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技術 高純度光学ガラスの溶解および精製のための装置

出願人 ショットアクチエンゲゼルシャフト
発明者 ヒルデガルト・レーマーヴェルナー・キーファーウヴェ・コルベルクエルンスト-ヴァルター・シェーファーグィド・レーケ
出願日 2002年7月9日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2002-200586
公開日 2003年3月12日 (18年2ヶ月経過) 公開番号 2003-073128
状態 特許登録済
技術分野 光学要素・レンズ ガラスの溶融、製造
主要キーワード 金属酸化化合物 キノコ形 精製室 改善値 独国特許公開 幾何学的形 減衰スペクトル ガラス溶解物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

高純度光学ガラスを溶解および/または精製することのできる装置を提供する。

解決手段

本発明は、スカル技術を用いて、高純度の光学ガラスを溶解するため、および/または、これにより生成された溶解物を、後続の精製ないし均一化工程で処理するための装置に関する。この装置は、ガラスを着色するイオンが表面に無いような金属管を用いることを特徴としている。このようなスカル坩堝の金属管は、例えばプラチナまたはプラチナ合金といった、酸化しないか、あるいは僅かしか酸化しない材料から形成される。

概要

背景

ガラスを製造する工程は、いわゆるバッチ(混合物)(Gemenge)ないしはガラス破片(Sherben)を溶解することから始まる。この溶解工程に精製工程が続き、これにより、物理的ないし化学的に結合しているガス溶解物から放出される。

光学ガラスに対しては、透過率粒子混入していないこと、そして脈理シュリーレン)(Schlieren)がないことに関して、ますます高い要求がなされるようになってきている。

光学ガラスは、通常、プラチナ製の坩堝の中で溶解される。このとき、相応する反応性の高いガラスによって、PtないしPtOXの損傷ないし侵食が発生する。PtOXは、特にUV(Ultraviolet;紫外)領域ならびに青色のスペクトル領域における着色をもたらす。Ptが溶け込んだりPtOXからPtへ還元されたりすることによって、ガラスの中に邪魔になるPt粒子が生じる。このPt粒子は、特にレーザーに応用するためのガラスの場合には、許容することができないものである。

プラチナは、とりわけバッチを溶解している間に蝕まれ、溶かされるので、溶解工程は、主としてセラミック製の耐火物からなる溶解槽において行われる。大抵の場合、このセラミック製の溶解槽に、Ptの精製室、ならびにPtからなる均一化システムがつながっている。溶解槽用のセラミック製耐火物として、主として石英ガラス(Kieselglas)が用いられている。しかしながら、例えばランタンホウ酸塩ガラス(Lanthanboratglaeser)ないしフッ素含有ガラス(fluorhaltige Glaeser)といったような光学ガラスが存在し、これらのガラスは、経済的な製造ができない程に珪酸を強く溶かす。しかし、脈理は、反応性の高いガラスがまだ少量のときにもすでに、石英ガラスが溶けることによって形成されてしまう。こういった脈理は、しかしながら、続く溶解工程を通して、もはや完全には解消されることはない。例えばチップ製造におけるステッパ対物レンズに対して求められるような一様性に関する高い要求を有する用途の場合、こういった脈理は許容できるものではない。

こうした理由から、一連の特許公報には、空冷もしくは水冷石英坩堝内での高純度ガラスの溶解について記載されている(米国特許第3997313号明細書、英国特許第1404313号明細書、欧州特許第0109131号公報)。空冷ないし水冷によって、確かにSiO2が削り取られるのを低減させることができるが、完全に防ぐことはできない。坩堝の中では、溶解が行われている間にわたって温度変動が生じ、これにより坩堝の腐食が発生している。

Al2O3といった他のセラミック製の耐火物は、より良好にガラスによる腐食に対して耐えるであろうが、鉄などの遷移元素によってかなりひどく汚れているのが普通で、このため、これらの耐火物は、例えば照明技術用のグラスファイバといった高い透過率が重要になるような応用には不向きである。

ガラスを溶解するためのさらなる装置に、スカル溶解(Skull-Schmelzen)によるものがある。この原理は、例えば米国特許第4049384号明細書に記載されている。この場合、周囲の璧部が冷却可能な金属管から形成されている坩堝が用いられる。溶解の運転時には、この璧部の部分に、同種物質(arteigenes Material)からなる固い表皮(スカル)が形成されるため、溶解物と接触する側に面した金属管がこの表皮(スカル)によって覆われるようになっている。スカル溶解技術は、耐火材料を製造したり、あるいはZrO2等の結晶成長させる目的で、高温融解するガラスや結晶を溶かす場合に好適に用いられる。高温で融解するスターティング材料(混合物)は、璧部の部分に焼結された同種物質からなる固い表皮を形成する。このスカル溶解法の長所は、ガラスが同種物質の中で溶解されるために脈理の形成が阻止されるという点にある。

このスカル坩堝の原理は、溶解工程においてだけではなく、精製工程においても成功裏に用いられている。スカル坩堝は、さらに多岐にわたって開発されたが、これについては、例えば独国特許公開第19939772号公報を参照されたい。そこでは、いわゆるキノコ形スカル坩堝について記載されている。この場合、溶解物の上側の冷却された金属管の腐食が阻止される。液体によって冷却された金属管は、キノコの形をした上側の部分で外側に向かって折り曲げられている。この冷却された金属管の上には、冷めた部分にセラミックリングが載置されている。このようにして、溶解物の方に向けられた側に面した金属管は、完全にガラス溶解物によって覆われている。

斯かるキノコ形スカル坩堝を用いて行なった調査により、ガラス中の汚染は、低減はされるものの、しかし完全にはなくすことができないということが判明した。

かくして、スカル坩堝内で処理された溶解物は、例えば溶解時ないし精製時においては、確かに脈理がないものにはなる。しかしながら、この溶解物は色を呈することがよくあり、この着色がガラスの品質を著しく損ない、しかも、ある種の光学的用途に対してはガラスを使い物にならなくしてしまっている。このようにして、ガラス中に幾分強くなることもあるような着色等が生じる。斯かる着色が現れるのは、スカル坩堝の冷却された金属管が、ある種の特殊鋼や銅からなる場合である。

概要

高純度の光学ガラスを溶解および/または精製することのできる装置を提供する。

本発明は、スカル技術を用いて、高純度の光学ガラスを溶解するため、および/または、これにより生成された溶解物を、後続の精製ないし均一化工程で処理するための装置に関する。この装置は、ガラスを着色するイオンが表面に無いような金属管を用いることを特徴としている。このようなスカル坩堝の金属管は、例えばプラチナまたはプラチナ合金といった、酸化しないか、あるいは僅かしか酸化しない材料から形成される。

目的

本発明は、高純度の光学ガラスを溶解および/または精製することのできる装置を提供することを目的とする。このとき、溶解工程ないし精製工程の際に、金属粒子、発色するイオンないし異質な脈理が、ガラス溶解物中に入らないようにされなければならない。ガラスの品質は、金属の粒子にも、着色イオンにも、そして脈理にも損ねられてはならない。色付けするイオンの量は、必要となれば、非常に長い(10m以上)グラス光ファイバにおける減衰スペクトルによってもなお保証できる程に少ない必要がある。本発明に係る装置は、さらに、極めて攻撃的で高い反応特性を有するガラス溶解物にも適したものでなければならない。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

スカル溶解法を用いて、金属の粒子、発色する酸化物、ならびに異質脈理がない高純度光学ガラスを溶解するための装置において、スカル坩堝金属管または金属管のコーティングは、酸化しない材料、又はガラス溶解物を着色するイオンを含有しない材料からなることを特徴とする光学ガラスを溶解するための装置。

請求項2

請求項1に記載の装置において、前記スカル坩堝の前記金属管は、例えばプラチナまたはプラチナ合金といった、酸化しないか、あるいは僅かしか酸化しない材料からなることを特徴とする装置。

請求項3

請求項1に記載の装置において、前記スカル坩堝の前記金属管は、例えば銅または鋼からなり、前記金属管の前記コーティングは、例えばプラチナ、金、銀、又はこれらの合金といった、酸化しないか、あるいは僅かしか酸化しない材料からなることを特徴とする装置。

請求項4

請求項1に記載の装置において、前記スカル坩堝の前記金属管は、前記ガラス溶解物を着色するイオンを含有しない、例えばアルミニウムマグネシウム、又は亜鉛といった材料からなることを特徴とする装置。

請求項5

請求項1に記載の装置において、前記スカル坩堝の前記金属管は、例えば銅または鋼からなり、前記金属管の前記コーティングは、前記溶解物を着色するイオンを含有しない材料からなり、例えばアルミニウム、マグネシウム、錫、亜鉛、又はこれらの合金の金属コーティングからなることを特徴とする装置。

請求項6

請求項1に記載の装置において、前記スカル坩堝の前記金属管は、例えば銅または鋼からなり、前記金属管の前記コーティングは、例えばAl2O3、MgO、ZrO2、Y2O3、またはこれらの組み合わせといった金属酸化物からなるか、あるいは、金属窒化物からなるか、あるいは、例えばタングステンカーバイドといった金属炭化物からなるか、あるいは例えばモリブデンシリサイドといった金属珪化物からなるか、あるいはこれらの組み合わせからなることを特徴とする装置。

請求項7

請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装置において、前記スカル坩堝は、円筒形状に形成されていることを特徴とする装置。

請求項8

請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置において、前記スカル坩堝は、キノコ形坩堝として形成されていることを特徴とする装置。

技術分野

0001

本発明は、ガラスの製造工程に係り、特に、ガラス溶解物の製造および処理に関する。

背景技術

0002

ガラスを製造する工程は、いわゆるバッチ(混合物)(Gemenge)ないしはガラス破片(Sherben)を溶解することから始まる。この溶解工程に精製工程が続き、これにより、物理的ないし化学的に結合しているガス溶解物から放出される。

0003

光学ガラスに対しては、透過率粒子混入していないこと、そして脈理シュリーレン)(Schlieren)がないことに関して、ますます高い要求がなされるようになってきている。

0004

光学ガラスは、通常、プラチナ製の坩堝の中で溶解される。このとき、相応する反応性の高いガラスによって、PtないしPtOXの損傷ないし侵食が発生する。PtOXは、特にUV(Ultraviolet;紫外)領域ならびに青色のスペクトル領域における着色をもたらす。Ptが溶け込んだりPtOXからPtへ還元されたりすることによって、ガラスの中に邪魔になるPt粒子が生じる。このPt粒子は、特にレーザーに応用するためのガラスの場合には、許容することができないものである。

0005

プラチナは、とりわけバッチを溶解している間に蝕まれ、溶かされるので、溶解工程は、主としてセラミック製の耐火物からなる溶解槽において行われる。大抵の場合、このセラミック製の溶解槽に、Ptの精製室、ならびにPtからなる均一化システムがつながっている。溶解槽用のセラミック製耐火物として、主として石英ガラス(Kieselglas)が用いられている。しかしながら、例えばランタンホウ酸塩ガラス(Lanthanboratglaeser)ないしフッ素含有ガラス(fluorhaltige Glaeser)といったような光学ガラスが存在し、これらのガラスは、経済的な製造ができない程に珪酸を強く溶かす。しかし、脈理は、反応性の高いガラスがまだ少量のときにもすでに、石英ガラスが溶けることによって形成されてしまう。こういった脈理は、しかしながら、続く溶解工程を通して、もはや完全には解消されることはない。例えばチップ製造におけるステッパ対物レンズに対して求められるような一様性に関する高い要求を有する用途の場合、こういった脈理は許容できるものではない。

0006

こうした理由から、一連の特許公報には、空冷もしくは水冷石英坩堝内での高純度ガラスの溶解について記載されている(米国特許第3997313号明細書、英国特許第1404313号明細書、欧州特許第0109131号公報)。空冷ないし水冷によって、確かにSiO2が削り取られるのを低減させることができるが、完全に防ぐことはできない。坩堝の中では、溶解が行われている間にわたって温度変動が生じ、これにより坩堝の腐食が発生している。

0007

Al2O3といった他のセラミック製の耐火物は、より良好にガラスによる腐食に対して耐えるであろうが、鉄などの遷移元素によってかなりひどく汚れているのが普通で、このため、これらの耐火物は、例えば照明技術用のグラスファイバといった高い透過率が重要になるような応用には不向きである。

0008

ガラスを溶解するためのさらなる装置に、スカル溶解(Skull-Schmelzen)によるものがある。この原理は、例えば米国特許第4049384号明細書に記載されている。この場合、周囲の璧部が冷却可能な金属管から形成されている坩堝が用いられる。溶解の運転時には、この璧部の部分に、同種物質(arteigenes Material)からなる固い表皮(スカル)が形成されるため、溶解物と接触する側に面した金属管がこの表皮(スカル)によって覆われるようになっている。スカル溶解技術は、耐火材料を製造したり、あるいはZrO2等の結晶成長させる目的で、高温融解するガラスや結晶を溶かす場合に好適に用いられる。高温で融解するスターティング材料(混合物)は、璧部の部分に焼結された同種物質からなる固い表皮を形成する。このスカル溶解法の長所は、ガラスが同種物質の中で溶解されるために脈理の形成が阻止されるという点にある。

0009

このスカル坩堝の原理は、溶解工程においてだけではなく、精製工程においても成功裏に用いられている。スカル坩堝は、さらに多岐にわたって開発されたが、これについては、例えば独国特許公開第19939772号公報を参照されたい。そこでは、いわゆるキノコ形スカル坩堝について記載されている。この場合、溶解物の上側の冷却された金属管の腐食が阻止される。液体によって冷却された金属管は、キノコの形をした上側の部分で外側に向かって折り曲げられている。この冷却された金属管の上には、冷めた部分にセラミックリングが載置されている。このようにして、溶解物の方に向けられた側に面した金属管は、完全にガラス溶解物によって覆われている。

0010

斯かるキノコ形スカル坩堝を用いて行なった調査により、ガラス中の汚染は、低減はされるものの、しかし完全にはなくすことができないということが判明した。

0011

かくして、スカル坩堝内で処理された溶解物は、例えば溶解時ないし精製時においては、確かに脈理がないものにはなる。しかしながら、この溶解物は色を呈することがよくあり、この着色がガラスの品質を著しく損ない、しかも、ある種の光学的用途に対してはガラスを使い物にならなくしてしまっている。このようにして、ガラス中に幾分強くなることもあるような着色等が生じる。斯かる着色が現れるのは、スカル坩堝の冷却された金属管が、ある種の特殊鋼や銅からなる場合である。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、高純度の光学ガラスを溶解および/または精製することのできる装置を提供することを目的とする。このとき、溶解工程ないし精製工程の際に、金属粒子、発色するイオンないし異質な脈理が、ガラス溶解物中に入らないようにされなければならない。ガラスの品質は、金属の粒子にも、着色イオンにも、そして脈理にも損ねられてはならない。色付けするイオンの量は、必要となれば、非常に長い(10m以上)グラス光ファイバにおける減衰スペクトルによってもなお保証できる程に少ない必要がある。本発明に係る装置は、さらに、極めて攻撃的で高い反応特性を有するガラス溶解物にも適したものでなければならない。

課題を解決するための手段

0013

この課題は、独立請求項に記載した特徴により解決される。

0014

本発明者らは、例えば大抵の光学ガラスの場合のように、低い温度で融解するガラス(niedrig schmelzende Glaeser)の場合、スカル溶解時に、焼結された同種物質からなる厚いスカル層が形成されず、その代わり、冷却された金属管側に直にぴったり張り付くような薄いガラス層だけが形成されるということを認識するに至った。驚く事に、この薄いガラス層を通して、金属管の表面と高温のガラス溶解物との間でイオン交換が行われていることが判明した。これは、金属管が例えば水で冷却されているだけに一層驚きである。

0015

本発明は、冷却可能な管の材料ないし少なくともその表面層が、冷却可能な管と溶解物との間のイオン交換が起こらないように構成される必要があるか、あるいは、上記薄いガラス層を通ってガラス溶解物の中に拡散するイオンがガラスの組成を損なうような影響を与えないように構成される必要があるという点に基づいている。プラチナ、インジウム、あるいはロジウム等のある種の金属がガラス溶解物を着色するという性質を有していることは、確かに知られてはいた。しかしながら、驚きは、薄いガラス層を突き抜けるイオン交換について上述のように判明した事実である。

0016

管の表面とガラス溶解物との間のイオン交換は、管の表面が金属の形態で存在していれば、つまり、管の表面が酸化していなければ防ぐことができる。元素は、金属の形態ではイオン交換に寄与しない。

0017

実験により、プラチナ管を用いる際には、ガラス層を介したプラチナの拡散は、観測可能な範囲では発生しないことが明らかとなった。水冷式のプラチナ管では、貴金属のプラチナ(Pt)の酸化は、事実上発生しない。Ptは、非常に品質の優れた高貴な金属であり、空気中の酸素に対してだけではなく、ガラス溶解物中の酸素に対しても耐性を有している。Ptの他にAuも酸素による腐食に対して耐性がある。とは言え、安定性や強度の面から、さらには価格の面から、Au管の使用は意味が無い。

0018

Ir、Pd、及びRhからなる管は、比較的酸化に強いが、それでもガラス溶解物中への少量の拡散を排除できない。これらの元素のイオンは、ガラスに色を付けるため、これらの金属からなる管は、最も高い要求がなされる場合には不向きである。透過率に対する要求が幾分低いならば、これらの金属も利用することができる。

0019

W、Mo、及びNbは、より低い温度では、やはり耐酸化性を有している。これらの金属は、加工が難しく、さらに、これらのイオンがガラスを着色するという欠点を有している。

0020

調査によりさらに明らかになったことは、管の表面さえ貴金属で覆われていれば、イオン交換が妨げられるということである。貴金属による表面被覆処理(Veredelung)は、一つにはコストを削減する手段であり、また、一つには、銅や特殊鋼からなるコーティングされた管をより上手くスカル坩堝に組み立て可能にするものである。最後まで組み立てられたスカル坩堝をコーティングすることもまた可能である。

0021

銀からなる管や銀のコーティングを有する管は当然のことながら使用することはできない。Agは、室温でさえも表面に簡単に酸化物を形成する傾向がある。1価のイオンとして、Ag+は、比較的容易に拡散する。ガラス溶解物中でAg+は無色ではあるが、比較的反応しにくい金属として簡単にAg0に還元され得る。このAg0は、大きな金属片集積しない場合でさえ、ガラスをわずかに黄色に染めてしまう。銀の管、ないし銀コーティングされた管は、このため、強く酸化する溶解物(stark oxidierende Schmelzen)の場合にのみ使用することができる。

0022

金属管とガラス溶解物との間のイオン交換が許され得るのは、管からガラス溶解物へと移動するイオンが、ガラス格子の中に組み込まれて着色に寄与しないイオンである場合である。

0023

Al管を用いる場合には、アルミニウム金属の表面がすでに薄い酸化層で覆われているために、Al3+のガラス溶解物へのイオン拡散を排除することができない。このAl3+は、いわば網状組織を形成するネットワーク形成体であって、完全に無色である。Al管からなるスカル坩堝を用いた実験によれば、ガラス溶解物すなわち溶解されたガラスの着色が全くないことが分かっている。脈理の形成も同様に生じない。というのも、管からガラス溶解物に拡散するAl3+における量が、脈理を形成するにはあまりにも少なすぎるからである。Al管と同様、マグネシウム管や亜鉛管といった、ガラスを着色する構成要素を持たない他の金属管もまた使用することができる。これらの金属もまた、ガラスの透過率を下げることなく、イオンとしてガラス溶解物内に拡散することができる。

0024

例えば銅管や、あるいは特殊鋼管といった金属管は、管の表面だけがガラス層で覆われ、このガラス層を介して溶解物と接触するので、上記のAl、Zn、Sn、及びMgのような金属でコーティングすることができる。金属管内の支障のある拡散は、コーティングされた管では確認されていない。

0025

さらなる手段として、金属管には、不動態化した層(passivierende Schichten)を設けることもできる。不動態化した層とは、本明細書中金属酸化物金属窒化物金属炭化物金属珪化物、あるいはこれらの混合物を意味する。これらの結合内に、ガラスバッチを着色する金属が金属イオンとして組み入れられることは禁じられている。

0026

金属管をコーティングするための金属酸化化合物として、例えば、Al2O3、MgO、ZrO2、Y2O3等が考慮の対象となるが、場合によっては、これらの窒化物炭化物も対象となる。

0027

タングステンカーバイド(Wolfram-Carbide)ないしモリブデンシリサイド(Molybdaensilizide)に対しても金属と同じことがあてはまる。つまり、少量がガラス中に拡散していくことが時と場合によっては起こりうる。この場合、用途によって使用できるか否かが決まる。

発明を実施するための最良の形態

0028

(実施例1)ランタンホウ酸塩ガラス(組成は表1を参照)の一群からなる光学ガラスを、Ptによってコーティングされた特殊鋼からなるスカル坩堝内で溶解した。以下の溶解パラメータを用いた。
投入:1240〜1260℃
精製:1280℃
静置(abstehen):1240〜1200℃
鋳造坩堝内で約1200℃;フィーダ内で約1100℃

0029

この溶解物を様々な幾何学的形状の型(丸板、細長の棒、横板状の棒)に流し込み、650℃から室温まで冷ました。

0030

以下の値が測定により得られた。
nd=1.71554; (1.71300)
νd=53.41; (53.83)
ΔPg,F=−0.0084; (−0.0083)
τi(400nm;25mm)=0.972; (0.94)

0031

ここで、括弧内に与えられた参照値は、従来の溶解技術を用いて、つまり誘導加熱されたPt坩堝内で溶かした同じ組成のガラスを用いて測定した値である。

0032

測定光参照光とでそれぞれ光束を測定し、測定光による測定値(Φmes)を参照光による測定値(Φref)で割った、波長に依存する値(Φmes /Φref)を正味の透過率(以後、純透過率(Reintransmission)と称する)とすると、この純透過率が青色のスペクトル領域で著しく増加するという改善が見られた。青色での吸収が起こると、黄色がかった色に染まる原因となるため、写真撮影顕微鏡観察、及び望遠鏡といった観察の用途の場合には、できるだけこういった吸収は少ないことが望ましい。屈折力(Brechwert)とアッベ数誤差は、幾分高めの蒸発速度によって引き起こされるもので、バッチにおける微調整を通して容易に修正することができる。

0033

比肩し得る溶解条件の下で、同じガラスを用いたさらなる実験では、以下の値が得られた。
nd=1.70712; (1.71300)
νd=53.68; (53.83)
ΔPg,F=−0.0084; (−0.0084)
τi(400nm;25mm)=0.965; (0.94)
τi(365nm;25mm)=0.831; (0.72)

0034

ここでは、多くのUVへの応用にとって特徴的な365nmでの透過率の値を同時に求めた。この波長は、水銀蒸気ランプの重要な輝線の一つに対応していて、多くの用途に用いられている。この波長での発光効率(Lichtausbeute)は、新式の技術の応用で0.111ないし15%ほど増加させることができるが、これは、明らかに生産上の利点に見合うものである。さらに、屈折力の誤差におけるさらに低い値に、上で述べた修正処理が可能であることが見て取れる。

0035

(実施例2)ここで述べるのは、アルカリ亜鉛ケイ酸塩ガラス(Alkali-Zink-Silikatglaeser)の一群からなるガラスである。この種のガラスは、照明技術に用いられるファイバ(光ファイバ)の製造に用いられる。この場合、透過率が優れていることと、ほとんど色に染まっていないこととが決定的な意味を持ってくる。こういったことから、溶解時におけるPtとの接触は、できり限り回避されなければならない。

0036

これまでは、石英ガラスの坩堝内で溶解することでなんとかしのいできたのであるが、上記の如きガラスは、高いZnOの含有量(>30%)ならびに高いR2O含有量(>10%;R=Na,K)の条件の下で、石英に対してあからさまに高い反応性を有して攻撃的になる。4〜5mmの壁の厚さを有した通常の石英ガラス坩堝は、製造に用いた期間が1日でもすでに、引き続き使用できない程に薄くなることが度々であった。全てのケースのうち10〜20%の割合で坩堝が壊れて、そのために溶解物は使うことができなかった。

0037

斯かるガラスの一群に対しては、アルミニウムからなるスカル坩堝を好適に使用することができた。この坩堝は、Ptでコーティングされた特殊鋼の坩堝と同様に、原則的には使用寿命限界がないことが分かっている。着色するような汚染は何も現れなかった。ガラス内へのAlの進入は、確認することができなかった。その上、0.5%までの少量のAl2O3は、それが純粋な物質である限り所望のガラス特性に影響を与えない。以下の溶解パラメータを用いた。
投入:1300℃
精製:1450℃
静置:1350℃
鋳造:坩堝内で約1250℃;フィーダ内で約1200℃

0038

測定によって、以下のような特徴的な純透過率の値が得られた(括弧内には、通常の溶解技術を用い、誘導加熱されたPt坩堝内で溶かされた同種のガラスに対する値が与えられている)。
τi(300nm;25mm)=0.0010 (0.0011)
τi(330nm;25mm)=0.6263 (0.5565)
τi(350nm;25mm)=0.9680 (0.8959)
τi(370nm;25mm)=0.9951 (0.9600)
τi(400nm;25mm)=0.9995 (0.9839)
τi(420nm;25mm)=0.9972 (0.9890)
τi(450nm;25mm)=0.9985 (0.9924)

0039

300nmの場合、ガラス自身の中で吸収される領域にある。この場合には、純透過率には何の違いも見出すことができない。これより大きい全ての波長では、普通に溶解されたガラスの純透過率を引き下げているPtの影響が明らかに伺われる。

0040

Ptの影響がとりわけ顕著になるのは、330nmから350nmの波長の場合であり、この影響は可視光領域に入ってもまだ見て取ることができる。ここで、純透過率は、最大値1に規格化されているため、純透過率の値が1に近い所では、達成された改善値を見るのには不適当指標となっていることに留意しなければならない。より適した指標は、この場合、dB/kmの単位で表される減衰である。450nmに関して、新しい溶解装置に対しては26dB/km、Pt坩堝内で作られた溶解物に対しては130dB/kmの値が得られる。この場合には、明らかな改善を見て取ることができる(この場合、より小さい値の方が、大きな値よりも優れている)。

0041

実施例1および実施例2に関するガラスの組成

0042

実施例1に係るガラスに関しては、B2O3、Ln2O3(Ln=Sc、Y、La、Gd、Yb、Lu)に特徴がある。これらは、広い濃度範囲で変更することができる。他の全ての成分は、任意であり、さらに補うこともできる。これにより、幅広い屈折力ならびにアッベ数の範囲の中で、LaK、LaF、及びLaSFの一群の光学ガラスを実現することができる。

0043

実施例2に係るガラスに関しては、特徴をなす成分は、表の中に与えられている。通常よく行なわれている規則に従って、10%までの部分的な置き換えを行なうことができる。例えば、ZnOをBaOと、Na2OをLi2Oと、SiO2をNa2OならびにAl2O3と、等というように置き換えることができる。特殊な場合には、こういった置き換えの枠はさらに広げることができる。

0044

以下、本発明の実施形態ならびに従来の技術を図面に基づき詳述する。

0045

図1には、上側の部分が90°外側に向かって折り曲げられている水冷式アルミニウム管花冠BTからなるキノコ形スカル坩堝Aが示されている。外側に曲げられた管の上には、耐火性の材料からなるリングが載置され、このリングの上に上部炉蓋体DTが置かれている。このスカル坩堝は、コイルEにより高周波を用いて加熱される。加えて、バーナFを用いて表面を加熱することもできる。

0046

図2に示された設備は、個々には以下のように機能する。

0047

溶解時には、壁部材料の上部で最も激しい腐食が起こるため、注入漏斗を通して投入されたバッチ(混合物)は、キノコ形スカル坩堝A内で水冷されたプラチナ管を用いて溶解される。溶解後、ガラスは、誘導加熱されたプラチナによる深刻な汚染を心配することなく、プラチナ溝B内にて精製され、プラチナ攪拌器Cにて均一化され、さらに、プラチナ製のフィーダD内で状態を整えることができる。

0048

図3に示された設備は、プラチナでコーティングされた水冷された銅管を有するキノコ形スカル坩堝Aおよびキノコ形スカル坩堝B′を備えており、さらに、均一化と調整のための装置C′を備えている。

0049

反応性の高いガラスの場合には、溶解だけでなく精製もまたスカル坩堝の中で行なうことが好ましい。溶解に加え、精製時には、温度が高いことに起因して、より激しい材料の腐食が発生する。

0050

図4には、ガラスを溶解するためのキノコ形スカル坩堝Aと、さらに、その下に位置して直につながるもう一つの精製用のキノコ形スカル坩堝B″が示されている。これら双方のスカル坩堝は、プラチナでコーティングされた水冷された特殊鋼管を備えている。

0051

図3に示される実施形態と比べると、この実施形態においては、水平方向の接続部がない。

0052

図5によるスカル坩堝は、従来の構成に関するものである。この坩堝は、水冷された銅管を有している。

0053

この装置を用いた場合、所望の純度でガラスを得ることは不可能であった。ガラスは、全て僅かながらに銅に起因した色に染まっていた。

図面の簡単な説明

0054

図1キノコ形スカル坩堝を示す立面図である。
図2溶解、精製、及び均一化のための設備を示す概略図である。
図3さらに他の溶解、精製、及び均一化のための設備を示す概略図である。
図4溶解および精製のための設備を示す図である。
図5従来構成のスカル坩堝を示す図である。

--

0055

A・・・キノコ形スカル坩堝(スカル坩堝)
B・・・プラチナ溝(ガラス溶解物を精製するための装置)
B′・・・キノコ形スカル装置(ガラス溶解物を精製するための装置)
B″・・・キノコ形スカル装置(ガラス溶解物を精製するための装置)
C・・・プラチナ攪拌器(ガラス溶解物を均一化するための装置)
C′・・・均一化と調整のための装置
D・・・フィーダ(ガラス溶解物を均一化するための装置)
E・・・コイル
F・・・バーナ
BT・・・水冷式アルミニウム管の花冠
DT・・・上部炉蓋体

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