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技術 二酸化チタンを含むガラス繊維用集束剤

出願人 日東紡績株式会社
発明者 鈴木芳治中村幸一
出願日 2001年8月30日 (19年8ヶ月経過) 出願番号 2001-261885
公開日 2003年3月12日 (18年2ヶ月経過) 公開番号 2003-073149
状態 未査定
技術分野 ガラス繊維またはフィラメントの表面処理
主要キーワード 巻き返し機 PCスペック Eガラス 巻取りチューブ 集束機 Cガラス 白金ノズル 二酸化炭素発生量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年3月12日)のものです。
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図面 (4)

課題

加熱による脱油性に優れているのみならず、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能なガラス繊維用集束剤を提供すること。

解決手段

澱粉及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの皮膜形成剤と、二酸化チタン粒子と、潤滑剤と、水とを含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤。

概要

背景

ガラス繊維織物は、溶融ガラス延伸して得られたガラス繊維フィラメント複数本集束したガラス繊維束エアージェット織機等により製織することにより製造される。ガラス繊維フィラメントを集束するに当たっては、澱粉潤滑剤等を水に溶解又は分散させた集束剤が一般に用いられており、かかる集束剤でガラス繊維フィラメントを被覆することにより、ガラス繊維織物製造工程における摩擦に起因するガラス繊維フィラメントの毛羽立ち等が低減される。

このように、集束剤はガラス繊維織物の製造工程において必要不可欠である一方で、得られたガラス繊維織物を樹脂補強材等として用いる時には、集束剤の存在は却って補強材としての性能を損なう場合があるため、集束剤が付着したガラス繊維織物(ガラス繊維織物原反)を、350〜450℃程度の高温で加熱することにより、集束剤を焼却除去することが通常行われる(これを一般に「脱油」と呼ぶ。)。

従って、集束剤には、ガラス繊維束ね能力集束性)に加えて、脱油により燃焼する性質(脱油性)が要求され、この要求に応えることのできる集束剤の配合が様々研究なされてきた。

概要

加熱による脱油性に優れているのみならず、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能なガラス繊維用集束剤を提供すること。

澱粉及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの皮膜形成剤と、二酸化チタン粒子と、潤滑剤と、水とを含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤。

目的

本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、加熱による脱油性に優れているのみならず、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能なガラス繊維用集束剤を提供することを目的とする。本発明は、また、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維束、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維織物の製造方法、及びかかる製造方法により得られるガラス繊維織物を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

澱粉及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの皮膜形成剤と、二酸化チタン粒子と、潤滑剤と、水とを含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤

請求項2

前記二酸化チタン粒子の平均粒径が、5〜30nmであることを特徴とする請求項1記載のガラス繊維用集束剤。

請求項3

請求項1又は2記載のガラス繊維用集束剤により、ガラス繊維フィラメント複数本集束してなるガラス繊維束であって、前記ガラス繊維束の表面及び内部に前記二酸化チタン粒子を有することを特徴とするガラス繊維束。

請求項4

請求項1又は2記載のガラス繊維用集束剤により、複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、前記集束工程で得られるガラス繊維束を経糸及び緯糸の少なくとも一方として製織することにより、ガラス繊維織物原反を得る製織工程と、前記ガラス繊維織物原反を加熱する脱油工程と、を含むガラス繊維織物の製造方法であって、前記集束工程と脱油工程との間に、前記ガラス繊維束を光に晒す光照射工程を備えることを特徴とするガラス繊維織物の製造方法。

請求項5

前記光照射工程を、前記製織工程と前記脱油工程との間に備えることを特徴とする請求項4記載のガラス繊維織物の製造方法。

請求項6

請求項4又は5記載の製造方法により得られることを特徴とするガラス繊維織物。

技術分野

0001

本発明は、ガラス繊維用集束剤、そのガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維束、そのガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維織物の製造方法、及びその製造方法により得られるガラス繊維織物に関する。

背景技術

0002

ガラス繊維織物は、溶融ガラス延伸して得られたガラス繊維フィラメント複数本集束したガラス繊維束をエアージェット織機等により製織することにより製造される。ガラス繊維フィラメントを集束するに当たっては、澱粉潤滑剤等を水に溶解又は分散させた集束剤が一般に用いられており、かかる集束剤でガラス繊維フィラメントを被覆することにより、ガラス繊維織物製造工程における摩擦に起因するガラス繊維フィラメントの毛羽立ち等が低減される。

0003

このように、集束剤はガラス繊維織物の製造工程において必要不可欠である一方で、得られたガラス繊維織物を樹脂補強材等として用いる時には、集束剤の存在は却って補強材としての性能を損なう場合があるため、集束剤が付着したガラス繊維織物(ガラス繊維織物原反)を、350〜450℃程度の高温で加熱することにより、集束剤を焼却除去することが通常行われる(これを一般に「脱油」と呼ぶ。)。

0004

従って、集束剤には、ガラス繊維束ね能力集束性)に加えて、脱油により燃焼する性質(脱油性)が要求され、この要求に応えることのできる集束剤の配合が様々研究なされてきた。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、現在実用化されている集束剤や文献等で公知の集束剤では脱油性が必ずしも充分とは言えず、また、実用上問題のないレベルの脱油を行うためには高温加熱長時間加熱が必要な場合が多く、脱油のために必要なエネルギーが過大になってしまうという問題があった。

0006

本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、加熱による脱油性に優れているのみならず、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能なガラス繊維用集束剤を提供することを目的とする。本発明は、また、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維束、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維織物の製造方法、及びかかる製造方法により得られるガラス繊維織物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、澱粉及び/又はポリビニルアルコールと潤滑剤とを含有する水系のガラス繊維用集束剤に二酸化チタン粒子を添加することにより、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤は、澱粉及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの皮膜形成剤と、二酸化チタン粒子と、潤滑剤と、水とを含むことを特徴とするものである。

0009

本発明のガラス繊維集束剤は上記構成を有することから、これを用いて得られるガラス繊維束やガラス繊維織物原反の表面、及びこれらを構成するガラス繊維フィラメント間に、二酸化チタン粒子を配することが可能になる。したがって、脱油に先立って光を照射することにより、二酸化チタン粒子の光触媒作用に基づいてその周囲に存在する皮膜形成剤や潤滑剤等の有機成分を分解させることが可能になるため、通常の条件で脱油を行った場合であっても脱油性を顕著に向上させることができる。また、分解によって皮膜形成剤や潤滑剤等が低分子量化するため、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能になる。なお、本発明のガラス繊維用集束剤においては、有機成分の分解効率を高めることができることから、二酸化チタン粒子の平均粒径は5〜30nmであることが好ましい。

0010

本発明は、上記ガラス繊維用集束剤の他、かかる集束剤を用いたガラス繊維束を提供する。すなわち、本発明のガラス繊維束は、上記ガラス繊維用集束剤により、ガラス繊維フィラメントを複数本集束してなるガラス繊維束であって、ガラス繊維束の表面及び内部に二酸化チタン粒子を有することを特徴とするものである。かかる構造を有するガラス繊維束は、光照射により皮膜形成剤や潤滑剤等の有機成分を分解させることが可能であるため、脱油性の向上が可能となる。

0011

本発明は、更に、上記ガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維織物の製造方法及びかかる製造方法により得られるガラス繊維織物を提供するものである。すなわち、本発明のガラス繊維織物の製造方法は、上記ガラス繊維用集束剤により、複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、集束工程で得られるガラス繊維束を経糸及び緯糸の少なくとも一方として製織することにより、ガラス繊維織物原反を得る製織工程と、ガラス繊維織物原反を加熱する脱油工程と、を含む製造方法であって、集束工程と脱油工程との間に、ガラス繊維束を光に晒す光照射工程を備えることを特徴とするものであり、本発明のガラス繊維織物は、かかる製造方法により得られるものである。なお、本発明のガラス繊維織物の製造方法は、光照射工程を、前記製織工程と前記脱油工程との間に備えるものであることが好ましい。

0012

本発明のガラス繊維織物の製造方法は、上記工程を備えるものであるため、脱油工程の前に、ガラス繊維束に存在する皮膜形成剤や潤滑剤等の有機成分が分解されるため、脱油工程における脱油性が顕著に向上し、分解による有機成分の低分子量化により、脱油に要するエネルギーを低く抑えることができるようになる。

0013

また、かかる製造方法により得られるガラス繊維織物は、脱油が高レベルでなされているために染みや着色が発生せず外観が優れており、また、ガラス繊維強化樹脂を作製した場合のマトリックス樹脂とガラス繊維フィラメントとの界面接着性も向上する。上記製造方法によるガラス繊維織物は、経糸及び緯糸の少なくとも一方が、ガラス繊維フィラメント間に二酸化チタン粒子を含んだものとすることができるため、ガラス繊維フィラメント間にある程度の間隙が存在し、ガラス繊維強化樹脂を作製する場合のマトリックス樹脂の含浸性が顕著に向上する。したがって、本発明のガラス繊維織物を用いて作製されたガラス繊維強化樹脂は、ボイド等の発生が抑制され力学特性に優れるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0014

上述のように、本発明のガラス繊維用集束剤は、皮膜形成剤(澱粉及び/又はポリビニルアルコール)、二酸化チタン粒子、潤滑剤及び水を必須成分として含有するものである。以下、かかる必須成分について詳述する。先ず、澱粉について説明する。

0015

本発明において用いられる澱粉としては、コーン澱粉コーンスターチ)、タピオカ澱粉小麦澱粉甘藷澱粉馬鈴薯澱粉ハイアミロースコーン澱粉、サゴ澱粉米澱粉等が挙げられる。また、馬鈴薯澱粉のアミロース抽出物や、酵素により合成された特殊な澱粉も使用することができる。これらの澱粉は、エーテル化エステル化グラフト化架橋等の加工が施されたものであってもよい。

0016

エーテル化された澱粉としては、カルボキシメチルエーテル化澱粉ヒドロキシアルキルエーテル化澱粉アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。また、エステル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉燐酸エステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられる。このエーテル化及びエステル化のいずれにおいても、澱粉の置換度には特に制限はない。

0017

グラフト化された澱粉としては、アクリル酸アクリル酸エステルメタクリル酸メタクリル酸エステルアクリルアミドスチレンマレイン酸等の不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱粉にグラフト重合させたものが例示可能である。

0018

澱粉としては、更に、未加工の澱粉に対して架橋を導入したもの、又は上記のエーテル化、エステル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導入したものを挙げることができる。架橋を導入する場合においては、澱粉中の水酸基反応性官能基を2以上有する化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基反応性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤として用いられる。このような架橋剤としては、エピクロルヒドリンホルムアルデヒドジエポキシド化合物ジアルデヒド化合物等を挙げることができる。

0019

本発明において用いられる澱粉におけるアミロース成分の量及びアミロペクチン成分の量は任意である。アミロース成分が50重量%未満の通常型澱粉(典型的にはアミロース成分を約30重量%、アミロペクチン成分を約70重量%含む)、及び、アミロース成分を50重量%以上含むハイアミロース型澱粉(典型的にはアミロース成分を約70重量%、アミロペクチン成分を約30重量%含む)のいずれもが使用可能である。通常型澱粉を含有する集束剤は接着性に優れ、ハイアミロース型澱粉を含有する澱粉は皮膜形成性に優れると一般的に言われている。本発明においては、用いる澱粉の少なくとも一部は、ハイアミロース型澱粉であることが好ましく、通常型澱粉とハイアミロース型澱粉を組み合わせて使用することがより好ましい。

0020

次に、本発明におけるポリビニルアルコールについて説明する。本発明におけるポリビニルアルコールとは、ビニルアルコールからなる繰返し単位を有するポリマーをいい、本発明においては、ポリ酢酸ビニル鹸化することにより得られるものであることが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、いわゆる完全鹸化品、中間鹸化品、部分鹸化品、低鹸化品を単独若しくは組み合わせて用いることができる。好適な鹸化度は80〜100モル%であり、水溶性の観点からは、鹸化度が90〜100モル%のものがより好ましく、98〜100%のいわゆる完全鹸化品が更に好ましい。

0021

ポリビニルアルコールの平均重合度は任意であるが、400〜3000が好ましく、ガラス繊維フィラメントの集束力の観点からは、平均重合度は1000〜3000程度の高重合度であることが好ましく、水溶液を低粘度にすることを考慮すれば、平均重合度は400〜2000の低重合度であることが好ましい。

0022

ポリビニルアルコールは、集束力及び水溶性を極端に低下させない限りは、エステル化、エーテル化、アセタール化分子内アセタール化、分子間アセタール化等)等の変成がなされたものを、その少なくとも1部として含有していてもよい。

0023

本発明においては、上述した澱粉及びポリビニルアルコールを皮膜形成剤として使用する。かかる皮膜形成剤は水に溶解及び/又は膨潤した状態でガラス繊維用集束剤に含有される。澱粉及びポリビニルアルコールは、混合して用いることも可能であるが、脱油の安定性の観点からは、いずれか一方のみを皮膜形成剤として用いることが好ましい。例えば、澱粉を皮膜形成剤として含むガラス繊維用集束剤は、溶融ガラスを延伸して得られるガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を作製する場合や、製織時に経糸として用いるガラス繊維束に二次サイズ剤として塗布する場合等に好適に適用可能であるが、ポリビニルアルコールをを皮膜形成剤として含むガラス繊維用集束剤は後者の場合に適用することが好ましい。

0024

次に、本発明における二酸化チタン粒子について説明する。本発明のガラス繊維用集束剤は二酸化チタン粒子を含有することをその特徴としている。本発明において用いられる二酸化チタン粒子は、結晶構造が異なるものの混合物であっても同一結晶構造のみからなるものであってもよいが、本発明の二酸化チタン粒子は、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタン粒子を含有するものであることが好ましい。

0025

また、二酸化チタン粒子の平均粒径は5〜30nmが好ましい。二酸化チタン粒子の平均粒径が5nm未満である場合は、工業的に入手困難であり、30nmを超す場合は、比表面積が小さく光触媒効率が低下し、また、ガラス繊維用集束剤中で沈殿することがあり作業性が低下する傾向がある。なお、上記平均粒径は二酸化チタン一次粒子の平均粒径を意味し、本発明においては上記平均粒径の二酸化チタン粒子は、ガラス繊維用集束剤中又はガラス繊維集束剤の不揮発成分中(不揮発成分については後述する。)において、二次粒子を形成していてもよい。

0026

次に、本発明における潤滑剤について説明する。本発明のガラス繊維用集束剤は、ガラス繊維の製造工程における機械摩擦からガラス繊維を保護するために、潤滑剤を必須構成成分とする。かかる潤滑剤としては、変性シリコーンオイル牛脂油等の動物油及びこの水素添加物ゴマ油ナタネ油パーム油等の植物油及びこの水素添加物;高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコール縮合物ラウリルステアレート等のステアリン酸エステル等);パラフィンワックスポリエチレンイミン等が例示できる。

0027

本発明のガラス繊維用集束剤は、上述した澱粉、ポリビニルアルコール及び潤滑剤の他に、水を必須成分とする。水は上述した成分を溶解又は分散可能であればよく、例えば、イオン交換水蒸留水が好適に用いられる。

0028

本発明のガラス繊維用集束剤は、上述した澱粉、ポリビニルアルコール及び潤滑剤に加えて、界面活性剤防腐剤及び帯電防止剤等の添加成分を更に含んでいてもよい。また、本発明のガラス繊維用集束剤に対して、メタノールエタノールイソプロパノール等のアルコールやその他有機溶剤を少量添加してもよい。

0029

界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤脂肪族級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤カルボキシベタイン等の両性界面活性剤ポリオキシエチレンポリアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。本発明においては、テトラエチレンペンタミンステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)を界面活性剤として用いることが好ましい。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率モル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好適である。また、TEPAとノニオン性界面活性剤とを組み合わせて用いることが特に好ましい。上記のような界面活性剤を用いることにより、ガラス繊維用集束剤における、潤滑剤等の疎水成分、並びに澱粉やポリビニルアルコール等の親水性成分を安定化することができる。

0030

本発明において用いることのできる防腐剤は、や細菌等により分解を受けやすい澱粉等の成分を保護できるものであればよく、その種類は特に制限されない。好適な防腐剤としては、ホルムアルデヒドを挙げることができる。

0031

本発明において用いることのできる帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンアルキルスルホネート、第4級アンモニウムクロライドが例示可能である。ガラス繊維用集束剤に帯電防止剤を添加することにより、ガラス繊維に生じる静電気の発生を低減させることができる。

0032

上述した本発明のガラス繊維用集束剤の構成成分は、不揮発成分(澱粉、ポリビニルアルコール、潤滑剤、帯電防止剤、界面活性剤等)と、揮発成分(水、有機溶剤、防腐剤として用いられるホルムアルデヒド等)とに大別することができる。ここで、不揮発成分とは110℃の乾燥により揮発しない成分を意味する。したがって、例えば、防腐剤に分類される化合物であっても化合物種によっては不揮発成分に属する場合がある。

0033

本発明のガラス繊維用集束剤における揮発成分の重量は、ガラス繊維用集束剤全重量を基準として、90〜99重量%であることが好ましく、94〜98重量%であることが好ましい。そして、揮発成分中、水の重量は90〜100重量%が好ましく、95〜100重量%がより好ましく、100重量%が特に好ましい。なお、揮発成分における水以外の成分は、上記のように有機溶剤、防腐剤として用いられるホルムアルデヒド等である。

0034

したがって、本発明のガラス繊維用集束剤における不揮発成分の重量は、ガラス繊維用集束剤全重量を基準として、1〜10重量%であることが好ましく、2〜6重量%であることが好ましい。そして、不揮発成分の全重量を基準として、澱粉とポリビニルアルコールは合計で30〜75重量%(更には40〜70重量%)が好ましく、潤滑剤は10〜40重量%(更には15〜30重量%)が好ましく、二酸化チタン粒子は5〜50重量%(更には10〜40重量%)が好ましい。

0035

不揮発成分の重量が1重量%未満である場合は、1回の塗布によるガラス繊維に対する付着量が少なく重ね塗りが必要になる場合があり、10重量%を超す場合には粘度が上昇して塗布性に悪影響を及ぼす場合がある。また、澱粉とポリビニルアルコールの合計量が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維用集束剤の皮膜形成性が不充分になる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の柔軟性が不充分となる場合がある。そして、潤滑剤の重量が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維フィラメントやガラス繊維束に毛羽立ちや切れが生じやすくなり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維集束剤の集束性が低下する傾向にある。一方、二酸化チタン粒子の重量が上記下限値未満である場合は、光触媒反応が充分に生じず脱油性が充分でなくなる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維束及びガラス繊維織物の製造工程においてガラス繊維フィラメントが切れやすくなる。

0036

本発明のガラス繊維用集束剤が、界面活性剤、防腐剤、帯電防止剤を含む場合は、これらの含有量は以下のような値であることが好ましい。すなわち、界面活性剤はガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として1〜10重量%(更には2〜8重量%)が好ましく、防腐剤は、澱粉100重量部に対して0.1〜5重量部(更には、0.1〜3重量部)が好ましい。また、帯電防止剤はガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として1〜5重量%(更には1〜3重量%)が好ましい。

0037

本発明のガラス繊維用集束剤は以下に述べるような製造方法により効率的に製造することができる。すなわち、澱粉及び/又はポリビニルアルコールを水に分散させた後、90〜98℃に加熱し糊化させて80℃以下に冷却し、これに、二酸化チタン粒子及び潤滑剤の水溶液(又は水分散物)をそれぞれ単独で、若しくは混合した状態で添加し、必要に応じて更に水で希釈する。上記必須成分以外の、防腐剤や帯電防止剤等を添加する場合も、これらを単独又は水溶液(又は水分散物)として、糊化した澱粉溶液に加えればよい。また、界面活性剤は、澱粉及び/又はポリビニルアルコール以外の成分(潤滑剤等)の水溶液(又は水分散物)を作製するときに用いることができる。

0038

次に、本発明のガラス繊維束について説明する。本発明のガラス繊維束は、上述のガラス繊維用集束剤により、ガラス繊維フィラメントを複数本集束してなるガラス繊維束であって、ガラス繊維束の表面及び内部に二酸化チタン粒子を有することを特徴とするものである。

0039

すなわち、本発明のガラス繊維束は、複数本のガラス繊維フィラメントと本発明のガラス繊維用集束剤とから構成されており、ガラス繊維用集束剤は、ガラス繊維フィラメントの周囲を連続又は不連続膜として被覆し、且つ、ガラス繊維フィラメントを束ねるようにガラス繊維フィラメント間に存在している。そして、二酸化チタン粒子はガラス繊維用集束剤中に分散されている。なお、本発明において、ガラス繊維束に存在するガラス繊維用集束剤は、該集束剤の不揮発成分であることが好ましい。

0040

ガラス繊維用集束剤は、ガラス繊維束の使用時にガラス繊維フィラメントを束状に保っておくだけの強度を有していればよく、ガラス繊維束内に一様に分布している必要はない。すなわち、ガラス繊維フィラメント同士の接着性の観点からは、ガラス繊維用集束剤はガラス繊維束の外縁部から中心部へ向けて略均一の濃度で分布していることが好ましいが、例えば、外縁部の濃度が高く中心部の濃度が低い場合であってもガラス繊維フィラメントを保持可能であり実用上問題とならないため、かかる構成のガラス繊維束も本発明において採用可能である。

0041

図1図2及び図3は、本発明のガラス繊維束の長さ方向と垂直の断面の模式図である。図1に示すガラス繊維束1(第1の態様)は、ガラス繊維フィラメント10とガラス繊維用集束剤12(二酸化チタンを除く成分、図1〜3について以下同様)と二酸化チタン粒子14とから構成されており、ガラス繊維フィラメント10はガラス繊維束1内部に均一に分布するガラス繊維用集束剤12により束ねられている。そして、二酸化チタン粒子14はガラス繊維束1の内部及び表面に配されている。

0042

一方、図2に示すガラス繊維束1(第2の態様)は、第1の態様と同様に、ガラス繊維フィラメント10とガラス繊維用集束剤12と二酸化チタン粒子14とから構成されており、ガラス繊維フィラメント10は、ガラス繊維束1の外縁部において高濃度、内部において低濃度となるように(空隙が存在する)、ガラス繊維用集束剤12で束ねられている。そして、二酸化チタン粒子14はガラス繊維束1の内部及び表面に配されている。

0043

また、図3に示すガラス繊維束1(第3の態様)は、第2の態様のガラス繊維束の周囲に本発明のガラス繊維集束剤を二次サイズ剤として塗布した態様(第3の態様)を示すものであり、最表面に存在するガラス繊維フィラメント10がガラス繊維用集束剤12で被覆されている。そして、二酸化チタン粒子14はガラス繊維束1の内部及び表面に配されている。

0044

本発明のガラス繊維束に用いられるガラス繊維フィラメントのフィラメント径は3〜23μmが好ましく、ガラス繊維束はかかるガラス繊維フィラメントが50〜1200本集束されてなるものであることが好ましい。ガラス繊維フィラメントのガラス組成としては、例えば、Eガラス、SガラスCガラス等が挙げられる。本発明のガラス繊維束におけるガラス繊維フィラメントの総重量とガラス繊維用集束剤の重量との比は、前者100重量部に対して、後者が不揮発成分として0.2〜5.0重量部であることが好ましく、0.5〜2.0重量部であることがより好ましい。また、本発明のガラス繊維束の態様としては、ガラス繊維ヤーンガラス繊維ロービング及びガラス繊維チョップドストランドが挙げられる。なお、本発明のガラス繊維束は、例えば、後述する本発明のガラス繊維織物の製造方法における「集束工程」を実施することにより製造することができる。

0045

次に、本発明のガラス繊維織物の製造方法について説明する。本発明のガラス繊維織物の製造方法は、(1)上述した本発明のガラス繊維用集束剤により、複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、(2)集束工程で得られるガラス繊維束を経糸及び緯糸の少なくとも一方として製織することにより、ガラス繊維織物原反を得る製織工程と、(3)ガラス繊維織物原反を加熱する脱油工程と、を含み、集束工程と脱油工程との間に、ガラス繊維束を光に晒す光照射工程を備えるものである。

0046

集束工程は、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等の溶融ガラスを白金ノズルブッシング)からガラス繊維フィラメントを引き出し、引き出し直後にローラー型アプリケーターベルト型アプリケーター等を用いてガラス繊維用集束剤を塗布し、次いで、集束機を用いることによりガラス繊維フィラメントを束ね、更に、これを室温〜150℃で乾燥し、水等の揮発成分を除去することにより製造することができる。なお、集束後に、適宜加撚を施してもよく、また、ガラス繊維束は、巻取りチューブ外径:15〜40cm、長さ:10〜60cm程度)の周囲に10〜200km程度巻き付け巻糸体としてもよい。ガラス繊維フィラメントのフィラメント径及びガラス繊維束におけるガラス繊維フィラメント数は、上述のとおりである。

0047

製織工程においてはガラス繊維束の製織を行うが、本発明において製織とは、ガラス繊維束からなる経糸及び緯糸を、これらが交差するように織ることをいう。また、製織工程において得られるガラス繊維織物原反は、脱油が行われておらずガラス繊維用集束剤の少なくとも一部が付着した状態のガラス繊維織物を意味する。

0048

本発明のガラス繊維織物の製造方法においては、経糸及び緯糸の少なくとも一方が集束工程で得られたガラス繊維束であればよいが、脱油性の観点から、経糸及び緯糸の両方が集束工程で得られたガラス繊維束であることがより好ましい。製織は、エアージェット織機等の織機を用いて行うことが好ましく、かかる場合においては、上記巻糸体からガラス繊維束を解舒して製織に供することが製造工程上好ましい。なお、ガラス繊維束を経糸として用いる場合は、製織に先立って経糸に二次サイズ剤を塗布してもよい。そして、かかる二次サイズ剤は、本発明のガラス繊維用集束剤であることが好ましい。

0049

ガラス繊維織物原反は、5〜500TEX(好ましくは22〜68TEX)のガラス繊維束を経糸及び緯糸として用い、織り密度が、経方向で16〜64本/25mm、緯方向で15〜60本/25mmになるように織られたものであることが好ましい。

0050

本発明において光照射工程は、集束工程と脱油工程との間に実施する。したがって、光照射工程は集束工程と製織工程との間若しくは製織工程と脱油工程との間又はこれらの両方において実施することができる。光照射工程は、ガラス繊維束におけるガラス繊維用集束剤(二酸化チタン粒子を除く)の少なくとも一部を、二酸化チタンの光触媒作用により分解させるために実施する。したがって、光照射工程においてガラス繊維束(ガラス繊維織物原反中のガラス繊維束を含む)を晒す光は、紫外線を含有する光であることが好ましく、特に360〜400nmの光を含むものであることがより好ましい。かかる光としては、太陽光蛍光燈光、紫外線(ブラックライト等)が挙げられる。また、光量及び照射時間は任意であり、例えば0.1〜10mW/cm2の光量で、分解対象物の少なくとも一部が分解を生じる時間だけ、ガラス繊維束を光に晒せばよい。

0051

光照射工程を集束工程と製織工程との間に実施する場合は、上記光をガラス繊維束に照射しても、ガラス繊維束が巻き取られた巻糸体に照射してもよい。光照射工程を製織工程と脱油工程との間に実施する場合は、ガラス繊維織物原反を上記光に晒せばよい。なお、本発明においては、光照射工程を、製織工程と脱油工程との間に実施することが好ましい。集束工程と製織工程との間に光照射を行うと、製織前のガラス繊維束におけるガラス繊維用集束剤の分解が進行しすぎる場合があり、製織が困難になることがあるためである。

0052

上記のように光照射が行われ、付着するガラス繊維用集束剤の少なくとも一部が分解したガラス繊維織物原反は、脱油工程において脱油に供される。

0053

本発明のガラス繊維用集束剤は、有機成分(澱粉及び/又はポリビニルアルコール、潤滑剤、乳化剤等)と無機成分(二酸化チタン粒子、帯電防止剤等)とに大別することができ、脱油工程においては、加熱によりこれらの少なくとも一部の熱分解及び減量を生じせしめればよい。この場合において、ガラス繊維フィラメントの熱劣化を考慮すると、二酸化チタン等の無機成分の全てを熱分解させる必要はなく、ガラス繊維用集束剤中の有機成分を積極的に熱分解せしめて減量させることが好ましい。むしろ、有機成分のみを熱分解させて、二酸化チタン粒子を残存させた方が、ガラス繊維強化樹脂を作製する際のマトリックス樹脂含浸性の観点から好ましい。なお、有機成分は、例えば、二酸化炭素や水等に熱分解され、これらが揮発することにより減量が生じる。

0054

脱油工程の加熱温度は、350〜450℃が好ましく、加熱時間は40〜120時間が好ましい。加熱温度が350℃未満又は加熱時間が40時間未満である場合は脱油が不充分となる傾向にある。一方、加熱温度が450℃を超す場合又は加熱時間が120時間を超す場合はガラス繊維フィラメントが劣化する可能性がある。なお、脱油は酸素の存在下(例えば、空気中)で行うことが熱分解及び減量の効率の観点から好ましい。

0055

脱油工程は、連続的に行っても(以下「連続法」という。)、バッチ式で行っても(以下「バッチ法」という。)よく、連続法とバッチ法を組み合わせて行ってもよい。連続法においては、製織工程で得られたガラス繊維織物が連続的に供給されつつ加熱が行われ、バッチ式ではロール状に巻き取られたガラス繊維織物を加熱する。脱油効率を考慮すると、連続法で一次脱油を行った後に、ガラス繊維織物をロール状に巻取り、バッチ法で二次脱油を行うことが好ましい。

0056

次に、本発明のガラス繊維織物について説明する。本発明のガラス繊維織物は上述した本発明のガラス繊維織物の製造方法により得られることを特徴とするものである。

0057

本発明のガラス繊維織物の製造方法によるガラス繊維織物は、経糸及び緯糸の少なくとも一方が、ガラス繊維フィラメント間に二酸化チタン粒子を含んだものとすることができるため、ガラス繊維フィラメント間にある程度の間隙が存在する。図4は、本発明のガラス繊維織物における緯糸の長さ方向と垂直の断面の模式図である。図4に示されたガラス繊維織物2は、緯糸20及び経糸22が交差してなるものであり、緯糸20及び経糸22はガラス繊維フィラメント10が複数束ねられたものである。そして、ガラス繊維繊維フィラメント10の表面及びガラス繊維フィラメント10間には二酸化チタン粒子14が配されている。

0058

したがって、緯糸20及び経糸22におけるガラス繊維フィラメント間には間隙が存在する。このために、ガラス繊維織物2を用いて、ガラス繊維強化樹脂を作製する場合、マトリックス樹脂が間隙を通して緯糸20及び経糸22中に侵入したすく、含浸性が顕著に向上する。したがって、本発明のガラス繊維織物を用いて作製されたガラス繊維強化樹脂は、ボイド等の発生が抑制され力学特性に優れるようになる。なお、本発明のガラス繊維織物における、ガラス繊維束の好適なTEX数及び織り密度は、上記ガラス繊維織物原反におけるのと同様である。

0059

以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0060

[ガラス繊維用集束剤の製造]
(実施例1)エーテル化ハイアミロースコーンスターチ2.20kg及びエーテル化コーンスターチ2.20kgに70kgの水を加え分散させた。次いで、これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA液とする)。一方、加熱溶解させた牛脂油1.4kg、パラフィンワックス(融点:115°F)0.5kg、二酸化チタン粒子(日本アエロジル社製、titan oxide P25、平均粒径25nm)3.4kg、ポリオキシエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=16、以下「PO/EO」と略す。)0.1kg及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=9)0.1kgに熱湯を加えながらミキサー攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈して、総重量を5kgとした(得られた液をB液とする)。また、TEPA/SA(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)150gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC液とする)。更に、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)100gを水で10倍に希釈した(得られた液をD液とする)。次いで、65℃のA液に、B液、C液及びD液を順次全量添加した後、総重量が100kgになるように湯を加えてガラス繊維用集束剤を得、60℃で保温した。

0061

(実施例2)二酸化チタン粒子の重量を、0.68kgとした他は、実施例1と同様にして、それぞれ実施例2のガラス繊維用集束剤を得た。

0062

(比較例1〜2)二酸化チタン粒子に代えて、コロイダルシリカ触媒化成工業社製、CataloidS-30H、シリカ含有量:30重量%)をシリカの重量が、実施例1及び2における二酸化チタンの含有量と同一となるようにした他は、実施例1及び2と同様にして、それぞれ比較例1及び2のガラス繊維用集束剤を得た。

0063

(比較例3)二酸化チタン粒子を用いなかった他は、実施例1と同様にして比較例3のガラス繊維用集束剤を得た。

0064

[ガラス繊維束の製造]
(実施例3〜4及び比較例4〜6)ロールコーターを用いて、Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、実施例1〜2及び比較例1〜3で得られたガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して巻き取った後、常温で10時間放置乾燥させた。次いで、巻き返し機を用いてこれを雰囲気温度40℃でボビン巻き返し、ガラス繊維束を風乾させてガラス繊維束を得た。なお、得られたガラス繊維束におけるガラス繊維用集束剤(不揮発成分)の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。なお、実施例1〜2及び比較例1〜3で得られたガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例3〜4及び比較例4〜6に該当する。

0065

[ガラス繊維織物原反の製造]
(実施例5〜6及び比較例7〜9)実施例3〜4及び比較例4〜6で得られたガラス繊維束を経糸及び緯糸として用い、高速エアージェット織機津田工業社製、ZA)にて製織を行い、IPCスペック7628タイプのガラス繊維織物原反を得た。なお、実施例1〜2及び比較例1〜3のガラス繊維用集束剤が塗布された経糸に対して、それぞれ実施例1〜2及び比較例1〜3のガラス繊維用集束剤が塗布された緯糸を用いた。そして、実施例1〜2及び比較例1〜3のガラス繊維用集束剤が塗布された経糸及び緯糸を用いたものが、それぞれ実施例5〜6及び比較例7〜9に該当する。

0066

[光照射工程及び脱油工程の実施]実施例5〜6及び比較例7〜9で得られたガラス繊維織物原反に対して、ブラックライトを用いて光量1mW/cm2、波長360nmの紫外線を100時間照射し光照射工程を実施した。次いで、紫外線照射後のガラス繊維織物原反を380℃のマッフル炉に入れ24時間保持して、脱油工程を実施した。そして、脱油工程により得られたガラス繊維織物について、表1に示す基準により目視で脱油性の評価を行った。

0067

0068

[光照射工程による二酸化炭素の発生量の測定]実施例5〜6及び比較例7〜9で得られたガラス繊維織物原反を20cm×17cmに切断して、1.5mLの密封容器内に入れ、ブラックライトを用いて光量1mW/cm2、波長360nmの紫外線を240時間照射した。そして、密封容器内の二酸化炭素の濃度を、ガステック社製ガステック検知管LLにより測定し、紫外線照射前と後の二酸化炭素量の差から二酸化炭素発生量(ppm/30日)を計算した。

0069

[マトリックス樹脂の含浸性]実施例5〜6及び比較例7〜9で得られたガラス繊維織物原反に対して光照射工程及び脱油工程を実施することにより得られたガラス繊維織物を、10cm×10cmに切断し、その上に以下の表2の組成を有するマトリックス樹脂組成物10mLを垂らし、ガラス繊維中の気泡が抜けるまでの時間を計測し、以下の式により含浸性(含浸改良率)を算出した。
含浸改良率(%)=(t1−t2)/t1×100
なお、上記式において、t1は二酸化チタン及びシリカのいずれも含有しないガラス繊維用集束剤(比較例3)を用いて得られたガラス繊維織物における含浸所要時間(秒)、t2は二酸化チタン又はシリカのいずれかを含有するガラス繊維用集束剤(実施例1〜2及び比較例1〜2)を用いて得られたガラス繊維織物における含浸所要時間(秒)を意味する。

0070

0071

以上の評価結果を、塗布されたガラス繊維用集束剤の種類に基づいて(実施例1〜2及び比較例1〜3と表記)以下の表3に示した。そして、ガラス繊維用集束剤の含有成分のうち不揮発成分の重量%も併記した。

0072

発明の効果

0073

以上説明したように、本発明によれば、加熱による脱油性に優れているのみならず、少ないエネルギー消費量でも実用上充分なレベルの脱油が可能なガラス繊維用集束剤を提供することが可能になる。また、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維束、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維織物の製造方法、及びかかる製造方法により得られるガラス繊維織物を提供することが可能になる。

図面の簡単な説明

0074

図1本発明のガラス繊維束(第1の態様)の断面の模式図である。
図2本発明のガラス繊維束(第2の態様)の断面の模式図である。
図3本発明のガラス繊維束(第3の態様)の断面の模式図である。
図4本発明のガラス繊維織物の断面の模式図である。

--

0075

1…ガラス繊維束、2…ガラス繊維織物、10…ガラス繊維フィラメント、12…ガラス繊維用集束剤、14…二酸化チタン粒子、20…緯糸、22…経糸。

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