは、JIS P−8207−1976に準じたパルプ篩分試験法に於いて212μm未満の繊維長の成分の割合が70重量%以上のものである。

0029

本発明では、有機溶媒溶液(A)と水溶液(B)とを高速攪拌翼と低速攪拌翼とを有する多軸攪拌装置を備えた反応槽中で、低速攪拌翼の攪拌開始と同時に高速攪拌翼を周速5m/s以上で回転させて反応液を激しく撹拌することにより、反応液を混合、重合させ、同時に生成するポリアミドを剪断することをによりポリアミド複合体から成る粒子を製造することが出来る。

0030

本発明の製造法により得られるポリアミドとガラスとの複合体は、優れた耐熱性の他に、自重の80%以上の吸水率、100m2/g以上の比表面積、800GPa以上の表面硬度、および50Kの温度上昇に伴う寸法変化が僅か0.1%以下と言う高い寸法安定性などの種々の優れた特性を有する。また該ポリアミド複合体パルプから製造したスピーカー振動板は20〜100Hzの周波数領域で優れた音再生特性を有する。またポリアミド複合体から成る粒子は研磨剤などの用途に好適に用いられる。

0031

以下に本発明を実施例にてより具体的に説明するが、実施例は発明の代表的形態を示すものであって、本発明はその範囲に限定されない。

0032

製造物分子評価法は以下の通りである。
インヘレント粘度の測定)ポリアミド複合体のポリアミド分をm−クレゾールで溶解、抽出し、不溶成分であるガラスを濾過により取り除き、得られた溶液ウベローデ粘度計を用いて、30℃、0.1g/dLでのインヘレント粘度を測定した。1.0dL/g以上のインヘレント粘度値は、分子量約20000に相当し十分な重合度を意味する。

0033

(ガラス成分の測定)ポリアミド複合体中のガラス成分の測定は以下の通りである。ポリアミド複合体を空気中、750℃で3時間焼成ポリアミド成分を完全に焼失させた後、灰分重量(=ガラス重量)を測定し、灰分を重量%として算出した。算出式は以下の通りである。
ガラス重量(%)=(750℃焼成後の灰分重量/焼成前の重量)×100

0034

ポリアミド複合体はガラスとポリアミドから成るため、生成ポリアミド複合体の収率(全収率)と各成分の収率とを以下の式で算出した。
全収率(%)=[生成ポリアミド複合体重量/(理論収率100%でのガラス重量+理論収率100%でのポリアミド重量)]×100

0035

ガラス収率(%)=[灰分重量/理論収率100%でのガラス重量]×100

0036

ポリアミド収率(%)=[(生成ポリアミド複合体重量−灰分重量)/理論収率100%でのポリアミド重量]×100

0037

(繊維長分布の測定)ポリアミド複合体の繊維長分布の評価法はJIS P−8207−1976に準じたパルプ篩分試験法で行った。この評価結果より繊維長212μm以上の成分が全重量に占める割合をパルプ分率とした。生成物の形状がパルプ状でありかつパルプ分率が60重量%以上ある場合は、抄紙に十分な形状を持つことを意味する。

0038

製造物のパルプ形状良否を判定する手段の1つとして、生成物を抄紙し得られた紙の強度を測定した。0.2g/dLの濃度に製造物を分散した液200gを直径95mmのヌッチェを用い目開き4μmのろ紙上で減圧濾過した。得られたケーキを170℃、1MPa/cm2の条件で熱プレスを行い、乾燥紙を作成した。

0039

この紙を、幅1cm、長さ30mm以上の短冊状に切り出し、試験片とした。これを島津製作所製オートグラフAGS−Hでゲージ間距離10mm、引っ張り速度1mm/minで引っ張り試験を行い、比強度を測定した。比強度は強度を試験片の密度g・cm−3で割った値である。比強度が2.0以上であれば、紙として十分な強度を持つことを意味し、紙を構成するポリアミド複合体のパルプ形状が良好なことを示す。

0040

(実施例1)ポリアミド複合体から成るパルプの製造例
アジポイルクロライド0.25モル/Lを含むトルエン溶液(A1)と、0.15モル/Lの1,6−ジアミノへキサンと100g/Lの珪酸ソーダ3号を含む水溶液(B1)を用意した。水溶液(B1)83.3Lを図1に示す井上製作所株式会社製2軸ミキサーBDM−V−270V(高速攪拌翼はエッジドタービンであるディスパー翼、低速攪拌翼とも固定回転)に予め仕込み、高速攪拌翼は停止させて、低速攪拌翼を周速1.5m/sで攪拌しつつ、トルエン溶液(A1)50Lを仕込んだ。

0041

(A1)の仕込みが終了後、高速攪拌翼を周速22m/sで10分間攪拌して混合剪断を行った。大部分がパルプ形状をした白色のポリアミド複合体が得られた。このときの合成に伴う温度上昇は8Kであった。灰分測定から、ポリアミド複合体中のガラス含量は59.3重量%であった。

0042

ポリアミド複合体の全収率は72.5%、ガラス収率は91.3%、ポリアミド収率は55.5%、ポリアミドのインヘレント粘度は1.8dL/gであった。パルプ分率は72.0%で、このポリアミド複合体パルプを用いて作成した抄紙物の強度は4.0MPa・cm3・g−1であった。またこのときの繊維長分布を図6に示した。

0043

(実施例2)ポリアミド複合体から成るパルプの製造例
トルエン溶液(A1)と0.35モル/Lの1,6−ジアミノへキサンと230g/Lの珪酸ソーダ3号を含む水溶液(B2)を、おのおのを35.0L、25.0L用意した。図2に示す浅田鉄工株式会社製コーネルデスパーMHK−10(高速攪拌翼はエッジドタービンであるディスパー翼、両攪拌翼とも遊星回転)に(B2)を予め仕込み、高速攪拌翼を停止させ、低速攪拌翼を周速1.5m/sで攪拌しながら、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。

0044

(A1)の仕込み終了後、高速攪拌翼を22m/sで15分間攪拌し混合剪断を行った。大部分がパルプ形状をした白色のポリアミド複合体が得られた。このときの合成に伴う温度上昇は12Kであった。灰分測定から、得られたポリアミド複合体のガラス含量は54.0重量%、ポリアミド複合体の全収率は85.3%、ガラス収率は92.3%、ポリアミド収率は70.8%であった。またポリアミドのインヘレント粘度は1.6dL/gであった。パルプ分率は65.3重量%であり、得られたポリアミド複合体パルプを用いて作成した抄紙物の強度は2.6MPa・cm3・g−1であった。

0045

(実施例3)ポリアミド複合体から成る粒子の製造例
実施例1と同様なトルエン溶液(A1)、および水溶液(B1)を、おのおのを15.0L、35.0L用意した。図2に示す浅田鉄工株式会社製コーネルディスパーMHK−10(高速攪拌翼はエッジドタービンであるディスパー翼、両攪拌翼とも遊星回転)に(B4)を予め仕込み、高速攪拌翼を22m/sで、低速攪拌翼を周速1.5m/sで撹拌しつつ、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。(A1)の仕込みを終了した後も30分間攪拌して混合剪断を行った。

0046

大部分が白色粉体状のポリアミド複合体が得られた。このときの製造に伴う温度上昇は10Kであった。ポリアミド複合体の灰分測定からガラス含量は59.9重量%であり、全収率は74.6%、ガラス収率は91.6%、ポリアミド収率は57.8%であった。またポリアミドのインヘレント粘度は1.0dL/gであった。繊維長212μm未満の成分割合は74重量%であり、本生成物はポリアミド複合体粒子である。得られたポリアミド複合体粒子の繊維長分布を図7に示した。

0047

(実施例4)ポリアミド複合体から成るパルプの製造例
実施例2と同様なトルエン溶液(A1)と水溶液(B2)を、おのおの27.3L、22.5Lを図3に示す特殊機化株式会社製コンビミックスCBS−100(高速軸2軸:エッジドタービンであるディスパー翼およびローター・ステーター型攪拌翼であるホモミキサー、全軸とも固定回転)に(B2)を予め仕込み、高速攪拌翼の停止させて、低速攪拌翼を周速1.5m/sで攪拌させて、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。

0048

(A1)の仕込み終了後に、高速攪拌翼を2軸とも周速22m/sで15分間攪拌し混合剪断を行った。大部分がパルプ形状をした白色のポリアミド複合体が得られた。このときの合成に伴う温度上昇は15Kであった。ポリアミド複合体の灰分測定から、ガラス含量は56.0%であった。ポリアミド複合体の全収率は86.7%、ガラス収率は92.3%、ポリアミドの収率は72.5%であった。また、ポリアミドのインヘレント粘度は1.4dL/gであった。パルプ分率は69.1重量%であり、このポリアミド複合体パルプを用いて作成した抄紙物の強度は2.9MPa・cm3・g−1であった。

0049

いずれの実施例でもガラス含量は55〜60重量%となり、ガラス成分とポリアミド成分とをバランスよく含有したポリアミド複合体を得ることが出来た。また、いずれもポリアミド収率が55%以上であることにより全収率は70%以上と高い値を示した。

0050

(比較例1)実施例1と同様のトルエン溶液(A1)、および水溶液(B1)を、おのおのを2.0L、1.3L用意し、図4に示す有限会社イカジャパンウルトラタラックス(高速攪拌翼、単軸ホモミキサー分散器)に水溶液(B1)を予め仕込み、攪拌翼を停止させ、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。トルエン溶液(A1)の仕込み終了後に、攪拌翼を周速22m/sで20分間攪拌した。攪拌翼の周辺部のみで反応が進行し、白色パルプ状物が得られたが、攪拌翼外周では反応が進行せず、半透明で強固なゲル状物が生成した。このときの合成に伴う温度上昇は15Kであった。生成した白色パルプ状物の灰分測定からガラス含量は75.9%、ポリアミド複合体の全収率は53.5%、ガラス収率は91.3%、ポリアミドの収率は25.1%であった。また本生成物からは抄紙物は得られなかった。

0051

(比較例2)実施例1および比較例1と同様のトルエン溶液(A1)、および水溶液(B1)を、おのおのを2.0L、1.3L用意し、図5に示す特殊機化株式会社製ロボミクス(高速攪拌翼、単軸ディスパー翼)に水溶液(B1)を予め仕込み、攪拌翼を停止させて、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。トルエン溶液(A1)の仕込み終了後、攪拌翼を周速22m/sで30分間攪拌した。生成した反応物が刃の回転に同調して反応液全体が回転したため、剪断力が不十分で長さが5cm以上に達する長繊維や、ゲル状物およびこれらの絡みあった塊状物が多数生成した。バッフル邪魔板)を設置しても塊状物を剪断する効果は無かった。

0052

生成物の灰分測定からガラス含量は72.1重量%、ポリアミド複合体の全収率は54.5%、ガラス収率は86.3%、ポリアミドの収率は30.3%であった。このときの合成に伴う温度上昇は25Kであった。またこの生成物からは抄紙物は得られなかった。

0053

(比較例3)実施例2と同様のトルエン溶液(A1)と水溶液(B2)を、おのおの27.3L、22.5L用意した。図2に示す浅田鉄工株式会社製コーネルデスパーMHK−10(高速攪拌翼はエッジドタービンであるディスパー翼、両攪拌翼とも遊星回転)に(B2)を予め仕込み、高速攪拌翼を停止させて低速攪拌翼を周速1.5m/sで攪拌させ、トルエン溶液(A1)を仕込んだ。

0054

トルエン溶液(A1)の仕込み終了後、高速攪拌翼を4m/sで40分間攪拌した。せん断力が不充分なため、原料溶液を内包した直径1cm以上の強固な皮膜を持つ団子状のポリマーや長さが5cm以上に達する長繊維が多数生成した。

0055

生成物の灰分測定からガラス含量は77.1%、ポリアミド複合体の全収率は54.5%、ガラス収率は93.8%、生成物のポリアミドの収率は21.7%であった。このときの合成に伴う温度上昇は16Kであった。また本生成物からは抄紙物は得られなかった。

0056

以上いずれの比較例でもポリアミド収率が31%以下と極めて低いため、ポリアミド複合体の全収率は55%以下となった。ポリアミド収率が低いことによりいずれの例でも灰分は72%以上となり、結合成分であるポリアミドが不足した複合体しか得ることが出来なかった。

発明の効果

0057

本発明は、有機溶液と水溶液との2相に含まれるポリアミドおよびガラスの原料反応成分を効率よく接触反応させる、ポリアミドとガラスとの複合体から成るパルプおよび粒子を効率良く得る工業的な製造法を提供する。

図面の簡単な説明

0058

図1実施例1で用いた多軸攪拌装置の模式図である。
図2実施例2で用いた多軸攪拌装置の模式図である。
図3実施例4で用いた多軸攪拌装置の模式図である。
図4比較例1で用いた混合装置の模式図である。
図5比較例2で用いた混合装置の模式図である。
図6 実施例1で得られたポリアミド複合体から成るパルプの繊維長分布を示す図である。
図7 実施例3で得られたポリアミド複合体から成る粒子の繊維長分布を示す図である。

--

0059

1:反応槽
2:高速攪拌軸
3:高速攪拌翼
4:低速攪拌軸
5:低速攪拌翼
6:ステーター(固定翼

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